JP4311676B2 - ケーシングを用いた施工方法 - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
安定液を満たしつつ掘削を行い孔を形成する工程と、
この安定液で満たされた孔内に、隙間をもって筒状ケーシングを縦向きに建込むケーシング建込み工程と、
筒状ケーシングの周囲の安定液を固化させる第一固化工程と、
筒体ケーシング内の液体を排出する工程と、
筒状ケーシング内で作業する作業工程と、
筒状ケーシングの撤去対象部分を撤去する工程と、
筒状ケーシングにより占有されていた部分に安定液を満たすとともに、この安定液を固化させる第二固化工程と、
を含むことを特徴とするケーシングを用いた施工方法。
本発明では、筒状ケーシングを圧入することなしに建込むため、周辺地盤への影響が実質的に無い。また、ケーシング内に坑口を設ける場合であっても、坑口の周囲地盤は第一固化工程の固化体となっているため、別途地盤改良する必要無く、地盤改良と同様の効果が得られる。さらに、作業後の土砂の埋め戻しに代えて、第二固化工程において安定液を満たして固化するため、地盤改良したのと同様の効果が得られる。
前記ケーシング建込み工程において、前記筒状ケーシングの建込みに伴って余剰となる余剰安定液を回収するとともに、
前記第二固化工程で用いる安定液として、前記回収した余剰安定液を用いるようにする、請求項1記載のケーシングを用いた施工方法。
このように、余剰安定液を回収し再利用することによって、経済性に優れるようになる。
前記筒状ケーシングとして、前記引き抜きの抵抗となるような凹凸を外周面に有しないものを用い、前記筒状ケーシングを撤去するにあたり、筒状ケーシングの撤去対象部分を一体的に引き抜くようにする、請求項1または2記載のケーシングを用いた施工方法。
筒状ケーシングは孔壁保護を目的とするものであるため、地盤との一体性が高くなる方が好ましい。よって、この点のみを考慮すると、筒状ケーシングの外面に凹凸を有する方が好ましい。しかし、このような筒状ケーシングを用いると、ケーシングを撤去するに際して一体的に引き抜くことができず、撤去作業が著しく煩雑になる。よって、ケーシングの撤去性を重視する場合には、本項記載のように、引き抜きの抵抗となるような凹凸を外周面に有しない筒状ケーシングを用い、一体的に引き抜き撤去するようにするのが好ましい。これにより、撤去作業を大幅に簡素化することができる。なお、本発明において、筒状ケーシングの撤去対象部分は一部であっても全部であっても良い。
前記筒状ケーシングの建込みに先立って、筒状ケーシングの外面に剥離剤を塗布しておくか又は剥離シートを貼り付けておくようにする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーシングを用いた施工方法。
筒状ケーシングの外面は第一固化工程による固化体と密着しているため、予め、このような剥離を容易にする手段を講じておくことにより、筒状ケーシングの撤去がより容易になる。
前記作業工程において、筒状ケーシング下部および第一固化工程による安定液の固化体の下部を貫通する坑口を形成する工程と、この坑口を介して筒状ケーシング内外に埋設管体を延在させる工程と、筒状ケーシング内に人孔を設置するとともに人孔と前記埋設管体を連結する工程とを行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーシングを用いた施工方法。
本発明は、本項記載のような埋設管および人孔の敷設に好適である。すなわち、ケーシング下部に設けられる坑口の周囲地盤は第一固化工程により固化されているため、別途地盤改良する必要無く、地盤改良と同様の効果を維持しつつも、大幅な作業の簡素化を図ることができる。さらに、作業後の埋め戻しに代えて、第二固化工程において安定液を満たして固化するため、地盤改良したのと同様の効果、例えば、大地震による地盤の液状化により人孔が周囲地盤から浮き出るような事態の発生を抑止できる等の効果が得られる。なお、この利点は、人孔や埋設管に限られず、他の埋設物を埋設する際にももたらされることはいうまでもない。
(削孔工程)
先ず、図1に示すように、対象地盤1において安定液2を満たしつつ所定深度まで掘削を行い、後述の筒状ケーシング5の外径よりも大きい(例えば筒状ケーシングを余裕をもって挿入しうる程度の)内径を有する孔3を形成する。掘削にはバックホウ等の掘削機械4を用いることができる。また、安定液2は孔壁保護を行いうるものであれば特に限定されず、泥水等、公知のものを使用できる。また、孔3の形状は特に限定されるものではなく、円状、楕円状、矩形状、溝状等あらゆる横断面形状を採用できる。
掘削が完了したならば、図2に示すように、安定液2で満たされた孔3内に、隙間をもって筒状ケーシング5を縦向きに建込む。建込みに際しては、クレーン等の吊り降ろし機械6を用いることができる。
ケーシングの建込みが完了したならば、図4に示すように、筒状ケーシング5の周囲、すなわち筒状ケーシング5外面と孔2内面との間にセメントミルク等の固化材を注入して、安定液2を固化させる。これにより、筒状ケーシング5の外面(図示形態ではケーシング5の周側面および底面)は、ケーシング5外面と孔2内面との隙間に応じた厚さの固化体21を介して地盤1と一体化する。
しかる後、立坑内で施工作業を行う。この施工作業としては、構築した立坑を利用するものであれば特に限定されるものではない。一例としては、推進工法による埋設管及び人孔の敷設を挙げることができ、図示例もこれを想定している。すなわち、詳細は図示しないが、作業前を示す図4および作業完了後を示す図5から判るように、先ず筒状ケーシング5内下部に推進装置を搬入・設置するとともに、埋設管30を挿通させる部分に筒状ケーシング5下部および第一固化工程による安定液の固化体21の下部を貫通する坑口21Xを形成する。坑口21Xの周囲地盤は第一固化工程により固化されているため、別途地盤改良する必要は無い(もちろん必要に応じて実施することを制限するものではない)。しかる後、この坑口21Xを介して筒状ケーシング5外に埋設管体30を推進させ、筒状ケーシング5内から外部の所定位置まで埋設管30を延在させるとともに、筒状ケーシング5内に人孔31を設置し、人孔31と埋設管体30の端部とを連結する。かくして、埋め戻しの準備が整う。
立坑内の作業が完了したならば、図5に示すように、筒状ケーシング5の撤去対象部分5Uを撤去回収する。図示例では、埋設管30が貫通する下端部5Lを除いた上側部分5Uを分割し撤去するようになっているが、場合によっては全体を撤去しても良い。またこのように筒状ケーシング5を分割撤去する場合、撤去に際して切断しても良いが、予め上側部分5Uと下側部分5Lとをボルト等により分割可能に連結しておき、撤去時にボルト連結を解いて上側部分5Uのみを撤去するようにすることもできる。
図5に示すように、筒状ケーシング5の撤去に伴って(あるいは筒状ケーシング5の撤去後であっても良い)、立坑内における筒状ケーシング5の占有部分に安定液20を満たすとともに、この安定液20をセメントミルク等の固化材の添加混合により固化させる。この固化材は、坑内へ供給する前の安定液20に対して地上プラント等で添加混合することも可能である。また、施工の短期化を目的として、ソーダ灰、水ガラス、重曹等の硬化促進剤を添加することも可能である。
Claims (5)
- 安定液を満たしつつ掘削を行い孔を形成する工程と、
この安定液で満たされた孔内に、隙間をもって筒状ケーシングを縦向きに建込むケーシング建込み工程と、
筒状ケーシングの周囲の安定液を固化させる第一固化工程と、
筒体ケーシング内の液体を排出する工程と、
筒状ケーシング内で作業する作業工程と、
筒状ケーシングの撤去対象部分を撤去する工程と、
筒状ケーシングにより占有されていた部分に安定液を満たすとともに、この安定液を固化させる第二固化工程と、
を含むことを特徴とするケーシングを用いた施工方法。 - 前記ケーシング建込み工程において、前記筒状ケーシングの建込みに伴って余剰となる余剰安定液を回収するとともに、
前記第二固化工程で用いる安定液として、前記回収した余剰安定液を用いるようにする、請求項1記載のケーシングを用いた施工方法。 - 前記筒状ケーシングとして、前記引き抜きの抵抗となるような凹凸を外周面に有しないものを用い、前記筒状ケーシングを撤去するにあたり、筒状ケーシングの撤去対象部分を一体的に引き抜くようにする、請求項1または2記載のケーシングを用いた施工方法。
- 前記筒状ケーシングの建込みに先立って、筒状ケーシングの外面に剥離剤を塗布しておくか又は剥離シートを貼り付けておくようにする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーシングを用いた施工方法。
- 前記作業工程において、筒状ケーシング下部および第一固化工程による安定液の固化体の下部を貫通する坑口を形成する工程と、この坑口を介して筒状ケーシング内外に埋設管体を延在させる工程と、筒状ケーシング内に人孔を設置するとともに人孔と前記埋設管体を連結する工程とを行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーシングを用いた施工方法。
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KR102197032B1 (ko) * | 2018-12-17 | 2020-12-31 | 주식회사 하이제트이엔지 | 해체를 용이하게 하는 작업구용 강관의 구조 |
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