JP5111203B2 - 耐震補強杭構造 - Google Patents

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本発明は、耐震補強された杭構造に関するものである。
建築物等の構造物の杭基礎を構成する杭としては、一般に、既成コンクリート杭、鋼管杭等が用いられている。このうち、既成コンクリート杭は、安価であり施工が容易であることから、中低層建築物等の杭基礎として多用されている。
このような既成コンクリート杭は、工場にて生産される中空コンクリート製のものであるが、建築物等の構造物の基礎梁との接合箇所である杭頭部には、杭頭部として要求される強度を得るために、中空部にコンクリートを充填することで、かかる強度を満足するようにしている。
従来の既成コンクリート杭は、鋼管杭等に比較して地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性が乏しく、地震が発生したときに、建築物の杭基礎を構成するコンクリート杭にせん断破壊や曲げ破壊等が生じることがある。
特に、杭頭部やその周辺には、過大な杭荷重が加わるだけでなく、中空部にコンクリートが充填されていることにより、地震時の荷重が集中するため、せん断破壊や曲げ破壊が発生しやすくなっている。
そこで、既成コンクリート杭を補強するために、従来、コンクリート杭の周囲に鋼板を配したり、補強用の鉄筋を配したりする方法が知られている。また、コンクリート杭の杭頭部に炭素繊維シートを巻き付けることによって既成コンクリート杭を補強する方法等が知られている(特許文献1参照)。
特開平11−50448号公報
既成コンクリート杭の杭頭部の補強をするために、コンクリート杭の周囲に鋼板を配したり、補強用の鉄筋を配したりする方法は、施工性が良好でなく、コスト的にも高いという問題がある。
一方、上記特許文献1に記載の方法は、安価に既成コンクリート杭の杭頭部の補強をすることができるものの、既成のコンクリート杭に現場で繊維シートを巻き付けなければならず、巻き付け方によっては補強効果が十分に発揮されないという問題がある。
また、繊維シートをコンクリート杭にしっかりと巻き付けていたとしても、複数回の地震の発生によりコンクリート杭に繰り返し荷重等が作用したときには、コンクリート杭に巻き付けた繊維シートが剥がれてしまい、せん断破壊や曲げ破壊等を効果的に防止することができないという問題がある。
このような問題点に鑑みて、本発明は、杭を安価に補強することができるとともに、杭の杭頭部の補強効果を十分に得ることができ、複数回の地震の発生等により繰り返し杭に荷重が作用した場合であっても、地震発生時におけるせん断破壊や曲げ破壊等を防止することのできる耐震補強杭構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、杭本体と、繊維強化プラスチックにより構成され、少なくとも前記杭本体の杭頭部を覆うようにして設けられてなる中空筒状の補強部材とを備える耐震補強杭構造であって、前記補強部材が、所定の方向に対して0°以上±45°未満で配列された補強繊維の本数が±45°以上±90°以下で配列された補強繊維の本数よりも多くなるようにしてそれらの補強繊維を編組してなる補強繊維布をマトリックス樹脂に含浸させて、前記所定の方向が芯材の軸方向と略一致するようにして前記補強繊維布を当該芯材に巻回した後に、前記マトリックス樹脂を硬化させることによって得られる耐震補強杭構造を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、少なくとも杭本体の杭頭部に中空筒状の補強部材を設けるだけで地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性が増大するため、杭本体を容易に補強することができ、杭本体のせん断破壊や曲げ破壊を防止することができる。また、杭本体の外周面に補強部材を設けることで、杭径を増大させることなく杭本体を補強することができるため、杭径の増大を抑制することができ、これにより、工期を短縮し、工事を簡便にすることができるとともに、経費を削減することができる。また、補強部材を構成する繊維強化プラスチックにおける補強部材と略平行(0°以上±45°未満)の方向に配列されている補強繊維の本数を、補強部材と略垂直(±45°以上±90°以下)の方向に配列されている補強繊維の本数よりも多くすることで、地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性を増大させることができ、より高い補強効果を奏することができる。
上記発明(発明1)においては、前記補強部材の厚さが、5〜30mmであるのが好ましい(発明2)。かかる発明(発明2)のように設計することで、耐震補強杭構造の製造にかかるコストを抑えることができるとともに、地震時の荷重等に対して高い補強効果を奏することができる。
上記発明(発明1〜)においては、前記補強部材の内側面には、当該補強部材の筒軸方向に延伸する複数の溝が形成されているのが好ましい(発明3)。かかる発明(発明3)によれば、補強部材の内側面に筒軸方向に延伸する複数の溝が形成されていることで、杭本体の外周面に接着剤やモルタル等を介して補強部材を取り付けた場合に、杭本体の外周面に補強部材を強固に取り付けることができる。
本発明に係る耐震補強杭構造によれば、杭本体の杭頭部を容易にかつ安価に補強することができるとともに、杭の杭頭部の補強効果を十分に得ることができ、この結果として、地震発生時におけるせん断破壊や曲げ破壊等を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る耐震補強杭構造について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る耐震補強杭構造を示す斜視図であり、図2は、本実施形態における補強用FRP杭を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る耐震補強杭構造1は、杭本体2と、杭本体2の杭頭部21を覆うようにして当該杭頭部21に取り付けられてなる補強用FRP杭3とを備えるものである。
本実施形態における杭本体2としては、例えば、プレストレストコンクリート杭(PC杭)、鉄筋コンクリート杭(RC杭)、プレテンション方式による遠心力高強度コンクリート杭(PHC杭)、杭外殻鋼管付遠心力コンクリート杭(SC杭)等のコンクリート杭;木杭;鋼管杭等の一般的に杭基礎に用いられる杭を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に、杭本体2としてPC杭やRC杭を用いれば、補強用FRP杭3による補強効果が顕著に現れることになるため好ましい。
本実施形態における補強用FRP杭3は、杭本体2の杭頭部21を覆うようにして当該杭頭部21に取り付けることのできる、繊維強化プラスチックにより構成されてなる筒状部材である。このように、補強用FRP杭3が繊維強化プラスチックにより構成されていることで、杭本体2の杭頭部21の地震時における水平荷重や強制変位に対する靭性を向上させることができ、杭本体2(特に杭頭部21)のせん断破壊や曲げ破壊を防止することができる。また、単に補強用FRP杭3を杭本体2の杭頭部21に取り付けるだけでよいため、容易に杭本体2の杭頭部21を補強することができる。さらに、繊維強化プラスチックで構成することで軽量化が可能となり、耐水性等に優れるという効果も奏する。
なお、本実施形態においては、杭本体2の一部である杭頭部21に補強用FRP杭3を取り付けているが、杭本体2の全体を覆うようにして補強用FRP杭3を取り付けてもよい。補強用FRP杭3により杭本体2の全体を覆うことで、杭本体2のせん断耐力や曲げ耐力を向上させることが可能であるとともに、杭本体2の錆の発生等を防止することができ、特に杭本体2がコンクリート杭である場合にコンクリートの劣化を防止することができる。
繊維強化プラスチックを構成するマトリックス樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、強度的物性、耐熱性等に優れた不飽和ポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
また、繊維強化プラスチックに含まれる補強繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、比強度、比弾性率に優れた炭素繊維を用いるのが好ましい。
上記のようにして補強繊維が配列された繊維強化プラスチックからなる補強用FRP杭3の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、所定の方向に対して0°以上45°未満で配列された補強繊維の本数が45°以上90°以下で配列された補強繊維の本数よりも多くなるようにしてそれらの補強繊維を編組してなる補強繊維布を製造する。
このようにして得られた補強繊維布をマトリックス樹脂に含浸させて、当該所定の方向がマンドレル(芯材)の軸方向と略一致するようにして補強繊維布をマンドレルに巻回した後に、マトリックス樹脂を硬化(熱硬化等)させることによって筒状体を成形する。そして、マンドレルを抜き取り、必要に応じて所定の長さに切断することで、補強用FRP杭3を製造することができる。
このようにして製造された補強用FRP杭3は、補強用FRP杭3の筒軸方向に沿って配列されている補強繊維の本数を多くすることができるため、地震時の水平荷重や強制変位等の地面と略水平の方向にかかる荷重に対する靭性を増大させることができ、これにより杭本体2のせん断耐力や曲げ耐力をより向上させることができる。
補強用FRP杭3の厚さは、補強用FRP杭3を構成する繊維強化プラスチックの繊維混入率や補強繊維の引張強度・弾性係数等に応じて適宜設定すればよいが、5〜30mmであるのが好ましい。例えば、引張強度・弾性係数が比較的小さいガラス繊維を用いた繊維強化プラスチックにおいて繊維混入率が30%(体積基準)である場合に、補強用FRP杭3の厚さが5mm以上であれば、地震時の水平荷重や強制変位等に対する靭性を十分に増大させることができ、地震に対する十分な補強効果を奏することができる。補強用FRP杭3の厚さが30mmを超えても十分満足し得る補強効果を奏することができるが、補強用FRP杭3の製造コストが増大してしまうおそれがあり好ましくない。
また、補強用FRP杭3の内径は、特に限定されるものではないが、一般的に用いられるコンクリート杭等の杭本体2の外径よりも若干大きければよく、具体的には200〜1200mm程度であればよい。これにより、JIS基準(JIS−A5372,JIS−A5373等)に適合する杭(RC杭、PC杭等)の大部分に適用することができるため、汎用性を有する補強用FRP杭3とすることができる。
補強用FRP杭3を構成する繊維強化プラスチックにおける補強繊維の含有率は、特に限定されるものではないが、例えば、30〜90%(体積基準)であるのが好ましく、50〜80%(体積基準)であるのがより好ましい。このような補強繊維の含有率であれば、杭本体2に対する十分な補強効果を奏することができる。
図2に示すように、補強用FRP杭3の内側面には、筒軸方向に延伸する複数のスリット31,31・・・が形成されている。これにより、補強用FRP杭3を杭本体2に取り付ける際に、杭本体2と補強用FRP杭3との間に介在する接着剤等による接着力を向上させることができ、補強用FRP杭3を杭本体2により強固に取り付けることができる。
本実施形態における補強用FRP杭3は、内部に杭本体2を挿入させて補強すべき杭本体2の外周面に配置し、杭本体2と補強用FRP杭3との間隙にエポキシ樹脂系の接着剤、モルタル等を注入することで、杭本体2の外周面に固定される。これにより、補強用FRP杭3を杭本体2に強固に取り付けることができ、特に上述したように、補強用FRP杭3の内周面にスリット31が形成されているため、補強用FRP杭3を杭本体2に強固に取り付けることができる。
このような構成を有する耐震補強杭構造1は、施工現場において杭基礎として打設されて用いられる。打設の方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、圧入工法、打撃工法、プレボーリング工法、中堀工法、回転工法等が挙げられる。
このようにして杭基礎として打設された耐震補強杭構造1は、構造物の荷重を支持層に伝えることができるとともに、繊維強化プラスチックからなる補強用FRP杭3が設けられていることにより、地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性を増大させることができ、杭本体2のせん断破壊や曲げ破壊を防止することができる。
以上説明した本実施形態に係る耐震補強杭構造1は、杭本体2の外周面に繊維強化プラスチックからなる補強用FRP杭3が取り付けられていることで、杭本体2を容易に補強することができるとともに、地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性を増大させて、杭本体2のせん断破壊や曲げ破壊を防止することができる。
また、本実施形態に係る耐震補強杭構造1は、補強用FRP杭3を杭本体2の外周面に取り付けるだけの簡単な構造を有するものであり、杭本体2自身が有するせん断耐力や曲げ耐力の不足分を容易に補足するのに必要な補強用FRP杭3の厚さを調整するだけでよいため、杭本体2を安価に補強することができる。
さらに、本実施形態に係る耐震補強杭構造1は、複数回の地震の発生等により杭本体2に荷重が繰り返し作用した場合であっても、杭本体2に対する補強用FRP杭3の付着(固着)性状が良好であるため、せん断耐力や曲げ耐力がほとんど低減することがなく、杭本体2のせん断破壊や曲げ破壊を効果的に防止することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、杭本体2の少なくとも杭頭部21に相当する部分にモルタルやコンクリートを充填してもよい。これにより、補強用FRP杭3により杭本体2の補強効果に加えて、中詰コンクリートによる補強効果も奏することができ、より地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性を増大させることができ、杭本体2のせん断破壊や曲げ破壊等をより効果的に防止することができる。
また、上記実施形態においては、補強用FRP杭3の内側面に溝31が形成されているが、これに限定されるものではなく、杭本体2の外表面に溝を形成するようにしてもよい。この場合、補強用FRP杭3が取り付けられるべき杭本体2における部分に溝を形成するのが望ましい。
さらに、上記実施形態における耐震補強杭構造1は、既製コンクリート杭である杭本体2の杭頭部21に補強用FRP杭3が取り付けられたものであるが、例えば、既製コンクリート杭である杭本体2に施工現場において補強用FRP杭3を取り付けた上で杭基礎として打設するようにしてもよいし、アースドリル工法、オールケーシング工法、リバース工法、BH工法、深礎工法等により形成された場所打ち杭の杭頭部21に補強用FRP杭3を取り付けるようにしてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
既成コンクリート杭−基礎構造設計マニュアル−(社団法人コンクリートパイル建設技術協会編)に示される設計例と同一の設計条件に基づき、コンクリート杭(RC杭)の杭頭部に補強用FRP杭を取り付けた耐震補強杭構造について、地震時水平荷重を対象にし、せん断耐力及び曲げ耐力を算出した。なお、補強用FRP杭の繊維強化プラスチックの補強繊維はガラス繊維とし、繊維混入率は30%(体積基準)とし、マトリックス樹脂はエポキシ樹脂とし、補強用FRP杭の壁厚は30mmとした。また、コンクリートの圧縮強度は80N/mmとした。
上記せん断耐力及び曲げ耐力は、土木学会編「連続繊維シートを用いたコンクリート構造物の補修補強指針」を参考にし、下記式(1)〜(4)に基づいてそれぞれ算出した。
結果を表1に示す。
Figure 0005111203
なお、上記式(1)〜(3)において、Vfydは「耐震補強杭構造のせん断耐力」を表し、Vcdは「コンクリート杭の分担分の耐力」を表し、Vfdは「補強用FRP杭の分担分の耐力」を表し、fcdは「コンクリートの圧縮強度(N/mm)」を表し、dは「有効高さ(mm)」を表し、pは「コンクリート杭の軸方向鉄筋比(%)」を表し、bは「コンクリート杭の腹部の幅(mm)」を表し、γb「コンクリート杭の部材係数(一般に1.3)」を表し、Aは「補強用FRP杭における繊維の総断面積(mm)」を表し、ffudは「繊維の設計引張強度(N/mm)」を表し、αは「繊維が補強用FRP杭の筒軸方向となす角」を表し、zは「圧縮応力の合力の作用位置から引張鋼材の図心までの距離(一般にd/1.15)」を表す。
Figure 0005111203
なお、上記式(4)において、xは「中立軸位置(mm);x=Asy/(0.688fcdb)」を表し、fcdは「コンクリートの圧縮強度(N/mm)」を表し、bは「幅(mm)」を表す。なお、Aは「軸方向鉄筋の総面積(mm)」を表し、fsyは「軸方向鉄筋の降伏強度(N/mm)」を表す。
〔比較例1〜3〕
PHC杭(比較例1)、炭素繊維シートを巻き付けたPRC杭(比較例2)及び炭素繊維シートを巻き付けたRC杭(比較例3)のそれぞれについて、せん断耐力及び曲げ耐力を算出した。なお、比較例2及び3において用いられる炭素繊維シートは、ナノ炭素研究所グレードNO.SU245−300(繊維目付量:300g/cm,繊維シート厚み:0.167mm,引張強度:3400N/mm,ヤング係数:2.45×10N/mm)を用いたものとした。また、比較例2及び3において、炭素繊維シートの巻数は一重とした。さらに、比較例1におけるせん断耐力及び曲げ耐力は、限界状態設計法に基づいて算出し、比較例2及び3におけるせん断耐力及び曲げ耐力は、土木学会編「連続繊維シートを用いたコンクリート構造物の補修補強指針」に基づいて算出した。
結果を表1にあわせて示す。
Figure 0005111203
表1に示すように、実施例1に係る耐震補強杭構造は、比較例1〜3の杭構造と同等のせん断耐力を有することが確認された。また、曲げ耐力に関しても、比較例2及び3の炭素繊維シートを巻き付けたコンクリート杭と同等であることが確認された。
このことから、実施例1に係る耐震補強杭構造によれば、補強用FRP杭を杭本体(コンクリート杭)の外周面を覆うようにして取り付けるだけで、従来の炭素繊維シートを巻き付けたコンクリート杭と同等の補強効果を奏することができるため、地震時の水平荷重や強制変位に対する靭性を増大させて杭本体を容易に補強することができ、杭本体のせん断破壊や曲げ破壊を防止することができると推察される。また、炭素繊維シートを巻き付けた場合には、複数回の地震等により杭頭部に繰り返し水平荷重等がかかったときに、炭素繊維シートが剥がれる等によりせん断耐力や曲げ耐力が低下することもあるが、コンクリート杭等の杭本体に補強用FRP杭を取り付けることで、繰り返して水平荷重等がかかった場合であってもせん断耐力や曲げ耐力が低下することがないため、杭本体のせん断破壊や曲げ破壊を効果的に防止することができると推察される。
本発明の一実施形態に係る耐震補強杭構造を示す斜視図である。 同実施形態における補強用FRP杭を示す斜視図である。
符号の説明
1…耐震補強杭構造
2…杭本体
21…杭頭部
3…補強用FRP杭(補強部材)
31…溝

Claims (3)

  1. 杭本体と、
    繊維強化プラスチックにより構成され、少なくとも前記杭本体の杭頭部を覆うようにして設けられてなる中空筒状の補強部材と
    備える耐震補強杭構造であって、
    前記補強部材が、所定の方向に対して0°以上±45°未満で配列された補強繊維の本数が±45°以上±90°以下で配列された補強繊維の本数よりも多くなるようにしてそれらの補強繊維を編組してなる補強繊維布をマトリックス樹脂に含浸させて、前記所定の方向が芯材の軸方向と略一致するようにして前記補強繊維布を当該芯材に巻回した後に、前記マトリックス樹脂を硬化させることによって得られる耐震補強杭構造
  2. 前記補強部材の厚さが、5〜30mmであることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強杭構造。
  3. 前記補強部材の内側面には、当該補強部材の筒軸方向に延伸する複数の溝が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の耐震補強杭構造。
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