JP2867845B2 - 繊維補強セメント系複合材料の製造方法 - Google Patents

繊維補強セメント系複合材料の製造方法

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JP2867845B2 JP21168993A JP21168993A JP2867845B2 JP 2867845 B2 JP2867845 B2 JP 2867845B2 JP 21168993 A JP21168993 A JP 21168993A JP 21168993 A JP21168993 A JP 21168993A JP 2867845 B2 JP2867845 B2 JP 2867845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維補強セメント系複
合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、予め鋼繊維(SF)を型枠中に敷
設し、そこにセメントスラリーを含浸させて鋼繊維補強
コンクリート(SFRC)を形成する方法が実用化され
ている。予め練り混ぜを行う普通の鋼繊維補強コンクリ
ートの場合には、繊維の混入量は容積比2%が限度であ
るが、上記の方法によると、SFRC合成物の鋼繊維混
合比を容積比で18%まで上げることが可能であるとさ
れている。
【0003】一方、鋼繊維に比べ引張強さが大きい高強
度繊維(炭素繊維CF,アラミド繊維AF,ビニロン繊
維VF等)を扱うことも試みられ、鋼繊維の場合と同様
に、高強度繊維とモルタル(コンクリート)とを混ぜ合
わせるため、振動を型枠にかけている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炭素繊維C
F,アラミド繊維AF,ビニロン繊維VFといった高強
度繊維の場合には、後記の表1から分かるように、セメ
ントマトリックスよりも比重が小さい。このため、図5
に示すように、高強度繊維2とモルタル(コンクリー
ト)3との混ぜ合わせに際し、型枠1にかける振動によ
って、比重の軽い高強度繊維2は上層に浮き上がってし
まう。
【0005】このため、得られた繊維補強セメント系複
合材料たるセメント製品10については、鋼繊維よりも
引張強度は大きいが、図6に示すように、部材が曲げモ
ーメントを受けた場合、引張応力側でクラック11が生
ずる等、繊維による有効な補強効果が得られないという
欠点があった。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、セメントスラリー含浸の際の振動によって繊維が浮
き上がるのを抑さえ、引張応力側で繊維による補強作用
を有効に発揮させ得る繊維補強セメント系複合材料の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による繊維補強セメント系複合材料の製造方
法は、繊維補強セメント系複合材料の製造に際し、セメ
ント系マトリックスよりも比重の軽い繊維を型枠の下層
部に敷設し、該セメント系マトリックスよりも比重の重
い繊維をその上に敷設した後、セメントスラリー若しく
はモルタル等の該セメント系マトリックスを該型枠内に
流し込みまたは注入し、該型枠に振動を与えて、該セメ
ント系マトリックスをこれら繊維に含浸させるものであ
る(請求項1)。
【0008】上記セメント系マトリックスよりも比重の
軽い繊維を高強度繊維とし、また上記セメント系マトリ
ックスよりも比重の重い繊維を鋼繊維として、これら高
強度繊維と鋼繊維は、高強度繊維を短繊維又はメッシュ
繊維の形態で敷設し、鋼繊維を短繊維又はメッシュ繊維
の形態で敷設する形態の組み合わせとすることができる
(請求項2及び請求項3)。
【0009】
【作用】請求項1〜3で取り扱う高強度繊維は、鋼繊維
SFに比べて引張り強さが大きいもの、例えば炭素繊維
CF,アラミド繊維AF,ビニロン繊維VF等であり、
これらはセメント系マトリックスよりも比重が小さい
(表1参照)。一方、鋼繊維SFはセメント系マトリッ
クスよりも比重が大きい。
【0010】この比重差の関係から、高強度繊維は鋼繊
維により抑さえられ、セメントスラリー含浸時に型枠に
振動を与えても、振動によって高強度繊維が浮き上がっ
て来ない。従って、得られる繊維補強セメント系複合材
料は、その部材の引張り側表層部近くにも高強度繊維が
充分に分散されており、その部材表層部に引張応力が作
用した際の繊維による補強効果を著しく向上させる。ま
た、補強材として性質の異なる2種類の繊維を利用して
いることから、ハイブリッド効果が得られる。
【0011】繊維の利用形態としては、請求項2または
3の如く、高強度繊維及び鋼繊維共に、短繊維あるいは
長繊維として利用することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。 (実施例1)図1に示すように、成形に際してまず、炭
素繊維CF,アラミド繊維AF,ビニロン繊維VF等の
高強度繊維2から成る短繊維21を、型枠1の下層部に
敷設して、その上に鋼繊維4から成る短繊維41を敷設
した後、セメントスラリー若しくはモルタル(セメン
ト)3を型枠1内に流し込みまたは注入して、型枠1に
振動を与えて、繊維等にセメントスラリーを含浸させ
る。
【0013】表1に示すように、高強度繊維2は、セメ
ント系マトリックスよりも比重の小さい繊維であるが、
鋼繊維4はセメント系マトリックスよりも比重が大き
い。このため、このようにすると、セメントスラリー含
浸時に与える振動に対して、浮き上がろうとする高強度
短繊維21は鋼短繊維41により抑さえられ、浮き上が
らなくなる。よって、得られたコンクリート製品10に
おいては、内部で比較的均一に高強度繊維2が分散さ
れ、少くとも図1の下側にも高強度繊維2が存在するの
で、部材の表層部に引張応力が作用した際、繊維による
補強効果が顕著に現われる。従って、上記SFRC合成
物の含浸法を利用し、セメント系マトリックスよりも比
重の小さい高強度繊維で補強したFRCの製造が可能で
ある。
【0014】この製造方法は、補強材として、性質の異
なる2種類の繊維2,4を利用していることから、ハイ
ブリッド効果が得られるものである。また、炭素繊維C
F,アラミド繊維AF,ビニロン繊維VFといった繊維
を利用しているため、鋼繊維SFの場合のように部材の
表面における錆の問題も発生しない。
【0015】
【表1】 上記利点を有する高強度繊維で補強したFRCは、下記
の実施例2〜4の製造方法によっても同様に得られるも
のである。
【0016】(実施例2)図2に示すように、成形に際
してまず、炭素繊維CF,アラミド繊維AF,ビニロン
繊維VF等の高強度繊維2から成る短繊維を、型枠1の
下層部に敷設することは上記と同じであるが、その上に
敷設するのは鋼繊維4から成る短繊維ではなくワイヤメ
ッシュ42の形の長繊維とする。後は上記と同じで、セ
メントスラリー若しくはモルタル(セメント)3を型枠
1内に流し込みまたは注入し、型枠1に振動を与えて、
繊維等にセメントスラリーを含浸させる。
【0017】(実施例3)図3に示すように、成形に際
してまず、炭素繊維CF,アラミド繊維AF,ビニロン
繊維VF等の高強度繊維2を、短繊維ではなく、メッシ
ュ22の形の長繊維として型枠1の下層部に敷設する。
そして、その上に鋼繊維4から成る短繊維41を敷設
し、セメントスラリー若しくはモルタル(セメント)3
を型枠1内に流し込みまたは注入し、型枠1に振動を与
えて、繊維等にセメントスラリーを含浸させる。
【0018】(実施例4)図4に示すように、成形に際
してまず、炭素繊維CF,アラミド繊維AF,ビニロン
繊維VF等の高強度繊維2を、図3の場合と同様に、メ
ッシュ22の形の長繊維として型枠1の下層部に敷設す
る。そして、その上に鋼繊維4から成る長繊維をワイヤ
メッシュ42の形態で敷設し、セメントスラリー若しく
はモルタル(セメント)3を型枠1内に流し込みまたは
注入し、型枠1に振動を与えて、繊維等にセメントスラ
リーを含浸させる。
【0019】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な効果が得られる。 1)セメント系マトリックスに対する比重差の関係か
ら、高強度繊維は鋼繊維により抑さえられ、セメントス
ラリー含浸時に型枠に振動を与えても、振動によって高
強度繊維が浮き上がって来ない。従って、得られる繊維
補強セメント系複合材料は、その部材の引張り側表層部
近くにも高強度繊維が充分に分散されており、その部材
表層部に引張応力が作用した際の繊維による補強効果を
著しく向上させる。
【0020】2)補強材として性質の異なる2種類の繊
維を利用していることから、ハイブリッド効果が得られ
る。
【0021】3)SFRC合成物の含浸法を利用し、セ
メント系マトリックスよりも比重の小さい高強度繊維で
補強したFRCの製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維補強セメント系複合材料の製造方
法の第1の実施例を示す図である。
【図2】本発明の製造方法の第2の実施例を示す図であ
る。
【図3】本発明の製造方法の第3の実施例を示す図であ
る。
【図4】本発明の製造方法の第4の実施例を示す図であ
る。
【図5】従来の繊維補強セメント系複合材料の製造方法
を示す図である。
【図6】従来の繊維補強セメント系複合材料の引張り側
でのクラックを示す図である。
【符号の説明】
1 型枠 2 高強度繊維 3 セメントスラリー若しくはモルタル 4 鋼繊維 10 セメント製品(繊維補強セメント系複合材料) 11 クラック 21 短繊維 22 メッシュ 41 短繊維 42 ワイヤメッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 一房 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−119805(JP,A) 特開 昭64−11805(JP,A) 特開 昭52−152921(JP,A) 特開 昭52−152920(JP,A) 特開 昭51−116815(JP,A) 特開 昭50−37816(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 1/52 C04B 28/02 C04B 14/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維補強セメント系複合材料の製造に際
    し、セメント系マトリックスよりも比重の軽い繊維を型
    枠の下層部に敷設し、該セメント系マトリックスよりも
    比重の重い繊維をその上に敷設した後、セメントスラリ
    ー若しくはモルタル等の該セメント系マトリックスを該
    型枠内に流し込みまたは注入し、該型枠に振動を与え
    て、該セメント系マトリックスをこれら繊維に含浸させ
    ることを特徴とする繊維補強セメント系複合材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記セメント系マトリックスよりも比重
    の軽い繊維が高強度繊維であって、該高強度繊維を短繊
    維又はメッシュ繊維の形態で敷設することを特徴とする
    請求項1記載の繊維補強セメント系複合材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記セメント系マトリックスよりも比重
    の重い繊維が鋼繊維であって、該鋼繊維を短繊維又はメ
    ッシュ繊維の形態で敷設することを特徴とする請求項1
    または2記載の繊維補強セメント系複合材料の製造方
    法。
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JP5536549B2 (ja) * 2010-06-10 2014-07-02 太平洋セメント株式会社 セメント質硬化体
JP2014189988A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Ohbayashi Corp 繊維補強セメントボード、繊維補強セメントボードの製造方法、手摺壁、及び手摺壁の製造方法

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