JP4572284B2 - 既製杭の埋設方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
既製杭を用いた杭基礎構造の施工方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来より既製杭基礎構造としては、一般に建造物荷重や地質等を勘案して、コンクリート製の単一または複数が連結された継ぎ杭、鋼管杭、あるいは異種杭を複数連結した継ぎ杭を、所定の深さまで埋設し上部建造物を支える杭基礎構造が採用されている。
【0003】
例えば、中・低層建造物において支持力が良くない地盤の場合、鉛直支持力強化のために、周辺摩擦力の優れた既製杭の節杭が利用されることが多い。
【0004】
この節杭の従来工法としては、先ず所定の節杭10に見合った杭孔14を掘削し(図9(a))、その後に、杭孔の底部にセメントミルクを注入してセメントミルク層20を形成する(図9(c))。この際セメントミルク層20の上部に泥土、泥水からなる泥土層21が介在しており、この泥土層21は、施工現場によっては、地層表面22まで充填されていたり、また水分が少なく泥土のみの構成となる場合もある。
【0005】
続いて、杭の下端部12a、上端部12bを閉鎖した節杭10(図9(b))を沈設し、杭孔14のほぼ底部まで節杭10の下端部12aを到達させ、液状のセメントミルクを節杭10の外周と杭孔14の内壁との間に押し上げ、セメントミルク層20の上方に位置する泥土層21の泥土、泥水を大量に地上に排出していた。そして、少なくとも下層の節杭の周部と杭孔内壁との間隙にセメントミルクと土泥が偏在した状態で節杭10が埋設され基礎24が構築されている(図10(a))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来工法では、節杭10の外周部の摩擦力を強化するのが狙いでありながら、以下の問題点があった。
【0007】
杭孔14に節杭10を沈設する時、泥土は充填したセメントミルクによって置換・押し上げられてそれ上方に位置しており、節杭10は、この泥水又は泥土の中を通過して押し入れ・沈設されるため、節11、11間、節11下部、更に中空部が開放されている場合には杭中空部13に、土泥や泥塊などが付着し、節杭10はその状態のままセメントミルク層20中に貫入されている。セメントミルク固化時に、節杭10の下部や節11、節11周辺部の表面に土泥が付着した状態で固化し土泥膜23が形成されている(図10(b))。
【0008】
そのため、節杭10の表面にセメントミルクが付着していない部分があるので、セメントミルクが固化した節杭10埋設後の支持力の発現時に、節杭10の初期沈降が大きくなり、且つ、杭基礎24として全体の支持力が不安定となる問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明では、ほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成した杭孔内に、中空部を開放した既製杭を下降したので、該杭の内外の所要全表面に土泥を付着させることなく押入下降して埋設でき、前記問題点を解決した。
【0010】
即ちこの発明は、杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し
前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内にほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙及び杭孔底部にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
【0011】
また、他の発明は、杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し
前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内のほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、中空部を上下に開放した既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙、杭孔底部及び前記既製杭の中空部内にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
【0012】
また、他の発明は、杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内にほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、上下端部を閉鎖した中空部を有する既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙及び杭孔底部にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
【0013】
また、他の発明は、杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内にほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、下端部を閉鎖した中空部を有する既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙及び杭孔底部にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法である。
【0014】
また、前記において、既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成したことを特徴とする杭孔内への既製杭の埋設方法である。更に、既製杭を下杭とその上方に位置する1つ又は複数の上杭とから構成し、前記下杭は、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、前記上杭は、前記上部軸部の外径と略同径の外径で形成したことを特徴とする杭孔内への既製杭の埋設方法である。
【0015】
前記におけるソイルセメントとは、例えば軸部径300mm・節部径450mmの杭の場合に、セメント量45kg、水45リットルで、練り上がり量0.05393m 程度(深さ1m当たり)、圧縮強度75kg/cm のセメントミルクを注入し、掘削土等と混合してソイルセメントとして形成する。いかなる配合とするかは、杭基礎全体の所要強度、周辺地盤の強度、既製杭の強度などにより決定される。
【0016】
また、前記における既製杭としては、節杭(異形摩擦杭)一本又は複数の連結、円筒杭の一本又は複数の連結、あるいは、節杭と円筒杭との継ぎ杭その他の異種の継ぎ杭等として、構成することもできる。
【0017】
また、前記における異形摩擦杭とは、外面に突起を有する杭で、例えばいわゆる節杭の他その形状は任意である(図2〜図7)。
【0018】
例えば、環状の突起30、30を所定間隔で設けた既製杭1で、環状突起30、30は異なる間隔(図2(a))、又は異なる径の環状突起30、30a、30bとすることもできる(図2(b)(c))。また、環状突起30は軸部と一体成形の他、部分リング状の部材31、31を着脱自在に取り付けて構成した既製杭1とすることもできる(図3(a)(b))。
【0019】
また、環状突起の一部に切り欠き32、32を形成して、放射状の突起33、33を設けた形状の既製杭1とすることもできる(図4(a)(b))。また、切り欠き32の位置を上下で位相を違えて突起33、33を設けた既製杭1とすることもできる(図5(a)(b)(c))。
【0020】
また、突起34を縦に配置した板状として、放射状に配置して既製杭1を形成することもできる(図6(a)(b))。
【0021】
また、上部軸部37の外径を下部軸部36より大径として、下部軸部36に環状突起38を形成して、予め杭孔内に充填するソイルセメントとの付着面積を増大させることもできる(図7(a))。この場合、更に上部軸部37にも環状突起41を形成することもできる(図7(b))。
【0022】
また、前記における「杭孔のほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し」とは、杭孔の底部から杭孔口付近までソイルセメント層を形成することが望ましいが、構築現場の状況などに応じて、適宜杭孔口より下方位置までとすることも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
所定寸法の円筒状の杭孔を掘削後に、セメントミルク等を注入し、引き続き掘削ロッドまたは掘削ヘッド等により撹拌し、ほぼ杭全長にわたり所望のソイルセメントが充填され、その後、杭の下端部及び上端部を開放した所定の杭を沈設し、杭の下端部、外周部、中空部等全表面に、土泥層が形成されずに所定のソイルセメント層が形成される。
【0024】
また、下端部及び上端部を閉鎖した杭を同様に沈設した場合においても、杭の下端部及び外周部等外部表面に土泥層が形成されずに所定のソイルセメント層が形成される。
【0025】
【実施例1】
図1に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0026】
埋設予定の節杭(既製杭)1は、所定高さ毎に節2、2が設けられ、中空部3が上下に開放された構造になっている(図1(a))。
【0027】
節杭1の節2の外径より大径の円筒状の杭孔5を掘削する。杭孔5内は掘削土又は泥水で満たされている。次に、杭孔5内にセメントミルクを注入し、引き続き掘削ロッド及び掘削ヘッド等(図示していない)により掘削土と撹拌混合し、杭孔5のほぼ全長にわたり圧縮強度10〜15kg/cm 程度のソイルセメント7層を形成する(図1(b))。
【0028】
次に、節杭1を杭孔5内に下降させ、節杭1の下端から中空部3内にソイルセメント7が入り込みながら節杭1は所定探さまで埋設させる。ソイルセメント7が固化後、杭孔5内における節杭1の外周部と杭孔内壁6との間隙、杭孔5の底部、また節杭1の中空部3にソイルセメント7が充填された杭基礎8を構築する(図1(c))。
【0029】
この際、節杭1の下端部及びその周辺部の表面は、ソイルセメント7に浸かりながら下降するので、該表面が土泥に接触することがほとんどないために、埋設した節杭1の該表面に土泥が固着状態で残ることはない。また、節杭1の中空部3と外周部にソイルセメントを充填しており、埋設後に有害な影響を与える初期沈下の防止の他に、更に、節杭1自体も補強しているために水平支持力も強化されている。
【0030】
前記において、施工条件等の理由により、節杭1の沈設前の杭孔5内に若干の泥水帯が介在する場合であっても、杭孔5内のほぼ全体にソイルセメント層が形成されている為、特に影響は無いが、更に確実に泥水膜を除去するためには、節杭1を回転しながら降下することにより、節杭1の表面に付着した土泥をソイルセメント内に飛散させることができる。また、節杭1を回転させることにより、節杭1の下端部等に点在する気泡をも消滅させるので、杭基礎8の品質を高めることができる。
【0031】
前記実施例においては、中空部3を開放した節杭1を利用したので、水平支持力の向上に有効であるが、この発明を、上、下端部を閉鎖した節杭に適用しても、杭の外周部および杭の下端部の表面に、土泥層が形成されないでソイルセメント充填されるので、従来工法に比べ初期沈下防止および鉛直支持力の安定化等に関し同様に品質を高めることができる。
【0032】
また、前記実施例において、節杭1を使用したので、この発明の効果が最も顕著に現れるが、既製杭であれば、中空部の有無を問わず、また円筒杭、鋼管杭など従来使用されている既製杭の単独または複数の組合せで使用することもできる(図示していない)。
【0033】
【実施例2】
図7、8に基づきこの発明の他の実施例を説明する。この実施例では、軸部の外径が上下位置で異なる他の既製杭35を使用する。
【0034】
既製杭35は、下部軸部36が、外径400mm、軸部肉厚65mmで形成され、前記下部軸部36の下端部及び中間部に、外径550mmの環状突起38、環状突起38a(最上に位置する突起)が2つ形成されている。また、下部軸部36の最上の環状突起38aに連続して、前記下部軸部36より大径の上部軸部37(外径500mm、軸部肉厚115mm)が形成されている(図7(a))。前記既製杭36は、実施例1と同様に、中空部40が上下に開放された構造となっている。
【0035】
続いて、径580mm(前記既製杭35の環状突起38等の外径550mmより大径)で、杭孔5を掘削する。杭孔5内は掘削土又は泥水で満たされている。
次に、実施例1と同様に、杭孔5内にセメントミルクを注入し、引き続き掘削ロッド及び掘削ヘッド等(図示していない)により掘削土と撹拌混合し、杭孔5のほぼ全長にわたり圧縮強度10〜15kg/cm 程度のソイルセメント7層を形成する(図1(b))。
【0036】
次に、既製杭35を杭孔5内に下降させ、既製杭35の下端から中空部3内にソイルセメント7が入り込みながら既製杭35は所定探さまで埋設させる。
【0037】
ここで、既製杭35の下端面39が、杭孔5の底部5aから高さH (=500mm)に位置するように埋設する。また、十分な支持力が得られない支持層であっても、既製杭の先端付近での摩擦力を確保するため、下部軸部36外面から環状突起38の先端(外周縁)まで、ある程度の高さ(ここでは、75mm)を確保する。
【0038】
ソイルセメント7が固化後、杭孔5内における既製杭35の外周部と杭孔内壁6との間隙、杭孔5の底部5a、また既製杭35の中空部3にソイルセメント7が充填された杭基礎8を構築する(図8(a))。
【0039】
このように構築された杭基礎8は、前記実施例1と同様に、既製杭35の下端部及びその周辺部の表面は、ソイルセメント7に浸かりながら下降するので、該表面が土泥に接触することがほとんどないために、埋設した既製杭35の該表面に土泥が固着状態で残ることはない。また、既製杭35の中空部40と外周部にソイルセメントを充填しており、埋設後に有害な影響を与える初期沈下の防止ができる。更に、杭孔5のソイルセメント層7内のほば全長に亘って、下部軸部36よりも大径の上部軸部37が埋設されることにより、ソイルセメントとの付着面積が増大する。
【0040】
例えば、比較用既製杭として、上部軸部37の外径を下部軸部36と同一の軸部外径400mm、軸部肉厚65mmで、下端部及び中間部に環状突起38、38(外径550mm)を2つ有する既製杭を形成する。この比較用既製杭を上記と同じ掘削径(杭孔5の外径580mm)の杭孔5に埋設した場合を比べると、前記既製杭35では、比較用既製杭に比べて約1.2倍の付着面積が得られ、水平支持力の向上と安定性が強化される。
【0041】
前記実施例において、必要に応じて上部軸部37にも、下部軸部36の環状突起38と略同径の環状突起41を設けて既製杭35とすることもできる(図7(b)。この場合も前記同様に、杭孔5のソイルセメント層7内に埋設すれば、さらに付着面積が増大し、上部軸部37の環状突起41による摩擦力が付与される(図8(b))。
【0042】
また、前記実施例において、既製杭35は、上部軸部37の下端部37a位置(最上に位置する環状突起38aの位置)を、既製杭35の底39からH(ここでは、H=1,500mm)の高さとして、既製杭35の下端部に位置させて形成したが(図7(a)(b))、H を長く形成して、上部軸部37の下端部37a位置を既製杭35の中間部あるいは上部に位置させるように、既製杭35を形成することもできる(図示していない)。
【0043】
また、前記実施例において、既製杭を単杭としたが、複数の既製杭を連結する連結杭構造とすることもできる。この場合には、下部軸部36と該下部軸部36より大径の上部軸部37を有し、少なくとも下部軸部36に環状突起38を形成した既製杭35を下杭として使用し、その上部に上杭として他の既製杭42(図7(a)(b)鎖線図示42)の1つ又は複数本を連結して、既製杭とする(図示していない)。この場合、既製杭42は、上部軸部37の外径と略同径で、下杭と連結できれば、PHC杭、PRC杭、SC杭、節杭、鋼管杭等その種類は問わない。連結杭構造とすることによって、長尺杭となった場合であっても、杭孔1の全長に亘って連結杭との付着面積を増大させることができる(図示していない)。
【0044】
上記のような既製杭35を使用して、杭孔5のほぼ全長に亘って、ソイルセメント7との付着面積を増大させること及びその付着性を改善したことにより、杭周面支持力を向上・安定させ、基礎杭構造全体としての鉛直支持力及び引抜力を従来比約1.2倍に強化できる。
【0045】
また、上部軸部36を下部軸部37より大径に形成して杭孔5の全長に亘っ、ソイルセメント7との付着面積を増大したこと及びその付着性を改善したことによって、従来比約2倍の曲げモーメント力が得られ、地震等の過大な曲げモーメントが作用した際にも十分に耐え得ることができる。
【0046】
尚、この実施例で、ソイルセメント7との付着を増すために、環状突起38の外径を拡大しないのは、杭孔5の外径をさらに大きい径で掘削しないためである。また、ソイルセメント7との付着を増すために、下部軸部36の外径を拡大せず、上部軸部37のみを大径としたのは、最も支持力の発現が期待される杭孔5の下端部付近での環状突起38、38における摩擦力を確保しつつ、かつ付着力の拡大を図ったためである。既製杭35の全長に亘って軸部を大径とした場合には、軸部表面から環状突起38の先端までの高さが、杭全長に亘って低くなってしまい、摩擦力の低下を招くことになる。
【0047】
【発明の効果】
節杭などの中空部を有する上、下端部が開放された既製杭の埋設施工において、特に施工後、支持力発現時における大幅な初期沈下(1〜2mm)を改善でき、鉛直支持力を安定させることに顕著な効果がある。
【0048】
また、中空部を開放した既製杭では、既製杭の中空部、外周部において固化したソイルセメント体との複合体として構成される。即ち、既製杭の中空部に(節杭の場合は節部にも)ソイルセメントが充填・一体化されているので、既製杭の水平支持力に関しても既製杭自身の設計上の曲げモーメント値に対し、実測値としては約1.5倍の値が得られる効果がある。従って、杭基礎の耐震性能の向上も同様に期待できる。
【0049】
また、中空部を開放した既製杭を使用した場合には、その杭下端部が従来のように閉鎖されず、開放されており、既製杭の沈設時に既製杭の中空部に、掘削泥土をソイルセメントとして取り入れることができ、掘削泥土を有効利用できる。
従って、既製杭の沈設時に、杭孔の上面から溢れるソイルセメントが少なくでき、溢れるソイルセメントを廃棄する量を少なくでき経済的な工法とすることができる。
【0050】
また、既製杭として、上、下端部が閉鎖された杭や従来の他の既製杭を、同様に使用されても、初期沈下防止および鉛直支持力の安定化の効果には変わりがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施例で、(a)は既製杭の正面図、(b)は杭孔の縦断面図、(c)は杭孔内に既製杭を埋設した後の杭基礎の縦断面図である。
【図2】この発明の実施例に使用する異形摩擦杭で、(a)は環状突起を異なる間隔で設けた杭の正面図、(b)は異なる径の環状突起とした杭の正面図、(c)は同じく平面図である。
【図3】同じく異形摩擦杭で、(a)は環状突起を着脱可能とした杭の平面図、(b)は正面図である。
【図4】同じく異形摩擦杭で、(a)は放射状の突起とした杭の正面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
【図5】同じく異形摩擦杭で、(a)は放射状の突起を位相を違えて設けた杭の正面図、(b)は(a)のB−B線における断面図、(c)は(a)のC−C線における断面図である。
【図6】同じく異形摩擦杭で、(a)は板状の突起を放射状に設けた杭の正面図、(b)は(a)のD−D線における断面図である。
【図7】(a)(b)は、この発明の実施例2に使用する他の既製杭である。
【図8】(a)(b)は、実施例2で、既製杭を埋設した実施例1の杭孔の縦断面図である。
【図9】従来例で、(a)は杭孔の縦断面図、(b)は既製杭の正面図、(c)はセメントミルク層を形成した杭孔の縦断面図である。
【図10】同じく従来例で、(a)は杭孔内に既製杭を埋設した後の杭基礎の縦断面図で、(b)は埋設後の既製杭の一部拡大正面図である。
【符号の説明】
1 節杭(既製杭)
2 節杭の節
3 節杭の中空部
5 杭孔
6 杭孔の内壁
7 ソイルセメント層
8 杭基礎
10 節杭(既製杭。従来例)
11 節杭の節(従来例)
12a 節杭の下端部(従来例)
12b 節杭の上端部(従来例)
13 節杭の中空部(従来例)
20 セメントミルク層(従来例)
21 泥土層(従来例)
23 泥土膜(従来例)
30 環状突起
33 放射状の突起
34 放射状の突起
35 既製杭
36 下部軸部
37 上部軸部
38 下部軸部の環状突起
38a 下部軸部の最上に位置する環状突起
39 既製杭の下端
40 既製杭の中空部
41 上部軸部の環状突起
42 既製杭(上杭)

Claims (6)

  1. 杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、
    前記既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、
    前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内にほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙及び杭孔底部にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
  2. 杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、
    前記既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、
    前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内のほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、中空部を上下に開放した既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙、杭孔底部及び前記既製杭の中空部内にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
  3. 杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内にほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、上下端部を閉鎖した中空部を有する既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙及び杭孔底部にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
  4. 既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成したことを特徴とする請求項3記載の杭孔内への既製杭の埋設方法。
  5. 杭孔内に既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、前記既製杭の最大外径より大径の円筒状の杭孔を掘削し、該杭孔内にほぼ全深さに亘りソイルセメント層を形成し、続いて前記杭孔内に、下端部を閉鎖した中空部を有する既製杭を、必要ならば回転しながら、下降し、前記既製杭と前記杭孔の内壁との間隙及び杭孔底部にソイルセメントを充填した状態で、前記杭孔内に既製杭を埋設することを特徴とした既製杭の埋設方法。
  6. 既製杭を下杭とその上方に位置する1つ又は複数の上杭とから構成し、前記下杭は、1つ又は複数の突起を形成した下部軸部の上部であって、前記下部軸部の最上に位置する突起に連続して、前記下部軸部より大径に形成した上部軸部を一体に形成して構成し、前記上杭は、前記上部軸部の外径と略同径の外径で形成したことを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の杭孔内への既製杭の埋設方法。
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