JP2001073358A - 杭孔内への既製杭の埋設方法 - Google Patents

杭孔内への既製杭の埋設方法

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JP2001073358A
JP2001073358A JP2000129969A JP2000129969A JP2001073358A JP 2001073358 A JP2001073358 A JP 2001073358A JP 2000129969 A JP2000129969 A JP 2000129969A JP 2000129969 A JP2000129969 A JP 2000129969A JP 2001073358 A JP2001073358 A JP 2001073358A
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hole
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Abstract

(57)【要約】 【課題】掘削土の地質によらず、シルト等の地質であっ
ても根固め部の品質を高め、既製杭の表面の泥土膜付着
を防止してソイルセメント等との一体性を高める。 【解決手段】 節杭10より大径の杭孔軸部2を掘削す
ると共に杭孔軸部2の下端部を拡底して拡大球根部3を
掘削する。杭孔1の底部から根固め用のセメントミルク
を注入し、杭孔1の拡大球根部3内に満たされていた掘
削泥土をセメントミルクに置換する。 杭孔軸部2で杭
周固定液用のセメントミルクを注入し、杭孔1の軸部2
内の掘削泥土をセメントミルクと撹拌混合して杭孔1の
軸部2内のほぼ孔口5までソイルセメント層7を形成す
る(a)。 杭穴1内に中空部13を上下に開放した節
杭10を沈設して、セメントミルク又はソイルセメント
の固化により節杭10と一体となった基礎構造体を構築
する(b)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、杭孔の下端部に
形成した根固め部に、既製杭を埋設して基礎杭構造を形
成する施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既製杭を拡大球根部を有する杭孔内に埋
設する拡大根固め工法において、その品質上最も重要な
拡大球根部の形成である。
【0003】従来の施工方法では、杭孔21の軸部22
を掘削し続いて軸部22の下端部を拡大して拡大球根部
23を掘削し、その後、拡大球根部23内にセメントミ
ルクを注入し、掘削土とセメントミルクとを撹拌・混合
しソイルセメント化する方法が取られていた。また他の
方法では、杭孔21の下部でセメントミルクを高圧噴射
しながら拡大球根部23を併行築造する方法もあった。
【0004】また、杭孔21の拡大球根部23や軸部2
2にソイルセメントを充填した場合、通常、杭孔21の
上端部は、ソイルセメントを形成せず、泥土層26のま
まとしてあった。これは、杭孔21の上端部の該泥土層
26は、既製杭の降下により地上に溢れて出て回収され
るので、杭基礎の品質には影響しないと考えられていた
為である。尚、泥土は水分が多いと泥水となっている場
合もあった。
【0005】従って、これらの工法により、杭孔21内
には、下からソイルセメント(根固め液)層24、ソイ
ルセメント(杭周固定液)層25、泥土層26が形成さ
れ(図11(a))、この中に既製杭27を下降埋設し
ていた(図11(b))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術の内、
拡大球根部の築造について以下の問題点があった。
【0007】(1) 拡大球根部において、掘削土と根固め
用セメントミルクを混合するため、拡大球根部のソイル
セメントの品質が、掘削土の地質に左右され、各杭の支
持力がばらつく原因となる問題点があった。
【0008】(2) また、施工の地盤において、シルト等
地質の良くない部分(地層)があると、それが原因で杭
基礎の品質が低下する問題点があった。
【0009】また、前記従来の技術の既製杭27の押し
入れ・沈設方法について、既製杭27を杭孔21へ下降
させる際に、既製杭27が泥土層26を通過するので、
既製杭27の表面に泥土が付着して泥土膜29、29が
形成されたままで既製杭27が沈設されていた(図11
(b))。従って、ソイルセメントの固化時に既製杭2
7とソイルセメント層24、25とが十分に一体化され
ないことがあった。従って、杭基礎の支持力発現時に初
期沈下し、支持力が安定しない問題点があった。
【0010】これは、杭孔下端部を拡大掘削しない杭孔
に既製杭を埋設する工法の場合にも同様の問題点が存在
していた。
【0011】
【課題を解決するための手段】然るにこの発明では、底
部からセメントミルクを注入し、杭孔下端部(根固め
部)内の掘削泥土をセメントミルクに置換するので、ま
た、ソイルセメント層を杭孔のほぼ孔口まで形成するの
で、前記問題点を解決した。
【0012】即ちこの発明は、拡大球根部を有する杭孔
内に、中空部を有する既製杭を埋設する方法であって、 (1) 既製杭の最大径より大径の杭孔軸部を掘削すると共
に該杭孔軸部の下端部を拡底して拡大球根部を掘削す
る。 (2) 次に、前記杭孔の底部から根固め用のセメントミル
クを注入し、杭孔球根部内に満たされていた掘削泥土を
セメントミルクに置換する。 (3) 次に、前記杭孔軸部で杭周固定液用のセメントミル
クを注入し、前記杭孔軸部内の掘削泥土をセメントミル
クと撹拌混合して杭孔軸部内にソイルセメント層を形成
する。 (4) 続いて、前記杭穴内に既製杭を沈設する。 以上の工程をとることを特徴とした杭孔内への既製杭の
埋設方法である。
【0013】また、この発明は、杭孔内に中空部を有す
る既製杭を埋設する方法であって、 (1) 既製杭の最大径より大径の杭孔を掘削する。 (2) 次に、前記杭孔の底部から根固め用のセメントミル
クを注入し、杭孔の下端部内に満たされていた掘削泥土
をセメントミルクに置換する。 (3) 次に、前記杭孔の中間部及び上部で杭周固定液用の
セメントミルクを注入し、前記杭孔中間部及び上部内の
掘削泥土をセメントミルクと撹拌混合して杭孔の中間部
及び上部内にソイルセメント層を形成する。 (4) 続いて、前記杭穴内に、異形摩擦杭からなる既製杭
を沈設する。 以上の工程をとることを特徴とした杭孔内への既製杭の
埋設方法である。
【0014】また、前記において杭孔軸部のソイルセメ
ント層を該杭孔のほぼ孔口まで形成する埋設方法であ
る。また、既製杭を回転しながら杭孔内に沈設する埋設
方法である。更に、既製杭を異形摩擦杭とした埋設方法
である。
【0015】また、前記において、既製杭を、1つ又は
複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下
部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部
より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、
前記既製杭を、その下部軸部の最上に位置する突起が、
杭穴の拡大球根部内に位置するように埋設したことを特
徴とする杭孔内への既製杭の埋設方法である。また、既
製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部
であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続し
て、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に
形成して構成し、前記既製杭を、その下部軸部の最上に
位置する突起が、杭穴内の根固め用セメントミルクが注
入された区間内に位置するように埋設したことを特徴と
する杭孔内への既製杭の埋設方法である。更に、既製杭
を下杭とその上方に位置する1つ又は複数の上杭とから
構成し、前記下杭は、1つ又は複数の突起を形成した下
部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する
突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部
軸部を一体に形成して構成し、前記上杭は、前記上部軸
部の外径と略同径の外径で形成したことを特徴とする杭
孔内への既製杭の埋設方法である。
【0016】前記におけるソイルセメントとは、例えば
軸部径300mm・節部径450mmの杭の場合に、セ
メント量45kg、水45リットルで、練り上がり量
0.05393m 程度(深さ1m当たり)、圧縮強
度75kg/cm のセメントミルクを注入し、掘削
土等と混合してソイルセメントとして形成する。いかな
る配合とするかは、杭基礎全体の所要強度、周辺地盤の
強度、既製杭の強度などにより決定される。
【0017】また、前記における既製杭としては、節杭
(異形摩擦杭)一本又は複数の連結、円筒杭の一本又は
複数の連結、あるいは、節杭と円筒杭との継ぎ杭その他
の異種の継ぎ杭等として、構成することもできる。
【0018】また、前記における異形摩擦杭とは、外面
に突起を有する杭で、例えばいわゆる節杭の他その形状
は任意である(図2〜図6、8)。
【0019】例えば、環状の突起30、30を所定間隔
で設けた既製杭10で、環状突起30、30は異なる間
隔(図2(a))、又は異なる径の環状突起30、30
a、30bとすることもできる(図2(b)(c))。
また、環状突起30は軸部と一体成形の他、部分リング
状の部材31、31を着脱自在に取り付けて構成した既
製杭10とすることもできる(図3(a)(b))。
【0020】また、環状突起の一部に切り欠き32、3
2を形成して、放射状の突起33、33を設けた形状の
既製杭10とすることもできる(図4(a)(b))。
また、切り欠き32の位置を上下で位相を違えて突起3
3、33を設けた既製杭10とすることもできる(図5
(a)(b)(c))。
【0021】また、突起34を縦に配置した板状とし
て、放射状に配置して既製杭10を形成することもでき
る(図6(a)(b))。
【0022】前記における「ソイルセメント層を杭孔の
ほぼ孔口まで形成する」とは、杭孔の杭孔口付近までソ
イルセメント層を形成することが望ましいが、構築現場
の状況などに応じて、適宜杭孔口より下方位置までとす
ることも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】既製杭としての節杭10の最大径
より大径の杭孔軸部2を掘削すると共に該杭孔軸部2の
下端部を拡底して拡大球根部3を掘削する。
【0024】次に、杭孔1の底部から根固め用のセメン
トミルクを注入し、杭孔1の拡大球根部3内に満たされ
ていた掘削泥土をセメントミルクに置換する。次に、杭
孔軸部2で杭周固定液用のセメントミルクを注入し、杭
孔1の軸部2内の掘削泥土をセメントミルクと撹拌混合
して杭孔1の軸部2内のほぼ孔口5までソイルセメント
層7を形成する。続いて、杭穴1内に中空部13を上下
に開放した節杭10を沈設して、セメントミルク又はソ
イルセメントの固化により、杭孔球根部及び節杭10の
中空部13のセメントミルクが充填され、杭孔の軸部2
にソイルセメントが充填された節杭10と一体となった
基礎構造体が構築される。
【0025】
【実施例1】(1) 図1等に基づきこの発明の実施例
を説明する。
【0026】既製杭の径に見合った所定の杭孔1を掘削
する。まず、既製杭の外径より大径の円筒状の杭孔を所
定の深さまで、掘削土を杭孔内壁に練付けながら又は掘
削土を排土しながら、掘削し、その杭孔の下端部を拡大
径に掘削して、拡大球根部3とし、杭孔1の拡大球根部
3の上方を軸部2とする。この状態で、杭孔1内には掘
削土が残っている。
【0027】次に、泥土化した掘削土の残っている拡大
球根部3の最下端(底)4に根固め液としての比重が大
きいセメントミルクを注入する。この際セメントミルク
の充填に従って、該部の掘削土を杭孔1の上方(杭孔軸
部2)に押し上げ、前記拡大球根部3の掘削土をほとん
どセメントミルクに置換する。従って、拡大球根部3内
にはセメントミルク層6が形成される。
【0028】ここで、掘削土にシルトなど拡大球根部3
のセメントミルクの品質に良くない土泥が存在する場合
であっても、これら泥土の比重(1.2〜1.7)は、
セメンミルク(比重:1.7以上)より軽く、セメント
ミルク層6の上方に容易に押し上げられる。また掘削土
に比重の大きい砂質や砂れき(比重:2.7〜2.8)
が混入している場合は拡大球根部2のセメントミルク内
に残るが骨材として作用するので、セメントミルクの品
質上何ら問題はなく、高品質なセメント層が形成され
る。
【0029】次に、杭孔1の軸部2内に杭周固定液とし
てのセメントミルクをほぼ杭孔口5まで注入し、セメン
トミルクと該部の掘削土とを撹拌混合しソイルセメント
を生成し、ソイルセメント層7を形成する(図1
(a))。この際、ソイルセメント層7とセメントミル
ク層6とは比重が違うので、両層が混ざることは少な
い。
【0030】次に、節杭10を、ほぼ杭孔口5までソイ
ルセメント層7が形成されている杭孔1に押し入れ、ソ
イルセメント層7を貫通して、前記節杭10の下端11
は拡大球根部3のセメントミルク層6内に位置させる。
ここで、節杭10は中空部13が上下に開放し、外壁1
2に所定長さ毎に節14、14を有する。
【0031】節杭10を沈設する際に、杭孔1内には泥
土層がないので、節杭10の全面(外面、中空部内面)
で、泥土が付着しない。よって、節杭10の表面には泥
土膜が形成されず、セメントミルク層又はソイルセメン
ト層が直接に接触している。
【0032】また、杭孔1の拡大球根部3及び軸部2の
下端部の内壁と、節杭10の外壁との間隙には、セメン
トミルク層6が形成されており、前記セメントミルク層
6の上方の杭孔1の軸部2の内壁と前記節杭10の外壁
との間隙には、ソイルセメント層7が形成される。ま
た、節杭10の中空部13には、杭孔1のソイルセメン
ト層7の通過に従いソイルセメントが充填されるが、そ
の後、拡大球根部のセメントミルク層6内を通過するに
従い、中空部には下端11からセメントミルクが充填さ
れ、中空部上端から比重の軽いソイルセメントを押し出
し、最終的には中空部には杭外周部より圧縮強度の大き
いソイルセメント層8が形成される(図1(b))。
【0033】セメントミルク及びソイルセメントが固化
し強度を発現することにより、杭孔1内で、節杭10と
ソイルセメント層7、8、セメントミルク層6とが一体
となった基礎杭構造体16を構成する(図1(b))。
従って、セメントミルク層6、ソイルセメント層7、8
は外周部の地盤より圧縮強度がより大きく形成されるの
で、鉛直支持力の安定化と共に水平支持力も強化されて
いる。
【0034】前記のように、地盤が強化されるので、本
発明の工法は、シルト(一般に粒径0.005〜0.0
74mm程度)及び粘土(一般に粒径0.005mm以
下)が主成分の地盤(圧縮強度の良くない地盤)の施工
において特に有効である。
【0035】(2)他の実施例−1 前記実施例において、施工条件などの理由により、杭沈
設前の杭孔内に若干の泥水帯が介在する場合であって
も、杭孔1内のほぼ全深さで、ソイルセメント層又はセ
メントミルク層が形成されている為に特に影響がない
が、節杭10に付着する泥水膜を完全に除去する為に
は、節杭10を回転しながら沈設する等することによ
り、杭周部等に付着した泥水をソイルセメント内に飛散
させることができる。更に、節杭10を回転させながら
下降することにより、節杭10の節14、14の下端部
などに点在する気泡を消滅させることもできる。
【0036】(3)他の実施例−2 また、前記実施例において、既製杭として中空部が上下
に開放した節杭を使用したので、効果が最も顕著に現れ
るが、中空部を封鎖した又は中空部を有さない節杭の
他、円筒杭、鋼管杭などその他の既製杭の単独又は組合
せで使用することもできる。また、中空部を有する既製
杭の場合には、更に水平支持力の向上にも有効である。
【0037】(4)他の実施例−3 また、前記実施例において、軸部の外径が上下位置で異
なる他の既製杭35を使用することもできる。
【0038】既製杭35は、下部軸部36が、外径40
0mm、軸部肉厚65mmで形成され、前記下部軸部3
6の下端部及び中間部に、外径550mmの環状突起3
8、環状突起38a(最上に位置する突起)が2つ形成
されている。また、下部軸部36の最上の環状突起38
aに連続して、前記下部軸部36より大径の上部軸部3
7(外径500mm、軸部肉厚115mm)が形成され
ている(図8(a))。
【0039】続いて、軸部2(径580mm)、拡大球
根部3(径800mm、拡大球根部長2500mm)
で、杭孔1を掘削し、杭孔1内で拡大球根部3内に同様
にセメントミルク層6、ソイルセメント層7を形成する
(図1(a))。続いて、杭孔1内に既製杭35を、杭
孔1の拡大球根部3内に下部軸部36の最上の環状突起
38aが位置するように埋設する。このとき、既製杭3
5の下端面39と拡大球根部底部3の最下端(底)4と
は高さH( =500mm)、下部軸部36の最上に
位置する環状突起38aと拡大球根部3の上端部3aと
が高さH( =500mm)に位置するように埋設す
る。即ち、下部軸部36の最上に位置する環状突起38
aが杭孔1の拡大球根部3内に位置することに伴い、上
部軸部37の下端部37aも拡大球根部3内に位置する
ことになる。また、既製杭35の埋設にともない、セメ
ントミルク層6の上面は、上昇し、杭孔1の拡大球根部
3内及び軸部2の下部がセメントミルク層6となってい
る(図9(a))。
【0040】これによって、セメントミルク層6が形成
されている拡大球根部3内に、下部軸部36よりも大径
の上部軸部37の下端部37aが埋設され、セメントミ
ルクとの付着面積が増大し、ソイルセメント層7が形成
された杭孔1の軸部2においても、下部軸部36より大
径の上部軸部37が埋設されることによって、ソイルセ
メント層7との付着面積が増大する。
【0041】例えば、比較用既製杭として、上部軸部3
7の外径を下部軸部36と同一の軸部外径400mm、
軸部肉厚65mmで、下端部及び中間部に環状突起3
8、38(外径550mm)を2つ有する既製杭を形成
する。この比較用既製杭を上記と同じ掘削径(軸部2の
外径580mm、拡大球根部3の外径800mm、拡大
球根部の深さ2500mm)の杭孔1に埋設した場合を
比べると、前記既製杭35では、比較用既製杭に比べて
約1.2倍の付着面積が得られ、水平支持力の向上と安
定性が強化される。
【0042】また、必要に応じて上部軸部37にも、下
部軸部36の環状突起38と略同径の環状突起41を設
けて既製杭35とすることもできる(図8(b)。この
場合も前記同様に、拡大球根部3を有する杭孔1に埋設
すれば、さらに付着面積が増大し、上部軸部37の環状
突起41による支圧力が付与される。
【0043】また、複数の既製杭を連結する連結杭構造
とする場合には、下部軸部36と該下部軸部36より大
径の上部軸部37を有し、少なくとも下部軸部36に環
状突起38を形成した既製杭35を下杭として使用し、
その上部に上杭として他の既製杭42(図8(a)
(b)鎖線図示42)の1つ又は複数本を連結して、既
製杭とする(図示していない)。この場合、既製杭42
は、上部軸部37の外径と略同径で、下杭と連結できれ
ば、PHC杭、PRC杭、SC杭、節杭、鋼管杭等その
種類は問わない。連結杭構造とすることによって、長尺
杭となった場合であっても、杭孔1の全長に亘って連結
杭との付着面積を増大させることができる(図示してい
ない)。
【0044】上記のような既製杭35を使用して、環状
突起38を拡大球根部3内に位置するように埋設する効
果としては、拡大球根部3でのセメントミルクとの付着
面積を増大させ、良好な付着状態を維持させることによ
り、拡大球根部3内での支持力を向上・安定化させ、か
つ下部軸部36から上部軸部37へと移行する部分の補
強も併せて実現できるだけでなく、杭孔1の軸部2全長
に亘ってソイルセメント層7との付着面積を増大させる
ことによって、杭周面支持力を向上させて、基礎杭構造
全体としての鉛直支持力及び引抜力を従来比約1.2倍
に強化できる。
【0045】また、拡大球根部3に上部軸部37の下端
部を埋設してセメントミルクとの付着面積を増大したこ
とによる拡大球根部3内での支持力の増加に伴い、上部
軸部37を下部軸部36より大径に形成して杭孔1の軸
部2全長に亘ってソイルセメント層7との付着を増大さ
せたことによって、従来比約2倍の曲げモーメント力が
得られ、地震等の過大な曲げモーメントが作用した際に
も十分に耐え得ることができる。
【0046】尚、この実施例で、セメントミルク等の付
着を増すために、環状突起38の外径を拡大しないの
は、杭孔1の軸部2の外径をさらに大きい径に掘削しな
いためである。また、セメントミルク等の付着を増すた
めに、下部軸部36の外径を拡大せず、上部軸部37の
みを大径としたのは、最も支持力の発現が期待される拡
大球根部3内での環状突起38、38からの支圧力を確
保しつつ、かつ付着力の拡大を図ったためである。杭全
長に亘って軸部を大径とした場合には、軸部表面から環
状突起38の先端までの高さが、既製杭の全長に亘って
低くなってしまい、支圧力の低下を招くことになる。
【0047】
【実施例2】(1) 図7等に基づきこの発明の実施例
を説明する。
【0048】前記実施例1は杭孔1の下端部を拡大掘削
して根固め部に拡大球根部を形成したので、より強固な
基礎構造体を構築できるが、この実施例2では、杭孔1
の下端部を拡大掘削しないが、実施例1と同様な方法に
より強固な根固め部を形成でき、従来の問題点を解決で
きる。
【0049】既製杭の径に見合った所定の杭孔1を掘削
する。まず、既製杭の外径より大径の円筒状の杭孔1を
所定の深さまで、掘削土を杭孔壁に練付ながら又は掘削
土を排土しながら掘削する。この状態で、杭孔1内には
泥土化した掘削土が残っている。
【0050】次に、掘削土の残っている杭孔1の最下端
(底)4に根固め液としての比重が大きいセメントミル
クを注入する。この際セメントミルクの充填に従って、
杭孔1の下端部の掘削土を杭孔1の上方(杭孔1の中間
部及び上部)に押し上げ、下端部の掘削土をほとんどセ
メントミルクに置換する。従って、杭孔1の下端部内に
はセメントミルク層6が形成される。
【0051】ここで、掘削土にシルトなど杭孔1の下端
部のセメントミルクの品質に良くない土泥が存在する場
合であっても、これら泥土の比重(1.2〜1.7)
は、セメンミルク(比重:1.7以上)より軽く、セメ
ントミルク層6の上方に容易に押し上げられる。また掘
削土に比重の大きい砂質や砂れき(比重:2.7〜2.
8)が混入している場合は杭孔1の下端部のセメントミ
ルク内に残るが骨材として作用するので、セメントミル
クの品質上何ら問題はなく、高品質なセメントミルク層
が形成される。
【0052】次に、杭孔1の中間部及び上部内に杭周固
定液としてのセメントミルクをほぼ杭孔口5まで注入
し、セメントミルクと該部の掘削土とを撹拌混合しソイ
ルセメントを生成し、ソイルセメント層7を形成する
(図7(a))。この際、ソイルセメント層7とセメン
トミルク層6とは比重が違うので、両層が混ざることは
少ない。
【0053】次に、節杭10を、ほぼ杭孔口5までソイ
ルセメント層7が形成されている杭孔1に押し入れ、ソ
イルセメント層7を貫通して、前記節杭10の下端11
は杭孔1の下端部のセメントミルク層6内に位置させ
る。ここで、節杭10は中空部13が上下に開放し、外
壁12に所定長さ毎に節14、14を有する。
【0054】節杭10を沈設する際に、杭孔1内には泥
土層がないので、節杭10の全面(外面、中空部内面)
で、泥土が付着しない。よって、節杭10の表面には泥
土膜が形成されず、セメントミルク層又はソイルセメン
ト層が直接に接触している。
【0055】また、杭孔1の下端部及び中間部(下側)
の内壁と、節杭10の外壁との間隙には、セメントミル
ク層6が形成されており、前記セメントミルク層6の上
方の杭孔1の中間部(上側)及び上部の内壁と前記節杭
10の外壁との間隙には、ソイルセメント層7が形成さ
れる。また、節杭10の中空部13には、杭孔1のソイ
ルセメント層7の通過に従いソイルセメントが充填され
るが、その後、下端部のセメントミルク層6内を通過す
るに従い、中空部には下端11からセメントミルクが充
填され、中空部上端から比重の軽いソイルセメントを押
し出し、最終的には中空部には杭外周部より圧縮強度の
大きいソイルセメント層8が形成される(図7
(b))。
【0056】セメントミルク及びソイルセメントが固化
し強度を発現することにより、杭孔1内で、節杭10と
ソイルセメント層7、8、セメントミルク層6とが一体
となった基礎杭構造体16を構成する(図7(b))。
従って、セメントミルク層6、ソイルセメント層7、8
は外周部の地盤より圧縮強度がより大きく形成されるの
で、鉛直支持力の安定化と共に水平支持力も強化されて
いる。
【0057】前記のように、地盤が強化されるので、前
記実施例1と同様に、シルト(一般に粒径0.005〜
0.074mm程度)及び粘土(一般に粒径0.005
mm以下)が主成分の地盤(圧縮強度の良くない地盤)
の施工において特に有効である。
【0058】(2)他の実施例−1 前記実施例において、施工条件などの理由により、杭沈
設前の杭孔内に若干の泥水帯が介在する場合であって
も、杭孔1内のほぼ全深さで、ソイルセメント層又はセ
メントミルク層が形成されている為に特に影響がない
が、節杭10に付着する泥水膜を完全に除去する為に
は、実施例1と同様に、節杭10を回転しながら沈設す
る等することにより、杭周部等に付着した泥水をソイル
セメント内に飛散させることができる。更に、節杭10
を回転させながら下降することにより、節杭10の節1
4及びその節杭10の下端部などに点在する気泡を消滅
させることもできる。
【0059】(3)他の実施例−2 また、前記実施例において、既製杭として中空部が上下
に開放した節杭を使用したので、効果が最も顕著に現れ
るが、実施例1と同様に、中空部を封鎖した又は中空部
を有さない節杭の他、円筒杭、鋼管杭などその他の既製
杭の単独又は組合せで使用することもできる。また、中
空部を有する既製杭の場合には、更に水平支持力の向上
にも有効である。
【0060】(4)他の実施例−3 また、前記実施例において、軸部の外径が上下位置で異
なる他の既製杭35を使用することもできる。
【0061】既製杭35は、下部軸部36が、外径40
0mm、軸部肉厚65mmで形成され、前記下部軸部3
6の下端部及び中間部に、外径550mmの環状突起3
8、環状突起38a(最上に位置する突起)が2つ形成
されている。また、下部軸部36の最上の環状突起38
aに連続して、前記下部軸部36より大径の上部軸部3
7(外径500mm、軸部肉厚115mm)が形成され
ている(図8(a))。
【0062】続いて、径580mmで、杭孔1を掘削
し、同様に、杭孔1内の下部にセメントミルク層(根固
め液層)6、上部にソイルセメント層7を形成する(図
7(a))。続いて、杭孔1内に既製杭35を、杭孔1
のセメントミルク層6内に下部軸部36の最上の環状突
起38aが位置するように埋設する。このとき、既製杭
35の下端面39が、杭孔1の最下端(底)4から高さ
( =500mm)に位置するように埋設する。即
ち、下部軸部36の最上に位置する環状突起38aが杭
孔1のセメントミルク層6内に位置することに伴い、上
部軸部37の下端部37aもセメントミルク層6内に位
置することになる(図10(a))。
【0063】これによって、杭孔1のセメントミルク層
6内に、下部軸部36よりも大径の上部軸部37の下端
部37aが埋設され、セメントミルクとの付着面積が増
大し、ソイルセメント層7が形成された杭孔1において
も、下部軸部36より大径の上部軸部37が埋設される
ことによって、ソイルセメント層7との付着面積が増大
する。
【0064】例えば、比較用既製杭として、上部軸部3
7の外径を下部軸部36と同一の軸部外径400mm、
軸部肉厚65mmで、下端部及び中間部に環状突起3
8、38(外径550mm)を2つ有する既製杭を形成
する。この比較用既製杭を上記と同じ掘削径(軸部2の
外径580mm)の杭孔1に埋設した場合を比べると、
前記既製杭35では、比較用既製杭に比べて約1.2倍
の付着面積が得られ、水平支持力の向上と安定性が強化
される。
【0065】また、必要に応じて上部軸部37にも、下
部軸部36の環状突起38と略同径の環状突起41を設
けて既製杭35とすることもできる(図8(b)。この
場合も前記同様に、杭孔1のソイルセメント層7内に埋
設すれば、さらに付着面積が増大し、上部軸部37の環
状突起41による支圧力が付与される。
【0066】また、複数の既製杭を連結する連結杭構造
とする場合には、下部軸部36と該下部軸部36より大
径の上部軸部37を有し、少なくとも下部軸部36に環
状突起38を形成した既製杭35を下杭として使用し、
その上部に上杭として他の既製杭42(図8(a)
(b)鎖線図示42)の1つ又は複数本を連結して、既
製杭とする(図示していない)。この場合、既製杭42
は、上部軸部37の外径と略同径で、下杭と連結できれ
ば、PHC杭、PRC杭、SC杭、節杭、鋼管杭等その
種類は問わない。連結杭構造とすることによって、長尺
杭となった場合であっても、杭孔1の全長に亘って連結
杭との付着面積を増大させることができる(図示してい
ない)。
【0067】上記のような既製杭35を使用して、環状
突起38をセメントミルク層6内に位置するように埋設
する効果としては、セメントミルク層6内でのセメント
ミルクとの付着面積を増大させ良好な付着状態を維持さ
せることによって、セメントミルク層6内での支持力を
向上・安定化させ、かつ下部軸部36から上部軸部37
へと移行する部分の補強も併せて実現できるだけでな
く、杭孔1の全長に亘ってソイルセメント層7との付着
面積を増大させることによって、杭周面支持力を向上さ
せて、基礎杭構造全体としての鉛直支持力及び引抜力を
従来比約1.2倍に強化できる。
【0068】また、セメントミルク層6内に上部軸部3
7の下端部を埋設してセメントミルクとの付着面積を増
大したことによるセメントミルク層6内での支持力の増
加に伴い、上部軸部37を下部軸部36より大径に形成
して杭孔1の軸部2全長に亘ってソイルセメント層7と
の付着を増大させたことによって、従来比約2倍の曲げ
モーメント力が得られ、地震等の過大な曲げモーメント
が作用した際にも十分に耐え得ることができる。
【0069】尚、この実施例で、セメントミルク等の付
着を増すために、環状突起38の外径を拡大しないの
は、杭孔1の外径をさらに大きい径に掘削しないためで
ある。また、セメントミルク等の付着を増すために、下
部軸部36の外径を拡大せず、上部軸部37のみを大径
としたのは、最も支持力の発現が期待されるセメントミ
ルク層6内での環状突起38、38からの支圧力を確保
しつつ、かつ付着力の拡大を図ったためである。既製杭
の全長に亘って軸部を大径とした場合には、軸部表面か
ら環状突起38の先端までの高さが、杭全長に亘って低
くなってしまい、支圧力の低下を招くことになる。
【0070】
【発明の効果】本発明による既製杭の埋設施工におい
て、品質の確かな根固め部が得られるので各杭の鉛直支
持力のばらつきが減少し、安定化する。とりわけ、根固
め部を拡大掘削して拡大球根部とした場合には、その効
果が顕著に得られる。また、施工後の支持力発現時にお
ける初期沈下(1〜2mm)を改善でき、鉛直支持力が
安定化する。
【0071】また、本杭は、杭の中空部も含めて圧縮強
度の大きいセメントミルク又はソイルセメントが充填さ
れた固化体の複合体として構成されているので、杭の水
平支持力に関しても杭自身の設計上の曲げモーメント値
に対し、実測値としては約1.5倍の値が得られてい
る。従って、耐震性能も同様に期待できる。
【0072】また、上下に開放した中空部を有する既製
杭を使用した場合には、その杭下端部が閉鎖されない
で、開放されており、杭の沈設時に杭の中空部にソイル
セメントが充填され、有効利用されている。従って、杭
の沈設時に、セメントミルクが溢れ、廃棄される量も少
なく経済的な工法となっている。
【0073】尚、既製杭として、上下両端部が封鎖され
た既製杭を使用した場合であっても、初期沈下防止及び
鉛直支持力の安定化の効果は同様に得られる。
【0074】また、本発明の工法は、シルト及び粘土が
主成分の地盤(圧縮強度の良くない地盤)の施工におい
て特に有効である。
【0075】また、拡大球根部に杭の突起部を埋め込ん
だ高支持力の基礎構造体においては、品質及び信頼性の
両面に関し特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1で、(a)は既製杭埋設前
の杭孔の縦断面図、(b)は既製杭埋設後の杭孔の縦断
面図である。
【図2】この発明の実施例に使用する異形摩擦杭で、
(a)は環状突起を異なる間隔で設けた杭の正面図、
(b)は異なる径の環状突起とした杭の正面図、(c)
は同じく平面図である。
【図3】同じく異形摩擦杭で、(a)は環状突起を着脱
可能とした杭の平面図、(b)は正面図である。
【図4】同じく異形摩擦杭で、(a)は放射状の突起と
した杭の正面図、(b)は(a)のA−A線における断
面図である。
【図5】同じく異形摩擦杭で、(a)は放射状の突起を
位相を違えて設けた杭の正面図、(b)は(a)のB−
B線における断面図、(c)は(a)のC−C線におけ
る断面図である。
【図6】同じく異形摩擦杭で、(a)は板状の突起を放
射状に設けた杭の正面図、(b)は(a)のD−D線に
おける断面図である。
【図7】この発明の実施例2で、(a)は既製杭埋設前
の杭孔の縦断面図、(b)は既製杭埋設後の杭孔の縦断
面図である。
【図8】(a)(b)は、この発明の実施に使用する他
の既製杭である。
【図9】(a)(b)は、図8の既製杭を埋設した実施
例1の杭孔の縦断面図である。
【図10】(a)(b)は、図8の既製杭を埋設した実
施例2の杭孔の縦断面図である。
【図11】従来例で、(a)は既製杭埋設前の杭孔の縦
断面図、(b)は既製杭埋設後の杭孔の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 杭孔 2 杭孔の軸部 3 杭孔の拡大球根部 4 杭孔の底 5 杭孔口 6 セメントミルク層 7 ソイルセメント層 8 ソイルセメント層 10 節杭(既製杭) 11 節杭の下端 12 節杭の外壁 13 節杭の中空部 14 節杭の節 16 基礎構造体 21 杭孔(従来例) 22 杭孔の軸部(従来例) 23 杭孔の拡大球根部(従来例) 24 ソイルセメント(根固め液)層(従来例) 25 ソイルセメント(杭周固定液)層(従来例) 26 泥土層(従来例) 27 既製杭(従来例) 28 既製杭の中空部(従来例) 29 泥土膜(従来例) 30 環状突起 33 放射状の突起 34 放射状の突起 35 既製杭 36 下部軸部 37 上部軸部 38 環状突起 38a 下部軸部の最上に位置する環状突起 39 既製杭の下端 41 上部軸部の環状突起 42 既製杭(上杭)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 洋一 東京都台東区柳橋2−19−6 三谷セキサ ン株式会社内 Fターム(参考) 2D041 AA02 BA13 BA16 CA03 CB06 DB02 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡大球根部を有する杭孔内に、中空部を
    有する既製杭を埋設する方法であって、 (1) 既製杭の最大径より大径の杭孔軸部を掘削すると共
    に該杭孔軸部の下端部を拡底して拡大球根部を掘削す
    る。 (2) 次に、前記杭孔の底部から根固め用のセメントミル
    クを注入し、杭孔球根部内に満たされていた掘削泥土を
    セメントミルクに置換する。 (3) 次に、前記杭孔軸部で杭周固定液用のセメントミル
    クを注入し、前記杭孔軸部内の掘削泥土をセメントミル
    クと撹拌混合して杭孔軸部内にソイルセメント層を形成
    する。 (4) 続いて、前記杭穴内に既製杭を沈設する。 以上の工程をとることを特徴とした杭孔内への既製杭の
    埋設方法。
  2. 【請求項2】 杭孔内に、中空部を有する既製杭を埋設
    する方法であって、 (1) 既製杭の最大径より大径の杭孔を掘削する。 (2) 次に、前記杭孔の底部から根固め用のセメントミル
    クを注入し、杭孔の下端部内に満たされていた掘削泥土
    をセメントミルクに置換する。 (3) 次に、前記杭孔の中間部及び上部で杭周固定液用の
    セメントミルクを注入し、前記杭孔中間部及び上部内の
    掘削泥土をセメントミルクと撹拌混合して杭孔の中間部
    及び上部内にソイルセメント層を形成する。 (4) 続いて、前記杭穴内に、異形摩擦杭からなる既製杭
    を沈設する。 以上の工程をとることを特徴とした杭孔内への既製杭の
    埋設方法。
  3. 【請求項3】 杭孔軸部のソイルセメント層を該杭孔の
    ほぼ孔口まで形成する請求項1又は2記載の杭孔内への
    既製杭の埋設方法。
  4. 【請求項4】 既製杭を回転しながら杭孔内に沈設する
    請求項1、2、3のいずれか1項記載の杭孔内への既製
    杭の埋設方法。
  5. 【請求項5】 既製杭を異形摩擦杭とした請求項1、
    3、4のいずれか1項記載の杭孔内への既製杭の埋設方
    法。
  6. 【請求項6】 既製杭を、1つ又は複数の突起を形成し
    た下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置
    する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した
    上部軸部を一体に形成して構成し、前記既製杭を、その
    下部軸部の最上に位置する突起が、杭穴の拡大球根部内
    に位置するように埋設したことを特徴とする請求項1記
    載の杭孔内への既製杭の埋設方法。
  7. 【請求項7】 既製杭を、1つ又は複数の突起を形成し
    た下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置
    する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した
    上部軸部を一体に形成して構成し、前記既製杭を、その
    下部軸部の最上に位置する突起が、杭穴内の根固め用セ
    メントミルクが注入された区間内に位置するように埋設
    したことを特徴とする請求項2記載の杭孔内への既製杭
    の埋設方法。
  8. 【請求項8】 既製杭を下杭とその上方に位置する1つ
    又は複数の上杭とから構成し、前記下杭は、1つ又は複
    数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部
    軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部よ
    り大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、前
    記上杭は、前記上部軸部の外径と略同径の外径で形成し
    たことを特徴とする請求項6又は7記載の杭孔内への既
    製杭の埋設方法。
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