JP2875185B2 - クレーンの油圧ウィンチの制御方法および同装置 - Google Patents

クレーンの油圧ウィンチの制御方法および同装置

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JP2875185B2
JP2875185B2 JP12235295A JP12235295A JP2875185B2 JP 2875185 B2 JP2875185 B2 JP 2875185B2 JP 12235295 A JP12235295 A JP 12235295A JP 12235295 A JP12235295 A JP 12235295A JP 2875185 B2 JP2875185 B2 JP 2875185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は押しのけ容量を小容量と
大容量との間で切換えて高速状態と低速状態とに切換え
る二速度形油圧モータを駆動源とする油圧ウィンチの制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二速度形油圧モータを用いた油圧
ウィンチの制御装置として、特公平3−7599号公報
に示されているように、モータの負荷圧力を容量切換弁
および高低速選択弁を介してモータのレギュレータに導
入し、負荷圧力が、モータの破損を防止するための許容
限界値として予め定められた許容圧力以下となる場合に
はモータの小容量・高速運転を可能とし、負荷圧力がモ
ータ許容圧力を超える場合にはモータを自動的に大容量
・低速に切換えてモータを保護するようにしたものが公
知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の技術によると、モータ負荷圧力が許容圧力以下の状
態であっても、クレーンに標準装備されたモーメントリ
ミッタ(過負荷防止装置)による自動停止作用、または
オペレータによる手動急停止操作によって巻上または巻
下動作が急停止した場合に、その衝撃荷重によってクレ
ーンの転倒やブームの折損等の危険事態が発生するおそ
れがあり、クレーンにとって最も重要な安全性に問題が
あった。
【0004】そこで本発明は、モータの高低速切換を、
クレーンの転倒やブームの折損防止といったクレーンの
安全性確保の観点から行わせることができる油圧ウィン
チの制御方法および同装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明(油圧ウ
ィンチの制御方法)は、押しのけ容量が小容量と大容量
とに切換えられて回転速度が高速と低速とに切換えられ
る二速度形油圧モータを駆動源として備えたクレーンの
油圧ウィンチにおいて、実際に作用する荷重Wrに基づ
いて、急停止によるクレーンの転倒やブームの折損とい
った危険事態が発生する可能性がある場合には、上記モ
ータを低速回転させるものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の方法におい
て、実際の吊り荷重とこの吊り荷重をそのときの巻上ま
たは巻下速度で急停止させたときの衝撃荷重との和であ
る実作用荷重Wrが、安全荷重の許容限界値としての許
容荷重Woよりも小さいとき以外は上記モータを低速回
転させるものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項2の方法におい
て、許容荷重Woとして、ブーム長さ等の作業姿勢で決
まる定格総荷重を用いるものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項2の方法におい
て、許容荷重Woとして、作業姿勢に関係のない固定値
を用いるものである。
【0009】請求項5の発明は、請求項2乃至4のいず
れかの方法において、急停止時に実際に作用する実作用
圧力Prと、モータの破損を防止しうる限界圧力として
予め定められた許容圧力Poとを比較し、 Wo>Wrで、かつ、Po>Pr のとき以外はモータを低速回転させるものである。
【0010】請求項6の発明(油圧ウィンチの制御装
置)は、押しのけ容量が小容量と大容量とに切換えられ
て回転速度が高速と低速とに切換えられるウィンチ駆動
モータとしての二速度形油圧モータと、この油圧モータ
を上記高速状態と低速状態との間で切換える高低速切換
手段と、この高低速切換手段に対してモータを低速状態
とする低速指令信号またはこの逆の高速指令信号を出力
する制御手段と、実際の吊り荷重Wtを演算するための
荷重情報を検出する荷重情報検出手段とを具備し、上記
制御手段は、上記荷重情報検出手段によって検出された
実際に作用する荷重Wrに基づいて、急停止によるクレ
ーンの転倒やブームの折損といった危険事態が発生する
可能性がある場合には、上記高低速切換手段に低速指令
信号を出力するように構成されたものである。
【0011】請求項7の発明は、請求項6の構成におい
て、制御手段が、 (A) 荷重情報検出手段からの荷重情報に基づいて実
際の吊り荷重Wtを演算する吊り荷重演算部と、 (B) この演算される吊り荷重Wtと、この吊り荷重
Wtをそのときの巻上または巻下速度で急停止させたと
きの衝撃荷重との和である実作用荷重Wrを演算する実
作用荷重演算部と、 (C) この実作用荷重Wrと、安全荷重の許容限界値
としての許容荷重Woとを比較する荷重比較部と、 (D) この荷重比較部での比較結果に基づき、 Wo>Wr のとき以外は高低速切換手段に対して低速指令信号を出
力する出力部とを有するものである。
【0012】請求項8の発明は、請求項7の構成におい
て、制御手段の荷重比較部は、許容荷重Woとして、ブ
ーム長さ等の作業姿勢で決まる定格総荷重を用いるよう
に構成されたものである。
【0013】請求項9の発明は、請求項7の構成におい
て、制御手段の荷重比較部は、許容荷重Woとして、作
業姿勢に関係のない固定値を用いるように構成されたも
のである。
【0014】請求項10の発明は、請求項7乃至9のい
ずれかの構成において、制御手段が、 (イ)実際の吊り荷重をそのときの巻上または巻下速度
で急停止させたときに油圧モータに作用する負荷圧力で
ある実作用圧力Prを演算する実作用圧力演算部と、 (ロ)この実作用圧力Prと、モータ負荷圧力の許容限
界値として予め定められた許容圧力Poとを比較する圧
力比較部を備え、制御手段の出力部が、 Wo>Wr で、かつ、 Po>Pr のとき以外は高低速切換手段に対して低速指令信号を出
力するように構成されたものである。
【0015】請求項11の発明は、請求項7乃至10の
いずれかの構成において、制御手段が、油圧モータの運
転状態を検出する運転状態検出手段を備え、制御手段の
出力部が、モータの停止状態でのみ高低速切換手段に対
して高速指令信号を出力し、運転状態では低速指令信号
のみを出力するように構成されたものである。
【0016】
【作用】上記方法および装置によると、クレーンの転倒
やブームの折損等の危険事態の発生につながる吊り荷重
の急停止時の実作用荷重(吊り荷重と衝撃荷重の和)W
rが許容荷重Woを超えないという条件を満足するとき
のみに高速運転が可能となる。
【0017】すなわち、モータの高低速切換をクレーン
の安全性確保の観点で行わせることができる。
【0018】また、高速切換の条件として、モータの破
損につながる実作用圧力(急停止時のモータの負荷圧
力)Prが許容圧力Poを超えないことという条件を付
加することにより、モータの破損をも防止することがで
きる。
【0019】しかも、制御手段によって実作用荷重Wr
および実作用圧力Prを演算で求め、これらを許容荷重
Wo、許容圧力Prと比較して上記条件を満足するか否
かを判断し、高低速切換手段に対する指令を出力するこ
とにより、すなわち、高低速切換を電気信号によって行
わせることにより、高低速切換手段の構成が簡単です
む。
【0020】また、低速から高速への切換えがモータ停
止状態でのみ行われる(運転状態では高速から低速への
切換えのみ可能となり、あるいは低速状態が保持され
る)ようにすることにより、巻上・巻下時の加速度成分
によるみかけ上の荷重変化によって高速/低速の切換え
が繰り返し行われるハンチングの発生を防止することが
できる。
【0021】たとえば、 (イ)高速での急巻上げ操作時に、加速度成分によりみ
かけ上の吊り荷重が増加して実作用荷重が許容荷重を超
え、さらに定速運転に入って実作用荷重が許容荷重より
小さくなると、高速→低速→高速の繰り返し切換えが行
われる。
【0022】(ロ)吊荷の宙吊り状態から、吊荷の自由
落下速度以上の速度でウィンチが巻下げられるような急
巻下げ操作が行われた場合、一旦、みかけ上の吊り荷重
が小さくなった後、巻下速度と自由落下速度とが等しく
なった時点で逆にみかけ上の吊り荷重が急激に増加し、
次に定速巻下に入って本来の吊り荷重が作用する。この
荷重変化により、高速→低速→高速の繰り返し切換えが
行われる可能性がある。
【0023】これに対し、低速→高速の切換えがモータ
停止時のみに行われ、モータ運転時には高速→低速のみ
が可能となり、あるいは低速状態に保持されるようにす
ることにより、上記(イ)(ロ)の場合でも、高速/低
速の繰り返し切換えが回避されてハンチングが防止され
る。
【0024】
【実施例】図1において、1は図示しないウィンチドラ
ムを駆動する二速度形油圧モータ(以下、単にモータと
いう)、2はこのモータ1に対する油圧源で、このモー
タ1と油圧源2との間に油圧パイロット式三位置切換弁
であるコントロールバルブ3が設けられ、このコントロ
ールバルブ3が操作弁(以下、通称に従ってリモコン弁
という)4により遠隔操作されて巻上、中立、巻下の各
位置a,b,c間で切換わり作動し、これによりモータ
1が巻上回転、停止、巻下回転の間で制御される。
【0025】5はリモコン弁4の操作レバー、イはこの
レバー5の巻上位置、ロは同中立位置、ハは同巻下位置
である。
【0026】また、6はカウンタバランス弁、7はリリ
ーフ弁である。
【0027】モータ1は、レギュレータ(容量切換シリ
ンダ)8の作動により押しのけ容量が小容量と大容量と
の間で変化して高速と低速とに切換えられる。
【0028】このレギュレータ8は電磁式の高低速切換
弁9を介して補助油圧源10に接続され、この高低速切
換弁9が、制御手段としてのモーメントリミッタ(過負
荷防止装置、以下、MLと略記する)11により高速位
置aと低速位置bとの間で切換制御される。
【0029】ML11には、ブーム長さセンサ12によ
って検出されるブーム長さLb、ブーム起伏角センサ1
3によって検出されるブーム起伏角φ、シリンダ圧力セ
ンサ14によって検出されるブーム起伏シリンダの圧力
(ロッド側、ヘッド側両圧力によって求められ、ブーム
長さ、ブーム起伏角、吊り荷重によって決まる)Pcの
各荷重情報、および旋回角度センサ15によって検出さ
れる旋回角度θ、アウトリガセンサ16…によって検出
される各アウトリガ張出し量d1,d2,d3,d4の
各作業姿勢情報が入力される。
【0030】また、リモコン弁4とコントロールバルブ
3のパイロット室とを結ぶパイロットラインにリモコン
圧センサ17,18が設けられ、同センサ17,18に
よって検出される巻上側および巻下側リモコン圧Pu,
PdもML11に入力される。
【0031】このML11は、図2に示すように定格総
荷重演算部19と、吊り荷重演算部20と、実作用荷重
演算部21と、実作用圧力演算部22と、荷重比較部2
3と、圧力比較部24と、出力部25とから成り、これ
ら各部は次の作用を行う。
【0032】定格総荷重演算部19 ブーム長さLbと、ブーム起伏角φと、旋回角度θと、
アウトリガ張出し量d1〜d4の各情報に基づいて定格
総荷重(クレーンの転倒やブームの折損といった危険事
態の発生を防止して安全性を確保するための許容限界荷
重)Woを演算する。
【0033】吊り荷重演算部20 ブーム長さLbと、ブーム起伏角φと、シリンダ圧力P
cに基づいて実際の吊り荷重Wtを演算する。
【0034】実作用荷重演算部21 吊り荷重演算部20で求められた吊り荷重Wtを巻上ま
たは巻下時に急停止させたときに作用する荷重として、
吊り荷重Wtと、この吊り荷重Wtをそのときの巻上ま
たは巻下速度(リモコン圧センサ17,18によって検
出されるリモコン圧Pu,Pdを用いて求められる)で
急停止させたときの衝撃荷重との和である実作用荷重W
rを演算する。
【0035】実作用圧力演算部22 吊り荷重演算部20で求められた吊り荷重Wtと、リモ
コン圧Pu,Pdによって求められるそのときの巻上ま
たは巻下速度とに基づき、(吊り荷重Wtによってモー
タ1に作用する負荷圧力)+(この吊り荷重Wtをその
ときの速度で急停止させたときにモータ1に作用するサ
ージ圧力)によって急停止時に実際に作用する実作用圧
力Prを演算する。
【0036】荷重比較部23 定格総荷重演算部19で演算された定格総荷重Woと、
実作用荷重演算部21で演算された実作用荷重Wrとを
比較する。
【0037】圧力比較部24 実作用圧力演算部22で求められた実作用圧力Prと、
モータ1の破損を防止しうる限界圧力として予め定めら
れた許容圧力Poとを比較する。
【0038】出力部25 両比較部23,24での比較結果と、リモコン圧Pu,
Pdに基づき、 Wo>Wr で、かつ、 Po>Pr 巻上または巻下でない(リモコン弁4が中立でモー
タ停止状態にある)という条件を満足するときにのみ、
高低速切換弁9に高速指令信号信号(電流)iを出力す
る。
【0039】これらの作用を図3のフローチャートを併
用してさらに詳述する。
【0040】ML11の電源スイッチ(図示しない)の
オンによって制御がスタートすると、まず高低速切換弁
9がオフとされる(ステップS1)。
【0041】この状態では、同切換弁9が低速位置bに
セットされるため、モータ1は低速状態となる。
【0042】次に、各センサによって検出される各情報
が読み込まれる(ステップS2)とともに、リモコン圧
Pu,Pdからリモコン弁4のレバー5が操作されてい
るか否か、すなわちモータ1が巻上側または巻下側に回
転しているか否かが判断される(ステップS3)。
【0043】ここでYES(モータ1が巻上または巻下
回転している)の場合はステップS2に戻り、NO(モ
ータ1が停止している)の場合にのみステップS4に移
って荷重と圧力の演算・比較が行われ、 Wo>Wrで、かつPo>Pr か否かが判別される。
【0044】この時点では、モータ1は停止しているた
め、衝撃荷重およびモータサージ圧力はいずれも0とな
って吊り荷重Wt=実作用荷重Wr、実作用圧力Pr=
吊り荷重Wtによってモータ1に作用する負荷圧力とな
る。
【0045】ここで、上記条件が満足されたとき(YE
Sの場合。NOの場合はステップS2に戻る)のみに高
低速切換弁9に高速指令信号iが出力されて同弁9が高
速位置aに切換わる。
【0046】これにより、補助油圧源10からレギュレ
ータ8に圧油が導かれ、モータ1が低速状態(大容量)
から高速状態(小容量)に切換えられる。
【0047】そして、この後、ステップS6で再びステ
ップS4と同じ演算・比較作用が行われる。
【0048】従って、ステップS5でモータ1が高速状
態に切換わった後、リモコン弁4が操作されて巻上また
は巻下運転が開始されると、このステップS6で、吊り
荷重Wtと速度とによって衝撃荷重が演算されて吊り荷
重Wtに足され、吊り荷重Wtより大きい実作用荷重W
rが定格総荷重Woと比較される。
【0049】ここで、YESの間は、高速状態に保持さ
れたまま、この演算・比較作用が繰り返される。
【0050】一方、NOの場合、すなわち前記条件が崩
れたときに、ステップS1に戻り高低速切換弁9がオフ
に切換えられてモータ1が低速状態に切換えられる。
【0051】これにより、巻上または巻下の急停止によ
るクレーンの転倒やブームの折損といった危険事態の発
生、およびモータ1の破損が防止される。
【0052】このように、実作用圧力Prが許容圧力P
oを超えるか、または急停止による衝撃荷重を加味した
実作用荷重Wrが定格総荷重Woを超える場合には、モ
ータ速度が低速に切換えられ、または低速に保持される
ため、 (I)モータ1の破損を防止し、 (II)急停止によるクレーンの転倒やブームの折損とい
った危険事態の発生を防止し、クレーンの安全性を確保
することができる。
【0053】また、低速から高速への切換えがモータ停
止状態でのみ行われ、巻上・巻下中は、このモータ停止
状態で選択された速度に保持されるため、高速での急巻
上げ操作や、吊荷の宙吊り状態からの急巻下げ操作によ
ってみかけ上の吊り荷重が変化しても、高速/低速の繰
り返し切換が回避されてハンチングの発生を防止するこ
とができる。
【0054】他の実施例 (1)上記実施例では、高速への切換条件として、 定格総荷重Wo>実作用荷重Wr 許容圧力Po>実作用圧力Pr の2つの条件を設定したが、本発明の最大の目的である
クレーンの安全性確保の点のみからは上記の条件のみ
を高速への切換条件としてもよい。
【0055】(2)モータの破損を防止するための切換
作用を得る他の手段として、特公平3−7599号公報
に示されているようにモータの負荷圧を検出してレギュ
レータに導入する構成をとってもよい。
【0056】(3)上記実施例では実作用荷重と比較さ
れる許容荷重として、ブーム長さ、ブーム起伏角等の作
業姿勢によって決まる定格総荷重を用いたが、このよう
な作業姿勢に関係のない固定値を許容荷重として設定し
てもよい。
【0057】(4)上記実施例では、衝撃荷重を求める
ための巻上または巻下速度をリモコン圧Pu,Pdによ
って求めるようにしたが、この巻上、巻下速度をモータ
1の回転速度等を検出する速度センサによって求めるよ
うにしてもよい。あるいは、コントロールバルブとして
手動式の切換弁を用いる場合には操作レバーのストロー
クを検出してもよい。
【0058】また、吊り荷重Wtについても、巻上ロー
プの張力を検出するセンサによって求めるようにしても
よい。
【0059】
【発明の効果】上記のように本発明によるときは、実際
の吊り荷重Wtと急停止時の衝撃荷重との和である実作
用荷重Wrを許容荷重Woと比較し、Wo>Wrの条件
を満足するときにのみ高速運転が可能となるようにした
から、クレーンの転倒やブームの折損といった危険事態
の発生を防止し、クレーンの安全を性確保することがで
きる。
【0060】また、高速切換の条件として、モータの破
損につながる実作用圧力(急停止時のモータの負荷圧
力)Prが許容圧力Poを超えないことという条件を付
加することにより、モータの破損をも防止することがで
きる。
【0061】しかも、制御手段によって実作用荷重Wr
および実作用圧力Prを演算で求め、これらを許容荷重
Wo、許容圧力Prと比較して上記条件を満足するか否
かを判断し、高低速切換手段に指令信号を出力するよう
にすることにより、すなわち、高低速切換を電気信号に
よって行わせることにより、高低速切換手段の構成が簡
単ですむ。
【0062】また、低速から高速への切換えがモータ停
止状態でのみ行われ、運転中は、このモータ停止状態で
選択された速度に保持されるようにすることにより、高
速での急巻上げ操作や、吊荷の宙吊り状態からの急巻下
げ操作によるみかけ上の吊り荷重の変化しても、高速/
低速の繰り返し切換を回避してハンチングの発生を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる制御装置全体のブロッ
ク構成図である。
【図2】同装置におけるモーメントリミッタの内部ブロ
ック構成図である。
【図3】モーメントリミッタの作用を説明するためのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 二速度形油圧モータ 2 高低速切換手段を構成するレギュレータ 9 同高低速切換弁 11 制御手段としてのモーメントリミッタ 19 モーメントリミッタ内の定格総荷重演算部 20 吊り荷重演算部 21 実作用荷重演算部 22 実作用圧力演算部 23 荷重比較部 24 圧力比較部 25 出力部 12 荷重情報検出手段としてのブーム長さセンサ 13 同ブーム起伏角度センサ 14 同シリンダ圧力センサ 17,18 モータ速度および運転状態を検出するため
のリモコン圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−130292(JP,U) 実開 昭53−40969(JP,U) 実開 昭49−83756(JP,U) 実開 昭59−74994(JP,U) 特公 平3−7599(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66D 1/44

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押しのけ容量が小容量と大容量とに切換
    えられて回転速度が高速と低速とに切換えられる二速度
    形油圧モータを駆動源として備えたクレーンの油圧ウィ
    ンチにおいて、実際に作用する荷重Wrに基づいて、急
    停止によるクレーンの転倒やブームの折損といった危険
    事態が発生する可能性がある場合には、上記モータを低
    速回転させることを特徴とするクレーンの油圧ウィンチ
    の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクレーンの油圧ウィンチ
    の制御方法において、実際の吊り荷重とこの吊り荷重を
    そのときの巻上または巻下速度で急停止させたときの衝
    撃荷重との和である実作用荷重Wrが、安全荷重の許容
    限界値としての許容荷重Woよりも小さいとき以外は上
    記モータを低速回転させることを特徴とするクレーンの
    油圧ウィンチの制御方法。
  3. 【請求項3】 許容荷重Woとして、ブーム長さ等の作
    業姿勢で決まる定格総荷重を用いることを特徴とする請
    求項2記載のクレーンの油圧ウィンチの制御方法。
  4. 【請求項4】 許容荷重Woとして、作業姿勢に関係の
    ない固定値を用いることを特徴とする請求項2記載のク
    レーンの油圧ウィンチの制御方法。
  5. 【請求項5】 急停止時に実際に作用する実作用圧力P
    rと、モータの破損を防止しうる限界圧力として予め定
    められた許容圧力Poとを比較し、 Wo>Wrで、かつ、Po>Pr のとき以外はモータを低速回転させることを特徴とする
    請求項2乃至4のいずれかに記載のクレーンの油圧ウィ
    ンチの制御方法。
  6. 【請求項6】 押しのけ容量が小容量と大容量とに切換
    えられて回転速度が高速と低速とに切換えられるウィン
    チ駆動モータとしての二速度形油圧モータと、この油圧
    モータを上記高速状態と低速状態との間で切換える高低
    速切換手段と、この高低速切換手段に対してモータを低
    速状態とする低速指令信号またはこの逆の高速指令信号
    を出力する制御手段と、実際の吊り荷重Wtを演算する
    ための 荷重情報を検出する荷重情報検出手段とを具備
    し、上記制御手段は、上記荷重情報検出手段によって検
    出された実際に作用する荷重Wrに基づいて、急停止に
    よるクレーンの転倒やブームの折損といった危険事態が
    発生する可能性がある場合には、上記高低速切換手段に
    低速指令信号を出力するように構成されたことを特徴と
    するクレーンの油圧ウィンチの制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のクレーンの油圧ウィンチ
    の制御装置において、制御手段が、 (A) 荷重情報検出手段からの荷重情報に基づいて実
    際の吊り荷重Wtを演算する吊り荷重演算部と、 (B) この演算される吊り荷重Wtと、この吊り荷重
    Wtをそのときの巻上または巻下速度で急停止させたと
    きの衝撃荷重との和である実作用荷重Wrを演算する実
    作用荷重演算部と、 (C) この実作用荷重Wrと、安全荷重の許容限界値
    としての許容荷重Woとを比較する荷重比較部と、 (D) この荷重比較部での比較結果に基づき、 Wo>Wr のとき以外は高低速切換手段に対して低速指令信号を出
    力する出力部とを有することを特徴とするクレーンの油
    圧ウィンチの制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のクレーンの油圧ウィンチ
    の制御装置において、制御手段の荷重比較部は、許容荷
    重Woとして、ブーム長さ等の作業姿勢で決まる定格総
    荷重を用いるように構成されたことを特徴とするクレー
    ンの油圧ウィンチの制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のクレーンの油圧ウィンチ
    の制御装置において、制御手段の荷重比較部は、許容荷
    重Woとして、作業姿勢に関係のない固定値を用いるよ
    うに構成されたことを特徴とするクレーンの油圧ウィン
    チの制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかに記載の油
    圧ウィンチの制御装置において、制御手段が、 (イ)実際の吊り荷重をそのときの巻上または巻下速度
    で急停止させたときに 油圧モータに作用する負荷圧力で
    ある実作用圧力Prを演算する実作用圧力演算部と、 (ロ)この実作用圧力Prと、モータ負荷圧力の許容限
    界値として予め定められた許容圧力Poとを比較する圧
    力比較部を備え、制御手段の出力部が、 Wo>Wr で、かつ、 Po>Pr のとき以外は高低速切換手段に対して低速指令信号を出
    力するように構成されたことを特徴とするクレーンの油
    圧ウィンチの制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれかに記載の
    油圧ウィンチの制御装置において、制御手段が、油圧モ
    ータの運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、制
    御手段の出力部が、モータの停止状態でのみ高低速切換
    手段に対して高速指令信号を出力し、運転状態では低速
    指令信号のみを出力するように構成されたことを特徴と
    するクレーンの油圧ウィンチの制御装置。
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