JP2874068B2 - アンカー造成に於ける硬化材の加圧養生方法とその装置 - Google Patents

アンカー造成に於ける硬化材の加圧養生方法とその装置

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JP2874068B2
JP2874068B2 JP17402491A JP17402491A JP2874068B2 JP 2874068 B2 JP2874068 B2 JP 2874068B2 JP 17402491 A JP17402491 A JP 17402491A JP 17402491 A JP17402491 A JP 17402491A JP 2874068 B2 JP2874068 B2 JP 2874068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンカー造成に於ける
硬化材の加圧養生方法とその実施に使用する加圧養生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】建物が地震によって転倒したり、水圧に
よって浮き上がったりするのを防止するため、従来で
は、図9に示すように建物基礎の下層にアンカー1を造
成し、これによって建物3の基礎を地盤5に固定して建
物全体の安定を図っている。
【0003】而して、アンカーの施工は、一般に建物の
地下部を構築するための掘削(根切り)が終了した後、
根切り床から行われるが、地下部の掘削は、鋼矢板等を
用いて掘削域を取り囲むように壁体を形成し、この掘削
域に井戸を設けて地下水を揚水し乍ら掘削域の水位を強
制的に下げるといった地下水位低下工法で地下水位を根
切り床以下に下げて行われている。
【0004】そして、地下部の掘削を終えると、根切り
床に捨てコンクリート(以下「捨てコン」という)を打
ち、削孔機で地盤にアンカー孔を削孔した後、PC鋼線
等の引張り材を挿入して硬化材を注入しアンカー体を形
成する。そして、アンカー体が硬化した後、再度アンカ
ー孔内に硬化材を二次注入して地盤にアンカーを造成し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し、上述の如きアン
カーの造成方法にあっては、図10に示すように、アン
カー体7を地盤に定着する定着部が、通常、建物基礎9
からある長さ(自由長部)Lをとって設置されるため、
アンカー体7が壁体11の先端部よりも下の地盤(以下
「定着地盤」という)13に位置する場合が多かった。
そして、この状況に於て、定着地盤13が砂礫層や礫岩
層等の透水性地盤である場合は、定着地盤13が壁体1
1の外側と直接通じているため、壁体11の外側に於け
る自然地下水位との水頭差により、アンカー孔内に壁体
11の外側と同等の圧力の水が流入することとなる。
【0006】而して、アンカー体7を定着地盤13に定
着させるための硬化材として、一般にセメントミルクが
使用されおり、通常、このセメントミルクの比重でアン
カー孔内への水の流入を抑えているが、掘削域の水位と
壁体11の外側に於ける自然地下水位との差が余りにも
大きい場合には、上述の如くアンカー孔内に圧力水が流
入してしまう事態が生じていた。
【0007】そして、斯様に圧力水がアンカー孔内に流
入してしまうと、セメントミルクが硬化するまでの間に
流入水によってセメントミルクが希釈又は流出して、ア
ンカーの所定の耐力が得られなくなる虞があった。
【0008】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、掘削域を取り囲むように壁体を設け、地下水位低下
工法で掘削域の地下水位を根切り床以下に下げて掘削を
行った後にアンカーを造成する際に、アンカー孔内への
地下水の流入を阻止して硬化材の希釈,流出を防止した
アンカー造成に於ける硬化材の加圧養生方法と、その実
施に使用する加圧養生装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明に係る硬化材の加圧養生方法は、掘削域を取
り囲むように壁体を設け、当該掘削域の地下水位を地下
水位低下工法で根切り床以下に下げて掘削を行った後、
根切り床に捨てコンクリートを打ち、削孔機で地盤にア
ンカー孔を削孔してこのアンカー孔内に引張り材を挿入
し、次いで、引張り材挿入孔及び立上げ管取付口が形成
されたカバー部材でアンカー孔口をパッキン部材を介し
て覆い、引張り材挿入孔と引張り材との間又は引張り材
相互間と引張り材挿入孔との間を多孔質発泡体で成形さ
れたシール部材でシールすると共に、カバー部材の立上
げ管取付口に立上げ管をアンカー孔口より立ち上げて挿
着し、アンカー孔内及びカバー部材内の空気や水を上記
シール部材を介して外部に排出し乍ら立上げ管から硬化
材をアンカー孔内及びカバー部材内に注入充填し、この
後、立上げ管内の硬化材を補充充填して立上げ管内の硬
化材の高さと硬化材の比重により生ずる加圧水頭を維持
し乍ら、当該加圧水頭によって硬化材の加圧養生を行う
ようにしたものである。
【0010】そして、請求項2に係る硬化材の加圧養生
方法は、削孔機によるアンカー孔の本削孔に先立ち、初
期削孔によって地盤にアンカー孔口の周縁部を保護する
環状フランジを設けたガイドパイプが挿入可能なアンカ
ー孔を形成し、当該アンカー孔内にガイドパイプを挿入
して、アンカー孔の本削孔の際にアンカー孔口を当該ガ
イドパイプの環状フランジで保護するようにしたもので
ある。
【0011】又、本発明に係るアンカー造成に於ける硬
化材の加圧養生装置は、地盤に削孔されたアンカー孔に
挿入する引張り材の引張り材挿入孔及び立上げ管取付口
が形成され、アンカー孔口を覆ってアンカーの施工位置
表面に取り付くカバー部材と、アンカーの施工位置表面
と当該カバー部材とをシールするパッキン部材と、上記
立上げ管取付口にアンカー孔口より立ち上げて着脱自在
に挿着され、アンカー孔内及びカバー部材内に硬化材を
注入充填,補充充填する立上げ管と、引張り材挿入孔と
引張り材との間又は引張り材相互間と引張り材挿入孔と
の間をシールする多孔質発泡体で成形されたシール部材
と、からなることを特徴とするものである。
【0012】そして、請求項4に係る硬化材の加圧養生
装置は、カバー部材を、引張り材挿入孔に向かって順次
テーパ状に形成したものであり、更に、請求項5に係る
加圧養生装置は、立上げ管を、立上げ管内の硬化材の立
上げ高さが外部から確認できるように透明管で成形した
ものである。
【0013】
【作用】請求項1に係る加圧養生方法によれば、立上げ
管から硬化材を注入充填すると、アンカー孔内の空気や
水がシール部材を介して外部に排出され、アンカー孔内
及びカバー部材内に完全に硬化材が充填されると、シー
ル部材によって加圧養生装置内が完全にシールされる。
【0014】その後、立上げ管内の硬化材を、硬化材が
硬化するまで補充充填すれば、アンカー孔への流入水の
圧力と硬化材の圧力のバランスがとられて、アンカー孔
内への流入水の流入を防止する。
【0015】又、請求項2に係る加圧養生方法によれ
ば、ガイドパイプがアンカー孔の本削孔の際に、アンカ
ー孔口の崩壊を防止する。一方、請求項3に係る加圧養
生装置によれば、カバー部材で覆われたアンカー孔内に
立上げ管から硬化材が充填され、請求項4に係る発明に
よれば、硬化材が完全に充填されたとき、シール部材が
引張り材挿入孔で押し縮められて硬化材で目詰まりを生
じ、その結果、加圧養生装置内を完全にシールすること
となる。
【0016】更に、請求項5によれば、硬化材の立上げ
高さを外部から確認して、立上げ管内の硬化材の補充充
填がなされることとなる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1に於て、15は根切り床17に打設した
捨てコンで、当該捨てコン15は従来と同様、鋼矢板等
を用いて掘削域を取り囲むように壁体を形成した後、こ
の掘削域内の水位を地下水位低下工法で強制的に下げて
掘削した根切り床17に打設したものである。そして、
図2に示すように、掘削域の地盤19にアンカー孔21
が削孔機により削孔されている。
【0018】而して、上記捨てコン15上に、本発明の
一実施例に係る硬化材の加圧養生装置23が設置されて
いる。図中、25はアンカー孔21よりも若干大きな内
径をもって形成された円筒管で、その周壁には図2の如
く上方に立上げ管取付口27が開口する接続管29が接
続され、又、円筒管25の下部には、図3の如き正方形
状の固定板31がその外周に取り付けられている。そし
て、予め捨てコン15に設置されたアンカーボルトで当
該固定板31を捨てコン15上に固定することにより、
加圧養生装置23がアンカー施工位置に設置されるよう
になっている。尚、図2中、33は捨てコン15と固定
板31との間をシールするパッキン部材、又、図3に於
て、35は固定板31の四隅に夫々穿設されたスタッド
ボルト挿通孔、37は固定板31の中央に穿設された円
筒管取付孔で、図2及び図4に示すように、当該円筒管
取付孔37に円筒管25が取り付けられている。
【0019】そして、上記接続管29の立上げ管取付口
27に、透明な立上げ管38がアンカー孔口21aより
立ち上げて着脱自在に挿着されており、当該立上げ管3
8からアンカー孔21内に、硬化材としてのセメントミ
ルクSが注入されるようになっている。
【0020】一方、上記円筒管25の上部内周には、図
1に示すように、上方に順次縮径するテーパ形状の管材
(以下「テーパ管」という)39が円筒管25と中心軸
を同じくして取り付けられており、その上部開口は、図
2の如くアンカー孔21内に挿入した引張り材41を挿
入させる引張り材挿入孔43として機能するようになっ
ている。そして、当該引張り材挿入孔43と引張り材4
1との間が、スポンジ等の多孔質発泡体のシール部材4
5でシールされている。
【0021】図示するように、本実施例に於ける引張り
材41は、複数本束ねたPC鋼線41aをポリエチレン
製の波管41bで被覆した構造となっており、上記シー
ル部材45は、アンカー孔21内に挿入した引張り材4
1を引張り材挿入孔43に挿入させて加圧養生装置23
を設置したとき、当該引張り材41とテーパ管39の内
周をシールできるように予め波管41bの外周の所定位
置に巻回されている。尚、斯かるシール部材45はテー
パ管39の引張り材挿入孔43の内周に取り付けておく
ことも可能であるが、引張り材41を引張り材挿入孔4
3に挿入したときに剥がれる虞があるため、本実施例の
如く波管41bの外周に巻回しておくことが好ましい。
【0022】そして、上記シール部材45は、図2,図
5及び図6に示すように、上記立上げ管38から注入さ
れたセメントミルクSがアンカー孔21、そして、円筒
管25やテーパ管39内に充填されるに従い、引張り材
挿入孔43側へ移動するようになっている。
【0023】即ち、アンカー孔21内には、削孔時の洗
浄水やセメントミルクSのブリージング水等が溜まって
おり、立上げ管38からアンカー孔21内にセメントミ
ルクSが注入充填されると、セメントミルクSは比重が
約1.8程度あるので、図2に示すようにセメントミル
クSがアンカー孔21内の空気Aや水Wの下部に置き変
わることとなる。そして、セメントミルクSがアンカー
孔21や円筒管25,テーパ管39内に充填されるに従
い、図2及び図5に示すように空気Aや水Wが上記シー
ル部材45から外部に排出され、セメントミルクSによ
ってシール部材45は引張り材挿入孔43側へ押し上げ
られる。そして、図6の如くセメントミルクSがアンカ
ー孔21内及び加圧養生装置23内に完全に充填される
と、シール部材45は引張り材挿入孔43でテーパ管3
9と引張り材41との間で押し縮められ、更に、セメン
トミルクSで目詰まりを生じて加圧養生装置23内を完
全にシールするようになっている。
【0024】本実施例に係る加圧養生装置23はこのよ
うに構成されており、次に、当該加圧養生装置23を用
いた本発明方法の一実施例を説明する。先ず、従来と同
様、鋼矢板等を用いて掘削域を取り囲むように壁体を形
成した後、地下部の掘削が安全に行えるように掘削域に
井戸を設けて地下水を揚水し、掘削域の水位を強制的に
下げる。そして、地下部の掘削を終えると、図1の如く
根切り床17に捨てコン15を打設し、削孔機で地盤に
アンカー孔21を削孔する。そして、上記引張り材41
の外周にシール部材45を巻回した後、図2の如く引張
り材41をアンカー孔21内に挿入する。
【0025】次いで、図2に示すように、テーパ管39
の引張り材挿入孔43に上記引張り材41を挿入させ乍
ら、アンカー孔口21aにパッキン部材33を介して固
定板33を固定して加圧養生装置23を捨てコン15上
に設置し、シール部材45でテーパ管39と引張り材4
1との間をシールする。尚、立上げ管38は予め接続管
29から取り外しておき、加圧養生装置23の設置と同
時に接続管29に接続すればよい。
【0026】この後、図2及び図5に示すように、アン
カー孔21内の空気Aや水Wをシール部材45を介して
外部に排出し乍ら、立上げ管38からセメントミルクS
をアンカー孔21内及び加圧養生装置23内に注入充填
する。セメントミルクSの注入充填によって、シール部
材45は引張り材挿入孔43側へ押し上げられ、そし
て、図6の如くセメントミルクSがアンカー孔21内及
び加圧養生装置23内に完全に充填されると、テーパ管
39が引張り材挿入孔43側に順次テーパ状に形成され
ているために、シール部材45が引張り材挿入孔43で
テーパ管39と引張り材41との間で押し縮められてセ
メントミルクSで目詰まりを生じ、その結果、加圧養生
装置23内が完全にシールされることとなる。
【0027】而して、本実施例は、斯様にセメントミル
クSでアンカー孔21内及び加圧養生装置23内を完全
に充填した後、立上げ管38内へセメントミルクSを補
充充填して、立上げ管38内のセメントミルクSの高さ
とセメントミルクSの比重により生ずる加圧水頭を維持
し乍ら、この加圧水頭によってアンカー孔21内のセメ
ントミルクSの加圧養生を行うものである。
【0028】これを図7に基づいて詳細に説明すると、
掘削域に造成するアンカー47の定着部Mの地盤49が
透水性地盤であって、壁体外側の地下水位Nが施工面P
よりも上方にあると、上述したように、壁体外側の地下
水位Nとの水頭差によりアンカー孔21内に壁体の外側
と同等の圧力の水が流入してしまう。
【0029】そこで、少なくとも、定着部Lのセメント
ミルクSの希釈,流出を防止するため、 rw ×H1 ≦ rc ×(H2 +H3 ) 但し、H1 :流入水の圧力水頭 H2 :施工位置から定着部上部までの距離 H3 :立上げ管内のセメントミルクの立上げ高さ rw :水の比重(=1) rc :セメントミルクの比重 の式から、定着部Lの上部に於て、アンカー孔21への
流入水の圧力とセメントミルクSの圧力のバランスをと
るための立上げ管38内のセメントミルクSの立上げの
高さとして、 H3 ≧(H1 /rc )−H2 の式が導かれる。
【0030】即ち、立上げ管38からアンカー孔21内
にセメントミルクSを注入充填した後、立上げ管38内
に、(H1 /rc )−H2 以上の高さとなるようにセメ
ントミルクSを注入充填し、セメントミルクSが硬化す
るまでこの高さを維持してセメントミルクSを補充充填
すれば、流入水による定着部LのセメントミルクSの希
釈,流出を防止できることとなる。
【0031】そこで、本発明方法の実施例は、アンカー
孔21内の空気Aや水Wをシール部材45を介して外部
に排出し乍ら、立上げ管38からセメントミルクSを注
入充填し、そして、図6の如くセメントミルクSをアン
カー孔21内及び加圧養生装置23内に完全に充填して
シール部材45で加圧養生装置23内を完全にシールし
た後、透明な立上げ管38内のセメントミルクSの立上
げ高さH3 を外部から確認して、セメントミルクSが硬
化するまで、立上げ管38内のセメントミルクSの立上
げ高さH3 が(H1 /rc )−H2 以上の高さとなるよ
うにセメントミルクSを補充充填して、その高さH3
維持する。
【0032】而して、セメントミルクSが硬化した後、
立上げ管38を取り外し、捨てコン15上に基礎コンク
リートを打設して円筒管25やテーパ管39を基礎コン
クリート内に埋没させて、次の作業工程に移行すればよ
い。
【0033】このように、本実施例に係るセメントミル
クの加圧養生方法は、掘削域を取り囲むように壁体を設
け、当該掘削域の地下水位を根切り床17以下に下げて
掘削を行った後、根切り床17に捨てコン15を打ち、
削孔機で地盤19にアンカー孔21を削孔してアンカー
孔21内に引張り材41を挿入し、そして、加圧養生装
置23を捨てコン15上にパッキン部材33を介して取
り付け、この後、アンカー孔21内の空気Aや水Wをシ
ール部材45を介して外部に排出し乍ら、立上げ管38
から接続管29をアンカー孔21及び加圧養生装置23
内に注入充填し、引張り材挿入孔43と引張り材41と
の間をシール部材45でシールした後、立上げ管38内
のセメントミルクSの立上げ高さH3 を外部から確認し
て、セメントミルクSが硬化するまで立上げ管38内の
セメントミルクSの立上げ高さH 3 を、上記式で算出し
た所定値以上の高さとなるようにセメントミルクSを補
充充填して、立上げ管38内のセメントミルクSの立上
げ高さH3 とセメントミルクSの比重により生ずる加圧
水頭でセメントミルクSの加圧養生を行うようにしたの
で、本実施例によれば、少なくとも、流入水による定着
部MのセメントミルクSの希釈,流出を防止することが
可能となった。
【0034】又、本発明の一実施例に係る上記加圧養生
装置23によれば、構造が簡単で作業性に優れ、上記発
明方法を容易に実施することが可能である。尚、アンカ
ー孔口の地盤が砂等の崩壊質地盤である場合、アンカー
孔口地盤の崩壊によって捨てコンの背面地盤が弛み、セ
メントミルクを注入充填するとセメントミルクが逸散し
てしまう場合がある。
【0035】そこで、削孔機によるアンカー孔の本削孔
に先立ち、初期削孔によって地盤に図8の如きアンカー
孔口21aの周縁部を保護する環状フランジ51を設け
たガイドパイプ53が挿入可能なアンカー孔を形成し、
当該アンカー孔内にガイドパイプ53を挿入して、アン
カー孔21の本削孔の際に、アンカー孔口21aを当該
ガイドパイプ53の環状フランジ51で保護する方法を
とることにより、セメントミルクSの逸散を防止できる
こととなる。
【0036】又、上記発明方法及び装置の実施例に於け
る引張り材41は、複数本束ねたPC鋼線41aをポリ
エチレン製の波管41bで被覆した構造であるから、波
管41bの外周にシール部材45を取り付けることによ
り、引張り材41と引張り材挿入孔43との間のシール
が可能であるが、上述の如き波管41bでPC鋼線を被
覆せずに、単にPC鋼線を複数本束ねた引張り材を用い
る場合には、各PC鋼線毎にシール部材を巻回してそれ
らの隙間をシール部材した後、束ねたPC鋼線の外周を
更にシール部材で覆った構造とする必要がある。
【0037】而して、斯かる構造の引張り材を使用して
も、上記実施例と同様、所期の目的を達成することが可
能である。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る硬化
材の加圧養生方法によれば、少なくとも流入水による定
着部の硬化材の希釈,流出を防止することが可能であ
り、又、請求項2に係る加圧養生方法によれば、アンカ
ー孔口の地盤が砂等の崩壊質地盤である場合に、アンカ
ー孔口地盤の崩壊による硬化材の逸散を防止できる利点
を有する。
【0039】そして、請求項3に係る加圧養生装置23
によれば、構造が簡単で作業性に優れ、請求項1及び請
求項2記載の加圧養生方法を容易に実施することが可能
である。
【0040】又、請求項4に係る加圧養生装置によれ
ば、硬化材がアンカー孔内及び加圧養生装置内に完全に
充填されたとき、シール部材が引張り材挿入孔で押し縮
められて硬化材で目詰まりを生じ、その結果、加圧養生
装置内が完全にシールできる利点を有し、更に、請求項
5によれば、立上げ管内の硬化材の補充充填に当たり、
硬化材の立上げ高さを外部から容易に確認することがで
きる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る加圧養生装置の側面図
である。
【図2】立上げ管からセメントミルクを注入充填してい
る状態を示す加圧養生装置の断面図である。
【図3】固定板の平面図である。
【図4】図1に示す加圧養生装置の平面図である。
【図5】立上げ管からセメントミルクを注入充填してい
る状態を示す加圧養生装置の断面図である。
【図6】セメントミルクの注入充填充填を終えた状態を
示す加圧養生装置の断面図である。
【図7】本発明に係る加圧養生方法に於ける立上げ管内
の硬化材の立上げ高さを求める説明図である。
【図8】本発明方法の第二実施例に於ける加圧養生装置
の断面図である。
【図9】アンカー造成による建物全体の安定工法を示す
説明図である。
【図10】地下部に於ける従来のアンカー造成方法の概
略説明図である。
【符号の説明】
15 捨てコン 21 アンカー孔 23 加圧養生装置 25 円筒管 31 固定板 33 パッキン部材 38 立上げ管 39 テーパ管 41 引張り材 43 引張り材挿入孔 45 シール部材 51 環状フランジ 53 ガイドパイプ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削域を取り囲むように壁体を設け、当
    該掘削域の地下水位を地下水位低下工法で根切り床以下
    に下げて掘削を行った後、根切り床に捨てコンクリート
    を打ち、削孔機で地盤にアンカー孔を削孔してこのアン
    カー孔内に引張り材を挿入し、次いで、引張り材挿入孔
    及び立上げ管取付口が形成されたカバー部材でアンカー
    孔口をパッキン部材を介して覆い、引張り材挿入孔と引
    張り材との間又は引張り材相互間と引張り材挿入孔との
    間を多孔質発泡体で成形されたシール部材でシールする
    と共に、カバー部材の立上げ管取付口に立上げ管をアン
    カー孔口より立ち上げて挿着し、アンカー孔内及びカバ
    ー部材内の空気や水を上記シール部材を介して外部に排
    出し乍ら立上げ管から硬化材をアンカー孔内及びカバー
    部材内に注入充填し、この後、立上げ管内の硬化材を補
    充充填して立上げ管内の硬化材の高さと硬化材の比重に
    より生ずる加圧水頭を維持し乍ら、当該加圧水頭によっ
    て硬化材の加圧養生を行うようにしたことを特徴とする
    アンカー造成に於ける硬化材の加圧養生方法。
  2. 【請求項2】 削孔機によるアンカー孔の本削孔に先立
    ち、初期削孔によって地盤にアンカー孔口の周縁部を保
    護する環状フランジを設けたガイドパイプが挿入可能な
    アンカー孔を形成し、当該アンカー孔内にガイドパイプ
    を挿入して、アンカー孔の本削孔の際にアンカー孔口を
    当該ガイドパイプの環状フランジで保護するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載のアンカー造成に於ける
    硬化材の加圧養生方法。
  3. 【請求項3】 地盤に削孔されたアンカー孔に挿入する
    引張り材の引張り材挿入孔及び立上げ管取付口が形成さ
    れ、アンカー孔口を覆ってアンカーの施工位置表面に取
    り付くカバー部材と、アンカーの施工位置表面と当該カ
    バー部材とをシールするパッキン部材と、上記立上げ管
    取付口にアンカー孔口より立ち上げて着脱自在に挿着さ
    れ、アンカー孔内及びカバー部材内に硬化材を注入充
    填,補充充填する立上げ管と、引張り材挿入孔と引張り
    材との間又は引張り材相互間と引張り材挿入孔との間を
    シールする多孔質発泡体で成形されたシール部材と、か
    らなることを特徴とするアンカー造成に於ける硬化材の
    加圧養生装置。
  4. 【請求項4】 カバー部材は、引張り材挿入孔に向かっ
    て順次テーパ状に形成されていることを特徴とする請求
    項3記載のアンカー造成に於ける硬化材の加圧養生装
    置。
  5. 【請求項5】 立上げ管は、立上げ管内の硬化材の立上
    げ高さが外部から確認できる透明管で成形されているこ
    とを特徴とする請求項3又は請求項4記載のアンカー造
    成に於ける硬化材の加圧養生装置。
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