JP2876645B2 - アルカリホスファターゼ及びその製造法 - Google Patents
アルカリホスファターゼ及びその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 アルカリホスファターゼは組換えプラスミド作成やDN
A塩基配列決定の際の、DNA及びRNAの末端リン酸基の除
去、リン脂質等のリン酸残基を有する物質の定量に用い
られているほか、酵素免疫測定法における標識酵素とし
て使用されている。
A塩基配列決定の際の、DNA及びRNAの末端リン酸基の除
去、リン脂質等のリン酸残基を有する物質の定量に用い
られているほか、酵素免疫測定法における標識酵素とし
て使用されている。
本発明は、これらの用途に好適なアルカリホスファタ
ーゼ及びその製造法に関する。
ーゼ及びその製造法に関する。
アルカリホスファターゼの給源としては、これまでに
大腸菌及び仔牛小腸由来のものが知られている。
大腸菌及び仔牛小腸由来のものが知られている。
しかし、前者の酵素は酵素反応の分解産物である無機
リン酸及びエチレンジアミンテトラ酢酸(以下、EDTAと
略記することがある。)による阻害を受け[A.Torrian
i,Methods in Enzymology、Academic Press,NewYork,Vo
l.12B,p212(1968)]、後者の酵素もEDTAによる阻害を
受けるという欠点がある。[Biochemistry,13,1783,M.F
osset,]したがって、充分な加水分解反応を進行させる
ためには、無機リン酸濃度の低い反応液組成として基質
濃度を高めなければならない。
リン酸及びエチレンジアミンテトラ酢酸(以下、EDTAと
略記することがある。)による阻害を受け[A.Torrian
i,Methods in Enzymology、Academic Press,NewYork,Vo
l.12B,p212(1968)]、後者の酵素もEDTAによる阻害を
受けるという欠点がある。[Biochemistry,13,1783,M.F
osset,]したがって、充分な加水分解反応を進行させる
ためには、無機リン酸濃度の低い反応液組成として基質
濃度を高めなければならない。
本発明の目的は、酵素反応の分解産物である無機リン
酸による阻害を受けにくく、効率的に反応が進行する新
規アルカリホスファターゼを得ること及び好熱菌を用い
て該酵素を製造する方法を提供することである。
酸による阻害を受けにくく、効率的に反応が進行する新
規アルカリホスファターゼを得ること及び好熱菌を用い
て該酵素を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意
研究を重ね、自然界から分離した好熱性微生物につい
て、上記アルカリホスファターゼ生産能を有する菌株の
検索を行った。その結果、好熱性バチルス属に属する微
生物バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus ste
arothermophilus)TB−443(以下、TB−443菌と称す
る。)が目的とするアルカリホスファターゼを生産する
ことを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成した
のである。
研究を重ね、自然界から分離した好熱性微生物につい
て、上記アルカリホスファターゼ生産能を有する菌株の
検索を行った。その結果、好熱性バチルス属に属する微
生物バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus ste
arothermophilus)TB−443(以下、TB−443菌と称す
る。)が目的とするアルカリホスファターゼを生産する
ことを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成した
のである。
すなわち本発明は、無機リン酸による阻害を受けにく
いアルカリホスファターゼを提供すると共に、好熱性バ
チルス属に属し、該アルカリホスファターゼ生産能を有
する微生物を培養し、培養液中に該アルカリホスファタ
ーゼを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
するアルカリホスファターゼの製造法を提供するもので
ある。
いアルカリホスファターゼを提供すると共に、好熱性バ
チルス属に属し、該アルカリホスファターゼ生産能を有
する微生物を培養し、培養液中に該アルカリホスファタ
ーゼを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
するアルカリホスファターゼの製造法を提供するもので
ある。
本発明に用いるアルカリホスファターゼ生産菌として
は、好熱性バチルス属に属し、上記のアルカリホスファ
ターゼを生産し得る微生物であればよい。したがって、
前記TB−443菌の他に、その自然的または人為的変異株
ならびにこれら菌株の遺伝子を導入された各種生物も本
発明のアルカリホスファターゼ生産能を有する限り、本
発明に使用することができる。
は、好熱性バチルス属に属し、上記のアルカリホスファ
ターゼを生産し得る微生物であればよい。したがって、
前記TB−443菌の他に、その自然的または人為的変異株
ならびにこれら菌株の遺伝子を導入された各種生物も本
発明のアルカリホスファターゼ生産能を有する限り、本
発明に使用することができる。
次に、TB−443菌の菌学的性質を示す。なお、この菌
学的性質の検討には「微生物の分類と同定」(長谷川武
治編著、東京大学出版会)及び「微生物同定法」(衛生
技術会)に記載されている方法,培地組成を用いた。
学的性質の検討には「微生物の分類と同定」(長谷川武
治編著、東京大学出版会)及び「微生物同定法」(衛生
技術会)に記載されている方法,培地組成を用いた。
〔形態的所見〕(55℃,18時間培養) 1.細胞の形及び大きさ:桿状、0.3〜0.5X1.5〜2.5μm 2.多形性:なし 3.運動性:なし 4.胞子:円筒形の内生胞子を細胞先端に形成し、胞子の
うが膨れる。
うが膨れる。
5.グラム染色:陽性 6.抗酸性:なし 7.カプセル:なし 8.異染顆粒:なし 〔生育状態〕(55℃,24時間培養) 1.肉汁寒天平板培養 形状:円形 周縁:波状乃至裂片状 隆起:扁平状 光沢:鈍光 表面:疣状 色調:半透明 2.肉汁寒天斜面培養 生育度:良好 形状:太糸状 3.肉汁液体培養 表面生育:なし 濁度:やや混濁 沈渣:少量 着色、脱色:なし 4.肉汁ゼラチン穿刺培養(ゼラチンは30%添加、55℃で
適時培養後、冷却して固化状態を判定)ゼラチンを液化
する 5.肉汁寒天穿刺培養 形状:表面生育のみ 表面生育:良好 6.リトマスミルク リトマス退色なく、pHややアルカリ性となる。ミルク
の凝固あり。
適時培養後、冷却して固化状態を判定)ゼラチンを液化
する 5.肉汁寒天穿刺培養 形状:表面生育のみ 表面生育:良好 6.リトマスミルク リトマス退色なく、pHややアルカリ性となる。ミルク
の凝固あり。
D−キシロース,D−グルコース,フクトース,D−マン
ニトール,デンプンを資化して増殖し、酸を生成する。
ニトール,デンプンを資化して増殖し、酸を生成する。
アラビノース,シュークロース,D−ガラクトース,イ
ノシトールの利用性は微弱またはなし。
ノシトールの利用性は微弱またはなし。
以上の本菌の菌学的諸性質から、バージェイズ・マニ
ュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー
(Bergey's manual of systematic bact−eriology)
(1984)の分類方法にしたがって検索し、前記TB−443
菌はバチルス・ステアロサーモフィラスと大略一致した
が、運動性がない点で公知菌株と異なっていた。更に、
標準菌株バチルス・ステアロサーモフィラスIAM 11001,
11002,11003,11004,12043(東京大学応用微生物研究所
保管株)はいずれも後述の培養方法でアルカリホスファ
ターゼを生産しなかった。
ュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー
(Bergey's manual of systematic bact−eriology)
(1984)の分類方法にしたがって検索し、前記TB−443
菌はバチルス・ステアロサーモフィラスと大略一致した
が、運動性がない点で公知菌株と異なっていた。更に、
標準菌株バチルス・ステアロサーモフィラスIAM 11001,
11002,11003,11004,12043(東京大学応用微生物研究所
保管株)はいずれも後述の培養方法でアルカリホスファ
ターゼを生産しなかった。
以上の事項から明らかなように、TB−443菌は、公知
の菌株と区別されるため、これを新菌株として設定する
ことが適当であると結論された。
の菌株と区別されるため、これを新菌株として設定する
ことが適当であると結論された。
TB−443菌は工業技術院微生物工業技術研究所に微工
研菌寄第10522号(FERM P−10522)として寄託されてい
る。
研菌寄第10522号(FERM P−10522)として寄託されてい
る。
本発明のアルカリホスファターゼ生産能を有する微生
物を栄養培地に培養し、培養物中に該アルカリホスファ
ターゼを生成せしめ、これを採取することによって目的
とするアルカリホスファターゼが得られる。
物を栄養培地に培養し、培養物中に該アルカリホスファ
ターゼを生成せしめ、これを採取することによって目的
とするアルカリホスファターゼが得られる。
本発明に使用する栄養培地としては、炭素源,窒素
源,無機物及び必要に応じ使用菌株の必要とする微量栄
養素を程よく含有するものであれば天然及び合成培地の
いずれでもよい。
源,無機物及び必要に応じ使用菌株の必要とする微量栄
養素を程よく含有するものであれば天然及び合成培地の
いずれでもよい。
炭素源としては通常微生物培養に用いられるグルコー
ス,デンプン,デキストリン,グリセロール,マルトー
ス,フラクトース,乳糖,キシロース,マンニトール,
シュークロース,イノシトールなどを使用できるが、中
でもグルコース,デンプン,デキストリン,グリセロー
ル,マルトースを主炭素源に用いることにより本酵素を
より効果的に生産することが出来る。窒素源としては綿
実粕,綿実油,大豆加水分解物,大豆油,ペプトン,酵
母エキス,肉エキス,麦芽エキス,コーンスティープリ
カーなどの含窒素天然物やグルタミン酸,L−アラニンな
どのアミノ酸が利用できる。その他必要に応じて鋼,マ
グネシウム,カルシウム,ナトリウム,コバルト,カリ
ウムなどの金属の塩やビタミンなどの微量栄養物を適宜
含む培地を用いればよい。
ス,デンプン,デキストリン,グリセロール,マルトー
ス,フラクトース,乳糖,キシロース,マンニトール,
シュークロース,イノシトールなどを使用できるが、中
でもグルコース,デンプン,デキストリン,グリセロー
ル,マルトースを主炭素源に用いることにより本酵素を
より効果的に生産することが出来る。窒素源としては綿
実粕,綿実油,大豆加水分解物,大豆油,ペプトン,酵
母エキス,肉エキス,麦芽エキス,コーンスティープリ
カーなどの含窒素天然物やグルタミン酸,L−アラニンな
どのアミノ酸が利用できる。その他必要に応じて鋼,マ
グネシウム,カルシウム,ナトリウム,コバルト,カリ
ウムなどの金属の塩やビタミンなどの微量栄養物を適宜
含む培地を用いればよい。
培養は36〜62℃の範囲で行うことができるが、45〜55
℃の範囲が好適である。pHは中性域が望ましい。
℃の範囲が好適である。pHは中性域が望ましい。
酵素の生成は条件によって変わってくるが、通常は6
時間から24時間であり、アルカリホスファターゼの生成
が確認されたとき、好ましくは生成が最大に達したとき
に培養を停止する。
時間から24時間であり、アルカリホスファターゼの生成
が確認されたとき、好ましくは生成が最大に達したとき
に培養を停止する。
培養物中からのアルカリホスファターゼの採取は適宜
既知の方法を組合せて実施すればよい。例えば、培養終
了後、菌体内のアルカリホスファターゼを取得する場合
は培養物中から菌体を遠心分離などにより集め、適当な
手段で菌体を破砕してアルカリホスファターゼを抽出
し、次いでイオン交換,ゲル濾過及び疎水クロマトグラ
フィーによって精製を行なう。
既知の方法を組合せて実施すればよい。例えば、培養終
了後、菌体内のアルカリホスファターゼを取得する場合
は培養物中から菌体を遠心分離などにより集め、適当な
手段で菌体を破砕してアルカリホスファターゼを抽出
し、次いでイオン交換,ゲル濾過及び疎水クロマトグラ
フィーによって精製を行なう。
菌体外のアルカリホスファターゼを取得する場合は、
先の遠心上清を濃縮し、同様のクロマトグラフィーで精
製を行なう。
先の遠心上清を濃縮し、同様のクロマトグラフィーで精
製を行なう。
アルカリホスファターゼ活性の測定はHulett&Campbe
llの方法[Biochemistry、10,1364,(1971)]を改変し
て行なった。2mlの1mM p−ニトロフェニルホスフェート
(以下、p−NPPと略す。)及び1.25mM MgCl2を含む1M
Tris−HCl緩衝液(pH9.0)に対して、酵素液0.5mlを添
加し、37℃で反応を開始した。一定時間後、0.5mlの0.7
5M K2HPO4を加えて反応を停止させ、遊離したp−ニト
ロフェノール(以下、p−NPと略す。)量を410nmの吸
光度の増加により測定した。酵素の活性は1分間に1μ
moleのp−Npを遊離する活性を1unitと定義した。
llの方法[Biochemistry、10,1364,(1971)]を改変し
て行なった。2mlの1mM p−ニトロフェニルホスフェート
(以下、p−NPPと略す。)及び1.25mM MgCl2を含む1M
Tris−HCl緩衝液(pH9.0)に対して、酵素液0.5mlを添
加し、37℃で反応を開始した。一定時間後、0.5mlの0.7
5M K2HPO4を加えて反応を停止させ、遊離したp−ニト
ロフェノール(以下、p−NPと略す。)量を410nmの吸
光度の増加により測定した。酵素の活性は1分間に1μ
moleのp−Npを遊離する活性を1unitと定義した。
次に、後記実施例で得られた本酵素の理化学的性質を
示す。
示す。
(1)作用 本酵素は、リン酸モノエステル結合を加水分解する。
(2)至適pH 0.2Mの各種緩衝液を用い測定したところ、第1図に示
したように本酵素の至適pHは9〜10であった。
したように本酵素の至適pHは9〜10であった。
(3)至適温度 至適温度は第2図から65〜75℃と判明した。
(4)安定pH範囲 本酵素標品を第3図に示す種々の緩衝液に溶解し、37
℃で1時間保持したのち、残存活性を測定した。その結
果、本酵素の安定pH範囲はpH9〜12の範囲であった。
℃で1時間保持したのち、残存活性を測定した。その結
果、本酵素の安定pH範囲はpH9〜12の範囲であった。
(5)安定温度範囲 酵素液を1mM MgCl2を含む1M Tris−HCl緩衝液(pH9.
0)で各温度に30分間保持し、氷水中で5分間冷却した
のち、残存活性を測定した。第4図に示したように50℃
で65%の活性を維持していた。
0)で各温度に30分間保持し、氷水中で5分間冷却した
のち、残存活性を測定した。第4図に示したように50℃
で65%の活性を維持していた。
(6)基質特異性 各種基質を10mMの濃度で本酵素と反応させ、1mlの25
%トリクロロ酢酸添加により反応を停止させた後、反応
液の一部をとり、Fiske&Subbarowの変法〔生化学分析
法、由岐英剛編、南江堂、p13,(1984)]で無機リン酸
の定量を行った。表1にp−NPPに対する活性を100%と
した場合の各種基質に対する相対活性を示した。
%トリクロロ酢酸添加により反応を停止させた後、反応
液の一部をとり、Fiske&Subbarowの変法〔生化学分析
法、由岐英剛編、南江堂、p13,(1984)]で無機リン酸
の定量を行った。表1にp−NPPに対する活性を100%と
した場合の各種基質に対する相対活性を示した。
(7)金属の影響 5mMのMg2+,Co2+,Zn2+により3倍以上の活性亢進が
認められ、Ca2+,Cu2+ではほとんど影響はなかった(表
2)。
認められ、Ca2+,Cu2+ではほとんど影響はなかった(表
2)。
(8)分子量 SDS PAGE法,ゲル濾過法で分子量を求めたところそれ
ぞれ55,000,112,000であった。このことから、本酵素
は、分子量55,000のサブユニットからなるダイマー構造
をとっているものと推察される。
ぞれ55,000,112,000であった。このことから、本酵素
は、分子量55,000のサブユニットからなるダイマー構造
をとっているものと推察される。
(9)無機リン酸による阻害 Lineweaver−Burkプロットによりp−NPPに対するKm
値を、またDixonプロットによりK2HPO4に対するKi値を
求め、市販のE. coli由来酵素及び仔牛小腸由来酵素と
比較した。本酵素は表3に示したように、他の二つの酵
素に比較してKm値に大きな差はないが、Ki値が大きく、
Ki/Km値が約9〜20倍の大きさでこれら公知の酵素より
も無機リン酸による阻害を受けにくいという特徴を有し
ている。
値を、またDixonプロットによりK2HPO4に対するKi値を
求め、市販のE. coli由来酵素及び仔牛小腸由来酵素と
比較した。本酵素は表3に示したように、他の二つの酵
素に比較してKm値に大きな差はないが、Ki値が大きく、
Ki/Km値が約9〜20倍の大きさでこれら公知の酵素より
も無機リン酸による阻害を受けにくいという特徴を有し
ている。
(10)キレート剤による阻害 表2に示したように、本酵素は1mM EDTA存在下で91
%,5mM EDTA存在下では96%の活性を保持しており、キ
レート剤による阻害を受けにくい特徴を有している。
%,5mM EDTA存在下では96%の活性を保持しており、キ
レート剤による阻害を受けにくい特徴を有している。
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例 デンプン2.0%,グルコース1.0%,綿実粕1.0%,L−
アラニン0.5%,CaCl2・2H2O0.05%,NaCl 0.03%,CuSO
4・5H2O0.13%,CoCl2・6H2O0.002%,KCl 0.0008%及び
水道水からなる培地3lを5l容のジャー・ファーメンター
に入れ、常法により殺菌後pHを7.0に調整し、バチルス
・ステアロサーモフィラス TB−443 (FERMP−10522)
菌を種菌として接種し、50℃,通気量3l/分,溶存酸素
濃度2.0ppmの条件で16時間の通気攪拌培養を行った。
アラニン0.5%,CaCl2・2H2O0.05%,NaCl 0.03%,CuSO
4・5H2O0.13%,CoCl2・6H2O0.002%,KCl 0.0008%及び
水道水からなる培地3lを5l容のジャー・ファーメンター
に入れ、常法により殺菌後pHを7.0に調整し、バチルス
・ステアロサーモフィラス TB−443 (FERMP−10522)
菌を種菌として接種し、50℃,通気量3l/分,溶存酸素
濃度2.0ppmの条件で16時間の通気攪拌培養を行った。
培養終了後、培養液を超音波処理してアルカリホスフ
ァターゼ活性を測定したところ8.0unit/mlであった。同
様に、遠心分離により菌体を除去した上清液について酵
素活性を測定したところ4.0unit/mlであった。
ァターゼ活性を測定したところ8.0unit/mlであった。同
様に、遠心分離により菌体を除去した上清液について酵
素活性を測定したところ4.0unit/mlであった。
上記の遠心分離した菌体を10mM Tris−HCl(pH7.2)
緩衝液に懸濁し、超音波により菌体を破砕後、Mg(CH3C
OO)2を1M濃度となるように添加し、4℃で一晩攪拌抽出
を行った。次に、遠心分離により不溶物を除去し、10mM
Tris−HCl(pH7.2)緩衝液に対して透析後、同緩衝液
で平衡化したDEAE−Toyopearlカラムへ添加した。活性
画分は10mM Tris−HCl(pH7.2)緩衝液と1M Mg(CH3CO
O)2を含む同緩衝液によるグラジエント溶出により回収
し、濃縮後、0.15M Mg(CH3COO)2を含む同緩衝液で平衡
化したSuperose 12のゲル濾過カラムへ添加した。更
に、活性画分を1.7M硫安を含む30mM Tris−HCl(pH7.
2)緩衝液で平衡化したPhenyl−Superoseの疎水クロマ
トカラムへ添加し、溶離液中の硫安濃度を直線的に減少
させることで溶出させた。
緩衝液に懸濁し、超音波により菌体を破砕後、Mg(CH3C
OO)2を1M濃度となるように添加し、4℃で一晩攪拌抽出
を行った。次に、遠心分離により不溶物を除去し、10mM
Tris−HCl(pH7.2)緩衝液に対して透析後、同緩衝液
で平衡化したDEAE−Toyopearlカラムへ添加した。活性
画分は10mM Tris−HCl(pH7.2)緩衝液と1M Mg(CH3CO
O)2を含む同緩衝液によるグラジエント溶出により回収
し、濃縮後、0.15M Mg(CH3COO)2を含む同緩衝液で平衡
化したSuperose 12のゲル濾過カラムへ添加した。更
に、活性画分を1.7M硫安を含む30mM Tris−HCl(pH7.
2)緩衝液で平衡化したPhenyl−Superoseの疎水クロマ
トカラムへ添加し、溶離液中の硫安濃度を直線的に減少
させることで溶出させた。
精製酵素標品の純度決定をSDS電気泳動で行ったとこ
ろ、1本の蛋白バンドのみが認められた。精製酵素標品
の活性収率は12%であった。
ろ、1本の蛋白バンドのみが認められた。精製酵素標品
の活性収率は12%であった。
本発明によれば、培養期間の短い好熱菌を用いて、酵
素反応の分解産物である無機リン酸による阻害を受けに
くいアルカリホスファターゼを提供でき、さらに好まし
い態様としてキレート剤による阻害をも受けにくいアル
カリホスファターゼを提供できる。
素反応の分解産物である無機リン酸による阻害を受けに
くいアルカリホスファターゼを提供でき、さらに好まし
い態様としてキレート剤による阻害をも受けにくいアル
カリホスファターゼを提供できる。
第1図は本発明のアルカリホスファターゼの至適pHを、
第2図は該アルカリホスファターゼの作用至適温度を、
第3図は該アルカリホスファターゼの安定pH範囲を、第
4図は該アルカリホスファターゼの安定温度範囲をそれ
ぞれ示すものである。
第2図は該アルカリホスファターゼの作用至適温度を、
第3図は該アルカリホスファターゼの安定pH範囲を、第
4図は該アルカリホスファターゼの安定温度範囲をそれ
ぞれ示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21N 9/16 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (6)
- 【請求項1】DixonプロットによるK2HPO4に対するKi値
が3.02×10-4M以上であり、かつ、以下の理化学的性質
を有することを特徴とするアルカリホスファターゼ。 作用:リン酸モノエステル結合を加水分解する 至適pH:9〜10 至適温度:65〜75℃ 分子量:分子量55000のサブユニットからなるダイマ
ー構造を有する - 【請求項2】50℃にて、pH9.0の緩衝液中で30分間の処
理により65%以上の活性が保持される請求項1記載のア
ルカリホスファターゼ。 - 【請求項3】1〜5mMのEDTA存在下で91%以上の活性が
保持される請求項1または2に記載のアルカリホスファ
ターゼ。 - 【請求項4】以下の理化学的性質を有することを特徴と
するアルカリホスファターゼ。 作用:リン酸モノエステル結合を加水分解する 至適pH:9〜10 至適温度:65〜75℃ 安定pH性:pH9〜12の範囲において、37℃、1時間の処
理により、75%以上の活性が保持される 安定温度性:50℃にて、pH9.0の緩衝液中で30分間の処
理により65%以上の活性が保持される 分子量:分子量55000のサブユニットからなるダイマ
ー構造を有する 無機リン酸による阻害:DixonプロットによるK2HPO4に
対するKi値が3.02×10-4M以上である キレート剤による阻害:1〜5mMのEDTA存在下で91%以
上の活性が保持される - 【請求項5】アルカリホスファターゼの生産性を有する
バチルス属の細菌を培養し、該バチルス属の細菌の培養
液中に該アルカリホスファターゼを生成、蓄積せしめ、
これを採取することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
かに記載のアルカリホスファターゼの製造法。 - 【請求項6】バチルス属の細菌がバチルス・ステアロサ
ーモフィラスTB−443(FERM P−10522)である請求項5
記載のアルカリホスファターゼの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1241756A JP2876645B2 (ja) | 1989-09-20 | 1989-09-20 | アルカリホスファターゼ及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1241756A JP2876645B2 (ja) | 1989-09-20 | 1989-09-20 | アルカリホスファターゼ及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03108481A JPH03108481A (ja) | 1991-05-08 |
JP2876645B2 true JP2876645B2 (ja) | 1999-03-31 |
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ID=17079064
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