JP2869945B2 - 歩車道境界ブロック - Google Patents

歩車道境界ブロック

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JP2869945B2
JP2869945B2 JP621696A JP621696A JP2869945B2 JP 2869945 B2 JP2869945 B2 JP 2869945B2 JP 621696 A JP621696 A JP 621696A JP 621696 A JP621696 A JP 621696A JP 2869945 B2 JP2869945 B2 JP 2869945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩車道境界ブロッ
クに関し、特に排水溝を有するものに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、歩道が設置された車道では、該車
道のアスファルト舗装された路面にその端側への下り勾
配を持たせ、歩道と車道との境界部に歩車道境界ブロッ
クを配置し、車道の該歩車道境界ブロックに沿った部分
に所定幅でコンクリートを打設して、歩車道境界ブロッ
クを固定するとともに、車道の路面に連続するよう該車
道端側への下り勾配を有する路床を形成している。そし
て、車道の長手方向に沿ってコンクリート路床部の所々
に集水桝を設置している。
【0003】このような従来の車道では、例えば、雨が
降ると、雨水は車道のコンクリート路床部に集まり、該
コンクリート路床部の車道長手方向の勾配に従って、歩
車道境界ブロックに沿って流れ、上記集水桝を通じて排
水される。
【0004】また、上記のように歩車道境界ブロックの
設置とコンクリート路床部の形成を行う代わりに、歩車
道境界ブロックに相当する歩車道境界ブロック部の下端
にコンクリート路床部に相当する路床部が水平方向に一
体的に形成されたL型ブロックを設置する場合もある。
この場合も、上記と同様、雨水は車道の端に位置するL
型ブロック上に集まり、該L型ブロックの車道長手方向
の勾配に従って該L型ブロック上を流れ、集水桝を通じ
て排水される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の車道では、車道の水はコンクリート路床部やL型
ブロック上に集まるが、これらコンクリート路床部やL
型ブロックの上面は、車道端側への傾斜が緩やかである
ため、この集まった水は広い幅で浅く溜まり、該水の体
積に対する,該水のコンクリート路床部やL型ブロック
の上面との接触面積の比が大きくなり、該水が車道の長
手方向に沿って流れる際に、該コンクリート路床部やL
型ブロックの上面との間の流体抵抗が大きくなり、排水
が困難であるという問題があった。
【0006】ところで、縁石(歩車道境界ブロック)及
び排水溝を改善したものとして、例えば、実公平2−1
8151号公報に記載されているものがあるが、この縁
石及び排水溝は、縁石の下方に従来のU溝に相当する大
掛かりな排水溝を設置するものであり、該排水溝を設置
するための大掛かりな工事が必要になるという問題があ
る。
【0007】また、L型ブロックを改善したものとし
て、実開昭56−59211号公報に記載されているも
のがあるが、このL型ブロックは、その路床部の上面か
ら歩車道境界ブロック部の内面にかけてアール状の断面
を有する溝を形成したもので、流水量を増加することが
できるが、該溝の傾斜が緩やかなため、流れにくさを十
分解消できず、また、該溝の幅が広いため、道路の有効
面積が少なくなるという問題がある。
【0008】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、車道に向ける面に開口する排水溝
を、その内部に形成することにより、大掛かりな設置工
事を必要とせず、車道の排水を容易に行うことができる
歩車道境界ブロックを提供することを目的とする。
【0009】また、本発明はその歩車道境界ブロック部
の前面に開口する排水溝を、該歩車道境界ブロック部の
下方に形成することにより、車道の有効面積を減少させ
ることなく、車道の排水を容易に行うことができるL型
ブロックを構成する歩車道境界ブロックを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)に係
る歩車道境界ブロックは、略直方体形状で、その長手方
向に面する前面が車道側に,長手方向に面する後面が歩
道側に向くように配置される歩車道境界ブロックにおい
て、該略直方体形状の長手方向の全長にわたって、該長
手方向に垂直な断面の断面形状が略C字形となる,長手
方向に一様に延びるくりぬき凹部が形成され、上記くり
ぬき凹部が、該くりぬき凹部の上記ブロックの前面での
下端位置より下方に排水溝となる凹部を有し、かつ、上
記ブロックの長手方向に垂直な断面における該くりぬき
凹部の中心線に対して垂直な方向の幅が、上記排水溝と
なる凹部の底部に近いほど狭くなるよう形成されている
ものである。
【0011】
【0012】本発明(請求項)に係る歩車道境界ブロ
ックは、上記の歩車道境界ブロック(請求項)におい
て、上記くりぬき凹部の,上記ブロックの前面での下端
から上記排水溝となる凹部までの間に、ほぼ水平な平坦
面を形成したものである。
【0013】本発明(請求項)に係る歩車道境界ブロ
ックは、上記の歩車道境界ブロック(請求項)におい
て、該歩車道境界ブロックの内部に、上記くりぬき凹部
を囲むように、補強のための鉄筋を配設したものであ
る。
【0014】本発明(請求項)に係る歩車道境界ブロ
ックは、L型ブロックを構成する歩車道境界ブロックで
あって、上記の歩車道境界ブロック(請求項1)の上記
略直方体形状の前面の,上記くりぬき凹部より下側の部
分に、車道側に延びる,その上面に車道端方向に向けて
下り勾配を有する平らな路床部が、上記部分に連続して
一体的に形成されているようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】 実施の形態1. 構成1. 本発明の実施の形態1における歩車道境界ブロック(請
求項1)は、図1〜4に示されるように、略直方体形状
で、その長手方向に面する前面(5)が車道側に,長手
方向に面する後面(4)が歩道側に向くように配置され
る歩車道境界ブロック(1)において、該略直方体形状
の長手方向の全長にわたって、該長手方向に垂直な断面
の断面形状が略C字形となる,長手方向に一様に延びる
くりぬき凹部(38)が形成され、上記くりぬき凹部
(38)が、該くりぬき凹部(38)の上記ブロックの
前面での下端(5a)位置より下方に排水溝となる凹部
(8)を有し、かつ、上記ブロック(1)の長手方向に
垂直な断面における該くりぬき凹部(38)の中心線に
対して垂直な方向の幅が、上記排水溝となる凹部(8)
の底部に近いほど狭くなるよう形成されているものであ
る。これにより、歩車道境界ブロック(1)を、くりぬ
き凹部(38)の上記前面(5)での下端(5a)が車
道(11,12)の路面と同じ高さに位置するよう設置
し、かつ歩車道境界ブロック(1)を車道(12)に沿
って所定の勾配で複数連続するように設置することによ
り、車道(12)の水が排水溝(8)に流入して深く溜
まり、該流入水(15)の体積に対する,該流入水(1
5)が排水溝(8)の壁面に接触する面積の比が小さく
なり、流入水(15)が排水溝(8)を流れる際に、流
入水(15)と排水溝(8)の壁面との間の流体抵抗が
小さくなり、上記ブロック(1)の上記設置勾配がわず
かであっても容易に排水することができる。さらに、歩
車道境界ブロック(1)自体に排水溝(8)を形成する
ので、従来の歩車道境界ブロックと交換するだけで済
み、大掛かりな設置工事を必要としない。また、車道
(12)の有効面積を減少させることもない。さらに、
くりぬき部(38)が形成される部分の脱型が可能とな
り、コンクリート型枠(10)を用いて歩車道境界ブロ
ック(1)を容易に作製することができる。また、排水
溝(8)を容易に掃除することができる。
【0016】
【0017】構成. 本発明の実施の形態1における歩車道境界ブロック(請
求項)は、図1〜4に示されるように、上記の構成
の歩車道境界ブロック(1)において、上記くりぬき凹
部(38)の,上記ブロック(1)の前面での下端(5
a)から上記排水溝となる凹部(8)までの間に、ほぼ
水平な平坦面(9)を形成したものである。これによ
り、自転車の車輪や通行人のハイヒールのかかと等が、
誤って排水溝(8)に嵌まったりするのを防止すること
ができる。
【0018】構成. 本発明の実施の形態1における歩車道境界ブロック(請
求項)は、図4に示されるように、上記の構成の歩
車道境界ブロック(1)において、該歩車道境界ブロッ
ク(1)の内部に、上記くりぬき凹部(38)を囲むよ
うに、補強のための鉄筋(16)を配設したものであ
る。これにより、歩車道境界ブロック(1)の排水溝
(8)と底面(2)との間の部分の強度を向上すること
ができる。
【0019】構成. 本発明の実施の形態1における歩車道境界ブロック(請
求項)は、図5,6に示されるように、L型ブロック
を構成する歩車道境界ブロックであって、上記の構成1
の歩車道境界ブロック(1)の上記略直方体形状(1
9)の前面(25)の,上記くりぬき凹部(48)より
下側の部分に、車道側に延びる,その上面に車道端方向
に向けて下り勾配を有する平らな路床部(20)が、上
記部分に連続して一体的に形成されているようにしたも
のである。これにより、上記歩車道境界ブロック(2
1)を、該ブロック(21)の路床部の上面(29)が
車道(12)の路面と同じ高さに位置するよう設置し、
かつ該ブロック(21)を車道(12)に沿って所定の
勾配で複数連続するよう設置することにより、車道(1
2)の水が排水溝(28)に流入して深く溜まり、該流
入水(15)の体積に対する,該流入水(15)の排水
溝(28)壁面との接触面積の比が小さくなり、流入水
(15)が排水溝(28)を流れる際に、流入水(1
5)と排水溝(28)の壁面との間の流体抵抗が小さく
なり、上記ブロック(21)の上記設置勾配がわずかで
あっても容易に排水することができる。さらに、上記ブ
ロック(21)の壁部(19)の下方に排水溝(28)
を形成するので、車道(12)の有効面積を減少させる
ことはない。
【0020】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の実施例1による歩車道境界ブ
ロックの構造を示す斜視図であり、図において、1は歩
車道境界ブロックである。歩車道境界ブロック1は、全
体が、左右方向に長く,かつ前後方向の断面が台形であ
る直方体形状に形成されており、矩形の底面2と、該底
面2に垂直な矩形の後面4と、底面2に平行な矩形の上
面3と、後方に傾斜した前面5と、底面2に垂直であり
かつ相互に平行な左右の側面6,7とを有している。歩
車道境界ブロック1の前側には、該ブロック1の左右方
向の全長にわたって、前後方向の断面の断面形状が略C
字形となる,左右方向に一様に延びるくりぬき凹部38
が形成されており、該くりぬき凹部38の,上記前面5
での下端位置5aより下方に位置する凹部8が排水溝を
構成するようになっている。排水溝8の断面はV字形状
に形成されており、くりぬき凹部38の前後方向の断面
は、該断面における該くりぬき凹部38の中心線に対し
て垂直な方向の幅が、排水溝8の底部に近いほど狭くな
るように形成されている。くり抜き凹部38の前面5に
おける開口部は、該前面5のほぼ中央部に位置し、該く
り抜き凹部38の前面5での下端5aと排水溝8との間
には、ほぼ水平な平坦面9が形成されている。
【0021】本実施例1による歩車道境界ブロック1の
サイズは、例えば、JISA5307に準じて、長さ
L:600mm,高さH1:350mm,上面の幅W
1:180mm,底面の幅W2:215mm,くりぬき
凹部の前面での下端の高さH2:100mm,排水溝の
上端での幅W4:80mmとした。
【0022】図2(a) ,図2(b) は、本実施例1による
歩車道境界ブロックの製造方法を模式的に示す断面図で
あり、図において、図1と同一符号は同一又は相当する
部分を示しており、10はコンクリート型枠、10aは
歩車道境界ブロック1の後面に対応するコンクリート型
枠10の側部、10bは歩車道境界ブロック1の上面に
対応するコンクリート型枠10の底部であり、側部10
aは、コンクリート型枠10本体に対し開閉可能に設け
られている。
【0023】次に、図2(a) ,図2(b) に従い本実施例
1による歩車道境界ブロックの製造方法を説明する。ま
ず、コンクリート型枠10にコンクリートを流し込み、
これを該コンクリート型枠10の上面と同一平面になる
ようならして歩車道境界ブロック1の底面2を形成す
る。次に、流し込んだコンクリートが固まって歩車道境
界ブロック1が形成された後、コンクリート型枠10の
側部10aを開き、くりぬき凹部38の向きと同じ斜め
上方に歩車道境界ブロック1を抜いて脱型し、最終製品
としての歩車道境界ブロック1を得る。
【0024】ここで、歩車道境界ブロック1のくりぬき
凹部38は、その幅が、排水溝8の底部に向け徐々に狭
くなるよう形成されているので、脱型が可能となり、コ
ンクリート型枠10を用いて容易に歩車道境界ブロック
1を作製することができる。
【0025】図3は、本実施例1による歩車道境界ブロ
ック1の設置状態を示す断面図であり、図において、図
1と同一符号は同一又は相当する部分を示しており、1
1はコンクリート路床部、12はアスファルト舗装され
た車道、13は歩道、14は割りぐり石、15は流入水
である。車道12は、路面に該車道12の側方(歩道
側)に向け所定の下り勾配が形成されており、歩道13
は車道12より一段高く形成されている。そして、車道
12と歩道13の境界部に溝31が掘削され、該溝31
の底部に、割りぐり石14の層が形成され、該割りぐり
石14の層上に、コンクリート路床部11が形成されて
いる。コンクリート路床部11は、その上面が車道12
の路面に連続し、かつ該路面とほぼ同じ勾配を有するよ
う形成されており、かつ該コンクリート路床部11の歩
道13側の端部に、歩車道境界ブロック1が、該コンク
リート路床部11にその底面2と前面5の下部とで接す
るよう設置され、該コンクリート路床部11により固定
されている。歩車道境界ブロック1は、後面4が歩道1
3と接し、上面3の高さが歩道13の路面の高さと同じ
になり、かつくりぬき凹部38の前面5での下端5aの
高さがコンクリート路床部11の上面の歩道側の端の高
さと同じになるよう設置されている。そして、歩車道境
界ブロック1の左側面6,及び右側面7が紙面の厚み方
向において、他の歩車道境界ブロック1の右側面7,及
び左側面6とそれぞれ接続されている。車道12の長手
方向には、所定の箇所に集水桝(図示せず)が設置され
ており、該集水桝に向け所定の勾配を有して、複数の歩
車道境界ブロック1が、車道12の長手方向に沿って連
続して設置されている。なお、歩車道境界ブロック1
は、排水溝8を設けたので、該排水溝8の底部と底面2
との間の強度を確保するため、全体の高さが350mm
と、従来のものの高さ300mmより少し高くなってお
り、その分上記溝31を少し深く掘り下げる必要があ
る。
【0026】上記のように歩車道境界ブロック1が設置
された車道12に、例えば、雨が降ると、雨水は車道1
2の路面,及びコンクリート路床部11の上面を流れ
て、歩車道境界ブロック1のくりぬき凹部38の開口部
から排水溝8に流入し、該排水溝8を通り集水桝へ流れ
て排水される。
【0027】ここで、排水溝8に流入した水15は該排
水溝8内に深く溜まるため、該排水溝8の壁面との間の
流体抵抗が小さくなり、歩車道境界ブロック1の上記設
置勾配がわずかであっても該勾配に従って容易に流れ、
集水桝へと排水される。
【0028】また、くりぬき凹部38の前面5での下端
5aと排水溝8との間に、ほぼ水平な平坦面9が形成さ
れているので、歩車道境界ブロック1の前面5が後方に
傾斜していても、自転車の車輪や通行人のハイヒールの
かかと等が該排水溝8に誤って嵌まり込んだりするのが
防止される。
【0029】以上のように、本実施例1においては、歩
車道境界ブロック1の長手方向の全長にわたって、該長
手方向に垂直な断面の断面形状が略C字形となる,長手
方向に一様に延びるくりぬき凹部38を形成し、該くり
ぬき凹部38が、該くりぬき凹部38の上記ブロック1
の前面での下端5aより下方に排水溝となる凹部8を有
するようにしたので、歩車道境界ブロック1を、該くり
ぬき凹部38の前面での下端5aがコンクリート路床部
11の上面と同じ高さに位置するよう設置し、かつ該歩
車道境界ブロック1を車道12に沿って所定の勾配で複
数連続するように設置することにより、車道の水が排水
溝8に流入して深く溜まり、該流入水15の体積に対す
る,該流入水15の排水溝8壁面との接触面積の比が小
さくなり、流入水15が排水溝8を流れる際に、流入水
15と排水溝8の壁面との間の流体抵抗が小さくなり、
歩車道境界ブロック1の上記設置勾配がわずかであって
も容易に排水することができる。
【0030】また、本実施例1においては、歩車道境界
ブロック1自体に排水溝8を形成するので、従来の歩車
道境界ブロックと交換するだけで済み、大掛かりな設置
工事を必要としない。また、車道12の有効面積を減少
させることもない。
【0031】また、本実施例1においては、くりぬき凹
部38の前後方向の断面を、該断面における該くりぬき
凹部38の中心線に対して垂直な方向の幅が、排水溝8
の底部に近いほど狭くなるよう形成するので、くり抜き
部38が形成される部分の脱型が可能となり、コンクリ
ート型枠10を用いて歩車道境界ブロック1を容易に作
製することができる。また、排水溝8を容易に掃除する
ことができる。
【0032】また、本実施例1においては、くりぬき凹
部38のブロック前面での下端5aと排水溝8との間
に、ほぼ水平な平坦面9を形成するので、自転車の車輪
や通行人のハイヒールのかかと等が該排水溝8に誤って
嵌まり込んだりするのを防止することができる。
【0033】実施例2.図4(a) は本発明の実施例2に
よる歩車道境界ブロックの構造を示す上面図、図4(b)
は図4(a) のA矢視図であり、図において、図1と同一
符号は同一又は相当部分を示しており、16は歩車道境
界ブロック1の内部に、排水溝8を囲むように配設され
た鉄筋である。
【0034】本実施例2による歩車道境界ブロック1
は、その内部に鉄筋16を配置する他は、実施例1と同
様の方法により作製することができる。
【0035】本実施例2においては、上記のように歩車
道境界ブロック1の内部に、排水溝8を囲むように鉄筋
16を配設するので、該歩車道境界ブロック1の排水溝
8と底面2との間の部分の強度を向上することができ
る。
【0036】実施例3.図5は本発明の実施例3による
L型ブロックを構成する歩車道境界ブロック(以下、単
にL型ブロックと記載する)の構造を示す斜視図であ
り、図において、21はL型ブロックである。L型ブロ
ック21は、上記実施例1の歩車道境界ブロックに相当
する歩車道境界ブロック部19と、コンクリート路床部
に相当する路床部20とで構成される。歩車道境界ブロ
ック部19は、左右方向に長い直方体形状に形成されて
おり、該ブロック部19の前側の中程の高さの位置に、
該ブロック部19の左右方向の全長にわたって、前後方
向の断面の断面形状が略C字形となる,左右方向に一様
に延びるくりぬき凹部48が形成され、該ブロック部1
9の前面の該くりぬき凹部48より下側の部分に、前方
に延びる,平らな路床部20が、上記部分に連続して一
体的に形成されている。該路床部20は、矩形の平面形
状を有し、その上面29に歩車道境界ブロック部19側
への所定の下り勾配が形成されており、くりぬき凹部4
8の該路床部20の上面の後端より下方に位置する凹部
28が排水溝として機能するようになっている。排水溝
28の断面はV字形状に形成されており、くりぬき凹部
48の前後方向の断面は、該断面における該くりぬき凹
部48の中心線に対して垂直な方向の幅が、排水溝28
の底部に近いほど狭くなるように形成されている。23
は歩車道境界ブロック部19の上面、24はL型ブロッ
ク21の後面、26はL型ブロック21の左側面、27
はL型ブロック21の右側面である。
【0037】本実施例3によるL型ブロックのサイズ
は、例えば、JISA5306に準じて、長さL:60
0mm,高さH1:175mm,歩車道境界ブロック部
上面の幅W1:100mm,底面の幅W2:350m
m,路床部の上面の幅W3:250mm,路床部の前端
の高さH2:100mm,排水溝の上端での幅W4:4
0mm,路床部上面の勾配:1/10とした。
【0038】本実施例3によるL型ブロックは、実施例
1と同様の方法により作製することができる。
【0039】図6は本実施例3によるL型ブロック21
の設置状態を示す断面図であり、図において、図3,図
5と同一符号は同一又は相当する部分を示しており、3
0はL型ブロック21の路床部の上面29の前端であ
る。本実施例3においては、実施例1と同様に、アスフ
ァルト舗装された車道12と歩道13の境界部に溝31
が掘削され、該溝31の底部に、割りぐり石14の層が
形成され、該割りぐり石14の層上に、L型ブロック2
1が設置されている。L型ブロック21は、路床部20
の上面29の前端30が車道12の路面に連続し、かつ
後面24が歩道13と接し、その上面23の高さが歩道
13の路面の高さと同じになるよう設置されている。そ
して、L型ブロック21の左側面26,及び右側面27
が紙面の厚み方向において、他のL型ブロク21の右側
面27,及び左側面26とそれぞれ接続されている。車
道12の長手方向には、所定の箇所に集水桝(図示せ
ず)が設置されており、該集水桝に向け所定の勾配を有
して、複数のL型ブロック21が、車道12の長手方向
に沿って連続して設置されている。
【0040】上記のようにL型ブロック21が設置され
た車道12に、例えば、雨が降ると、雨水は車道12の
路面及びL型ブロック21の路床部の上面29を流れ
て、排水溝28に流入し、該排水溝28を通り集水桝へ
流れて排水される。
【0041】ここで、排水溝28に流入した水15は該
排水溝28内に深く溜まるため、該排水溝28の壁面と
の間の流体抵抗が小さくなり、L型ブロック21の上記
設置勾配がわずかであっても該勾配に従って容易に流
れ、集水桝へと排水される。
【0042】以上のように、本実施例3においては、L
型ブロック21の歩車道境界ブロック部19の前側下部
に、該ブロック21の左右方向の全長にわたって、前後
方向の断面の断面形状が略C字形となる,左右方向に一
様に延びるくりぬき凹部48を、該くりぬき凹部48
の,歩車道境界ブロック部19の前面5での下端が路床
部20の上面の後端に連続するよう形成し、該くりぬき
凹部48の該路床部20の上面の後端より下方に位置す
る凹部28が排水溝を構成するようにしたので、L型ブ
ロック21を、該L型ブロック21の路床部の上面29
が車道12の路面と同じ高さに位置するよう設置し、か
つ該L型ブロック21を車道12に沿って所定の勾配で
複数連続するよう設置することにより、車道12の水が
排水溝28に流入して深く溜まり、該流入水15の体積
に対する,該流入水15の排水溝28壁面との接触面積
の比が小さくなり、流入水15が排水溝28を流れる際
に、流入水15と排水溝28の壁面との間の流体抵抗が
小さくなり、L型ブロック21の上記設置勾配がわずか
であっても容易に排水することができる。
【0043】また、本実施例3においては、L型ブロッ
ク21の歩車道境界ブロック部19の下方に排水溝28
を形成するので、車道12の有効面積を減少させること
がない。
【0044】なお、上記実施例1では、歩車道境界ブロ
ック1の前後方向の断面が、その前面が後方に傾斜した
台形形状である場合を説明したが、該断面が、矩形であ
る場合,その後面が前方に傾斜する台形形状である場
合,あるいはその前面及び後面が共に内方に傾斜する台
形形状である場合にも、該実施例1と同様に本発明を適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による歩車道境界ブロック
の構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施例1による歩車道境界ブロック
の製造方法を示す断面図(図2(a) ,図2(b) )であ
る。
【図3】 本発明の実施例1による歩車道境界ブロック
の設置状態を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明の実施例2による歩車道境界ブロック
の構造を示す上面図(図2(a) ),及び図2(a) のA矢
視図(図2(b) )である。
【図5】 本発明の実施例3によるL型ブロックを構成
する歩車道境界ブロクの構造を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施例3によるL型ブロックを構成
する歩車道境界ブロクの設置状態を模式的に示す断面図
である。
【符号の説明】
1 歩車道境界ブロック、2 底面、3 上面、4 後
面、5 前面、6 左側面、7 右側面、8 排水溝、
9 平坦面、10 コンクリート型枠、11コンクリー
ト路床部、12 車道、13 歩道、15 流入水、1
6 鉄筋、19 歩車道境界ブロック部、20 路床
部、21 L型ブロック、22 底面、23 歩車道境
界ブロック部上面、24 後面、25 歩車道境界ブロ
ック部前面、26 左側面、27 右側面、28 排水
溝、29 路床部上面、30 路床部の上面の前端、3
8,48 くり抜き凹部。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体形状で、その長手方向に面する
    前面が車道側に,長手方向に面する後面が歩道側に向く
    ように配置される歩車道境界ブロックにおいて、 該略直方体形状の長手方向の全長にわたって、該長手方
    向に垂直な断面の断面形状が略C字形となる,長手方向
    に一様に延びるくりぬき凹部が形成され、 上記くりぬき凹部は、該くりぬき凹部の上記ブロックの
    前面での下端位置より下方に排水溝となる凹部を有しかつ、上記ブロックの長手方向に垂直な断面における該
    くりぬき凹部の中心線に対して垂直な方向の幅が、上記
    排水溝となる凹部の底部に近いほど狭くなるよう形成さ
    れていることを特徴とする歩車道境界ブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の歩車道境界ブロックに
    おいて、 上記くりぬき凹部の,上記ブロックの前面での下端から
    上記排水溝となる凹部までの間に、ほぼ水平な平坦面を
    形成したことを特徴とする歩車道境界ブロック。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の歩車道境界ブロックに
    おいて、その内部に、上記くりぬき凹部を囲むように、補強のた
    めの鉄筋を配設 したことを特徴とする歩車道境界ブロッ
    ク。
  4. 【請求項4】 L型ブロックを構成する歩車道境界ブロ
    ックであって、 請求項1に記載の歩車道境界ブロックの上記略直方体形
    状の前面の,上記くりぬき凹部より下側の部分に、車道
    側に延びる,その上面に車道端方向に向けて下り勾配を
    有する平らな路床部が、上記部分に連続して一体的に形
    成されている ことを特徴とする歩車道境界ブロック。
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