JP2869761B2 - ビデオ遷移の増強装置と増強方法 - Google Patents

ビデオ遷移の増強装置と増強方法

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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N5/00Details of television systems
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    • H04N5/142Edging; Contouring

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  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Picture Signal Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビデオ信号の遷移の
増強方法に、および増強装置としてのビデオ信号プロセ
ッサに、具体的には、ビデオ信号の遷移の立上り時間及
び立下り時間の改善のためのプロセッサに関するもので
ある。
【0002】
【発明の背景】ビデオ信号の立上り時間及び/または立
下り時間を改善するための基本的なアプローチには、濾
波及びエッジ置換の2つがある。最も基本的なフィルタ
を用いる増強法では、ビデオ信号の高周波数成分を実効
的に微分する為に抵抗/キャパシタンス(RC)ピーキ
ングフィルタを用いる。この様なフィルタを用いると、
立上り時間は改善されるが、一方で高周波数のノイズが
強調され、ビデオ信号の変化率の関数として変化するオ
ーバーシュートが生じる傾向がある。この場合、最も速
く変化する信号が最も大きな増強を受ける。応答が一様
でないことに加え、この様なフィルタの白レベル近傍に
おける急速なビデオ遷移に対するオーバーシュートによ
って、ビデオレベルがピークの白以上になることがあ
り、これを補償しない場合には、スポットブルーミング
が生じる可能性がある。
【0003】遷移を増強するアプローチとしてより優れ
たフィルタ法は、トランスバーサル形のピーキングフィ
ルタを用いる方法である。この様なフィルタでは、遅延
線からのビデオ入力信号及び出力信号を遅延線の中央タ
ップで得られたビデオ信号から差し引く。その結果得ら
れるピーキング信号は、両方向のビデオ遷移に対してプ
レシュート及びオーバーシュートを示す。この様なトラ
ンスバーサルフィルタによって与えられるシュートは、
信号レベルの変化全体に比例する振幅を示す。
【0004】トランスバーサルピーキングフィルタの一
例は、例えば1977年8月9日付でビンガム(Bin
gham)氏に付与された米国特許第4041531号
「トランスバーサル等化器を有するテレビジョン信号処
理装置(Television Signal Pro
cessing Apparatus Includi
ng A Transversal Equalize
r)」に示されている。ビデオ信号にプレシュートとオ
ーバーシュートを付加すると、暗から明への遷移に対し
て、この遷移の直前に画像が暗くなり、遷移直後に明る
くなるという効果が与えられる。これによる視覚的な効
果は、遷移期間に改善された立上り時間を有するばかり
でなく、遷移がより鮮鋭になることである。しかし、遷
移期間が遷移の大きさに左右されるため、高い振幅レベ
ルの変化に比べて中間振幅レベルの変化が改善されにく
いという欠点がある。
【0005】遷移時間の改善にフィルタ技術を用いるこ
とに伴う問題は、公知技術であるエッジ置換により解決
できる。エッジ置換アプローチでは、入力ビデオ信号の
変化率を変えるということは行わない。このアプローチ
では、信号の変化を検出し、急速な立上り時間(または
立下り時間)を有する新しいエッジ部分を、変化するエ
ッジの代わりに用いる。その結果得られる再構成された
信号は、入力信号の導関数にも入力信号の変化の全体的
な大きさにも左右されない遷移時間を有するという利点
がある。次にエッジ置換ビデオ遷移システムの2つの例
を挙げる。
【0006】エッジ置換ビデオ遷移システムの第1の例
は、1988年7月19日付でヒッチコック(Hitc
hcock)氏他に付与された米国特許第475889
1号「ビデオ信号の立上り時間及び立下り時間を改善す
るための方法及び装置(Method And App
aratus For Improving TheR
ise And Fall Time Of A Vi
deo Signal)」に示されている。この米国特
許に開示されたシステムの一実施例においては、鮮鋭化
された信号を供給する出力が、初めに、大きな遅延を与
えられた信号即ちまだ遷移していない信号を受け、次
に、少量の遅延を受けた信号即ち既に遷移した後の信号
を受けるように順次切換えることによって、入力される
ビデオ信号のエッジを鮮鋭化する。従って、処理された
エッジの立上がり時間は、1つの端子から次の端子に切
換えるのに必要な時間のみに左右される。遷移が負方向
であるか正方向であるかに関わらず、同様の切換えシー
ケンスが実行される。
【0007】エッジ置換ビデオ遷移システムの第2の例
は、1988年10月11日付でハートマイヤ(Har
tmeier)氏に付与された米国特許第477738
5号の「信号遷移改善回路(Signal Trans
ient Improvement Circui
t)」に示されている。この米国特許に開示されたシス
テムの一実施例には、処理されるべき信号を順次遅延し
た形のものを供給するタップ付き遅延線が使用されてい
る。信号遷移に応答するマルチプレクサが、遅延線の中
央タップからの遅延信号及び遅延線の入力から次第に離
れていくタップからの遅延信号を、順次出力端子に結合
して、遷移の初期値を遷移期間のほぼ半分の期間実効的
に保持する。次いで、中央タップまでの(中央タップを
含む)遅延線の入力側のタップが、出力端子に順次結合
されて、実効的に信号遷移の終了値を時間的に早める。
これによって、信号遷移はタップ間の切換え時間に相当
する時間まで短縮される。
【0008】この発明は、一つには、上記のエッジ置換
システムの立上り時間についての利点を有し、更に、上
述したトランスバーサル濾波システムのプレシュート及
びオーバーシュートの効果も有し、しかも、シュートの
大きさが遷移の大きさに左右されないような遷移増強シ
ステムに対するニーズが存在するという認識に基づいて
いる。しかし、この様な異なるシステムを順序を考慮せ
ずに単にカスケード接続しただけでは、上記の様な組み
合わせを得ることはできない。これが実行できない理由
は以下の通りである。トランスバーサルフィルタをエッ
ジ置換回路の前に接続すると、エッジ置換システムが遷
移の前後の信号を選択するので、全てのプレシュートと
オーバーシュートが無視されてしまい、入力される信号
の実際の遷移データはエッジ置換を行うためだけに使用
されることになる。同様に、エッジ置換をトランスバー
サル濾波の前に行う場合は、置換されたエッジが非常に
急速な立上り時間を有するため、アナログ装置により遅
延されるプレシュート成分とオーバーシュート成分にリ
ンギング(即ち反復性の減衰振動)が生じ、また、たと
えリンギングが生じないにしても、シュートの大きさは
やはり信号の遷移の振幅に影響されてしまうことにな
る。
【0009】この発明の一態様によれば、遷移増強シス
テムにおいてエッジ置換を行い、かつ、シュートを与え
るためには、エッジ置換システムのタップデータの処理
に対する新しいアプローチが必要となる。後述するよう
に、この発明によれば、エッジ選択スイッチにタップデ
ータを直接供給せずに、置換エッジがどちらの方向の遷
移に対してもプレシュート及びオーバーシュートを含む
ようにオフセットを与えて非加算的混合或いは最小値と
最大値の選択を含む処理をタップデータに施す。このシ
ュートの大きさは、信号レベルの変化の大きさに影響さ
れないようにすることもできるという利点がある。この
点において、必要な場合には、ある方向のシュートの大
きさをそれとは逆方向のシュートの大きさには関係なく
制御できることもこの発明の1つの特徴である。
【0010】
【発明の概要】この発明のビデオ遷移の増強方法は、次
の諸ステップ、すなわち、ビデオ入力信号の遷移を検出
してこの遷移を表わす制御信号を生成するステップと、
このビデオ入力信号から複数の遅延ビデオ信号を作り出
すステップと、この遅延ビデオ信号から最大値および最
小値の両ビデオ信号を取出すステップと、一つの与えら
れた遅延ビデオ信号と上記の最大値ビデオ信号および最
小値ビデオ信号を上記の遷移を表わす制御信号に応じて
選択的に出力に供給して、ビデオ入力信号の遷移におけ
る立上り時間が増強されたビデオ出力信号を生成するス
テップと、検出された各遷移の前にプレシュートを作り
また検出された各遷移の後にオーバーシュートを生成す
るように、上記した最大値ビデオ信号と最小値ビデオ信
号の各々に所定のオフセットを与えるステップと、より
成る方法である。 また、この発明を実施したビデオ信号
プロセッサは、ビデオ入力信号の遷移を検出する検出器
と、中央タップとこの中央タップを中心にして配置され
た複数のタップを有する遅延回路を含んでいる。各々が
これらのタップに結合されている一対の最大値選択回路
と最小値選択回路が、遅延回路に存在するビデオ信号の
最大値及び最小値を表すそれぞれの出力信号を供給す
る。遷移が検出されない場合は、遷移検出器により制御
される出力スイッチが中央タップを出力端子に結合す
る。正方向(即ち白方向)の遷移が検出された場合はそ
れに応答して、ゲート回路が先ず実質的に遷移期間の半
分の期間に、最小値選択回路の出力を出力端子に結合
し、次いで、実質的に遷移期間の半分の期間に、最大値
セレクタの出力を出力端子に結合し、それによって、プ
レシュート及びオーバーシュートと、その間の急速な遷
移とを有する出力信号を供給する。一方、負方向(即ち
黒方向)の遷移が検出された場合は、これに応答して、
出力セレクタスイッチは先ず最大値セレクタの出力を出
力端子に結合し、次いで、最小値セレクタの出力を出力
端子に結合し、それによってプレシュート及びオーバー
シュートと、その間の急速な遷移とを有する出力信号を
供給する。
【0011】この発明の別の1つの特徴によれば、上記
の最大値セレクタ及び最小値セレクタの少なくとも一方
にオフセット信号を供給して、上記プレシュート及びオ
ーバーシュートの選択された一方の振幅を制御する回路
手段が設けられる。
【0012】
【詳細な説明】以下、この発明を添付の図面を参照して
説明するが、図面中、同じ素子は同じ参照番号で示す。
図1のビデオ信号プロセッサ10は、強調されるべき遷
移を有するビデオ入力信号S1を受信する入力端子12
と、信号のエッジに対して増強された立上り時間を与え
るために置換が施され、また、どちらの極性の遷移にも
プレシュートとオーバーシュートを呈する処理された出
力信号S2を供給する出力端子14とを含んでいる。
【0013】まず概略的に説明すると、図3Aには、正
方向(即ち白方向)の33IREユニット〜66IRE
ユニットの遷移を有し、その後で、負方向(即ち黒方
向)の66IREユニット〜33IREユニットの遷移
を有する信号を処理した信号300(図1のS2)が示
されている。図示のように、正の遷移期間(T1〜T
3)中には、処理された信号300は黒方向のプレシュ
ート302と、急速な立上り時間を持つ置換エッジ30
4とそれに続く白方向のオーバーシュート306を呈し
ている。黒方向の66IRE〜33IREの遷移期間
(T4〜T6)中には、処理された信号300は白方向
のプレシュート308と、遷移期間中の急速な立下り時
間を持つ置換エッジ310と黒方向のオーバーシュート
312を呈している。後述するように、白方向のオーバ
ーシュート306とプレシュート308は、黒方向のプ
レシュート302とオーバーシュート312とは独立し
て制御できる。
【0014】これらのシュートは、遷移速度を置換エッ
ジ304と310の使用により増加させた信号遷移の境
界を付ける(ボーダリング)という視覚的効果を持って
おり、従って、前述した従来のエッジ増強システムより
も遷移の視覚的な鮮鋭度が大幅に増加する。
【0015】図1に戻って、入力端子12はビデオ信号
S1の遷移を検出する遷移検出器18の入力16に結合
されており、更に、入力信号S1を遅延した形の複数の
信号を供給する遅延回路22の入力タップ20にも結合
されている。遷移検出器18としては、前述の米国特許
第4041531号に開示された形式のトランスバーサ
ルフィルタを用いることができる。このトランスバーサ
ルフィルタは供給される入力信号のプレシュートとオー
バーシュートを生成させるための一対の遅延線を使用し
ている。或いは、この発明のアナログ形式の実施例で
は、終端されていない単一の遅延線が差動増幅器の入力
と出力との間に結合され、同様の効果、即ちプレシュー
トとオーバーシュートをビデオ信号の正の(黒から白へ
の)ビデオ遷移に与え、プレシュートとオーバーシュー
トをビデオ信号の負の(白から黒への)ビデオ遷移に与
えるという効果が得られる。
【0016】遅延回路22は出力タップ24と中央タッ
プ26を有しており、場合によっては、中央タップ26
を中心に配置された別のタップをも含むことがある。図
示の例では、入力タップ20と中央タップ26の間に中
間タップ28が配置されており、また、中央タップ26
と出力タップ24の間に別の中間タップ30が配置され
ている。必要とされるタップの数は最小3個即ち入力タ
ップ20と中央タップ26と出力タップ24である。タ
ップの数を多くすると、それだけ遅延回路22を通過す
るビデオ信号の最小値と最大値の概算を更に良好にでき
る。最小値と最大値は図3Aのシュート302、30
6、308、及び312の振幅を決めるために選択され
るので、このことは重要である。
【0017】図示及び後の検討の便宜上、幾つかのタッ
プにおける信号を遅延の次数順に信号a〜eとした。全
体の遅延は、例えば、予測されるビデオ信号遷移時間と
同等になるように選択されている。この遅延は、例え
ば、NTSC方式の受像機における代表的な信号に対し
て約100ナノ秒程度である。遅延回路は複数のタップ
を有するアナログ或いはデジタルデバイスで構成しても
よいし、複数の個別の遅延素子をカスケード接続して、
各素子間の接続点から出力タップを取り出した構成を用
いてもよい。
【0018】タップ20〜30の各々は対をなすセレク
タ回路40及び50の入力に結合されてその入力にタッ
プ信号a〜eを供給する。図が複雑にならないように、
これらの接続を矢印の先とそれを受ける記号で示した。
セレクタ回路40は供給されたタップ信号a〜eの中の
大値に等しい出力信号S3を生成する最大値セレクタ
である。ここで使用する「最大」という語は信号のレベ
ルがビデオの白レベルの方向に最大であることを意味す
る。セレクタ回路50は最小値セレクタであり、信号a
〜eの各レベル中でビデオ黒レベルの方向に最大である
信号のレベルを表す出力信号S4を生成する。
【0019】最大値信号S3と最小値信号S4はそれぞ
れオフセット回路42と52を介して出力スイッチ60
の第1の入力(1)と第3の入力(3)にそれぞれ供給
される。オフセット回路42は最大値信号S3を正方向
(即ち白レベル方向)にオフセットし、オフセット回路
52は最小値信号S4を負方向(即ち黒レベル方向)に
オフセットする。これらのオフセットによって、図3に
示すプレシュートの振幅とオーバーシュートの振幅が決
まる。
【0020】出力スイッチ60の第2の入力(2)は遅
延回路22の中央タップ26からの中央タップ信号cを
受け取るように結合されている。スイッチ60は、処理
された出力信号S2を出力端子14に供給するように接
続された出力62と、遷移検出器18からの制御信号S
10を受け取るように接続された制御入力64とを備え
ている。遷移検出器18の感度は、後述のように擬似警
報即ちノイズの低減の為に、図示のように、しきい値制
御回路70により制御できる。
【0021】動作を説明すると、遷移検出器18によっ
て制御される出力スイッチ60は、入力信号S1に遷移
が検出されない場合には、中央タップ26を出力端子1
4に結合する。この場合、出力信号S2は入力信号S1
に遅延回路22の遅延の2分の1を加えたものに等しく
なる。正方向(即ち白方向)の遷移が検出されると、そ
れに応答して、スイッチ60は先ず最小値選択回路50
の出力信号をオフセットした出力信号S6をこの遷移期
の前半部である実質的に同期間の2分の1の期間(
えば図3AのT1〜T2の期間)に出力端子14に結合
する。その後、スイッチ60は最大値セレクタ40の出
力信号をオフセットした出力信号S5を遷移期間の後半
部に相当する残りの2分の1の期間(例えば図3AのT
2〜T3の期間)に出力端子14に結合し、それによっ
て図3Aに示すようなプレシュート302、オーバーシ
ュート306及びエッジ置換によるこれらのシュート間
の急速な遷移304を有する出力信号が供給される。置
換されたエッジ304の速度は、スイッチ60が位置3
から位置1に切換わる時間によって決まるため急速であ
る。
【0022】負方向(即ち黒レベル方向)の遷移が検出
されると、これに応答して、出力セレクタスイッチ60
は先ず最大値セレクタ40の出力をオフセットした出力
信号S5を、この遷移周期の前半部である実質的にこの
期間の2分の1の期間(例えば図3AのT4〜T5の期
間)に出力端子14に結合し、次いで、最小値セレクタ
50の出力をオフセットした出力信号S6をこの遷移期
の後半部すなわち残りの2分の1の期間(例えば図3
AのT5〜T6)に出力端子14に結合する。それによ
って白方向のプレシュート308、黒方向のオーバーシ
ュート312及びエッジ置換により得られるこれらシュ
ート間の急速な遷移310を有する出力信号が供給され
る。
【0023】上記のように、遷移検出器の感度をノイズ
低減即ち擬似警報の減少を目的として、しきい値制御回
路70により制御することができる。この目的で、しき
い値制御回路70は遷移検出器18のコアリングレベル
を制御するようにできる。正の(白方向の)遷移があっ
たと仮定した場合の中央タップ信号cとオフセット信号
S5及びS6を示す図3Bに、コアリングを導入した効
果を示す。出力信号S2は点線で示されており、遷移期
(T11〜T15)の中間部分(T12〜T14)
置換エッジが遅延された信号cの一部を含んでいること
が分かる。このような結果となるのは、スイッチ60が
通常最小値信号及び最大値信号を選択する切換え期間
中、コアリングにより検出器の感度が減少するためであ
る。この効果として、スイッチ位置3からスイッチ位置
1への変化が即時に起こらず、スイッチ60が位置2の
中央タップ出力を選択するドエル(dwell)期間
(T12〜T14)が位置3と位置1の間の切換中に起
きる。この影響で図3Bに点線(出力信号S2)で示す
ように、置換エッジが遷移の中間で小さなオフセットを
呈している。しかし、全体としてみると、置換エッジの
立上り時間は元の信号の立上り時間よりも可成り短く、
一方、(例えばノイズのレベルが低くなることによる)
検出エラーの減少の効果の方が置換エッジの遷移時間の
僅かな短縮不足(余分な長さの残存)よりも重要なの
で、ノイズ低減(コアリング)による遷移速度の損失は
無視できると考えられる。
【0024】図2はこの発明のアナログ形式の実施例を
示している。図2において、供給端子326が幾つかの
回路素子に正の動作電圧+Vを供給している。これらの
素子には、抵抗R1と抵抗R2とで構成された分圧器が
含まれている。この分圧器は、遷移検出器、最大値セレ
クタ及び最小値セレクタに対する主基準電圧として使用
する基準電圧Rを生成する作用を行なう。図2に具体的
に示されている図1の遷移検出器18は、ビデオ入力信
号S1のプレシュートとオーバーシュートを検出するト
ランスバーサルフィルタを含んでいる。即ち、検出器1
8は、その2つの入力が遅延線314の入力及び出力に
接続された差動増幅器(Q1、Q2、Q3、抵抗R3、
R4、R5、R6、R7)で構成されている。トランジ
スタQ3と抵抗R7は、差動増幅器Q1、Q2の電流源
となり、トランジスタQ3のベース電圧Vbで電流レベ
ルが決まる。必要な場合は、後述のように、トランスバ
ーサルフィルタの零入力時の出力電圧AとBが基準電圧
Rまたはそれ以下にバイアスされるようにバイアス電圧
Vbを調整することによってコアリングが実施される。
負荷抵抗R3とR4は、入力信号レベルの変化を表す相
補的な出力電圧を生成する。例えば、信号S1の正の遷
移に対しては、トランジスタQ1の出力電圧Aは負にな
った後、正になり、次いで零入力値に戻る。逆に、信号
S1の逆方向(白から黒へ)の変化では、出力電圧Aは
正になってから負になる。このような結果となるのは、
遅延線314がその整合電源インピーダンスR302に
より駆動されるが、同様の負荷インピーダンスにより終
端されていないので反射が起こり、これらの反射によっ
てトランジスタQ1及びQ2が交互に切換えられるため
である。
【0025】前述の、プレシュートとオーバーシュート
を与える効果を得るように、終端されていない遅延線と
差動増幅器を使用することは、相補的な出力を供給する
ようにすることを除いては新しいことではない。このよ
うな構成の代わりに、(図示の実施例用として)相補出
力信号も得られるようにしておけば、同様に前述のビン
ガム氏に付与された米国特許第4041531号に開示
されているように一対の遅延線を使用して、変化する信
号のプレシュートとオーバーシュートを与えるようにし
てもよい。即ち、この発明のこの例では、信号Aに対し
てトランジスタQ1のコレクタに生じたプレシュートと
オーバーシュートは、信号Bに対してトランジスタQ2
のコレクタに生じたオーバーシュートとプレシュートと
相補的である。
【0026】この発明のこの例では、遅延回路22の入
力タップ、出力タップ及び中央タップのみが使用され
る。これらのタップは遅延線320によって提供され、
この遅延線320は、信号aが生成されるその特性イン
ピーダンスに等しい電源抵抗322と、信号cが生成さ
れる中央タップと、信号eが生成される抵抗324(特
性負荷インピーダンス)を介してアースされた出力タッ
プとを有する。先に詳細に説明したように、更に多くの
タップを設けると信号の最大値と最小値をより円滑に概
算することができる。ここで示した3つのタップはこの
発明によれば、必要とされるタップ数の最小のものであ
る。
【0027】図1の最大値選択回路(40)及びオフセ
ット回路(42)は、このアナログ形式の実施例では、
コレクタが共通接続され、エミッタも共通接続され、そ
れぞれのベースに信号a、c及びeが供給されたトラン
ジスタQ18、Q4、Q5によって構成されており、ア
ースされた共通のエミッタ抵抗R10を備えている。こ
の回路の構成はアナログ回路設計の技術分野の当業者に
は、正の非加算混合器及び電流変換器であることがわか
るであろう。出力電流I1は、入力信号a、c、eの最
も正であるものに比例する。
【0028】図1の最小値選択回路(50)とオフセッ
ト回路(52)は、このアナログ形式の実施例では、ト
ランジスタQ6〜Q10及び抵抗R12、R14、及び
R16によって構成されている。この構成は、PNPト
ランジスタが使用されていることと、トランジスタQ9
とQ10が出力電流(I3)が流れる方向を反転させる
ために必要なことを除いては、先に述べた最大値セレク
タとほぼ同じである。即ち、トランジスタQ6〜Q8の
ベースに供給される最も負の(黒方向の)信号(a、
c、e)がエミッタ抵抗R16を有する電流源トランジ
スタQ10を制御するトランジスタQ9により検出され
る。
【0029】図1の中央タップ信号cは図2において、
エミッタ抵抗R18を有するトランジスタQ11によっ
て電流I2に変換される。
【0030】この発明のこの例では、最大値信号、中央
タップ信号及び最小値信号のオフセットは、抵抗R1
0、R18、R16を選択することにより得られる。抵
抗R10の値を抵抗R18よりも低くすると、電流I1
が定常状態で電流I2よりも高くなり、また、抵抗R1
6の値を抵抗R18よりも高くすると、電流I3は電流
I2よりも低くなる。12ボルトで動作を行うように構
成されたシステムについて、オフセット用のこれらの抵
抗の値は、例えば、360Ω、390Ω、430Ωとな
る。しかし、他の抵抗値を代わりに使用してもよい。重
要なのは、図2に示した検討中のアナログ形式の実施例
で、零入力の状態で、最大値信号aが中央タップ信号c
よりも大きくなり、最小値信号eが中央タップ信号より
も小さくなるようにこれらの抵抗値を選ぶことである。
【0031】前述したことは、白方向のシュート(30
6、308)を決めるのが最大値信号であるため、重要
である。黒方向のシュート(図3Aにおける302と3
12)を決めるのは最小値信号である。上述したよう
に、これらは抵抗R10、R18、R16の相対的な値
を選択することにより、互いに独立して制御可能であ
る。
【0032】図1の出力スイッチ60は、図2において
は、トランジスタQ11〜Q17によって具体化されて
いる。トランジスタQ11とQ12は、信号A及びRの
どちらが大きくても、これらの信号に基づいて電流I1
を選択する。トランジスタQ13、Q14、Q15は信
号A、B及びRのどれが他より大きくても、これらの信
号に基づいて電流I2を選択する。トランジスタQ16
とQ17は、信号B及びRのどちらが大きくてもこれら
の信号B及びRに基づいて電流I3を選択する。
【0033】図2の実施例の動作は図1の実施例の動作
と同じである。例えば、正の遷移が起こると、信号Aは
(基準Rに対して)正になってから負になり、信号Bは
信号Aの逆の動きを示す。従って、遷移期間の第1の半
分の期間T1〜T2(図3A参照)に、電流I3がQ1
6を介して出力負荷抵抗R20に流れ、また、遷移の第
2の半分の期間(T2〜T3)に、電流I1が出力負荷
抵抗R20に流れる。定常状態においては、電流I2が
負荷抵抗R20に流れる。反対方向の遷移では、I1の
I3が負荷抵抗R20に流れる。従って、出力端子3
50に(電流I3により決まる)プレシュートと(電流
I1により決まる)オーバーシュートを含む出力信号が
生じる。定常状態での値は電流I2により決まる。遷移
速度はスイッチ位置の変化速度により決まる。
【0034】この発明の図示の実施例においては、入力
信号S1と出力信号S2が反転している。何らかの場合
にこのような反転が望ましくない場合は、インバータ
(図示せず)を出力端子350に接続すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログ形式或いはデジタル形式で実施するこ
とができる、この発明を実施したビデオ信号遷移増強装
置のブロック図である。
【図2】この発明をアナログ形式で実施した遷移増強装
置の回路図である。
【図3】図1及び図2の装置の動作を説明するための波
形及びタイミングを示す図である。
【符号の説明】
18 遷移検出器 22 遅延回路 c 中央タップ 40 最大値セレクタ 50 最小値セレクタ 60 出力セレクタスイッチ回路 42 オフセット信号供給回路手段 52 オフセット信号供給回路手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク ロバート アンダーソン アメリカ合衆国 インデイアナ州 イン デイアナポリス ウエスト・リツジ・ド ライブ 8511 (56)参考文献 特開 昭63−232576(JP,A) 特開 平1−297980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 5/14 - 5/217

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビデオ入力信号中の、ある遷移期間を有
    する遷移を検出する遷移検出手段と; 上記ビデオ入力信号から、上記遷移の前後における最大
    信号レベルおよび最小信号レベルを検出して各置換信号
    レベルを生成する手段と; 上記各置換信号レベルをオフセットして、プレシュート
    およびオーバーシュートの一方を生成する手段と; 上記遷移検出手段に応動して、上記遷移の部分を上記オ
    フセットされた置換信号レベルで置換して、上記プレシ
    ュートおよび上記オーバーシュートの一方を持った急速
    な遷移期間を有する置換遷移を形成する手段と; を備えてなるビデオ遷移増強装置。
  2. 【請求項2】 ビデオ入力信号の遷移を検出してこの遷
    移を表わす制御信号を生成するステップと、 複数の遅延ビデオ信号を形成するステップと、 上記の遅延ビデオ信号から、最大値ビデオ信号と最小値
    ビデオ信号を取出すステップと、 一つの遅延ビデオ信号と、上記最大値ビデオ信号と、上
    記最小値ビデオ信号を、上記制御信号に応じて選択的に
    出力に結合して、上記ビデオ入力信号の上記遷移につい
    て立上り時間の増強されたビデオ出力信号を生成するス
    テップと、 検出された各遷移の前にプレシュートを生成しまた検出
    された各遷移の後にオーバーシュートを生成するよう
    に、上記最大値ビデオ信号と上記最小値ビデオ信号の各
    々に所定のオフセットを加えるステップと、 より成るビデオ遷移の増強方法。
  3. 【請求項3】 上記最大値ビデオ信号と上記最小値ビデ
    オ信号の各々に上記所定のオフセットを加えるステップ
    が、 上記最大値ビデオ信号に第1の極性のオフセットを与え
    るステップと、上記最小値ビデオ信号に第2の極性のオ
    フセットを与えるステップと、より成る、請求項2に
    載のビデオ遷移の増強方法。
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