JP3096145B2 - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP3096145B2
JP3096145B2 JP04097910A JP9791092A JP3096145B2 JP 3096145 B2 JP3096145 B2 JP 3096145B2 JP 04097910 A JP04097910 A JP 04097910A JP 9791092 A JP9791092 A JP 9791092A JP 3096145 B2 JP3096145 B2 JP 3096145B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被縫製物として例えば
革靴用の皮や厚物の布等を縫製するのに好適するミシン
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のミシンは、被縫製物を布
送りする下送り手段として例えば送り歯を備えていると
共に、被縫製物の上側に設けられ上記送り歯との間で被
縫製物を挟みながら該被縫製物を布送りする送り車輪を
備えている。この送り車輪は、ミシンモータにより回転
駆動される上軸の回転力が、歯車及び回転軸等からなる
動力伝達機構とクラッチ機構とを介して伝達されること
により、回転駆動されるようになっている。この場合、
送り車輪は正回転方向へ回転駆動されるか、あるいは停
止されているだけであり、送り車輪を逆回転方向へ回転
駆動させることができない構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したミシンにおい
て、被縫製物を正方向へ布送りする通常の縫製を実行す
る場合、送り車輪を正回転させれば良い。しかし、被縫
製物を逆方向へ布送りする返し縫いを実行するときに
は、送り車輪を逆回転させなければならないが、上述し
たように送り車輪を逆回転させることができないので、
このようなミシンでは、返し縫いを行うことができない
という問題点があった。
【0004】このような問題点を解消する構成として、
特公平1−19917号公報に示すように、送り車輪を
独立した駆動源例えばパルスモータにより回転駆動する
ようにした構成が容易に考えられる。この構成によれ
ば、送り車輪を逆回転させることが可能となるので、返
し縫いを実行することができる。
【0005】しかしながら、送り車輪をパルスモータに
より正逆回転駆動するミシンを実際に試作し、試作した
ミシンにより種々の条件で縫製運転を行ってみたとこ
ろ、返し縫いを実行することは可能になったが、返し縫
いを行ったときに、該返し縫いを行った部分の縫い目が
不揃いになり、縫製品質が悪化するという事態が発生し
た。このため、上記試作したミシンをそのまま製品化し
ていくことは不可能であった。
【0006】試作したミシンによって返し縫いを行った
ときに、該返し縫いを行った部分の縫い目が不揃いにな
って、縫製品質が悪化する原因を探求してみると、縫製
運転の実験を繰り返すうちに、被縫製物の送り方向が正
方向から逆方向へ切り替わったとき、逆方向への第1番
目のステッチに対応する送り車輪の布送り量即ち送りピ
ッチが、予め設定された送りピッチよりも若干少なくな
っていることがわかった。
【0007】そこで、本発明は前記課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、送り車輪を正逆両
方向に回転駆動可能にして返し縫いを実行できるように
すると共に、返し縫いを行った部分の縫い目の大きさを
揃えることができ、縫製品質を向上し得るミシンを提供
するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のミシンは、被縫製物の下側に設けられ該被
縫製物を布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側
に設けられ前記下送り手段との間で前記被縫製物を挟み
ながら布送りする送り車輪とを備えて、更に、前記送り
車輪を回転駆動するパルスモータと、被縫製物の送りピ
ッチを設定する送りピッチ設定手段と、被縫製物の送り
方向が正方向から逆方向へ切り替わったとき、逆方向へ
の第1番目のステッチに対応する送りピッチだけを、設
定された送りピッチよりも大きくする送りピッチ補正手
段と、この送りピッチ補正手段により補正された送りピ
ッチに基づいて前記パルスモータを通電制御することに
より前記送り車輪の回転量を制御する送り車輪制御手段
とを設けている。
【0009】
【作用】上記構成を有する本発明は、送りピッチ補正手
段によって逆方向への第1番目のステッチに対応する送
りピッチだけを送りピッチ設定手段にて設定された送り
ピッチよりも大きく補正すると共に、送り車輪制御手段
によって上記補正した送りピッチに基づいて送り車輪の
回転量を制御することにより、逆方向への第1番目のス
テッチについて、送り車輪の実際の布送り量と設定され
た送りピッチとがほぼ等しくなり、布ずれが発生しなく
なって返し縫いを行った部分の縫い目の大きさが揃うよ
うになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。まず、ミシンの全体構成を示す図2
において、ミシン本体1は、ミシンテーブル2の上面側
に配設されている。ミシン本体1は、図3にも示すよう
に、ミシンベッド部3と、このミシンベッド部3の右方
部から立上がり且つ左方に延びるように設けられたミシ
ンアーム部4とから構成されている。ミシンアーム部4
の左端部分には、針棒5が上下動可能に設けられてお
り、この針棒5の下端に縫針6が取付けられている。
【0011】また、上記ミシンテーブル2の下面側の右
方部には、例えばDCモータからなるミシンモータ7が
配設されている。このミシンモータ7により、プーリ
8、ベルト9及びプーリ10を介して上軸11(図3参
照)が回転駆動されるようになっている。この上軸11
の回転により、図示しない周知のクランク機構等を介し
て上記針棒5及び縫針6が上下駆動されるように構成さ
れている。尚、ミシンテーブル2の下面側には、その右
方部に上記ミシンモータ7を通断電制御するための制御
箱12が配設されている。
【0012】一方、ミシンベッド部3の上面左端部に
は、被縫製物(図示しない)を載置するための載置台部
13が上記針棒5に対向するように上方に向けて突設さ
れている。この載置台部13内には、図6に示すよう
に、糸輪捕捉器である水平かま14及び下送り手段であ
る送り歯15が配設されている。
【0013】また、ミシンベッド部3内には、下軸16
が左右方向へ延びるように配置された状態で回転可能に
設けられていると共に、上下送り軸17及び水平送り軸
18が上記下軸16の前後両側にそれぞれ平行に配置さ
れた状態で回動可能に設けられている。上記下軸16へ
は、上軸11の回転力がベベルギヤや縦軸(いずれも図
示しない)等からなる回転力伝達機構を介して伝達され
るように構成されている。
【0014】上記下軸16の回転により、ベベルギヤ1
9や駆動軸20を介して水平かま14が前記針棒5即ち
縫針6の上下動に同期して回動駆動されるように構成さ
れている。この縫針6の上下動と水平かま14の回動と
によって、上糸と下糸(いずれも図示しない)が絡んで
縫い目が形成されるようになっている。
【0015】上下送り軸17の左端には、上下送り腕2
1が配置されており、その上下送り腕21の先端部には
コロ21aが形成されている。また、水平送り軸18の
左端部には水平送りロッド23が配置されており、その
水平送りロッド23の一対のボス部23aの内側には、
送り台22の一端の突出形成された一対のボス部22a
が配置されている。そして、両一対のボス部22a,2
3a間には、図6に示すように水平送り台軸23bが貫
通されている。更に、送り台22の他端部には、二又形
状をした案内片22bが形成されており、前記上下送り
腕21のコロ21aと係合している。
【0016】また、送り台22の上方には、上端に送り
歯15を固定した送り歯支持部材24が配置されてお
り、その送り歯支持部材24の下端は送り台22のほぼ
中央部にピン22cにて回動可能に支持されている。そ
して、送り歯支持部材24は、図6に示すように、縦長
形状をしており、その中央部には長孔24aが形成され
ており、その長孔24a内に配置された中心部材13a
を中心にして、上下左右に運動可能である。
【0017】そして、上下送り軸17へ上軸軸11の回
転力が図示しない上下送り伝達機構を介して伝達される
と、上下送り軸17の左端に取付けられた上下送り腕2
1が回動し、コロ21aにより二又形状の案内片22b
が上下に押圧され、送り台22が上下方向へ駆動される
ようになっている。また、水平送り軸へ上軸11の回転
力が図示しない水平送り伝達機構を介して伝達される
と、水平送りロッド23、水平送り台軸23、上下送り
腕21のコロ21aにより、送り台22が水平方向即ち
前後方向へ駆動されるように構成されている。
【0018】上記送り台22の上部には、送り歯15が
縦長形状の送り歯支持部材24を介して取付けられてい
る。この場合、送り台22の上述した水平及び上下方向
の運動によって、送り歯15が送り運動することにより
図示しない被縫製物が正方向(手前方向)又は逆方向
(後方)へ布送りされるようになっている。被縫製物の
布送り方向の切替は、水平送り伝達機構に設けられた周
知構成の切替器(図示しない)を操作することにより行
われるように構成されている。この切替器は、返し縫い
ソレノイド46(図7参照)により切り替え駆動される
と共に、返し縫いレバー(図示しない)を手動操作する
ことにより切り替え駆動されるようになっている。
【0019】尚、送り歯15の布送り量つまり被縫製物
の送りピッチは、周知構成の送りピッチ設定ダイヤル
(図示しない)を使用者が手動によって回動操作するこ
とにより、所望の値に設定できるように構成されてい
る。
【0020】また、図3に示すように、上軸11の右端
部のプーリ10の右側には、上軸11の回転速度及び回
転角度を検出する回転検出装置25が設けられている。
この回転検出装置25は、図7に示すように、回転速度
検出手段である回転速度検出器26と、針位置検出器2
7とから構成されている。
【0021】上記回転速度検出器26は、プーリ10即
ち上軸11の回転速度を検出して、回転速度検出信号を
出力する。つまり、回転速度検出器26によって、縫製
速度が検出されるようになっている。上記針位置検出器
27は、プーリ10即ち上軸11の回転角度を検出する
ことにより、縫針6の位置を検出し、縫針6が上位置に
あるとき針上信号を出力し、縫針6が下位置にあるとき
針下信号を出力する。つまり、針位置検出器27によっ
て、原点位置が検出されるように構成されている。
【0022】さて、ミシンアーム部4の左端部分には、
図4に示すように、押え棒28が針棒5の後方に該針棒
5にほぼ平行に配置され且つ上下動可能に設けられてい
る。この押え棒28は、押え上げレバー(図示しない)
を手動操作することにより、上げ下げされるように構成
されている。上記押え棒28は、下方へ下げられた状態
で、図示しない押えばねにより下方へ付勢されている。
尚、押え棒28を下方位置から上方へ上げるときは、押
え上げソレノイド47(図7参照)によっても駆動され
るように構成されている。
【0023】上記押え棒28の下端部には、送り車輪2
9が送り車輪取付台30を介して取付けられている。こ
の送り車輪29は、送り車輪取付台30に軸31を支点
としてその回りに回転可能に設けられている。上記送り
車輪29は、押え棒28が下方へ下げられたときに、被
縫製物を載置台部13上へ押え付けるように構成されて
いる。
【0024】また、図3にも示すように、ミシンアーム
部4の左端部内に配設された支持台部32には、送り車
輪用駆動モータである例えばパルスモータ33が取付け
られている。このパルスモータ33により、上記送り車
輪29が回転駆動されるように構成されている。具体的
には、パルスモータ33の回転軸34の先端には、継手
35を介して伝動軸継手36が連結されている。この伝
動軸継手36の軸心部には、図5に示すように、断面6
角形状の嵌合穴36aが形成されている。
【0025】そして、伝動軸37の上端部37aが断面
6角形状に形成されており、この上端部37aが上記伝
動軸継手36の嵌合穴36a内に嵌合連結されている。
これにより、伝動軸継手36と伝動軸37とが一体に回
転すると共に、伝動軸継手36に対して伝動軸37が上
下動可能になっている。伝動軸37の下端部は、ベベル
ギヤ部38aを有する伝動軸38の上端部に連結されて
いる。この歯車付き伝動軸38は、送り車輪取付台30
に形成された軸受孔30a内に挿入されて回転可能に設
けられている。
【0026】上記伝動軸38の下端部に設けられたベベ
ルギヤ部38aが、送り車輪29の左面周縁部に設けら
れたベベルギヤ部29aに噛合している。これにより、
パルスモータ33の回転力が、伝動軸継手36、伝動軸
37及び伝動軸38を介して送り車輪29へ伝達されて
該送り車輪29が回転駆動される。この場合、パルスモ
ータ33を正逆回転させることにより、送り車輪29が
正逆回転駆動されるようになっている。このような送り
車輪29の回転と前記送り歯15の送り運動とによっ
て、被縫製物が送り車輪29と送り歯15との間に挟ま
れながら布送りされる。
【0027】また、図2及び図3に示すように、ミシン
アーム部4の右端上部には、操作パネル部39が上方に
向けて突設されている。この操作パネル部39の前面に
は、各種の縫製運転を実行するための縫製データを設定
する各種の機能スイッチ40(図7参照)、並びに、設
定された縫製データや運転状態等を表示する表示装置4
1(図7参照)が設けられている。各種の機能スイッチ
40の中には、上記送り車輪29の布送り量即ち送りピ
ッチを設定するためのスイッチが設けられている。
【0028】上記スイッチを適宜操作することにより、
送り車輪29の送りピッチを例えば0.1mmから7.
0mmまでの範囲内で例えば0.1mm刻みで設定する
ことができるようになっている。このスイッチが送りピ
ッチ設定手段を構成している。尚、図2に示すように、
ミシンテーブル2の下面側の左方部には、上記パルスモ
ータ33を通断電制御するための制御箱52が配設され
ている。
【0029】また、ミシンの電気的構成を示す図7にお
いて、縫製制御手段である中央処理装置(以下CPUと
称す)42は、ミシンの縫製運転全般を制御する機能を
有しており、この場合、送りピッチ補正手段及び送り車
輪制御手段の各機能をも有している。このCPU42
は、種々のスイッチ40、ペダルスイッチ43、回転速
度検出器26及び針位置検出器27とバスを介して接続
されており、それらからの各種信号を受けるようになっ
ている。
【0030】上記ペダルスイッチ43は、使用者の足に
よる踏込み操作により、前踏み位置、中立位置及び後踏
み位置に操作可能に構成されている。ペダルスイッチ4
3は、前踏み位置へ操作されたときミシン起動信号を、
中立位置へ操作されたときミシン停止信号を、及び後踏
み位置へ操作されたとき止め縫い信号を出力するように
なっている。そして、ペダルスイッチ43は、前踏み位
置へ操作される場合、その踏み込み量に応じた出力レベ
ルの信号を出力し、この信号が縫製速度指示信号として
CPU42へ与えられる。
【0031】また、CPU42は、ROM44内に記憶
された制御プログラムに従ってミシンの縫製運転を制御
するように構成されている。そして、CPU42は、R
AM45内へデータを記憶すると共に、RAM45内か
らデータを読出すようになっている。更に、CPU42
は、ミシンモータ7、パルスモータ33、返し縫いソレ
ノイド46及び押え上げソレノイド47をそれぞれ駆動
回路48,49,50,51を介して駆動制御すると共
に、表示装置41を駆動制御するように構成されてい
る。
【0032】次に、このように構成されたミシンの動作
について図1及び図8について説明する。被縫製物とし
て例えば皮を縫製する場合、まず、送り歯15の布送り
ピッチを設定する。この場合、使用者が送りピッチ設定
ダイヤルを回転操作すると共に、試し縫いを行うことに
より、所望の送りピッチを設定する。ここで、今、例え
ば3mmの送りピッチを設定したとすると、次に、この
設定した送りピッチに応じて送り車輪29の送りピッチ
を設定する。
【0033】具体的には、操作パネル部39の機能スイ
ッチ40を操作することにより、例えば3mmの送りピ
ッチを設定する。この場合、送り歯15の送りピッチが
3mmであるから、3mmの送りピッチを設定すれば良
いはずであるが、実際には、送り歯15の送りピッチが
3mmちょうどに設定されることは少ないので、機能ス
イッチ40を操作して送り車輪29の送りピッチを0.
1mm刻みで増減させると共に、試し縫いを行うことに
より、被縫製物の布送りがずれることなくスムーズにな
されるように、送り車輪29の送りピッチの設定量を調
整する。
【0034】そして、上記各送りピッチの設定が完了し
たら、縫製運転を実行する。具体的には、ペダルスイッ
チ43を前方へ踏み込むことにより、ミシンモータ7を
起動させ上軸11を回転駆動させて縫製運転を行う。こ
の場合、ペダルスイッチ43の前方への踏み込み量に応
じて、ミシンモータ7の回転速度即ち縫製速度が調整制
御されるようになっている。
【0035】ここで、CPU42は、回転速度検出器2
6により上軸11の回転速度つまり縫製速度を検出し、
この検出した縫製速度に対応するように、送り車輪29
の回転速度を制御している。これにより、送り車輪29
の送り速度が送り歯15の送り速度に同期し、被縫製物
が送り車輪29と送り歯15との間に挟まれながら布送
りされ、縫製が実行される。
【0036】さて、ほころびを防止するための止め縫い
即ちいわゆる返し縫いを行う場合には、ペダルスイッチ
43を後踏込み位置へ踏込み操作する。これによって、
ペダルスイッチ43からCPU42へ止め縫い信号が与
えられる。CPU42は、止め縫い信号を受けることに
より、被縫製物の送り方向を正方向から逆方向へ切り替
える。この切替処理と同時に、CPU42は、被縫製物
の送り方向が正方向から逆方向へ切り替わったときにお
ける逆方向への第1番目のステッチに対応する送りピッ
チだけを、設定された送りピッチよりも大きくする補正
を行う。
【0037】ここで、送りピッチを補正するCPU42
の制御について、図1に示すフローチャートに従って説
明する。図1のフローチャートは、制御プログラムのう
ちの送りピッチを補正する制御部分の内容を概略的に示
している。図1に示すように、CPU42は、止め縫い
信号を受けると(ステップS1:YES)、次に縫製す
るステッチが逆方向への第1番目のステッチであるか否
かを判断する(ステップS2)。ここでは、例えばRA
M45に設けられた逆方向への第1番目のステッチ判断
用のフラグがオフであれば、逆方向への第1番目のステ
ッチであると判断し、また、上記判断用のフラグがオン
であれば、それ以外のステッチであると判断する。
【0038】今、逆方向への第1番目のステッチである
から、ステップS2にてYESと判断され、送りピッチ
を補正する(ステップS3)。具体的には、設定された
送りピッチを読み込んで、この設定送りピッチをその1
0%だけ大きく補正したピッチを、第1番目のステッチ
用の送り車輪29の送りピッチとして設定する。そし
て、ここで、上記フラグ、即ち、逆方向への第1番目の
ステッチ判断用のフラグをオンしておく。
【0039】一方、止め縫い信号を受けない場合(ステ
ップS1:NO)、また、逆方向への第1番目のステッ
チでない場合(ステップS2:NO)、送りピッチを補
正しない(ステップS4)。具体的には、設定された送
りピッチを読み込んで、送り車輪29の送りピッチとし
て設定する。尚、上記フラグ、即ち、逆方向への第1番
目のステッチ判断用のフラグは、イニシャライズ処理に
おいてオフされると共に、返し縫い処理が完了した後で
オフされるようになっている。
【0040】次に、返し縫いを実行するために、被縫製
物の送り方向を正方向から逆方向へ切り替える処理につ
いて、具体的に説明する。この場合、CPU42は、返
し縫いソレノイド46を通電駆動して切替器を動作させ
ることにより、送り歯15の送り方向を逆方向へ切り替
える。そして、送り歯15が被縫製物を逆方向へ布送り
するときには、パルスモータ33を逆回転方向へ回転駆
動して送り車輪29を逆回転させる。この結果、送り歯
15及び送り車輪29により被縫製物が逆方向へ布送り
され、返し縫いが例えば3ステッチだけ実行される。
【0041】ここで、被縫製物の送り方向が正方向から
逆方向へ切り替わったときの、逆方向への第1番目のス
テッチに対応する送り車輪29の送りピッチとしては、
上述したように補正した送りピッチ、即ち、設定された
送りピッチを10%大きくした送りピッチを用いる。そ
して、この補正された送りピッチに基づいて送り車輪2
9の回転量が制御される。この結果、上記返し縫いの3
ステッチ分の各縫い目の大きさが、ほぼ等しくなり、縫
い目が揃うようになる。この返し縫いによる縫い目を、
図8に破線A1にて示す。尚、上記返し縫いは、例えば
800rpmの縫製速度で実行される。
【0042】そして、上記返し縫いを3ステッチ分実行
した後は、被縫製物の布送り方向を再び正方向へ切り替
えて、上記返し縫いの縫製速度と同じ800rpmの縫
製速度で例えば3ステッチ分だけ縫製を実行する。具体
的には、返し縫いソレノイド46を断電して切替器を動
作させることにより、送り歯15の送り方向を正方向へ
切り替える。そして、送り歯15が被縫製物を正方向へ
布送りするときには、パルスモータ33を正回転方向へ
回転駆動して送り車輪29を正回転させる。これによっ
て、被縫製物が正方向へ布送りされ、縫製運転が3ステ
ッチだけ実行されて止め縫いが完了する。この縫製運転
による縫い目を、図8において破線A2にて示す。
【0043】このような構成の本実施例によれば、被縫
製物の送り方向が正方向から逆方向へ切り替わったと
き、逆方向への第1番目のステッチに対応する送りピッ
チだけを設定された送りピッチよりも10%大きく補正
すると共に、上記補正した送りピッチに基づいて送り車
輪29の回転量を制御する構成としたので、逆方向への
第1番目のステッチについて、送り車輪29の実際の布
送り量と、設定された送りピッチとがほぼ等しくなり、
布ずれが発生しなくなる。このため、図8に示すよう
に、返し縫いを行った部分の縫い目の大きさが揃うよう
になり、縫製品質を向上させることができる。
【0044】ところで、被縫製物の送り方向が正方向か
ら逆方向へ切り替わったとき、逆方向への第1番目のス
テッチに対応する送り車輪の布送り量が、予め設定され
た送りピッチよりも若干少なくなる原因については、本
発明者が調べた範囲ではよくわからないが、ギヤのバッ
クラッシュや送り歯15の送り効率の変動等が影響して
いるように思われる。
【0045】尚、上記実施例では、縫い目の終端部分に
止め縫い即ち返し縫いを行う場合に適用したが、これに
代えて、縫い目の始端部分に止め縫いを行う場合に適用
しても良い。また、上記実施例では、返し縫い時の縫製
速度を800rpmに設定したが、これに限られるもの
ではなく、具体的な速度は適宜定めれば良い。更に、上
記実施例では、1本針の直線縫いミシンに適用したが、
これに限られるものではなく、2本針の直線縫いミシン
に適用しても良い。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、被縫製物の送り方向が正方向から逆方向へ切り替わ
ったとき、逆方向への第1番目のステッチに対応する送
りピッチだけを、設定された送りピッチよりも大きくす
る送りピッチ補正手段を設けると共に、この送りピッチ
補正手段により補正された送りピッチに基づいて送り車
輪の回転量を制御する送り車輪制御手段を設ける構成と
したので、送り車輪を正逆回転駆動可能にして返し縫い
を実行できるように構成しながら、返し縫いを行った部
分の縫い目の大きさを揃えることができ、縫製品質を向
上し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャート
【図2】ミシン全体の正面図
【図3】ミシン本体の一部破断正面図
【図4】ミシンアーム部の破断側面図
【図5】要部の横断面図
【図6】ミシンベッド部の部分斜視図
【図7】ブロック図
【図8】縫い目を示す上面図
【符号の説明】
1はミシン本体、3はミシンベッド部、4はミシンアー
ム部、5は針棒、6は縫針、7はミシンモータ、11は
上軸、13は載置台部、14は水平かま、15は送り歯
(下送り手段)、28は押え棒、29は送り車輪、33
はパルスモータ、39は操作パネル部、42はCPU
(送りピッチ補正手段、送り車輪制御手段)、43はペ
ダルスイッチを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 誠 東京都台東区今戸1丁目11番3号 セイ コーミシン式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−60897(JP,A) 特開 昭63−139593(JP,A) 特公 平1−29594(JP,B2) 特表 平3−504084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 27/10 D05B 27/12 D05B 27/14 D05B 27/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製物の下側に設けられ該被縫製物を
    布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側に設けら
    れ前記下送り手段との間で被縫製物を挟みながら布送り
    する送り車輪とを備えて成るミシンにおいて、前記送り車輪を回転駆動するパルスモータと、 前記被縫製物の送りピッチを設定する送りピッチ設定手
    段と、 前記被縫製物の送り方向が正方向から逆方向へ切り替わ
    ったとき、逆方向への第1番目のステッチに対応する送
    りピッチだけを、前記送りピッチ設定手段にて設定され
    た送りピッチよりも大きくする送りピッチ補正手段と、 この送りピッチ補正手段により補正された送りピッチに
    基づいて前記パルスモータを通電制御することにより
    記送り車輪の回転量を制御する送り車輪制御手段とを備
    えたことを特徴とするミシン。
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