JP5684615B2 - 合成杭および合成杭の施工方法 - Google Patents
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Description
このような杭には、一般的に、場所打ちコンクリート杭、既製コンクリート杭、鋼管杭、木杭などが採用されている。
ところが、木杭は、腐朽しやすい性質を有しているため、酸素を必要とする腐朽菌が繁殖しないように配置する必要がある。
木杭の上端面からは、異形鉄筋等からなる螺旋部材が突設されており、この螺旋部材が鋼管杭の内部に充填されたコンクリートに定着することで木杭と鋼管杭とが接合されている。
また、木杭が破損しないように注意しながら螺旋部材を木杭に設置する必要があるので準備作業に手間を要する。
また、空気遮断層の形成および鋼製キャップの設置に手間を要していた。
また、コンクリート杭部での周面摩擦抵抗が増加するため、木杭部に伝達される鉛直荷重が減少し、木杭部の圧縮クリープが抑制されている。
さらに、コンクリート杭部と木杭部との接合部に複雑な接合構造を構成する必要がないため、施工性に優れており、また、安価に製造することができる。
第一の実施の形態に係る合成杭1は、図1に示すように、コンクリート杭部10の下側に木杭部20を延出させることで構成されている。
コンクリート杭部10は、木杭部20よりも大きな直径を有していて、断面形状が木杭部20の断面形状よりも大きく形成される。
なお、主筋11および帯筋12の配筋ピッチや鉄筋径等は、限定されるものではない。また、コンクリート杭部10は、無筋であってもよい。
また、木杭部20は、コンクリート杭部10から延出された露出部分が、地下水位WL(図1参照)よりも下に位置させることが好ましい。
なお、曲げモーメントMWは式2で表すことができ、側面の支圧合力P1,P2間の距離を2/3Lと仮定するとせん断力QWは式3で表すことができる。また、埋め込み部のせん断応力τWは式4で表すことができる。
なお、コンクリート内の木部は腐朽しにくいので、木杭部20は、図4に示すように、コンクリート杭部10の上端まで埋め込まれていてもよい。
そして、コンクリートに所定の強度が発現して、合成杭1が形成されたら、この合成杭1を地中に圧入する。
また、合成杭1は、合成杭1の直径よりも小さい孔径により形成された掘削孔に圧入させてもよい。
また、コンクリート杭部10での周面摩擦抵抗が増加するため、木杭部20に伝達される鉛直荷重が減少し、木杭部20の圧縮クリープが抑制されている。
また、接合部において合成杭1の曲げ耐力が大きく低下することがない。
第二の実施の形態(参考実施形態)に係る合成杭2は、図5(a)および(b)に示すように、コンクリート杭部30の下側に木杭部20を延出させることで構成されている。
コンクリート杭部30は、半円筒状を呈する分割部材31,31(図5(c)参照)を組み合わせることにより円筒状に形成されている。
つまり、分割部材31内面には、木杭部20の挿入部に面して凹凸面(係止部33)が形成されている。係止部33は、木杭部20の杭頭部に形成された凹凸面(係止部21)と係合可能に形成されている。なお、係止部33は、複数の環状の溝や複数の孔等により形成してもよいし、1つ以上の螺旋状の溝、あるいはこれらと平面形状が類似する突出部により形成してもよい。
また、コンクリート杭部30には、適宜鉄筋が配筋されている。
例えば、コンクリート杭部30は、必ずしも分割部材31,31により構成されている必要はなく、遠心成型等により円柱状に形成されていてもよい。また、コンクリート杭部30の分割数も限定されるものではない。
次に、図6(a)に示すように、合成杭2を地中に圧入する。
なお、合成杭2(コンクリート杭部30)の上端には、保護部材35が設置されており、押し込み力によるコンクリート杭部30の頭部の破損から保護されている。保護部材35は必要に応じて設置すればよい。
第三の実施の形態に係る合成杭3は、図7(a)に示すように、コンクリート杭部30の下側に木杭部20を延出させることで構成されている。
また、受け部36は、コンクリート杭部30の内壁面との間に隙間(貫通孔)37,37,…が形成されている。
なお、受け部36の材質は限定されるものではなく、例えばコンクリートであってもよい。また、受け部36の形状も限定されるものではなく、貫通孔が形成された平面視円形の部材であってもよい。
また、コンクリート杭部30には、適宜鉄筋が配筋されている。
木杭部20は、断面円形の木製杭部材により構成されていて、上端面が受け部36に当接した状態でコンクリート杭部30に埋め込まれている。
第四の実施の形態に係る合成杭4は、図8(d)に示すように、コンクリート杭部10の下側に木杭部20を延出させることで構成されている。
コンクリート杭部10は、木杭部20よりも大きな直径を有していて、断面形状が木杭部20の断面形状よりも大きく形成されている。
この他の木杭部20の構成は、第一の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
フレッシュコンクリート13の打設は、図8(b)に示すように、トレミー管41を利用して竪穴40の底部から行う。
以上により、合成杭4の施工が完了する。
この他の本実施形態の合成杭4の作用効果は、第一の実施の形態乃至第三の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
第五の実施の形態では、図9に示すように、合成杭5を沈下抑止杭として使用する場合について説明する。
土間床50の構成は限定されるものではないが、本実施形態では、厚みが150mmで、積載荷重を含めた単位面積当たりの荷重は8kN/m2とする。
合成杭5は、N値が5前後の砂質土層と、その下のN値が2程度の粘性土層とが積層された地盤に形成されている。砂質土層は、地震時に液状化する可能性が高い地盤である。なお、合成杭5が形成される地盤条件は、限定されるものではない。
また、木杭部の下端深さは、粘性土層での周面摩擦力によって、長期杭頭軸力を上回る極限支持力が得られる深さまで圧入されている。
また、合成杭5の杭頭部が、コンクリート杭部10により径大化されているため、土間床50の杭頭軸力の受圧範囲が広がり、パンチングシアによるクラックなどが土間床50に生じることが防止される。
例えば、本発明の合成杭の使用目的は限定されるものではない。合成杭は、支持杭として使用してもよいし、摩擦杭として使用してもよい。
10 コンクリート杭部
20 木杭部
30 コンクリート杭部
31 分割部材
34 中空部
36 受け部
37 隙間(貫通孔)
WL 地下水位
Claims (5)
- コンクリート杭部の下側に木杭部を延出させてなる合成杭であって、
前記コンクリート杭部は、前記木杭部の断面形状よりも大きな断面形状を有しているとともに、軸方向に沿って配筋された複数本の主筋と前記主筋を取り囲むように配筋された帯筋とを備えており、
前記木杭部は、少なくとも頭部が前記コンクリート杭部に埋め込まれていて、前記主筋および前記帯筋の内側で前記コンクリート杭部に接合されていることを特徴とする、合成杭。 - 前記木杭部の前記コンクリート杭部への埋め込み深さが、前記木杭部の直径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の合成杭。
- 前記木杭部は、前記コンクリート杭部から延出された露出部分が地下水位よりも下に位置していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の合成杭。
- コンクリート杭部の下側に木杭部を延出させてなる合成杭であって、
前記コンクリート杭部は、前記木杭部の断面形状よりも大きな断面形状を有した中空部材からなり、
前記木杭部は、少なくとも頭部が前記コンクリート杭部に埋め込まれていて、
前記中空部材の内部には、前記木杭部の上端面が当接する受け部が形成されており、
前記受け部には、貫通孔が形成されていることを特徴とする、合成杭。 - コンクリート杭部と木杭部とを備えた合成杭を地中に配置する合成杭の施工方法であって、
前記木杭部の直径よりも大きな内径を有した竪穴を地下水位よりも深く形成する工程と、
前記竪穴内にコンクリートを打設する工程と、
前記木杭部を構成する木製杭部材をコンクリート内に挿入し、前記竪穴の底面から下方向に向けて前記木製杭部材を圧入する工程と、
前記コンクリートを養生する工程と、を備えることを特徴とする、合成杭の施工方法。
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