JP2870038B2 - 液晶デバイスの製造方法 - Google Patents

液晶デバイスの製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、大面積になし得る液晶包蔵薄膜とその製造
方法に関するもので、本発明の液晶デバイスは、視野の
遮断、開放及び明りもしくは照明光の透過制限、遮断、
透過を電気的または熱的に操作し得るものであって、建
物の窓やショーウィンドウで視野遮断のスクリーンや、
採光コントロールのカーテンに利用されると共に、文字
や図形を表示し、高速応答性を以って電気的又は熱的に
その表示を切換えることによって、広告板、案内板、装
飾表示板等の表示用デバイスとして利用される。
(従来の技樹) 電極層を有していても良い、透明な2枚の基板の間に
支持された調光層を有し、前記調光層が液晶材料及び透
明性固体成分から成り、前記液晶材料が連続層を形成
し、前記透明性固体物質が前記液晶材料中に3次元ネッ
トワーク状に存在している液晶デバイス(以下、液晶デ
バイスという。)の製造方法において、液晶材料、重合
性組成物、重合開始剤及びその他任意成分よりなる調光
層構成材料に光、放射線又は熱等のエネルギーを供給す
ることにより重合性組成物を重合させる場合、基板面の
片側からエネルギーを供給する方法が用いられていた。
(発明が解決しようとする課題) 従来のように基板面の片側からのみの照射による場
合、光エネルギーはその調光層構構成材料の厚みにより
照射面より内部にむけて、エネルギーは減衰していくこ
とにより、調光層中の固体物質の網目の分布が不均一に
なるため、しきい値、駆動電圧及びコントラストに限界
があった。
特に時分割駆動させた場合のコントラストは充分とは
云えず、より高性能な液晶デバイスが必要とされた。
本発明が解決しようとする課題は従来よりも低電圧で
コントラストの高い液晶デバイスを製造する方法を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決するために、電極層を有する
透明な2枚の基板間に、液晶材料、重合性組成物及び重
合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、紫外線
を照射して、重合性組成物を重合させることにより、2
枚の基板間に、液晶材料の連続層と、該液晶材料の連続
層中に3次元ネットワーク状に形成した透明性重合体か
ら成る調光層有する液晶デバイスの製造方法において、
基板面の両側より紫外線を同時に照射することを特徴と
する液晶デバイスの製造方法を提供する。
基板は、堅固な材料、例えば、ガラスであっても良
く、柔軟性を有する材料、例えば、プラスチックフィル
ムの如きものであっても良い。そして基板は、2枚が対
向して適当な間隔を隔て得るもので、透明性を有し、そ
の2枚の間に挟持される調光層を外界から視覚させるも
のでなければならない。但し、完全な透明性を必須とす
るものではない。もし、この液晶デバイスが、デバイス
の一方の側から他方の側へ通過する光に対して作用させ
るために使用される場合は、2枚の基板は共に適宜な透
明性が与えられる。この基板には、目的に応じて透明な
電極が、その全面または部分的に配置されても良い。
2枚の基板間には液晶材料及び透明性固体成分から成
る調光層が介在される。尚、2枚の基板間には、通常、
周知の液晶デバイスと同様、間隔保持用のスペーサーを
介在させるのが望ましい。
スペーサーとしては、例えばマイラー、アルミナ等種
々の液晶セル用のものを用いることが出来るが、ロッド
タイプのガラスファイバーが好適である。
基板間隔の均一性を得るためにはスペーサーが基板面
に均一に分布させることが重要であり、その為にスペ
ーサーを前記調光層構成材料に懸濁、分散させ、スペー
サーが分離又は沈降しない間に、その懸濁又は分散液を
基板の全面に押し広げる方法、又はあらかじめスペー
サーを基板上に均一に散布又は基板上にスペーサー用突
起物を設けておく方法がある。あらかじめ散布しておく
方法としては、例えば、スペーサーをフロン液等の低沸
点溶媒に懸濁させ、その懸濁液を基板上に塗布した後、
溶媒を乾燥させる方法があり、印刷等の方法で基板面に
スペーサー用突起物を設ける方法も効果的である。
液晶材料は、単一の液晶性化合物であることを要しな
いのは勿論で、2種以上の液晶化合物や液晶化合物以外
の物質も含んだ混合物であっても良く、通常この技術分
野で液晶材料として認識されるものであれば良く、その
うちの正の誘電率異方性を有するものが好ましい。用い
られる液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液
晶、コレステリック液晶が好ましい。
液晶材料としては、例えば、4−置換安息香酸4′−
置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4′−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4′−置換ビフェニルエステル、4−
(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸
4′−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−
(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換シクロ
ヘキシルエステル、4−置換4′−置換ビフェニル、4
−置換フェニル−4′−置換シクロヘキサン、4−置換
4″−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル4′−置
換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)−5−置
換ピリミジンなどを挙げることができる。
液晶材料は、2枚の基板間で連続層を形成することを
要する。液晶材料成分の比率が低いと連続層を形成しに
くい。調光層成分に占める液晶材料の比率は、好ましく
は60重量%以上であり、より一層好ましくは70〜90重量
%である(以下、%は重量%を意味する)。
重合性組成物としては、高分子形成性モノマー若しく
はオリゴマーが挙げられ、硬化によって、液晶材料の連
続層中に3次元ネットワークを形成するものであれば良
い。
そのような高分子形成性モノマーとしては、例えば、
スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジビ
ニルベンゼン:置換基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチ
ル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、
シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシ
エチル、フェノキシエチル、アルリル、メタリル、グリ
シジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピ
ル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルア
ミノエチル、ジエチルアミノエチル等のごとき基を有す
るアクリレート、メタクリレート又はフマレート;エチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリトール等
のモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレ
ート;酢酸ビニル、酢酸ビニル又は安息香酸ビニル、ア
クリロニトリル、セチルビニルエーテル、リモネン、シ
クロヘキセン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタ
レート、2−、3−又は4−ビニルピリジン、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド又はN−ヒド
ロキシエチルメタクリルアミド及びそれらのアルキルエ
ーテル化合物、ネオペンチルグリコール1モルに2モル
以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイ
ドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレン
オキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得
たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビス
フェノールA1モルに2モル以上のエチレンオキサイド若
しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールの
ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート1モルとフェニルイソシアネート若し
くはn−ブチルイソシアネート1モルとの反応生成物、
ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等
を挙げることができるが、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリス(アクリルオキシエチル)イソシアヌレー
トが特に好ましい。
同様に、高分子形成性オリゴマーとしては、例えば、 (1) ビスフェノールA型エポキシ樹脂に(メタ)ア
クリル酸、更に場合によりヤシ油脂肪酸等の長鎖脂肪酸
をエステル化させて得たエポキシ(メタ)アクリレート
あるいはその長鎖脂肪酸変性物、水酸基を有するエポキ
シ(メタ)アクリレートに二塩基酸無水物、四塩基酸ジ
無水物、無水トリメリット酸を付加して得たカルボキシ
ル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートの如きエポ
キシ(メタ)アクリレート及びその変性物。
(2) 英国特許第1,147,732号明細書(特開昭51−371
93号公報及び特開昭51−138797号公報)に記載されてい
るようなジイソシアナート化合物とポリオールとを予め
反応させて得られる末端イソシアナート化合物に更にβ
−ヒドロキシアルキルアクリレート及び/又はメタクリ
レートを反応せしめることによって得られる分子内に2
個以上のアクリロイロキシ基及び/又はメタクリロイロ
キン基をもった付加重合性化合物。
(3) 特公昭47−3262号公報に記載されているような
無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、あるいは
無水ヘット酸のような二塩基酸無水物とグリシジルアク
リレート及び/又はグリシジルメタクリレートとを開環
重合して得られるアクリロイロキン基及び/又はメタク
リロイロキシ基を多数ペンダントにもった直線状ポリエ
ステル化合物。
(4) 特公昭47−23661号公報に記載されているよう
な隣接炭素原子に少くとも3個のエステル化可能なヒド
ロキシル基を有する多価アルコールと、アクリル酸及び
/又はメタクリル酸と、ジカルボン酸およびその無水物
からなる群から選択されたジカルボン酸類との共エステ
ル化によって製造された重合可能なエステル類。
(5) 英国特許第628,150号明細書、米国特許第3,02
0,255号明細書および月刊誌「マクロモレキュールズ」
第4巻、第5号、第630〜632頁(1971年)に記載されれ
いるごときメラミンまたはベンゾクアナミンにホルムア
ルデヒド、メチルアルコールおよびβ−ヒドロキシアル
キルアクリレート(またはメタクリレート)等を反応せ
しめて得られるポリアクリル(またはポリメタクリル)
変性トリアジン系樹脂。
(6) 米国特許第3,377,406号明細書に記載されてい
るようなポリヒドロキシ化合物のグリシジルエーテル化
物にアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られ
る不飽和ポリエステル樹脂。
(7) 米国特許第3,455,801号明細書及び米国特許第
3,455,802号明細書に記載されている一般式 (ここにおいてRは炭素原子数2〜10個の2価の飽和又
は不飽和脂肪族炭化水素基を示し、R′は炭素原子数2
〜10個の2個の飽和脂肪族炭化水素基を示し、R″は水
素原子又はメチル基を示し、nは1〜14の整数であ
る。) で示される両末端にアクリロイロキシ基又はメタクリロ
イロキシ基を有するポリエステル化合物。
(8) 米国特許第3,483,104号明細書及び米国特許第
3,470,079号明細書に記載されている一般式 (ここにおいてAは−O−又は−NH−を示し、1分子中
で少なくとも2個は−NH−であるものとし、Rは二価の
飽和脂肪族または不飽和脂肪族炭化水素基を示し、R′
は二価の飽和又は不飽和の脂肪族あるいは環状炭化水素
を示し、R″は水素原子又はアルキル基を示し、nは1
〜14の整数であるものとする。) で示されるジアクリル変性(またはジメタクリル変性)
ポリアミド化合物。
(9) 特公昭48−37246号明細書に記載されている一
般式 (ここにおいてXは水素原子又はアシル基を示し、Rは
二価の飽和又は不飽和の脂肪族あるいは環状炭化水素基
を示し、R′は二価の脂肪族炭化水素基を示し、R2は水
素原子又はアルキル基を示すものとし、Aは−O−又
は、−NH−を示し、1分子中で少なくとも2個は−NH−
であるものとし、nは1〜14の整数である。
で示されるジアクリル変性(またはジメタクリル変性)
ポリアミド化合物。
(10) 米国特許第3,485,732号明細書に記載されてい
るような飽和又は不飽和の二塩基酸又はその無水物、あ
るいは必要に応じてそれらとジオールとを反応させて得
られる両末端にカルボキシル基を有する化合物に更にグ
リシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレート
を反応せしめることにより得られるジアクリル変性(又
はジメタクリル変性)ポリエステル化合物。
(11) 特公昭48−12075号明細書に記載されているご
とき分子中に一般式、 (ここにおいてXはアシル基又はウレタン基を示し、R
は、H,CH3,Cl又はCNであるものとする。) で示されるくり返し単位を有する側鎖に不飽和酸エステ
ル結合を有する(メタ)アクリル共重合体に基づく化合
物。
等を挙げることができるが、カプロラクトン変性ヒドロ
キシピパリン酸エステルネオペンチルグリコールジアク
リレートが特に好ましい。
重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア18
4」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1116」)、ベンジルジメチルケタール(チ
バ・ガイガー社製「イルガキュア651」)、2−メチル
−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリ
ノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア
907」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製
「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」との混合物、イ
ソプロピルチオキサントン(ワードプレキンソツプ社製
「カンタキュア−ITX」とp−ジメチルアミノ安息香酸
エチルとの混合物等が挙げられるが、液状である2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンが液晶材料、高分子形成性モノマー若しくはオリゴマ
ーとの相溶性の面で特に好ましい。
調光層構成材料に、任意成分として、連鎖移動剤、光
増感剤、染料、架橋剤等を、前記モノマー、オリゴマー
等の種類や、所望の液晶デバイスの性能に合わせて適宜
併用することができる。
特に連鎖移動剤の併用は、モノマー又はオリゴマーの
種類によっては極めて効果的で、樹脂の架橋度が高くな
り過ぎるのを防止し、それによって、液晶材料が電界に
応じて応答し易くされ、低電圧駆動性が発揮される。連
鎖移動剤の好例は、ブタンジオールジチオプロピオネー
ト、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピ
オネート)、トリエチレングリコールジメルカプタン等
々である。連鎖移動剤の添加量は、使用するモノマー又
はオリゴマーの種類によっても異なるが、あまりに少な
いと効果が薄く、多過ぎるとデバイスの不透明度が低下
して表示のコントラストが悪くなる傾向にあるので好ま
しくない。その有効量は、モノマー又はオリゴマーに対
して0.05〜30重量%と考えられるが、0.1〜20重量%が
好適である。
重合性組成物を重合硬化させる方法は通常知られてい
るエネルギー照射による硬化方法であればよく、例えば
熱重合、放射線重合、電子線重合等があげられるが、紫
外線照射による重合硬化方法が好適である。
紫外線重合硬化方法において、硬化温度を前記調光
層構成材料の液晶相−等方性液体相の相転移温度より高
温に設定し、前記調光層構成材料のUV吸収波長や重合
性組成物に応じて、又、基板間隔の厚みにより、重合性
に差が生じない程度の強さの紫外線を基板面の両側より
照射することにより、基板間に介在し液晶材料の連続層
中に生成する透明性重合体の3次元ネットワークの網目
の大きさを均一化及び大きさのコントロールをし、もっ
て明瞭なしきい値電圧と急峻性をもった液晶表示素子即
ち、時分割駆動表示できる液晶デバイスを製造すること
が出来る。
即ち、透明性重合体の3次元ネットワークの網目の均
一化は重合組成物の重合が調光層中で均一な速度で進行
することによって可能となる。
片側のみの照射の場合は、エネルギー供給面ではエネ
ルギーが強く重合速度が速いが、エネルギー供給面と反
対側ではエネルギーが小さく重合速度が遅くなる。
この点より両面よりエネルギーを同時供給出来れば基
板間の厚み方向における重合速度が均一化出来、その
為、固体物質の網目の均一化がはかることが出来る。そ
の結果として駆動電圧が低く急峻性の優れた、コントラ
ストの高い液晶デバイス即ち時分割駆動特性の優れた液
晶デバイスを製造することが出来る。
紫外線照射の場合の紫外線強度は、片面側各々で2mW/
cm2(365mmにおける強度、以下同様)以上であればよく
好ましくは15mW/cm2以上であればよい。
又照射量は10mJ/cm2以上で好ましくは50mJ/cm2以上で
あればよい。
(作用) 本発明の液晶デバイスの製造方法によれば2枚の基板
間に介在する調光層構成材料中の重合性組成物を基板面
の両面より重合エネルギーを同時に供給することにより
重合硬化させる為、従来の片側照射による方法の場合よ
りも、均一な3次元網目状の透明性重合体を得ることが
出来、その結果として、急峻性、駆動電圧、コントラス
トにおいて優れた液晶デバイスを提供出来る。又、基板
間厚み方向での均一性を高めるために基板間隔の厚みが
従来より厚い場合においても高性能な液晶デバイスを提
供出来る。
(実施例) 以下本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説
明する。しかし本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
実施例1 液晶組成物(A) 組 成 転移温度 68.5℃(N−I) <−25 ℃(C−N) 屈折率 ne=1.787 no=1.533 Δn=0.254 しきい値電圧 1.15V (Vth) 20℃の粘度 59 c.p 誘電率異方性 Δε=26.9 液晶材料として前述の組成物(A)80重量%、重合性
オリゴマーとしてカプロラクトン変性ヒドロキシビパリ
ン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート
(日本化薬社製カラヤッドHX−620)19.6重量%、重合
開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン0.4重量%の混合溶液よりなる調
光層構成材料をあらかじめ11μmのガラスファイバー製
スペーサーが塗布された5cm×5cmのITOガラス基板間に
はさみ込み、基板全体を40℃で等方性液体状態に保ち、
基板の両側よりそれぞれ18mW/cm2(365mmを中心として
強度)の強度の紫外線を10秒間同時に照射し、基板全面
に均一に白濁した液晶デバイスを得た。
得られた液晶デバイスは、明瞭なしきい値電圧を有
し、 T0 ;電圧無印加時の液晶デバイスの光透過率(%) T100 ;印加電圧の増大に伴って光透過率が変化しなくな
った時の光透過率(%) V10;T0=0、T100=100とするときのT=10のときの
印加電圧 V90;同上、T=90のときの印加電圧 急峻性;δ=V90−V10 とすると、V10=7.5Vrms、V90=14.7Vrms、T0=3.6%、
T100=86.0%.δ=7.2Vrms、で、印加電圧30Vで1/3バ
イアス法、1/2デューティでパルス巾を10msecで駆動し
たところコントラストは1:21であった。
比較例 実施例1と同じく行い、強度36mM/cm2の紫外線を基板
の一方の側より照射した。
得られた液晶デバイスは、 V10=8.3Vrms、V90=21.6Vrms、T0=3.4%、T100=8
6.9%.δ=13.3Vrmsで印加電圧30Vで1/3バイアス法、1
/2デューティでパルス巾10msecで駆動したところ、コン
トラストは1:15であった。
実施例2 15μmのスペーサーを用い、基板間隔を15.5μmとし
た以外は、実施例1と同じく行った。
得られた液晶デバイスは V10=12.0Vrms、V90=24.4Vrms、T0=2.3%、T100=8
4.5%.δ=12.4Vrmsで印加電圧30Vで1/3バイアス法、1
/2デューティでパルス巾10msecで駆動したところ、コン
トラストは1:22であった。
比較例2 強度36mW/cm2の紫外線を基板の片側から照射した以外
は、実施例2と同じく行った。
得られた液晶デバイスは、 V10=10.5Vrms、V90=30.5Vrms、T0=2.4%、T100=8
0.5%.δ=20.0Vrmsで印加電圧30Vで1/3バイアス法、1
/2デューティでパルス巾10msecで駆動したところ、コン
トラストは1:14であった。
(発明の効果) 本発明の液晶デバイスの製造方法によれば、従来と比
べ駆動電圧が低く、透明−白濁不透明のコントラストが
高く、明確なしきい値を有し1/3デューティの時分割駆
動が可能な液晶デバイスを提供できる。
従って、採光調節、視界調節の他の文字や図形の大型
表示板、サイン、インフォメーション等に用いる液晶デ
バイスの製造を極めて容易にするものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極層を有する透明な2枚の基板間に、液
    晶材料、重合性組成物及び重合開始剤を含有する調光層
    構成材料を介在させ、紫外線を照射して、重合性組成物
    を重合させることにより、2枚の基板間に、液晶材料の
    連続層と、該液晶材料の連続層中に3次元ネットワーク
    状に形成した透明性重合体から成る調光層を有する液晶
    デバイスの製造方法において、 基板面の両側より紫外線を同時に照射することを特徴と
    する液晶デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】正の誘電率異方性を示す液晶材料を用いる
    請求項1記載の液晶デバイスの製造方法。
  3. 【請求項3】液晶材料が調光層形成材料の60重量%以上
    を占める請求項1又は2記載の液晶デバイスの製造方
    法。
  4. 【請求項4】重合性組成物の硬化温度条件が、調光層構
    成材料の液晶相から等方性液体相への相転移温度よりも
    高い温度である請求項1、2又は3記載の液晶デバイス
    の製造方法。
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