JP2020066875A - 基礎杭、基礎構造、構造物および基礎杭の施工方法 - Google Patents

基礎杭、基礎構造、構造物および基礎杭の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基礎杭の施工性を高めつつ、引き抜き抵抗をも高めた基礎杭、基礎構造、構造物および基礎杭の施工方法を提供する。【解決手段】地盤に貫入する基礎杭1が提供される。基礎杭1は、管状の内側杭本体2と、内側杭本体2の先端部に形成される根固め部3と、内側杭本体2よりも径が大きく、内側杭本体2よりも短く、かつ内側杭本体2と同心に配置される管状の外側杭本体4と、外側杭本体4の先端部に形成され、地盤中で根固め部3よりも浅い位置にある羽根部5とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、基礎杭、基礎構造、構造物および基礎杭の施工方法に関する。
鉄塔や塔状比が高いマンションなどの構造物の基礎では、地震による慣性力や風荷重による水平力が発生する際に、基礎に引き抜き力が発生することがあり、その場合、基礎杭には引き抜き抵抗が求められる。
中掘り拡大根固め杭工法(以下、中掘り工法ともいう)は、低騒音・低振動かつ高支持力を実現可能であることから、建築構造物や土木構造物の基礎として用いられている。中掘り工法では、セメントミルクを用いて杭の周面にソイルセメントによる改良体を構築して周面抵抗力を獲得することで、引き抜き抵抗力を増大させる方法などがある。
しかしながら、杭周面を改良しながら施工する工法では、改良しない場合に比べて、施工期間が長期化したり、材料費が増大したりする場合がある。また、より大きな水平力に抵抗する必要がある場合には、杭本数を増やしたり、拡頭杭を用いたりするが、この場合も施工期間の長期化や施工費の増大、施工機械の大型化などが課題になる。
一方、中掘り工法によらずに基礎杭の引き抜き抵抗を高めるための技術として、例えば特許文献1には、鋼管杭本体を大径な上部側鋼管と小径な下部側鋼管とで形成し、下部側鋼管の先端を螺旋形状に切り欠き形成し、この螺旋形状の切欠き形態に対応させて少なくとも一巻き以下の螺旋羽根を設けるとともに、鋼管杭本体の拡径境界部位またはその近傍に第2の螺旋羽根を設ける技術が記載されている。
特開2002−61180号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された技術では、先端に螺旋羽根が設けられた鋼管を地中深くにある堅固な支持層まで貫入させることは、支持層に到達するまでに存在する中間層へ貫入させるのに比べると容易ではなく、少なくとも施工性の面ではなおも改善の余地がある。
そこで、本発明は、基礎杭の施工性を高めつつ、引き抜き抵抗をも高めることが可能な、新規かつ改良された基礎杭、基礎構造、構造物および基礎杭の施工方法を提供することを目的とする。
本発明のある観点によれば、地盤に貫入する基礎杭が提供される。基礎杭は、管状の内側杭本体と、内側杭本体の先端部に形成される根固め部と、内側杭本体よりも径が大きく、内側杭本体よりも短く、かつ内側杭本体と同心に配置される管状の外側杭本体と、外側杭本体の先端部に形成され、地盤中で根固め部よりも浅い位置にある羽根部とを備える。
上記の基礎杭において、根固め部は、地盤の支持層に形成され、羽根部は、支持層よりも浅い層に位置してもよい。
本発明の別の観点によれば、上記の基礎杭と、内側杭本体および外側杭本体のそれぞれの頭部を一体化させるコンクリート構造体とを備える基礎構造が提供される。
上記の基礎構造は、外側杭本体に接合され、コンクリート構造体に埋め込まれる鉄筋をさらに備えてもよい。
本発明のさらに別の観点によれば、上記の基礎杭が、平面形状において長辺方向に延びる外縁部で基礎として用いられている構造物が提供される。
本発明のなおも別の観点によれば、上記の基礎杭の施工方法が提供される。基礎杭の施工方法は、内側杭本体を地盤に貫入させる第1の工程と、第1の工程の後に、内側杭本体の外側の地盤に外側杭本体を貫入させる第2の工程とを含む。あるいは、基礎杭の施工方法は、外側杭本体を地盤に貫入させる第1の工程と、第1の工程の後に、外側杭本体の内側の地盤に内側杭本体を貫入させる第2の工程とを含む。
上記の構成において、先端部に羽根部が形成される外側杭本体は、地盤に内側杭本体ほど深く貫入しなくても引き抜き抵抗を発揮する。従って、外側杭本体および羽根部によって引き抜き抵抗を高めながら、外側杭本体を内側杭本体よりも短くしてより浅い層までしか貫入させないことによって、施工性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る基礎杭の概略的な斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭の施工方法の第1の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭の施工方法の第2の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第1の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第2の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第3の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第4の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第5の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基礎杭を基礎として用いる構造物の基礎部分の平面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(基礎杭の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る基礎杭の概略的な斜視図であり、図2は図1のII−II線断面図である。図1および図2に示されるように、地盤に貫入する基礎杭1は、管状の内側杭本体2と、内側杭本体2の先端部に形成される根固め部3と、管状の外側杭本体4と、外側杭本体4の先端部に形成される羽根部5とを含む。ここで、外側杭本体4は、内側杭本体2よりも径が大きく、内側杭本体2よりも短く、かつ内側杭本体2と同心に配置される。従って、図示されているように、外側杭本体4は、内側杭本体2の途中までを覆うように配置される。なお、内側杭本体2および外側杭本体4の断面中心が厳密に一致している必要はない。
根固め部3は、地盤中にセメントミルクを注入することによって構築されるソイルセメントが、内側杭本体2の先端部に定着した部分である。つまり、施工後の状態において、内側杭本体2の先端部は根固め部3に埋め込まれている。羽根部5は、外側杭本体4の先端部から径方向外側に張り出した板状の部材であり、本実施形態では外側杭本体4の軸方向に所定のピッチをもった螺旋状に形成される。羽根部5は、必ずしも外側杭本体4の先端面から形成されなくてもよく、先端面に近い位置から形成されてもよい。上述のように、外側杭本体4は内側杭本体2よりも短いため、基礎杭1が地盤に貫入した状態では、羽根部5は根固め部3よりも浅い位置にある。
なお、図示された例では螺旋状の羽根部5が外側杭本体4の外周を1周しているが、1周を越えて外側杭本体4の外周を回る羽根部5が形成されてもよい。また、羽根部5は、後述するように基礎杭1の引き抜き抵抗を高めることが可能であれば、螺旋状以外の形状であってもよい。羽根部5を螺旋状のような外側杭本体4の軸方向にピッチをもった形状にした場合には、外側杭本体4を軸回りに回転させることによって、地中で推進力を得ることができる。また、図示された例では羽根部5の外径が根固め部3の外径よりも大きいが、この大小関係が逆であってもよい。あるいは、羽根部5と根固め部3とが同じ外径を有していてもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る基礎杭の施工方法の第1の例を示す図である。図示された例では、まず(A)に示すように、外側杭本体4に全周旋回機6を連結して軸回りに回転させながら地中に貫入させる。このとき、外側杭本体4の先端部に形成された螺旋状の羽根部5によって、外側杭本体4を地盤に貫入させるための推進力を得ることができる。あるいは、外側杭本体4に杭打機を連結して軸回りに回転させながら地中に圧入してもよい。この場合は、羽根部5が地盤をかく乱することによって、圧入に必要とされる荷重を低減することができる。この工程によって、(B)に示すように、外側杭本体4は地盤の表層7を越えて中間層8まで貫入し、羽根部5は中間層8に位置する。
次に、(C)に示すように、杭打機9を用いて、内側杭本体2を地中に貫入させた後、スクリューオーガ10を用いて内側杭本体2の内側を掘削し、スクリューオーガ10の先端から内側杭本体2の先端部付近の地盤中にセメントミルクを注入する。セメントミルクを注入された地盤は、根固め部3を構成するソイルセメントになる。この工程によって、(D)に示すように、内側杭本体2は地盤の中間層8よりもさらに深い支持層11まで貫入し、根固め部3は支持層11に位置する。支持層11は一般に中間層8よりも硬いため、羽根部5が形成された外側杭本体4を貫入させることは容易ではない。一方、外側杭本体4に比べれば小径で、羽根部も形成されていない内側杭本体2は、比較的容易に支持層11まで貫入させることができる。
図4は、本発明の一実施形態に係る基礎杭の施工方法の第2の例を示す図である。図示された例では、まず(A)に示すように、杭打機9を用いて、内側杭本体2を地中に貫入させた後、スクリューオーガ―10を用いて内側杭本体2の内側を掘削し、スクリューオーガ―10の先端から内側杭本体2の先端部付近の地盤中にセメントミルクを注入することによって根固め部3を形成する。次に、(B)に示すように、外側杭本体4に全周旋回機6を連結して軸回りに回転させながら地中に貫入させる。このとき、羽根部5によって推進力を得てもよいし、羽根部5で地盤をかく乱しながら外側杭本体4を圧入してもよい。この結果、(C)に示すように、内側杭本体2が地盤の支持層11まで貫入して根固め部3が支持層11に形成され、外側杭本体4が支持層11よりも浅い中間層8まで貫入して羽根部5は中間層8に位置する。
なお、図示していないが、上記の図3および図4に示した例において、内側杭本体2および外側杭本体4の上端(杭頭)を地表面よりも深い位置まで貫入させる場合、ヤットコやケーシングなどの冶具を必要に応じて用いることによって、周囲の地盤を保護しながら施工することができる。
上記で説明したような本実施形態に係る基礎杭1では、根固め部3が形成される内側杭本体2が主に鉛直支持力を負担し、羽根部5が形成される外側杭本体4が主に引き抜き力を負担する。これによって、基礎杭1では杭の高い抵抗力を効率的に得ることができる。また、内側杭本体2よりも外径が大きい外側杭本体4を地中に貫入させることによって、基礎杭1の全体としての水平抵抗力が増大する。先端部に羽根部5が形成される外側杭本体4は、図3および図4の例に示した地盤の支持層11まで貫入しなくても引き抜き抵抗を発揮できるため、より浅い中間層8までしか貫入させないことによって施工性を向上させることができる。一方、先端部に根固め部3が形成される内側杭本体2については、支持層11まで貫入させることによって、高い鉛直支持力を得ることができる。また、中間層8の地盤強度が比較的低い場合には、外側杭本体4および内側杭本体2を、共に杭打機9を用いて施工することもできる。
(基礎構造の構成)
図5は、本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第1の例を示す図である。図示された例において、基礎構造は、上記で説明した基礎杭1と、基礎杭1の内側杭本体2および外側杭本体4のそれぞれの頭部を一体化させるコンクリート構造体であるフーチング12と、内側杭本体2および外側杭本体4のそれぞれに接合され、フーチング12に埋め込まれる鉄筋13、14と、中詰め補強筋15と、中詰めコンクリート16とを含む。鉄筋13、14は、例えば溶接や連結部材を用いた機械的な接合によって内側杭本体2および外側杭本体4のそれぞれに接合される。図示された例では、フーチング12を介して内側杭本体2と外側杭本体4とが一体的に連結されるため、鉛直方向の押し込みおよび引き抜き、水平力、ならびに曲げモーメントなどの荷重に、基礎杭1全体で確実に抵抗することができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第2の例を示す図である。図6に示された例では、図5に示された例に比べて、内側杭本体2と外側杭本体4との間に間詰めコンクリート17が追加されている。間詰めコンクリート17を設けることによって、例えば水平力に対する内側杭本体2と外側杭本体4との一体性をより高めることができる。なお、間詰めコンクリート17は、図示された例のように外側杭本体4の先端部付近まで打設されず、途中まで打設されてもよい。また、間詰めコンクリート17に代えて、高流動モルタルなどが用いられてもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第3の例を示す図である。図7に示された例では、図5に示された例に比べて、内側杭本体2に接合される鉄筋13と、中詰め補強筋15とが省略されている。上述のように、基礎杭1では、根固め部3が形成される内側杭本体2が主に鉛直支持力を負担する。鉛直支持力は基礎構造に圧縮力として作用するため、図7の例では内側杭本体2には鉄筋を接合せず、フーチング12から主に圧縮力のみが伝達可能であるように構成する。一方、主に引張力を負担する外側杭本体4には鉄筋14を接合して、フーチング12から引張力も伝達可能であるように構成する。鉄筋14は、外側杭本体4を地盤に貫入させる前に、外側杭本体4に溶接などによって接合されていてもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第4の例を示す図である。図8に示された例では、図7に示された例に比べて、内側杭本体2と外側杭本体4との間に図6の例と同様の間詰めコンクリート17が追加されている。内側杭本体2にフーチング12から主に圧縮力のみが伝達可能であるように構成する場合も、間詰めコンクリート17を設けることによって、例えば水平力に対する内側杭本体2と外側杭本体4との一体性をより高めることができる。
図9は、本発明の一実施形態に係る基礎杭を含む基礎構造の第5の例を示す図である。図9に示された例では、図8に示された例に比べて、内側杭本体2の内周面および外周面、ならびに外側杭本体4の内周面に、ずれ止め部材18が追加されている。ずれ止め部材18は、例えばそれぞれの杭本体の周面に接合される環状のリブ、具体的には平鋼や異形棒鋼、丸鋼、または溶接成形した突起などであり、杭本体の周面から突出して中詰めコンクリート16または間詰めコンクリート17に定着することによって、コンクリートと杭本体との間のずれを防止する。
(構造物の構成)
図10は、本発明の一実施形態に係る基礎杭を基礎として用いる構造物の基礎部分の平面図である。図示された例において、構造物の平面形状は矩形であり、長辺方向および短辺方向にそれぞれ基礎が配列されている。例えば、平面形状において長辺方向に延びる外縁部、すなわち図10においてグループEとして示す基礎には、例えば地震荷重や風荷重によって大きな水平力および引き抜き力が作用する。そこで、このグループEの基礎に限定して上記で説明した基礎杭1を用いてもよい。上述の通り、基礎杭1では引き抜き力や水平力を含む杭の高い抵抗力を効率的に得ることができるが、作用する引き抜き力や水平力が小さい部位では通常の基礎杭、具体的には例えば基礎杭1の内側杭本体2および根固め部3のみを用いた基礎杭を用いることが経済的である。なお、全体として作用する水平力や引き抜き力が小さい場合には、構造物の平面形状における矩形の角部、すなわち図10においてグループCとして示す基礎に限定して基礎杭1を用いてもよい。
続いて、本発明の実施例について説明する。本実施例では、上記で本発明の一実施形態として説明した基礎杭1を設計し、引き抜きへの抵抗を示す極限抵抗を算出した。
(実施例1)
実施例1では、基礎杭1において内側杭本体2の直径を600mm、長さを40m、根固め部3の外径を1,200mmとした。また、外側杭本体4の直径を800mm、長さを16m、羽根部5の外径を1,600mmとした。地盤は、深さ0〜10mがN値2、一軸圧縮強度30kN/mの粘土であり、深さ10m〜20mがN値15の砂質土であり、深さ20m〜40mがN値4、一軸圧縮強度50kN/mの粘土であり、それよりも深い部分はN値50の支持層である。このような地盤に基礎杭1を貫入させると、内側杭本体2の先端部は支持層に位置し、支持層に根固め部3が形成される。
内側杭本体2および根固め部3について、新日鐵住金株式会社・株式会社テノックス発行のカタログ「TN−X工法 先端拡大根固め鋼管杭工法」(平成25年3月)に記載された算定式に上記の条件を代入して計算すると、鉛直支持力は11,196kNである。一方、引き抜き抵抗については、根固め部3による引き抜き抵抗を考慮しない場合、砂質、粘性土地盤に貫入させられた杭では周面摩擦によって15kN/mの杭周面抵抗力が得られる。従って、内側杭本体2によって得られる杭周面抵抗力は、15×0.6(杭直径)×π×24(外側杭本体4よりも先の部分の長さ)=678kNになる。
一方、外側杭本体4および羽根部5について、新日鉄住金エンジニアリング株式会社発行のカタログ「回転圧入鋼管杭NSエコパイル(登録商標)基礎構造」(平成18年8月)によれば、粘性土地盤に貫入させられた杭では周面摩擦によって単位面積当たり一軸圧縮強度の0.27倍の周面抵抗力が得られる。また、砂質土地盤に貫入させられた杭では周面摩擦によって単位面積当たり杭の周囲の地盤のうち、砂質地盤の標準貫入試験による打撃回数の平均値の1.13倍に相当する値をkN/mの単位で表示した周面抵抗力が得られる。また杭先端から羽根部の外径の2倍の範囲は周面抵抗力を考慮しない。以上の抵抗力に関する条件に従って外側杭本体4の周面摩擦による引き抜き抵抗を計算すると、粘性土地盤の部分で得られる杭周面抵抗力は203kN、砂質土地盤の部分で得られる杭周面抵抗力は119kNとなる。さらに、羽根部5による引き抜き抵抗は、杭先端の引き抜き方向支持力係数κ(=92)に杭先端から上方に羽根径の2倍の区間の地盤の平均N値(実施例1の場合、15)と、杭先端の有効断面積(実施例1の場合、1.131m)とをかけ合わせることによって算出され、1,560kNになる。従って、内側杭本体2、外側杭本体4、および羽根部5による引き抜き抵抗を合計すると、実施例1において基礎杭1の引き抜き抵抗は2,560kNになる。
これに対して、従来の基礎杭として、基礎杭1の内側杭本体2および根固め部3のみを用いた基礎杭を想定すると、実施例1と同じ地盤における引き抜き抵抗は、内側杭本体2にあたる杭の杭周面抵抗力によるもののみになり、杭の直径を600mm、長さを40mとすると、1,130kNになる。従って、実施例1では、基礎杭1の引き抜き抵抗が、外側杭本体4および羽根部5を設けることによって、同じ地盤における従来の基礎杭の引き抜き抵抗の約2倍に増大している。
(実施例2)
実施例2では、基礎杭1の寸法は実施例1と同様として、地盤の条件を変更した。具体的には、地盤は、深さ0〜10mがN値2の液状化した砂であり、深さ10m〜20mがN値20の液状化していない礫であり、深さ20m〜40mがN値10の液状化していない砂礫であり、それよりも深い部分はN値50の支持層である。支持層に根固め部3が形成されるため、実施例2でも内側杭本体2と根固め部3によって得られる鉛直支持力は実施例1と同様に11,196kNである。一方、引き抜き抵抗については、根固め部3による引き抜き抵抗を考慮しないのに加えて、液状化層における周面摩擦力も無視する場合、液状化層以外の砂質、粘性土地盤で15kN/mの杭周面抵抗力が得られる。内側杭本体2の外側杭本体4よりも先の部分で地盤は液状化層ではないため、内側杭本体2によって得られる周面抵抗力は実施例1と同じく678kNになる。
一方、外側杭本体4および羽根部5について、液状化層における周面摩擦力を無視する場合、外側杭本体4で周面摩擦による引き抜き抵抗が得られるのは深さ10mより深い部分で礫層に貫入する6mの部分のみであり、さらに周面抵抗力を考慮しない杭先端から羽根径の2倍(3.2m)の範囲を差し引くと長さは2.8mである。この区間での杭周面抵抗力を実施例1と同様に計算すると、386kNになる。羽根部5による引き抜き抵抗は、実施例1と同様に、杭先端の引き抜き方向支持力係数κ(=92)に杭先端から上方に羽根径の2倍の区間の地盤の平均N値(実施例2の場合、20)と、杭先端の有効断面積(実施例2の場合、1.131m)とをかけ合わせることによって算出され、2,416kNになる。従って、内側杭本体2、外側杭本体4、および羽根部5による引き抜き抵抗を合計すると、実施例2において基礎杭1の引き抜き抵抗は3,480kNになる。
これに対して、従来の基礎杭として、基礎杭1の内側杭本体2および根固め部3のみを用いた基礎杭を想定すると、実施例2と同じ地盤における引き抜き抵抗は、内側杭本体2にあたる杭の杭周面抵抗力によるもののみになり、杭の直径を600mm、長さを30m(10m分は液状化層のため杭周面抵抗力が得られない)とすると、848kNになる。従って、実施例2では、基礎杭1の引き抜き抵抗が、外側杭本体4および羽根部5を設けることによって、同じ地盤における従来の基礎杭の引き抜き抵抗の約4倍に増大している。
以上で説明したような本発明の実施例によって、本発明の実施形態に係る基礎杭では、従来の基礎杭に比べて高い引き抜き抵抗を効率的に得られることが示された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…基礎杭、2…内側杭本体、3…根固め部、4…外側杭本体、5…羽根部、6…全周旋回機、7…表層、8…中間層、9…杭打機、10…スクリューオーガ、11…支持層、12…フーチング、13、14…鉄筋、15…中詰め補強筋、16…中詰めコンクリート、17…間詰めコンクリート、18…ずれ止め部材。

Claims (7)

  1. 地盤に貫入する基礎杭であって、
    管状の内側杭本体と、
    前記内側杭本体の先端部に形成される根固め部と、
    前記内側杭本体よりも径が大きく、前記内側杭本体よりも短く、かつ前記内側杭本体と同心に配置される管状の外側杭本体と、
    前記外側杭本体の先端部に形成され、前記地盤中で前記根固め部よりも浅い位置にある羽根部と
    を備える基礎杭。
  2. 前記根固め部は、前記地盤の支持層に形成され、
    前記羽根部は、前記支持層よりも浅い層に位置する、請求項1に記載の基礎杭。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基礎杭と、
    前記内側杭本体および前記外側杭本体のそれぞれの頭部を一体化させるコンクリート構造体と
    を備える基礎構造。
  4. 前記外側杭本体に接合され、前記コンクリート構造体に埋め込まれる鉄筋をさらに備える、請求項3に記載の基礎構造。
  5. 請求項1または請求項2に記載の基礎杭が、平面形状において長辺方向に延びる外縁部で基礎として用いられている構造物。
  6. 請求項1または請求項2に記載の基礎杭の施工方法であって、
    前記内側杭本体を前記地盤に貫入させる第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記内側杭本体の外側の前記地盤に前記外側杭本体を貫入させる第2の工程と
    を含む基礎杭の施工方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載の基礎杭の施工方法であって、
    前記外側杭本体を前記地盤に貫入させる第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記外側杭本体の内側の前記地盤に前記内側杭本体を貫入させる第2の工程と
    を含む基礎杭の施工方法。
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