JPH059933A - 既製リブ付テ−パ−杭 - Google Patents

既製リブ付テ−パ−杭

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JPH059933A
JPH059933A JP19080591A JP19080591A JPH059933A JP H059933 A JPH059933 A JP H059933A JP 19080591 A JP19080591 A JP 19080591A JP 19080591 A JP19080591 A JP 19080591A JP H059933 A JPH059933 A JP H059933A
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JP
Japan
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pile
rib
taper
ribs
outer peripheral
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JP19080591A
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English (en)
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Sadao Yabuuchi
貞男 藪内
Hideki Hirayama
英喜 平山
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JIOTOTSUPU KK
Original Assignee
JIOTOTSUPU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既製のリブ付杭の外周面をテ−パ−状に形成
することで、杭に働く地盤の水平有効応力の増大を計る
と共に、大きな杭の周面支持力を得ることを目的とす
る。 【構成】 鋼管もしくはコンクリ−ト製の杭Pの外周面
を軸方向微少な傾度でテ−パ−状Tに形成すると共に、
該外周面に、水平方向に張り出す拡径リブRを軸方向に
所要数設け、杭が鉛直方向に変位したときに、上記テ−
パ−面と上下の拡径リブRで周辺地盤を水平方向に変位
させ、地盤の水平有効応力を増大させることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地上の構築物や構造物
などを支える基礎杭の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、地上構造物を支える基礎杭とし
て、既製のコンクリ−トパイルや鋼管パイルが用いられ
ているが、通常は杭の外周面が軸方向ストレ−ト状の円
筒杭であって、これを構造物下部の地盤内に打設して上
部構造物を支える基礎杭としているが、下記の欠点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】基礎杭が打設される地
盤によっても相違するが、杭の外周面がストレ−ト状で
あるため、杭の周面支持力が小さく、特に、打設される
地盤がN値の低い軟質地盤である場合には、周面支持力
は大きく期待できず、そのために、杭径の大きい基礎杭
を用いたり(杭の外周面が大きくなるため周面支持力が
増大し、先端支持力も大きくなる)、或は、大きな杭先
端支持力を得る為に、杭の先端部を拡径した基礎杭を用
いたりしているが、既製杭の製造コストや、基礎杭を施
工するコストが高くなり経済的でない欠点があった。
【0004】また、周面支持力のみを増やす目的で、杭
の軸方向外周部に複数の節を設けた節付き杭なども一部
には用いられているが、単に節付き杭の節部下面の押圧
抵抗を期待する基礎杭構造であるため、周面支持力も大
きくは増大せず、安定した杭の支持力を期待できない問
題があった。
【0005】この事は、現状に於て杭の支持力機構、特
に杭の周面支持力機構について深く考慮されていないた
めであり、基礎杭の支持力が、基礎杭が支える構造物に
許される許容沈下量との関係で定められる事への考慮が
なされていない為である。
【0006】即ち、現状に於いては、基礎杭の周面支持
力は杭の変位、即ち、沈下(構造物荷重による)に拘ら
ず略一定とされているが、これは後述するように、使わ
れる既製の円筒杭の外周面が軸方向にストレ−ト状であ
るためで、杭が変位しても杭に接する周辺の地盤土砂が
水平方向に移動することがなく、その為に杭の周面支持
力の性能を定める地盤の水平有効応力にも変化がないも
のとされていた。
【0007】また、上記の水平有効応力を増加を期待し
て、杭の外周面をテ−パ−状に形成した基礎杭を用いた
例もあるが、杭の表面が平滑な円筒状のテ−パ−杭であ
るため、上記地盤の水平有効応力が余り増大せず、更
に、テ−パ−状に形成すると杭の先端部が細くなり、そ
の結果、杭の先端断面積が減少して先端支持力も減少
し、基礎杭全体としてのの支持力、即ち、先端支持力と
周面支持力の和はストレ−トの円筒の杭と大差なく、テ
−パ−状の基礎杭としての性能を有効に生かしきれてい
ない欠点があった。
【0008】本発明は上記欠点を解消しようとするもの
であって、鋼管もしくはコンクリ−ト製の杭の外周面を
軸方向微少な傾度でテ−パ−状に形成すると共に、該外
周面に、水平方向に張り出す拡径部分を軸方向に所用数
設けたる事により杭の周面支持力を増大させると共に、
強固な先端支持力が得られる基礎杭を提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、外周面を軸方向微少な傾度でテ−パ−
状に形成した鋼管もしくはコンクリ−ト製の杭の外周面
に、略水平方向に張り出す拡径リブを軸方向に所用数設
けたことを特徴とする。
【0010】また、水平方向に張り出す拡径リブを、リ
ング状リブやスパイラル状リブで形成してもよく、上記
リング状やスパイラル状の拡径リブの外周面を、断面略
コ型もしくは略円弧状に形成してもよい。また、リング
状やスパイラル状の拡径リブの外側面を、本体外周面と
略同等のテ−パ−状に形成してもよい。
【0011】更に、水平方向に張り出す拡径リブを、コ
ルゲ−ト状リブで形成したことを特徴とする。
【0012】また、拡径リブの外周縁もしくは外周面を
軸方向に連接する包絡線の傾度を、杭本体外周の軸方向
テ−パ−状傾度と略同等になるように形成することが好
ましい。また、水平方向に張り出す拡径部分を、杭の先
端部分で、隣接する上部の拡径リブより大きく拡径して
もよい。
【0013】
【作用】上記した本発明リブ付テ−パ−杭にあっては、
実際地盤に打設され構造物荷重を支えたときに、該杭が
鉛直方向に沈下、変位すると、杭体のテ−パ−面により
杭に接する地盤が微少な水平変位をおこして水平有効応
力が増加し、その結果、周面摩擦力、即ち、杭の周面支
持力が増大する。
【0014】特に、テ−パ−状の杭の軸方向に、リング
状リブやスパイラル状リブやコルゲ−ト状リブなどの拡
径リブを複数設けたものでは、互いに隣接する上下のリ
ブで、杭周辺の地盤土砂を拘束した状態で変位するた
め、上記の水平有効応力は更に増加し、杭の周面支持力
を大きく増大させる。
【0015】また、水平方向に張り出す拡径リブの外周
面を、断面略コ型もしくは略円弧状に形成したものにあ
っては、略コ型もしくは略円弧状の下面による地盤抵抗
を期待できると共に、下面の傾斜によっても杭周地盤が
水平方向に変位し、水平有効応力の増大する。
【0016】また、拡径リブの外側面を本体外周面と略
同等のテ−パ−状に形成したものや、拡径リブの外周縁
もしくは外周面を軸方向に連接する包絡線の傾度を、杭
本体外周の軸方向テ−パ−状傾度と略同等になるように
形成したものにあっては、杭の沈下による地盤の水平方
向変位が同方向で等しくなり、それぞれのテ−パ−によ
る地盤の押し出し変位の相乗効果で、水平有効応力の増
大効果が倍加する。
【0017】また、水平方向に張り出す拡径部分を杭の
先端部分で大きくしたものにあっては、杭の先端支持力
を低下させることがなく、テ−パ−状による周面支持力
の増大とあいまって安全強固な基礎杭を造築できる。
【0018】
【実施例】以下、図示した実施例に基づき詳述する。図
1において、Pは鋼管もしくはコンクリ−ト製の既製の
リブ付テ−パ−杭であって、円筒もしく円柱状の本体胴
部1の外周に上下に所要数の拡径リブRを設けると共
に、胴部1の外周面は、杭の先端にいくほど小径となる
ように軸方向微少な傾度でテ−パ−状Tに形成されてい
る。
【0019】上記で微少な傾度とは、テ−パ−杭Pの長
さにもよるが数%の傾度(テ−パ−度)を言い、打設さ
れた杭の上部に構造物が造築され、該杭が構造物荷重W
を支えたときに鉛直方向にわずかに変位し(沈下し)、
その結果、杭の変位により杭の外周面に接する地盤土砂
が水平方向に微少な変位をもたらし、杭の周面摩擦力f
を増大させる傾度である。
【0020】即ち、杭の周面摩擦力fは、図19に示す
ように、一般的には杭の周囲に垂直に作用する応力、即
ち、地盤内水平有効応力σh によって次のように表され
る。 f=σh ×tanδ ここでtanδは、杭の表面と地盤の性質によって定ま
る摩擦係数であり、既製杭の種類と打設される地盤によ
り定まる一定値である。また、水平有効応力σh はプレ
シオメ−タ−等による水平方向載荷試験デ−タによれ
ば、図20に示すように、地盤の微少な水平変位hで初
期値σ0 から数倍程度まで増加する。
【0021】従って、外周面がストレ−ト状の杭では、
杭が沈下(実際地盤に打設され構造物荷重を支えた時
に)しても杭の周囲の地盤が変位しないためにσh =σ
0 で増加しないが、杭の外周面を微少な傾度で形成した
テ−パ−杭が沈下すると、杭に接する地盤は水平方向に
押し出され、地盤が微少な水平変位hをおこして水平有
効応力σh は初期値σh1から数倍程度にまで増加し、そ
の結果、上式で算出される周面摩擦力f、即ち、周面支
持力fが増大する。
【0022】従って、外周面がストレ−ト状の杭ではσ
h =σh1であるが、杭の外周面を、本願発明のような微
少な傾度でテ−パ−状に形成したテ−パ−杭Pでは、杭
が沈下するにつれて水平有効応力σh が増加し続け、周
面摩擦力fの増加をもたらすと共に、極限値に至るまで
大きな沈下を許容できることとなり、杭の鉛直方向の変
位、即ち、沈下に応じた大きな周面支持力fが期待でき
ることとなる。
【0023】本願発明は、外周面をこのような傾度で形
成された本体胴部1の外周に水平方向に張り出した拡径
リブRを設けたものであって、本実施例では、拡径リブ
Rはリング状のリブ2として形成され、本体胴部1の外
周に上下同径のリング状リブ2が複数段設けられてい
る。図中10は杭の端部金具である。
【0024】また、図2に示す実施例は、上下に設けた
複数のリング状リブ2の外径を、下方のリブ2ほど順に
小径に形成したものであり、この場合、複数のリブ2の
外側面2aの一部(外周縁)を結ぶ包絡線Bの傾度を、
本体胴部1の傾度と略等しくなるように形成してもよ
い。
【0025】また、図3に示す実施例は、上記のように
リング状リブ2の外径を順に小さく形成した実施例に於
て、大きな杭の先端支持力を得るために、杭先端部に設
けたリング状リブ2xの径を大きく形成したものであっ
て、要求される先端支持力に合わせ、上端のリブ2yの
径と同じか、もしくは、それより大きく形成するものと
する。
【0026】上記それぞれの実施例に於て、リング状リ
ブ2は断面略コ型に形成されており(図5)、リブ2の
下面2bは杭が荷重を支えたときに、地盤を押圧して周
面支持力を増大させる働きをする部分であって、打設さ
れたテ−パ−杭Pが上部構造物の荷重を受けて沈下し、
本体胴部1のテ−パ−面が地盤土砂を水平方向に押し出
し変位させることとの相乗効果を考えれば、下面2bを
45度などの傾斜θをもたせた形状にすることが望まし
い。図中2cはリング状リブ2の上面、11は芯材鉄筋
である。
【0027】また、リング状リブ2の外側面2aも、図
6に示すような本体胴部1と略同程度の傾度のテ−パ−
状tに形成し、外側面2aのテ−パ−面でも地盤土砂を
水平方向に押し出し変位させるようにしてもよい。
【0028】これを、リング状リブ2の外径を順に小さ
く形成した図2や図3の実施例に実施すれば、上下複数
のリブ2の外側面2aを結ぶ包絡線Bの傾度も、本体胴
部1のテ−パ−、即ち、傾度と同様となり(図4)、杭
の沈下による地盤の水平方向変位が本体胴部1とリング
状リブ2及びリブ2を結ぶ包絡線Bとで同じ方向で等し
くなり、それぞれのテ−パ−による地盤の押し出し変位
の相乗効果で、水平有効応力σhの増大効果が倍加す
る。即ち、周面摩擦力が増大する。
【0029】また、上記の実施例に於けるリング状リブ
2の断面形状は、図7に示すように略円弧状にそれぞれ
形成してもよく、この場合にも、半円弧状のリング状リ
ブ2の下面で地盤を横方向に押し出し変位させるため、
水平有効応力σh の増大が期待できる。
【0030】以上のような、杭の外周面に複数段のリン
グ状リブ2を設けた微少な傾度のテ−パ−杭Pが沈下、
即ち、鉛直方向に変位すると、杭周辺の地盤土砂を上下
のリブ2で拘束した状態で変位するものであるから、上
述した地盤の変位による水平有効応力σhの増加の度合
は、外周面が突起のない平滑な円筒のテ−パ−杭に比べ
著しく増大する。
【0031】以上、拡径リブRをリング状のリブ2とし
て形成した実施例を示したが以下他の実施例について説
明する。図9、図10、図11に示すものは、杭の外周
面に設ける拡径リブRを、連続したスパイラル状リブ3
として形成した実施例であって、図9は上下複数のスパ
イラル状リブ3の外径を同径にしたものを示し、図10
は、上下のスパイラル状リブ3の外径をの下方のリブ3
ほど順に小径に形成したものであり、図11は、大きな
先端支持力を得るために、順に小径に形成したスパイラ
ル状リブ3の外径を先端部のリブ3xで大きく形成した
実施例を示している。
【0032】上記それぞれの実施例で、スパイラル状リ
ブ3の外周面の断面形状は、リング状リブ2の場合と同
様に、略コ型もしくは略円弧状に形成することが出来、
外側面3aをテ−パ−状tに、或は、下面3bを傾斜θ
をもたせて形成してもよい(図12、図13)。3cは
スパイラル状リブ3の上面である。
【0033】また、図10及び図11の実施例に於て、
上下のスパイラル状リブ3の外径を、外側面3aの一部
(外周縁)を結ぶ包絡線Bが本体胴部1と略同程度の傾
度となるように、下方のスパイラル状リブ3ほど順に小
径に形成してもよく、この場合、外側面3aをテ−パ−
状tに形成すれば、本体胴部1のテ−パ−と、外側面3
aや包絡線Bのテ−パ−が等しくなるので、それぞれの
テ−パ−による地盤押圧の相乗効果で、杭の周面支持力
が増大する。
【0034】図14、図15、図16は杭の外周面に設
ける拡径リブRの更に他の実施例を示し、拡径リブRが
連続した波形のコルゲ−ト状リブ4として形成されてい
る。この実施例の場合、波形の凹部4a(リブの内径)
を上下に結ぶ外周線1aが本体胴部1の外周に相当し、
図14は、外周線1a、即ち、本体胴部1の外周を一定
傾度のテ−パ−状Tに形成するとともに、波形の凸部4
b(リブ4の外径)を杭の上下で同径にしたものを示
し、図15はリブ4の外径を先端のリブほど順に小さく
形成した実施例を示し、図16は、図15のように順に
小径に形成したコルゲ−ト状リブ4の外径を、杭の先端
部のリブ4xで大きく形成した実施例を示し、杭の先端
支持力が増大する。この場合、先端部のリブ4xの外径
は上段のリブyと同様かそれ以上にしてもよい。
【0035】この実施例の場合、密に連続した波形のリ
ブ4が地盤に食い込み密着して周面支持力が増大すると
共に、本体胴部1の外周、即ち、外周線1aをテ−パ−
状Tに形成したから、杭が鉛直方向に変位すると、杭に
接する周辺の地盤土砂が水平方向に押し出されて変位
し、水平有効応力σhが増大する。
【0036】特に、図15や図16の実施例に於いて、
コルゲ−ト状リブ4の外径を上下に結ぶ包絡線Bが、本
体胴部1の傾度、外周線1aの傾度に合わせ略同等のテ
−パ−になるように形成した場合には、本体胴部1のテ
−パ−と包絡線Bのテ−パ−とで地盤を水平方向に押し
出し変位させることの相乗効果で、杭の周面摩擦力は大
きく増大する。
【0037】尚、上記の拡径リブRをスパイラル状リブ
3やコルゲ−ト状リブ4として形成した実施例にあって
も、リブ付テ−パ−杭Pが沈下した時には、上下のスパ
イラル状リブ3や、コルゲ−ト状リブ4などの拡径リブ
Rで、周辺土砂を拘束した状態で変位するものであるか
ら、地盤の水平方向の変位による水平有効応力σh の増
加の度合は大きく、外周面が突起のない平滑な円筒状テ
−パ−杭に比べ著しく増大する。
【0038】本発明リブ付テ−パ−杭Pは以上のようで
あるが、これを打設する場合種々の施工方法で実施する
ことができ、例えば、打ち込み工法で施工する場合には
(図示省略)、リブ付テ−パ−杭Pを所定の地盤上に建
て込み、デ−ゼルハンマ−などで杭Pの頭部に打撃を与
え地中に打ち込む。この場合、拡径リブRの貫入にとも
ない生ずる杭周間隙には砂利、砂などを充填すれば、周
囲地盤に密着したリブ付テ−パ−杭Pが地中に造築され
る。
【0039】また、スパイラル状リブ3を設けたテ−パ
−杭Pにあっては、リブ付3のスパイラルを利用してテ
−パ−杭Pを地盤にねじ込み圧入する施工方法が望まし
く、テ−パ−状の本体胴部1の圧入で地盤が押圧される
ばかりでなく、リブ3が外周地盤に食い込み周面支持力
が更に増大する。
【0040】また、低騒音、低振動の先掘り工法で等で
施工する場合、図21に示すように、スクリュ−オ−ガ
−S等で拡径リブRの径よりやや大きい径で、所定深さ
まで地盤を掘孔し、オ−ガ−引き上げ時に、掘孔内にセ
メントモルタル等硬化材Mを充填する(図21a)。次
に、掘孔内にリブ付テ−パ−杭Pを圧入沈設すれば、杭
周囲に充填された充填材Mが硬化して、周囲地盤と密着
したリブ付テ−パ−杭Pが地中に造築される(図21
b)。
【0041】尚、上記のモルタル等硬化材Mは、テ−パ
−杭Pのテ−パ−で地盤を押し出し変位させる効果を考
えれば、硬化後の強度、性状などが従来地盤強度と同程
度となるものが望ましく、更に、上記ア−ス−オ−ガ−
の掘孔時に、注入した硬化材Mと掘削土砂とをミキシン
グして掘孔内にソイルセメント体を造成し、この孔内に
リブ付きテ−パ−杭Pを圧入してもよい。
【0042】以上本発明は、外周面をテ−パ−状に形成
したの円筒状もしくは円柱状の本体胴部1に複数の拡径
リブRを設けたものであるが、本体胴部1の断面形状は
上記に限るものではなく、断面6角形、4角形など角形
であってもよく、また、拡径リブRの外周形状も上記に
合わせ角形のリブや或は円形のリブとの組合せであって
もよい。尚、本体胴部1が角形である場合には、角形の
各面を上下でテ−パ−状Tに形成するものであることは
言うまでもない。また、拡径リブRも周方向に連続した
ものではなく、図18に示すリング状リブ2の例のよう
に、リブ2の一部に切り欠き部5を設け、水平方向に張
り出す拡径部分を杭の周方向で不連続に形成してもよ
い。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明では、外周面を軸方
向微少な傾度でテ−パ−状に形成した鋼管もしくはコン
クリ−ト製の杭の外周面に、略水平方向に張り出す拡径
リブを軸方向に所要数設けたものであるから、実際地盤
に打設され構造物荷重を支えたときに、該杭が鉛直方向
に沈下、変位すると、杭体のテ−パ−面により杭に接す
る地盤が微少な水平変位をおこして水平有効応力が増加
し、その結果、周面摩擦力、即ち、杭の周面支持力が増
大する利点がある。
【0044】特に、テ−パ−状の杭の外周面軸方向に
は、リング状リブやスパイラル状リブやコルゲ−ト状リ
ブなどの拡径リブを複数設けたものであるから、互いに
隣接する上下のリブで、杭周辺の地盤土砂を拘束した状
態で変位するため、上記の水平有効応力は更に増加し、
杭の周面支持力を大きく増大させると共に、基礎杭の支
持力性能を向上させる効果がある。
【0045】また、水平方向に張り出す拡径リブの外周
面を、断面略コ型もしくは略円弧状に形成したものにあ
っては、略コ型もしくは略円弧状の下面による地盤抵抗
を期待できると共に、下面の傾斜によっても杭周地盤が
水平方向に変位し、水平有効応力の増大を期待できる利
点がある。
【0046】更にまた、拡径リブの外側面を本体外周面
と略同等のテ−パ−状に形成したものや、拡径リブの外
周縁もしくは外周面を軸方向に連接する包絡線の傾度
を、杭本体外周の軸方向テ−パ−状傾度と略同等になる
ように形成したものにあっては、杭の沈下による地盤の
水平方向変位が同方向で等しくなり、それぞれのテ−パ
−による地盤の押し出し変位の相乗効果で、水平有効応
力の増大効果が倍加し、強固な杭の支持力が得られる効
果がある。
【0048】また、水平方向に張り出す拡径リブを杭の
先端部分で、隣接する上部の拡径リブより大きく形成し
たものにあっては、杭の本体胴部がテ−パ−状で先端部
が小径となっても、先端の拡大した拡径リブで杭の先端
支持力を低下させることがなく、テ−パ−状による周面
支持力の増大とあいまって安全強固な基礎杭を造築でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリング状リブ付テ−パ−杭の実施例を
示す側面図である。
【図2】同上の他の例を示す側面図である。
【図3】同上の他の例を示す側面図である。
【図4】同上の他の例を示す側面図である。
【図5】同上リブを示す縦断面図である。
【図6】同上リブの他の例を示す縦断面図である。
【図7】同上リブの他の例を示す縦断面図である。
【図8】同上のリング状リブ付テ−パ−杭の横断面図で
ある。
【図9】本発明のスパイラル状リブ付テ−パ−杭の実施
例を示す側面図である。
【図10】同上の他の例を示す側面図である。
【図11】同上の他の例を示す側面図である。
【図12】同上リブを示す縦断面図である。
【図13】同上リブの他の例を示す縦断面図である。
【図14】本発明のコルゲ−ト状リブ付テ−パ−杭の実
施例を示す側面図である。
【図15】同上の他の例を示す側面図である。
【図16】同上の他の例を示す側面図である。
【図17】同上リブを示す縦断面図である。
【図18】本発明のリブ付テ−パ−杭の他の実施例を示
す横断面図である。
【図19】地盤中のテ−パ−杭の働きを説明するための
概要図である。
【図20】地盤内の水平有効応力σhと地盤の水平変位
hとの関係を示す図である。
【図21】本発明リブ付テ−パ−杭の施工方法の例を示
す説明図である。
【符号の説明】
(P)…リブ付テ−パ−杭 (R)…拡径リブ (T) テ−パ−状 (1)…本体胴部 (2)…リング状リブ (3)…スパイラル状リブ (4)…コルゲ−ト状リブ (f)…周面摩擦力

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面を軸方向微少な傾度でテ−パ−状
    に形成した鋼管もしくはコンクリ−ト製の杭の外周面
    に、略水平方向に張り出す拡径リブを軸方向に所用数設
    けたことを特徴とする既製リブ付テ−パ−杭。
  2. 【請求項2】 水平方向に張り出す拡径リブを、リング
    状リブで形成したことを特徴とする請求項1記載の既製
    リブ付テ−パ−杭。
  3. 【請求項3】 水平方向に張り出す拡径リブを、スパイ
    ラル状リブで形成したことを特徴とする請求項1記載の
    既製リブ付テ−パ−杭。
  4. 【請求項4】 水平方向に張り出す拡径リブの外周面
    を、断面略コ型もしくは略円弧状に形成したことを特徴
    とする請求項2または3記載の既製リブ付テ−パ−杭。
  5. 【請求項5】 水平方向に張り出す拡径リブの外側面
    を、本体外周面と略同等のテ−パ−状に形成したことを
    特徴とする請求項2または3記載の既製リブ付テ−パ−
    杭。
  6. 【請求項6】 水平方向に張り出す拡径リブを、コルゲ
    −ト状リブで形成したことを特徴とする請求項1記載の
    既製リブ付テ−パ−杭。
  7. 【請求項7】 拡径リブの外周縁もしくは外周面を軸方
    向に連接する包絡線の傾度を、杭本体外周の軸方向テ−
    パ−状傾度と略同等になるように形成したことを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5または6のいずれか1項
    に記載の既製リブ付テ−パ−杭。
  8. 【請求項8】 水平方向に張り出す拡径リブを、杭の先
    端部分で、隣接する上部の拡径リブより大きく拡径した
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または
    7のいずれか1項に記載の既製リブ付テ−パ−杭。
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