JP2000109659A - ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物の製造方法Info
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Abstract
維、フイルム、及び樹脂成形品とする際の成形加工性に
優れ、繊維の場合には単糸切れが少なく、フイルムの場
合には易滑性とフイルム表面の均一性及び耐磨耗性に優
れ、そして、樹脂成形品の場合には寸法安定性や耐衝撃
性に優れ、且つベースポリマーに対する固有粘度保持率
が高いポリエステル組成物を容易に製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 ニュートラル型ニーディングディスクを
含むベント付き混練押出機に、ポリエステル樹脂及び粒
子を供給してポリエステル樹脂組成物を製造する際に、
該粒子と該粒子の重量以下のポリエステル(A)樹脂と
を供給して溶融混練した後、更に、ポリエステル(A)
樹脂及び/又は固有粘度がポリエステル(A)樹脂より
も高いポリエステル(B)樹脂を追加供給して溶融混練
を行う。
Description
組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、粒子の分散性
と固有粘度保持率とが改善されたポリエステル樹脂組成
物を容易に製造する方法に関する。
性を有しており、繊維、フイルム、その他成形品として
広く使用されている。しかし、その優れた特性にもかか
わらず、上記成形品を得る成形工程における成形加工性
の問題、あるいは成形品自体での取り扱いにおける滑り
性不良による作業性の悪化、製品価値の低下といった好
ましくないトラブルが発生することも知られている。
ルに微粒子を含有させて成形品の表面に適度に微細な凹
凸を付与し、これにより成形品の表面の滑り性を向上さ
せる方法が数多く提案され、その一部は実用化されてい
る。例えば、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、
タルク、カオリナイトなどの不活性無機粒子をポリエス
テルに添加する方法(特開昭55−133431号公報
等)、あるいは、シリコン粒子、ポリスチレン粒子など
の耐熱性ポリマー粒子をポリエステルに添加する方法
(特開平3−115354号公報等)等を挙げることが
できる。
粗大粒子が混入しやすく、粗大粒子が混入した場合に
は、例えば磁気テープ用フイルムにおいては、電磁変換
特性を低下させたり、ドロップアウトを引き起こす原因
となる。また、製版印刷用、マイクロフイルム用などの
透明性が要求されるフイルムにおいては、透明性が著し
く低下するなど、フイルム品質を損ねてしまう。更に、
繊維用途においては、紡糸時のフイルター詰まりが発生
し生産性が低下したり、単糸切れが発生したりして好ま
しくない。
め、ポリエステルの合成反応時に粒子を添加する場合
に、粉砕、分級などによりあらかじめ粗大粒子を除去し
たスラリーあるいは溶液を添加する方法も提案されてい
る(特公平1−41170号公報、特開昭63−105
059号公報等)。しかし、ポリエステルの合成反応時
に粒子を添加する方法では、粉砕、分級等の精製操作に
多大な費用や作業時間を要する上、たとえこれらの操作
を十分に行った後においても、ポリエステル合成系に添
加する時点や添加後のポリエステル内部にて粒子が再凝
集することがあり、製品ポリエステル中の粗大粒子を低
減することは難しいのが現状である。また、大量にポリ
エステルを製造する際にポリエステル合成系に粒子をそ
の都度添加していたのでは、ポリエステルの銘柄を変更
する度にポリエステル合成系の洗浄等による大量の銘柄
切り替えロスが発生する。
リエステルに粒子を混練、配合する方法が近来、検討さ
れている。この場合、粉末状粒子を単軸あるいは二軸押
出機によって、ポリマー及び粉末状粒子に剪断応力を加
えながら添加する方法が提案されている(特開平2−3
4307号公報、特公平7−62076号公報等)。
あるいは二軸押出機中を通過させるだけで完全に粉砕、
あるいは解砕することは現実には極めて難しく、また、
ポリエステル中に粉末状の粒子を均一に分散させるため
に剪断応力をかけすぎると、ポリエステルの固有粘度が
著しく低下して、成形性あるいは製品の品質が悪化する
という問題があった。
を上げるために粒子に表面処理を施したり、分散剤を添
加したり等、物理的あるいは化学的に改質する方法が知
られている(特開昭49−97822号公報、特開昭4
9−122535号公報等)。しかし、これらの特殊処
理方法は未処理の場合に比べてコスト高となるが、改質
のみで十分な分散を得ることは極めて困難であった。
エステル中の粒子の分散性に優れ、実質的に粗大粒子が
存在せず、従って、繊維、フイルム、及び樹脂成形品と
する際の成形加工性に優れ、繊維の場合には単糸切れが
少なく、フイルムの場合には易滑性とフイルム表面の均
一性及び耐磨耗性に優れ、そして、樹脂成形品の場合に
は寸法安定性や耐衝撃性に優れ、且つベースポリマーに
対する固有粘度保持率が高いポリエステル組成物を容易
に製造する方法を提供することにある。
来技術が有していた問題を解決すべく、鋭意検討を重ね
た結果、粒子の分散性とポリエステル樹脂組成物の固有
粘度保持率とが不十分となる要因の一つとして、ポリエ
ステル樹脂と粒子とを混練すると固有粘度の低下による
ポリエステル樹脂の溶融粘度低下が起こり、粒子の分散
に必要な剪断力が働いていないことを見出した。ベント
付き混練押出機を用いてポリエステル樹脂と粒子とを混
練する際に、該混練押出機内のポリエステル樹脂の溶融
粘度を低下させない方法について更に検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至った。
個のニュートラル型ニーディングディスクを含み、該ニ
ーディングディスクの1枚あたりのリード幅Wとスクリ
ュー直径Dとの比W/Dが0.3〜1.0の範囲にある
混練ゾーンを複数個所に備えたベント付き混練押出機
に、ポリエステル樹脂と平均粒径が0.01〜5μmの
粒子とを供給・溶融混練してポリエステル樹脂組成物を
製造するに際し、該粒子と該粒子の重量以下のポリエス
テル(A)樹脂とを供給し、該ディスクを設置した第1
の混練ゾーンのバレル内の温度を該ポリエステル(A)
樹脂の融点±10℃の範囲内に保持しつつ該押出機内を
2.0D長以上通過させた後、更に、ポリエステル
(A)樹脂及び/又は固有粘度がポリエステル(A)樹
脂よりも高いポリエステル(B)樹脂を追加供給して第
2の混練ゾーンで溶融混練を行うことを特徴とする、ポ
リエステル樹脂組成物の製造方法により達成することが
できる。
詳細に説明する。本発明の製造方法に用いるベント付き
混練押出機は、少なくとも1つのベント孔を設けた混練
押出機で、かつニュートラル型ニーディングディスクを
設けていることが必要である。混練押出し機とは混練押
出機能を有していれば、市販のいずれのタイプも用いる
ことができ、一軸スクリュータイプでも二軸スクリュー
タイプでもよく、一軸ロータタイプでも二軸ロータタイ
プでも良い。また、連続式でもバッチ式でもどちらでも
構わない。
ト方式であっても、真空ポンプ又はエジェクターに接続
して真空に保持して使用してもよい。好ましくは複数の
ベント孔を設け、粒子の供給口に隣接又は近隣する位置
にオープンベントを設け、粒子が含有する水分やスラリ
ーとして添加する場合、その媒体の留去を促進し、それ
らのオープンベントより下流側の位置に真空ベントを設
けてポリエステル組成物の個有粘度が低下するのを防止
するように構成する。
ゾーンは、1枚あたりのリード幅Wとスクリュー直径D
の比W/Dを0.3〜1.0の範囲に設定したニュート
ラル型ニーディングディスクを少なくとも1個具備する
必要がある。
は、ポリエステル樹脂と粒子からなる未混合物を滞留さ
せて強い剪断力を付与し、粒子とポリエステル樹脂との
混練を促進し、スラリー残部の添加時にポリエステル樹
脂に高度な分散性との粘度を付与する働きを有する。
分な混練効果を得ることができず、逆に1.0を越える
とニーディングディスク同士及びニーディングディスク
とバレル内壁との剪断発熱が大きくなり、樹脂の固有粘
度の低下につながり、樹脂の推進をも妨げてしまう。該
W/Dの好ましい範囲は0.3〜0.6である。
ィスクはディスク枚数に応じて各ディスクの位相のずれ
が45°、60°、90°等となっているが、いずれの
位相のものでも好適に用いることができる。
ポリエステル樹脂と粒子とを混練するには、該ポリエス
テル樹脂を上記のベント付き混練押出機内において2.
0D長以上の領域を通過させる必要があり、十分な剪断
力を付与するために2.5D長以上であることがより好
ましい。一方、10D長を越えると剪断力を極端に増加
させることになり、ポリエステル樹脂の劣化を招きやす
い。
ーンではニーディスクの形状、個数、それらの構成が異
なっていても何ら差し支えない。
き混練押出機において、ニュートラル型ニーディングデ
ィスクの組み込まれている領域の温度は、実質的に、該
ポリエステル樹脂の融点近傍に保つ必要があり、具体的
にはポリエステル(A)樹脂融点の±10℃以内にて運
転することが必要である。該温度設定が高すぎる場合に
はポリエステル樹脂の溶融粘度が下がりすぎて、混練効
率が低下し、更に樹脂の熱劣化を誘発しやすい。一方、
温度設定が低すぎると一部樹脂の固化が起きて、同じく
混練効率が激減することがある。該温度設定について
は、バレルのヒーター温度と混練押出機のスクリュー回
転数に起因する剪断発熱量とで制御すればよく、目的と
する温度になるように適宜運転条件を設定すればよい。
なお、剪断発熱量を適度なものとするには、スクリュー
回転数を200〜600rpmの範囲内に設定すること
が好ましい。
に添加する粒子としては、無機粒子でも有機粒子でも良
く、ここで無機粒子としては、コロイダルシリカ、湿式
シリカ、乾式シリカなどの酸化珪素、酸化チタン、炭酸
カルシウム、カオリナイト、チャイナクレー、タルク、
アルミナ、ゼオライト、グラファイト、長石、二硫化モ
リブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の粒子を
挙げることができ、一方、有機粒子としては、ポリスチ
レン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレー
ト共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂、架
橋シリコーン樹脂等の粒子を挙げることができる。
の範囲であることが必要である。平均粒径が5μmを越
えると加工時の工程不良や製糸時の断糸が多くなり、実
用上問題がある。一方、0.01μmよりも小さい粒子
は、比表面積が極めて大きいため、ポリエステル樹脂内
部における粒子の再凝集が著しい。
119号公報、特開平4−7336号公報等によって提
案されている様に、粒子の表面を粒子内部の組成とは異
なる化合物で被覆していても、シランカップリング剤及
び/又はチタンカップリング剤などで処理されていても
固有粘度が著しく落ちない範囲であれば使用しても一向
に構わない。なかでも、酸化珪素、酸化チタン、アルミ
ナ、ポリスチレン、架橋シリコーン樹脂の粒子、あるい
はこれらの粒子の表面を他の化合物で適度に被覆した粒
子は比較的安価で混練効果を相乗的に高める場合が多く
好ましい。なお、酸化チタンにはルチル型とアナターゼ
型との2種の結晶系が知られているが、アナターゼ型の
方が樹脂の劣化が小さく好ましく用いられる。
有量は粒子の種類と運転条件、製品の品質目標により適
宜設定すればよいが、該樹脂組成物を基準として粒子含
有量が0.1〜60重量%であることが好ましい。
ポリエステル樹脂組成物の見掛けの粘度が適度なものと
なり、更に良好な混練効果が得られ、経済的な観点から
も好ましい。
する場合には、混練効果を更に向上させるために、追加
添加するポリエステル(A)樹脂及び/又はポリエステ
ル(B)樹脂をベント付き混練機の数箇所から数段階で
分割して供給してもよい。
ル(A)樹脂と粒子が混練分散されると剪断熱や粒子自
身の分解活性により固有粘度が低下するので高剪断力を
与えるためにポリエステル(A)樹脂及び/又はポリエ
ステル(A)樹脂より固有粘度が高いポリエステル
(B)樹脂を追加添加する。
テル(A)樹脂単独でも、ポリエステル(B)樹脂単独
でも、両者の混合物でも、いずれでもよいが、ポリエス
テル(A)樹脂単独で追加添加した場合には、使用する
樹脂が同一となるので経済的に有利であり、銘柄切り替
え時等の切り替えロスやポリエステル合成系の洗浄ロス
が少ないので好ましい。
エステル(B)樹脂は、エチレンテレフタレート、ブチ
レンテレフタレート、エチレンナフタレートからなる繰
り返し単位が70モル%以上のポリエステルからなる群
から選ばれたポリエステル樹脂である。
ル(B)樹脂には、ポリエステルの物性を損なわない範
囲で、具体的には該樹脂を基準として30モル%未満で
他の成分が共重合されていてもよく、該他の成分として
は、酸成分としてのイソフタル酸成分、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸成分、アジピン酸成分、セバシン
酸成分、フタル酸成分、無水フタル酸成分、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸成分、5−テトラブチルホスホ
ニウムスルホイソフタル酸成分、p−ヒドロキシ安息香
酸成分、テレフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸成分、などを挙げることができる。
レングリコール成分、1,4−ブタンジオール成分、ジ
エチレングリコール成分、プロピレングリコール成分、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール成分、ジ
プロピレングリコール成分、1,6−ヘキサンジオール
成分、1,4−ヘキサンジメタノール成分、ジメチロー
ルプロピオン酸成分、ポリ(エチレンオキシド)グリコ
ール成分、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール
成分などを挙げることができ、これらの共重合成分とし
ての酸成分及びジオール成分は、複数の成分が共重合さ
れていてもその総共重合量がポリエステル樹脂を基準と
して30モル%未満であれば一向にかまわない。
樹脂及びポリエステル(B)樹脂は、トリメリット酸、
トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、
トリメリット酸モノカリウム塩などの多価カルボン酸、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエ
チルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸
カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を本発明の製造方法
の目的を奏する範囲内であれば共重合されていてもよ
い。
は、前記の例示した化合物から常法によって得ることが
できる。すなわち、多価カルボン酸と多価ヒドロキシ化
合物とをエステル化反応させた後、高温、減圧下にて重
縮合させるか、又は多価カルボン酸のエステル形成性誘
導体と多価ヒドロキシ化合物とをエステル交換反応後、
高温、減圧下にて重縮合させることで製造することがで
きる。
(B)樹脂の固有粘度は、ベント付き混練押出機内での
混練が終了した後、ペレット化、製糸、フィルム製膜等
成形ができる範囲であれば特に制限はないが、好ましい
固有粘度の範囲は0.60以上である。この範囲にある
ときには、該ポリエステルの溶融粘度が適度なものとな
り、溶融成形性が更に良好となる。
ステル(B)樹脂との固有粘度を比べた際に、ポリエス
テル(B)樹脂の方が高いことが必要である。なぜなら
ば追加添加するポリエステル(B)樹脂を粒子を既に含
有させたポリエステル(A)樹脂の溶融粘度より低い場
合には高い溶融粘度とすることができず高剪断力を発生
させることができないためである。
加するポリエステル(A)樹脂及び/又はポリエステル
(B)樹脂との重量比は粒子の種類、運転条件及び目的
とする製品の品質に従って最良の条件に設定すれば良
く、ベント付き混練押出機内へ上記樹脂を追加添加する
位置については、ポリエステル(A)樹脂と粒子とが混
練ゾーンを通過した後から、該混練押出機内における最
終混練ゾーンより前であれば、即ち、少なくとも、ポリ
エステル(A)樹脂と粒子との組成物と、追加添加した
樹脂とが混練されるのであれば、いずれの場所に設定し
ても問題は無い。しかし、ポリエステルポリエステル
(A)樹脂と粒子とが混練ゾーンを通過した後からベン
ト孔より前の間の任意の場所に設定することが好まし
い。
樹脂への粒子添加方法としては、粉体で添加しても、ス
ラリー状態で添加してもどちらでも構わないが、スラリ
ーで添加した場合には、粒子中の粗大粒子の除去や場合
に応じて粒子の表面処理を容易に行うことができるので
好ましい。スラリー状態にて添加する場合には、分散媒
として水及び/又は沸点240℃以下の有機化合物を用
いてスラリーとすることが好ましく、経済性や取り扱い
の簡便さから水が最も好ましく用いられる。
しては、メタノール、エタノール、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオールなどのアルコール類、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素化合物、テト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−
1,3−ジオキソラン、エチレングリコールエーテルな
どのエーテル類、その他エステル類、ケトン類、アミン
類などを挙げることができ、就中、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、β−オキシエチルエーテル、β−オキシエチルメ
チルエーテルを用いることが好ましい。
たり、これら分散媒としての水及び/又は沸点240℃
以下の有機化合物は、一種を単独で用いても、2種以上
を併用してもどちらでも良い。更に、均一に粒子が分散
したスラリーを得るために、本発明の効果を損なわない
範囲で分散助剤を添加してもよく、該分散助剤として
は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル
酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ビニル化合物とカルボン酸系単量体との
共重合物の塩、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、
ポリアルキレンポリアミン、アンモニア、各種のアンモ
ニア塩、水酸化ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、ピロリン酸ナトリウムなどの各種のナトリウム塩、
テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルホスホニウム
ブロマイド、テトラブチルホスホニウムヒドロキサイド
などのオニウム化合物等を挙げることができる。
物を除去するためのベント孔のうち少なくとも一つは、
減圧下に保持することが好ましく、この真空度としては
100Torr以下であることが好ましく、20Tor
r以下であることがより好ましい。該真空度が上記の範
囲内にある時には、得られる樹脂組成物の固有粘度保持
率を更に向上させることができ、更に、ベント孔の真空
度及び溶融混練時のバレル内壁温度を適度に設定するこ
とで任意の固有粘度に調節することも可能である。
られたポリエステル組成物は、そのまま繊維化工程、製
膜工程あるいは成形工程等へと送ることもできるし、造
粒化工程で、ペレット化することもできる。
粘度保持率は、出発原料のポリエステル(A)樹脂の固
有粘度を基準として60%以上保持していると、次工程
での工程安定性が更に安定するとともに、製品の物性も
向上するので好ましく、ニーディングディスクの種類や
スクリュー構成の選択、追加添加するポリエステル樹脂
の固有粘度及び添加量を適宜設定することによって該保
持率の範囲内とすることができる。
範囲において、粗大粒子が実質的にない良好な分散状態
にポリエステル樹脂中に粒子を分散・混合することがで
き、繊維、フイルム、及び樹脂成形品に成形加工する場
合の成形加工性に優れ、また、繊維、フイルム、及び樹
脂成形品としたときの製品品質にも優れたポリエステル
樹脂組成物を得ることができる。
明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるもので
はない。なお、実施例中の種々の物性値及び特性は、以
下の方法に従って測定した。
−50型Centrifugal Particles
Size Analyserを用いて測定した。そし
て、この測定器によって得られる遠心沈降曲線をもとに
算出した各粒径の粒子とその存在量とのcumulat
ive曲線から、50 mass percentに相
当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした
(「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、
頁242〜247参照)。
クロルエタン40重量部とフェノール60重量部の混合
溶媒中35℃にて常法に従って測定した。
(A)樹脂の固有粘度を基準とした時のポリエステル樹
脂組成物の固有粘度の比率を求め、固有粘度保持率とし
た。
ー50mgを2枚のカバーグラス間に挟み込んで、28
0℃にて溶融プレスし、急冷させた後、位相差顕微鏡を
用いて観察し、画像解析装置「ルーゼックス500」を
用いて顕微鏡像内の最大長が5.0μm以上の粒子数を
カウントし、以下の基準に従って判定を行った。 特級:5.0μmをこえる粒子が全く見当たらないも
の。 1級:5.0μmをこえる粒子数が5個/mm2未満で
あるもの。 2級:5.0μmをこえる粒子数が5〜10個/mm2
であるもの。 3級:5.0μmをこえる粒子数が10個/mm2を越
えるもの。 なお、特級及び1級のみを実用に供することができる。
力上昇速度:小型1軸スクリュータイプ押出機の溶融ポ
リマー出側にポリマー定量供給装置を取り付け、更にそ
の出側に内径64mmの2400メッシュ金網フイルタ
ーを2枚重ねて装着し、溶融ポリマーの温度を290℃
一定にコントロールして、毎分33.3gの速度でポリ
マーを10時間連続して濾過し、この時のフイルター入
側の圧力上昇値の平均値をもって、濾過圧力上昇速度と
した。尚、この時濾過するポリマー中の粒子添加量は
0.3重量%に統一し、以下の基準に従って判定を行っ
た。 特級:濾過圧力上昇速度が、毎時5kg/cm2以下で
あるもの。 1級:濾過圧力上昇速度が、毎時5〜10kg/cm2
であるもの。 2級:濾過圧力上昇速度が、毎時10〜20kg/cm
2であるもの。 3級:濾過圧力上昇速度が、毎時20kg/cm2以上
であるもの。 なお、特級及び1級のみを実用に供することができる。
リエステル中の粒子の添加量を0.3重量%になるよう
に、必要ならポリエステルベースチップで希釈した後、
小型1軸スクリュータイプ押出機で押し出したポリエス
テルをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームで切断して
切断面を走査型電子顕微鏡で観察した(倍率=5000
〜10000倍)。30組の、任意に抽出した、互いに
隣接する2つの粒子について、その粒子間の直線距離を
測定し、平均値、標準偏差、変動係数を求め、以下の基
準に従って判定した。 特級:変動係数が0.05未満であるもの。 1級:変動係数が0.05〜0.1であるもの。 2級:変動係数が0.1〜0.2であるもの。 3級:変動係数が0.2以上であるもの。 なお、特級及び1級のみを実用に供することができる。
とを有し、W/Dが0.3、位相90°ずれでディスク
長2.4Dのニュートラル型ニーディングディスクを備
え、ベント孔を2つ備えた同方向回転型二軸スクリュー
タイプ混練押出機を、スクリュー回転数400rpmに
て運転し、上流側供給口に170℃で4時間乾燥した融
点264℃のポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘
度0.635)を15kg/hの流量で供給した。同時
に粒子の全重量を基準として0.15wt%のトリメチ
ロールプロパンをその表面に吸着被覆させた、平均粒径
0.35μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を25kg
/hの流量で供給した。
後、バレル内壁温度を255℃に保ちこの温度が平衡に
達した時点で樹脂温度を測定した結果、268℃であっ
た。ニーディングディスクを通過させて混練した樹脂組
成物に対して、更に、上流側供給口に供給したものと同
一のポリエチレンテレフタレート樹脂を10kg/hの
流量にて下流側供給口に追加供給し、真空ベント領域を
通過させた。
クターを設け、上流から順にそれぞれ8Torr、0.
5Torrの真空度に保持し、樹脂温度を285℃で溶
融押し出し後、ペレット化させて固有粘度0.595の
ポリエステル組成物ペレットを得た。このポリエステル
組成物ペレットを用いて特性を評価した結果を表1に示
す。
ン粒子を、粒子の全重量を基準として0.15wt%の
トリメチロールプロパンをその表面に吸着被覆させた、
平均粒径0.35μmのアナターゼ型酸化チタンを、更
に、全重量を基準として60重量%の粒子濃度を有する
水/テトラヒドロフラン(重量比9/1)を分散媒とす
るスラリーとし、該スラリーをサンドミルを通過させて
実質5μm以上の粗大粒子を除去して後、42kg/h
の流量にて供給したこと以外は同様の操作を行ってポリ
エチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。得られた組
成物をペレット化して、固有粘度0.590のポリエス
テル組成物ペレットを得た。このポリエステル組成物ペ
レットを用いて特性を評価した結果を表1に示す。
ラル型ニーディングディスクの形状を表1記載の通りに
変更し、更に、スラリーの媒体を水のみに変更し、更
に、追加添加したポリエチレンテレフタレート樹脂を固
有粘度0.71のものとすること以外は同様の操作を行
った。結果を表1に示す。
給量及びポリエチレンテレフタレート樹脂の供給量を表
1に示す通り、実施した。結果を表1に示す。
給口からポリエチレンテレフタレート樹脂を供給せず
に、上流側供給口のみから、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を25kg/hの流量にて供給したこと以外は、
同様の操作を行ったところ粒子の分散性は不十分であっ
た。結果を表1に示す。
ラル型ニーディングセグメントを、ピッチ0.5D、長
さ3.0Dのフルフライトスクリューに変更し、更に、
スラリーの媒体を水のみとしたこと以外は同様の操作を
行ったところ粒子の分散性は不十分であった。結果を表
1に示す。
ラル型ニーディングセグメントとして、W/Dが0.
2、長さ2.0Dのニュートラル型ニーディングディス
クを組み込んだこと以外は同様の操作を行ったところ粒
子の分散性は不十分であった。結果を表1に示す。
ラル型ニーディングセグメントとして、W/Dが0.
3、長さ1.5Dのニュートラル型ニーディングディス
クを組み込んだこと以外は同様の操作を行ったところ粒
子の分散性は不十分であった。結果を表1に示す。
ラル型ニーディングセグメントが組み込まれている領域
のバレル内壁温度を255℃から変更して300℃に設
定したこと以外は同様の操作を行った。結果を表1に示
す。
入量とポリエチレンテレフタレート樹脂の投入量の比率
をポリエチレンテレフタレート樹脂を過剰に投入したこ
と以外は同様の操作を行ったところ分散性は不十分であ
った。結果を表1に示す。
に記載した通りに粒子種類、添加形態、粒子供給量、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂供給量を変更したこと以
外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも1個のニュートラル型ニーデ
ィングディスクを含み、該ニーディングディスクの1枚
あたりのリード幅Wとスクリュー直径Dとの比W/Dが
0.3〜1.0の範囲にある混練ゾーンを複数個所に備
えたベント付き混練押出機に、ポリエステル樹脂と平均
粒径が0.01〜5μmの粒子とを供給・溶融混練して
ポリエステル樹脂組成物を製造するに際し、 該粒子と該粒子の重量以下のポリエステル(A)樹脂と
を供給し、該ディスクを設置した第1の混練ゾーンのバ
レル内の温度を該ポリエステル(A)樹脂の融点±10
℃の範囲内に保持しつつ該押出機内を2.0D長以上通
過させた後、更に、ポリエステル(A)樹脂及び/又は
固有粘度がポリエステル(A)樹脂よりも高いポリエス
テル(B)樹脂を追加供給して第2の混練ゾーンで溶融
混練を行うことを特徴とする、ポリエステル樹脂組成物
の製造方法。 - 【請求項2】 ポリエステル樹脂組成物を基準として、
粒子含有量を0.1〜60重量%の範囲とする、請求項
1記載の製造方法。 - 【請求項3】 粒子をアナターゼ型酸化チタンとする、
請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 粒子を、水及び/又は沸点240℃以下
の有機化合物とのスラリーとして供給する、請求項1記
載の製造方法。
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---|---|---|---|
JP28649998A JP4010667B2 (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
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JP28649998A JP4010667B2 (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
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JP2000109659A5 JP2000109659A5 (ja) | 2005-08-11 |
JP4010667B2 JP4010667B2 (ja) | 2007-11-21 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004142444A (ja) * | 2002-10-03 | 2004-05-20 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ポリアミド複合材料の製造方法 |
US7423823B2 (en) | 2003-07-08 | 2008-09-09 | Canon Kabushiki Kaisha | Lens barrel |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63265948A (ja) * | 1987-04-23 | 1988-11-02 | Konica Corp | ポリエステル樹脂組成物の製造方法 |
JPH1024483A (ja) * | 1996-07-12 | 1998-01-27 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 粉体用押出機及びそれを用いた押出方法 |
JPH1034731A (ja) * | 1996-05-24 | 1998-02-10 | Kobe Steel Ltd | 二軸混練押出機とこれを用いたpet樹脂の混練押出方法並びにpet製品の製造方法 |
-
1998
- 1998-10-08 JP JP28649998A patent/JP4010667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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