JP2873128B2 - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP2873128B2
JP2873128B2 JP9790792A JP9790792A JP2873128B2 JP 2873128 B2 JP2873128 B2 JP 2873128B2 JP 9790792 A JP9790792 A JP 9790792A JP 9790792 A JP9790792 A JP 9790792A JP 2873128 B2 JP2873128 B2 JP 2873128B2
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Brother Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被縫製物として例えば
革靴用の皮や厚物の布等を縫製するのに好適するミシン
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のミシンは、従来より、被
縫製物を布送りする下送り手段として例えば送り歯を備
えていると共に、被縫製物の上側に設けられ上記送り歯
との間で被縫製物を挟みながら該被縫製物を布送りする
送り車輪を備えている。そして、この送り車輪を、特公
平1−19917号公報に示すように、独立した駆動源
であるパルスモータにより回転駆動されるように構成す
ることも可能である。このようなミシンでは、被縫製物
を正方向へ布送りする通常の縫製を実行する場合、送り
車輪を正回転させる。また、被縫製物を逆方向へ布送り
する返し縫いを実行する場合は、送り車輪を逆回転させ
るように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、送り車輪をパルスモータで回転駆動する場
合、送り車輪の回転量即ち布送り量を正確に制御するこ
とができないという欠点があった。具体的に説明する
と、パルスモータへ1個のパルスを与えたときに回転す
る回転量、即ち、パルスモータの1ステップの回転量
は、モータの機種毎に決まっている。一方、パルスモー
タの回転力を送り車輪へ伝達する動力伝達機構の減速比
は、使用する歯車等のギヤ比で決まる。そして、送り車
輪の布送り量は、送り車輪の回転角度と送り車輪の直径
寸法とで決まる。これらの関係から、パルスモータを1
ステップ回転させたときの送り車輪の布送り量が算出さ
れる。
【0004】一方、送り車輪の布送り量即ち布送りピッ
チは、0.1〜7.0mmの範囲内で且つ0.1mm刻
みで設定可能であることが要望されている。従って、パ
ルスモータを1ステップ回転させたときの送り車輪の布
送り量が0.1mmになるように、パルスモータの1ス
テップの回転量、動力伝達機構の減速比、送り車輪の直
径寸法を設定すれば良いことになる。
【0005】しかし、実際には、パルスモータを1ステ
ップ回転させたときの送り車輪の布送り量がちょうど
0.1mmになるように設定することは非常に困難であ
る。というのは、パルスモータの1ステップの回転量と
送り車輪の直径寸法とに対応させて、動力伝達機構の減
速比をきめると、その減速比は特殊な値になってしま
う。このような特殊な減速比の動力伝達機構を構成する
ギヤは、特別に設計しなければならず、従来から一般的
に使用されている規格品を使用できないという欠点があ
るためである。また、送り車輪の直径寸法を変更するこ
とも、その配設場所のスペース上の制約から困難であ
る。
【0006】一方、1ステップの回転量が非常に小さい
高分解能のパルスモータを使用することも考えられる
が、パルスモータの価格が高くなるのでコスト高とな
り、製品として実現が困難である。
【0007】従って、従来構成では、パルスモータを1
ステップ回転させたときの送り車輪の布送り量を、0.
0975mm程度に設定しており、1ステッチの縫製を
行うときには、設定された布送りピッチに対応する数の
パルスをパルスモータへ与えて送り車輪を回転させるよ
うに構成していた。
【0008】しかしながら、上記構成では、設定された
布送り量によっては、送り車輪の実際の布送り量と設定
送りピッチとの誤差がかなり大きく、その誤差があるま
まで例えば数百ステッチ分の縫製を実行すると、誤差が
累積する結果、布ずれが発生して縫製品質が悪化すると
いう問題点が生じる。
【0009】そこで、本発明は前記課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、送り車輪をパルス
モータにより回転駆動するように構成したものでありな
がら、送り車輪の布送り量を正確に制御することがで
き、縫製品質を向上し得るミシンを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のミシンは、被縫製物の下側に設けられ該被
縫製物を布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側
に設けられ前記下送り手段との間で前記被縫製物を挟み
ながら布送りする送り車輪と、この送り車輪を回転駆動
する送り車輪駆動用のパルスモータとを備え、更に、前
記被縫製物の送りピッチを設定する送りピッチ設定手段
を設け、この送りピッチ設定手段により設定された設定
送りピッチに対応する数のパルスを前記パルスモータへ
与えることにより、前記送り車輪の送り量が前記設定送
りピッチにほぼ等しくなるように制御すると共に、縫製
運転の実行中に、前記送り車輪の実際の送り量と前記設
定送りピッチとの誤差が極力小さくなるように前記パル
スモータへ与えるパルス数をときどき変更する送り車輪
制御手段を設けている。
【0011】尚、この場合、縫製運転実行中に送り車輪
制御手段がパルスモータへ与えるパルス数をときどき変
更するためのパルス数変更データをテーブル化して記憶
する記憶手段を設ける構成としても良い。
【0012】
【作用】上記構成を有する本発明のミシンは、送り車輪
制御手段が、送りピッチ設定手段により設定された送り
ピッチに対応する数のパルスをパルスモータに与え、送
り車輪の送り量が設定送りピッチにほぼ等しくなるよう
に制御すると共に、縫製運転の実行中に、送り車輪の実
際の送り量と設定送りピッチとの誤差が極力小さくなる
ようにパルスモータへ与えるパルス数をときどき変更す
るようにしたので、機械的構成を変更することなく、送
り車輪の布送り量を正確に制御することが可能になる。
【0013】また、記憶手段に記憶されたパルス数変更
データに基づいて、送り車輪制御手段が縫製運転実行中
にパルスモータへ与えるパルス数をときどき変更する構
成としたので、設定送りピッチ毎にパルス数を変更する
制御が簡単になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。まず、ミシンの全体構成を示す図2
において、ミシン本体1は、ミシンテーブル2の上面側
に配設されている。ミシン本体1は、図3にも示すよう
に、ミシンベッド部3と、このミシンベッド部3の右方
部から立上がり且つ左方に延びるように設けられたミシ
ンアーム部4とから構成されている。ミシンアーム部4
の左端部分には、針棒5が上下動可能に設けられてお
り、この針棒5の下端に縫針6が取付けられている。
【0015】また、上記ミシンテーブル2の下面側の右
方部には、例えばDCモータからなるミシンモータ7が
配設されている。このミシンモータ7により、プーリ
8、ベルト9及びプーリ10を介して上軸11(図3参
照)が回転駆動されるようになっている。この上軸11
の回転により、図示しない周知のクランク機構等を介し
て上記針棒5及び縫針6が上下駆動されるように構成さ
れている。尚、ミシンテーブル2の下面側には、その右
方部に上記ミシンモータ7を通断電制御するための制御
箱12が配設されている。
【0016】一方、ミシンベッド部3の上面左端部に
は、被縫製物(図示しない)を載置するための載置台部
13が上記針棒5に対向するように上方に向けて突設さ
れている。この載置台部13内には、図6に示すよう
に、糸輪捕捉器である水平かま14及び下送り手段であ
る送り歯15が配設されている。
【0017】また、ミシンベッド部3内には、下軸16
が左右方向へ延びるように配置された状態で回転可能に
設けられていると共に、上下送り軸17及び水平送り軸
18が上記下軸16の前後両側にそれぞれ平行に配置さ
れた状態で回動可能に設けられている。上記下軸16へ
は、上軸11の回転力がベベルギヤや縦軸(いずれも図
示しない)等からなる回転力伝達機構を介して伝達され
るように構成されている。
【0018】上記下軸16の回転により、ベベルギヤ1
9や駆動軸20を介して水平かま14が前記針棒5即ち
縫針6の上下動に同期して回動駆動されるように構成さ
れている。この縫針6の上下動と水平かま14の回動と
によって、上糸と下糸(いずれも図示しない)が絡んで
縫い目が形成されるようになっている。
【0019】上下送り軸17の左端には、上下送り腕2
1が配置されており、その上下送り腕21の先端部には
コロ21aが形成されている。また、水平送り軸18の
左端部には水平送りロッド23が配置されており、その
水平送りロッド23の一対のボス部23aの内側には、
送り台22の一端の突出形成された一対のボス部22a
が配置されている。そして、両一対のボス部22a,2
3a間には、図6に示すように水平送り台軸23bが貫
通されている。更に、送り台22の他端部には、二又形
状をした案内片22bが形成されており、前記上下送り
腕21のコロ21aと係合している。
【0020】また、送り台22の上方には、上端に送り
歯15を固定した送り歯支持部材24が配置されてお
り、その送り歯支持部材24の下端は送り台22のほぼ
中央部にピン22cにて回動可能に支持されている。そ
して、送り歯支持部材24は、図6に示すように、縦長
形状をしており、その中央部には長孔24aが形成され
ており、その長孔24a内に配置された中心部材13a
を中心にして、上下左右に運動可能である。
【0021】そして、上下送り軸17へ上軸11の回転
力が図示しない上下送り伝達機構を介して伝達される
と、上下送り軸17の左端に取付けられた上下送り腕2
1が回動し、コロ21aにより二又形状の案内片22b
が上下に押圧され、送り台22が上下方向へ駆動される
ようになっている。また、水平送り軸18へ上軸11の
回転力が図示しない水平送り伝達機構を介して伝達され
ると、水平送りロッド23、水平送り台軸23、上下送
り腕21のコロ21aにより、送り台22が水平方向即
ち前後方向へ駆動されるように構成されている。
【0022】上記送り台22の上部には、送り歯15が
縦長形状の送り歯支持部材24を介して取付けられてい
る。この場合、送り台22の上述した水平及び上下方向
の運動によって、送り歯15が送り運動することにより
図示しない被縫製物が正方向(手前方向)又は逆方向
(後方)へ布送りされるようになっている。被縫製物の
布送り方向の切替は、水平送り伝達機構に設けられた周
知構成の切替器(図示しない)を操作することにより行
われるように構成されている。この切替器は、返し縫い
ソレノイド46(図1参照)により切り替え駆動される
と共に、返し縫いレバー(図示しない)を手動操作する
ことにより切り替え駆動されるようになっている。
【0023】尚、送り歯15の布送り量つまり被縫製物
の送りピッチは、周知構成の送りピッチ設定ダイヤル
(図示しない)を使用者が手動によって回動操作するこ
とにより、所望の値に設定できるように構成されてい
る。
【0024】また、図3に示すように、上軸11の右端
部のプーリ10の右側には、上軸11の回転速度及び回
転角度を検出する回転検出装置25が設けられている。
この回転検出装置25は、図1に示すように、回転速度
検出手段である回転速度検出器26と、針位置検出器2
7とから構成されている。
【0025】上記回転速度検出器26は、プーリ10即
ち上軸11の回転速度を検出して、回転速度検出信号を
出力する。つまり、回転速度検出器26によって、縫製
速度が検出されるようになっている。上記針位置検出器
27は、プーリ10即ち上軸11の回転角度を検出する
ことにより、縫針6の位置を検出し、縫針6が上位置に
あるとき針上信号を出力し、縫針6が下位置にあるとき
針下信号を出力する。つまり、針位置検出器27によっ
て、原点位置が検出されるように構成されている。
【0026】さて、ミシンアーム部4の左端部分には、
図4に示すように、押え棒28が針棒5の後方に該針棒
5にほぼ平行に配置され且つ上下動可能に設けられてい
る。この押え棒28は、押え上げレバー(図示しない)
を手動操作することにより、上げ下げされるように構成
されている。上記押え棒28は、下方へ下げられた状態
で、図示しない押えばねにより下方へ付勢されている。
尚、押え棒28を下方位置から上方へ上げるときは、押
え上げソレノイド47(図1参照)によっても駆動され
るように構成されている。
【0027】上記押え棒28の下端部には、送り車輪2
9が送り車輪取付台30を介して取付けられている。こ
の送り車輪29は、送り車輪取付台30に軸31を支点
としてその回りに回転可能に設けられている。上記送り
車輪29は、押え棒28が下方へ下げられたときに、被
縫製物を載置台部13上へ押え付けるように構成されて
いる。
【0028】また、図3にも示すように、ミシンアーム
部4の左端部内に配設された支持台部32には、送り車
輪駆動用のパルスモータ33が取付けられている。この
パルスモータ33により、上記送り車輪29が回転駆動
されるように構成されている。具体的には、パルスモー
タ33の回転軸34の先端には、継手35を介して伝動
軸継手36が連結されている。この伝動軸継手36の軸
心部には、図5に示すように、断面6角形状の嵌合穴3
6aが形成されている。
【0029】そして、伝動軸37の上端部37aが断面
6角形状に形成されており、この上端部37aが上記伝
動軸継手36の嵌合穴36a内に嵌合連結されている。
これにより、伝動軸継手36と伝動軸37とが一体に回
転すると共に、伝動軸継手36に対して伝動軸37が上
下動可能になっている。伝動軸37の下端部は、ベベル
ギヤ部38aを有する伝動軸38の上端部に連結されて
いる。この歯車付き伝動軸38は、送り車輪取付台30
に形成された軸受孔30a内に挿入されて回転可能に設
けられている。
【0030】上記伝動軸38の下端部に設けられたベベ
ルギヤ部38aが、送り車輪29の左面周縁部に設けら
れたベベルギヤ部29aに噛合している。これにより、
パルスモータ33の回転力が、伝動軸継手36、伝動軸
37及び伝動軸38を介して送り車輪29へ伝達されて
該送り車輪29が回転駆動される。上記した伝動軸継手
36、伝動軸37及び歯車付き伝動軸38等から動力伝
達機構が構成されている。
【0031】この場合、パルスモータ33を正逆回転さ
せることにより、送り車輪29が正逆回転駆動されるよ
うに構成されている。このような送り車輪29の回転と
前記送り歯15の送り運動とによって、被縫製物が送り
車輪29と送り歯15との間に挟まれながら布送りされ
る。
【0032】また、図2及び図3に示すように、ミシン
アーム部4の右端上部には、操作パネル部39が上方に
向けて突設されている。この操作パネル部39の前面に
は、各種の縫製運転を実行するための縫製データを設定
する各種の機能スイッチ40(図1参照)、並びに、設
定された縫製データや運転状態等を表示する表示装置4
1(図1参照)が設けられている。各種の機能スイッチ
40の中には、上記送り車輪29の布送り量即ち送りピ
ッチを設定するためのスイッチが設けられている。
【0033】上記スイッチを適宜操作することにより、
送り車輪29の送りピッチを例えば0.1mmから7.
0mmまでの範囲内で例えば0.1mm刻みで設定する
ことができるようになっている。このスイッチが、送り
車輪29の送りピッチを設定する送りピッチ設定手段を
構成している。尚、図2に示すように、ミシンテーブル
2の下面側の左方部には、上記パルスモータ33を通断
電制御するための制御箱52が配設されている。
【0034】また、ミシンの電気的構成を示す図1にお
いて、縫製制御手段である中央処理装置(以下CPUと
称す)42は、ミシンの縫製運転全般を制御する機能を
有しており、この場合、送り車輪制御手段の機能をも有
している。このCPU42は、種々のスイッチ40、ペ
ダルスイッチ43、回転速度検出器26及び針位置検出
器27とバスを介して接続されており、それらからの各
種信号を受けるようになっている。
【0035】上記ペダルスイッチ43は、使用者の足に
よる踏込み操作により、前踏み位置、中立位置及び後踏
み位置に操作可能に構成されている。ペダルスイッチ4
3は、前踏み位置へ操作されたときミシン起動信号を、
中立位置へ操作されたときミシン停止信号を、及び、後
踏み位置へ操作されたとき止め縫い信号を出力するよう
になっている。そして、ペダルスイッチ43は、前踏み
位置へ操作される場合、その踏み込み量に応じた出力レ
ベルの信号を出力し、この信号が縫製速度指示信号とし
てCPU42へ与えられる。
【0036】また、CPU42は、記憶手段である例え
ばROM44内に記憶された制御プログラムに従ってミ
シンの縫製運転を制御するように構成されている。そし
て、CPU42は、RAM45内へデータを記憶すると
共に、RAM45内からデータを読出すようになってい
る。更に、CPU42は、ミシンモータ7、パルスモー
タ33、返し縫いソレノイド46及び押え上げソレノイ
ド47をそれぞれ駆動回路48,49,50,51を介
して駆動制御すると共に、表示装置41を駆動制御する
ように構成されている。
【0037】次に、このように構成されたミシンの動作
について説明する。被縫製物として例えば皮を縫製する
場合、まず、送り歯15の布送りピッチを設定する。こ
の場合、使用者が送りピッチ設定ダイヤルを回転操作す
ると共に、試し縫いを行うことにより、所望の送りピッ
チを設定する。ここで、今、例えば3mmの送りピッチ
を設定したとすると、次に、この設定した送りピッチに
応じて送り車輪29の送りピッチを設定する。
【0038】具体的には、操作パネル部39の機能スイ
ッチ40を操作することにより、例えば3mmの送りピ
ッチを設定する。この場合、送り歯15の送りピッチが
3mmであるから、3mmの送りピッチを設定すれば良
いはずであるが、実際には、送り歯15の送りピッチが
3mmちょうどに設定されることは少ないので、機能ス
イッチ40を操作して送り車輪29の送りピッチを0.
1mm刻みで増減させると共に、試し縫いを行うことに
より、被縫製物の布送りがずれることなくスムーズにな
されるように、送り車輪29の送りピッチの設定量を調
整する。
【0039】そして、上記各送りピッチの設定が完了し
たら、縫製運転を実行する。具体的には、ペダルスイッ
チ43を前方へ踏み込むことにより、ミシンモータ7を
起動させ上軸11を回転駆動させて縫製運転を行う。こ
の場合、ペダルスイッチ43の前方への踏み込み量に応
じて、ミシンモータ7の回転速度即ち縫製速度が調整制
御されるようになっている。
【0040】さて、CPU42による送り車輪29即ち
パルスモータ33の回転制御は、送り歯15の送り運動
に同期させて行われる。具体的には、送り歯15が送り
運動を開始した時点から、パルスモータ33へ設定個数
のパルス(即ち設定送りピッチに対応する数のパルス)
を与えることにより、パルスモータ33を設定回転角度
だけ回転させ、もって、送り車輪29を設定された送り
ピッチに相当する布送り量だけ回転させるように構成さ
れている。
【0041】ここで、パルスモータ33へ与えるパルス
の数について、具体的に説明する。本実施例で使用した
パルスモータ33は、1個のパルスを与えられたときに
回転する回転量、即ち、1ステップの回転量は0.9度
である。また、パルスモータ33の回転力を送り車輪2
9へ伝達する動力伝達機構(伝動軸継手36、伝動軸3
7及び伝動軸38等からなる機構)の減速比は、例えば
20/58である。これにより、パルスモータ33を1
ステップ回転させたときの送り車輪29の布送り量a
は、次式のようになる。この場合、送り車輪29の直径
を36mmとする。 a=(0.9/360)×(20
/58)×π×36 この式を計算すると、パルスモータ33を1ステップ回
転させたときの送り車輪29の布送り量aは、ほぼ0.
0975mmとなる。今、設定された送りピッチが例え
ば3.1mmであるとすると、この送りピッチ3.1m
mに対応する数のパルスは33であり、送り車輪29の
実際の布送り量(1ステッチ当たり)は3.1218m
mとなる。この場合、誤差は、0.0218mmであ
る。
【0042】ここで、CPU42は、縫製運転中に、パ
ルスモータ33へ与えるパルスの数をときどき変更する
制御を行うようになっている。具体的には、設定送りピ
ッチが3.1mmの場合、次に示す表1のようにパルス
数を変更する。
【0043】
【表1】 上記表1に示すように、5ステッチ分の縫製を行う度
に、そのうちの第3ステッチのパルス数を32とし、そ
れ以外のステッチのパルス数を33としている。そし
て、このような5ステッチ分の縫製を繰り返し行うよう
に制御される。この場合、上記5ステッチ分の平均送り
ピッチは3.10288mmとなる。これにより、送り
車輪29の実際の送り量即ち平均送りピッチ3.102
88mmと、設定送りピッチ3.1mmとの誤差は、
0.00288mmとなる。
【0044】この誤差0.00288mmは、パルス数
を変更しない場合(従来構成)の誤差0.0218mm
に比べると、約1/10程度の大きさであり、誤差が全
体として非常に小さくなったことがわかる。この結果、
例えば数百ステッチ分の縫製を実行したとしても、従来
構成に比べて、誤差の累積が小さくなり、送り車輪29
の実際の送り量と設定送りピッチとの間の誤差を極めて
小さくすることができる。
【0045】また、次の表2に、設定送りピッチが1,
2,3,4,5mmの各場合におけるパルス数の変更例
を示す。
【0046】
【表2】 そして、本実施例においては、設定された送りピッチが
0.1mmから7.0mmまでの範囲内の0.1mm刻
みの各送りピッチについて、パルス数を変更させたデー
タを算出して求め、これらのデータ即ちパルス数変更デ
ータをテーブル化してROM44内に記憶している。
【0047】尚、上記構成の場合、回転速度検出器26
により上軸11の回転速度つまり縫製速度を検出し、こ
の検出した縫製速度に対応するように、送り車輪29の
回転速度を制御することにより、送り車輪29の回転速
度と送り歯15の送り速度とを等しくしている。これに
より、被縫製物が送り車輪29と送り歯15との間に挟
まれながら布送りされ、縫製が実行される。
【0048】このような構成の本実施例によれば、縫製
運転の実行中に、送り車輪29の実際の送り量と設定送
りピッチとの誤差が極力小さくなるようにパルスモータ
33へ与えるパルス数をときどき変更する構成、例えば
5ステッチに1回または2回程度変更する構成としたの
で、誤差の累積が小さくなる。この結果、数百ステッチ
分の縫製を実行したとしても、従来構成に比べて、送り
車輪29の実際の送り量と設定送りピッチとの誤差が小
さくなり、送り車輪29の布送り量を正確に制御するこ
とができる。このため、布ずれが発生しなくなるので、
縫製品質を向上させることができる。
【0049】しかも、この場合、パルスモータ33を1
ステップ回転させたときの送り車輪29の布送り量は、
従来構成と同じであり、機械的構成については従来構成
を変更しなくても済むから、製造コストが高くなること
がない。
【0050】また、CPU42が、縫製運転実行中に、
ROM44に記憶されたテーブル化されたパルス数変更
データに基づいて、パルスモータ33へ与えるパルス数
をときどき変更する構成としたので、設定された送りピ
ッチ毎にパルス数を変更する制御を簡単に実現すること
ができる。
【0051】尚、上記実施例では、パルスモータ33へ
与えるパルス数を5ステッチ毎に1回または2回程度変
更する構成としたが、これに限られるものではなく、2
〜4ステッチ毎に、または、6ステッチ以上毎に、1回
ないし数回程度変更する構成としても良く、ステッチ数
や変更回数等の具体的な値は適宜設定することができ
る。
【0052】また、上記実施例では、下送り手段として
送り歯15を用いたが、これに代えて、被縫製物を布送
りする下送り車輪を設け、この下送り車輪をパルスモー
タにより駆動するように構成しても良い。更に、上記実
施例では、1本針の直線縫いミシンに適用したが、これ
に限られるものではなく、例えば2本針の直線縫いミシ
ンに適用しても良いことは勿論である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように請求項1のミシンに
おいては、縫製運転の実行中に、送り車輪の実際の送り
量と設定送りピッチとの誤差が極力小さくなるようにパ
ルスモータへ与えるパルス数をときどき変更する構成と
したので、送り車輪をパルスモータにより回転駆動する
ように構成したものでありながら、送り車輪の布送り量
を正確に制御することができ、縫製品質を向上させるこ
とができる。
【0054】また、請求項2のミシンにおいては、縫製
運転実行中に、記憶手段にテーブル化して記憶されたパ
ルス数変更データに基づいて、パルスモータへ与えるパ
ルス数をときどき変更する構成としたので、設定送りピ
ッチ毎にパルス数を変更する制御を簡単に実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図
【図2】ミシン全体の正面図
【図3】ミシン本体の一部破断正面図
【図4】ミシンアーム部の破断側面図
【図5】要部の横断面図
【図6】ミシンベッド部の部分斜視図
【符号の説明】
1はミシン本体、3はミシンベッド部、4はミシンアー
ム部、5は針棒、6は縫針、7はミシンモータ、11は
上軸、13は載置台部、14は水平かま、15は送り歯
(下送り手段)、16は下軸、22は送り台、24は送
り歯支持部材、28は押え棒、29は送り車輪、30は
送り車輪取付台、33はパルスモータ、39は操作パネ
ル部、40は機能スイッチ(送りピッチ設定手段)、4
2はCPU(送り車輪制御手段)、43はペダルスイッ
チ、44はROM(記憶手段)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 誠 東京都台東区今戸1丁目11番3号 セイ コーミシン式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D05B 1/00 - 83/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製物の下側に設けられ該被縫製物を
    布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側に設けら
    れ前記下送り手段との間で前記被縫製物を挟みながら布
    送りする送り車輪と、この送り車輪を回転駆動する送り
    車輪駆動用のパルスモータとを備えて成るミシンにおい
    て、 前記被縫製物の送りピッチを設定する送りピッチ設定手
    段と、 この送りピッチ設定手段により設定された設定送りピッ
    チに対応する数のパルスを前記パルスモータへ与えるこ
    とにより、前記送り車輪の送り量が前記設定送りピッチ
    にほぼ等しくなるように制御すると共に、縫製運転の実
    行中に、前記送り車輪の実際の送り量と前記設定送りピ
    ッチとの誤差が極力小さくなるように前記パルスモータ
    へ与えるパルス数をときどき変更する送り車輪制御手段
    とを備えていることを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 縫製運転実行中に送り車輪制御手段がパ
    ルスモータへ与えるパルス数をときどき変更するための
    パルス数変更データをテーブル化して記憶する記憶手段
    を備えていることを特徴とする請求項1記載のミシン。
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