JP2880265B2 - 脱殻機 - Google Patents

脱殻機

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JP2880265B2 JP19155890A JP19155890A JP2880265B2 JP 2880265 B2 JP2880265 B2 JP 2880265B2 JP 19155890 A JP19155890 A JP 19155890A JP 19155890 A JP19155890 A JP 19155890A JP 2880265 B2 JP2880265 B2 JP 2880265B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、扱胴下方の受網から漏下してくる処理物を
グレンパンで比重差選別するとともに、このグレンパン
の後部下方に連続して配設されたグレンシーブで漏下選
別するようにした脱穀機に関する。
〔従来の技術〕
この種の脱穀機においては、以前に本出願人が出願し
た特願平1-5688号で示したもののように、前記グレンパ
ンを位置固定の前部グレンパンと前後方向に所定範囲内
でスライド移動自在な後部グレンパンとを前後に連設し
て構成し、脱穀処理物量の大小に応じて後部グレンパン
をスライドして開閉するという技術が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来技術では後部グレンパンの開
閉を行うという機能について触れられているのみであ
り、具体的にどのようにして処理物量の大小に応じて開
閉させるかについては定かにされていなかった。
本発明はスライド開閉式グレンパンを有効利用できる
脱穀機の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明は、冒頭に記載した
脱穀機において、前記グレンパンを位置固定の前部グレ
ンパンと前後方向に所定範囲内でスライド移動自在な後
部グレンパンとを前後に連設して構成するとともに、前
記扱胴を備える扱室に送られてくる穀稈の単位時間当り
の変動量を検出する手段を設け、この検出手段が穀稈量
の増大を検出したことに伴って前記後部グレンパンを自
動的に前方へ移動させ、かつ、穀稈量の減少を検出した
ことに伴って自動的に前記後部グレンパンを後方へ移動
させる状態に前記検出手段と前記後部グレンパンとを連
係する自動制御モードと、前記検出手段による穀稈量の
変動検出情報の何如に拘らず前記後部グレンパンを前方
へ移動させた開き状態に維持する開きモードとを択一的
に選択して現出可能に構成し、さらに、前記開きモード
における後部グレンパンの移動量を複数段に調節設定可
能に構成してあることを特徴とする。
〔作用〕
グレンパンに送られてくる処理物量が多いときには、
このグレンパンに続くグレンシーブの濾過面積を大きく
して十分な選別能力を持たせるとともに、前記処理物量
が少ないときには前記グレンシーブの濾過面積を小さく
し、グレンパンによる比重差選別によって処理物層の上
層に存在する切ワラ等のゴミまでも濾過されないように
すれば良好な選別が行える。
そして、検出手段は扱室に送られてくる穀稈量の変化
を、すなわち処理物量の単位時間当りの変化を検出でき
るので、その検出手段の検出結果に応じてグレンパンを
開閉操作してグレンシーブの濾過面積を自動的に増減調
節する自動制御モードの設定により、前述した良好な選
別を自動的に遂行できるようになる。
また、前記自動制御モードとは別に、検出手段とは無
関係に後部グレンパンを開き状態に維持する開きモード
を選択可能としたので、例えば漏れ脱穀時等のように、
選別され難い状態となっている処理物の選別時に適した
状態になるとともに、その開き具合を複数段に調節設定
可能としたことにより、例えば、濡れ具合の激しいとき
には全開にし、濡れ具合の軽いときには全開より少しだ
け閉じた状態に設定するといった具合に、難選別脱穀対
象物の状況に応じて最も選別性能が良好となるグレンシ
ーブの濾過面積を選択できるようになる。
〔発明の効果〕
従って、グレンシーブ面積を実際の処理物の増減に合
わせて増減できるので、より選別性能が向上するととも
に、その制御が自動的に行われることによって、人為的
にグレンパンを開閉操作する場合に比べて常に穀稈量の
増減を注視する労力や手間が省け、かつ、濡れ脱穀をそ
の濡れ具合いに応じて良好に選別できる等にも対応でき
るので、もって、作業性、操作性を向上させて合理的に
選別性能を向上させることができた。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第3図に示すように、脱穀機は、脱穀部(A)と選別
部(B)と回収部(C)と二番物還元部とを備えてい
る。
前記脱穀部(A)は、扱室(1)内に扱胴(2)を軸
架するとともに、扱胴(2)の下側に沿って樹脂製の受
網(3)を張設したもので、フィードチェーン(4)に
よって挾持搬送されてきた穀稈を扱胴(2)によって扱
き処理し、その処理物を前記選別部(B)上に漏下供給
する。
前記選別部(B)は、揺動選別板(5)とこの揺動選
別板(5)に選別風を送る唐箕(6)とからなる。前記
揺動選別板(5)は、揺動駆動自在な枠体(7)の両側
に亘ってグレンパン(8)と、このグレンパン(8)の
後部下方に連続するグレンシーブ(9)とを設けるとと
もに、上下二段のストローラック(10),(11)を前後
に設けて構成してある。そして、前記受網(3)から漏
下し、前部グレンパン(15)、前ストローラック(16)
を通過してきた処理物をグレンパン(8)によって受け
止め、比重差選別しながら後方のグレンシーブ(9)へ
移動移送した後、グレンシーブ(9)で漏下選別しなが
ら後方へ揺動移送し、後端から落下放出する。一方、扱
室(1)の送塵口(1a)から排出された処理物を上段の
ストローラック(10)で受け止め、漏下選別しながら後
方へ揺動移送して下段のストローラック(11)へ放出
し、下段のストローラック(11)で再度漏下選別して後
端から機外へ排出する。尚、(12)はワラ屑を選別風と
ともに機外へ排出するための排塵ファンである。
前記回収部(C)は、グレンシーブ(9)から漏下し
てきた籾を回収する一番物回収部(13)と、グレンシー
ブ(9)の後端から放出されたり、ストローラック(1
0),(11)から漏下した枝付き籾などを回収する二番
物回収部(14)とからなる。一番物回収部(13)には、
回収された一番物を横一側へ搬送するための一番スクリ
ュー(13a)を設けてあり、二番物回収物(14)は、脱
穀装置の左右縦壁に亘って谷形で且つ底部が円形に成形
された底ケース(14b)を設け、この底ケース(14b)の
底部に、回収された二番物を横一側へ搬送するための二
番スクリュー(14a)を設けて構成してある。
第1図、第3図に示すように、前記グレンパン(8)
を位置固定の前部グレンパン(8a)と前後方向に所定範
囲内でスライド移動自在な後部グレンパン(8b)とを前
後に連設して構成するとともに、前記グレンシーブ
(9)を樹脂材で形成し、その前半部(9a)の目合いを
大に後半部(9b)を目合いを小に設定してある。
すなわち、前から2列までを30mmの角穴に、次に15mm
の角穴に、そして後部は11mmの角穴に設定してある。
前記前部グレンパン(8a)は枠体(7)に固定されて
おり、この前部グレンパン(8a)とグレンシーブ(9)
の上下間に前記後部グレンパン(8b)をスライド自在に
設け、この後部グレンパン(8b)はその後端部が前部グ
レンパン(8a)の後端部位からグレンシーブ(9)の目
合いの変化部位置(X)まで前後スライドおよび位置固
定維持できるようにしてあり、次にその構造を詳述す
る。
第2図にも示すように、後部グレンパン(8b)は枠体
(7)に対して案内棒(17)とリターンバネ(18)とに
よってグレンシーブ(9)の上面に沿って前後にスライ
ドでき、かつ、全開位置となる前方へ向けて引張り付勢
してある。そして、後部グレンパン(8b)はワイヤーケ
ーブル(19)を介して電動モータ(20)およびギヤ装置
(21)とで前後に移動操作されるとともに、ギヤ装置
(21)にはフィードバック用のポテンショメータ(22)
が備えてあり、前記モータ(20)の正逆回転による後部
グレンパン(8b)の前後位置を認知する。(因みに、後
部グレンパン(8b)の前後移動量は93mmに設定されてい
る。) 一方、第1図に示すように、扱室(1)に送られてく
る穀稈の単位時間当りの変動量を検出する手段(E)を
設けてある。すなわち、前記フィードチェーン(4)に
て搬送される穀稈を下方に向かって押圧挾持する挾持レ
ール(4a)が、スプリング(26)にて下方に向かって弾
性付勢された状態で、搬送方向に沿って設けられている
とともに、前記挾持レール(4a)の搬送始端側箇所に、
その上下変位量をポテンショメータを利用して検出する
供給量検出用センサ(27)が付設され、もって、前記挾
持レール(4a)の上下変位量を穀稈層の厚みとして検出
するように構成されている。
そして、前記センサ(27)が穀稈量の増大を検出した
ことに伴って後部グレンパン(8b)を自動的に前方へ移
動させ、かつ、穀稈量の減少を検出したことに伴って自
動的に前記後部グレンパン(8b)を後方へ移動させる状
態に前記センサ(27)と前記モータ(20)とを連係する
自動制御モードと、センサ(27)による穀稈量の変動検
出情報の何如に拘らず後部グレンパン(8b)を最も前方
へ移動させた全開または全開近くまで開いた略全開状態
に維持するようにセンサ(27)とモータ(20)とを連係
する開きモードとを、これらセンサ(27)とモータ(2
0)とに接続された制御装置(28)および、操縦部(2
3)に設けた選択スイッチ(29)とによって択一的に選
択できるように構成されている。
また、選択スイッチ(29)の横には前記制御装置(2
8)に連係された開度調節スイッチ(30)が設けてあ
り、選択スイッチ(29)によって自動制御モード状態が
選択されているときに、その調節スイッチ(30)を操作
することにより、後部グレンパン(8b)の全開状態時の
前方への移動量を変更調節設定可能としてある。開きモ
ードが選択されているときには、そのモードが調節スイ
ッチ(30)の操作より優先されるように制御されるので
ある。
因みに、調節スイッチ(30)を「稲」の位置に操作す
ると、後部グレンパン(8b)は93mm、すなわち絶対最大
の全開量が得られるように前方へ移動し、調節スイッチ
(30)を「麦」の位置に操作すると最大全開量が63mmと
なる。
また、選択スイッチ(29)を開きモードの全開位置に
操作すれば、後部グレンパン(8b)は常に絶対全開(93
mm)の状態に維持されて程度の激しい濡れ脱穀に適した
ものとなり、略全開位置に操作すれば程度の軽い濡れ脱
穀に適したものになるが、定期的に(例えば15〜20秒間
に1回)後部グレンパン(8b)を往復駆動する間欠開閉
駆動状態に制御することにより、グレンシーブ(9)上
にワラ屑等の堆積物がたまらないようにする掃除機能を
持たせてある。
〔別実施例〕
開きモードにおける開き具合を、全開、4/5全開、お
よび3/5全開の3段階設定としても良い。
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係る脱穀機の実施例を示し、第1図は脱
穀制御の構成図、第2図はグレンパンの平面図、第3図
は脱穀機の全体側面図である。 (1)……扱室、(2)……扱胴、(3)……受網、
(8)……グレンパン、(8a)……前部グレンパン、
(8b)……後部グレンパン、(9)……グレンシーブ、
(E)……検出手段、(G)……変更調節手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−100217(JP,A) 特開 平2−142414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01F 12/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】扱胴(2)下方の受網(3)から漏下して
    くる処理物をグレンパン(8)で比重差選別するととも
    に、このグレンパン(8)の後部下方に連続して配設さ
    れたグレンシーブ(9)で漏下選別するようにした脱穀
    機であって、前記グレンパン(8)を位置固定の前部グ
    レンパン(8a)と前後方向に所定範囲内でスライド移動
    自在な後部グレンパン(8b)とを前後に連設して構成す
    るとともに、前記扱胴(2)を備える扱室(1)に送ら
    れてくる穀稈の単位時間当りの変動量を検出する手段
    (E)を設け、この検出手段(E)が穀稈量の増大を検
    出したことに伴って前記後部グレンパン(8b)を自動的
    に前方へ移動させ、かつ、穀稈量の減少を検出したこと
    に伴って自動的に前記後部グレンパン(8b)を後方へ移
    動させる状態に前記検出手段(E)と前記後部グレンパ
    ン(8b)とを連係する自動制御モードと、前記検出手段
    (E)による穀稈量の変動検出情報の何如に拘らず前記
    後部グレンパン(8b)を前方へ移動させた開き状態に維
    持する開きモードとを択一的に選択して現出可能に構成
    し、さらに、前記開きモードにおける後部グレンパン
    (8b)の移動量を複数段に調節設定可能に構成してある
    脱穀機。
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