JP2869747B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
に関し、更に詳しくは、銀スラッジの発生がなく、漂白
カブリが有効に防止され、安定した迅速処理が可能なハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関する。
[従来の技術] 一般に像様露光された感光材料を処理してカラー画像
を得るには、発色現像工程の後に、生成された金属銀を
脱銀し、その後水洗、安定ないし水洗代替安定等の処理
工程が設けられる。
しかるに、感光材料は現像所に設けられた自動現像機
にてランニング処理することが行われているが、ユーザ
ーに対するサービス向上の一環として、現像受付日その
日の内に現像処理してユーザーに返還することが要求さ
れ、近時では、受付から数時間で返還することさえも要
求されるようになり、ますます迅速処理技術の開発が急
がれている。
その結果として、現在の主要なカラーペーパー感光材
料の処理時間・工程・温度は次のようなレベルに達して
いる。即ち、例えばカラー印画紙の現像時間は、8.5
分、処理温度は32.8℃ないし33℃であるが、処理時間の
内訳は発色現像3.5分、漂白定着1.5分、水洗3.5分の3
工程からなり、これに含まれるシステム技術は米国特許
3,582,322号及び西独公開特許(OLS)2,160,872号等に
開示されている。
さらに近時では、プロセスRA−4と呼ばれる塩化銀主
体の乳剤を用いたカラーペーパーによる迅速処理(合計
処理時間は3分、処理温度は35℃で、処理時間の内訳
は、発色現像45秒、漂白定着45秒、安定90秒の3工程か
らなる)も、イーストマン・コダック社から提案されて
きている。
これら感光材料の迅速処理について従来技術をみる
と、 (1)感光材料の改良による技術、 (2)現像処理時の物理的手段による技術、 (3)現像処理に用いる処理液組成の改良による技術、 に大別され、 前記(1)に関しては、ハロゲン化銀組成の改良
(例えば、特開昭51−77223号に記載の如きハロゲン化
銀の微粒子化技術や特開昭58−18142号、特公昭56−189
39号に記載の如きハロゲン化銀の低臭化銀技術)、添
加剤の使用(例えば、特開昭56−64339号に記載の如き
特定の構造を有する1−アリール−3−ピラゾリドンを
感光材料に添加する技術や特開昭57−144547号、同58−
50534号、同58−50535号、同58−50536号に記載の如き
1−アリールピラゾリドン類を感光材料中に添加する技
術)、高速反応性カプラーによる技術(例えば、特公
昭51−10783号、特開昭50−123342号、同51−102636号
に記載の高速反応性イエローカプラーを用いる技術)、
写真構成層の薄膜化技術(例えば、特願昭60−204992
号に記載の写真構成層の薄膜化技術)等があり、 前記(2)に関しては、処理液の攪拌技術(例えば、
特願昭61−23334号、特開昭62−183461号、特開昭62−1
83462号等に記載の自動現像機内処理液の攪拌技術)等
があり、 そして、前記(3)に関しては、現像促進剤を用い
る技術、発色現像主薬の濃厚化技術、ハロゲンイオ
ン、特に臭化物イオンの濃度低下技術等が知られてい
る。
上記各種迅速処理技術においても、前記(1)の技術
に関する高濃度の塩化銀を用いた感光材料を使用する技
術(例えば、特開昭58−95345号、同60−19140号、同58
−95736号等明細書に記載)は特に優れた迅速化性能を
与えるものであり、近時、例えばイーストマン・コダッ
ク社に於てはエクタカラー2001ペーパーとして、コニカ
(株)に於てはコニカカラーQAペーパーとして実用化さ
れてきている。
また、近年の動向として、経済的観点ならびに公害防止
的観点から、脱銀工程の処理として漂白液と定着液を別
々に用いる処理方式が行なわれつつあり、特にこの傾向
は、コスト並びに公害規制の厳しい大規模現像所(大ラ
ボ)で強い。しかしながら、塩化銀主体の感光材料を漂
白定着液でなく、漂白液で処理する際には様々な問題が
生じてくる。
[発明が解決しようとする課題] 塩化銀主体の感光材料を、通常カラーネガフィルムの
処理等でよく用いられるエチレンジアミン四酢酸第2鉄
アンモニウム(EDTA・Fe・NH4)を用いた漂白液で処理
すると、漂白カブリが発生しやすい欠点がある。さらに
総塗布銀量が2g/m2以上の高銀量の塩化銀主体の感光材
料を用いる際には、ニュートラルグレー部にムラ状のカ
ブリが発生するという別なる問題も生じてくる。特に近
年の低補充化の動向の中では、これらの問題は益々大き
な問題となりつつある。さらに、この低補充化の際には
漂白液中でタールが発生しやすいという問題も生じてく
る。
[発明の目的] 従って、本発明の目的は、第1に、漂白カブリの発生
が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
法の提供にあり、 第2の目的器、高銀量の塩化銀主体の感光材料用のム
ラ状カブリの発生が抑えられたハロゲン化銀カラー写真
感光材料の処理方法の提供にある。
さらに第3の目的は、迅速処理が可能でありながら、
タールの発生もなく、安定した低補充処理を可能ならし
めるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法の提供
にある。
この他の目的は、以下の説明の中で明らかとなろう。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成する本発明に係るハロゲン化銀カラー
写真感光材料の処理方法は、ハロゲン化銀乳剤層に含ま
れるハロゲン化銀粒子の少なくとも98モル%が塩化銀で
あり、かつ総塗布銀量が3〜12g/m2であるハロゲン化銀
カラー写真感光材料をアンモニウムイオンが全カチオン
の20モル%以下であって、pHが2.0〜5.5であり、かつ下
記一般式[A]で示される化合物の第2鉄錯塩を含有す
る漂白液で処理し、かつ該漂白液の補充量が50〜250ml/
m2であることを特徴とする。
一般式〔A〕 [式中、A1〜A4はそれぞれ同一でも異ってもよく、−CH
2OH、−COOM又は−PO3M1M2を表す。M、M1、M2はそれぞ
れ水素原子、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムを
表す。Xは炭素数2〜5の置換、未置換のアルキレン基
を表し、分岐部分を含む炭素数の合計が3以上であ
る。] [発明の作用] 本発明において一般式〔A〕で示される化合物の第2
鉄錯塩を含有した漂白液は特開昭62−222252号公報等に
おいて公知であり、漂白カブリが発生し易いことも前記
公報において公知である。又、漂白カブリを防止する為
に漂白液のpHを2.5〜5.5にすることで防止できることも
特開平2−44352号公報などにおいて公知である。しか
しながら前記の公知例において、単に漂白液を低pHにす
ることで高銀量の塩化銀主体の感光材料の漂白カブリを
防止することは出来ず、又漂白液が低補充化された場合
や、更には処理量が少ない場合に漂白カブリが更に顕著
となり、実用に供し得なくなる。
本発明者らは前記漂白カブリが一般式〔A〕の第2鉄
錯塩の漂白力により発生し易くなるが第2鉄錯塩にアン
モニウムイオンが漂白カブリに大きな影響を及ぼすこと
を発見し、本発明を完成するに至ったものである。
[発明の具体的構成] 次に一般式〔A〕で示される化合物について詳述す
る。
A1〜A4はそれぞれ同一でも異っていてもよく、−CH2O
H、−COOM又は−PO3M1M2を表し、M、M1、M2はそれぞれ
水素原子、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウ
ム)又はアンモニウムを表す。Xは好ましくは炭素数3
〜6の置換、未置換のアルキレン基(例えばプロピレ
ン、ブチレン、ペンタメチレン等)を表す。置換基とし
ては水酸基、炭素数1〜3の低級アルキル基が挙げられ
る。
以下に、前記一般式〔A〕で示される化合物の好まし
い具体例を示す。
これら(A−1)〜(A−12)の化合物の第2鉄錯塩
としては、これらの第2鉄錯塩のナトリウム塩、カリウ
ム塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる
が、アンモニウム塩が多いと漂白カブリが生じ易い為に
好ましくは第2鉄錯塩のアンモニウム塩は50モル%以
下、好ましくは20%モル以下、より好ましくは0〜10モ
ル%にすることが漂白カブリを防止する上で好ましい。
前記化合物例の中で、本発明において特に好ましく用
いられるものは、(A−1)、(A−4)、(A−
7)、(A−8)であり、とりわけ特に好ましいものは
(A−1)である。
前記一般式〔A〕で示される化合物の第2鉄錯塩は好
ましくは漂白液1当り少なくとも0.10モル使用される
が、より好ましくは0.15モル〜0.6モルの範囲であり、
より特に好ましくは0.18モル〜0.5モルの範囲である。
本発明の漂白液には、前記一般式〔A〕で示される化
合物の第2鉄錯塩に、その他のアミノポリカルボン酸第
2鉄錯塩(例えば、エチレンジアミン四酢酸第2鉄錯
塩、ジエチレントリアミン五酢酸第2鉄錯塩、1,2−シ
クロヘキサンジアミン四酢酸第2鉄錯塩、グリコールエ
ーテルジアミン四酢酸第2鉄錯塩等)を組合わせて使用
できる。
しかしながら、本発明の目的の効果をより良好に奏す
る点からは、実質的に前記一般式〔A〕で示される化合
物の第2鉄錯塩のみを使用した漂白液が好ましい。ここ
で実質的とは全第2鉄錯塩の中で少なくとも70%(モル
換算)以上を意味する。該比率は好ましくは80%以上で
あり、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以
上である。
本発明に係わる漂白液には、イミダゾール及びその誘
導体又は下記一般式〔I〕〜〔IX〕で示される化合物の
少なくとも一種を含有する際に、本発明の目的の効果を
より良好に奏するため、本発明においては、より好まし
く用いられる。
一般式〔I〕 [式中、Qは含窒素ヘテロ環(5〜6員の不飽和環が縮
合しているものも含む)を形成するに必要な原子群を表
し、R1は水素原子、炭素原子数1〜6個のアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(5〜6員
の不飽和環が縮合しているものも含む)またはアミノ基
を表す。] 一般式[II] [式中、R2及びR3はそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜
6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ
基、炭素原子数1〜3のアシル基、アリール基またはア
ルケニル基を表す。
Aは またはn1価のヘテロ環残基(5〜6員の不飽和環が縮
合しているものも含む)を表し、Xは=S、=0または
=NR″を表す。ここでR及びR′はそれぞれR2及びR3
同義、X′はXと同義、Zは水素原子、アルカリ金属族
原子、アンモニウム基、アミノ基、含窒素ヘテロ環残
基、アルキル基または を表し、Mは2価の金属原子群を表し、R″は水素原
子、炭素原子数1〜6のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、ヘテロ環残基(5〜6員の不飽和環が
縮合しているものも含む)またはアミノ基を表し、n1
n6及びm1〜m5はそれぞれ1〜6の整数を表す。Bは炭素
原子数1〜6のアルキレン基を表し、 を表し、R4及びR5はそれぞれR2及びR3と同義である。但
し、R4及びR5はそれぞれ−B−SZを表してもよく、又R2
とR3、RとR′、R4とR5はそれぞれ結合して環を形成し
てもよい。
なお、該式で表される化合物はエノール化体およびそ
の塩も含む。] 一般式〔III〕 [式中、R6およびR7はそれぞれ水素原子、炭素原子数1
〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミ
ノ基、炭素原子数1〜3のアシル基、アリール基、アル
ケニル基または−B1−S−Z1を表す。但し、R6とR7は結
合して環を形成してもよい。Y1はN−またはCH−を
表し、B1は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表し、Z1
は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アミ
ノ基、含窒素ヘテロ環残基または を表す。n7は1〜6の整数を表す。] 一般式〔IV〕 [式中、R8及びR9は各々 を表し、 R10はアルキル基または−(CH2)n8SO3 を表す(但し、R
10が−(CH2)n8SO3 のとき、lは0を表し、アルキル基
のとき1を表す。)G はアニオンを表す。n8は1〜6
の整数を表す。] 一般式〔V〕 [式中、Q1は含窒素ヘテロ環(5〜6員の不飽和環また
は飽和環が縮合しているものも含む)を形成するに必要
な原子群を表し、R11は水素原子、アルカリ金属原子、 またはアルキル基を表す。但し、Q′はQ1と同義であ
る。] 一般式〔VI〕 [式中、D1、D2、D3及びD4はそれぞれ単なる結合手、炭
素原子数1〜8のアルキレン基またはビニレン基を表
し、q1、q2、q3及びq4はそれぞれ0、1または2を表
す。また、硫黄原子と共に形成する環はさらに5〜6員
飽和または不飽和の環と縮合してもよい。] 一般式〔VII〕 [式中、X2は水素原子、R16、−COOM′、−OH、−SO
3M′、−CONH2、−SO2NH2、−NH2、−CN、−CO2R16、−
SO2R16、−OR16、−NR16R17、−SR16、−SO3R16、−NHC
OR16、−NHSO2R16、または−OCOR16を表し、 Y2は、 を表し、m9及びn9はそれぞれ1〜10の整数を表す。
R11、R12、R13、R14、R15、R17及びR18はそれぞれ水
素原子、アルキル基、アシル基または を表し、R16はアルキル基を表し、R19は−NR20R21、−O
R22または−SR22を表し、R20及びR21はそれぞれ水素原
子またはアルキル基を表し、R22はR18と結合して環を形
成するのに必要な原子群を表す。R20またはR21はR18
結合して環を形成してもよい。
M′は水素原子またはカチオンを表す。] 一般式〔VIII〕 [式中、Arはアリーレン基またはアリーレン基と酸素原
子および/もしくはアルキレン基を組合わせた2価の有
機基を表し、B2及びB3はそれぞれ低級アルキレン基を表
し、R23、R24、R25及びR26はそれぞれヒドロキシ置換ア
ルキル基を表し、x及びyはそれぞれ0または1を表
す。G′はアニオンを表し、zは0、1または2を表
す。] 一般式〔IX〕 [式中、R27及びR28はそれぞれ水素原子、アルキル基、
アリール基またはヘテロ環基を表し、R29は水素原子ま
たはアルキル基を表し、R30は水素原子またはカルボキ
シ基を表す。] 前記一般式〔I〕〜〔IX〕で示される化合物及びイミ
ダゾールとその誘導体の代表的具体例としては特願昭63
−32501号明細書の17ページ〜39ページ記載の(I−
1)〜(I−10)、(II−1)〜(II−27)、(III−
1)、(III−15)、(IV−1)〜(IV−3)、(V−
1)〜(V−23)、(VI−1)〜(VI−17)、(VII−
1)〜(VII−15)、(VIII−1)〜(VIII−7)、(I
X−1)〜(IX−5)、(A−1)〜(A−8)が挙げ
られる。
これらの化合物は一般に漂白促進剤として用いられる
化合物であり、以下、本発明の漂白促進剤という。
これらの漂白促進剤は単独で用いてもよいし、2種以
上を併用してもよく、添加量は一般に漂白液1当り約
0.01〜100gの範囲で好結果が得られる。しかしながら、
一般に添加量が過小の時には漂白促進効果が小さく、ま
た添加量が必要以上に過大の時には沈澱を生じて処理す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料を汚染したりするこ
とがあるので、漂白液1当り0.05〜50gが好ましく、
更に好ましくは0.15〜15gである。
漂白促進剤を添加する場合には、そのまま添加溶解し
てもよいが、水、アルカリ、有機酸等に予め溶解して添
加するのが一般的であり、必要に応じてメタノール、エ
タノール、アセトン等の有機溶媒を用いて溶解して添加
することもできる。
本発明の漂白液はph2.0から5.5で使用でき、より好ま
しくは3.0以上5.0以下で用いられる。漂白液のpHが5.5
以上では充分に漂白カブリを防止できなかったり、pH2
以下だと漂白カブリは防止するものの写真性能に影響を
与えることもある。処理の温度は好ましくは20℃〜45℃
で使用できるが、より望ましくは25℃〜42℃である。
本発明の漂白液には、臭化アンモニウムの如きハロゲ
ン化物を通常添加して用いる。
なお、本発明の漂白液には、硼酸、硼砂、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢酸ナ
トリウム、水酸化アンモニウム等の各種の塩からなるpH
緩衝剤を単独あるいは2種以上組合せて含有せしめるこ
とができる。さらにまた、各種の蛍光増白剤や消泡剤あ
るいは界面活性剤や防ばい剤を含有せしめることもでき
る。
本発明の漂白液においてアンモニウムイオンは全カチ
オンの20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下であ
る場合に本発明の効果である漂白カブリが防止される。
本発明に係る漂白液の補充量はハロゲン化銀カラー写
真感光材料1m2当り50ml〜250mlである。
以上述べた漂白液は処理工程中、発色現像後、直ちに
用いられることが好ましい。
本発明においては迅速処理の観点から、好ましくは漂
白液で処理された後引き続き定着液ないし漂白定着液で
処理される。
本発明に係わる処理方法の好ましい具体的処理工程を
以下に示す。
(1)発色現像−漂白−定着−水洗 (2)発色現像−漂白−定着−水洗−安定 (3)発色現像−漂白−定着−安定 (4)発色現像−漂白−定着−第1安定−第2安定 (5)発色現像−漂白−漂白定着−水洗 (6)発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 (7)発色現像−漂白−漂白定着−安定 (8)発色現像−漂白−漂白定着−第1安定−第2安定 これらの工程の中でもとりわけ(3),(4),
(6),(7),(8)が好ましく、とりわけ特に
(3),(4),(7)が好ましい。最も好ましくは
(3)である。
本発明に係わる定着液及び漂白定着液には、いわゆる
定着剤が必須である。
定着剤としては、ハロゲン化銀と反応して水溶液の錯
塩を形成する化合物、例えばチオ硫酸カリウム、チオ硫
酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムの如きチオ硫酸
塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸アンモニウムの如きチオシアン酸塩、ある
いはチオ尿素、チオエーテル等が挙げられるが好ましく
はチオ硫酸塩とチオシアン酸塩である。又、本発明を実
施する上で定着液又は漂白定着液のアンモニウムイオン
が漂白液と同様全カチオンの50%以下、好ましくは20%
以下にすることが好ましい実施態様であり、若干ではあ
るがステイン防止に効果がある。
これら定着剤の他に更に定着液及び漂白定着液には、
亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモ
ニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ
重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重
亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩や硼酸、硼砂、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢酸
ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種の塩から成る
pH緩衝液を単独あるいは2種以上含むことができる。
更にアルカリハライドまたはアンモニウムハライド、
例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を多量に含有
させることが望ましい。また硼酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、燐酸塩等のpH緩衝剤、アルキルアミン類、ポリ
エチレンオキサイド類等の通常定着液及び漂白定着液に
添加することが知られているものを適宜添加することが
できる。
前記定着剤は定着剤として処理液1当り0.1モル以
上で用いられ、本発明の目的の効果の点から好ましくは
0.3モル〜4モルの範囲、特に好ましくは0.5〜3.0モル
の範囲とりわけ特に好ましくは0.6〜2.0モルの範囲で用
いられる。
本発明においては漂白液又は漂白定着液の活性度を高
める為に処理浴中及び処理補充液貯蔵タンク内で所望に
より空気の吹き込み、又は酸素の吹き込みを行ってよ
く、あるいは適当な酸化剤、例えば過酸化水素、臭素酸
塩、過硫酸塩等を適宜添加してもよい。
本発明の方法を実施する際には、定着液又は漂白定着
液から公知の方法で銀回収してもよい。例えば電気分解
法(仏国特許2,299,667号明細書記載)、沈澱法(特開
昭52−73037号公報記載、独国特許2,331,220号明細書記
載)、イオン交換法(特開昭51−17114号公報記載、独
国特許2,548,237号明細書記載)及び金属置換法(英国
特許1,353,805号明細書記載)等が有効に利用できる。
これら銀回収はタンク液中からインラインで銀回収す
ると、迅速処理適性がさらに良好となるため、特に好ま
しいが、オーバーフロー廃液から銀回収し、再生利用し
てもよい。
本発明に係わる定着液及び漂白定着液はその補充量が
感光材料1m2当り800ml以下の際に、本発明の目的の効
果をより良好に奏する。とりわけ感光材料1m2当り20ml
〜650ml、とりわけ特に30ml〜400mlの際に良好な結果を
得る。
また、漂白時間は任意に選択できるが、本発明の目的
の効果の点からとりわけ1分30秒以下が好ましく、特に
10秒〜70秒、とりわけ特に20秒〜55秒が好ましい。
定着能を有する処理液の処理時間は、任意に選択でき
るが、本発明の目的の効果の点から好ましくは3分10秒
以下であり、特に好ましくは10秒〜2分40秒の範囲であ
り、とりわけ好ましくは20秒〜2分10秒の範囲である。
又、本発明の目的の効果の点から発色現像液槽と漂白
液槽間のクロスオーバー時間は好ましくは10秒以内、特
に好ましくは7秒以内であることが本発明を実施する上
で好ましい態様である。
本発明の処理方法においては、漂白液、定着液又は漂
白定着液に強制的液攪拌を付与することが好ましい。こ
の理由は本発明の目的の効果をより良好に奏するのみな
らず、迅速処理適性の観点からである。
ここに強制的液攪拌とは、通常の液の拡散移動ではな
く、攪拌手段を付加して強制的に攪拌することを意味す
る。
強制的攪拌手段としては、以下の方法が挙げられる。
1.高圧スプレー処理法又は吹きつけ攪拌法 2.エアーバブリング処理法 3.超音波発振処理法 4.バイブレーション処理法 高圧スプレー処理法とは、吐出圧力0.1kg/cm2以上の
圧力をかけてスプレーノズルから処理液を直接処理液中
で感光材料に吹きつけて処理を行う方式を指し、吹きつ
け攪拌法とは、ノズルから吐出出力0.1kg/cm2以上の圧
力をかけて処理液を直接処理液中で、感光材料に吹きつ
けて処理を行う方式を指し、圧力源としては一般に圧力
ポンプや送液ポンプが用いられる。圧力ポンプには、プ
ランジャーポンプ、ギヤーポンプ、マグネットポンプ、
カスケードポンプがあり、例えば丸山製作所製の15−LP
M型、10−BFM型、20−BFM型、25−BFM型等がその一例と
して知られている。
また送液ポンプとしては例えば、イワキ社製のMD−30
型、MO−56型、MDH−25型、MDK−32型等がある。
一方、ノズル及びスプレーノズルには、直進型、扇
型、円型、全面型、円環型等があって、衝撃力が強く、
処理される感光材料に微振動を与えるほど効果がある。
スプレーの衝撃力は主として流量(l/min)とスプレー
圧力(kg/cm2)によって決定される。従って、攪拌の効
果を充分に発揮するようスプレーノズルの数に比例して
圧力が調整できる加圧装置が必要とされる。最も好まし
い圧力は0.3〜10kg/cm2で、これより小さいと効果が得
られず、大き過ぎると感光材料に傷をつけたり破損した
りすることがある。
次に、エアーバブリング処理法とは、処理液槽の下部
搬送ローラーの底部にスパージャーを設置し、スパージ
ャーに空気又は不活性ガスを送り、その口から吐出され
た気泡によって感光材料を振動させ、さらに感光材料の
表面、裏面、サイド面に処理液を効果的に接触させる方
法である。
スパージャーの材質としては、硬質塩化ビニル、ポリ
エチレンでコートしたステンレス、焼結金属等の如き耐
腐蝕性のものが適し、また穿孔直径は吐出された気泡が
2ミリから30ミリになるように穿孔し、これを5ミリか
ら15ミリになるようにすれば更によい結果が得られる。
空気又は不活性ガスを送る方法としてはエアーコンプレ
ッサー、例えば日立製作所製のベビコン(0.4KW、BU7T
L)や、エアーポンプ、例えばイワキ社製エアーポンプ
(Ap220型)等が挙げられる。ガス量としては、自動現
像機の搬送1ラック当り2l/minから30l/minが好まし
く、5l/minから20l/minでは更に好ましい結果が得られ
る。そして処理液槽の大きさ、感光材料の量によってガ
ス量を調整しなければならないが、気泡による感光材料
の振動幅が0.2mmから20mmになるようにガス(不活性ガ
ス又は空気)を送ることが好ましい。
次に超音波発振法とは、自動現像機の処理液槽内の底
部または側壁の空間に超音波発振機を設置して感光材料
に超音波を照射して攪拌の効果を高める方法である。超
音波発振機としては、例えば超音波工業社製の磁歪型ニ
ッケル振動子(ホーン型)、磁歪型フェライト振動子
(振動板)及び磁歪型チタン酸バリウム振動子(ホルダ
型)等が用いられる。
超音波発振機の振動子周波数としては、5〜1000KHz
のものが用いられるが、特に10〜50KHzのものが、攪拌
効率及び自動現像機の機材の損傷防止の点でも好まし
い。超音波の感光材料への照射方法としては、感光材料
に直接照射させても反射板を設けて間接的に照射させて
もよいが、照射距離に比例して超音波が減衰するので、
直接照射させる方が好ましい。照射時間は少なくとも1
秒以上がよい。部分的に照射させる場合は、処理工程の
初期段階、中期段階、後期段階いずれでもよい。
さらにバイブレーション処理法とは、自動現像機処理
液槽中の上部ローラーと下部ローラーの中間で、感光材
料に振動を与えて効果的に攪拌を行う方法である。振動
源のバイブレーターとしては、例えば神鋼電機社製のV
−2B、V−4B型等が一般に使用される。バイブレーター
の設置方法は自動現像機の浸漬処理槽の上部にバイブレ
ーターを固定し、振動子を感光材料の裏側からあてるよ
うに設置する。振動子の振動数は100〜10000回/minが好
ましい。最も好ましい範囲は500〜6000回/minである。
処理される感光材料の振幅は0.2mm〜30mmが好ましく、
好ましくは1mm〜20mmである。これ以上低いと効果がな
く、また大き過ぎると感光材料に傷がついたりする。振
動子の設置数は自動現像機の大きさによって異なるが、
処理槽が多槽からなる場合には、最低処理槽の一槽毎に
1ヶ所以上設置すれば好ましい効果が得られる。
本発明においては、発色現像液でハロゲン化銀カラー
写真感光材料を処理する時間は210秒以下10秒以上が好
ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
において、発色現像液は、芳香族第1級アミン系発色現
像液主薬を該処理液1当り好ましくは5.0×10-3モル
以上含む発色現像法である。更に好ましくは1.0×10-2
モル以上であり、更に好ましくは1.2×10-2〜2×10-1
モルの現像主薬を含有する発色現像液がよい。
以下、本発明において好ましく用いることができる発
色現像液の発色現像主薬について説明する。
上記好ましい発色現像液に用いられる芳香族第1級ア
ミン系発色現像主薬は、種々のカラー写真プロセスにお
いて広範囲に使用されている公知のものが含有される。
これらの現像剤にアミノフェノール系およびp−フェニ
レンジアミン系誘導体が含まれる。これらの化合物は遊
離状態より安定のため一般的に塩の形、例えば塩酸塩ま
たは硫酸塩の形で使用される。アミノフェノール系現像
剤としては例えば、o−アミンフェノール、p−アミノ
フェノール、5−アミノ−2−オキシ−トルエン、2−
アミノ−3−オキシ−トルエン、2−オキシ−3−アミ
ノ−1,4−ジメチル−ベンゼン等が含まれる。
本発明においては、目的の効果をより良好に奏し、か
つ自動現像機の漂白槽内壁への結晶析出性が改良される
ため本発明において、特に有用な芳香族第1級アミン発
色現像剤は少なくとも1つの水溶性基を有するアミノ基
を有した芳香族第1級アミン発色現像剤であり、特に好
ましくは下記一般式〔E〕で示される化合物である。
一般式〔E〕 式中、R1は水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基
を表し、該アルキル基は直鎖または分岐の炭素数1〜5
のアルキル基を表し、置換基を有していてもよい。
R2およびR3は水素原子またはアルキル基またはアリー
ル基を表すが、これらの基は置換基を有していてもよ
い。そしてR2およびR3の少なくとも1つは水酸基、カル
ボン酸基、スルホン酸基、アミノ基、スルホンアミド基
等の水溶性基が置換したアルキル基または(CH2 q
pR4である。このアルキル基は更に置換基を有してい
てもよい。
尚、R4は水素原子またはアルキル基を表し、アルキル
基としては直鎖または分岐の炭素数1〜5のアルキル基
を表し、pおよびqは1〜5の整数を表す。
次に上記一般式〔E〕で示される化合物を挙げるが、
これらに限定されるものではない。
(例示化合物) これら一般式〔E〕で示されるp−フェニレンジアミ
ン誘導体は有機酸および無機酸の塩として用いることが
でき、例えば塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、p−トルエンス
ルホン酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、ベンゼンジスルホ
ン酸塩等を用いることができる。
本発明においては上記一般式〔E〕で示されるp−フ
ェニレンジアミン誘導体の中でもE−1及びE−2が最
も好ましく用いられ本発明の効果が顕著に表われる。
本発明に用いる発色現像液に使用する保恒剤として亜
硫酸塩があり、亜硫酸塩としては亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリ
ウム等があり、亜硫酸塩は1.0×10-2モル/l以下、好ま
しくは5.0×10-3モル/l以下、特に好ましくは0であ
る。
更に亜硫酸塩以外の保恒剤としては、ヒドロキシルア
ミン及び特開昭63−146043号、同63−146042号、同63−
146041号、同63−146040号、同63−135938号、同63−11
8748号記載のヒドロキシルアミン誘導体及び特開昭64−
62639号記載のヒドロキサム酸類、ヒドラジン類、ヒド
ラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α
−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、
4級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコ
ール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン
類などが有機保恒剤として好ましく用いられる。
特に、ヒドロキシルアミン以外の有機保恒剤、特にア
ルキル置換されたヒドロキシルアミン誘導体及びヒドラ
ジン類が好ましく用いられる。
更に上記発色現像液に好ましく用いられる現像抑制剤
としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム等の
ハロゲン化物の他、有機抑制剤があり、それらの添加量
は0.005〜30g/lの範囲で使用することが好ましく、更に
好ましくは0.01〜20g/lの範囲である。
本発明の実施の際に好ましく用いられる上記有機抑制
剤としては、含窒素複素環化合物、メルカプト基を含有
する化合物、芳香族化合物、オニウム化合物及び置換基
に沃素原子を有する化合物等を挙げることができる。
本発明の処理方法における別なる好ましい態様の一つ
として本発明に係わる発色現像液のオーバーフロー液の
一部または全部を、つづく工程である漂白液に流入させ
る方法が挙げられる。これは、漂白液に本発明に係わる
発色現像液を一定量流入させると、漂白液中のスラッジ
の発生が抑えられるためである。
さらに、上記方式に加えて後工程の安定液のオーバー
フロー液の一部又は全部を漂白定着液ないし定着液に流
し込む際に、銀回収効率が向上する効果を奏する。
本発明の処理方法に用いられる感光材料のハロゲン化
銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀粒子は、塩化銀が98
モル%以上であることが必要である。また、本発明の総
塗布銀量は3〜12g/m2の範囲が必須で、好ましくは4〜
9g/m2の範囲である。
塩化銀以外の構成要素は臭化銀又は沃化銀が好まし
く、ハロゲン化銀乳剤としては、塩臭化銀、塩化銀及び
塩沃臭化銀を包含する。
本発明のハロゲン化銀乳剤が塩臭化銀もしくは塩沃臭
化銀の如き固溶体結晶からなる場合、臭化銀又は沃化銀
がハロゲン化銀粒子結晶の特定部位に局在しているもの
が好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子が塩臭化銀である場合、臭
化銀がハロゲン化銀結晶の頂点又はその近傍に局在する
ことが好ましい。このようなハロゲン化銀粒子は塩化銀
又は塩臭化銀粒子結晶上に増感色素又は抑制剤を吸着さ
せた後、臭化銀微粒子を添加して熟成するか、水溶性の
臭化物の溶液を添加してハロゲン置換することによって
得ることができる。
さらにハロゲン化銀粒子が塩沃臭化銀である場合、沃
化銀は粒子内部に局在したものであることが好ましい。
粒子内部に沃化銀を局在させたハロゲン化銀乳剤は沃
化銀を含有したコア上に塩化銀もしくは塩臭化銀を沈着
させることにより得ることができる。塩化銀もしくは塩
臭化銀の沈着に際しては、ダブルジェット法やオストワ
ルド熟成法などの公知のハロゲン化銀結晶の成長方法が
用い得る。
コアは沃化銀含有率が10モル%以上であることが好ま
しく、より好ましくは15乃至40モル%である。
コアとしては沃臭化銀であることが好ましい。
上記のハロゲン化銀乳剤は、特開昭64−6941号、同64
−26839号及び特開平1−121848号、同1−138550号公
報に記載の方法などで作ることができる。
本発明に係わるハロゲン化銀粒子が沃化銀を含有する
場合、粒子全体に対する含有率は20モル%以下が好まし
く、12モル%以下がより好ましく、0乃至5モル%が特
に好ましい。
本発明に係わるハロゲン化銀粒子は立方体、14面体、
8面体のような正常晶でもよく、平板状のような双晶で
もよい。結晶の形状は混合時のpAg、pHなどを適宜選択
することによりコントロールできる。又、8面体や平板
状の粒子は例えば特開昭58−11935号、同58−11936号、
同58−11937号、同58−108528号、同62−163046号、同6
3−41845号及び同63−212932号公報等に見られるように
ハロゲン化銀粒子に吸着性の増感色素又は抑制剤などの
存在下で結晶成長させることによって得ることができ
る。
本発明に係わるハロゲン化銀粒子は平均粒径が0.05乃
至10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1乃
至5μm、特に好ましくは0.2乃至3μmである。
本発明に係わるハロゲン化銀粒子は本発明の効果を損
なわない範囲で他のハロゲン化銀粒子を混合して用いる
ことができる。このとき本発明に係わるハロゲン化銀粒
子が重量で30%以上であることが好ましく、より好まし
くは50%以上、特に80%以上であることが好ましい。
ハロゲン化銀粒子内のハロゲンの局在はX線回析法
や、樹脂中に分散させたハロゲン化銀粒子の切片をX線
マイクロアナリシス法によって調べることによって確認
できる。
本発明に係わるハロゲン化銀乳剤は単分散性であるこ
とが好ましい。
本発明において、単分散性とは、平均粒径を中心に
±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重量が全ハ
ロゲン化銀重量の70%以上であるものを言い、好ましく
は80%以上、更に好ましくは90%以上である。
ここに平均粒径は、粒径d1を有する粒子の頻度n1
d1 3との積n1×d1 3が最大になるときの粒径d1と定義す
る。(有効数字3桁、最小桁数字は4捨5入する) ここで言う粒径とは、粒子の投影像を同面積の円像に
換算したときの直径である。
粒径は、例えば該粒子を平らな試料台上に重ならない
よう分散させ、電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して
撮影し、そのプリント上の粒子直径又は投影時の面積を
実測することによって得ることができる。(測定粒子個
数は無差別に1000個以上あることとする)。
本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は、 によって定義した分布の広さが20%以下のものであり、
更に好ましくは15%以下のものである。
ここに粒径測定方法は前述の測定方法に従うものと
し、平均粒径は算術平均とする。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
本発明のハロゲン化銀乳剤以外のハロゲン化銀乳剤は、
リサーチ・ディスクロジャ308119(以下RD308119と略
す)に記載されているものを用いることができる。下表
に記載箇所を示す。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化
学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このよう
な工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロジ
ャNo.17643,No.18716及びNo.308119(それぞれ、以下RD
17643,RD18716及びRD308119と略す)に記載されてい
る。
下表に記載箇所を示す。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサー
チ・ディスクロジャに記載されている。下表に関連のあ
る記載箇所を示す。
本発明には種々のカプラーを使用することができ、そ
の具体例は、上記リサーチ・ディスクロジャに記載され
ている。下表に関連ある記載箇所を示す。
本発明に使用する添加剤は、RD308119XIVに記載され
ている分散法などにより、添加することができる。
本発明においては、前述RD17643 28頁、RD18716647〜
8頁及びRD308119のXIXに記載させている支持体を使用
することができる。
本発明の感光材料には、前述RD308119VII−K項に記
載されているフィルタ層や中間層等の補助層を設けるこ
とができる。
本発明の感光材料は、前述RD308119VII−K項に記載
されている順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成
をとることができる。
本発明においては、下記一般式〔M−1〕で示される
マゼンタカプラーを用いる際には本発明の目的の効果を
より良好に奏する。
で表されるマゼンタカプラーにおいて、Zは含窒素複素
環を形成するに必要な非金属原子群を表し、該Zにより
形成される環は置換基を有してもよい。
Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応によ
り離脱しうる基を表す。
またRは水素原子又は置換基を表す。
Rの表す置換基としては特に制限はないが、代表的に
は、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、ス
ルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニ
ル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他に
ハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素
環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、
カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、
アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イ
ミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカ
ルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素
環チオの各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水
素化合物残基等も挙げられる。
Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のも
のが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。
Rで表されるアリール基としては、フェニル基が好ま
しい。
Rで表されるアシルアミノ基としては、アルキルカル
ボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げ
られる。
Rで表されるスルホンアミド基としては、アルキルス
ルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙
げられる。
Rで表されるアルキルチオ基、アリールチオ基におけ
るアルキル成分、アリール成分は上記Rで表されるアル
キル基、アリール基が挙げられる。
Rで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜32の
もの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐で
もよい。
Rで表されるシクロアルケニル基としては、炭素数3
〜12、特に5〜7のものが好ましい。
Rで表されるスルホニル基としてはアルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基等; スルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基等; ホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコ
キシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリ
ールホスホニル基等; アシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカ
ルボニル基等; カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、ア
リールカルバモイル基等; スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基等; アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ
基、アリールカルボニルオキシ基等; カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイル
オキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等; ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等; スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモ
イルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等; 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的
には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するも
のが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール
−6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシ
ルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド
基等; スピロ化合物残基としてはスピロ[3,3]ヘプタン−
1−イル等; 有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン
−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。
Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し
うる基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、
複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、
アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、 (R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義であ
り、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキル基
又は複素環基を表す。)等の各基が挙げられるが、好ま
しくはハロゲン原子、特に塩素原子である。
またZ又はZ′により形成される含窒素複素環として
は、ピラゾール類、イミダゾール類、トリアゾール環又
はテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有してもよい
置換基としては前記Rについて述べたものが挙げられ
る。
一般式〔M−1〕で表されるものは更に具体的には例
えば下記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕により表され
る。
前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕においてR1〜R8
及びXは前記R及びXと同義である。
又、一般式〔M−I〕の中でも好ましいのは、下記一
般式〔M−VIII〕で表されるものである。
式中、R1,X及びZ1は一般式〔M−I〕におけるR,X及
びZと同義である。
前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕で表されるマゼ
ンタカプラーの中で特に好ましいものは一般式〔M−I
I〕で表されるマゼンタカプラーである。
一般式〔M−I〕におけるZにより形成される環及び
一般式〔M−VIII〕におけるZ1により形成される環が有
していてもよい置換基、並びに一般式〔M−II〕〜〔M
−VI〕におけるR2〜R8としては下記一般式〔M−IX〕で
表されるものが好ましい。
一般式〔M−IX〕 −R1−SO2−R2 式中、R1はアルキレン基を、R2はアルキル基、シクロ
アルキル基又アリール基を表す。
R1で示されるアルキレン基は好ましくは直鎖部分の炭
素数が2以上、より好ましくは3ないし6であり、直
鎖,分岐を問わない。
R2で示されるシクロアルキル基としては5〜6員のも
のが好ましい。
又、陽画像形成に用いる場合、前記複素環上の置換基
R及びR1として最も好ましいのは、下記一般式〔M−
X〕により表されるものである。
式中、R9,R10及びR11はそれぞれ前記Rと同義であ
る。
又、前記R9,R10及びR11の中の2つ例えばR9とR10
結合して飽和又不飽和の環(例えばシクロアルカン、シ
クロアルケン、複素環)を形成してもよく、更に該環に
R11が結合して有橋炭化水素化合物残基を構成してもよ
い。
一般式〔M−X〕の中でも好ましいのは、(i)R9
R11の中の少なくとも2つがアルキル基の場合、(ii)R
9〜R11の中の1つ例えばR11が水素原子であって、他の
2つR9とR10が結合して根元炭素原子と共にシクロアル
キルを形成する場合、である。
更に(i)の中でも好ましいのは、R9〜R11の中の2
つがアルキル基であって、他の1つが水素原子又アルキ
ル基の場合である。
又、陰画像形成に用いる場合、前記複素環上の置換基
R及びR1として最も好ましいのは、下記一般式〔M−X
I〕により表されるものである。
一般式〔M−XI〕 R12−CH2− 式、中R12は前記Rと同義である。
R12として好ましいのは、水素原子又アルキル基であ
る。
以下に本発明に係る化合物の代表的具体例を示す。
以上の本発明に係る化合物の代表的具体例の他に、本
発明に係る化合物の具体例としては特開昭62−166339号
明細書の(18)頁〜(32)頁に記載されている化合物の
中で、No.1〜4,6,8〜17,19〜24,26〜43,45〜59,61〜10
4,106〜121,123〜162,164〜223で示される化合物を挙げ
ることができる。
又、前記カプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル
・ソサイアティ(Journal of the Chemical Societ
y),パーキン(Perkin)I(1977),2047〜2052、米国
特許3,725,067号、特開昭59−99437号、同58−42045
号、同59−162548号、同59−171956号、同60−33552
号、同60−43659号、同60−172982号、同60−190779
号、62−209457号及び同63−307453号等を参考にして合
成することができる。
本発明のカプラーは通常ハロゲン化銀1モル当たり1
×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10
-1モル範囲で用いることができる。
又、本発明のカプラーは他の種類のマゼンタカプラー
と併用することもできる。
本発明は、一般用もしくは映画用のカラーネガフィル
ム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルタ
等のカラー写真感光材料に適用することができる。
[実施例] 以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下のすべての実施例において、ハロゲン化銀写真感
光材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのグラ
ム数を示す。また、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換
算して示した。増感色素は、銀1モル当りのモル数で示
した。
実施例1 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
層カラー写真感光材料試料1を作成した。
試料−1(比較) 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.14 UV吸収剤(UV−1) 0.18 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 〃 (Oil−2) 0.20 ゼラチン 1.5 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.2 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 塩臭化銀乳剤 0.9 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 〃 (S−2) 3.2×10-4( 〃 ) 〃 (S−3) 0.2×10-4( 〃 ) シアンカプラー(C−1) 0.48 〃 (C−2) 0.15 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07 DIR化合物(D−1) 0.006 〃 (D−2) 0.01 高沸点溶媒(Oil−1) 0.52 ゼラチン 0.95 第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H) 塩臭化銀乳剤 0.8 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 〃 (S−2) 1.6×10-4( 〃 ) 〃 (S−3) 0.1×10-4( 〃 ) シアンカプラー(C−2) 0.22 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03 DIR化合物(D−2) 0.02 高沸点溶媒(Oil−1) 0.24 ゼラチン 0.9 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 第6層;低感度緑感性乳剤層(G−L) 塩臭化銀乳剤 0.8 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 〃 (S−5) 0.8×10-4( 〃 ) マゼンタカプラー(M−1) 0.18 〃 (M−2) 0.45 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10 DIR化合物(D−3) 0.02 高沸点溶媒(Oil−2) 0.65 ゼラチン 1.0 第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H) 塩臭化銀乳剤 0.8 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 〃 (S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 〃 (S−8) 0.3×10-4( 〃 ) マゼンタカプラー(M−1) 0.03 〃 (M−2) 0.15 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 DIR化合物(D−3) 0.008 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35 ゼラチン 0.9 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1 添加剤(HS−1) 0.07 〃 (HS−2) 0.07 〃 (SC−3) 0.12 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 ゼラチン 1.0 第9層;低感度青感性乳剤層(B−L) 塩臭化銀乳剤 0.5 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.58 〃 (Y−2) 0.34 DIR化合物(D−1) 0.003 〃 (D−2) 0.006 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 ゼラチン 1.2 第10層,高感度青感性乳剤層(B−H) 塩臭化銀乳剤 0.45 増感色素(S−10) 3.0×10-4(モル/銀1モル) 〃 (S−11) 1.2×10-4( 〃 ) イエローカプラー(Y−1) 0.18 〃 (Y−2) 0.10 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05 ゼラチン 0.9 第11層;第1保護層(PRO−1) 塩臭化銀乳剤 0.4 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 〃 (UV−2) 0.1 添加剤(HS−1) 0.2 〃 (HS−2) 0.1 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 〃 (Oil−3) 0.07 ゼラチン 0.8 第12層;第2保護層(PRO−2) アルカリで可溶性のマット化剤(平均粒径2μm)0.13
ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02 ゼラチン 0.5 尚、各層には、上記組成物の他に塗布助剤SU−2、分
散助剤SU−1、硬幕剤H−1,H−2、染料AI−1,AI−2
を適宜添加した。
また、上記試料中に使用した乳剤は下記表1記載のも
のである。いずれも単分散性の乳剤である。
また、この様にして作成されたカラーネガフィルム試
料の総塗布銀量(各乳剤層総計)は4.89g/m2であった。
下記表1に示す様に、総塗布銀量を変化させたが、こ
の際の各乳剤層の各々の塗布銀量は、前記総塗布銀量4.
89g/m2のカラーネガフィルム試料の各層に塗設された銀
量と比率を同じになる様にして、各総塗布銀量を変化さ
せ、実験用試料を作成した。
このようにして得られた試料に白色光のウェッジ露光
を与えた後、次に示す現像処理を行ない、センシトメト
リー評価を行った。
ただし、安定化処理は3槽カウンターカレントで行
い、安定化液の最終槽に補充され、その前槽にオーバフ
ローが流入する方式で行った。
また、定着処理は2槽カウンターカレントで行い、定
着槽の最終槽に補充した。
更に、定着槽に続く安定化槽のオーバフローの一部
(275ml/m2)を定着槽に流し込んだ。
使用した発色現像液の組成は次の通りである。
[発色現像液] 臭化カリウム 15mg 塩化カリウム 5.0g 亜硫酸カリウム 0.4g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタ
ンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩 5.8g ジエチルヒドロキシルアミン 5.0g 炭酸カリウム 30g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 2.5g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.0g ニトリロトリ(メチレンホスホン酸) 2.0g ヒドラジノジ酢酸 2.0g 水で1に仕上げ水酸化カリウムまたは50%硫酸でpH1
0.05に調整した。
[発色現像補充液] 塩化カリウム 0.2g 亜硫酸カリウム 0.9g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタ
ンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩 8.0g ジエチルヒドロキシルアミン 7.0g 炭酸カリウム 32g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 3.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.5g ニトリロトリ(メチレンホスホン酸) 2.5g ヒドラジノジ酢酸 2.5g 水で1に仕上げ水酸化カリウムまたは50%硫酸でpH1
0.40に調整した。
使用した漂白液の組成は、次の通りである。
有機酸第2鉄錯塩(表1に記載) 0.35モル 臭化カリウム又は臭化アンモニウム 1.5モル 氷酢酸 40ml エチレンジアミン四酢酸 10g 水を加えて1とし、アンモニア水又は氷酢酸を用い
て、pHを4.5にに適宜調整し、かつ臭化カリウム及び臭
化アンモニウムの比率を適宜調整して、漂白液中の全カ
チオンに対するアンモニウム塩の比率を下記表1に示す
様に変化させた。
使用した漂白補充液の組成は、次の通りである。
有機酸第2鉄錯塩(表1に記載) 0.40モル 臭化カリウム又は臭化アンモニウム 1.7モル 氷酢酸 60ml エチレンジアミン四酢酸 12g 水を加えて1とし、アンモニア水又は氷酢酸を用い
て、pHを3.5にし、かつ漂白タンク液中の全カチオンに
対するアンモニウム塩の比率を表1に示す如くになる様
に適宜調整した。
使用した定着液及び定着補充液の組成は次の通りであ
る。
チオ硫酸アンモニウム 100g チオシアン酸アンモニウム 150g 無水重亜硫酸ナトリウム 20g メタ重亜硫酸ナトリウム 4.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム 1.0g 水を加えて1とし、氷酢酸とアンモニア水を用いて
pH6.5に調整する。
使用した安定化液及び安定化補充液の組成は次の通り
である。
水を加えて1とし、水酸化カリウム及び50%硫酸を
用いてpH7.0に調整した。
上記の如くにして作成したカラーネガフィルム試料
と、処理液を用いてランニングテストを行なった。ラン
ニング処理は補充される漂白補充液の総量が漂白タンク
容量の3倍になるまで連続的に行なわれた。ランニング
処理終了後、漂白タンク槽器壁部のタール付着状況を観
察した。
さらに、ランニングテスト終了時に処理されたフィル
ム試料の未露光部透過グリーン濃度及び最高濃度部透過
レッド濃度を測定し、さらにニュートラルグレー(B,G,
R共に濃度がカブリ濃度+1.0になる様露光したもの)に
露光した部分に発生するムラ状カブリを観察した。結果
をまとめて表1に示す。
表中、EDTA・Feはエチレンジアミン四酢酸第2鉄ナト
リウム塩、NTA・Feはニトリロ三酢酸第2鉄ナトリウム
塩、CyDTA・Feは1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸第
2鉄ナトリウム塩、EDTMP・Feはエチレンジアミンテト
ラメチレンホスホン酸第2鉄ナトリウム塩、NTMP・Feは
ニトリロトリメチレンホスホン酸第2鉄ナトリウム塩、
(A−1)・Feは(A−1)の第2鉄ナトリウム塩を意
味する。(A−4)・Fe、(A−5)・Fe及び(A−
9)・Feも同様にそれぞれ(A−4)、(A−5)及び
(A−9)の第2鉄ナトリウム塩を意味する。
さらに、表中○はタールの発生が全くないこと、△は
若干の発生があること、×はタールの発生が明らかに認
められること、×の数が多い程その程度が著しいことを
意味する。
上記表より、総塗布銀量が3〜12g/m2で、かつ塩化銀
含有率が98モル%以上の感光材料を、アンモニウムイオ
ンが全カチオンの20モル%以下でかつ前記一般式[A]
で示される有機酸の第2鉄錯塩を含有する漂白液で処理
する際に、タールの発生もなく、また未露光部のカブリ
や、ニュートラルグレー部のムラ状カブリもなく良好な
処理を与えることが判る。
実施例2 実施例1の実験No.1−6で作成したランニングテスト
終了後の漂白液のpHを下記表2の如く変化させて、他は
同様にして実験を行なった。結果をまとめて表2に示
す。
上記中の○ないし×は前記表1と同義である。
上記表2より、本発明において、漂白液のpHが2.5〜
5.5の範囲でより良好な結果を与え、さらにpH3.0〜5.0
の範囲がより好ましい結果を与えることが判る。
実施例3 実施例1で作成したカラーネガフィルム試料中のマゼ
ンタカプラー(M−2)を、前記一般式(M−1)で示
されるマゼンタカプラー、具体的には例示マゼンタカプ
ラー、1,2,4,10,20,21,31,40,60,63,64,74,76及び81に
それぞれ変更して、他は実施例1と同じ実験を行なっ
た。その結果、未露光部グリーン透過濃度及びニュート
ラルグレー部のムラ状カブリがそれぞれ20〜30%改良さ
れた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化
    銀粒子の少なくとも98モル%が塩化銀であり、かつ総塗
    布銀量が3〜12g/m2であるハロゲン化銀カラー写真感光
    材料をアンモニウムイオンが全カチオンの20モル%以下
    であって、pHが2.0〜5.5であり、かつ下記一般式[A]
    で示される化合物の第2鉄錯塩を含有する漂白液で処理
    し、かつ該漂白液の補充量が50〜250ml/m2であることを
    特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
    法。 一般式[A] [式中、A1〜A4はそれぞれ同一でも異ってもよく、−CH
    2OH、−COOM又は−PO3M1M2を表す。M、M1、M2はそれぞ
    れ水素原子、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムを
    表す。Xは炭素数2〜5の置換、未置換のアルキレン基
    を表し、分岐部分を含む炭素数の合計が3以上である。
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