JP2874373B2 - ポリエステル系複合繊維 - Google Patents
ポリエステル系複合繊維Info
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Description
より詳しくは鞘成分に特定のポリブチレンテレフタレー
ト系ポリマを用いたポリエステル複合繊維に関するもの
である。
能から衣料用素材,建寝装素材,資材用素材,産業用素
材など、化合繊の中では最も広く使用されている素材で
ある。今日の新合繊ブームにおいても殆どポリエステル
を中心とした新素材が注目され、それもソフトさや膨ら
み感など感性に訴えた商品が中心となっている。特にそ
の短繊維分野においては商品のソフトさが重要なアイテ
ムであり、紡績技術や布帛化技術さらには染色仕上げ技
術等によるソフト化の検討が行われ、薄物の衣料やその
芯地などでは素材そのものをソフト化することが求めら
れている。その意味でナイロン6やナイロン66からな
る繊維製品は素材自体が柔らかい優れた面があるが、ハ
ンドリング性も含め素材としての特性バランスがポリエ
ステル繊維製品に劣るという問題がある。
関しては、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレン
テレフタレートをサイドバイサイド型に接合させた複合
繊維が示されている(たとえば特開昭51−10732
2号公報)。
たポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタ
レート系のサイドバイサイド型複合繊維は、確かにソフ
トな風合いを有するものであるが、そのような複合繊維
を短繊維状で用いるとき、その繊維は捲縮付与の段階で
クリンパーでかけた機械捲縮を熱固定するための熱セッ
トを行うが、その際スパイラル捲縮が発現し易く、この
ため紡績時のカード通過性が著しく低下するという問題
があった。
解消し、紡績時のカード通過性など高次加工性が優れ、
かつソフトな風合いの繊維製品となし得るポリエステル
系複合繊維を提供することにある。
成分が溶液ヘイズ4%以上のポリブチレンテレフタレー
ト系ポリマで、芯成分がポリエチレンテレフタレート系
ポリマであり、かつ実質的に同心芯鞘状のポリエステル
系複合繊維によって解決することができる。
合繊維(以下、単に本発明繊維という)は、鞘成分にポ
リブチレンテレフタレート系ポリマを用い、芯成分にポ
リエチレンテレフタレート系ポリマを用いた、実質的に
同心芯鞘状の繊維である。この際、芯成分と鞘成分との
比率は、好ましくは20/80〜80/20の範囲であ
る。芯/鞘成分比がこの範囲内にあるとき、機械捲縮を
かける場合に捲縮がかかり易く、また捲縮度が適度に増
大してカード通過性が一層向上するようになる。
レフタレート系ポリマとポリエチレンテレフタレート系
ポリマとの同心芯鞘構造であるため、芯部のポリエチレ
ンテレフタレート系ポリマに基因する捲縮付与性および
布帛としての形態保持性を保ちつつ、鞘部のポリブチレ
ンテレフタレート系ポリマのソフト性が利用できる。ま
たこのような同心芯鞘構造は、バイメタルあるいは偏心
芯鞘構造の複合繊維や仮より加工を施した繊維のよう
に、熱的あるいは機械的刺激によりスパイラル状の捲縮
を発現することがなく、高次加工性、具体的にはカード
通過性など紡績性が良好となる。
パイラル捲縮を発現させることを目的とせず、芯鞘複合
繊維化したものである。このため実質的にスパイラル捲
縮を発現する能力をもたず、したがって、本発明繊維に
好適な紡績性を保たせるために、適度の機械捲縮を与え
ることが望ましい。このための機械捲縮は押し込み捲
縮,ギア捲縮など座屈状の捲縮が好ましく、捲縮数は8
〜16山/25mm,捲縮度は8〜20%の範囲が適当で
ある。なお、本発明繊維にはたとえば紡糸技術上の問題
で偏芯化したり、単成分化した繊維の若干量を含むこと
が許される。
テレフタレート系ポリマ成分の溶液ヘイズが4%以上、
好ましくは8〜20%の範囲のものを用いる。該ポリマ
の溶液ヘイズを4%以上に保つことによって、製糸段階
の延伸されたトウに機械捲縮がかかり易く、また捲縮度
も適度に上昇して、カード通過性が向上するようにな
る。かかる作用は繊維表面が粗滑となり摩擦係数が適度
に低く保てるためと考えられる。
る。まず、上記したポリブチレンテレフタレート系ポリ
マおよびポリエチレンテレフタレート系ポリマは、いず
れも公知の直重法,DMT法などで製造できる。
マの溶液ヘイズを高める方法には、ポリマ重合時に用い
る触媒、たとえば有機すず系触媒や有機チタン系触媒な
どを重合途中で失活させ、それらをポリマ内に微粒子状
に含有させる、あるいはポリマ内に二酸化チタンやシリ
カなどの外部粒子を含有させるなどの方法がある。
るために10モル%以下の共重合変性を行ってもよく、
たとえばアジピン酸,イソフタル酸,5-ソジウムスルフ
ォイソフタル酸などの酸性分,エチレングリコール,ジ
エチレングリコール,プロピレングリコール,ビスフェ
ノールAなどのジオール成分などが共重合できる。また
ポリマ改質のため10重量%以下の他ポリマをブレンド
していてもよい。さらに実用的な繊維としての特性を改
善するために、必要に応じて種々の添加剤、すなわち耐
熱剤,耐候剤,難燃剤,酸化防止剤,顔料,充填剤,帯
電防止剤などが添加できるのは勿論である。
金を用いて複合紡糸するが、その他、延伸設備は従来ス
テープルの生産に用いている浴液内での延伸,スチーム
中での延伸などを用いることができる。もちろんヒータ
上での乾熱延伸,冷延伸などを用いてもよい。機械捲縮
の付与に関しても前述したように通常のクリンパーを用
いることができ、また熱セット,カットなどに関しても
公知の技術を用いることができる。なお、繊維のカット
長などは、カード通過性や得られる繊維製品側からの要
求に応じて適宜決定されるものであるが、一般には20
〜100mmである。
に説明する。なお、本例中で用いた測定法は以下の通り
である。 繊度:JIS L−1015−7−5−1A法またはB
法による。 捲縮数,捲縮度:JIS L1015−7−12−1お
よび2の方法に準じた。ただし、初荷重は0.5mg/d
とした。 乾熱収縮率:JIS L−1015−7−15−(2)
による。ただし、乾燥機で処理する温度は170℃とす
る。 溶液ヘイズ:Sphere Method H.T.R.Meter (Type S
EP-H-2 ) 日本精密光学(株)の測定器を用いて次の
条件で測定した。 溶液:フェノール/四塩化エタン(重量比6/4)混合
溶液 濃度:チップ5.4gr/混合溶液 40ml 溶解:100℃×2時間 測定:常温 セル:30mmセル 溶液ヘイズ( %) =( Td /Tt −Td0/Tt0) ×10
0 Tt :溶液の全透過光 Tt0:溶媒の全透過光 Td :溶液の散乱透過光 Td0:溶媒の散乱透過光 糸−金属間摩擦係数:レーダ法摩擦係数測定器 前田精
機(株)を用いて次の条件で測定した。 測定トウ繊度:600デニール 回転速度 :3m/min 接触角 :2π 初荷重 :1/30g/d 摩擦係数=(logT2 −logT1 )×0.73 T2 :摩擦力(g) T1 :表示デニール数当り1/30gの初荷重(g) 捲縮付与性:トウにクリンパーで捲縮を付与する際、捲
縮のかかり易さ,付与された捲縮形態の品位を良好なも
のから順に優,良,やや不良,不良で評価した。 カード通過性:通常のローラカードを用い、通過性,ウ
エブの品位をよい順から優,良,不良で評価した。 ソフト性:5人のパネラーによる官能検査によって不織
布の評価を行い、ソフトな順から優,良,不良で評価し
た。
ル1,4(BG)61.5重量部、テトラノルマルブチ
ルチタネート0.075重量部、およびモノブチルスズ
オキサイド0.03重量部を、精留塔のついた反応器に
仕込み、生成する水を留去しつつエステル化反応を行っ
た(TPA/BGモル比1/1.5)。この反応生成物
にテトラノルマルブチルチタネート0.03重量部を添
加し、250℃、減圧(1mmHg以下)で重合を行う
と、150分で溶液ヘイズ10%のポリブチレンテレフ
タレートポリマ(PBT)を得た。
マルブチルチタネートを0.04重量部に変更した外
は、全く同様にして溶液ヘイズ6%のPBTを得た。
ル比1/2.0)に変更し、モノブチルスズオキサイド
を用いない外は、ほぼ同様にして溶液ヘイズ1%のPB
Tを得た。
エチレンテレフタレート(PET)を芯成分としして、
複合比1:1,紡糸速度1300m/分で芯鞘複合繊維
の未延伸糸を得た。この未延伸糸を90℃の温水中で
2.8倍に延伸し、クリンパーで捲縮を付与し、120
℃で弛緩熱処理を行った後、油剤を付与しカットした。
このとき延伸性,捲縮付与性は良好であった(優)。
数12山/25mm,捲縮度13%,乾熱収縮率は6%で
あった。またこの原綿の仕上げ油剤を付与する前の繊維
の糸−金属摩擦係数を測定したところ0.15であっ
た。
くカードを通過した(優)。またこの原綿の紡績糸を織
物にしてそのソフトさを評価したところ、非常にソフト
であった(優)。これらの結果を表1にまとめた。
例1と同様の条件で加工した。捲縮付与時きれいな捲縮
がかかりにくく、またクリンパーボックスからのトウ排
出性もあまりよくなかった(やや不良)。この原綿の仕
上げ油剤を付与する前の繊維の糸−金属摩擦係数を測定
したところ0.25あった。実施例1との関係からPB
Tのポリマ溶液ヘイズが延伸性,捲縮付与性に影響して
いると考えられる。この原綿を用いてカード通過性を評
価したところウエブにネップが生じた(不良)。これら
の結果を表1にまとめた。
維を製造した。結果を表1に示す。
イド型複合繊維であって120℃での熱処理時にスパイ
ラル捲縮が発現し、カーディングの際ネップが多発し
た。実施例4はPETとして5−ソジウムスルフォイソ
フタル酸を5モル%共重合したPETを用いたもので、
カチオン染料で染色した場合、実施例1に比較し染色性
が良好となった。
を、また比較例4はPETのみのポリマを用いて紡糸を
行い未延伸糸を得た。PBT未延伸糸を延伸したところ
捲縮の付与性が非常に悪かった(不良)。さらにカード
通過性も劣っていた(不良)。比較例4はソフト性で劣
っていた(不良)。これらの結果を表1にまとめた。
における工程通過性が良好で、カード通過性など高次加
工性が著しく優れたものである。また、本発明繊維はポ
リブチレンテレフタレートを鞘成分として用いるため染
色性が良好である。したがって、本発明繊維はソフトな
風合いの織編物や、ポイントシール方式など熱接着型の
不織布として用いることができ、ひいては特に付加価値
の高い薄地タイプの衣料用芯地分野への大きな展開が可
能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】鞘成分が溶液ヘイズ4%以上のポリブチレ
ンテレフタレート系ポリマで、芯成分がポリエチレンテ
レフタレート系ポリマであり、かつ実質的に同心芯鞘状
であることを特徴とするポリエステル系複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7531791A JP2874373B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | ポリエステル系複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7531791A JP2874373B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | ポリエステル系複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04308223A JPH04308223A (ja) | 1992-10-30 |
JP2874373B2 true JP2874373B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=13572763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7531791A Expired - Lifetime JP2874373B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | ポリエステル系複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2874373B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4498001B2 (ja) * | 2003-05-07 | 2010-07-07 | ユニチカ株式会社 | ポリエステル複合繊維 |
JP2008013875A (ja) * | 2006-07-05 | 2008-01-24 | Unitica Fibers Ltd | 紡績糸 |
-
1991
- 1991-04-08 JP JP7531791A patent/JP2874373B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04308223A (ja) | 1992-10-30 |
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