JP2871200B2 - 針棒・釜別駆動ミシンの制御装置 - Google Patents

針棒・釜別駆動ミシンの制御装置

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JP2871200B2
JP2871200B2 JP20241891A JP20241891A JP2871200B2 JP 2871200 B2 JP2871200 B2 JP 2871200B2 JP 20241891 A JP20241891 A JP 20241891A JP 20241891 A JP20241891 A JP 20241891A JP 2871200 B2 JP2871200 B2 JP 2871200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、針棒と釜とがそれぞれ
別の駆動モータにより駆動される別駆動ミシンの制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】針棒・釜別駆動ミシンは、少なくとも縫
針を上下動させる針棒駆動モータと糸捕捉装置を駆動す
る釜駆動モータとを含むように構成される。針棒駆動モ
ータの駆動により針棒が下降させられることによって、
針棒の先端に保持され、上糸が挿通された縫針が下降さ
せられ、被加工布を貫通する。そして、針棒と共に縫針
が上昇させられることにより上糸の糸輪が形成される。
一方、釜駆動モータの駆動により剣先が形成された外釜
が回転させられ、糸捕捉装置としての剣先により上糸の
糸輪が捕捉される。外釜内には下糸ボビンを保持する内
釜が支承されており、糸輪捕捉後、外釜が1回転させら
れることにより、上糸と下糸とが絡まされて縫目が形成
される。
【0003】この針棒・釜別駆動ミシンには、従来、針
棒の駆動速度と釜の駆動速度とを同期させる制御装置が
設けられていた。この制御装置は、(イ)針棒駆動モー
タと釜駆動モータとの一方の回転速度を検出する速度検
出手段と、(ロ)その検出された回転速度と同期するよ
うに、針棒駆動モータと釜駆動モータとの他方を制御す
るモータ駆動制御手段とを含むように構成され、両駆動
モータのうち一方の速度が変化したことが針棒速度検出
手段により検出されれば、その変化に対応して他方の速
度が制御されるようになっている。それによって、針棒
と釜とが常に一定の対応関係に保たれて縫製が行われ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、針棒・
釜別駆動ミシンにおいて、針棒駆動モータと釜駆動モー
タとの一方の回転速度に急激な変動が生じた場合には、
他方の駆動モータの回転速度をその変動に対応して迅速
に変更することが困難であるという問題があった。例え
ば、被加工布が極く厚い場合にはその負荷抵抗が大きく
なるため、縫針が貫通し難く、針棒駆動モータの回転速
度が急激に低下してしまうことがあるが、このような場
合には、釜駆動モータを針棒駆動モータに対応させて急
激に減速させることができなかったのである。そのた
め、針棒が、縫針と外釜の剣先とが出会う特定位置に達
する前に、外釜が回転し過ぎて剣先が特定位置を通過し
てしまい、剣先が上糸を捕捉し得ず、目飛びが生じるこ
とがあった。針棒,釜のそれぞれに使用される駆動モー
タの種類や特性,駆動方法が異なる場合には、特に両モ
ータの回転速度を同期させることが困難であった。
【0005】上記のような不都合を解消するためには、
上記他方の駆動モータを、一方の回転速度の急激な変化
に十分に対応可能な大形かつ高精度のものとすればよい
のであるが、コストが高くなるとともに、装置全体が大
形となることを避け得ない。本発明はこの問題に鑑み、
小形で簡易なモータを使用して、しかも、針棒駆動モー
タと釜駆動モータとの一方の回転速度に急激な変動が生
じても、それにより目飛び等の不具合が発生せず、常に
良好な縫製を行い得るようにする制御装置を得ることを
課題として為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、本発明に係る針
棒・釜別駆動ミシンの制御装置は、図1に示すように、
(a)針棒と釜との一方の位置を検出する位置検出手段
と、(b)その位置検出手段が前記一方の特定位置を検
出した際、針棒と釜との他方の起動を指令する起動指令
信号を発生する起動指令信号発生手段と、(c)その起
動指令信号に応じて前記他方の駆動モータを起動し、予
め定められた速度で作動させるモータ駆動制御手段とを
含むように構成される。なお、位置検出手段は、ポテン
ショメータ等により直接針棒あるいは釜の位置を検出す
るものとしてもよく、針棒あるいは釜の移動に伴ってエ
ンコーダから出力されるパルス数を計数し、その計数値
から針棒あるいは釜の位置を演算するもの等としてもよ
い。
【0007】
【作用】上記のように構成された針棒・釜別駆動ミシン
の制御装置において、位置検出手段が針棒の位置を検出
するものである場合には、その検出手段が針棒の特定位
置を検出したのに応じて、起動指令信号発生手段から釜
の起動を指令する起動指令信号が出力される。そして、
その指令信号に応じてモータ駆動制御手段により釜駆動
モータが起動され、予め定められた速度で作動させられ
る。また、位置検出手段が釜の位置が検出するものであ
る場合には、起動指令信号発生手段から出力される起動
指令信号に応じてモータ駆動制御手段により針棒駆動モ
ータが起動され、予め定められた速度で作動させられ
る。すなわち、本発明においては、針棒駆動モータと釜
駆動モータとは同期させられる必要がなく、通常は、針
棒と釜とがそれぞれ予め定められた速度で別々に作動あ
るいは停止させられるのであり、それらのうちの一方が
特定位置に達したときにそれに対応して他方の駆動モー
タが起動されることにより、両者が少なくとも特定の時
期には特定の対応関係に保たれるようになっているので
ある。
【0008】
【発明の効果】したがって、針棒駆動モータと釜駆動モ
ータとの一方の回転速度が急激に変動した場合にも、他
方のモータはそれには関わりなく一定の速度で駆動され
ればよいのであって、モータを大形かつ高精度のものを
使用する必要がなく、コストの上昇および装置の大形化
を回避することでができる。しかも、針棒あるいは釜の
一方の駆動モータの回転速度が変動した場合にも、針棒
あるいは釜が特定の位置に達すればそれに対応して他方
の駆動モータが起動されるようになっているため、従来
のように両モータが同期させられる場合に比較して、縫
目を確実に形成することができる。例えば、針棒の下降
速度が急激に低下した場合にも、針棒が下降端に達して
から釜駆動モータが起動され、針棒が最下点から一定距
離上昇した位置で針棒駆動モータが一旦停止させられ、
糸捕捉装置が縫針との出会い位置を通過してから針棒駆
動モータが起動されるように両駆動モータを制御すれ
ば、糸捕捉装置が必ず上糸を捕捉することが保証され、
目飛びのない美しい縫目を形成することができるのであ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2において、10はミシンの機枠であ
り、上方のアーム部12と下方のベッド部14とを備え
ている。アーム部12内には針棒台16が設けられてい
る。針棒台16は上下方向に延びた板部材であり、その
上下両端部には水平方向に延び出す一対のフランジ部が
形成されている。この上側のフランジ部はさらに上方に
延び出しており、この部分において、針棒台16がピン
18によりアーム部12に揺動可能に取り付けられてい
る。両フランジ部にはそれぞれ貫通穴が形成されてお
り、この貫通穴に針棒24が摺動可能に嵌合されてい
る。針棒24は下端部に縫針26を保持している。ま
た、針棒台16の中央部には上下方向に延びるスロット
30が形成されており、ピン32がスロット30の長手
方向にのみ移動可能に係合させられている。ピン32の
軸部は針棒24に固着されており、ピン32と針棒24
とが一体的に移動するようになっている。
【0010】ピン32の頭部は、ラック部材36のフラ
ンジ38に形成された切欠40に左右方向にのみ移動可
能に係合させられている。また、ラック部材36の近傍
には、針棒駆動用サーボモータ42が配設されており、
ラック部材36のラック部44が、サーボモータ42の
回転軸に相対回転不能に取り付けられたピニオン46と
噛み合わされている。サーボモータ42は正逆両方向に
回転するものであり、サーボモータ42の正逆両回転に
より、ピニオン46を介してラック部材36が昇降させ
られ、ラック部材36の切欠40に係合されたピン32
を介して針棒24が針棒台16に支持されつつ、上下方
向に往復運動させられる。
【0011】ラック部材36の近傍にはまた、ポテンシ
ョメータ50が配設されており、その回転軸に相対回転
不能に取り付けられたピニオン52がラック部44と噛
み合わされている。ポテンショメータ50は、図3に示
すように、A/D変換器54を介してコンピュータ56
の入出力インタフェース58に接続されており、その出
力信号がデジタル変換されてコンピュータ56に入力さ
れるようになっている。また、サーボモータ42の回転
軸にはエンコーダ60が接続されており、エンコーダ6
0も入出力インタフェース58に接続されている。エン
コーダ60は、サーボモータ42の1回転当たり100
個のパルス信号を出力するものであり、そのパルス信号
がコンピュータ56に入力されるようになっている。
【0012】針棒台16の下端部は連杆64を介して針
棒揺動用パルスモータ66(図3参照)に連結されてお
り、パルスモータ66の駆動により針棒台16がピン1
8まわりに回動させられ、針棒24および縫針26が左
右方向に揺動させられるようになっている。
【0013】アーム部12にはまた支持軸70が配設さ
れており、セクタギヤ72が回動可能に支持されてい
る。図2から明らかなように、セクタギヤ72の一端部
には天秤74が形成されている。また、セクタギヤ72
の近傍には天秤駆動用パルスモータ76が配設されてお
り、その回転軸に相対回転不能に取り付けられたピニオ
ン78がセクタギヤ72のギヤ部80に噛み合わされて
いる。したがって、パルスモータ76の正逆両回転によ
りセクタギヤ72が支持軸70まわりに回動させられ、
天秤74が上下方向に往復運動させられる。
【0014】縫針26近傍には布押さえ82が設けられ
ている。布押さえ82は針棒24と平行に延びる押さえ
棒84の先端にねじ86により取り付けられており、押
さえ棒84の他端はアーム部12内において、押さえ棒
抱き88により支持されている。押さえ棒抱き88は図
示しないばね部材により押し下げ方向に付勢されるとと
もに、押さえ上げレバー90のカム面94と係合するこ
とにより、その下降端位置を規定されている。押さえ上
げレバー90はカム形状を成し、ピン92により機枠1
0に回動可能に取り付けられている。したがって、押さ
え上げレバー90を反時計方向に回動させることによ
り、ばね部材の付勢力に抗して押さえ棒84が上昇させ
られ、布押さえ82が非作用位置に位置させられる。一
方、押さえ上げレバー90を時計方向に回動させること
により、布押さえ82が下降して被加工布を押さえる作
用位置に位置させられる。
【0015】ベッド部14内には、水平釜106が配設
されている。水平釜106の外釜108は支持軸110
を介してベッド部14に水平面内で回転可能に支持され
ている。外釜108の外周面にはギヤ部112が形成さ
れており、釜駆動用パルスモータ114の回転軸に相対
回転不能に取り付けられたピニオン116に噛み合わさ
れている。したがって、パルスモータ114の駆動によ
り外釜108が一定方向に回転させられる。また、外釜
108は、糸捕捉装置たる剣先118を一体的に備えて
おり、外釜108の回転に伴って剣先118が糸輪を捕
捉する。
【0016】水平釜106の上方には送り歯120が設
けられている。送り歯120は、送り台122に固着さ
れており、送り台122は前後送りレバー124の一端
に連結されている。前後送りレバー124は支持軸12
6を介してベッド部14により回動可能に支持されてお
り、他端にはギヤ部128が形成されている。また、ベ
ッド部14には前後送り用パルスモータ130が配設さ
れており、その回転軸に相対回転不能に取り付けられた
ピニオン132とギヤ部128とが噛み合わされてい
る。したがって、パルスモータ130の正逆両回転によ
り、前後送りレバー124が支持軸126を支点として
回動し、送り台122と共に送り歯120が前後に往復
運動させられる。
【0017】前後送りレバー124の近傍には、上下送
りレバー136が支持軸138によりベッド部14に揺
動可能に取り付けられている。上下送りレバー136の
一端には図示しないローラが回転可能に取り付けられて
おり、その外周面が送り台122の底面に当接させられ
ている。また、上下送りレバー136の他端にはギヤ部
140が形成されており、上下送り用パルスモータ14
2の回転軸に相対回転不能に取り付けられたピニオン1
44と噛み合わされている。したがって、パルスモータ
142の正逆両回転により上下送りレバー136が支持
軸138を中心として所定角度で揺動し、ローラにより
送り台122が所要のストロークで上下方向に往復運動
させられる。
【0018】機枠10にはさらに、起動・停止ボタン1
48,テンキー式の模様選択ボタン150および速度調
節つまみ152(それぞれ図3参照)が設けられてい
る。模様選択ボタン150は、複数種類の縫目模様の中
から所望のものを選択するための操作部材であり、速度
調節つまみ152は縫製速度を所望の速度に調節するた
めの操作部材である。
【0019】本実施例のミシンの制御系を図3に示す。
図から明らかなように、サーボモータ42および各パル
スモータ66,76,114,130,142は、各駆
動回路154〜164を介してコンピュータ56の入出
力インタフェース58に接続されており、コンピュータ
56から出力される指令信号により各駆動回路154〜
164が各モータ42,66等の起動・停止を制御する
ようにされている。また、各パルスモータを駆動する駆
動回路156〜164内には、駆動パルスの出力回数を
カウントする内部カウンタが設けられており、そのカウ
ント値が入出力インタフェース58を経てコンピュータ
56に入力されるようになっている。
【0020】起動・停止ボタン148に対応して起動・
停止スイッチ170が設けられ、入出力インタフェース
58に接続されている。起動・停止スイッチ170は作
業者が起動・停止ボタン148を1回操作する毎に交互
にON状態とOFF状態とになるものである。模様選択
ボタン150は10個設けられており、各模様選択ボタ
ン150に対応して1個ずつの模様選択スイッチ172
が設けられ、入力インタフェース58に接続されてい
る。また、速度調節つまみ152に対応してスピードボ
リューム174が設けられており、A/D変換器175
を介して入出力インタフェース58に接続されている。
作業者によって速度調節つまみ152が所定量回転させ
られることにより縫製速度が設定され、スピードボリュ
ーム174からその回転位置に対応した電気信号が出力
されるようになっているのである。
【0021】コンピュータ56は、入出力インタフェー
ス58の他、CPU176,ROM178,RAM18
0を備えており、これらがバス182により接続されて
いる。ROM178はプログラムメモリ186および縫
目模様データメモリ188を備えている。縫目模様デー
タメモリ188には、模様選択スイッチ172で選択可
能な縫目模様の各々に対応する縫目模様データが格納さ
れており、各模様番号とその模様を縫製するための縫針
26の針位置データとが対応させられて記憶されてい
る。プログラムメモリ186には、それら縫目模様デー
タとスピードボリューム174から出力される設定速度
信号とに基づいて各モータをそれぞれ制御する図4〜1
1のフローチャートで表される制御プログラム,サーボ
モータ42の設定速度に対応した駆動電流データテーブ
ル,各パルスモータ66,76等の設定速度に対応した
パルス数テーブル等が格納されている。また、RAM1
80には、CPU176の演算処理結果を一時的に記憶
する各種のメモリの他、図12に示すフラグ等が設けら
れている。
【0022】以上のように構成されたミシンにおける縫
目形成制御を図4〜図11のフローチャートに基づいて
説明する。縫目形成制御プログラムは、全体のタイミン
グ制御を行う図4および図5のタイミング制御ルーチ
ン,パルスモータ76の駆動を制御する図6の天秤駆動
制御ルーチン,サーボモータ42の駆動を制御する図7
の針棒駆動制御ルーチン,パルスモータ114の駆動を
制御する図8の釜駆動制御ルーチン,パルスモータ14
2の駆動を制御する図9の送り歯上下駆動制御ルーチ
ン,パルスモータ130の駆動を制御する図10の送り
歯送り駆動制御ルーチンおよびパルスモータ66の駆動
を制御する図11の針棒揺動駆動制御ルーチン等から成
っている。
【0023】電源投入と同時に図4および図5に示すタ
イミング制御が開始される。まず、ステップS1(以
下、単にS1で表す。他のステップについても同様)に
おいて初期設定が行われ、各フラグF1 ,F2 等がOF
Fとされる。また、初期位置制御が行われ、針棒24,
外釜108,天秤74および送り歯120が各駆動回路
による駆動モータの駆動により初期位置に位置させられ
る。すなわち、針棒24および天秤74がそれぞれ最上
点(図13のA点およびF点)に位置させられるととも
に、外釜108の剣先118が図14に示すK点に、送
り歯120が図15に示すP点に位置させられるのであ
る。縫製時以外には針棒24等はこの初期位置に維持さ
れる。
【0024】次に、S2において、作業者により起動・
停止ボタン148が押されて起動・停止スイッチ170
がONされているか否かの判定が行われる。判定結果が
NOであれば、S6, S10, S13, S16, S19
, S22, S26, S29およびS32が繰り返し実行
され、縫製の開始が待たれる。また、天秤駆動制御ルー
チンにおいてはS101およびS106が、針棒駆動制
御ルーチンにおいてはS201およびS213が、釜駆
動制御ルーチンにおいてはS301が、送り歯上下駆動
制御ルーチンにおいてはS401およびS406が、送
り歯送り駆動制御ルーチンにおいてはS501およびS
507が、針棒揺動駆動制御ルーチンにおいてはS60
1がそれぞれ繰り返し実行され、縫製の開始が待たれ
る。
【0025】作業者により起動・停止ボタン148が押
されれば起動・停止スイッチ170がON状態となるた
め、S2の判定結果がYESとなって、S3において駆
動フラグF1 がONとされているか否かの判定が行われ
る。プログラムの初回においては判定結果がNOである
ため、S4において駆動フラグF1 がONとされ、S5
においてスタートフラグF2 がONとされる。続いて、
S6においてスタートフラグF2 がONであるか否かの
判定が行われ、判定結果がYESとなって、S7におい
て天秤下降開始フラグF3 が、S8において針棒下降開
始フラグF4 がそれぞれONとされるとともに、S9に
おいてスタートフラグF2 がOFFとされる。
【0026】天秤下降開始フラグF3 がONとされるこ
とにより、図6の天秤駆動制御ルーチンにおいてS10
1の判定結果がYESとなり、S102において天秤下
降開始指令信号が出力される。それにより駆動回路15
8から下降駆動パルスが出力され、パルスモータ76が
起動させられて天秤74の下降が開始される。天秤74
がスピードボリューム174からの出力信号に基づいて
決まる図13に示す天秤曲線に沿って下降させられ、駆
動回路158の内部カウンタによる駆動パルスのカウン
ト値が48となったことが検出されれば、S103の判
定結果がYESとなって、S104において駆動回路1
58に天秤下降停止指令信号が出力され、駆動パルスの
出力が停止される。したがって、パルスモータ76が停
止させられ、天秤が下降点(図13のG点)で停止させ
られるとともに、S105において天秤下降開始フラグ
3 がOFFとされる。
【0027】この後、再びS101が実行されるが、天
秤下降開始フラグF3 がOFFとされているため、判定
の結果がNOとなってS106において天秤上昇フラグ
12がONとされているか否かの判定が行われる。タイ
ミング制御ルーチンのS12において天秤上昇開始フラ
グF12がONとされるまではS106の判定の結果がN
Oとなり、プログラムの実行はS101に戻される。し
たがって、天秤上昇開始フラグF12がONとされるま
で、S101,S106が繰り返し実行され、天秤74
が下降点で待機させられる。
【0028】また、針棒下降開始フラグF4 がONとさ
れることにより、図7の針棒駆動制御ルーチンにおいて
S201の判定結果がYESとなり、S202において
駆動回路154に針棒下降開始指令信号が出力される。
それにより、サーボモータ42に駆動電流が供給されて
サーボモータ42が起動されて針棒24の下降が開始さ
れ、S203における針棒24の速度制御と、S204
におけるポテンショメータ50による針棒24の位置検
出とが、針棒24が最下点(図13のB点)に達してS
205の判定結果がYESとなるまで繰り返し実行され
る。エンコーダ60のパルス立ち下がり信号の時間間隔
が測定され、その時間間隔から針棒24の現在速度が演
算されるとともに、スピードボリューム174からの出
力信号に基づいて決まる図13に示す針棒曲線に沿って
予め設定されている針棒24の目標速度と現在速度とが
比較され、現在速度が目標速度とほぼ等しくなるように
サーボモータ42の駆動電流が制御されるのである。た
だし、針棒24に供給される駆動電流は、サーボモータ
42の起動直後には微量とされ、その後徐々に目標速度
まで増量されるため、針棒24の下降が滑らかに開始さ
れる。また、針棒24が最下点に近づけば、再び駆動電
流量が漸減させられ、針棒24の停止が滑らかに行われ
る。
【0029】縫針26が被加工布を貫通する際、被加工
布が厚い場合等にはその負荷抵抗が大きくなるため縫針
26が貫通し難くなり、サーボモータ42の回転数が減
少して、針棒24の下降状況が図13の針棒曲線から逸
脱する可能性がある。しかしながら、縫針26の被加工
布貫通時には釜駆動用パルスモータ114は未だ作動さ
せられていないため、針棒24の下降速度減少が縫針2
6と外釜108との相対位置の不適合を招来することは
ない。なお、天秤74の下降速度は予め定められた一定
速度とされているため、針棒速度の減速により縫針26
への上糸の供給量が増大し、上糸のたるみが生じるが、
縫製には差し支えない。
【0030】ポテンショメータ50により針棒24が最
下点に達したことが検出されればS205の判定結果が
YESとなり、S206において針棒最下点フラグF5
がONとされる。その後、S207において、駆動回路
154に反転指令信号が出力され、サーボモータ42の
回転方向が逆転させられる。S208において速度制御
が行われ、針棒24が低速で上昇させられつつ、S20
9において針棒24の位置検出が行われ、針棒24が針
出会い位置(図13のC点)に達したことが検出されれ
ば、S210の判定結果がYESとなり、S211にお
いて駆動回路154に針棒下降停止指令信号が出力さ
れ、サーボモータ42が停止させられて、針棒24が針
出会い位置で停止させられる。その後、S212におい
て針棒下降開始フラグF4 がOFFとされる。
【0031】針棒下降開始フラグF4 がOFFとされた
後はS201の判定結果がNOとなり、S213におい
て針棒上昇開始フラグF8 がONとされているか否かの
判定が行われるが、タイミング制御ルーチンのS14に
おいて針棒上昇開始フラグF8 がONとされるまでは、
判定の結果がNOとなる。したがって、S201,S2
13が繰り返し実行され、針棒24は針出会い位置にお
いて、縫針26に挿通された上糸の糸輪が形成された状
態で待機させられる。
【0032】S206において針棒最下点フラグF5
ONとされることにより、タイミング制御ルーチンのS
10の判定結果がYESとなって、S11において釜駆
動開始フラグF6 がONとされるとともに、S12にお
いて針棒最下点フラグF5 がOFFとされる。
【0033】釜駆動開始フラグF6 がONとされること
により、図8に示す釜駆動制御ルーチンにおいて、S3
01の判定結果がYESとなり、S302において駆動
回路160に外釜回転開始指令信号が発せられ、パルス
モータ114が起動される。外釜108はスピードボリ
ューム174の出力信号に基づいて決まる速度で反時計
方向に回転させられるのであるが、図13に示すよう
に、パルスモータ114に供給される駆動パルスの出力
間隔は、モータ起動開始直後は長く、徐々に短くされる
とともに、モータ停止前には再び徐々に長くされてお
り、外釜108が滑らかに加速,停止させられるように
なっている。本実施例においては、針棒24が最下点に
到達したとき外釜108が起動させられるようになって
いるため、針棒24の下降速度減少等により針棒24が
最下点に到達する時期が遅れても、外釜108が先に回
転を開始することがない。
【0034】本実施例においては、針棒24の最下点位
置(図13のB点)が針棒24の特定位置とされ、ポテ
ンショメータ50とCPU176のS204およびS2
05を実行する部分が針棒検出手段を構成している。ま
た、CPU176の、針棒駆動制御ルーチンのS20
6,タイミング制御ルーチンのS10,S11および釜
駆動制御ルーチンのS301,S302を実行する部分
が外釜108の起動を指令する起動指令信号発生手段を
構成しており、駆動回路160が釜駆動用パルスモータ
114の駆動制御手段を構成している。
【0035】釜駆動制御ルーチンにおいて、駆動回路1
60から出力される駆動パルスが内部カウンタによりカ
ウントされ、カウント値が7となったことが検出されれ
ば、S303の判定結果がYESとなり、S304にお
いて釜出会いフラグF7 がONとされる。すなわち、7
パルス分の駆動により剣先118が初期位置から釜出会
い位置(図13および図15のL点)に達するまで外釜
108が回転させられるのであり、針出会い位置に待機
している縫針26の近傍を剣先118が通過することに
より、上糸の糸輪が剣先118により捕捉される。
【0036】タイミング制御ルーチンにおいては、S1
3の判定結果がYESとなり、S14において針棒上昇
開始フラグF8 がONとされるとともに、S15におい
て釜出会いフラグF7 がOFFとされる。
【0037】針棒上昇開始フラグF8 がONとされるこ
とにより、針棒駆動制御ルーチンにおいてS213の判
定結果がYESとなり、S214において針棒24の上
昇が開始される。本実施例においては、針棒24が最下
点に達した後、外釜108の回転が開始されるとともに
針棒24が最下点から一定距離上昇した位置で停止させ
られ、外釜108が回転してその剣先118が釜出会い
位置に達した後、針棒24が上昇させられるようになっ
ているため、縫針26が針出会い位置に達する前に剣先
118が釜出会い位置を通過したり、剣先118が釜出
会い位置を通過する前に針棒24が過大に上昇したりす
ることが回避され、上糸の糸輪が剣先118により確実
に捕捉されることが保証される。
【0038】本実施例においては、駆動回路160の内
部カウンタおよびCPU176の釜駆動制御ルーチンの
S303を実行する部分が外釜108の位置検出手段を
構成しており、釜出会い位置(図13のL点)が外釜1
08の特定位置とされている。そして、釜駆動制御ルー
チンのS304,タイミング制御ルーチンのS13,S
14および針棒駆動制御ルーチンのS213,S214
を実行する部分が針棒24の起動指令信号発生手段を構
成し、駆動回路154がサーボモータ42の駆動制御手
段を構成しているのである。
【0039】針棒駆動制御ルーチンにおいて、S213
の判定結果がYESとなった後、S214において駆動
回路154に針棒上昇開始指令信号が出力され、サーボ
モータ42が起動されて、針棒24の滑らかな上昇が開
始される(図13のD点)。そして、針棒24が再び最
上点(図13のE点)に達するまで、S215において
針棒24の速度制御が、S216において針棒24の位
置検出が繰り返し実行される。針棒24が最上点に達す
れば、S217の判定結果がYESとなって、S218
において駆動回路154に針棒上昇停止指令信号が出力
され、針棒24が最上点で、下降開始時と同様に滑らか
に停止させられる。そして、S219において針棒上昇
開始フラグF8 がOFFとされる。
【0040】釜駆動制御ルーチンにおいて、内部カウン
タのカウント値が20となったことが検出されれば、S
305の判定結果がYESとなってS306において送
り歯上昇フラグF9 がONとされる。このときの外釜1
08の剣先118は図13,図14に示すM点に位置す
る。
【0041】送り歯上昇フラグF9 がONとされること
により、タイミング制御ルーチンにおいてS16の判定
結果がYESとなり、S17において送り歯上昇開始フ
ラグF10がONとされるとともに、S18においてF9
がOFFとされる。
【0042】それにより、図9に示す送り歯上下駆動制
御ルーチンにおいてS401の判定結果がYESとな
り、S402において駆動回路164に送り歯上昇開始
指令信号が出力され、上昇駆動パルスによりパルスモー
タ142が起動されて送り歯120の滑らかな上昇が開
始される。S403において、駆動回路164の内部カ
ウンタによる駆動パルスのカウント値が設定値(本実施
例においては4パルス)となったことが検出されれば、
判定結果がYESとなり、S404において送り歯上昇
停止指令信号が出力され、パルスモータ142が停止さ
せられて送り歯120が上昇位置(図15のQ点)に滑
らかに停止させられる。その後、S405において送り
歯上昇開始フラグF10がOFFとされるため、次にプロ
グラムが実行されれば、S401の判定結果がNOとな
り、S406において送り歯下降開始フラグF16がON
されているか否かの判定が行われるが、この判定の結果
はNOとなり、送り歯120が上昇位置で待機させられ
る。
【0043】釜駆動制御ルーチンにおいて、内部カウン
タのカウント値が45となれば、S307の判定結果が
YESとなってS308において釜抜け位置フラグF11
がONとされる。パルスモータ114の45パルスの駆
動によって、外釜108の剣先118が釜抜け位置(図
13および図14のN点)に位置させられ、これによ
り、剣先118に捕捉されていた上糸の糸輪が剣先11
8から抜け出し、上糸と下糸とが絡まされて縫目が形成
される。さらに、内部カウンタのカウント値が60とな
れば、S309の判定結果がYESとなり、S310に
おいて駆動回路160に釜回転停止指令信号が出力され
る。それにより、パルスモータ114が停止させられ、
外釜108が1回転して初期位置で停止させられる。S
311において、釜駆動開始フラグF6 がOFFとされ
る。このように、パルスモータ114は60パルスで1
回転させられ、その後、駆動回路160に再び釜回転開
始指令信号が出力されるまで停止し続ける。
【0044】図5に示すタイミング制御ルーチンにおい
て、釜抜け位置フラグF11がONとされることによりS
19の判定結果がYESとなり、S20において天秤上
昇開始フラグF12がONとされ、S21において釜抜け
位置フラグF11がOFFとされる。
【0045】天秤上昇開始フラグF12がONとされるこ
とにより、天秤駆動制御ルーチンにおいてS106の判
定結果がYESとなって、S107において天秤上昇指
令信号が出力され、駆動回路158から出力される上昇
駆動パルスによりパルスモータ76が下降時とは逆向き
に起動させられて天秤74の上昇が開始される(図13
のH点)。天秤74の上昇により上糸が引き締められ、
縫目が形成される。内部カウンタのカウント値が36と
なれば(図13のI点)S108の判定結果がYESと
なり、S109において送り歯送りフラグF13がONと
される。
【0046】送り歯送りフラグF13がONとされること
により、タイミング制御ルーチンにおいてS22の判定
結果がYESとなり、S23において送り歯送り開始フ
ラグF14がONとされるとともに、S24において針棒
揺動駆動開始フラグF15がONとされ、S25において
送り歯送りフラグF13がOFFとされる。
【0047】送り歯送り開始フラグF14がONとされる
ことにより、図10に示す送り歯送り駆動制御ルーチン
においてS501の判定結果がYESとなり、S502
において送り歯送り開始指令信号が出力される。それに
より、駆動回路162から送り駆動パルスが出力され、
パルスモータ130が起動されて送り歯120による被
加工布の送りが開始される(図13のR点)。この送り
量は、図13に示すように10段階に分けられており、
作業者により予め選択された縫目模様に応じて決まる。
模様の種類によって被加工布の送りが全く行われない場
合には、駆動パルスの出力数が0に設定されるため、駆
動パルスが出力される前にS503の判定結果がYES
となってパルスモータ130は起動されないが、ここで
は送り量が10パルスに設定されているとすれば、内部
カウンタのカウント値が10となったとき、S503の
判定結果がYESとなり、S504において送り歯送り
終了フラグF16がONとされる。そして、S505にお
いて駆動回路162へ送り歯送り停止指令信号が出力さ
れ、パルスモータ130が停止させられて、送り歯12
0が送り終了位置(図13および図15のS点)で停止
させられる。S506において送り歯送り開始フラグF
14がOFFとされる。
【0048】一方、針棒揺動駆動開始フラグF15がON
とされることにより、図11に示す針棒揺動駆動ルーチ
ンにおいて、S601の判定結果がYESとなり、S6
02において、予め選択された縫目模様がジグザグ縫い
であるか否かの判定が行われる。判定結果がNOであれ
ば、S603〜S605がスキップされてS606にお
いて針棒揺動開始フラグF15がOFFとされ、針棒揺動
駆動ルーチンの1回の実行が終了するが、判定結果がY
ESであれば、S603において駆動回路156に針棒
揺動開始指令信号が発せられ、パルスモータ66が起動
されて、針棒24の揺動が開始される。図13に示すよ
うに針棒24の揺動量は7段階に分けられており、縫製
すべき模様に応じて揺動量が決まる。ここでは針棒24
が6パルス分揺動させられるように設定されているとす
れば、内部カウンタのカウント値が6となったときS6
04の判定結果がYESとなり、S605において針棒
揺動停止指令信号が出力され、パルスモータ66が停止
させられて、針棒24が6パルス分揺動した位置で停止
させられる。S606において針棒揺動駆動開始フラグ
15がOFFとされる。なお、針棒24の揺動開始およ
び揺動停止も駆動パルスの出力間隔の制御により滑らか
に行われる。
【0049】送り歯送り終了フラグF16がONとされる
ことにより、タイミング制御ルーチンにおいてS26の
判定結果がYESとなり、S27において送り歯下降開
始フラグF17がONとされ、S28において送り歯送り
終了フラグF16がOFFとされる。
【0050】それにより、送り歯上下駆動制御ルーチン
においてS406の判定結果がYESとなり、S407
において駆動回路164に送り歯下降開始指令信号が出
力され、下降駆動パルスがパルスモータ142に出力さ
れる。パルスモータ142が上昇時とは逆方向に起動さ
れて送り歯120が下降を開始し、下降駆動パルスのカ
ウント値が設定値(ここでは4パルス)となれば、S4
08の判定結果がYESとなり、S409において送り
歯下降終了フラグF18がONとされる。続いて、S41
0において駆動回路164に送り歯下降停止指令信号が
出力され、パルスモータ142が停止させられ、送り歯
120が下降位置(図15のT点)に停止させられる。
そして、S411において送り歯下降開始フラグF17
OFFとされる。
【0051】送り歯下降終了フラグF18がONとされる
ことにより、タイミング制御ルーチンにおいてS29の
判定結果がYESとなり、S30において送り歯準備開
始フラグF19がONとされるとともに、S31において
送り歯下降終了フラグF18がOFFとされる。
【0052】送り歯準備開始フラグF19がONとされる
ことにより、送り歯送り駆動制御ルーチンにおいて、S
507の判定結果がYESとなり、S508において駆
動回路162に送り歯準備開始指令信号が発せられる。
それにより、駆動回路162から準備駆動パルスが出力
され、パルスモータ130が送り方向とは逆方向に起動
させられ、送り歯120が準備位置(初期位置)に向か
って移動させられる。内部カウンタのカウンタ値が送り
駆動パルスと同数(ここでは10パルス)となれば、S
509の判定結果がYESとなり、S510において駆
動回路162に送り歯準備停止指令信号が出力されてパ
ルスモータ130が停止させられ、送り歯120が準備
位置に停止させられる。S511において送り歯準備開
始フラグF19がOFFとされる。
【0053】天秤駆動制御ルーチンにおいて、天秤74
の上昇が続けられるうちに、内部カウンタのカウント値
が48となれば、S110の判定結果がYESとなっ
て、S111において天秤最上点フラグF20がONとさ
れる。そして、S112において駆動回路158に天秤
上昇停止指令信号が出力され、パルスモータ76が停止
させられ、天秤74が最上点に停止させられる。S11
3において天秤上昇開始フラグF12がOFFとされる。
【0054】天秤最上点フラグF20がONとされること
により、タイミング制御ルーチンにおいてS32の判定
結果がYESとなり、S33において天秤最上点フラグ
20がOFFとされ、S34において起動・停止スイッ
チ170がONされているか否かの判定が行われる。起
動・停止スイッチ170がON状態のままであれば判定
の結果がYESとなり、S35においてスタートフラグ
2 が再びONとされ、プログラムの実行がS2に戻さ
れる。駆動フラグF1 はON状態のままであるため、S
2およびS3の判定結果がYESとなり、S4,S5が
スキップされた後、S6の判定結果がYESとなって、
再びS7以降が実行されるとともに、各モータ駆動制御
ルーチンが実行されて縫製が続けられる。
【0055】一方、作業者により起動・停止ボタン14
8が押されて起動・停止スイッチ170がOFFとされ
ていれば、S34の判定結果がNOとなり、S36にお
いて駆動フラグF1 がOFFとされ、1回のプログラム
の実行が終了する。2回目以降においては、S2の判定
結果がNOとなり、S3〜S5がスキップされてS6,
S10,S13,S16,S19,S22,S26,S
29およびS32が実行されるが、いずれの判定結果も
NOとなるため、縫製は行われない。なお、送り歯12
0による布送り量が大きい場合には、起動・停止スイッ
チ170がOFFとされてS34の判定結果がNOとな
った時点では、送り歯120が準備位置へ完全に復帰し
ていないことがあるが、タイミング制御ルーチンにおい
て上記のようなフラグスキャンが行われることにより、
その間に送り歯120が準備位置に戻される。
【0056】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、針棒24の位置が検出され、針棒24が最
下点に達したとき外釜108の回転が開始される。ま
た、針棒24が最下点から一定距離上昇した位置で停止
させられ、外釜108の回転位置が検出されて剣先11
8が釜出会い位置に達したとき針棒24の上昇が開始さ
れるようになっているため、針棒24と外釜108とが
必要な位置(図13のB点およびL点)において確実に
タイミングを合わされ、目飛びの発生等が良好に防止さ
れる。それ以外の位置では、針棒24と外釜108とが
同期させられるわけではないため、従来のように両者を
常に同期させる場合に比較して駆動モータを簡易かつ小
形のものとすることができる。
【0057】また、天秤74,送り歯120等も常に同
期させられているわけではないが、外釜108が20パ
ルス分の駆動により送り歯上昇開始位置まで回転させら
れたとき送り歯120の上昇が開始され、さらに剣先1
18が釜抜け位置に達したとき天秤74の上昇が開始さ
れ、天秤74が36パルス分上昇させられたとき送り歯
120の送りが開始される等、必要な位置ではタイミン
グが合わされるようになっている。
【0058】なお、本実施例においては、送り歯120
が上昇位置に達した後、一定時間の経過後に布送り動作
が開始されるようになっているが、送り歯120の上昇
タイミングを変更して上昇と送りとを連続して行うよう
にすることも可能である。また、駆動回路162から空
パルスを出力させてパルスモータ130の励磁相が変化
しないようにすることにより、布送り量が変更されても
布送り駆動終了時期が一定となるようにすることも可能
である。
【0059】また、本実施例においては、針棒24の位
置がポテンショメータ50により検出されるようになっ
ていたが、絶対位置の検出が可能なアブソリュートエン
コーダにより検出するようにすることも可能である。ま
た、エンコーダ60と針棒24の特定位置への到達を検
出する光電スイッチとにより針棒24の位置を検出する
ことも可能である。
【0060】また、外釜108の剣先118の位置が駆
動回路160から出力される駆動パルス数により検出さ
れるようになっていたが、針棒24と同様にポテンショ
メータ,エンコーダ等により検出するようにしてもよ
い。天秤74の高さ位置,針棒24の揺動位置,送り歯
120の高さ位置および送り位置についても同様であ
る。
【0061】さらに、本実施例においてはエンコーダ6
0のパルス立ち下がり信号の間隔により針棒24の速度
が検出されるようになっていたが、立ち上がり信号の間
隔により検出することも可能である。また、エンコーダ
60に代えて、タコジェネレータ等により直接針棒24
の速度を検出することも可能であり、ポテンショメータ
50の出力信号を微分して速度を検出することも可能で
ある。
【0062】その他、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で、本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例である針棒・釜別駆動ミシン
の要部を示す斜視図である。
【図3】上記ミシンの構成を電子制御部を中心として示
すブロック図である。
【図4】上記ミシンのコンピュータのROMに格納され
たタイミング制御ルーチンの一部を示すフローチャート
である。
【図5】上記ミシンのコンピュータのROMに格納され
たタイミング制御ルーチンの残部を示すフローチャート
である。
【図6】上記コンピュータのROMに格納された天秤駆
動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】上記コンピュータのROMに格納された針棒駆
動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】上記コンピュータのROMに格納された釜駆動
制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】上記コンピュータのROMに格納された送り歯
上下駆動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】上記コンピュータのROMに格納された送り
歯送り駆動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】上記コンピュータのROMに格納された針棒
揺動駆動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】上記コンピュータのRAMの構成を示すブロ
ック図である。
【図13】上記ミシンの各部の動作を互いに関連付けて
示すタイムチャートである。
【図14】上記釜の回転角度位置を示す説明図である。
【図15】上記送り歯の上下位置および送り位置を示す
説明図である。
【符号の説明】
24 針棒 42 針棒駆動用サーボモータ 50 ポテンショメータ 56 コンピュータ 60 エンコーダ 108 外釜 114 釜駆動用パルスモータ 118 剣先 154 駆動回路 160 駆動回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの縫針を上下動させる針棒駆動モ
    ータと糸捕捉装置を駆動する釜駆動モータとを備えた針
    棒・釜別駆動ミシンの制御装置であって、 針棒と釜との一方の位置を検出する位置検出手段と、 その位置検出手段が前記一方の特定位置を検出した際、
    針棒と釜との他方の起動を指令する起動指令信号を発生
    する起動指令信号発生手段と、 その起動指令信号に応じて前記他方の駆動モータを起動
    し、予め定められた速度で作動させるモータ駆動制御手
    段とを含むことを特徴とする制御装置。
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