JP2879984B2 - 泡状洗浄剤組成物 - Google Patents

泡状洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚刺激が少なく、使
用感と泡の安定性に優れた泡状洗浄剤組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り泡状洗浄剤組成物としては、高級脂肪酸塩,ラウリル
硫酸塩,アシルグルタミン酸塩等を主成分としてなるシ
ェービングフォーム,洗顔剤などが知られている。しか
し、高級脂肪酸塩やラウリル硫酸塩の場合は皮膚刺激性
の面で満足するものが無かった。また、アシルグルタミ
ン酸塩の場合は、泡の安定性に欠けるという問題があっ
た。
【0003】そこで、本発明者等は、前記従来技術の難
点を改良せんとして鋭意研究した結果、先に出願した特
許第2567284号登録公報記載の発明によって得ら
れるシリコン系ベタイン型両性界面活性剤(後記一般式
(A))と、高級脂肪酸及び/又はその塩(後記一般式
(B))と、水と噴射剤とを配合したものが、皮膚刺激
が極めて少なく、使用感と泡の安定性に優れた泡状洗浄
剤組成物となることを見出し本発明に至った。
【0004】即ち、本発明は、皮膚刺激が極めて少な
く、使用感と泡の安定性に優れた泡状洗浄剤組成物を提
供することをその目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の泡状洗浄剤組成物は次のような構成をと
る。即ち、下記の一般式(A)で表わされるシリコン系
ベタイン型両性界面活性剤と、下記の一般式(B)で表
わされる高級脂肪酸及び/又はその塩と、水と噴射剤と
を配合してなることを特徴とする泡状洗浄剤組成物であ
る。 一般式(A)
【0006】
【化4】
【0007】(但し、R 1 は同一又は異種の炭素数1〜
18の置換又は非置換一価炭化水素基、R 2 はそのうち
1つの乃至全部が下記一般式
【0008】
【化5】
【0009】(但し、R 3 は炭素数1〜10の二価炭化
水素基、R 4 は炭素数1〜3のアルキル基、x、yはそ
れぞれ1〜3の整数である。で示される一価の有機
基、残りが同一又は異種の炭素数1〜18の置換又は非
置換一価炭化水素基、m及びnは0〜1000の整数で
ある。〕で示される1つのN−ヒドロキシアルキル基を
導入したベタイン基含有シロキサン化合物と、 一般式(B)
【0010】
【化6】
【0011】ここで 5 は平均炭素数8〜18の直鎖又
は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基、 1 は水素原
子,アルカリ金属,有機アミンを表わす。)で示される
高級脂肪酸及び/又はその塩。
【0012】本発明における前記一般式(A)で表わさ
れるのN−ヒドロキシアルキル基を導入したベタイン基
含有シロキサン化合物は、例えば次のように製造するこ
とができる。
【0013】温度計、攪拌器、還流冷却器を付けた11
フラスコに下記平均組成式
【0014】
【化7】
【0015】を有するシロキサン化合物400g(0.
23モル)、N−メチルアミノエタノール169g
(2.25モル)、及びイソプロパノール200gを仕
込み、還流下で6時間反応させた。次いで、この反応溶
液中の低沸点分を80℃/4mmHgで4時間かけて減圧
留去した。こうして得られた反応物(シロキサン化合
物)は25℃における粘度が2932cs、比重が1.
044、屈折率が1.4493、アミン当量が392g
/モルであった。
【0016】次に、上記反応で得られたシロキサン化合
物200g(0.09モル)、水130gに溶解させた
モノクロロ酢酸ナトリウム塩54g(0.46モル)、
及び1,2−プロピレングリコール186gを11フラ
スコに仕込み、100℃で12時間攪拌しながら反応さ
せて、下記組成式
【0017】
【化8】
【0018】を有するベタイン基含有シロキサン化合物
の水−プロピレングリコール溶液を得た。
【0019】上記平均組成式を有するシロキサン化合物
から0.1%水溶液を作り、20℃での表面張力を測定
したところ29.0dyne・cm-1であった。尚、上
記組成式で表わされる平均分子量1100、ベタイン基
の量(個/1分子)3のベタイン基含有シロキサン化合
物のプロピレングリコール(31%)及び水(22%)
の溶液を組成物 (イ) と略称する。また、同様の製造方
法により平均分子量2400、ベタイン基の量(個/1
分子)5のベタイン基含有シロキサン化合物のプロピレ
ングリコール(30%)及び水(20%)の溶液を組成
物 (ロ) と略称する。更に、同様の製造方法により平均
分子量920ベタイン基の量(個/1分子)2のベタイ
ン基含有シロキサン化合物のプロピレングリコール(3
0%)及び水(20%)の溶液を組成物 (ハ) と略称す
る。
【0020】本発明の組成物の第1の必須成分であるシ
リコン系ベタイン型両性界面活性剤の配合量は、組成物
全量に対し好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは
5〜15重量%である。また、本発明の組成物の第2の
必須成分である高級脂肪酸及び/又はその塩は、前記一
般式(C)であらわされるものであって、これらの単独
又は2種以上の混合の配合量は、組成物全量に対し好ま
しくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量
%である。
【0021】本発明において用いられる噴射剤として
は、ジクロロジフルオロメタン,トリクロロモノフルオ
ロメタン,ジクロロテトラフルオロエタン,フロンガス
及びプロパン,ブタン,液化石油ガス(以下LPGと略
記する)、及びジメチルエーテル等を挙げることがで
き、これらのガスの一種又は二種以上が適用される。ま
た、その配合量は、組成物全量に対し好ましくは8〜1
0重量%である。
【0022】本発明の泡状洗浄剤組成物は、上述した必
須成分の他に、必要に応じてN−アシル酸性アミノ酸
塩,N−アシル,N−アルキルアミノ酸塩,脂肪酸アル
カノールアミド,N−アシルペプチド,保湿剤,高級ア
ルコール,油分,殺菌剤,増粘剤,色素,香料等、通常
泡状洗浄剤組成物に汎用される成分を添加することがで
きる。
【0023】そして、本発明の組成物は、シェービング
フォーム,洗顔剤,ボディ洗浄剤,ハンドクリーナー等
に適用されるものである。
【0024】本発明の泡状洗浄剤組成物は、例えば上記
シリコン系ベタイン型両性界面活性剤と水とを加熱混合
(65〜75℃)した後、溶融状態の高級脂肪酸を攪拌
しつつ添加し、可溶化し、必要に応じて中和剤を添加し
て、冷却することにより原液を調整し、この原液を噴射
剤(例えばLPG)と共に密封容器に充填することによ
り製造することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。尚、各実施例及び比較例中の数値は、総量(1
00%)基準で%を示す。また、効果の測定は以下の評
価法によっり行った。
【0026】 皮膚刺激性(蛋白質変性率)試験法水
系高速液体クロマトグラフィーを利用し、卵白アルブミ
ンpH7緩衝溶液に、試料濃度1%になるように試料を
加えた場合の卵白アルブミン変性率を、220nmの吸
収ピークを用いて測定した。 Ho:卵白アルブミンの220nm吸収ピークの高さ Hs:卵白アルブミン緩衝溶液に試料を加えた時の22
0nm吸収ピークの高さ 評価の基準を次のように設定した。 使用感評価法 18才から25才の女性30人をパネラーとし、洗顔に
よる官能試験を行い、泡の感触,すすぎ易さ,洗浄性,
洗顔後の皮膚のつっぱり感,刺激感の有無を総合的に判
断し、次の基準で評価した。 5:使用感は大変良い 4:使用感はやや良い 3:使用感は普通 2:使用感はやや悪い 1:使用感は大変悪い なお、30人のパネラーの評価点の平均値を各試料の使
用感とした。 泡の安定性評価法 噴射剤と共に密封容器に充填された試料原料を500m
lメスシリンダー中に噴射して一定量の泡を採取し、メ
スシリンダーの上部をシートして静置する。噴射直後の
泡高と静置30分後の泡高さから泡高の変化率を求め、
次の基準で泡の安定性を評価した。 A:変化率1%未満 極めて安定な泡 B:変化率1〜5% 安定な泡 C: 〃 5〜10% やや不安定な泡 D: 〃 10%以上 非常に不安定な泡
【0027】 実施例(1),(2),比較例(1)〜(4) (洗顔剤) (1) 組成 原液の組成を表1の通りとし、噴射剤(A)をLPG
(3kg/cm2 ,20℃)とした。
【0028】
【表1】 ┌─────────┬───────────────┬───────┐ │ │ 比 較 例 │ 実 施 例 │ │ ├───┬───┬───┬───┼───┬───┤ │ │(1)│(2)│(3)│(4)│(1)│(2)│ ├─┬───────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ │本発明の組成物│ − │ − │ − │10 │10 │10 │ │ │(イ) │ │ │ │ │ │ │ │原│ミリスチン酸 │ 3 │ − │ − │ − │ 3 │ 3 │ │ │トリエタノール│ │ │ │ │ │ │ │液│アミン │ │ │ │ │ │ │ │ │ラウリル硫酸ナ│1.3│10 │ − │ − │1.3│ − │ │組│トリウム │ │ │ │ │ │ │ │ │N-ラウロイルグ│ − │ − │10 │ − │ − │ − │ │成│ルタミン酸ナト│ │ │ │ │ │ │ │ │リウム │ │ │ │ │ │ │ │ │精製水 │残 余│残 余│残 余│残 余│残 余│残 余│ ├─┴───────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤ │原液/噴射剤(A) 比│92/8│92/8│92/8│92/8│92/8│92/8│ └─────────┴───┴───┴───┴───┴───┴───┘
【0029】 (2) 調製方法原液組成を均一に溶解・混合した後、所定
のエアゾール容器に入れ、真空ポンプにて上部の空気を
脱気しながら所定のバルブを取付けた。次いで噴射剤を
圧入充填し、洗顔剤を調製した。 (3) 特性 この洗顔剤に関して前記諸試験を行い、その特性を調べ
た結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2のごとく、本発明の泡状洗浄剤組成物
である洗顔剤の実施例(1),(2)において良好な結
果を得た。一方、比較例(1),(2)は皮膚刺激性の
点で劣り、使用感も良くなく、また比較例(3)は泡の
安定性の点で劣り、使用感も充分ではなかった。
【0032】 実施例(3),比較例(5)〜(7) (ボディ洗浄剤) (1) 組成 原液の組成を表3の通りとし、噴射剤をジクロロジフル
オロメタンとした。
【0033】
【表3】 ┌────────────────┬───┬───────────┐ │ │実施例│ 比 較 例 │ │ ├───┼───┬───┬───┤ │ │(3)│(5)│(6)│(7)│ ├─┬──────────────┼───┼───┼───┼───┤ │ │本発明の組成物 (ロ) │ 10 │ − │ − │ − │ │ │ラウリン酸 │ 3 │ 3 │ 3 │ 3 │ │原│2−アミノ−2−メチル−1−│ 1.8 │ 1.8 │ 1.8 │ 1.8 │ │ │プロパノール │ │ │ │ │ │液│N−ラウロイルグルタミン酸ト│ − │ 10 │ − │ − │ │ │リエタノールアミン │ │ │ │ │ │組│モノラウリルリン酸トリエタノ│ − │ − │ 10 │ − │ │ │ールアミン │ │ │ │ │ │成│ラウリル硫酸トリエタノールア│ − │ − │ − │ 10 │ │ │ミン │ │ │ │ │ │ │精 製 水 │残 余│残 余│残 余│残 余│ ├─┴──────────────┼───┼───┼───┼───┤ │ 原液/噴射剤 比 │95/5│95/5│95/5│95/5│ └────────────────┴───┴───┴───┴───┘
【0034】 (2) 調製方法 前記洗顔剤の実施例の調製方法と同様にして、ボディ洗
浄剤を調製した。
【0035】 (3) 特性 このボディ洗浄剤に関して前記諸試験を行い、その特性
を調べた結果を表4に示す。
【0036】
【表4】 ┌────────┬─────┬─────┬─────┐ │ │皮膚刺激性│使 用 感│泡の安定性│ ├────────┼─────┼─────┼─────┤ │〔ボディ洗浄剤〕│ │ │ │ │ 実 施 例(3) │ ◎ │ 4.8 │ A │ │ 比 較 例(5) │ ○ │ 3.0 │ C │ │ 〃 (6) │ ○ │ 2.9 │ C │ │ 〃 (7) │ × │ 2.4 │ B │ └────────┴─────┴─────┴─────┘
【0037】表4に示すごとく、本発明の実施例のボデ
ィ洗浄剤(3)は諸試験において良好な結果を得た。一
方、比較例(5),(6)は使用感,泡の安定性の面で
良好な結果を得られず、また、比較例(7)は皮膚刺激
性、使用感の面で好ましくなかった。
【0038】 実施例(4),(5),比較例(8) (シェービングフォーム) (1) 組成 原液の組成を表5の通りとし、噴射剤をLPGとジクロ
ロジフルオルメタンとの混合物とした。
【0039】
【表5】 ┌────────────┬───────┬───┐ │ │ 実 施 例 │比較例│ │ ├───┬───┼───┤ │ │(4)│(5)│(8)│ ├─┬──────────┼───┼───┼───┤ │ │本発明の組成物 (ハ) │ 10 │ 10 │ 10 │ │原│パルミチン酸 │ 2 │ − │ − │ │液│イソステアリン酸 │ − │ 2 │ − │ │組│セタノール │ 2 │ 2 │ 2 │ │成│水酸化カルシウム │ 0.3 │ 0.3 │ 0.3 │ │ │精 製 水 │残 余│残 余│残 余│ ├─┴──────────┼───┼───┼───┤ │ 原液/噴射剤 比 │95/5│95/5│95/5│ └────────────┴───┴───┴───┘
【0040】 (2) 調製方法 前記洗顔剤の実施例の調製方法と同様にして、シェービ
ングフォームを調製した。
【0041】 (3) 特性 このシェービングフォームに関して前記諸試験を行い、
その特性を調べた結果を表6に示す。
【0042】
【表6】 ┌────────────┬─────┬─────┬─────┐ │ │皮膚刺激性│使 用 感│泡の安定性│ ├────────────┼─────┼─────┼─────┤ │〔シェービングフォーム〕│ │ │ │ │ 実 施 例 (4) │ ◎ │ 4.7 │ A │ │ 〃 (5) │ ◎ │ 4.5 │ B │ │ 比 較 例 (8) │ ◎ │ 3.2 │ C │ └────────────┴─────┴─────┴─────┘
【0043】表6に示すごとく、実施例(4),(5)
は諸試験において良好な結果を得たが、比較例(8)は
使用感,泡の安定性において良い結果が得られなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明が皮膚刺激
が、極めて少なく、使用感と泡の安定性に優れた有用な
る泡状皮膚洗浄剤組成物を提供することは明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 3/20 C11D 3/20 17/08 17/08 // A61K 7/00 A61K 7/00 S C09K 3/30 C09K 3/30 (56)参考文献 特開 平4−244007(JP,A) 特開 平4−243811(JP,A) 特開 平4−243809(JP,A) 特開 平4−230615(JP,A) 特開 平3−188016(JP,A) 特開 平3−130294(JP,A) 特開 昭60−240732(JP,A) 特許2567284(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(I)及び(II)を有効成
    分として含有している低刺激性洗浄剤組成物。 (I)一般式(A) 【化1】 (但し、R 1 は同一又は異種の炭素数1〜18の置換又
    は非置換一価炭化水素基、R 2 はそのうち1つの乃至全
    部が下記一般式 【化2】 (但し、R 3 は炭素数1〜10の二価炭化水素基、R 4
    は炭素数1〜3のアルキル基、x、yはそれぞれ1〜3
    の整数である。で示される一価の有機基、残りが同一
    又は異種の炭素数1〜18の置換又は非置換一価炭化水
    素基、m及びnは0〜1000の整数である。〕で示さ
    れる1つのN−ヒドロキシアルキル基を導入したベタイ
    ン基含有シロキサン化合物と、 (II)一般式(B) 【化3】 (ここで 5 は平均炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖の
    飽和又は不飽和の炭化水素基、 1 は水素原子,アルカ
    リ金属,有機アミンを表わす。)で示される高級脂肪酸
    及び/又はその塩。
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US8304375B1 (en) * 2011-10-13 2012-11-06 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Foaming formulations including silicone polyesters

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