JP2879646B2 - Vベルト駆動式車輛の変速装置 - Google Patents

Vベルト駆動式車輛の変速装置

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JP2879646B2
JP2879646B2 JP6211865A JP21186594A JP2879646B2 JP 2879646 B2 JP2879646 B2 JP 2879646B2 JP 6211865 A JP6211865 A JP 6211865A JP 21186594 A JP21186594 A JP 21186594A JP 2879646 B2 JP2879646 B2 JP 2879646B2
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幸雄 森岡
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、Vベルト駆動式車輛
の変速装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のVベルト駆動式車輛(例えば、自
動2輪車)の変速装置には、例えば、腕体付き重錘ロー
ラを使う変速装置と、転動する重錘ローラを使う変速装
置とがある。 (1)腕体付き重錘ローラを使う変速装置(例えば、米
国特許第3266330号明細書参照)は、Vベルト駆
動式車輛の駆動軸に駆動プーリが設けられ、前記駆動軸
に対応する従動軸に従動プーリが設けられ、駆動プーリ
及び従動プーリにVベルトが巻き掛けられ、駆動プーリ
及び従動プーリのVベルト溝をそれぞれ形成する一対の
フェースのうちの一方のフェースが駆動軸及び従動軸に
軸方向に可動の可動フェースで構成され、他方のフェー
スが駆動軸及び従動軸に固定の固定フェースで構成さ
れ、駆動プーリの可動フェースの背面側の駆動軸に第1
ランプ板が固定され、駆動プーリの可動フェースの背面
のブラケットに第1腕体が枢支され、第1腕体の先に第
1重錘ローラが回動自在に支持され、第1腕体の枢支部
に設けられたスプリングにより、第1腕体が第1ランプ
板の径方向内方に回動するように付勢され、駆動軸の増
速に伴って増加する第1重錘ローラの遠心力で、第1重
錘ローラが第1ランプ板のカム面に接触しなから径方向
外方に移動し、駆動プーリの可動フェースをこれに対応
する固定フェース側に押し動かすようになっており、ま
た、従動プーリの可動フェースの背面側の従動軸に第2
ランプ板が固定され、従動プーリの可動フェースの背面
のブラケットに第2腕体が枢支され、第2腕体の先に第
2重錘ローラが回動自在に支持され、第2腕体の枢支部
に設けられたスプリングにより、第2腕体が第2ランプ
板の径方向外方に回動するように付勢され、駆動軸が増
速して第1重錘ローラの遠心力の増大し、第1重錘ロー
ラの第1ランプ板の径方向外方への移動により駆動プー
リの可動フェースを固定フェース側に押し動かす移動力
に応じて、第2重錘ローラが第2ランプ板のカム面に接
触してながら径方向内方に移動させられて、駆動プーリ
及び従動プーリに巻き掛けられたVベルトにより、駆動
軸の回転を所定の変速比で従動軸に伝達し得るようにな
っている。上記の腕体付き重錘ローラを使う変速装置に
おいては、第1ランプ板のカム面が、第1部分、第2部
分及び第3部分で構成され、第1部分のカム面は駆動軸
の軸心に直角な面に対して比較的に急な傾斜角の傾斜面
で構成され、第2部分のカム面は駆動軸の軸心に直角な
面に対してゼロかゼロに近い角度で傾斜した傾斜面で構
成され、第3部分のカム面は第1セクションと第2セク
ションとで構成され、第3部分の第2セクションのカム
面は駆動軸の軸心に平行で第1セクションと第2セクシ
ョンの接続部を通る直線に対して30゜傾斜しており、
第3部分の第1セクションのカム面が上記接続部を通る
直線に対して135゜傾斜しており、第1セクションの
カム面と第2セクションのカム面との接続部におけるラ
ンプ角の差は15゜(望ましいランプ角の差は10゜〜
20゜)になっている。 【0003】上記腕体付き重錘ローラを使う変速装置
は、次のように作動する。駆動軸の回転数が小さいと
きは、スプリングの付勢力により第1腕体が第1ランプ
板の径方向内方に回動して、第1重錘ローラが第1ラン
プ板の内側面に対向して設けた保持板に接触して、駆動
プーリの可動フェースはその面がVベルトに接触しな
い、アイドリング位置にある。駆動軸の回転数が増加
すると、その回転数に応じて増加する第1重錘ローラに
作用する遠心力により、第1重錘ローラが第1ランプ板
のカム面の第1部分と係合し、駆動プーリの可動フェー
スがVベルトに接触し、その可動フェースと固定フェー
スとでVベルトを掴み、次いで第1重錘ローラが第1ラ
ンプ板のカム面の第2部分と係合すると、腕体を介して
駆動プーリの可動フェースを固定フェース側に押し動か
し、Vベルトの駆動プーリへの巻付位置が駆動プーリの
径方向内方の位置に、Vベルトの従動プーリへの巻付位
置が従動プーリの径方向外方の位置にあって、駆動プー
リの回転がVベルトを介して従動プーリに伝達される。
この位置が低速位置(駆動側と従動側とプーリの間の比
率が3:1)である。駆動軸の回転数が更に増加する
と、第1重錘ローラが第1ランプ板のカム面の第3部分
の第1セクションに係合し、次いで第1ランプ板のカム
面の第3部分の第1セクションと第2セクションとの接
続部にきて留まる。この状態ではVベルトの駆動プーリ
への巻付位置が駆動プーリの径方向の中途の位置に、V
ベルトの従動プーリへの巻付位置が従動プーリの径方向
の中途の位置にあり、この位置は中速位置(例えば、駆
動プーリと従動プーリとの比率が2:1)である。この
状態では、通常な運転状態で遭遇する正常なオーバーロ
ードに対して適切に対処できる位置であり、エンジンの
速度が著しく減じられるまでは、低い比率(例えば、
2:1以下)に切り替わるのを阻止できる位置である。
駆動軸の回転数が更に増加すると、第1重錘ローラが
第1ランプ板のカム面の第3部分の第2セクションに係
合する。この位置は高速位置(例えば、駆動プーリと従
動プーリとの比率が1:1)である。 【0004】(2)転動する重錘ローラを使うVベルト
駆動式車輛の変速装置は、駆動軸に駆動プーリが設けら
れ、駆動軸に対応する従動軸に従動プーリが設けられ、
駆動プーリと従動プーリとにVベルトが巻き掛けられ、
駆動プーリ及び従動プーリのVベルト溝をそれぞれ形成
する一対のフェースのうちの一方のフェースが駆動軸及
び従動軸の軸方向に可動の可動フェースで構成され、他
方のフェースが駆動軸及び従動軸に固定の固定フェース
で構成され、駆動プーリの可動フェースの背面に間隔を
おいて複数のカム面が形成され、前記カム面に対面させ
て配された案内板が上記駆動軸に固着され、駆動プーリ
の可動フェースの背面のカム面と案内板との間に駆動プ
ーリの径方向外方に行くに従い狭くなる隙間が形成さ
れ、この隙間に重錘ローラが挿入され、従動プーリの可
動フェースがコイルスプリングにより固定フェースに接
近するように付勢され、駆動プーリの増速に伴って増加
する重錘ローラの遠心力により、前記重錘ローラが駆動
プーリの可動フェースのカム面に接触しながら径方向外
方に移動し、このことにより生じる移動力により駆動プ
ーリの可動フェースをこれに対応する固定フェース側に
押し動かし、駆動プーリに対するVベルトの巻付位置を
径方向外方に移動させ、この移動によるVベルトの張力
の増加に応じて、従動プーリの可動フェースと固定フェ
ースとの間の隙間が開き、Vベルトの従動プーリに対す
る巻付位置を径方向内方に移動させ、変速比を変化させ
るようになっている。上記転動する重錘ローラを使うV
ベルト駆動式車輛の変速装置においては、重錘ローラを
案内する駆動プーリの可動フェースのカム面及びこれに
対面する案内板の案内面が、平面や重錘ローラの半径よ
りも大きい曲率半径の曲面で構成され、駆動軸が停止又
は低速回転している状態では、重錘ローラが最も駆動軸
の軸心よりの位置にあって、駆動プーリの可動フェース
がその固定フェースより最も離れ、Vベルトの駆動プー
リにおける巻掛半径が小さく、Vベルトの従動プーリに
おける巻掛半径が大きく、変速比が最大になっている。
駆動軸の回転数の増加につれて、重錘ローラが漸次駆動
軸の軸心から離れ、駆動プーリの可動フェースがその固
定フェースに接近し、Vベルトの駆動プーリにおける巻
掛半径が大きくなり、Vベルトの従動プーリにおける巻
掛半径が小さくなり、変速比が減少するようになってい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記(1)の腕体付き
重錘ローラを使うVベルト駆動式車輛の変速装置は、第
1重錘ローラが第1ランプ板のカム面の第3部分の第1
セクションと第2セクションとの接続部にきたときに、
第1重錘ローラを前記接続部に留まるようになってい
が、第1重錘ローラを前記接続部に留まらせるために、
駆動プーリ及び従動プーリの可動フェースの背面側の駆
動軸び従動軸に第1及び第2ランプ板を固定し、各可動
フェースの背面のブラケットに第1及び第2腕体を枢支
し、第1及び第2腕体の先に第1及び第2重錘ローラを
回動自在に支持させ、第1及び第2腕体の枢支部に設け
たスプリングにより、第1及び第2腕体を第1ランプ板
の径方向内方及び第2ランプ板の径方向外方に回動する
ように付勢する手段を採用している。そのため、変速装
置の構造が複雑になり、大型化してしまう欠点がある。
上記(2)のVベルト駆動式車輛の変速装置を、駆動プ
ーリの増速に伴って、比較的大きい増加比率で前記移動
力を増加させるように予め設定しておくと、この移動力
はエンジン(駆動軸)の低回転でVベルトの駆動プーリ
への巻付位置を周方向外方に移動させるに足る大きさに
なり、そのため、車速の低速域で、自動変速が行われ、
最小変速比となる。そして、この低速域では、この車速
に見合った所望のエンジンの回転数となり、静かで、無
駄のない良好な発進及び加速性が得られる。しかし、上
記設定では、車速の中速域に達したときに、既に自動変
速が行われ、最小変速比となっているため、その中速域
では、変速比が小さくなり過ぎることがあり、そのた
め、この中速域ではエンジンの回転数が不足しがちにな
って、エンジンの駆動力が不足するおそれが生じる。上
記(2)のVベルト駆動式車輛の変速装置を、駆動プー
リの増速に伴って、比較的小さい増加比率で前記移動力
を増加させるように予め設定しておくと、この移動力が
Vベルトの駆動プーリへの巻付位置を周方向外方に移動
させるに足る大きさになるには、十分なエンジンの回転
数が必要になり、車速の中速域になって、始めて自動変
速が行われることになる。そして、この中速域では、こ
のときのエンジンの回転数に見合った所望の速度を得る
ことができるから、良好な加速性が得られる。しかし、
上記のように設定すると、車速の低速域では、最大変速
比のまま保たれ、この低速域で所望の車速を得ようとす
れば、エンジンの回転数を相当多くする必要が生じ、こ
れはエンジの駆動力を過剰にすることであり、好ましく
ない。この発明の解決しようとする課題は、従来の前記
(1)及び(2)のベルト駆動式車輛の変速装置の上記
のような欠点を有しないVベルト駆動式車輛の変速装置
を提供すること、換言すると、エンジンの低速域及び中
速域で良好な発進性と加速性が得られ、駆動力に過不足
がなく、自動変速による最大変速比から最小変速比への
変化期間中のある回転数範囲内において、変速比が一定
の値になり、エンジンの増速操作に対して良好な車速の
応答性が得られ、構成が簡単で、軽量で、コンパクトな
Vベルト駆動式車輛の変速装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明は前記課題を解
決するための手段として、次の発明の構成を採用するも
のである。この発明の構成は、エンジンにより回転させ
られる駆動軸上に駆動プーリが設られ、上記駆動軸に対
応する従動軸上に従動プーリが設けられ、駆動プーリ及
び従動プーリにVベルトが巻き掛けられ、駆動プーリ及
び従動プーリのVベルト溝をそれぞれ形成する一対のフ
ェースのうちの一方のフェースが駆動軸及び従動軸の軸
方向に可動の可動フェースで構成され、他方のフェース
が駆動軸及び従動軸に固定の固定フェースで構成され、
駆動プーリの可動フェースの背面に重錘ローラを案内す
るカム面が設けられ、前記カム面に対面する重錘ローラ
を案内する案内面のある案内板が駆動軸に固定され、駆
動プーリの可動フェースのカム面と案内板の案内面との
間に駆動プーリの径方向外方に行くに従って狭くなる隙
間が形成され、該隙間に重錘ローラが挿入され、従動プ
ーリの可動フェースがスプリングにより従動プーリの固
定フェースに接近するように付勢され、駆動プーリの増
速に伴って増加する重錘ローラの遠心力で、重錘ローラ
が駆動プーリの可動フェースのカム面と案内板の案内面
とに接しながら駆動プーリの径方向外方に向かって移動
して、駆動プーリの可動フェースをこれに対応する固定
フェース側に押し動かすようになっているVベルト駆動
式車輛の変速装置において、駆動プーリの可動フェース
が、ボス部と、該ボス部と一体で駆動軸の軸心に対して
急傾斜したフランジ部と、該フランジ部と一体でその周
縁部から駆動軸の軸心に略平行に前記案内板側に延びる
周壁部とで構成され、前記カム面が駆動プーリの可動フ
ェースの背面の間隔をおいた複数の部分にそれぞれ形成
され、各カム面が、駆動プーリの軸心に対し急角度を有
する急傾斜面と、該急傾斜面から更に径方向外方に延在
しかつ駆動プーリの軸心に対し緩角度を有する緩傾斜面
と、該緩傾斜面の径方向の外端部から案内板側に延在す
る駆動プーリの軸心と平行な周壁面とからなり、最大変
速比位置において、案内板の案内面のある部分の径方向
の外方端が、駆動プーリの可動フェースの前記緩傾斜面
の径方向の外方端よりの部分と対面するように配され、
前記重錘ローラがカム面を径方向に移動して急傾斜面と
緩傾斜面との接続部にきたときに、重錘ローラの外周面
の一部が急傾斜面に接触し、重錘ローラの外周面の他の
一部が緩傾斜面に接触し、重錘ローラが急傾斜面と緩傾
斜面とに跨った変速比保持状態になるように構成され、
かつカム面の急傾斜面に対応する前記フランジ部の各部
分の肉厚が径方向の外方にいくに従って大きくなり、カ
ム面の緩傾斜面に対応する前記周壁部の各部分の肉厚が
そのフランジ部に接合された部分で最も大きく案内板側
にいくに従って小さくなっており、前記変速比保持状態
になる位置が最大変速比位置と最小変速比位置の間の最
小変速比位置側に寄った中間変速比位置に一致するよう
になっていることを特徴とするVベルト駆動式車輛の変
速装置にある。 【0007】 【実施例】実施例は、図1ないし図7に示され、この発
明をVベルト駆動式自動2輪車に適用した例である。図
1に示すように、自動2輪車1のフレーム2の前部に前
輪が設けられ、伝動部分がエンジン(内燃機関)6と伝
動ケース7とで構成され、伝動ケース7の前部がフレー
ム2の中央の下部に枢支され、駆動輪となる後輪8の支
持軸が伝動ケース7の後部に支持され、伸長方向に弾発
する油圧緩衝機9がフレーム2の後部と伝動ケース7の
後部との間に架設されている。図2ないし図6に示すよ
うに、エンジン6のクランク軸11の軸方向の一方の端
に駆動軸12が延設され、駆動軸12の外周面にセレー
ションが刻設され、駆動軸12に駆動プーリ14が設け
られている。駆動プーリ14は、図2及び図4に示すよ
うに、駆動軸12の軸方向の左右に位置する一対のプー
リ要素14a、14bで構成されている。図示の実施例
では駆動軸12に固定される固定フェースである固定プ
ーリ要素14aは駆動軸12の自由端側でそのセレーシ
ョンに嵌合されて、駆動軸12に固着されている。可動
フェースである可動プーリ要素14bは、ボス部36
と、該ボス部36と一体で駆動軸12の軸心に対して急
傾斜したフランジ部14bと、該フランジ部14b
と一体でその周縁部から駆動軸12の軸心に略平行に案
内板18側に延びる周壁部14bとで構成され、駆動
軸12に外嵌された筒状のスペーサ15にブッシュ16
を介して軸方向に摺動自在に外嵌されている。対のプー
リ要素14a、14bの対面部の間隔によりV字状の断
面のVベルト溝17が形成されている。円板状の案内板
18が駆動軸12のセレーションに嵌合されて、駆動軸
12に固着されている。この案内板18は、固定プーリ
要素14a及びスペーサ15とともに、自由端に螺合さ
れたナット19により駆動軸12に共締め固着されてい
る。可動プーリ要素14bの背面に被係合部20が突設
され、被係合部20が案内板18の一部と軸方向に摺動
自在に係合し、可動プーリ要素14bが案内板18と同
行して回転するようになっている。 【0008】図3に示すように、伝動ケース7の後部に
従動軸22が軸架され、この従動軸22の一端が軸方向
に延出され、この延出された従動軸の部分を介して自動
2輪車の駆動輪である後輪8の支持軸を駆動するように
なっている。従動軸22には筒状連動体25(特許請求
の範囲における従動軸)が回動自在に外嵌され、筒状連
動体25と従動軸22との間には車両1の発進用の自動
遠心クラッチ26が設けられ、前記クラッチ26は、筒
状連動体25に固着されたクラッチ駆動部26aと、従
動軸22に固着されたクラッチ従動部26bとを有し、
クラッチ駆動部26aが所定以上の回転数に達すると、
クラッチ従動部26bに接続されるようになっている。
筒状連動体25には、駆動プーリ14と同じ構成の対プ
ーリ要素27b、27aを有する従動プーリ27が設け
られている。可動プーリ要素27bは筒状連動体25に
軸方向に摺動自在に外嵌された筒体28に固着され、固
定プーリ要素27aは筒状連動体25に固着されてい
る。クラッチ駆動部26aと可動プーリ要素27bとの
間にコイルスプリング29が介装され、このコイルスプ
リング29が可動プーリ要素27bを固定プーリ要素2
7aに向けて付勢している。また、筒体28に係合長孔
30が形成され、係合長孔30に、筒状連動体25に突
設された係合突起31が摺動自在に係合し、筒状連動体
25と筒体28との相対的な回動が規制されるようにな
っている。そして、駆動プーリ14と従動プーリ27と
にVベルト32が巻き掛けられている。 【0009】図4及び図5に示すように、駆動プーリ1
4の可動プーリ要素14bの背面の間隔をおいた複数の
部分(図5に示す実施例では6箇所)にそれぞれカム面
となる傾斜面35が形成され、この傾斜面35は、可動
プーリ要素14bのボス部36から径方向外方に固定プ
ーリ要素14aから離反する方向に廷設され、駆動プー
リ14の軸心に対して傾斜角θだけ急傾斜した急傾斜
面35aとこの急傾斜面35aから更に径方向外方に延
設されかつ駆動プーリ14の軸心に対して傾斜角θ
け緩傾斜した緩傾斜面35bとで構成され、また、可動
プーリ要素14bの緩傾斜面35bの径方向の外端に駆
動プーリ14の軸心と平行なカム面となる周壁面37が
設けられている。そして、図2及び図4に示すように、
急傾斜面35aに対応するフランジ部14bの各部分
はその肉厚が径方向の外方にいくに従って大きくなり、
緩傾斜面35bに対応する周壁部14bの各部分はそ
の肉厚がそのフランジ部14bに接合された部分で最
も大きく案内板18側にいく従って小さくなっており、
これらの各部分が可動プーリ要素14bの剛性を高め、
それを補強するから、可動プーリ要素14bを軽量化す
ることができる。案内板18は、可動プーリ要素14b
の各傾斜面35と対応する部分に各傾斜面35と逆の方
向に傾斜した蓋部18aを備え、この蓋部18aの内側
は重錘ローラ34を案内する案内面18aになってい
て、この案内面18aは駆動プーリ14の軸心に対し
て傾斜角θだけ傾斜しており、この蓋部39の内側の
案内面18aと可動プーリ要素14bの傾斜面35と
の間に駆動プーリ14の径方向外方にいくに従って狭く
なる隙間が形成され、この隙間にローラ形状の重錘ロー
ラ34が挿入されている。可動プーリ要素14bの背面
の傾斜面35の周方向の端にはそれぞれ案内壁38が突
設してあり、これらの案内壁38によって、上記傾斜面
35の周方向における重錘ローラ34の移動が規制さ
れ、重錘ローラ34が傾斜面35の径方向に移動可能に
なっている。図4に示す最大変速比位置において、案内
板18の案内面18aの径方向の外方端18bが、駆
動プーリ14の可動プーリ要素14bの周壁部14b
の内側の緩傾斜面35bの径方向の外方端よりの部分に
対面するようになっている。 【0010】そして、駆動プーリ14が増速すれば、こ
れに伴って重錘ローラ34の遠心力が増加して、この重
錘ローラ34が駆動プーリ14の径方向外方に上記傾斜
面35及び案内面18aに接触しながら移動する。こ
の際、上記遠心力の軸方向の分力により、可動プーリ要
素14bがこれに対応する固定プーリ要素14aに向か
って押し動かされ、Vベルト溝17が縮小し、Vベルト
32の駆動プーリ14に対する巻付位置が径方向外方に
移動する。また、急傾斜面35aと緩傾斜面35bとの
接続部は、例えば、重錘ローラ34の外周面の曲率半径
よりも小さい曲率半径の曲面になっており、重錘ローラ
34が上記傾斜面35を移動して、急傾斜面35aと緩
傾斜面35bとの接続部に達すると、重錘ローラ34の
外周面の一部分が急傾斜面35aに接触し、かつ重錘3
4の外周面の他の一部分が緩傾斜面35bに接触し、重
錘ローラ34が急傾斜面35aと緩傾斜面35bとに跨
った変速比保持状態になる。この状態では、急傾斜面3
5aに接触した重錘ローラ34の部分と緩傾斜面35b
に接触した重錘ローラ34の部分との間の部分は、急傾
斜面35aと緩傾斜面35bとの接続部に接触しない状
態になっている。そして、前記変速比保持状態になる位
置が、最大変速比位置と最小変速比位置の間の最小変速
比位置側に寄った中間変速比位置に一致するように、カ
ム面の傾斜面35が形成されている。すなわち、重錘ロ
ーラ34に生じる遠心力の軸方向の分力が、上記駆動プ
ーリ14におけるVベルト32の巻付位置をその径方向
外方に移動させる移動力であり、該移動力が生じると、
従動プーリ27におけるベルト32の巻付位置が、上記
駆動プーリ14におけるベルト32の巻付位置の径方向
外方への移動に伴って、従動プーリ27の径方向内方に
移動し、変速比が小さい状態になつて従動プーリ27が
増速される。そして、重錘ローラ34が急傾斜面35a
と緩傾斜面35bとの接続部にきて、急傾斜面35aと
緩傾斜面35bとに跨った変速比保持状態になると、ベ
ルト32の駆動プーリ14への巻付位置が従動プーリ2
7を増速させるように径方向外方に移動する動作を一旦
停止するから、急傾斜面35a、緩傾斜面35b及び接
続部が、重錘ローラ34の径方向外方への移動を一旦停
止させる中間変速比保持手段40となる。 【0011】より具体的に説明すると、駆動プーリ14
の回転開始時には、駆動プーリ14におけるVベルト3
2の巻付位置はVベルト溝17の径方向の最内端位置に
あり、従動プーリ27におけるVベルト32の巻付位置
はVベルト溝17の径方向の最外端位置にある(図2な
いし図6の実線図示の状態)。駆動プーリ14が低速域
で増速し始め、筒状連動体25が所定回転数以上になる
と、遠心クラッチ26が接続されて、後輪8を回転させ
る従動軸22が回転を始め、車輌1が前進する(図7の
Aの状態)。この場合には、図7のBに示すように、最
大変速比の状態にあり、駆動プーリ14と従動プーリ2
7との回転数は直線的に比例し、すなわち、エンジンの
回転数と車速とが直線的に比例する。この状態から、駆
動プーリ14が更に増速すると、これに伴い重錘ローラ
34の遠心力が増加し、この重錘ローラ34が急傾斜面
35aを径方向外方に移動し(図7のCの状態)、緩傾
斜面35bの径方向の内側に当接すると、重錘ローラ3
4が急傾斜面35aと緩傾斜面35bとに跨った変速比
保持状態になって停止する。そして、この重錘ローラ3
4の移動時に生じる移動力で、駆動プーリ14における
Vベルト32の巻付位置が径方向外方に移動させられ、
かつ従動プーリ27におけるVベルト32の巻付位置が
径方向内方に移動させられ、このことにより、第1自動
変速が行われる(図4ないし図6の実線図示から一点鎖
線図示への移行及び図7のCの状態)。 【0012】そして、この重錘ローラ34が緩傾斜面3
5bに当接し、急傾斜面35aと緩傾斜面35bとに跨
った変速比保持状態になると、この重錘ローラ34はそ
の遠心力が緩傾斜面35bを径方向外方に移動させるだ
けの所定値に達するまで、上記急傾斜面35aと緩傾斜
面35bとの接続部において、急傾斜面35aと緩傾斜
面35bとに跨った変速比保持状態が維持される。すな
わち、このときには、Vベルト32の巻付位置の移動が
停止させられる(図4ないし図6の一点鎖線図示の状態
及び図7のDの状態)。この状態の位置が、図7のDに
示すように、中間変速比が得られる中間変速比位置であ
る。この状態では、重錘ローラ34は傾斜面35の中途
部で停止しているため、上記中間変速比は一定値をとる
ことになり、従動プーリ27の回転数は駆動プーリ14
の回転数に比例することになる。なお、この中間変速比
位置になるときの車速は、低速域から中速域への境界域
にあり、具体的には、図7に示すように、30km/h
前後となっており、Vベルト駆動式車輌1において多用
される30km/h以上の車速域に対応している。この
状態では重錘ローラ34が動かないから、その摩耗を防
止することができる。上記状態から、更に駆動プーリ1
4が増速して、重錘ローラ34の遠心力に基づく移動力
が所定値を越えると、重錘ローラ34が緩傾斜面35b
を径方向外方に移動することが許容され(図7のEの状
態)、周壁面37に当接するまで移動して停止する。中
間変速比が得られる変速比保持状態の車速は、前述のよ
うにVベルト駆動式車輌1において常用される速度域で
あり、従動プーリ27の可動フェース27bがその固定
フェース27aからかなり離れた(開いた)状態にあっ
て、従動プーリ27の可動フェース27bをその固定フ
ェース27aに対して付勢するスプリング29がかなり
圧縮(変形)された状態になっているから、スプリング
29が従動プーリ27の可動フェース27bをその固定
フェース27aに向けてかなり強く付勢しており、従動
プーリ27に巻き掛けられたVベルト32が従動プーリ
の径方向内方へ動き難く、駆動プーリ14(すなわち、
エンジン)の回転数の増加量が一定範囲内(図7に示す
例では5,500rpmから7,000rpmへの増
速)であれば、中間変速比が得られる変速比保持状態を
容易に保持することができる。 【0013】駆動プーリ14の前記増速により、重錘ロ
ーラ34の移動時に生じる移動力で、Vベルト32の駆
動プーリ14における巻付位置が更に径方向外方に移動
させられ、かつVベルト32の従動プーリ27における
巻付位置が更に径方向内方に移動させられ、このことに
より、第2自動変速が行われる(図4ないし図6の一点
鎖線図示から二点鎖線図示への移行及び図7のEの状
態)。上述したように、重錘ローラ34が周壁面37に
当接して停止すると、図7のFに示すように、最小変速
比の状態になる。そして、この変速比は、その後の増速
により中速域から高速域へ変化した場合も一定値に保た
れ、従動プーリ27の回転数は駆動プーリ14の回転数
に比例することになる。この状態から駆動プーリ14が
低速になるまで減速されるときは、上記の行程が逆行さ
れて元の低速の状態に復帰する。なお、実施例では、本
発明をVベルト駆動式自動2輪車に適用した例を説明し
たが、本発明は、自動の3輪車、4輪車等(例えば、ゴ
ルフ場で使う搬送車、雪上車)にも適用することができ
る。 【0014】 【発明の作用効果】この発明は、特許請求の範囲に記載
した構成を備えることにより、次の(イ)〜(ヘ)の作
用効果を奏する。 (イ)この発明のVベルト駆動式車輛の変速装置は、駆
動プーリの可動フェースが、ボス部と、該ボス部と一体
で駆動軸の軸心に対して急傾斜したフランジ部と、該フ
ランジ部と一体でその周縁部から駆動軸の軸心に略平行
に前記案内板側に延びる周壁部とで構成され、前記カム
面が駆動プーリの可動フェースの背面の間隔をおいた複
数の部分にそれぞれ形成され、各カム面が、駆動プーリ
の軸心に対し急角度を有する急傾斜面と、該急傾斜面か
ら更に径方向外方に延在しかつ駆動プーリの軸心に対し
緩角度を有する緩傾斜面と、該緩傾斜面の径方向の外端
部から案内板側に延在する駆動プーリの軸心と平行な周
壁面とからなり、最大変速比位置において、案内板の案
内面のある部分の径方向の外方端が、駆動プーリの可動
フェースの前記緩傾斜面の径方向の外方端よりの部分と
対面するように配され、前記重錘ローラがカム面を径方
向に移動して急傾斜面と緩傾斜面との接続部にきたとき
に、重錘ローラの外周面の一部が急傾斜面に接触し、重
錘ローラの外周面の他の一部が緩傾斜面に接触し、重錘
ローラが急傾斜面と緩傾斜面とに跨った変速比保持状態
になるように構成され、かつカム面の急傾斜面に対応す
る前記フランジ部の各部分の肉厚が径方向の外方にいく
に従って大きくなり、カム面の緩傾斜面に対応する前記
周壁部の各部分の肉厚がそのフランジ部に接合された部
分で最も大きく案内板側にいくに従って小さくなってお
り、前記変速比保持状態になる位置が最大変速比位置と
最小変速比位置の間の最小変速比位置側に寄った中間変
速比位置に一致するようになっていて、駆動プーリの増
速中の重錘ローラがカム面を径方向外方へ移動する途中
に、急傾斜面と緩傾斜面との接続部に達すると、重錘ロ
ーラが急傾斜面と緩傾斜面とに跨った中間変速比保持状
態になって一旦停止させられ、すなわち、Vベルトの駆
動プーリへの巻付位置の移動が一旦停止させられ、その
後、駆動プーリが更に増速させられて、重錘ローラが緩
傾斜面に移動させられるまで、この巻付位置が駆動プー
リの径方向外方の中途部において停止の状態に保たれ、
最大変速比と最小変速比の間の最小変速比側に寄った一
定の中間変速比が得られる。従って、車速の低速域で、
エンジンの回転数が小さいときには最大変速比をとるよ
うにし、エンジンの回転数が大きいときには上記中間変
速比をとるようにすれば、この低速域の全域で、このと
きの所望の変速比が得られて、静かで無駄のない、車輛
の良好な発進及び加速性が得られ、駆動力も適正にでき
る。また、車速の中速域に達すると、一定の中間変速比
をとることになり、エンジンの回転数の増加とともに、
車速が増加する。そして、この中間変速比の存在によっ
て、十分にエンジンの回転数が増加した後に、変速を再
度開始して、車速が高速域に達すると、最小変速比をと
ることになる。このように、車輛の多用される中速域及
び高速域においても、所望の変速比が得られ、車輛の良
好な加速性が得られ、駆動力も適正にできる。 【0015】(ロ)この発明のVベルト駆動式車輛の変
速装置では、中間変速比が最大変速比と最小変速比との
中間より最小変速比側によっており、この中間変速比
が、駆動プーリの可動フェースの背面と案内板との間の
隙間に挿入された重錘ローラが急傾斜面と緩傾斜面とに
跨った変速比保持状態になって一旦停止し、ベルトの駆
動プーリへの巻付位置が駆動プーリの径方向の中途部で
停止することにより得られるものであるため、この中間
変速比は、最大変速比から最小変速比に変位する変位期
間中のある回転数範囲内で一定値を採ることとなる。よ
って、上記変位期間で、駆動プーリの回転数と従動プー
リの回転数とが比例する状態となることから、エンジン
の回転と車速とが直線的に比例し、この結果、上記変位
期間において、エンジの増速操作に対し良好な車速の応
答性が得られ、非常に有益である。 (ハ)この発明のVベルト駆動式車輛の変速装置におい
ては、駆動プーリの可動フェースの背面のカム面を、可
動フェースの背面と案内板との間の隙間に挿入された重
錘ローラがカム面を径方向に移動して急傾斜面と緩傾斜
面との接続部にきたときに、重錘ローラの外周面の一部
が急傾斜面に接触し、重錘ローラの外周面の他の一部が
緩傾斜面に接触し、重錘ローラが急傾斜面と緩傾斜面と
に跨った中間変速比が得られる変速比保持状態になるよ
うに構成するだけで、重錘ローラを所定位置に一旦止め
て、Vベルトの駆動プーリへの巻付位置の移動を中間変
速比の位置で一旦止めることがきるから、重錘ローラを
所定位置に一旦止めるための装置の構成が簡単になり、
しかも、案内板より大きい駆動プーリにカム面を形成す
るから、設定自由度が大きくなり、かつ変速装置をコン
パクトなものにすることができる。そのうえ、中間変速
比が得られる変速比保持状態の位置は、Vベルト駆動式
車輌の常用の変速域にあり、従動プーリの可動フェース
が従動プーリの固定フェースからかなり離れた(開い
た)位置にあって、従動プーリの可動フェースを従動プ
ーリの固定フェースに対して付勢するスプリングがかな
り変形した状態にあるから、前記スプリングが従動プー
リの可動フェースを従動プーリの固定フェースに向けて
かなり強く付勢しており、従動プーリに巻き掛けられた
Vベルトが従動プーリの径方向内方へ動き難く、駆動プ
ーリ(すなわち、エンジン)の回転数の増加量が一定範
囲内であれば、中間変速比が得られる変速比保持状態を
容易に保持することができる。 【0016】(ニ)この発明のVベルト駆動式車輛の変
速装置においては、駆動プーリの可動フェースの背面と
案内板との間の隙間に挿入された重錘ローラが急傾斜面
と緩傾斜面とに跨った変速比保持状態で一旦止まるか
ら、その後に、変速、すなわち、重錘ローラが急傾斜面
又は緩傾斜面のいずれか一方に移動しようとしたとき
に、重錘ローラが回転しやすくなり、重錘ローラの摩耗
が少なくなる。また、重錘ローラが可動フェースの周壁
面に衝突するときの衝撃も、重錘ローラが上記の跨った
状態で一旦止められていることでやわらげられ、重錘ロ
ーラの摩耗を少なくすることができ、変速装置の変速特
性の経時変化を小さくすることができる。 (ホ)この発明のVベルト駆動式車輛の変速装置におい
ては、駆動プーリの可動フェースが、ボス部と、該ボス
部と一体で駆動軸の軸心に対して急傾斜したフランジ部
と、該フランジ部と一体でその周縁部から駆動軸の軸心
に略平行に前記案内板側に延びる周壁部とで構成され、
カム面の急傾斜面に対応する前記フランジ部の各部分の
肉厚が径方向の外方にいくに従って大きくなり、カム面
の緩傾斜面に対応する前記周壁部の部分の肉厚がそのフ
ランジ部に接合された部分で最も大きく案内板側にいく
に従って小さくなっているから、重錘ローラが可動フェ
ースの径方向の外方端の近傍に位置して、重錘ローラの
遠心力が大きくなり、可動フェースの径方向の外方の部
分に大きな力が作用しても、その大きな力の作用する可
動フェースの部分が前記肉厚の大きい部分により補強さ
れ(剛性が高められ)、変形することがない。したがっ
て、前記の肉厚の大きい部分が可動フェースを補強し、
その可動フェースの軽量化に貢献し、変速装置を軽量な
ものにすることができる効果がある。 (ヘ)この発明のVベルト駆動式車輛の変速装置におい
ては、最大変速比位置において、案内板の前記案内面の
ある部分の径方向の外方端が、駆動プーリの可動フェー
スの前記緩傾斜面の径方向の外方端よりの部分と対面す
るように配されているから、変速比保持状態になる中間
変速比位置を最大変速比位置と最小変速比位置との間の
最小変速比位置側に寄せても、可動フェースの径を大き
くする必要がなく、固定フェース、可動フェース及び案
内板からなる駆動プーリを軸方向及び径方向にコンパク
トにすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例のVベルト駆動式自動2輪車の側面図 【図2】図1に示す伝動部分の前側の部分を図1のS
−S線で断面し矢印方向にみた平面図 【図3】図1に示す伝動部分の後側の部分を図1のS
−S線で断面し矢印方向にみた平面図 【図4】図2の一部を拡大した説明図 【図5】図2に示すものをそのS−S線で断面し矢
印方向にみた側面図 【図6】図2及び図3に示されたものをそのS−S
線で断面し矢印方向にみた側面図 【図7】実施例の変速装置の作用を示す線図 【符号の説明】 1 自動2輪車 12 駆動軸 14 駆動プーリ 14a 固定プーリ要素(固定フェース) 14b 可動プーリ要素(可動フェース) 14b フランジ部 14b 周壁部 17 Vベルト溝 18 案内板 18a 蓋部 18a 案内面 22 従動軸 27 従動プーリ 27a 固定プーリ要素(固定フェース) 27b 可動プーリ要素(可動フェース) 32 Vベルト 34 重錘ローラ 35 傾斜面 35a 急傾斜面 35b 緩傾斜面 36 ボス部 37 周壁面 38 案内壁 40 保持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 9/00 - 9/26

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.エンジンにより回転させられる駆動軸上に駆動プー
    リが設られ、上記駆動軸に対応する従動軸上に従動プー
    リが設けられ、駆動プーリ及び従動プーリにVベルトが
    巻き掛けられ、駆動プーリ及び従動プーリのVベルト溝
    をそれぞれ形成する一対のフェースのうちの一方のフェ
    ースが駆動軸及び従動軸の軸方向に可動の可動フェース
    で構成され、他方のフェースが駆動軸及び従動軸に固定
    の固定フェースで構成され、駆動プーリの可動フェース
    の背面に重錘ローラを案内するカム面が設けられ、前記
    カム面に対面する重錘ローラを案内する案内面のある案
    内板が駆動軸に固定され、駆動プーリの可動フェースの
    カム面と案内板の案内面との間に駆動プーリの径方向外
    方に行くに従って狭くなる隙間が形成され、該隙間に重
    錘ローラが挿入され、従動プーリの可動フェースがスプ
    リングにより従動プーリの固定フェースに接近するよう
    に付勢され、駆動プーリの増速に伴って増加する重錘ロ
    ーラの遠心力で、重錘ローラが駆動プーリの可動フェー
    スのカム面と案内板の案内面とに接しながら駆動プーリ
    の径方向外方に向かって移動して、駆動プーリの可動フ
    ェースをこれに対応する固定フェース側に押し動かすよ
    うになっているベルト駆動式車輛の変速装置におい
    て、駆動プーリの可動フェースが、ボス部と、該ボス部
    と一体で駆動軸の軸心に対して急傾斜したフランジ部
    と、該フランジ部と一体でその周縁部から駆動軸の軸心
    に略平行に前記案内板側に延びる周壁部とで構成され、
    前記カム面が駆動プーリの可動フェースの背面の間隔を
    おいた複数の部分にそれぞれ形成され、各カム面が、駆
    動プーリの軸心に対し急角度を有する急傾斜面と、該急
    傾斜面から更に径方向外方に延在しかつ駆動プーリの軸
    心に対し緩角度を有する緩傾斜面と、該緩傾斜面の径方
    向の外端部から案内板側に延在する駆動プーリの軸心と
    平行な周壁面とからなり、大変速比位置において、案
    内板の案内面のある部分の径方向の外方端が、駆動プー
    リの可動フェースの前記緩傾斜面の径方向の外方端より
    の部分と対面するように配され、前記重錘ローラがカム
    面を径方向に移動して急傾斜面と緩傾斜面との接続部に
    きたときに、重錘ローラの外周面の一部が急傾斜面に接
    触し、重錘ローラの外周面の他の一部が緩傾斜面に接触
    し、重錘ローラが急傾斜面と緩傾斜面とに跨った変速比
    保持状態になるように構成され、かつカム面の急傾斜面
    に対応する前記フランジ部の各部分の肉厚が径方向の外
    方にいくに従って大きくなり、カム面の緩傾斜面に対応
    する前記周壁部の各部分の肉厚がそのフランジ部に接合
    された部分で最も大きく案内板側にいくに従って小さく
    なっており、前記変速比保持状態になる位置が最大変速
    比位置と最小変速比位置の間の最小変速比位置側に寄っ
    た中間変速比位置に一致するようになっていることを特
    徴とするベルト駆動式車輛の変速装置。
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