JP2870358B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物の製造方法

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル組成物の
製造方法に関し、さらに詳しくは粒子を含有するポリエ
ステル組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、耐熱性、耐薬品性などの特性に優れ
ているため、繊維、フィルムおよびその他の成形品用途
に広く利用されている。それらの用途における性能を高
度化したり、新しい機能性を発現させるために、また成
形品を得る成形工程、および高次加工工程における工程
通過性を高めるために、一般にポリエステルには種々の
改質剤が添加されている。
【0003】改質剤としては、酸化チタン、シリカ、ア
ルミナなどの粒子が広く使用されている(特公昭41−
15252号公報、特開平1−192820号公報
等)。これらの粒子は、粉体状態、あるいはグリコール
等の分散媒に分散したスラリー状態としてポリエステル
に単に配合したのみでは、粒子原末に起因する粗大粒子
の混入やポリエステル中における粒子の再凝集などによ
り、成形工程等の工程通過性が低下したり、使用用途に
おける商品価値が低下してしまう。
【0004】そのため、粒子をスラリー状態でポリエス
テルの合成時添加する場合は、粒子をスラリー状態で粉
砕・分級したり(特開昭55−9606号公報、特開昭
55−65222号公報等)、粒子スラリーに分散安定
剤を添加すること(例えば特開昭52−139192号
公報、特開昭63−304022号公報等)が提案され
ている。しかしながら、これらの方法では、その操作に
多大な費用や作業時間がかかってしまうという欠点があ
り、またその操作を行なったとしても得られる製品の耐
熱性や色調が低下することがあった。また、近年、例え
ば回分式重合に比べてコスト面で有利な連続重合で製造
した一種のベースポリエステルから多品種の改質剤を配
合したポリエステルを製造する際に、ポリエステル合成
反応時に粒子を添加していたのでは、その品種切り替え
において多量の洗浄ロスを生じてしまう。
【0005】一方、単軸押出機や二軸混練機を用いて粒
子を粉体状態でポリエステルと混練することにより粒子
の分散性が良好なポリエステルを得る試みが行なわれて
いる。特開平1−157806号公報には、二軸混練機
を用いて粒子を粉体状態でポリエステルと混練する際の
混練ゾーンの条件を特定することが提案されている。し
かしながら、この方法でも、溶融状態のポリエステルに
強力な剪断を加えるため、剪断発熱によるポリエステル
の分解、すなわち極限粘度や色調の低下が避けられなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術の問題点がなく粒子分散性に優れたポ
リエステル組成物が得られる方法について鋭意検討した
結果、剪断発熱を利用して粒子含有ポリエステルを溶融
しながら混練することにより、従来技術では達し得なか
った粒子分散性が優れたポリエステルが得られることを
知り、さらに種々検討することにより本発明を完成し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の目的
は、粒子を含有するポリエステルを製造する際、混練機
にてポリエステルに粒子を添加して得た粒子含有ポリエ
ステルを、一旦冷却固化した後、ベント孔付き混練機へ
供給して溶融混練することを特徴とするポリエステル組
成物の製造方法によって達成できる。第2の発明は、粒
子を含有するポリエステル組成物を連続的に製造する
際、混練機にて、連続重合で製造した溶融状態のポリエ
ステルに粒子を添加することにより得た粒子含有ポリエ
ステルを、一旦冷却固化した後、ベント孔付き混練機へ
供給して溶融混練することを特徴とするポリエステル組
成物の製造方法の製造方法である。
【0008】本発明におけるポリエステルとは、ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールま
たはそのエステル形成性誘導体を主たる出発原料として
得られたものである。ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体として、具体的には、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸お
よびその低級エステル化合物、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂環式ジカルボン酸およびその低級エステル化合
物、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸
およびその低級エステル化合物などを挙げることができ
る。これらの2種以上を併用していても良いが、テレフ
タル酸およびそのエステル形成性誘導体を、得られるポ
リエステルにおける全ジカルボン酸成分に対して80モ
ル%以上がテレフタル酸成分となる量を用いることが耐
熱性の点から好ましい。
【0009】ジオールおよびそのエステル形成性誘導体
として、具体的には、エチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪
族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
の脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノール
Sおよびそれらのエチレンオキサイド付加物などの芳香
族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどの線状エー
テル化合物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドなどの環状エーテル化合物などを挙げることができ
る。これらの2種以上を併用していても良いが、エチレ
ングリコールを、得られるポリエステルにおける全ジオ
ール成分に対して80モル%以上がエチレングリコール
成分となる量を用いることが耐熱性の点から好ましい。
また、上記ポリエステルは、ε−カプロラクトン、オキ
シ安息香酸などのオキシカルボン酸化合物、トリメリッ
ト酸、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物およ
びそれらのエステル形成性誘導体を出発原料として併用
していても良い。
【0010】本発明におけるポリエステルは、例えば、
ジカルボン酸とジオールを主たる出発原料とする場合は
これらの原料をエステル化し、または、ジカルボン酸の
低級エステル化合物とジオールを主たる出発原料とする
場合はエステル交換して、低重合体を合成した後、その
低重合体をさらに高温減圧下で重縮合反応することによ
って得られたものである。
【0011】本発明におけるポリエステルの極限粘度
は、特に制限されないが、得られる成形物の機械的物性
が良好であることから、0.5以上であることが好まし
く、0.6以上であることが更に好ましい。
【0012】また、本発明で用いるポリエステルには、
エステル交換触媒、重縮合触媒、エーテル結合生成抑制
剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、結晶化促進剤
などが添加されていても良い。
【0013】本発明における粒子は、酸化チタン、シリ
カ、アルミナなどの酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸
塩、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、硫酸バリウムな
どの硫酸塩などの無機粒子、ポリスチレン、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、架橋シリコーンなどの有機
粒子を挙げることができる。なかでも、酸化チタンが好
ましい。また、これらの粒子の平均粒子径は、特に制限
されないが、通常、0.01〜5μmである。
【0014】本発明において得られるポリエステル組成
物の粒子含有量は、特に制限されず、通常、0.01〜
70重量%であるが、粒子分散性がより優れるポリエス
テル組成物を得られることから、5〜70重量%である
ことが好ましい。
【0015】本発明において粒子含有ポリエステルを製
造する際に使用する混練機は、押出機であっても射出成
形機であっても良く、連続式であっても回分式であって
も良い。ただし、本発明における第2の発明において使
用する混練機は連続式である。また、上記の混練機は、
スクリューが1軸であっても2軸以上であっても良く、
2軸以上の混練機である場合には隣接するスクリュー軸
は、同方向回転であっても異方向回転であっても良い。
さらに、本発明において使用する混練機は、必要に応じ
てベント孔を設けていても良い。
【0016】本発明においては、ポリエステル組成物を
製造する際にベント孔付き混練機を使用する必要があ
る。ベント孔付き混練機を使用することにより、供給す
る粒子含有ポリエステルを乾燥しなくても極限粘度の低
下がほとんどないポリエステル組成物を得ることができ
る。ベント孔付き混練機は、少なくとも1つのベント孔
を設けた溶融混練機であれば、押出機であっても射出成
形機であっても良く、連続式であっても回分式であって
も良い。ただし、本発明における第2の発明において使
用するベント付き混練機は連続式である。また、上記の
ベント付き混練機は、スクリューが1軸であっても2軸
以上であっても良く、2軸以上の混練機である場合には
隣接するスクリュー軸は、同方向回転であっても異方向
回転であっても良い。供給される粒子含有ポリエステル
に含まれる水分等を除去するためにベント付き混練機に
設けたベント孔の少なくとも1つは減圧下に保持する必
要がある。また、ベント孔の真空度は、通常、50To
rr以下に保持されるが、ポリエステル中に水分などが
長時間滞在すると、ポリエステルの加水分解反応などが
進行してしまうことがあるので、それらを速やかにポリ
エステルから除去するため、10Torr以下に保持す
ることが好ましい。
【0017】本発明の第1の発明では、混練機にてポリ
エステルに粒子を添加することにより、粒子含有ポリエ
ステルを得る。混練機に供給されるポリエステルは、チ
ップ等の固体状態あるいは溶融状態で混練機に供給され
る。粒子は、粉体状態、水や有機化合物を分散媒とした
スラリー状態、あるいはマスターポリマーなどの状態で
供給される。この場合、ポリエステルと粒子は、混練機
において同一の添加孔から同時に供給してもよく、いず
れか一方を供給した後に他方を別の添加孔から供給して
も良い。
【0018】本発明の第2の発明では、混練機にて連続
重合で製造した溶融状態のポリエステルに粒子を添加す
ることにより、粒子含有ポリエステルを得る。混練機に
供給されるポリエステルは、連続重合で製造したポリエ
ステルを溶融状態のままで混練機に供給される。粒子
は、粉体状態、水や有機化合物を分散媒としたスラリー
状態、あるいはマスターポリマーなどの状態で供給され
る。この場合、ポリエステルと粒子は、混練機において
同一の添加孔から同時に供給してもよく、いずれか一方
を供給した後に他方を別の添加孔から供給しても良い。
【0019】本発明においては、混練機で得た粒子含有
ポリエステルを、一旦冷却固化する必要がある。粒子含
有ポリエステルを、一旦冷却固化することにより、粒子
分散性に優れ、かつ極限粘度や色調の低下のほとんどな
いポリエステル組成物を得ることが可能になる。粒子含
有ポリエステルは、ペレットやストランドなどの形態で
ベント孔付き混練機へ供給される。
【0020】本発明において、ベント孔付き混練機へ供
給する粒子含有ポリエステルを固体状態とすることによ
り、粒子分散性に優れたポリエステルが得られる理由は
明らかではないが、固体状態のポリエステルは、高温の
溶融ポリエステルの場合に比べ同一剪断速度における溶
融粘度が高いために剪断応力が大きいので、強固に凝集
した粒子の分散が可能となり、ポリエステル中における
粒子の分散性が向上すると考える。また、大きな剪断応
力をポリエステルの融点付近で加えるので、高温の溶融
ポリエステルの場合に比べ剪断発熱によるポリエステル
の温度上昇が低く、その結果、ポリエステルの極限粘度
や色調の低下をほとんど抑制できるものと考える。
【0021】本発明により得られたポリエステル組成物
は、そのまま成形に使用しても良く、さらに他の工程な
どで得たポリエステルで希釈したり各種の添加剤を添加
した後成形に使用しても良い。
【0022】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
する。なお、実施例における各特性値は、次の方法によ
って求めた。
【0023】(A) ポリエステルの極限粘度:オルトクロ
ロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0024】(B) ポリエステルの粒子含有量:粒子含有
ポリエステルを過剰のナトリウムメチラートでアルカリ
分解して得た粒子分散液から、遠心分離−水洗を5回繰
り返して分離した粒子の重量から求めた。
【0025】(C) ポリエステルの色調:ポリエステルを
スガ試験機株式会社製直読式色差コンピューターで測定
した。b値が高い程ポリエステルの黄味が強いことを示
す。
【0026】(D) ポリエステルの水分含有量:カール・
フィッシャー法により求めた。
【0027】(E) ポリエステルの粒子分散性:試料10
mgを2枚のカバーグラスに挟み、約280℃のホット
プレート上で熱圧着して作成したフィルムを位相差顕微
鏡(200倍)で観察し、最大直径10μm以上の粗大
粒子数を測定した。1水準当たり10回測定し、その平
均値をポリエステル中の粒子含有量(重量%)で除した
値を粗大粒子度とした。粒子分散性の判定は、次の通り
とした。 粗大粒子度が0.4未満の場合 : 非常に
良好 粗大粒子度が0.4以上0.8未満の場合 : 良好 粗大粒子度が0.8以上1.2未満の場合 : やや良
好 粗大粒子度が1.2を超える場合 : 劣る
【0028】(E) 粒子の平均粒子径:透過型電子顕微鏡
写真により粒子100個の面積を求め、その平均面積と
同じ面積を有する円の直径として求めた。
【0029】実施例1 ポリエステルが押し出される方向に、連続重合の最終重
合機からのポリマー配管、粒子添加孔、ベント孔1、ベ
ント孔2の順にそれぞれを設けた2軸混練機へ、連続重
合の最終重合機からのポリマー配管を経てポリエチレン
テレフタレート(極限粘度:0.64)を溶融状態のま
まギヤポンプにより90重量部/分で供給し、また、粉
体状態の酸化チタン粒子(平均粒子径:0.2μm)を
粒子添加孔から重量式定量フィーダーにより10重量部
/分で供給した。ベント孔1,2は0.5Torrに減
圧した。また、2軸混練機のスクリュー回転数は300
rpmとした。2軸混練機よりストランド状に吐出した
粒子含有ポリエステルは、水槽で冷却固化した後、カッ
ターでペレット化した。得られた粒子含有ポリエステル
は、極限粘度0.63、粒子含有量10重量%、水分率
0.1%、色調b値3.5であった。また、粗大粒子度
は2.8であった。この粒子含有ポリエステルを、さら
に、ポリエステルが押し出される方向に、添加孔、ベン
ト孔の順にそれぞれを設けたベント孔付き2軸混練機
へ、添加孔から重量式定量フィーダーにより100重量
部/分で供給した。ベント孔は0.5Torrに減圧し
た。また、ベント孔付き2軸混練機のスクリュー回転数
は300rpmとした。ベント孔付き2軸混練機よりス
トランド状に吐出したポリエステルは、水槽で冷却固化
した後、カッターでペレット化した。得られたポリエス
テルは、極限粘度0.62、粒子含有量10重量%、色
調b値3.7であった。また、粗大粒子度は0.1であ
り、粒子分散性が非常に良好であった。
【0030】比較例1 実施例1において2軸混練機で得た粒子含有ポリエステ
ルを冷却固化せずに溶融状態のまま、ポリエステルが押
し出される方向にポリマー配管、ベント孔の順にそれぞ
れを設けたベント孔付き2軸混練機へ、ポリマー配管か
らギヤポンプにより100重量部/分で供給した。ベン
ト孔は0.5Torrに減圧した。また、ベント孔付き
2軸混練機のスクリュー回転数は300rpmとした。
ベント孔付き2軸混練機よりストランド状に吐出したポ
リエステルは、水槽で冷却固化した後、カッターでペレ
ット化した。得られたポリエステルは、極限粘度0.6
2、粒子含有量10重量%、色調b値4.0であった
が、粗大粒子度は2.1であり、粒子分散性が劣ってい
た。
【0031】比較例2 ベント孔付き2軸混練機のスクリュー回転数を600r
pmとしたこと以外は、比較例1と同様の方法によりポ
リエステルペレットを得た。得られたポリエステルは、
粗大粒子度が0.6であり、粒子分散性が良好であった
が、極限粘度0.51、粒子含有量10重量%、色調b
値7.5であり、極限粘度の低下および色調黄味の増大
が大きかった。
【0032】比較例3 実施例1において2軸混練機で得た粒子含有ポリエステ
ルを、ベント孔を設けていない2軸混練機へ重量式定量
フィーダーにより100重量部/分で供給した。この2
軸混練機のスクリュー回転数は300rpmとした。こ
の混練機よりストランド状に吐出したポリエステルは、
水槽で冷却固化した後、カッターでペレット化した。得
られたポリエステルは、粗大粒子度が1.1であり粒子
分散性はやや良好であったが、極限粘度0.38、粒子
含有量10重量%、色調b値3.6であり、極限粘度の
低下が著しかった。
【0033】実施例2〜8 表1に示した条件により、実施例1と同様の方法により
ポリエステルペレットを得た。2軸混練機により得た粒
子含有ポリエステル、およびさらにそれをベント孔付き
2軸混練機に供給して得たポリエステルの物性を表2に
示した。実施例2〜8のベント孔付き2軸混練機で得た
ポリエステルは粒子分散性がやや良好〜非常に良好なレ
ベルであり、極限粘度や色調の低下はほとんどなかっ
た。
【0034】
【表1】
【表2】 実施例9 ポリエステルが押し出される方向に、添加孔、ベント孔
の順にそれぞれを設けた2軸混練機へ、ペレット状態の
ポリエチレンテレフタレート(極限粘度:0.65,水
分率:0.3%)と粉体状態の酸化チタン粒子(平均粒
子径:0.3μm)をそれぞれ重量式定量フィーダーに
より90重量部/分、10重量部/分で添加孔から供給
した。ベント孔は0.5Torrに減圧した。また、2
軸混練機のスクリュー回転数は300rpmとした。2
軸混練機よりストランド状に吐出した粒子含有ポリエス
テルは、水槽で冷却固化した後、カッターでペレット化
した。得られた粒子含有ポリエステルは、極限粘度0.
64、粒子含有量10重量%、水分率0.3%、色調b
値3.4であった。また、粗大粒子度は1.8であっ
た。
【0035】この粒子含有ポリエステルを、さらに、ポ
リエステルが押し出される方向に、添加孔、ベント孔の
順にそれぞれを設けたベント孔付き2軸混練機へ、添加
孔から重量式定量フィーダーにより100重量部/分で
供給した。ベント孔は0.5Torrに減圧した。ま
た、ベント孔付き2軸混練機のスクリュー回転数は30
0rpmとした。ベント孔付き2軸混練機よりストラン
ド状に吐出したポリエステルは、水槽で冷却固化した
後、カッターでペレット化した。得られたポリエステル
は、極限粘度0.63、粒子含有量10重量%、色調b
値3.5であった。また、粗大粒子度は0.1であり、
粒子分散性が非常に良好であった。
【0036】比較例4 実施例9において2軸混練機により得た粒子含有ポリエ
ステルを冷却固化せずに溶融状態のまま、ポリエステル
が押し出される方向にポリマー配管、ベント孔の順にそ
れぞれを設けたベント孔付き2軸混練機へ、ポリマー配
管からギヤポンプにより100重量部/分で供給した。
ベント孔は0.5Torrに減圧した。また、ベント孔
付き2軸混練機のスクリュー回転数は300rpmとし
た。ベント孔付き2軸混練機よりストランド状に吐出し
たポリエステルは、水槽で冷却固化した後、カッターで
ペレット化した。得られたポリエステルは、極限粘度
0.63、粒子含有量10重量%、色調b値4.0であ
ったが、粗大粒子度は1.3であり、粒子分散性が劣っ
ていた。
【0037】比較例5 ベント孔付き2軸混練機のスクリュー回転数を600r
pmとしたこと以外は、比較例4と同様の方法によりポ
リエステルペレットを得た。得られたポリエステルは、
粗大粒子度が0.5であり、粒子分散性が良好であった
が、極限粘度0.49、粒子含有量10重量%、色調b
値7.3であり、極限粘度の低下および色調黄味の増大
が大きかった。
【0038】比較例6 実施例9で2軸混練機で得た粒子含有ポリエステルを、
ベント孔を設けていない2軸混練機へ重量式定量フィー
ダーにより100重量部/分で供給した。この2軸混練
機のスクリュー回転数は300rpmとした。この混練
機よりストランド状に吐出したポリエステルは、水槽で
冷却固化した後、カッターでペレット化した。得られた
ポリエステルは、粗大粒子度が1.1であり粒子分散性
はやや良好であったが、極限粘度0.34、粒子含有量
10重量%、色調b値3.6であり、極限粘度の低下が
著しかった。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物の製造方法
を用いると、次のような優れた効果が発揮される。
【0040】(1)粒子を均一に分散したポリエステル
が容易に得られる。したがって、製糸、製膜等の成形工
程あるいは高次加工工程における工程通過性に優れ、ま
た商品における粗大粒子の存在、極限粘度や色調の低下
に基づく商品価値の低下がない。
【0041】(2)連続重合により得られた溶融状態の
ベースポリエステルを使用することにより、連続重合に
おけるコスト面等のメリットを生かした粒子分散性に優
れる改質剤配合ポリエステルの多品種生産が可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C18J 3/20 C18L 67/00 - 67/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を含有するポリエステルを製造する
    際、混練機にてポリエステルに粒子を添加して得た粒子
    含有ポリエステルを、一旦冷却固化した後、ベント孔付
    き混練機へ供給して溶融混練することを特徴とするポリ
    エステル組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 粒子を含有するポリエステル組成物を連
    続的に製造する際、混練機にて、連続重合で製造した溶
    融状態のポリエステルに粒子を添加することにより得た
    粒子含有ポリエステルを、一旦冷却固化した後、ベント
    孔付き混練機へ供給して溶融混練することを特徴とする
    ポリエステル組成物の製造方法。
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