JPH03108481A - アルカリホスファターゼ及びその製造法 - Google Patents

アルカリホスファターゼ及びその製造法

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JPH03108481A
JPH03108481A JP1241756A JP24175689A JPH03108481A JP H03108481 A JPH03108481 A JP H03108481A JP 1241756 A JP1241756 A JP 1241756A JP 24175689 A JP24175689 A JP 24175689A JP H03108481 A JPH03108481 A JP H03108481A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 アルカリホスファターゼは組換えプラスミド作成やDN
A塩基配列決定の際の、DNA及びRNAの末端リン酸
基の除去、リン脂質等のリン酸残基を有する物質の定量
に用いられているほか、酵素免疫測定法における標識酵
素として使用されている。
本発明は、これらの用途に好適なアルカリホスファター
ゼ及びその製造法に関する。
〔従来の技術〕
アルカリホスファターゼの給源としては、これまでに大
腸菌及び仔牛小腸由来のものが知られている。
しかし、前者の酵素は酵素反応の分解産物である無機リ
ン酸及びエチレンジアミンテトラ酢酸(以下、EDTA
と略記することがある。)による阻害を受け[八、To
rriani、Methods in Enzymol
ogy、Academic Press、NewYor
k、Vol、12B、p212(1968)]、後者の
酵素もEDTAによる阻害を受けるという欠点がある。
[Biochemistry、 13+ 1783+ 
Fosset。
M、、 et al、、 (1974)] L、たがっ
て、充分な加水分解反応を進行させるためには、無機リ
ン酸濃度の低い反応液組成として基質濃度を高めなけれ
ばならない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、酵素反応の分解産物である無機リン酸
による阻害を受けにくく、効率的に反応が進行する新規
アルカリホスファターゼを得ること及び好熱菌を用いて
該酵素を製造する方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研
究を重ね、自然界から分離した好熱性微生物について、
上記アルカリホスファターゼ生産能を有する菌株の検索
を行った。その結果、好熱性バチルス属に属する微生物
バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
 stearothermo hilus)T B−4
43(以下、T B−443菌と称する。)が目的とす
るアルカリホスファターゼを生産することを見出し、か
かる知見に基づいて本発明を完成したのである。
すなわち本発明は、無機リン酸による阻害を受けにくい
アルカリホスファターゼを提供すると共に、好熱性バチ
ルス属に属し、該アルカリホスファターゼ生産能を有す
る微生物を培養し、培養液中に該アルカリホスファター
ゼを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とす
るアルカリホスファターゼの製造法を提供するものであ
る。
本発明に用いるアルカリホスファターゼ生産菌としては
、好熱性バチルス属に属し、上記のアルカリホスファタ
ーゼを生産し得る微生物であればよい。したがって、前
記T B−443菌の他に、その自然的または人為的変
異株ならびにこれら菌株の遺伝子を導入された各種生物
も本発明のアルカリホスファターゼ生産能を有する限り
、本発明に使用することができる。
次に、TB−443菌の菌学的性質を示す。なお、この
菌学的性質の検討には「微生物の分類と同定」(長谷用
武治編著、東京大学出版会)及び「@住物同定法」 (
衛生技術会)に記載されている方法。
培地組成を用いた。
〔形態的所見〕 (55°C,18時間培養)1、細胞
の形及び大きさ:桿状、0.3〜0.5χ1.5〜2.
5utn2、多形性:なし 3、運動性:なし 4、胞子:円筒形の内生胞子を細胞先端に形成し、胞子
のうが膨れる。
5、ダラム染色:陽性 6、抗酸性:なし 7、カプセル:なし 8、真東顆粒:なし 〔生育状態〕 (55°C224時間培養)■、肉汁寒
天平板培養 形状:円形 周縁二波状乃至裂片状 隆起:扁平状 光沢:鈍光 表面二浣状 色調二手透明 2、肉汁寒天斜面培養 生育度:良好 形状:太糸状 3、肉汁液体培養 表面生育;なし 濁度:やや混濁 沈渣:少量 着色、脱色:なし 4、肉汁ゼラチン穿刺培養(ゼラチンは30%添加、5
5°Cで適時培養後、冷却して固化状態を判定)ゼラチ
ンを液化する 5、肉汁寒天穿刺培養 形状二表面生育のみ 表面生育:良好 6、リドマスミルク リドマス退色なく、pHややアルカリ性となる。
ミルクの凝固あり。
〔炭素源の利用性〕
D−キシロース、D−グルコース、フラクトース、D−
マンニトール、デンプンを資化して増殖し、酸を生成す
る。
アラビノース、シュークロース、D−ガラクトース、イ
ノシトールの利用性は微弱またはなし。
以上の本国の菌学的諸性質から、パージエイズ・マニュ
アル・オブ・システマテインク・バクテリオロジー(B
ergey’s manual of systema
tic  bacteriology) (1984)
の分類方法にしたがって検索し、前記TB−443菌は
バチルス・ステアロサーモフィラスと大略一致したが、
運動性がない点で公知菌株と異なっていた。更に、標準
菌株バチルス・ステアロサーモフィラスIAM 110
01,11002.11003゜11004.1204
3(東京大学応用微生物研究所保管株)はいずれも後述
の培養方法でアルカリホスファターゼを生産しなかった
以上の事項から明らかなように、TB−443菌は、公
知の菌株と区別されるため、これを新菌株として設定す
ることが適当であると結論された。
TB−443菌は工業技術院微生物工業技術研究所に微
工研菌寄第10522号(FERM  P−10522
)として寄託されている。
本発明のアルカリホスファターゼ生産能を有する微生物
を栄養培地に培養し、培養物中に該アルカリホスファタ
ーゼを生成せしめ、これを採取することによって目的と
するアルカリホスファターゼが得られる。
本発明に使用する栄養培地としては、炭素源。
窒素源、無機物及び必要に応じ使用菌株の必要とする微
量栄養素を程よく含有するものであれば天然及び合成培
地のいずれでもよい。
炭素源としては通常微生物培養に用いられるグルコース
、デンプン、デキストリン、グリセロール、マルトース
、フラクトース、乳糖、キシロース、マンニトール、シ
ュークロース、イノシトールなどを使用できるが、中で
もグルコース、デンプン、デキストリン、グリセロール
2マルトースを主炭素源に用いることにより本酵素をよ
り効果的に生産することが出来る。窒素源としては綿実
粕、綿実油、大豆加水分解物、大豆油、ペプトン。
酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、コーンステイープ
リカーなどの含窒素天然物やグルタミン酸。
L−アラニンなどのアミノ酸が利用できる。その他必要
に応じて銅、マグネシウム、カルシウム。
ナトリウム、コバルト、カリウムなどの金属の塩やビタ
ミンなどの微量栄養物を適宜含む培地を用いればよい。
培養は36〜62°Cの範囲で行うことができるが、4
5〜55°Cの範囲が好適である。pt+は中性域が望
ましい。
酵素の生成は条件によって変わってくるが、通常は6時
間から24時間であり、アルカリホスファターゼの生成
が確認されたとき、好ましくは生成が最大に達したとき
に培養を停止する。
培養物中からのアルカリホスファターゼの採取は適宜既
知の方法を組合せて実施すればよい。例えば、培養終了
後、菌体内のアルカリホスファタ−ゼを取得する場合は
培養物中から菌体を遠心分離などにより集め、適当な手
段で菌体を破砕してアルカリフォスファターゼを抽出し
、次いでイオン交換、ゲル濾過及び疎水クロマトグラフ
ィーによって精製を行なう。
菌体タトのアルカリホスファターゼを取得する場合は、
先の遠心上清を濃縮し、同様のクロマトグラフィーで精
製を行なう。
アルカリフォスファターゼ活性の測定はHulett&
 Campbellの方法[Biochemistry
、 Lot 1364、(1971)l を改変して行
なった。2 mlのII@MPニトロフェニルホスフェ
ート(以下、p−NPPと略す。)及び1.25mM 
 MgC1zを含む1MTris−HCI緩衝i (p
H9,0>に対して、酵素液0.5−を添加し、37°
Cで反応を開始した。一定時間後、0.5mNの0.7
5M  K2HPO,を加えて反応を停止させ、遊離し
たp−ニトロフェノール(以下、p−NPと略す。)量
を410nmの吸光度の増加により測定した。酵素の活
性は1分間に1μl1oleのp−NPを遊離する活性
を1unitと定義した。
次に、後記実施例で得られた本酵素の理化学的性質を示
す。
(1)作用 本酵素は、リン酸モノエステル結合を加水分解する。
(2)至適pH 0,2Mの各種緩衝液を用い測定したところ、第1図に
示したように本酵素の至適pHは9〜10であった。
(3)至適温度 至適温度は第2図から65〜75°Cと判明した。
(4)安定pH範囲 本酵素標品を第3図に示す種々の緩衝液に溶解し、37
°Cで1時間保持したのち、残存活性を測定した。その
結果、本酵素の安定pl+範囲はpH9〜12の範囲で
あった。
(5)安定温度範囲 酵素液を1mM  Mgcx、を含むLM  Tris
HCffi緩衝液(pH9,0)で各温度に30分間保
持し、氷水中で5分間冷却したのち、残存活性を測定し
た。第4図に示したように50″Cで65%の活性を維
持していた。
(6)基質特異性 各種基質を10mMの濃度で本酵素と反応させ、l m
lの25%トリクロロ酢酸添加により反応を停止させた
後、反応液の一部をとり、Fiske & Subba
rowの変法〔生化学分析法、由岐英剛編、南江堂、p
13゜(1984) ] で無機リン酸の定量を行った
。表1にpNPPに対する活性を100%とした場合の
各種基質に対する相対活性を示した。
表1 NPP 5’−AMP 5’−CMP 5°−GMP 5’−IMP 5′−UMP 3°−AMP Glucose−6P Glycerol−2P 3P  Gl  aerate (7)金属の影響 51IIMのMg”l  Co”、  Zn1″により
3倍以上の活性先進が認められ、Ca ”+  Cu 
”ではほとんど影響はなかった(表2)。
表2 金属   濃度(+wM)    相対活性(%)M 
g R4 Co”。
Z n t 4 Mn” Ca 2 + Cu t + DTA 0、 1 5.0 0.1 5゜ 0 Oll 5.0 0.1 5.0 0.1 5.0 0.1 5、 0 1.0 5.0 73 60 08 15 44 06 33 41 06 14 4 9 1 6 (8)分子量 SDS  PAGE法、ゲル濾過法で分子量を求めたと
ころそれぞれ55,000,112,000であった。
このことから、本酵素は、分子量55.000のサブユ
ニントからなるダイマー構造をとっているものと推察さ
れる。
(9)無機リン酸による阻害 Lineweaver −Burkプロットによりp−
NPPに対するKm値を、またDixonプロットによ
りKzHPO4に対するKi値を求め、市販のE、 c
oli由来酵素及び仔牛小腸由来酵素と比較した。本酵
素は表3に示したように、他の二つの酵素に比較してK
IIl値に大きな差はないが、Ki値が大きく、Ki+
 Kva値が約9〜20倍の大きさでこれら公知の酵素
よりも無機リン酸による阻害を受けにくいという特徴を
有している。
表3 TB−4431,94xlO−’ 3.02xlO−’
    1.56E、coli   3.23xlO−
’ 5.36xlO−’   0.16600)  キ
レート剤による阻害 表2に示したように、本酵素はl mM  E D T
 A存在下で91%、5mM  EDTA存在下では9
6%の活性を保持しており、キレート剤による阻害を受
けにくい特徴を有している。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例 デンプン2.0%、グルコース1.0%、綿実粕1.0
%、L−アラニン0.5%、CaC1z・2H,OO,
05%、NaC1O,03%、Cu5On・5H,00
,13%、GoCI!、z・6HzOO,002%。
K(10,0008%及び水道水からなる培地32を5
2容のジャー・ファーメンタ−に入れ、常法により殺菌
後pHを7.0に調整し、バチルス・ステアロサーモフ
ィラス TB−443(FERMP−10522)菌を
種菌として接種し、50゛C1通気13 N/分、溶存
酸素濃度2.0 ppmの条件で16時間の通気撹拌培
養を行った。
培養終了後、培養液を超音波処理してアルカリホスファ
ターゼ活性を測定したところ3. Q unit/戚で
あった。同様に、遠心分離により菌体を除去した上清液
について酵素活性を測定したところ4、0 unit/
 dであった。
上記の遠心分離した菌体を10mM Tris −HC
I(pH7,2)緩衝液に懸濁し、超音波により菌体を
破砕後、M g (CHs COO) tを1M4度と
なるように添加し、4“Cで一晩撹拌抽出を行った。次
に、遠心分離により不溶物を除去し、10mM Tri
sH(1! (pH7,2)緩衝液に対して透析後、同
緩衝液で平衡化したD E A E  Toyopea
rlカラムへ添加した。活性画分はI C1+M Tr
is −HCj2 (+)117.2)緩衝液とIM 
 Mg (CHzCOO)zを含む同緩衝液によるグラ
ジェント溶出により回収し、濃縮後、0.15M  M
g(CH,Coo)zを含む同緩衝液で平衡化した5u
perose 12のゲル濾過カラムへ添加した。更に
、活性画分を1.7M硫安を含む30mM Tris 
−HCl (pH7,2)緩衝液で平衡化したPhen
yl−5uperoseの疎水クロマトカラムへ添加し
、溶離液中の硫安濃度を直線的に減少させることで溶出
させた。
精製酵素標品の純度決定をSDS電気泳動で行ったとこ
ろ、1本の蛋白バンドのみが認められた。
精製酵素標品の活性収率は12%であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、培養期間の短い好熱菌を用いて、酵素
反応の分解産物である無機リン酸による阻害を受けにく
いアルカリホスファターゼを提供でき、さらに好ましい
態様としてキレート剤による阻害をも受けにくいアルカ
リホスファターゼを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のアルカリホスファターゼの至適pHを
、第2図は該アルカリホスファターゼの作用至適温度を
、第3図は該アルカリホスファターゼの安定pH範囲を
、第4図は該アルカリホスファターゼの安定温度範囲を
それぞれ示すものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)無機リン酸による阻害を受けにくいアルカリホス
    ファターゼ。
  2. (2)アルカリホスファターゼが、無機リン酸による阻
    害を受けにくく、かつキレート剤による阻害を受けにく
    いものである請求項1記載のアルカリホスファターゼ。
  3. (3)好熱性バチルス属に属し、無機リン酸による阻害
    を受けにくいアルカリホスファターゼを生産する能力を
    有する微生物を培養し、培養液中に該アルカリホスファ
    ターゼを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴
    とするアルカリホスファターゼの製造法。
  4. (4)好熱性バチルス属に属し、請求項1または2記載
    のアルカリホスファターゼ生産能を有する微生物がバチ
    ルス・ステアロサーモフィラスTB−443(FERM
    P−10522)である請求項3記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101668217B1 (ko) * 2015-09-17 2016-10-20 김영건 배수와 공배수의 성질을 이용한 보드 게임 도구와 이를 이용한 온라인 게임 방법 및 온라인 게임 시스템
CN112877382A (zh) * 2021-01-18 2021-06-01 江南大学 一种酶法制备磷酸酯淀粉的方法

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