JP2002322644A - 埋め込み杭およびその施工方法 - Google Patents

埋め込み杭およびその施工方法

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JP2002322644A
JP2002322644A JP2001131254A JP2001131254A JP2002322644A JP 2002322644 A JP2002322644 A JP 2002322644A JP 2001131254 A JP2001131254 A JP 2001131254A JP 2001131254 A JP2001131254 A JP 2001131254A JP 2002322644 A JP2002322644 A JP 2002322644A
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Hiroshi Matsubara
央 松原
Makoto Ikeda
真 池田
Hiromasa Tanaka
宏征 田中
Yukito Yoshizawa
幸仁 吉澤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼管内部を確実に閉塞して杭先端付近の地盤
に荷重を伝達することができ、かつ粘性土が有孔底盤と
先端鋼管の隅角部に付着しない埋め込み杭の構造および
その施工方法を提供する 【解決手段】 埋め込み杭を構成する部材として、鋼管
杭等からなる杭一般部1の先端に有孔底盤2を固着した
部材と先端円筒管3の二つの部材を用いる。この二つの
部材を、掘削孔のソイルセメントなどの杭周固定材4の
中に、有孔底盤2が先端円筒管3の上端と下端の間に位
置するよう配置する。有孔底盤2と先端円筒管3で囲ま
れた部分を、コンクリートあるいはモルタルなどの根固
め材5で満たすことで、先端が閉塞され先端円筒管3の
径に相当する支持力を有する埋め込み杭とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、中空の既製杭の
杭先端部が根固め材によって根固めされている埋め込み
杭の構造とその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】杭の施工技術としては、大きく分けて、
打撃工法、場所打ちコンクリート杭工法、埋め込み杭工
法等があるが、市街地等では周辺環境への配慮から低騒
音・低振動で施工可能な埋め込み杭工法を用いる場合が
多い。埋め込み杭工法には、さらに先掘り工法、中掘り
工法、回転圧入工法等がある。
【0003】先掘り工法は掘削機で地中に掘削孔を掘削
した後に既製杭を圧入する工法であり、中掘り工法は掘
削ロッドを既製杭の内部に挿入して掘削しながら杭を建
て込んで行く工法、回転圧入工法は杭をスクリュー状に
形成するなどして杭を回転させて推進力を得つつ地中に
圧入する工法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの埋め込み杭の
支持機構のうち、杭先端付近の地盤の支持力に関して
は、中空の筒状杭を用いる場合でも杭体自身の先端面の
実面積ではなく、杭の先端を閉塞させて密実断面として
支持地盤への荷重伝達を図るのが一般的である。
【0005】しかし、一般に根固め材の強度に対して、
根固め材と杭先端の内周面の付着面積は小さく、かつ、
杭体と根固め材の付着強度は、根固め材の圧縮強度の高
々数パーセントの付着強度しか期待できない。特に、鋼
管杭などの杭径が大径化すると杭先端面の面積に対して
根固め材との付着面積が小さいので先端閉塞がさらに困
難になる。
【0006】したがって、杭先端を確実に閉塞し、杭か
らの荷重伝達を確保するためには、根固め球根の強度を
非常に高いものにするか、または杭体内に多量の根固め
材を充填して付着長を長くすることが必要になり、コス
トアップにつながる。
【0007】また、先掘り工法では、地盤を掘削した後
に杭を建て込むため、先端を閉塞した既製杭を建て込む
ことにより、確実に杭先端を閉塞させて支持地盤や根固
め材に荷重を伝達させることが可能である。
【0008】しかし、掘削孔内に満たされた孔壁安定液
や地下水によって浮力が作用するため、先端閉塞の状態
で圧入するには、多大な労力が必要であり、杭を所定の
位置に着座させることが困難な場合がある。
【0009】そこで、これらの課題に対し、特公平5−
83684号公報に記載されたように、杭先端部の内周
面に突条を設けることにより鋼管杭と先端部のソイルセ
メントの付着強度を高める方法があるが、確実に閉塞す
るには突条の数を多くしたり、 突条の高さを高くする必
要がある。
【0010】しかし、突条の数を多くするとコストが高
くなり、また、突条の高さを高くすると掘削中に粘性度
の高い土塊やスライムが内周面の突条に付着して十分な
付着強度が取れない可能性がある。
【0011】それに対して、特公昭53−23003号
公報や実開平4−73033号公報にあるように、鋼管
内に閉塞板を設置することで、先端閉塞を確実にする方
法がある。しかし、この方法では、 施工中に閉塞板と鋼
管の隅角部に粘性土が付着し、閉塞板直下を根固めする
のが困難になり、先端閉塞を妨げることがある。
【0012】また、本件出願人は、特開2001−59
219号公報にあるように、杭一般部先端の軸力が、先
端に固着された有孔底盤から、先端鋼管により側方拘束
されている根固め材に伝達されることで、鋼管内部を閉
塞した密実断面として杭先端付近の地盤に荷重を伝達す
ることができる杭構造を提案している。
【0013】しかし、この方法でも、掘削中に、有孔底
盤と先端鋼管の隅角部に粘性度の高い土塊やスライムが
付着することが考えられる。特に、有孔底盤の内径を杭
一般部より小さくして、杭一般部の内径方向に突出する
ようにした場合、有孔底盤によって粘性土が上昇を阻害
され、先端鋼管内に粘性土が溜まるといったことも考え
られる。
【0014】本願発明は、上述のような背景のもとに発
明されたものであり、杭先端部内部を確実に閉塞して杭
先端付近の地盤に荷重を伝達することができ、かつ粘性
土が有孔底盤と先端鋼管などの拡径部の隅角部に付着し
ない埋め込み杭の構造およびその施工方法を提供するこ
とを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、杭先端部が根固め材によって根固めされている埋
め込み杭において、中空の杭一般部と、前記杭一般部の
先端に固着された杭一般部の外径より大きい外径と杭一
般部の内径以下の孔部を有する有孔底盤と、前記有孔底
盤の外径より大きい内径を有する先端円筒管とを備え、
前記有孔底盤が前記先端円筒管の上端と下端との間に前
記先端円筒管とは直接固着されることなく配置されてお
り、前記有孔底盤と前記先端円筒管で囲まれた部分が前
記根固め材で満たされていることを特徴とするものであ
る。
【0016】有孔底盤と先端円筒管が溶接等で固着され
ている場合、建込み時に先端円筒管の内部に入ってくる
掘削土砂などによる抵抗が大きくなる他、有孔底盤と先
端円筒管との間の隅角部に粘性土等が付着する恐れがあ
る。
【0017】これに対し、本願発明では、有孔底盤と先
端円筒管とは固着されていないため、例えば地盤中に杭
一般部と先端円筒管を建て込んで行く際に、有孔底盤と
先端円筒管の下端を当接させるなどして(必ずしも当接
させる必要はない)、これらの高さをほぼ一致させた状
態で建て込み、その後、有孔底盤と先端円筒管の上端を
当接させるなどして(必ずしも当接させる必要はな
い)、有孔底盤と先端円筒管で囲まれた部分を形成さ
せ、その部分をコンクリート、モルタル、あるいは富配
合のソイルセメントなどの根固め材で充満させることが
できる。
【0018】この場合、建て込み、あるいは掘削中(特
に、中掘り工法の場合)に、有孔底盤と先端円筒管との
間に隅角部ができないため、あるいはできても小さいた
め、隅角部における粘性土等の付着がない。
【0019】また、建込み終了時には有孔底盤の下部に
おいて先端円筒管内が根固め材で満たされていること
で、先端円筒管の面積分の閉塞した密実断面として、杭
先端付近の地盤に荷重を伝達することができる。
【0020】すなわち、有孔底盤と先端円筒管が溶接等
で固着されていなくても、掘削終了時に有孔底盤の下部
に先端円筒管を有すれば、固化した根固め材は有孔底盤
から支圧力を受けるとともに、先端円筒管部による側方
拘束力を受け、いわゆる3軸応力状態にあり1軸圧縮強
度に比べ数倍の支圧強度を発揮し、先端閉塞を確実にす
ることができる。
【0021】また、有孔底盤と先端円筒管の径を施工性
に支障を与えない範囲で大きくすることにより、先端支
持力の増大が図れる。
【0022】請求項2は、請求項1に係る埋め込み杭に
おいて、前記先端円筒管の下部に、該先端円筒管の径方
向内側に延び、施工時における前記有孔底盤の下方への
抜け出しを阻止するストッパーが設けられている場合を
限定したものである。
【0023】このストッパーは、有孔底盤が一体化され
た杭一般部と先端円筒管が地盤中に建て込まれる際に機
能するものであり、先端円筒管の下端から有孔底盤が下
方へ抜け出し、先端円筒管を残して杭一般部のみが地盤
中に貫入されていくのを防止することができる。
【0024】このストッパーの形状は、先端円筒管の下
端または下部から径方向内側に突出するフランジ状のも
の、複数の突起からなるものなど、有孔底盤の抜け出し
を阻止できるものであれば特に限定されない。
【0025】請求項3は、請求項1または2に係る埋め
込み杭において、前記先端円筒管の上部に、該先端円筒
管の径方向内側に延び、施工時における前記有孔底盤の
上方への抜け出しを阻止するストッパーが設けられてい
る場合を限定したものである。
【0026】このストッパーは先端円筒管について、請
求項2におけるストッパーと逆側に位置するものであ
り、所定深さまでの建込みが完了し、有孔底盤の下方に
先端円筒管で囲まれる部分が形成されるような位置関係
とするに当たり、有孔底盤が先端円筒管の上端部から抜
け出し、先端円筒管と完全に切り離されてしまうのを防
止する機能を有する。
【0027】この請求項3のストッパーの形状も、有孔
底盤の抜け出しを阻止できるものであれば特に限定され
ない。
【0028】なお、有孔底盤を備えた杭一般部と先端円
筒管の位置関係については、後述する請求項5に係る施
工方法のように、所定の深さで杭一般部の建て込みを完
了させた後、先端円筒管を降下させる場合や、請求項6
に係る施工方法のように先端円筒管の設置深さまで建て
込んだ後、杭一般部を所定高さ引き上げる場合等が考え
られる。
【0029】請求項4は、請求項1、2または3に係る
埋め込み杭において、前記有孔底盤の孔部の径が杭一般
部の内径より小さい場合を限定したものである。
【0030】有孔底盤の内径が杭一般部より小さく、杭
一般部の内径方向に突出するようにすれば、その突出部
にも根固め材からの支圧反力が作用することで、有孔底
盤の剛性の低減が可能となり、より薄い材料で有孔底盤
を製作することができる。
【0031】本願の請求項5に係る発明は、請求項1、
2、3または4記載の埋め込み杭の施工方法であって、
前記杭一般部と前記先端円筒管を地盤中に建て込む際に
は、前記有孔底盤と前記先端円筒管の下端の高さをほぼ
一致させた状態で建て込み、前記杭一般部を所定の深さ
まで建て込んだ後、前記先端円筒管を降下させ、前記有
孔底盤と前記先端円筒管で囲まれた部分に前記根固め材
を充満させることを特徴とするものである。
【0032】有孔底盤と先端円筒管の下端の高さをほぼ
一致させた状態で建て込むための方法としては、請求項
2のように、先端円筒管の下部にストッパーを設け、有
孔底盤が先端円筒管の下方への抜け出さないようにして
杭一般部と先端円筒管を同時に建て込む方法があるが、
これに限定されるものではなく、バネあるいは可撓性の
紐状体で連結したり、建て込み時だけ機能する仮止め機
構を利用するといったことも可能である。
【0033】本願の請求項6に係る発明は、請求項1、
2、3または4記載の埋め込み杭の施工方法であって、
前記杭一般部と前記先端円筒管を地盤中に建て込む際に
は、前記有孔底盤と前記先端円筒管の下端の高さをほぼ
一致させた状態で前記先端円筒管の設置深さまで建て込
んだ後、前記先端円筒管を残して、前記杭一般部を所定
高さ引き上げ、前記有孔底盤と前記先端円筒管で囲まれ
た部分に前記根固め材を充満させることを特徴とするも
のである。
【0034】建て込み時の杭一般部と先端円筒管との関
係は、請求項5の場合と同様に考えることができる。こ
の場合、杭一般部を余分に押し込む必要があるが、先端
円筒管の位置決めが容易となる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本願の請求項1に係る埋
め込み杭の一実施形態を示したものである。図1(b) は
埋め込み杭として建て込まれる部材を示したもので、鋼
管杭等からなる杭一般部1の先端に杭一般部1の内径に
等しい径の孔部を有する有孔底盤2を固着した部材と先
端円筒管3の二つの部材からなる。
【0036】この二つの部材を、掘削孔のソイルセメン
トなどの杭周固定材4の中に、有孔底盤2が先端円筒管
3の上端と下端の間に位置するよう配置し、有孔底盤2
と先端円筒管3で囲まれた部分が根固め材5で満たされ
るように掘削孔内に設置することで埋め込み杭が形成さ
れる。
【0037】なお、根固め材5としては、コンクリー
ト、モルタル、あるいは富配合のソイルセメントなどが
用いられる。
【0038】図2は、上述の図1の埋め込み杭を、本願
の請求項5に係る埋め込み杭の施工方法によって施工す
る場合の施工手順を示したものである。
【0039】まず、有孔底盤2を先端にして掘削を行い
(図2(a) 参照)、 所定の位置まで掘削が終了した後
(図2(b) 参照)、先端円筒管3の下端を有孔底盤2よ
り下に押し下げ、根固めを行う(図2(c) 参照)。
【0040】図3は、本願の請求項2〜4に係る埋め込
み杭の一実施形態を示したものである。図3(b) は埋め
込み杭として建て込まれる部材を示したもので、図1の
実施形態との違いは、先端円筒管3の上下端にそれぞれ
内向きフランジ状のストッパー6,7が設けられている
こと(請求項2、3に対応)と、有孔底盤2の孔部の径
が杭一般部1の内径より小さいこと(請求項4に対応)
である。
【0041】先端円筒管3に設置された下側のストッパ
ー7は、施工時、これらの部材を掘削孔に建て込む際
に、有孔底盤2が先端円筒管3の下端から抜け出さない
ようにするためのものである。また、上側のストッパー
6は、最終的に杭一般部1と先端円筒管3の高さが固定
される際に、有孔底盤2が先端円筒管3の上端から抜け
出さないようにするためのものである。
【0042】これらを、有孔底盤2が先端円筒管3の上
端と下端の間に位置するよう配置し、有孔底盤2と先端
円筒管3で囲まれた部分が根固め材5で満たされるよう
に掘削孔内に設置することで埋め込み杭が形成される。
【0043】図4は、本願発明における有孔底盤2と先
端円筒管3による根固め材5の拘束効果の説明図であ
り、施工完了状態において有孔底盤2の下部に先端円筒
管3を有することで、固化した根固め材5は有孔底盤2
から支圧力を受けるとともに、先端円筒管部3による側
方拘束力を受け、いわゆる3軸応力状態にあり1軸圧縮
強度に比べ数倍の支圧強度を発揮し、先端閉塞を確実に
する。
【0044】この場合、図4(b) のように、有孔底盤2
の内径を杭一般部1の内径より小さくし、杭一般部1の
内径方向に突出するようにすれば、この突出部にも根固
め材5から支圧反力が作用するため、有孔底盤2の剛性
の低減が可能になり、より薄い材料で有孔底盤を製作す
ることができる。
【0045】図5は、上述の図3の埋め込み杭を、本願
の請求項5に係る埋め込み杭の施工方法によって施工す
る場合の施工手順を示したものである。
【0046】まず、有孔底盤2と先端円筒管3の下端の
ストッパー7の高さがほぼ一致した状態で掘削機8で中
掘り式に掘削を行い(図5(a) 参照)、所定の位置まで
掘削が終了した後、杭一般部1を固定する(図5(b) 参
照)。なお、この例では、掘削機8として、ロッドの先
端に掘削径の異なる3本の攪拌翼9a,9b,9cを備
えた掘削機8を用いている。
【0047】その後、掘削機8でさらに掘削を行ない、
中間の攪拌翼9bと先端円筒管3の下端のストッパー7
を当接させて、先端円筒管3を所定の深さまで押し下げ
(図5(b) 〜(c) 参照)、その後、攪拌翼9b,9cを
縮径し(図5(d) 参照)、掘削機8のロッドを引き上げ
る(図5(e) 参照)。
【0048】なお、本実施形態における掘削機8は、先
端円筒管3を所定の深さまで押し下げることで、内径方
向に突出するようにした有孔底盤2と上部の攪拌翼9a
が当接し、攪拌翼9aがロッドに対して上方に押し上げ
られることで、 攪拌翼9aと攪拌翼9b,9cの距離が
広がり、 攪拌翼9aと攪拌翼9b,9cのストッパー
(図示せず)が外れ、縮径する構造になっている。
【0049】その後、有孔底盤2と先端円筒管3の上端
のストッパー6が当接した状態で根固めを行う。
【0050】図6は、本願の請求項2〜4に係る埋め込
み杭の他の実施形態を示したものである。本実施形態で
は、先端円筒管3として上下にストッパー6,7を有す
るものを用い、上側のストッパー6の下面と有孔底盤2
の上面とをバネ11で連結してある。
【0051】常時は先端円筒管3が有孔底盤2の下方に
下がった状態になっているが、建て込み時は先端円筒管
3の下端のストッパー7が掘削土砂の抵抗を受け、バネ
11が伸びることで上方へ移動し、先端円筒管3の下部
と有孔底盤2がほぼ同じ高さで建込みが行われる。
【0052】所定の深さまで建て込み、杭一般部1の高
さを固定した後、バネ11がもとの長さに縮むことと先
端円筒管3の自重により先端円筒管3に下向きの力が作
用し、先端円筒管3の押し込みがスムーズとなる。
【0053】図7は、本願の請求項6に係る埋め込み杭
の施工方法の一実施形態における施工手順を示したもの
である。
【0054】杭一般部1と先端円筒管3を建て込む際、
有孔底盤2と先端円筒管3の下端の高さをほぼ一致させ
た状態で建て込むことは、請求項5の施工方法と同様で
あるが、請求項6では杭一般部1も一旦、先端円筒管3
の設置深さまで建て込み(図7(a) 参照)、その後、掘
削機12の攪拌翼を折り畳んで引き上げ(図7(b) 参
照)、先端円筒管3を残して杭一般部1を所定高さ引き
上げることで、根固め材を充満させる空間を形成する
(図7(c) 参照)。
【0055】図8は、請求項6に係る埋め込み杭の施工
方法の他の実施形態を示したもので、本実施形態では、
杭一般部1の外周にストッパー13を設け、建て込みの
際、先端円筒管3の上端がストッパー13に当接するこ
とで、先端円筒管3が必要以上に上方へ移動しないよう
になっている(図8(a) 参照)。
【0056】この状態で、先端円筒管3の設置深さまで
建て込み、杭一般部1を引き上げる。その際、本実施形
態では先端円筒管3の外周面に突起14が設けられてい
ることで、大きな周面抵抗が得られ、先端円筒管3が杭
一般部とともに上方へ移動するのを防止することができ
る。
【0057】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明では、鋼管杭
などからなる杭一般部下部の有孔底盤と先端拡大部とし
ての先端円筒管とが固着されていないため、地盤中への
建て込みに際し、有孔底盤と先端円筒管との間の隅角部
に土砂、特に粘性土などが入り込み、付着するという問
題が解決される。
【0058】従って、有孔底盤と先端円筒管で囲まれる
部分に充満する根固め材を3軸圧縮状態で拘束し、確実
に閉塞して杭先端付近の地盤に荷重を確実に伝達するこ
とができる。
【0059】請求項2、請求項3に係る埋め込み杭で
は、先端円筒管の下端または上端にストッパーが設けら
れていることで、杭一般部と先端円筒管を同時に建て込
むことができ、また、先端円筒管内に粘性土などが溜ま
ったり、施工後に根固め材が拘束ができなくなるといっ
た恐れがない。
【0060】請求項4に係る埋め込み杭では有孔底盤が
杭一般部の内径方向にも突出するため、この部分にも根
固め材からの支圧反力が作用することで、有孔底盤の剛
性の低減が可能となり、より薄い材料で有孔底盤を製作
することができる。
【0061】本願の請求項5、請求項6に係る施工方法
は、請求項1〜4に係る埋め込み杭の施工方法を与える
ものであり、有孔底盤と先端円筒管の下端の高さをほぼ
一致させた状態で建て込むため、施工後に粘性土等が有
孔底盤と先端円筒管の隅角部に付着する恐れがなく、ま
た杭一般部と先端円筒管を同時に建て込むので施工性も
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の請求項1に係る埋め込み杭の一実施形
態を示したもので、(a) は鉛直断面図、(b) は埋め込み
杭を構成する有孔底盤付きの杭一般部と先端円筒管を分
けて示した斜視図である。
【図2】 本願の請求項5に係る埋め込み杭の施工方法
の一実施形態における施工手順を示す鉛直断面図であ
る。
【図3】 本願の請求項2〜4に係る埋め込み杭の一実
施形態を示したもので、(a) は鉛直断面図、(b) は埋め
込み杭を構成する有孔底盤付きの杭一般部と先端円筒管
を示す斜視図である。
【図4】 本願発明における有孔底盤と先端円筒管によ
る根固め材の拘束効果の説明図である。
【図5】 本願の請求項5に係る埋め込み杭の施工方法
の他の実施形態における施工手順を示す鉛直断面図であ
る。
【図6】 本願の請求項2〜4に係る埋め込み杭の他の
実施形態を示す鉛直断面図である。
【図7】 本願の請求項6に係る埋め込み杭の施工方法
の一実施形態における施工手順を示す鉛直断面図であ
る。
【図8】 本願の請求項6に係る埋め込み杭の施工方法
の他の実施形態における施工手順を示す鉛直断面図であ
る。
【符号の説明】
1…杭一般部、2…有孔底盤、3…先端円筒管、4…杭
周固定材、5…根固め材、6…ストッパー(上側)、7
…ストッパー(下側)、8…掘削機、9a,9b,9c
…攪拌翼、11…バネ、12…掘削機、13…ストッパ
ー、14…突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 宏征 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 吉澤 幸仁 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 2D041 AA02 BA12 BA13 CA03 DA13 DB02 FA02 FA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭先端部が根固め材によって根固めされ
    ている埋め込み杭において、中空の杭一般部と、前記杭
    一般部の先端に固着された杭一般部の外径より大きい外
    径と杭一般部の内径以下の孔部を有する有孔底盤と、前
    記有孔底盤の外径より大きい内径を有する先端円筒管と
    を備え、前記有孔底盤が前記先端円筒管の上端と下端と
    の間に前記先端円筒管とは直接固着されることなく配置
    されており、前記有孔底盤と前記先端円筒管で囲まれた
    部分が前記根固め材で満たされていることを特徴とする
    埋め込み杭。
  2. 【請求項2】 前記先端円筒管の下部に、該先端円筒管
    の径方向に突出し、施工時における前記先端円筒管の上
    方への移動を阻止するストッパーが設けられている請求
    項1記載の埋め込み杭。
  3. 【請求項3】 前記先端円筒管の上部に、該先端円筒管
    の径方向に突出し、施工時において前記先端円筒管の下
    方への抜け出しを阻止するストッパーが設けられている
    請求項1または2記載の埋め込み杭。
  4. 【請求項4】 前記有孔底盤の孔部の径が杭一般部の内
    径より小さい請求項1、2または3記載の埋め込み杭。
  5. 【請求項5】 前記杭一般部と前記先端円筒管を地盤中
    に建て込む際には、前記有孔底盤と前記先端円筒管の下
    端の高さをほぼ一致させた状態で建て込み、前記杭一般
    部を所定の深さまで建て込んだ後、前記先端円筒管を降
    下させ、前記有孔底盤と前記先端円筒管で囲まれた部分
    に前記根固め材を充満させる請求項1、2、3または4
    記載の埋め込み杭の施工方法。
  6. 【請求項6】 前記杭一般部と前記先端円筒管を地盤中
    に建て込む際には、前記有孔底盤と前記先端円筒管の下
    端の高さをほぼ一致させた状態で前記先端円筒管の設置
    深さまで建て込んだ後、前記先端円筒管を残して、前記
    杭一般部を所定高さ引き上げ、前記有孔底盤と前記先端
    円筒管で囲まれた部分に前記根固め材を充満させる請求
    項1、2、3または4記載の埋め込み杭の施工方法。
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