JP2880016B2 - ミシン - Google Patents
ミシンInfo
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- JP2880016B2 JP2880016B2 JP9790992A JP9790992A JP2880016B2 JP 2880016 B2 JP2880016 B2 JP 2880016B2 JP 9790992 A JP9790992 A JP 9790992A JP 9790992 A JP9790992 A JP 9790992A JP 2880016 B2 JP2880016 B2 JP 2880016B2
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- sewing
- sewing machine
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被縫製物として例えば
革靴用の皮や厚物の布等を縫製するのに好適するミシン
に関するものである。
革靴用の皮や厚物の布等を縫製するのに好適するミシン
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のミシンは、被縫製物を布
送りする下送り手段として例えば送り歯を備えていると
共に、被縫製物の上側に設けられ上記送り歯との間で被
縫製物を挟みながら該被縫製物を布送りする送り車輪を
備えている。この送り車輪は、ミシンモータにより回転
駆動される上軸の回転力が、歯車及び回転軸等からなる
動力伝達機構とクラッチ機構とを介して伝達されること
により、回転駆動されるようになっている。この場合、
送り車輪は正回転方向へ回転駆動されるか、あるいは停
止されているだけであり、送り車輪を逆回転方向へ回転
駆動させることができない構成となっている。
送りする下送り手段として例えば送り歯を備えていると
共に、被縫製物の上側に設けられ上記送り歯との間で被
縫製物を挟みながら該被縫製物を布送りする送り車輪を
備えている。この送り車輪は、ミシンモータにより回転
駆動される上軸の回転力が、歯車及び回転軸等からなる
動力伝達機構とクラッチ機構とを介して伝達されること
により、回転駆動されるようになっている。この場合、
送り車輪は正回転方向へ回転駆動されるか、あるいは停
止されているだけであり、送り車輪を逆回転方向へ回転
駆動させることができない構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したミシンにおい
て、被縫製物を正方向へ布送りする通常の縫製を実行す
る場合、送り車輪を正回転させれば良い。しかし、被縫
製物を逆方向へ布送りする返し縫いを実行するときに
は、送り車輪を逆回転させなければならないが、上述し
たように送り車輪を逆回転させることができないので、
このようなミシンでは、返し縫いを行うことができない
という問題点があった。
て、被縫製物を正方向へ布送りする通常の縫製を実行す
る場合、送り車輪を正回転させれば良い。しかし、被縫
製物を逆方向へ布送りする返し縫いを実行するときに
は、送り車輪を逆回転させなければならないが、上述し
たように送り車輪を逆回転させることができないので、
このようなミシンでは、返し縫いを行うことができない
という問題点があった。
【0004】このような問題点を解消する構成として、
特公平1−19917号公報に示すように、送り車輪を
独立した駆動源例えばパルスモータにより回転駆動する
ようにした構成が容易に考えられる。この構成によれ
ば、送り車輪を逆回転させることが可能となるので、返
し縫いを実行することができる。
特公平1−19917号公報に示すように、送り車輪を
独立した駆動源例えばパルスモータにより回転駆動する
ようにした構成が容易に考えられる。この構成によれ
ば、送り車輪を逆回転させることが可能となるので、返
し縫いを実行することができる。
【0005】しかしながら、送り車輪をパルスモータに
より正逆回転駆動するミシンを実際に試作し、試作した
ミシンにより種々の条件で縫製運転を行ってみたとこ
ろ、返し縫いを実行することは可能になったが、被縫製
物を正方向へ布送りする通常の縫製を実行するとき、特
には、縫製開始部分の縫い目の大きさが不揃いになり、
縫製品質が悪化するという事態が発生した。このため、
上記試作したミシンをそのまま製品化していくことは不
可能であった。
より正逆回転駆動するミシンを実際に試作し、試作した
ミシンにより種々の条件で縫製運転を行ってみたとこ
ろ、返し縫いを実行することは可能になったが、被縫製
物を正方向へ布送りする通常の縫製を実行するとき、特
には、縫製開始部分の縫い目の大きさが不揃いになり、
縫製品質が悪化するという事態が発生した。このため、
上記試作したミシンをそのまま製品化していくことは不
可能であった。
【0006】試作したミシンによって縫製を開始したと
きに、縫製開始部分の縫い目の大きさが不揃いになっ
て、縫製品質が悪化する原因を探求してみた。以下、上
記原因について述べる。ミシンが停止している場合、縫
針の停止位置は、通常、針上位置である。この場合、被
縫製物の上面における上記縫針の対応する位置は、図8
において矢印Aの先端で示す位置となる。そして、上記
ミシンの停止状態では、送り歯は、針板の上面から上方
へ突出している。
きに、縫製開始部分の縫い目の大きさが不揃いになっ
て、縫製品質が悪化する原因を探求してみた。以下、上
記原因について述べる。ミシンが停止している場合、縫
針の停止位置は、通常、針上位置である。この場合、被
縫製物の上面における上記縫針の対応する位置は、図8
において矢印Aの先端で示す位置となる。そして、上記
ミシンの停止状態では、送り歯は、針板の上面から上方
へ突出している。
【0007】この状態で、縫製が開始されると、縫針が
下降開始すると共に、送り歯が送り運動を行って被縫製
物を正方向(図8中上方)へ布送りし、縫針は図8にお
いて矢印Bの先端で示す位置へ落ちる。即ち、縫製開始
時には、縫針が被縫製物上に落ちるまでの間に、被縫製
物は、図8に示すように、布送り量Cだけ正方向へ布送
りされる。
下降開始すると共に、送り歯が送り運動を行って被縫製
物を正方向(図8中上方)へ布送りし、縫針は図8にお
いて矢印Bの先端で示す位置へ落ちる。即ち、縫製開始
時には、縫針が被縫製物上に落ちるまでの間に、被縫製
物は、図8に示すように、布送り量Cだけ正方向へ布送
りされる。
【0008】ここで、上記布送り量Cは予測不可能な量
である。というのは、ミシンが停止したときに、縫針が
必ずしも針上位置に停止しているとは限らないためであ
る。具体的に説明すると、ミシンモータが停止するとき
は、通常、縫針がほぼ針上位置に停止するように制御さ
れるが、ミシンモータが停止した状態では、使用者がプ
ーリを手動操作することにより、縫針を自由に移動させ
ることができるようになっているからである。
である。というのは、ミシンが停止したときに、縫針が
必ずしも針上位置に停止しているとは限らないためであ
る。具体的に説明すると、ミシンモータが停止するとき
は、通常、縫針がほぼ針上位置に停止するように制御さ
れるが、ミシンモータが停止した状態では、使用者がプ
ーリを手動操作することにより、縫針を自由に移動させ
ることができるようになっているからである。
【0009】一方、送り車輪の回転制御は、送り歯の送
り運動に同期させて行う。具体的には、通常の縫製運転
時の場合、送り歯が送り運動を開始した時点から送り車
輪を設定された送りピッチに相当する布送り量だけ回転
させる。このとき、送り車輪の回転速度と送り歯の送り
速度とが等しくなるように制御している。
り運動に同期させて行う。具体的には、通常の縫製運転
時の場合、送り歯が送り運動を開始した時点から送り車
輪を設定された送りピッチに相当する布送り量だけ回転
させる。このとき、送り車輪の回転速度と送り歯の送り
速度とが等しくなるように制御している。
【0010】これに対して、上述したように、縫製開始
時における送り歯の布送り量Cは、予測不可能な量であ
るため、送り車輪を縫製開始時に回転させる量がわから
ない。従って、試作したミシンにおいては、縫製開始時
には、送り車輪を回転させないようにしている。ところ
で、送り車輪を回転させるパルスモータは、回転停止時
も通電して励磁していることが普通である。即ち、縫製
開始時には、送り車輪は、パルスモータの励磁力により
回転不可能になっている。
時における送り歯の布送り量Cは、予測不可能な量であ
るため、送り車輪を縫製開始時に回転させる量がわから
ない。従って、試作したミシンにおいては、縫製開始時
には、送り車輪を回転させないようにしている。ところ
で、送り車輪を回転させるパルスモータは、回転停止時
も通電して励磁していることが普通である。即ち、縫製
開始時には、送り車輪は、パルスモータの励磁力により
回転不可能になっている。
【0011】この結果、縫製を開始するとき、被縫製物
は、下側から送り歯により正方向に布送りされる力を受
けると共に、上側から送り車輪により布送りを妨げる力
を受ける。このため、縫製開始時に、被縫製物がスムー
ズに布送りされなくなり、被縫製物の布ずれが発生する
ことから、縫製開始部分の縫い目の大きさが不揃いにな
り、縫製品質が悪化する。
は、下側から送り歯により正方向に布送りされる力を受
けると共に、上側から送り車輪により布送りを妨げる力
を受ける。このため、縫製開始時に、被縫製物がスムー
ズに布送りされなくなり、被縫製物の布ずれが発生する
ことから、縫製開始部分の縫い目の大きさが不揃いにな
り、縫製品質が悪化する。
【0012】そこで、本発明は前記課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、送り車輪を正逆両
方向に回転駆動可能にして返し縫いを実行できるように
すると共に、縫製開始部分の縫い目の大きさを揃えるこ
とができ、縫製品質を向上し得るミシンを提供するにあ
る。
になされたものであり、その目的は、送り車輪を正逆両
方向に回転駆動可能にして返し縫いを実行できるように
すると共に、縫製開始部分の縫い目の大きさを揃えるこ
とができ、縫製品質を向上し得るミシンを提供するにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のミシンは、被縫製物の下側に設けられ該被
縫製物を布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側
に設けられ前記下送り手段との間で前記被縫製物を挟み
ながら布送りする送り車輪と、この送り車輪を回転駆動
する送り車輪駆動用のパルスモータとを備え、更に、前
記被縫製物の縫製を開始する場合、針上停止位置から少
なくとも前記下送り手段による送り動作が停止するまで
の間は前記パルスモータを断電するように制御するモー
タ制御手段を備えている。
に、本発明のミシンは、被縫製物の下側に設けられ該被
縫製物を布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側
に設けられ前記下送り手段との間で前記被縫製物を挟み
ながら布送りする送り車輪と、この送り車輪を回転駆動
する送り車輪駆動用のパルスモータとを備え、更に、前
記被縫製物の縫製を開始する場合、針上停止位置から少
なくとも前記下送り手段による送り動作が停止するまで
の間は前記パルスモータを断電するように制御するモー
タ制御手段を備えている。
【0014】
【作用】上記構成を有する本発明は、被縫製物の縫製を
開始する場合、モータ制御手段により針上停止位置から
少なくとも下送り手段による送り動作が停止するまでの
間は、パルスモータを断電するように制御し、パルスモ
ータを無励磁にして該パルスモータ即ち送り車輪を空回
りさせる構成としたので、縫製を開始するとき、被縫製
物は、下側から下送り手段により正方向に布送りされる
力を受けるだけで、上側から布送りを妨げる力を受けな
くなる。このため、縫製開始時に、被縫製物がスムーズ
に布送りされるようになるから、縫製開始部分の縫い目
の大きさが揃うようになり、縫製品質が向上する。
開始する場合、モータ制御手段により針上停止位置から
少なくとも下送り手段による送り動作が停止するまでの
間は、パルスモータを断電するように制御し、パルスモ
ータを無励磁にして該パルスモータ即ち送り車輪を空回
りさせる構成としたので、縫製を開始するとき、被縫製
物は、下側から下送り手段により正方向に布送りされる
力を受けるだけで、上側から布送りを妨げる力を受けな
くなる。このため、縫製開始時に、被縫製物がスムーズ
に布送りされるようになるから、縫製開始部分の縫い目
の大きさが揃うようになり、縫製品質が向上する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。まず、ミシンの全体構成を示す図2
において、ミシン本体1は、ミシンテーブル2の上面側
に配設されている。ミシン本体1は、図3にも示すよう
に、ミシンベッド部3と、このミシンベッド部3の右方
部から立上がり且つ左方に延びるように設けられたミシ
ンアーム部4とから構成されている。ミシンアーム部4
の左端部分には、針棒5が上下動可能に設けられてお
り、この針棒5の下端に縫針6が取付けられている。
しながら説明する。まず、ミシンの全体構成を示す図2
において、ミシン本体1は、ミシンテーブル2の上面側
に配設されている。ミシン本体1は、図3にも示すよう
に、ミシンベッド部3と、このミシンベッド部3の右方
部から立上がり且つ左方に延びるように設けられたミシ
ンアーム部4とから構成されている。ミシンアーム部4
の左端部分には、針棒5が上下動可能に設けられてお
り、この針棒5の下端に縫針6が取付けられている。
【0016】また、上記ミシンテーブル2の下面側の右
方部には、例えばDCモータからなるミシンモータ7が
配設されている。このミシンモータ7により、プーリ
8、ベルト9及びプーリ10を介して上軸11(図3参
照)が回転駆動されるようになっている。この上軸11
の回転により、図示しない周知のクランク機構等を介し
て上記針棒5及び縫針6が上下駆動されるように構成さ
れている。尚、ミシンテーブル2の下面側には、その右
方部に上記ミシンモータ7を通断電制御するための制御
箱12が配設されている。
方部には、例えばDCモータからなるミシンモータ7が
配設されている。このミシンモータ7により、プーリ
8、ベルト9及びプーリ10を介して上軸11(図3参
照)が回転駆動されるようになっている。この上軸11
の回転により、図示しない周知のクランク機構等を介し
て上記針棒5及び縫針6が上下駆動されるように構成さ
れている。尚、ミシンテーブル2の下面側には、その右
方部に上記ミシンモータ7を通断電制御するための制御
箱12が配設されている。
【0017】一方、ミシンベッド部3の上面左端部に
は、被縫製物(図示しない)を載置するための載置台部
13が上記針棒5に対向するように上方に向けて突設さ
れている。この載置台部13内には、図6に示すよう
に、糸輪捕捉器である水平かま14及び下送り手段であ
る送り歯15が配設されている。
は、被縫製物(図示しない)を載置するための載置台部
13が上記針棒5に対向するように上方に向けて突設さ
れている。この載置台部13内には、図6に示すよう
に、糸輪捕捉器である水平かま14及び下送り手段であ
る送り歯15が配設されている。
【0018】また、ミシンベッド部3内には、下軸16
が左右方向へ延びるように配置された状態で回転可能に
設けられていると共に、上下送り軸17及び水平送り軸
18が上記下軸16の前後両側にそれぞれ平行に配置さ
れた状態で回動可能に設けられている。上記下軸16へ
は、上軸11の回転力がベベルギヤや縦軸(いずれも図
示しない)等からなる回転力伝達機構を介して伝達され
るように構成されている。
が左右方向へ延びるように配置された状態で回転可能に
設けられていると共に、上下送り軸17及び水平送り軸
18が上記下軸16の前後両側にそれぞれ平行に配置さ
れた状態で回動可能に設けられている。上記下軸16へ
は、上軸11の回転力がベベルギヤや縦軸(いずれも図
示しない)等からなる回転力伝達機構を介して伝達され
るように構成されている。
【0019】上記下軸16の回転により、ベベルギヤ1
9や駆動軸20を介して水平かま14が前記針棒5即ち
縫針6の上下動に同期して回動駆動されるように構成さ
れている。この縫針6の上下動と水平かま14の回動と
によって、上糸と下糸(いずれも図示しない)が絡んで
縫い目が形成されるようになっている。
9や駆動軸20を介して水平かま14が前記針棒5即ち
縫針6の上下動に同期して回動駆動されるように構成さ
れている。この縫針6の上下動と水平かま14の回動と
によって、上糸と下糸(いずれも図示しない)が絡んで
縫い目が形成されるようになっている。
【0020】上下送り軸17の左端には、上下送り腕2
1が配置されており、その上下送り腕21の先端部には
コロ21aが形成されている。また、水平送り軸18の
左端部には水平送りロッド23が配置されており、その
水平送りロッド23の一対のボス部23aの内側には、
送り台22の一端の突出形成された一対のボス部22a
が配置されている。そして、両一対のボス部22a,2
3a間には、図6に示すように水平送り台軸23bが貫
通されている。更に、送り台22の他端部には、二又形
状をした案内片22bが形成されており、前記上下送り
腕21のコロ21aと係合している。
1が配置されており、その上下送り腕21の先端部には
コロ21aが形成されている。また、水平送り軸18の
左端部には水平送りロッド23が配置されており、その
水平送りロッド23の一対のボス部23aの内側には、
送り台22の一端の突出形成された一対のボス部22a
が配置されている。そして、両一対のボス部22a,2
3a間には、図6に示すように水平送り台軸23bが貫
通されている。更に、送り台22の他端部には、二又形
状をした案内片22bが形成されており、前記上下送り
腕21のコロ21aと係合している。
【0021】また、送り台22の上方には、上端に送り
歯15を固定した送り歯支持部材24が配置されてお
り、その送り歯支持部材24の下端は送り台22のほぼ
中央部にピン22cにて回動可能に支持されている。そ
して、送り歯支持部材24は、図6に示すように、縦長
形状をしており、その中央部には長孔24aが形成され
ており、その長孔24a内に配置された中心部材13a
を中心にして、上下左右に運動可能である。
歯15を固定した送り歯支持部材24が配置されてお
り、その送り歯支持部材24の下端は送り台22のほぼ
中央部にピン22cにて回動可能に支持されている。そ
して、送り歯支持部材24は、図6に示すように、縦長
形状をしており、その中央部には長孔24aが形成され
ており、その長孔24a内に配置された中心部材13a
を中心にして、上下左右に運動可能である。
【0022】そして、上下送り軸17へ上軸11の回転
力が図示しない上下送り伝達機構を介して伝達される
と、上下送り軸17の左端に取付けられた上下送り腕2
1が回動し、コロ21aにより二又形状の案内片22b
が上下に押圧され、送り台22が上下方向へ駆動される
ようになっている。また、水平送り軸18へ上軸11の
回転力が図示しない水平送り伝達機構を介して伝達され
ると、水平送りロット23、水平送り台軸23、上下送
り腕21のコロ21aにより、送り台22が水平方向即
ち前後方向へ駆動されるように構成されている。
力が図示しない上下送り伝達機構を介して伝達される
と、上下送り軸17の左端に取付けられた上下送り腕2
1が回動し、コロ21aにより二又形状の案内片22b
が上下に押圧され、送り台22が上下方向へ駆動される
ようになっている。また、水平送り軸18へ上軸11の
回転力が図示しない水平送り伝達機構を介して伝達され
ると、水平送りロット23、水平送り台軸23、上下送
り腕21のコロ21aにより、送り台22が水平方向即
ち前後方向へ駆動されるように構成されている。
【0023】上記送り台22の上部には、送り歯15が
縦長形状の送り歯支持部材24を介して取付けられてい
る。この場合、送り台22の上述した水平及び上下方向
の運動によって、送り歯15が送り運動することにより
図示しない被縫製物が正方向(手前方向)又は逆方向
(後方)へ布送りされるようになっている。被縫製物の
布送り方向の切替は、水平送り伝達機構に設けられた周
知構成の切替器(図示しない)を操作することにより行
われるように構成されている。この切替器は、返し縫い
ソレノイド46(図7参照)により切り替え駆動される
と共に、返し縫いレバー(図示しない)を手動操作する
ことにより切り替え駆動されるようになっている。
縦長形状の送り歯支持部材24を介して取付けられてい
る。この場合、送り台22の上述した水平及び上下方向
の運動によって、送り歯15が送り運動することにより
図示しない被縫製物が正方向(手前方向)又は逆方向
(後方)へ布送りされるようになっている。被縫製物の
布送り方向の切替は、水平送り伝達機構に設けられた周
知構成の切替器(図示しない)を操作することにより行
われるように構成されている。この切替器は、返し縫い
ソレノイド46(図7参照)により切り替え駆動される
と共に、返し縫いレバー(図示しない)を手動操作する
ことにより切り替え駆動されるようになっている。
【0024】尚、送り歯15の布送り量つまり被縫製物
の送りピッチは、周知構成の送りピッチ設定ダイヤル
(図示しない)を使用者が手動によって回動操作するこ
とにより、所望の値に設定できるように構成されてい
る。
の送りピッチは、周知構成の送りピッチ設定ダイヤル
(図示しない)を使用者が手動によって回動操作するこ
とにより、所望の値に設定できるように構成されてい
る。
【0025】また、図3に示すように、上軸11の右端
部のプーリ10の右側には、上軸11の回転速度及び回
転角度を検出する回転検出装置25が設けられている。
この回転検出装置25は、図7に示すように、回転速度
検出手段である回転速度検出器26と、針位置検出器2
7とから構成されている。
部のプーリ10の右側には、上軸11の回転速度及び回
転角度を検出する回転検出装置25が設けられている。
この回転検出装置25は、図7に示すように、回転速度
検出手段である回転速度検出器26と、針位置検出器2
7とから構成されている。
【0026】上記回転速度検出器26は、プーリ10即
ち上軸11の回転速度を検出して、回転速度検出信号を
出力する。つまり、回転速度検出器26によって、縫製
速度が検出されるようになっている。上記針位置検出器
27は、プーリ10即ち上軸11の回転角度を検出する
ことにより、縫針6の位置を検出し、縫針6が上位置に
あるとき針上信号を出力し、縫針6が下位置にあるとき
針下信号を出力する。つまり、針位置検出器27によっ
て、原点位置が検出されるように構成されている。
ち上軸11の回転速度を検出して、回転速度検出信号を
出力する。つまり、回転速度検出器26によって、縫製
速度が検出されるようになっている。上記針位置検出器
27は、プーリ10即ち上軸11の回転角度を検出する
ことにより、縫針6の位置を検出し、縫針6が上位置に
あるとき針上信号を出力し、縫針6が下位置にあるとき
針下信号を出力する。つまり、針位置検出器27によっ
て、原点位置が検出されるように構成されている。
【0027】さて、ミシンアーム部4の左端部分には、
図4に示すように、押え棒28が針棒5の後方に該針棒
5にほぼ平行に配置され且つ上下動可能に設けられてい
る。この押え棒28は、押え上げレバー(図示しない)
を手動操作することにより、上げ下げされるように構成
されている。上記押え棒28は、下方へ下げられた状態
で、図示しない押えばねにより下方へ付勢されている。
尚、押え棒28を下方位置から上方へ上げるときは、押
え上げソレノイド47(図7参照)によっても駆動され
るように構成されている。
図4に示すように、押え棒28が針棒5の後方に該針棒
5にほぼ平行に配置され且つ上下動可能に設けられてい
る。この押え棒28は、押え上げレバー(図示しない)
を手動操作することにより、上げ下げされるように構成
されている。上記押え棒28は、下方へ下げられた状態
で、図示しない押えばねにより下方へ付勢されている。
尚、押え棒28を下方位置から上方へ上げるときは、押
え上げソレノイド47(図7参照)によっても駆動され
るように構成されている。
【0028】上記押え棒28の下端部には、送り車輪2
9が送り車輪取付台30を介して取付けられている。こ
の送り車輪29は、送り車輪取付台30に軸31を支点
としてその回りに回転可能に設けられている。上記送り
車輪29は、押え棒28が下方へ下げられたときに、被
縫製物を載置台部13上へ押え付けるように構成されて
いる。
9が送り車輪取付台30を介して取付けられている。こ
の送り車輪29は、送り車輪取付台30に軸31を支点
としてその回りに回転可能に設けられている。上記送り
車輪29は、押え棒28が下方へ下げられたときに、被
縫製物を載置台部13上へ押え付けるように構成されて
いる。
【0029】また、図3にも示すように、ミシンアーム
部4の左端部内に配設された支持台部32には、送り車
輪駆動用のパルスモータ33が取付けられている。この
パルスモータ33により、上記送り車輪29が回転駆動
されるように構成されている。具体的には、パルスモー
タ33の回転軸34の先端には、継手35を介して伝動
軸継手36が連結されている。この伝動軸継手36の軸
心部には、図5に示すように、断面6角形状の嵌合穴3
6aが形成されている。
部4の左端部内に配設された支持台部32には、送り車
輪駆動用のパルスモータ33が取付けられている。この
パルスモータ33により、上記送り車輪29が回転駆動
されるように構成されている。具体的には、パルスモー
タ33の回転軸34の先端には、継手35を介して伝動
軸継手36が連結されている。この伝動軸継手36の軸
心部には、図5に示すように、断面6角形状の嵌合穴3
6aが形成されている。
【0030】そして、伝動軸37の上端部37aが断面
6角形状に形成されており、この上端部37aが上記伝
動軸継手36の嵌合穴36a内に嵌合連結されている。
これにより、伝動軸継手36と伝動軸37とが一体に回
転すると共に、伝動軸継手36に対して伝動軸37が上
下動可能になっている。伝動軸37の下端部は、ベベル
ギヤ部38aを有する伝動軸38の上端部に連結されて
いる。この歯車付き伝動軸38は、送り車輪取付台30
に形成された軸受孔30a内に挿入されて回転可能に設
けられている。
6角形状に形成されており、この上端部37aが上記伝
動軸継手36の嵌合穴36a内に嵌合連結されている。
これにより、伝動軸継手36と伝動軸37とが一体に回
転すると共に、伝動軸継手36に対して伝動軸37が上
下動可能になっている。伝動軸37の下端部は、ベベル
ギヤ部38aを有する伝動軸38の上端部に連結されて
いる。この歯車付き伝動軸38は、送り車輪取付台30
に形成された軸受孔30a内に挿入されて回転可能に設
けられている。
【0031】上記伝動軸38の下端部に設けられたベベ
ルギヤ部38aが、送り車輪29の左面周縁部に設けら
れたベベルギヤ部29aに噛合している。これにより、
パルスモータ33の回転力が、伝動軸継手36、伝動軸
37及び伝動軸38を介して送り車輪29へ伝達されて
該送り車輪29が回転駆動される。この場合、パルスモ
ータ33を正逆回転させることにより、送り車輪29が
正逆回転駆動されるようになっている。このような送り
車輪29の回転と前記送り歯15の送り運動とによっ
て、被縫製物が送り車輪29と送り歯15との間に挟ま
れながら布送りされる。
ルギヤ部38aが、送り車輪29の左面周縁部に設けら
れたベベルギヤ部29aに噛合している。これにより、
パルスモータ33の回転力が、伝動軸継手36、伝動軸
37及び伝動軸38を介して送り車輪29へ伝達されて
該送り車輪29が回転駆動される。この場合、パルスモ
ータ33を正逆回転させることにより、送り車輪29が
正逆回転駆動されるようになっている。このような送り
車輪29の回転と前記送り歯15の送り運動とによっ
て、被縫製物が送り車輪29と送り歯15との間に挟ま
れながら布送りされる。
【0032】また、図2及び図3に示すように、ミシン
アーム部4の右端上部には、操作パネル部39が上方に
向けて突設されている。この操作パネル部39の前面に
は、各種の縫製運転を実行するための縫製データを設定
する各種の機能スイッチ40(図7参照)、並びに、設
定された縫製データや運転状態等を表示する表示装置4
1(図7参照)が設けられている。各種の機能スイッチ
40の中には、上記送り車輪29の布送り量即ち送りピ
ッチを設定するためのスイッチが設けられている。
アーム部4の右端上部には、操作パネル部39が上方に
向けて突設されている。この操作パネル部39の前面に
は、各種の縫製運転を実行するための縫製データを設定
する各種の機能スイッチ40(図7参照)、並びに、設
定された縫製データや運転状態等を表示する表示装置4
1(図7参照)が設けられている。各種の機能スイッチ
40の中には、上記送り車輪29の布送り量即ち送りピ
ッチを設定するためのスイッチが設けられている。
【0033】上記スイッチを適宜操作することにより、
送り車輪29の送りピッチを例えば0.1mmから7.
0mmまでの範囲内で例えば0.1mm刻みで設定する
ことができるようになっている。このスイッチが送りピ
ッチ設定手段を構成している。尚、図2に示すように、
ミシンテーブル2の下面側の左方部には、上記パルスモ
ータ33を通断電制御するための制御箱52が配設され
ている。
送り車輪29の送りピッチを例えば0.1mmから7.
0mmまでの範囲内で例えば0.1mm刻みで設定する
ことができるようになっている。このスイッチが送りピ
ッチ設定手段を構成している。尚、図2に示すように、
ミシンテーブル2の下面側の左方部には、上記パルスモ
ータ33を通断電制御するための制御箱52が配設され
ている。
【0034】また、ミシンの電気的構成を示す図7にお
いて、縫製制御手段である中央処理装置(以下CPUと
称す)42は、ミシンの縫製運転全般を制御する機能を
有しており、この場合、モータ制御手段の機能をも有し
ている。このCPU42は、種々のスイッチ40、ペダ
ルスイッチ43、回転速度検出器26及び針位置検出器
27とバスを介して接続されており、それらからの各種
信号を受けるようになっている。
いて、縫製制御手段である中央処理装置(以下CPUと
称す)42は、ミシンの縫製運転全般を制御する機能を
有しており、この場合、モータ制御手段の機能をも有し
ている。このCPU42は、種々のスイッチ40、ペダ
ルスイッチ43、回転速度検出器26及び針位置検出器
27とバスを介して接続されており、それらからの各種
信号を受けるようになっている。
【0035】上記ペダルスイッチ43は、使用者の足に
よる踏込み操作により、前踏み位置、中立位置及び後踏
み位置に操作可能に構成されている。ペダルスイッチ4
3は、前踏み位置へ操作されたときミシン起動信号を、
中立位置へ操作されたときミシン停止信号を、及び、後
踏み位置へ操作されたとき止め縫い信号を出力するよう
になっている。そして、ペダルスイッチ43は、前踏み
位置へ操作される場合、その踏み込み量に応じた出力レ
ベルの信号を出力し、この信号が縫製速度指示信号とし
てCPU42へ与えられる。
よる踏込み操作により、前踏み位置、中立位置及び後踏
み位置に操作可能に構成されている。ペダルスイッチ4
3は、前踏み位置へ操作されたときミシン起動信号を、
中立位置へ操作されたときミシン停止信号を、及び、後
踏み位置へ操作されたとき止め縫い信号を出力するよう
になっている。そして、ペダルスイッチ43は、前踏み
位置へ操作される場合、その踏み込み量に応じた出力レ
ベルの信号を出力し、この信号が縫製速度指示信号とし
てCPU42へ与えられる。
【0036】また、CPU42は、ROM44内に記憶
された制御プログラムに従ってミシンの縫製運転を制御
するように構成されている。そして、CPU42は、R
AM45内へデータを記憶すると共に、RAM45内か
らデータを読出すようになっている。更に、CPU42
は、ミシンモータ7、パルスモータ33、返し縫いソレ
ノイド46及び押え上げソレノイド47をそれぞれ駆動
回路48,49,50,51を介して駆動制御すると共
に、表示装置41を駆動制御するように構成されてい
る。
された制御プログラムに従ってミシンの縫製運転を制御
するように構成されている。そして、CPU42は、R
AM45内へデータを記憶すると共に、RAM45内か
らデータを読出すようになっている。更に、CPU42
は、ミシンモータ7、パルスモータ33、返し縫いソレ
ノイド46及び押え上げソレノイド47をそれぞれ駆動
回路48,49,50,51を介して駆動制御すると共
に、表示装置41を駆動制御するように構成されてい
る。
【0037】次に、このように構成されたミシンの動作
について図1も参照しながら説明する。被縫製物として
例えば皮を縫製する場合、まず、送り歯15の布送りピ
ッチを設定する。この場合、使用者が送りピッチ設定ダ
イヤルを回転操作すると共に、試し縫いを行うことによ
り、所望の送りピッチを設定する。ここで、今、例えば
3mmの送りピッチを設定したとすると、次に、この設
定した送りピッチに応じて送り車輪29の送りピッチを
設定する。
について図1も参照しながら説明する。被縫製物として
例えば皮を縫製する場合、まず、送り歯15の布送りピ
ッチを設定する。この場合、使用者が送りピッチ設定ダ
イヤルを回転操作すると共に、試し縫いを行うことによ
り、所望の送りピッチを設定する。ここで、今、例えば
3mmの送りピッチを設定したとすると、次に、この設
定した送りピッチに応じて送り車輪29の送りピッチを
設定する。
【0038】具体的には、操作パネル部39の機能スイ
ッチ40を操作することにより、例えば3mmの送りピ
ッチを設定する。この場合、送り歯15の送りピッチが
3mmであるから、3mmの送りピッチを設定すれば良
いはずであるが、実際には、送り歯15の送りピッチが
3mmちょうどに設定されることは少ないので、機能ス
イッチ40を操作して送り車輪29の送りピッチを0.
1mm刻みで増減させると共に、試し縫いを行うことに
より、被縫製物の布送りがずれることなくスムーズにな
されるように、送り車輪29の送りピッチの設定量を調
整する。
ッチ40を操作することにより、例えば3mmの送りピ
ッチを設定する。この場合、送り歯15の送りピッチが
3mmであるから、3mmの送りピッチを設定すれば良
いはずであるが、実際には、送り歯15の送りピッチが
3mmちょうどに設定されることは少ないので、機能ス
イッチ40を操作して送り車輪29の送りピッチを0.
1mm刻みで増減させると共に、試し縫いを行うことに
より、被縫製物の布送りがずれることなくスムーズにな
されるように、送り車輪29の送りピッチの設定量を調
整する。
【0039】そして、上記各送りピッチの設定が完了し
たら、縫製運転を実行する。具体的には、ペダルスイッ
チ43を前方へ踏み込むことにより、ミシンモータ7を
起動させ上軸11を回転駆動させて縫製運転を行う。こ
こで、縫製を開始する部分のCPU42の制御につい
て、図1のタイムチャートに従って詳述する。
たら、縫製運転を実行する。具体的には、ペダルスイッ
チ43を前方へ踏み込むことにより、ミシンモータ7を
起動させ上軸11を回転駆動させて縫製運転を行う。こ
こで、縫製を開始する部分のCPU42の制御につい
て、図1のタイムチャートに従って詳述する。
【0040】まず、電源スイッチ(図示しない)を、縫
製を開始する前の時刻t0で予めオンしておく。この電
源オン状態では、ミシンモータ7は断電停止されてお
り、ミシンは停止状態にある。この停止状態では、縫針
6が針上位置に位置していると共に、送り歯15が針板
(図示しない)の上面から上方へ若干突出している。
製を開始する前の時刻t0で予めオンしておく。この電
源オン状態では、ミシンモータ7は断電停止されてお
り、ミシンは停止状態にある。この停止状態では、縫針
6が針上位置に位置していると共に、送り歯15が針板
(図示しない)の上面から上方へ若干突出している。
【0041】上記電源オン状態において、時刻t1でペ
ダルスイッチ43が前方へ踏み込み操作されると、ミシ
ン起動信号がCPU42へ与えられ、ミシン回転信号が
MOVE(ハイレベル)になり、ミシンモータ7が通電
開始され、もって、上軸11が回転駆動されて縫製運転
が開始される。この場合、縫製運転が開始されると、上
軸11の回転駆動に応じて、縫針6が針上位置から下降
開始すると共に、送り歯15が送り運動を行って被縫製
物を正方向へ布送りする。上記送り歯15の送り運動に
よる正方向へ布送り作用は、時刻t2まで続く。
ダルスイッチ43が前方へ踏み込み操作されると、ミシ
ン起動信号がCPU42へ与えられ、ミシン回転信号が
MOVE(ハイレベル)になり、ミシンモータ7が通電
開始され、もって、上軸11が回転駆動されて縫製運転
が開始される。この場合、縫製運転が開始されると、上
軸11の回転駆動に応じて、縫針6が針上位置から下降
開始すると共に、送り歯15が送り運動を行って被縫製
物を正方向へ布送りする。上記送り歯15の送り運動に
よる正方向へ布送り作用は、時刻t2まで続く。
【0042】そして、時刻t2を過ぎると、送り歯15
が針板の上面から上方へ突出しなくなり、被縫製物が送
り歯15により布送りされなくなる。この後、時刻t3
に達すると、送り歯15が再び針板の上面から上方へ突
出するようになり、被縫製物が送り歯15により布送り
される。この場合、被縫製物が布送りされていない間、
即ち、時刻t2から時刻t3の間に、縫針6が被縫製物
上に落ちて該被縫製物を貫通するようになっている。
が針板の上面から上方へ突出しなくなり、被縫製物が送
り歯15により布送りされなくなる。この後、時刻t3
に達すると、送り歯15が再び針板の上面から上方へ突
出するようになり、被縫製物が送り歯15により布送り
される。この場合、被縫製物が布送りされていない間、
即ち、時刻t2から時刻t3の間に、縫針6が被縫製物
上に落ちて該被縫製物を貫通するようになっている。
【0043】ここで、パルスモータ33は、CPU42
によって、時刻t1で縫製が開始された後も断電状態が
保持されており、時刻t3に達した後、通電開始される
ように制御されている。即ち、被縫製物の縫製を開始す
る場合、パルスモータ33は、針上停止位置(時刻t
1)から少なくとも送り歯15による送り動作が停止す
るまで(時刻t2)の間は、断電されるように制御され
ている。
によって、時刻t1で縫製が開始された後も断電状態が
保持されており、時刻t3に達した後、通電開始される
ように制御されている。即ち、被縫製物の縫製を開始す
る場合、パルスモータ33は、針上停止位置(時刻t
1)から少なくとも送り歯15による送り動作が停止す
るまで(時刻t2)の間は、断電されるように制御され
ている。
【0044】そして、時刻t3以降は、送り車輪29即
ちパルスモータ33の回転制御は、送り歯15の送り運
動に同期させて行われる。具体的には、送り歯15が送
り運動を開始した時点(例えば時刻t3)から、パルス
モータ33へ設定個数のパルスを与えることにより、パ
ルスモータ33を設定回転角度だけ回転させ、もって、
送り車輪29を設定された送りピッチに相当する布送り
量だけ回転させるように構成されている。
ちパルスモータ33の回転制御は、送り歯15の送り運
動に同期させて行われる。具体的には、送り歯15が送
り運動を開始した時点(例えば時刻t3)から、パルス
モータ33へ設定個数のパルスを与えることにより、パ
ルスモータ33を設定回転角度だけ回転させ、もって、
送り車輪29を設定された送りピッチに相当する布送り
量だけ回転させるように構成されている。
【0045】この場合、回転速度検出器26により上軸
11の回転速度つまり縫製速度を検出し、この検出した
縫製速度に対応するように、送り車輪29の回転速度を
制御することにより、送り車輪29の回転速度即ち布送
り速度と、送り歯15の布送り速度とが等しくなるよう
に制御される。これにより、被縫製物が送り車輪29と
送り歯15との間に挟まれながら布送りされ、縫製が実
行される。尚、ペダルスイッチ43の前方への踏み込み
量に応じて、ミシンモータ7の回転速度即ち縫製速度が
調整制御されるようになっている。
11の回転速度つまり縫製速度を検出し、この検出した
縫製速度に対応するように、送り車輪29の回転速度を
制御することにより、送り車輪29の回転速度即ち布送
り速度と、送り歯15の布送り速度とが等しくなるよう
に制御される。これにより、被縫製物が送り車輪29と
送り歯15との間に挟まれながら布送りされ、縫製が実
行される。尚、ペダルスイッチ43の前方への踏み込み
量に応じて、ミシンモータ7の回転速度即ち縫製速度が
調整制御されるようになっている。
【0046】この後、縫製運転を停止する場合には、ペ
ダルスイッチ43が中立位置へ操作されると、ミシン停
止信号がCPU42へ与えられ、ミシン回転信号がST
OP(ロウレベル)になり、ミシンモータ7が断電停止
される。この場合、ミシンモータ7は、縫針6が針上位
置に位置したところで(時刻t6で)停止されるように
制御される。ここで、ミシン回転信号がSTOPになっ
たとき、例えば時刻t5で、パルスモータ33が断電さ
れ、その断電状態が保持される。尚、この場合、パルス
モータ33を断電するタイミングとしては、縫針6が針
上位置に達して、針位置検出器27から針上信号が出力
された時点で断電するように制御しても良い。
ダルスイッチ43が中立位置へ操作されると、ミシン停
止信号がCPU42へ与えられ、ミシン回転信号がST
OP(ロウレベル)になり、ミシンモータ7が断電停止
される。この場合、ミシンモータ7は、縫針6が針上位
置に位置したところで(時刻t6で)停止されるように
制御される。ここで、ミシン回転信号がSTOPになっ
たとき、例えば時刻t5で、パルスモータ33が断電さ
れ、その断電状態が保持される。尚、この場合、パルス
モータ33を断電するタイミングとしては、縫針6が針
上位置に達して、針位置検出器27から針上信号が出力
された時点で断電するように制御しても良い。
【0047】次に、止め縫い即ち返し縫いを実行するた
めに、被縫製物の送り方向を正方向から逆方向へ切り替
える処理について簡単に説明する。縫製運転の実行中
に、ペダルスイッチ43が後踏み位置へ操作されると、
止め縫い信号がCPU42へ与えられる。この止め縫い
信号を受けてCPU42は、返し縫いソレノイド46を
通電駆動して切替器を動作させることにより、送り歯1
5の送り方向を逆方向へ切り替える。
めに、被縫製物の送り方向を正方向から逆方向へ切り替
える処理について簡単に説明する。縫製運転の実行中
に、ペダルスイッチ43が後踏み位置へ操作されると、
止め縫い信号がCPU42へ与えられる。この止め縫い
信号を受けてCPU42は、返し縫いソレノイド46を
通電駆動して切替器を動作させることにより、送り歯1
5の送り方向を逆方向へ切り替える。
【0048】そして、送り歯15が被縫製物を逆方向へ
布送りするときには、パルスモータ33を逆回転方向へ
回転駆動して送り車輪29を逆回転させる。この結果、
送り歯15及び送り車輪29により被縫製物が逆方向へ
布送りされ、返し縫いが設定ステッチ数だけ例えば3ス
テッチだけ実行される。尚、上記返し縫いは、例えば8
00rpmの縫製速度で実行される。
布送りするときには、パルスモータ33を逆回転方向へ
回転駆動して送り車輪29を逆回転させる。この結果、
送り歯15及び送り車輪29により被縫製物が逆方向へ
布送りされ、返し縫いが設定ステッチ数だけ例えば3ス
テッチだけ実行される。尚、上記返し縫いは、例えば8
00rpmの縫製速度で実行される。
【0049】そして、上記返し縫いを3ステッチ分実行
した後は、被縫製物の布送り方向を再び正方向へ切り替
えて、上記返し縫いの縫製速度と同じ800rpmの縫
製速度で例えば3ステッチ分だけ縫製を実行する。具体
的には、CPU42は、返し縫いソレノイド46を断電
して切替器を動作させることにより、送り歯15の送り
方向を正方向へ切り替える。そして、送り歯15が被縫
製物を正方向へ布送りするときには、パルスモータ33
を正回転方向へ回転駆動して送り車輪29を正回転させ
る。これによって、被縫製物が正方向へ布送りされ、縫
製運転が3ステッチだけ実行されて縫製が停止する。
した後は、被縫製物の布送り方向を再び正方向へ切り替
えて、上記返し縫いの縫製速度と同じ800rpmの縫
製速度で例えば3ステッチ分だけ縫製を実行する。具体
的には、CPU42は、返し縫いソレノイド46を断電
して切替器を動作させることにより、送り歯15の送り
方向を正方向へ切り替える。そして、送り歯15が被縫
製物を正方向へ布送りするときには、パルスモータ33
を正回転方向へ回転駆動して送り車輪29を正回転させ
る。これによって、被縫製物が正方向へ布送りされ、縫
製運転が3ステッチだけ実行されて縫製が停止する。
【0050】このような構成の本実施例によれば、被縫
製物の縫製運転を開始する場合、針上停止位置(時刻t
1)から少なくとも送り歯15による送り動作が停止す
るまで(時刻t2)の間、実際には時刻t1から時刻t
3の間、パルスモータ33を断電するように制御し、パ
ルスモータ33を無励磁にして該パルスモータ33即ち
送り車輪29を空回り可能に構成した。これにより、縫
製を開始するとき、被縫製物は、下側から送り歯15に
より正方向に布送りされる力を受けるだけで、上側から
布送りを妨げる力を受けなくなる。このため、縫製開始
時に、被縫製物がスムーズに布送りされるようになるか
ら、縫製開始部分の縫い目の大きさが揃うようになり、
縫製品質を向上させることができる。
製物の縫製運転を開始する場合、針上停止位置(時刻t
1)から少なくとも送り歯15による送り動作が停止す
るまで(時刻t2)の間、実際には時刻t1から時刻t
3の間、パルスモータ33を断電するように制御し、パ
ルスモータ33を無励磁にして該パルスモータ33即ち
送り車輪29を空回り可能に構成した。これにより、縫
製を開始するとき、被縫製物は、下側から送り歯15に
より正方向に布送りされる力を受けるだけで、上側から
布送りを妨げる力を受けなくなる。このため、縫製開始
時に、被縫製物がスムーズに布送りされるようになるか
ら、縫製開始部分の縫い目の大きさが揃うようになり、
縫製品質を向上させることができる。
【0051】尚、上記実施例では、下送り手段として送
り歯15を用いたが、これに代えて、被縫製物を布送り
する下送り車輪を設け、この下送り車輪をパルスモータ
により駆動するように構成しても良い。また、上記実施
例では、1本針の直線縫いミシンに適用したが、これに
限られるものではなく、2本針の直線縫いミシンに適用
しても良いことは勿論である。
り歯15を用いたが、これに代えて、被縫製物を布送り
する下送り車輪を設け、この下送り車輪をパルスモータ
により駆動するように構成しても良い。また、上記実施
例では、1本針の直線縫いミシンに適用したが、これに
限られるものではなく、2本針の直線縫いミシンに適用
しても良いことは勿論である。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、被縫製物の縫製を開始する場合、針上停止位置から
少なくとも下送り手段による送り動作が停止するまでの
間は、パルスモータを断電するように制御する構成とし
たので、送り車輪を正逆回転駆動可能にして返し縫いを
実行できるように構成しながら、縫製開始部分の縫い目
の大きさを揃えることができて、縫製品質を向上させ得
るという優れた効果を奏する。
に、被縫製物の縫製を開始する場合、針上停止位置から
少なくとも下送り手段による送り動作が停止するまでの
間は、パルスモータを断電するように制御する構成とし
たので、送り車輪を正逆回転駆動可能にして返し縫いを
実行できるように構成しながら、縫製開始部分の縫い目
の大きさを揃えることができて、縫製品質を向上させ得
るという優れた効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例を示すタイムチャート
【図2】ミシン全体の正面図
【図3】ミシン本体の一部破断正面図
【図4】ミシンアーム部の破断側面図
【図5】要部の横断面図
【図6】ミシンベッド部の部分斜視図
【図7】ブロック図
【図8】縫い目を示す上面図
1はミシン本体、3はミシンベッド部、4はミシンアー
ム部、5は針棒、6は縫針、7はミシンモータ、11は
上軸、13は載置台部、14は水平かま、15は送り歯
(下送り手段)、25は回転検出装置、28は押え棒、
29は送り車輪、33はパルスモータ、42はCPU
(モータ制御手段)、43はペダルスイッチ、46は返
し縫いソレノイドを示す。
ム部、5は針棒、6は縫針、7はミシンモータ、11は
上軸、13は載置台部、14は水平かま、15は送り歯
(下送り手段)、25は回転検出装置、28は押え棒、
29は送り車輪、33はパルスモータ、42はCPU
(モータ制御手段)、43はペダルスイッチ、46は返
し縫いソレノイドを示す。
フロントページの続き (72)発明者 平松 誠 東京都台東区今戸1丁目11番3号 セイ コーミシン式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D05B 1/00 - 83/00
Claims (1)
- 【請求項1】 被縫製物の下側に設けられ該被縫製物を
布送りする下送り手段と、前記被縫製物の上側に設けら
れ前記下送り手段との間で前記被縫製物を挟みながら布
送りする送り車輪と、この送り車輪を回転駆動する送り
車輪駆動用のパルスモータとを備えて成るミシンにおい
て、 前記被縫製物の縫製を開始する場合、針上停止位置から
少なくとも前記下送り手段による送り動作が停止するま
での間は前記パルスモータを断電するように制御するモ
ータ制御手段を備えたことを特徴とするミシン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9790992A JP2880016B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | ミシン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9790992A JP2880016B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | ミシン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05293275A JPH05293275A (ja) | 1993-11-09 |
JP2880016B2 true JP2880016B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=14204849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9790992A Expired - Fee Related JP2880016B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | ミシン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2880016B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-17 JP JP9790992A patent/JP2880016B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05293275A (ja) | 1993-11-09 |
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