JP2756856B2 - 節水効率の優れた自動現像装置及び該装置を用いた印刷用ハロゲン化銀感光材料の処理方法 - Google Patents

節水効率の優れた自動現像装置及び該装置を用いた印刷用ハロゲン化銀感光材料の処理方法

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JP2756856B2 JP12059290A JP12059290A JP2756856B2 JP 2756856 B2 JP2756856 B2 JP 2756856B2 JP 12059290 A JP12059290 A JP 12059290A JP 12059290 A JP12059290 A JP 12059290A JP 2756856 B2 JP2756856 B2 JP 2756856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、印刷用ハロゲン化銀感光材料用自動現像装
置に関し、更に詳しくは、水洗水の再生利用手段を有
し、節水効率に優れた自動現像装置及び該装置を用いた
印刷用ハロゲン化銀感光材料の処理方法に関する。
[従来の技術] 現在、ハロゲン化銀感光材料の現像処理は自動現像機
を用いて行われるのが一般的であるが、このような自動
現像機は、通常、現像、定着、水洗、乾燥の各工程から
なっており、現像及び定着処理を終えた感光材料は水洗
工程において材料中に含まれる前工程の処理液成分、特
に定着液成分を水洗除去される。この水洗が不十分であ
る場合、特に白黒ハロゲン化銀感光材料においては材料
中の残留定着液成分に起因する画像の経時劣化等の性能
上の問題が生じてくる。従って、感光材料中の残留定着
液成分を十分に除去するため十分な水洗が行われる必要
があるが、自動現像機中の水洗槽に収容される水洗水量
では上記の如き充分な水洗は不可能であった。このた
め、水洗処理時には水道水を常時供給し、オーバーフロ
ーする水洗水はそのまま下水道へ排水する方法がとられ
るのが現状であった。
上記の如き状況の中で近年、省資源及び生産コスト低
減の観点から自動現像機の水洗時における節水要求が強
まってきており、これに伴う技術改善要求も高まってい
る。即ち、都市部における地盤沈下等の問題、欧米諸国
に比較しての下水処理設備の立ち遅れに対する設備投資
等による上下水道料金の上昇、また、特定地域における
夏場の特異的気象状況に起因する断水等に対応するため
の水洗水節約に関する要求は、近年の製版所での処理量
の増大及び排水総量規制の問題と相まってますます強ま
ってきている。
上記の如き節水要求に対して、従来提案されている水
洗処理のかわりに薬品処理を行なう無水洗・無配管シス
テム又は向流水洗法等は、現在の白黒ハロゲン化銀感光
材料用、特に印刷製版用自動現像装置には処理槽の増大
等装置の複雑化・大型化を招き、この結果、処理ライン
が長くなり、感光材料の処理時間が遅くなるという、近
年の大量処理に伴う処理の迅速化の観点からは全く逆行
する方向にあり、適用できないものであった。
さらに上記のような装置において処理の迅速化を図ろ
うとした場合、処理ライン速度をさらに増大させる必要
があるが、このような場合、感光材料に与える物理的負
担が大きくなり、例えば感光材料の帯電等の問題を生じ
てくる。
[発明が解決しようとする課題] このため、1つの方法として、水洗処理を行う水洗槽
とは別に水洗水を溜めておく貯水槽を水洗槽の近傍に設
け、該貯水槽と水洗槽の間で水洗水を循環させる(以
下、この循環経路を単に循環経路という)方法が考えら
れるが、この方法によれば処理される感光材料により水
洗水中に持ちこまれる前工程の現像液、定着液成分及び
染料、色素、界面活性剤、ゼラチン等の感光材料からの
溶出成分等の濃度が処理量の増大に応じて上昇し、特に
近年の大量処理においては法的に定められた水質基準と
してのヨウ素消費量の値をも短時間で上回ってしまう結
果となり、排水上の問題が残る。即ち、節水効率と排水
処理の問題を同時に満足する方法は未だ見出されていな
かった。
上記のごとき問題に対し本発明の目的は、第1に水洗
水の再生利用を可能にし、その結果節水効率を高めた自
動現像装置を提供することであり、第2には、汚染され
た水洗水を排水可能な迄に浄化しうる自動現像装置を提
供することであり、第3はコンパクトであり、かつメン
テナンスやコスト面の改善された節水効果の優れた自動
現像装置及び該装置を用いた印刷用ハロゲン化銀感光材
料の処理方法を提供することである。さらに本発明の第
4の目的は水洗時における感光材料の残留定着成分の増
大を防止することであり、第5の目的としては節水効率
の改善に伴って生ずる汚染水洗水の排水処理方法を提供
することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記の問題点に鑑みて鋭意研究の結
果、本発明の上記目的は、少なくとも現像部、定着部お
よび水洗部からなる自動現像装置において、前記水洗部
が、感光材料を水洗する水洗手段と、該水洗手段から排
水された使用済水洗水を含む水を前記水洗手段に供給さ
れる水洗水として一時溜めておく貯水手段と、該使用済
水洗水を再生する酸化剤供給手段と、該水洗手段内の水
洗水と貯水手段内の水洗水を前記水洗手段と貯水手段と
の間で循環させる循環手段と、該循環手段により循環さ
れている水洗水の汚染濃度を感光材料の処理面積として
測定する汚染濃度測定手段と、該汚染濃度測定手段によ
り測定された汚染濃度に応じて前記貯水手段に浄化剤を
供給して水を再生することを目的とする浄化剤供給手段
と、循環されている水洗水の濃度が水洗水1当たり感
光材料の処理面積で1550平方インチ以下の所定の値で前
記貯水手段内の水洗水の少なくとも1部を排水する排水
手段とを有することを特徴とする上記自動現像装置及び
該自動現像装置を用いて印刷用ハロゲン化銀感光材料を
処理する方法において、水洗水の汚染濃度を感光材料の
処理面積を検知することで測定し処理面積に対応して浄
化剤を供給しながら印刷用ハロゲン化銀感光材料を処理
することを特徴とする印刷用ハロゲン化銀感光材料の処
理方法により達成されることを見出した。
以下に本発明を更に具体的に説明する。
第1図は本発明の自動現像装置の一例を模式的に示す
フロー図である。
第1図によれば、本発明の現像装置の水洗部は、感光
材料を処理する水洗槽1と、水洗槽1に補充するための
水洗水及び上記補充により水洗槽1からオーバーフロー
する水洗水を溜めておく水洗槽1の近傍に設けられた貯
水槽2と、貯水槽2から水洗槽1に水洗水の補充を行い
水洗槽1からのオーバーフロー水を貯水槽2へ送液する
循環手段3と、例えば貯水槽2から水洗槽1への経路の
途中に必要に応じて設けられたフィルターユニット4
と、また前記循環手段3により循環されている水洗水を
再生するため、感材処理面積に応じて自動的に貯水槽2
に酸化剤を供給するための酸化剤供給槽5と貯水槽2内
の水を少なくとも1部を排出する排出手段6とから成り
たっている。
即ち、現像処理開始時に水洗槽1及び貯水槽2を未使
用の水洗水で満たしたあと、現像及び定着済の感光材料
を水洗槽1にて水洗処理すると貯水槽2から自動的に水
洗水が補充され、この結果水洗槽1からオーバーフロー
した使用済水洗水は、従来の如くそのまま排水されるこ
となく貯水槽2に送られ一時貯水される。処理量が増大
するにつれ、この循環をくり返すことにより水洗槽1内
及び貯水槽2内の水洗水が感光材料による持ち込み定着
液成分又は染料、色素、界面活性剤、ゼラチン等の感光
材料からの溶出成分によって汚染され、この結果、水洗
効率が低下し水洗後の感光材料の仕上りに悪影響を与え
るようになる。これを防止するため循環している経路の
途中に酸化剤供給手段5及び必要に応じフィルターユニ
ット4を設ける。水洗水から感光材料に悪影響を及ぼす
成分、特に水垢、ゴミ等を取り除く目的でフィルターを
使い、また、もち込まれるチオ硫酸イオンを分解するた
めに酸化剤が加えられる。
このようなフィルターに用いられるフィルター繊維の
素材としては耐熱性、耐薬品性の点から炭素繊維、アラ
ミド繊維、テフロン樹脂繊維、麻、ガラス繊維、ポリエ
チレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等が好ましく
用いられる。また、特開昭60-263151号に接触物質とし
て記載のものも使用することができる。
上記フィルターは例えばゼラチン等のゲル化物による
目詰り等を防ぎそのライフタイムを延長させるため、例
えば活性炭繊維等からなるシート状フィルターを組合わ
せて用いることができ、この結果フィルター交換寿命を
延ばすことも可能である。
本発明においては再生手段としての酸化剤の添加によ
り水洗水中にもちこまれた定着成分、とりわけS2O3 2-
分解することを再生の目的としている。
用いられる酸化剤としては、金属または非金属の酸化
物、酸化物酸系酸またはその塩、過酸化物有機の酸系を
含む化合物等が挙げられるが、貯水槽内の使用済水洗水
中に持ち込まれた定着液成分を分解することを主に目的
としている点から上記酸系酸としては硫酸、亜硝酸、硝
酸、次亜塩素酸等が好ましく、過酸化物としては過酸化
水素水、フェントン試薬等が好ましく用いられる。ま
た、オゾンも好ましく用いられる。
これらの酸化剤は、水等で希釈して、添加されること
が特に好ましい。
酸化剤の添加量は、感光材料の種類、処理量、処理液
の種類等により任意に選択することができるが、もち込
まれる定着液成分に相関すると考えられることから、自
動的に添加するような方式においては、もち込まれる定
着液中のチオ硫酸イオンに対して当モル量〜数倍当量モ
ル範囲で、特に1/2モル〜5倍モル量の範囲、特に当モ
ル量〜2倍モル当量の範囲で添加されることが好まし
い。また実際にはもち込まれる定着液成分そのものは処
理感材量に比例するため、処理感材量によって添加量を
決定することも可能である。また、貯水槽2には再生を
効率よく行なうため、公知の攪拌手段を有することがで
きる。
更に処理量が増大し、汚染の程度が進行すると、S2O3
2-は分解されても、例えば色素、ゼラチン等の溶出によ
る着色その他の汚染のため、貯水槽2の水洗水全部又は
少なくとも1部を排水して新しい水洗水と交換する必要
が生じてくる。
その交換の時期は、使用感光材料の添加剤等の構成に
より異なり、目視等による水の濁度状態で判断する事も
可能であるが、S2O3 2-の分解の結果生じるSO4 2-やS3O6
2-、チオ硫酸銀錯イオンの分解物である不溶性の銀など
の量から、処理感材面積が水洗水1あたり1550平方イ
ンチ以下であれば水洗効率を損なうことなく、また不溶
物が感材に付着してくることもなく処理を続けることが
可能である。
また汚染の程度が公的排水基準をこえてしまった場合
は下水道への排水が不可能となるため、常に水洗水の汚
染濃度を検出してその濃度を許容範囲内に保つ必要があ
る。
上記排水基準としては、下水道放流を行なうことを考
慮するとヨウ素消費量値の規制を満足することが必要で
あると考えられ、該ヨウ素消費量に最も影響を及ぼすと
考えられる定着液成分であるチオ硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸イオン濃度を考えること
ができる。
本発明においては、水を浄化するために酸化剤を添加
している。すなわち、酸化剤は水洗水の汚染濃度測定値
に基いて酸化剤供給槽5から自動的に貯水槽2内に添加
され水洗水が許容値になるまで浄化される。この後に、
浄化された水洗水の少なくとも1部を排水手段6にて排
水する。貯水槽2内の水洗水は全部排水してもよいが1
部だけ排水し新しい水洗水と置換し混合してもよい。
上記浄化に用いられる酸化剤の添加量は水洗水中のチ
オ硫酸イオン濃度に応じて実験等により決定することが
できる。
水洗水の汚染濃度測定方法としては、処理感光材料の
面積を測定して代用させる方法が用いられる。すなわ
ち、主たる汚染物質であるチオ硫酸イオンは処理感光材
料により持ちこまれる成分であるためその量は処理され
る感光材料の量すなわち総面積にほぼ対応していると考
えられる。従って、実験により所定量の感光材料を処理
した場合の汚染濃度及びこれを所定の値まで浄化するに
どれだけ量の浄化剤が必要となるかを予め決定してお
き、この結果を用いて処理感光材料の総面積を測定・計
算して、これに対応した量の浄化剤を供給すればよい。
本発明におけるチオ硫酸イオン濃度に応じて浄化剤を
供給し自動的に浄化させる手段としては、具体的には以
下の方法が行なわれる。すなわち、第1図に示す自動現
像機において感光材料挿入口付近に設けられたフィルム
センサー8にて感光材料を検知し、このセンサー8の情
報に基いてセンサーに接触されたカウンター9にて処理
感光材料総面積をカウントする。カウントされた総面積
が所定の汚染濃度に相当する値を越えた場合、前記実験
値に基いて所定量の浄化剤を供給する。この際、予め前
記実験値をインプットしておき、総面積値に対応した量
の浄化剤を演算し自動的に供給せしめるシステムを装置
内に有することもできる。特に好ましくは自動現像機の
定着液、現像液の補充システムは、その処理面積にあわ
せて、面積単位で補充されるものが広く用いられている
ため、その補充システムの信号により酸化剤も同じよう
に面積単位で補充することである。
また汚染濃度に応じて浄化剤を供給する手段として、
ORP(酸化還元電位)電極によってORP値を測定し、それ
をもとに浄化剤を自動添加する方法も可能である。
具体的には、所定濃度のチオ硫酸ナトリウム溶液をpH
4又はpH7に調整し、次亜塩素酸ナトリウムを添加しヨウ
素消費量、KMnO4消費量及びORP値を測定して浄化剤の添
加量を決定することができる。すなわち、例えば0.03N-
Na2S2O3溶液で、pH4及びpH7のものの各々に次亜塩素酸
ナトリウムを添加していくと、ある添加量でpH7の溶液
において第1波のORP値の急激な立ち上りがみられ、こ
の点がヨウ素消費量の最低値と一致した。これはS2O3 2-
の全量が酸化された事を示す。次亜塩素酸ナトリウムを
更に添加すると、pH7溶液の第2波の立ち上り及びpH4溶
液の急激な立ち上りがみられる。このように中性あるい
は酸性域においてはORP値の立ち上りを利用して+500〜
800mVになる迄、次亜塩素酸ナトリウムを添加すること
で自動的に浄化を行なうことができる。
上記ORP電極は貯水槽内に設置して連続的、又は必要
に応じて適宜測定してもよいし、また随時貯水槽に挿入
することにより測定してもよい。また、貯水槽外の循環
系、水洗槽内等に設置してその測定値を貯水槽内での測
定値に代用してもよい。
この測定値を自動的又は人為的に浄化剤供給手段にフ
ィードバックして、例えば電磁開閉弁等を作動させるこ
とにより、浄化剤を供給することができる。貯水槽内に
は、浄化を促進させるため通常の公知の攪拌手段を有す
ることもできる。
本発明においては一度使用された水洗水はそのままオ
ーバーフローとして排出することなく、貯水槽に貯め、
その使用された水洗水中の主たる汚染物質であるS2O3 2-
の濃度に対して酸化剤を加え分解しながら、再度利用し
かつ排出規制を満足するように酸化剤を随時加えてい
く。この作業をくり返すことにより処理量に応じて水洗
水中に不溶化した銀やイオウ等が蓄積してくるため、前
述したように処理面積の積算値をカウントしていくこと
で水交換のタイミングを決定することができる。この場
合、前述の如く定着液、現像液の面積補充システムの信
号を受け、酸化剤補充のための補充ポンプをその信号に
もとづいて作動させれば、その作動時間を積算すること
により処理したフィルム量が判定でき、上記水交換のタ
イミングを決定することができる。
このとき処理面積量を積算するカウンター9から排水
手段6へ信号が送られることにより、少なくともその1
部が排水される。排水手段は電磁弁を有し自動的に開閉
することができるが積算値のカウンターが水交換のタイ
ミングを知らせることで自動的に又は人為的に開き排水
することができる。本発明においてはその汚染濃度が水
洗水1あたり感光材料1550平方インチを処理した時に相
当する濃度以下の所定の値となった時を水洗水を交換す
るべきタイミングであると見出し、処理面積1550平方イ
ンチ以下の所定の積算時に自動的に排水弁の開閉が行な
われることとした。
本発明の自動現像装置の水洗手段としては、従来公知
の種々の水洗槽及び水洗方法を用いることが出来る。ま
た、本分野で公知の種々の添加剤を含有する水を水洗水
として用いることができる。とりわけ防黴手段を施した
水洗水が貯水槽内に停滞される水中における水垢の発生
防止のために有効に用いられる。
このような防黴手段としては、特開昭60-263939号に
記された紫外線照射法、同60-263940号に記された磁場
を用いる方法、同61-131632号に記されたイオン交換樹
脂を用いて純水にする方法、特願昭60-253807号、同60-
295894号、同61-63030号、同61-51396号記載の防菌剤を
用いる方法等を用いることができる。
更には、L.E.West“Water Quality Criteria"Photo S
ci & Eng.Vol.9 No.6(1965)、N.W.Beach“Microbiol
ogical Growths in Motion-Picture Processing"SMPTE
Journal Vol.85,(1976).R.O.Deegan,“Photo Process
ing Wash Water Biocides"J.Imaging Tech.Vol.10,No.6
(1984)及び特開昭57-8542号、同57-58143号、同58-10
5145号、同57-132146号、同58-18631号、同57-97530
号、同57-157244号などに記載されている防菌剤、防バ
イ剤、界面活性剤などを併用することもできる。
更に水洗水には、R.T.Kreiman著J.Image,Tech10,
(6)242(1984)に記載されたイソチアゾリン系化合
物、RESEARCH DISCLOSURE第205巻、Item20526(1981
年、5月号)に記載されたイソチアゾリン系化合物、同
第228巻、Item 22845(1983年、4月号)に記載された
イソチアゾリン系化合物、特願昭61-51396号に記載され
た化合物、などを防菌剤(Microbiocide)として併用す
ることもできる。
更に防バイ剤の具体例としては、フェノール、4−ク
ロロフェノール、ペンタクロロフェノール、クレゾー
ル、o−フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロ
フェン、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、ク
ロルアセトアミド、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、
2−(4−チアゾリン)−ベンゾイミダゾール、ベンゾ
イソチアゾリン−3−オン、ドデシル−ベンジル−ジメ
チルアンモニウム−クロライド、N−(フルオロジクロ
ロメチルチオ)−フタルイミド2,4,4′−トリクロロ−
2′−ハイドロオキシジフェニルエーテルなどが挙げら
れる。
また、種々攪拌を行いながら処理する方法、水洗促進
剤の使用、感光材料の処理面積に応じた水洗水供給、水
洗槽へのキャリーオーバー減少を目的としたスクイズの
使用等の方法も組み合わせて使用することができる。
本発明における貯水槽2は水垢防止及び腐食等の観点
からタンクの材質として塩化ビニルに防菌剤等を含有さ
せたり、またタンクの内側をテフロン加工したもの等を
用いることができる。
本発明における循環手段としては貯水槽2から水洗槽
1への水洗水の補充には、例えば感光材料を自動現像機
に挿入する際にセンサーにより、その面積を検知し、こ
れにより自動的に貯水槽2から水洗槽1へ水洗水が供給
され、感光材料を検知していないときは水洗水の供給が
停止されるという電磁弁設計を用いても良い。この際、
高圧ポンプにより水洗水を強制移送することが好まし
く、補充水洗水量としては、処理感光材料面積1m2あた
り10〜30lが好ましく、15〜25lがさらに好ましい。
また、上記補充により水洗槽1からオーバーフローし
た水洗水はそのまま貯水槽2に接続された配管を通して
貯水槽2に送られ一時溜められる。
以上述べたごとく、本発明におけるように貯水槽を設
けることにより水洗水を循環使用し、さらに該水洗水を
酸化剤及びフィルターを用いて再生利用することにより
節水効果を増大させ、更に処理量の増大により生ずる汚
染水洗水を浄化することにより排水処理を行うという考
え方は本発明者等が鋭意研究の結果、初めて見いだした
ものであり従来技術には全くみられないものである。
本発明の自動現像機に適用し得るハロゲン化銀写真感
光材料は白黒感光材料であり、例えば白黒ネガフィル
ム、白黒反転フィルム、Xレイフィルム、複写用フィル
ム、印刷用フィルム、グラビヤフィルム等が挙げられ、
特に印刷用ハロゲン化銀感光材料が好ましい。
また、本発明の自動現像機の現像部、定着部、乾燥部
については従来公知の各種方式をもちいる事が出来る。
本発明に使用する白黒現像液に用いる現像主薬には良
好な性能を得やすい点で、ジヒドロキシベンゼン類と1
−フェニル−3−ピラゾリドン類の組合せが最も好まし
い。勿論この他にp−アミノフェノール系現像主薬を含
んでもよい。
上記ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロ
キノン、クロロハイドロキノン、プロムハイドロキノ
ン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロロハイ
ドロキノン、2,3−ジプロムハイドロキノン、2,5−ジメ
チルハイドロキノンなどがあるが特にハイドロキノンが
好ましい。
本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾリドン又は
その誘導体の現像主薬としては1−フェニル−4,4−ジ
メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル
−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンな
どがある。
上記p−アミノフェノール系現像主薬としてはN−メ
チル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、
N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノー
ル、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリジン、2−メ
チル−p−アミノフェノール、p−ベンジルアミノフェ
ノール等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフ
ェノールが好ましい。
現像主薬は通常0.01モル/l〜1.2モル/lの量で用いら
れるのが好ましい。
本発明に用いる現像液のpHは9から13の範囲のものが
好ましい。さらに好ましくはpH10から12の範囲である。
pHの設定のために用いるアルカリ剤には水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三リン酸ナト
リウム、第三リン酸カリウムのごときpH調節剤を含む。
特開昭61-28708号(ホウ酸塩)、同60-93439号(例え
ば、サッカロース、アセトオキシム、5−スルホサルチ
ル酸)、リン酸塩、炭酸塩などの緩衝剤を用いても良
い。
上記成分以外に用いられる添加剤としては、亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウ
ム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。
亜硫酸塩は0.2モル/l以上特に0.4モル/l以上が好まし
い。また、上限は2.5モル/lまでとするのが好ましい。
上記成分以外に用いられる添加剤としては、臭化ナト
リウム、臭化カリウム、沃化カリウムの如き現像抑制
剤:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールの如き有機溶剤:1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール−5−ス
ルホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合物、5−ニ
トロインダゾール等のインダゾール系化合物、5−メチ
ルベンツトリアゾール等のベンツトリアゾール系化合物
などのカブリ防止剤を含んでもよく、更に必要に応じて
色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、特開昭56−
106244号記載のアミノ化合物などを含んでもよい。
本発明においては現像液に銀汚れ防止剤、例えば特開
昭56-24347号に記載の化合物を用いることができる。
本発明の現像液には、特開昭56-106244号に記載のア
ルカノールアミンなどのアミノ化合物を用いることがで
きる。
この他L.F.A.メソン著「フォトグラフィック・プロセ
シング・ケミストリー」、フォーカス・プレス刊(1966
年)の226〜229頁、米国特許第2,193,015号、同2,592,3
64号、特開昭48-64933号などに記載のものを用いてもよ
い。
本発明に用いられる定着液はチオ硫酸塩を含む水溶液
であり、pH3.8以上、好ましくは4.2〜5.5を有する。
定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモ
ニウムがあるが、チオ硫酸イオンとアンモニウムイオン
とを必須成分とするものであり、定着速度の点からチオ
硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の使用量は適
宜変えることができ、一般には約0.1〜約6モル/lであ
る。
定着液には硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム
塩を含んでも良く、それらには、例えば塩化アルミニウ
ム、硫酸アンモニウム、カリ明ばんなどがある。
定着液には、酒石酸、クエン酸あるいはそれらの導体
を単独で、あるいは2種以上、併用することができる。
これらの化合物に定着液1につき0.005モル以上含む
ものが有効で、特に0.01モル/l〜0.03モル/lが特に有効
である。
具体的には、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリ
ウム、酒石酸カリウムナトリウム、クエン酸、クエン酸
ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、ク
エン酸アンモニウムなどがある。
定着液には所望により保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重
亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硝酸)、pH調整
剤(例えば硫酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特願
昭60-213562号記載の化合物を含むことができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明の効果を例証する。
(予備実験) 感光材料の水洗水への定着液成分の持ち込みを想定し
て、水62lに定着液としてコニカフィクサー851(コニカ
(株)製)300cc500cc700ccを混入させ、この各
々に浄化剤として過酸化水素6%溶液を添加することに
よって、混入定着液中のチオ硫酸成分に対しヨウ素消費
量を規制基準値である220mg/l以下まで減少させるに必
要な浄化剤添加量を決定する代用テストを行った。この
結果を上記、、の場合について第2図に示す。た
だし、ヨウ素消費量は下水道試験法にもとづき試料をほ
ぼ中性に調整した後、この試料に一定量のヨウ素を1/10
0規定のチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した。
第2図より、3種の定着液濃度の水を各々220mg/l以
下のヨウ素消費量に低下させるためには過酸化水素をチ
オ硫酸アンモニウムに対し、モル比で0.9〜1.25程度の
範囲で添加すれば良いことが分かる。同様に種々のチオ
硫酸イオン濃度に対し、添加すべき過酸化水素水の最も
決定することができる。
参考例1 第1図に示す自動現像装置(但しフィルターを除く)
を用い以下のような実験条件で行った。
自動現像機:印刷フィルム・ペーパー用処理機器コニカ
オートマチックプロセッサーGR−27 現像液:コニカディベロッパータイプ651K 定着液:コニカフィキサータイプ851 処理感光材料:コニカオルソフィルムRHH(コニカ
(株)製) コニカオルソフィルムは、製版用プリンターP-607
(光源:超高圧水銀灯URT-CHM-1000)大日本スクリーン
(株)製にて露光、黒化率約50%の大全紙サイズ508×6
10mmのものを使用した。
まずコニカオートマチックプロセッサーGR-27への水
道水からの供給弁を断ち、約50l容積の塩化ビニル製貯
水槽に接続し、該貯水槽には40lの水を入れ、合計62lの
水が循環される状態にした。この状態で前記のRHHフィ
ルムを連続処理した。連続処理の結果、各処理枚数毎に
水をサンプリングし、その水質の目安としてヨウ素消費
量を出した。その結果を第3図に示した。
(実施例1) 貯水槽と水洗槽の間の循環経路途中に約8μmメッシ
ュのポリエチレンテレフタレート素材のフィルターをカ
ートリッジ加工し、フィルターエレメントとしたものを
介在させた以外は参考例1と同様の装置を用い、508×6
10mmの大全サイズにあたるフィルム処理面積毎に第2図
及び第3図から換算することで得られる規定量の6%過
酸化水素水を貯水槽内に注入して連続処理を行ない、そ
のときの各水質についてヨウ素消費量値及びpH値を測定
した。その結果を第4図に示す。
第4図のように水質としては常時S2O3 2-を分解するこ
とで排水規制を満足する水質を保っているが、処理枚数
が増大すると分解の結果析出してくる銀、色素、染料の
濁り等が目立ってくる。この濁り等の影響を見るため50
8×610mmの大全フィルムを連続処理する際120枚、150
枚、170枚、190枚、200枚、210枚処理時点で循環水をサ
ンプリングして水の状態及び処理済フィルムの状態につ
いて調べた。この結果を表1に示す。
また、上記の条件で連続処理を行ない、感材処理面積
が水洗水1当たり1550平方インチとなった時点で貯水
槽内の水洗水を更新しながら処理を行なった場合と、感
材処理面積が1600平方インチとなった時点で貯水槽内の
水洗水を更新しながら処理を行なった場合について自動
現像機の汚れの状態を確認した。結果を表2に示す。
表1からわかるように汚染濃度が上昇するに従って析
出物等がフィルムに付着してくるなどの問題が生じてく
る。また、表2よりフィルム処理面積1600平方インチ時
点で水洗水を更新したものは連続処理により自動現像機
内の汚れが発生してくるが、処理面積1550平方インチ時
点で水洗水を更新したものはこれらの汚れの発生もなく
良好であった。
[実施例2] フィルターを約5μmメッシュのものにかえた以外は
実施例1と同様の方法で連続処理を行ない、そのときの
各水質についてヨウ素消費量値及びpH値を測定した。そ
の結果は、第4図とほほ同様であった。また同様に連続
処理での水の状態、処理済フィルムの状態を表3に示
す。
更に上記の条件で実施例1と同様にして、貯水槽内の
水洗水を更新しながら連続処理を行ない自動現像機内の
汚れ等について確認した。結果を表4に示す。
表1〜表4の結果から明らかなように、本発明の如く
酸化剤にて常時水を再生しながら、かつ感材処理面積が
水洗水1あたり1550平方インチ以下の所定の値となっ
た時点で水洗水を更新しながら連続処理する方法をとっ
た場合、著しく水洗水の使用を低減させうる省エネルギ
ー、省コストの水洗システムを可能とすることができ
る。また使用するフィルターの細孔径を小さくする事で
沈澱物等の補集能が向上することは予想されるが、別の
角度から考えると本発明においては、フィルター交換の
メンテナンス性、装置の簡素化、省コストの観点からフ
ィルター負担を軽くする方法として水洗水の濃度を感材
処理面積で水洗水1あたり1550平方インチを限界値と
して考慮していくことで充分な効果が得られる。
[発明の効果] 本発明の自動現像装置により、水洗水の再生利用を可
能とし、節水効率が改善され、しかも水洗時における残
留定着成分の増大を防ぎ、汚染された水洗水を排水可能
にする印刷用ハロゲン化銀感光材料の処理方法を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の自動現像装置の構成の1例を示す説明
用のフロー図である。第2図は過酸化水素の添加量とヨ
ウ素消費量の関係を示すグラフである。第3図は連続処
理枚数とヨウ素消費量を示すグラフである。第4図は連
続処理枚数と、pH及びヨウ素消費量との関係を示すグラ
フである。 1:水洗槽 2:貯水槽 3:循環手段 4:フィルターユニット 5:酸化剤(浄化剤)供給手段 6:排水手段 7:現像液・定着液補充装置 8:フィルムセンサー 9:カウンター 10:酸化剤補充ポンプ 11:液面センサー 12:水洗水供給部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、現像部、定着部及び水洗部か
    らなる自動現像装置において、前記水洗部が感光材料を
    水洗する水洗手段と、該水洗手段から排水された使用済
    水洗水を含む水を前記水洗手段に供給される水洗水とし
    て一時溜めておく貯水手段と、該使用済水洗水を再生す
    る酸化剤供給手段と、該水洗手段内の水洗水と貯水手段
    内の水洗水を前記水洗手段と貯水手段との間で循環させ
    る循環手段と、該循環手段により循環されている水洗水
    の汚染濃度を感光材料の処理面積として測定する汚染濃
    度測定手段と、該汚染濃度測定手段により測定された汚
    染濃度に応じて前記貯水手段に浄化剤を供給して水を再
    生することを目的とする浄化剤供給手段と、循環されて
    いる水洗水の濃度が水洗水1当たり感光材料の処理面
    積で1550平方インチ以下の所定の値で前記貯水手段内の
    水洗水の少なくとも1部を排水する排水手段とを有する
    ことを特徴とする上記自動現像装置。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の自動現像装置を用いて
    印刷用ハロゲン化銀感光材料を処理する方法において、
    水洗水の汚染濃度を、感光材料の処理面積を検知するこ
    とで測定し処理面積に対応して浄化剤を供給しながら印
    刷用ハロゲン化銀感光材料を処理することを特徴とする
    印刷用ハロゲン化銀感光材料の処理方法。
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