JP2866516B2 - アクティブマトリックス基板およびその製造方法 - Google Patents

アクティブマトリックス基板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクティブマトリックス
基板およびその製造方法に関し、特にアクティブマトリ
ックス型液晶表示装置などに用いられるアクティブマト
リックス基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクティブマトリックス基板の製
造方法を図3に示す。なお、図3中、40はトランジス
タ部、41はゲート電極取り出し部である。
【0003】まず、同図(a)に示すように、ガラスな
どから成る基板31上に、タンタル(Ta)などから成
る第一の金属層32を真空蒸着法やスパッタリング法で
厚み4000Å程度に形成してパターニングし、表面部
分に陽極酸化膜33を形成してゲート電極を形成する。
次に、同図(b)に示すように、窒化シリコン膜(Si
x )などから成る絶縁膜34、チャネルとなる第一の
半導体層35、オーミックコンタクト層となる第二の半
導体層36、およびソース・ドレイン電極となる第二の
金属層37を順次積層する。なお、第一の半導体層35
は、トランジスタのチャネルとなる第一のアモルファス
シリコン層35aと、炭素元素や窒素元素を微量含有さ
せた第二の半導体層36との間で、エッチングの選択性
を持たせ、エッチングのストッパー層となる第二のアモ
ルファスシリコン層35bとで構成されている。次に、
同図(c)に示すように、第二の金属層37、第二の半
導体層36、および第一の半導体層35を、ゲート電極
32上とその周辺部が残るようにエッチング除去する。
次に、同図(d)に示すように、ゲート電極取り出し部
41上とその周辺部の絶縁膜34をエッチング除去す
る。
【0004】次に、同図(e)に示すように、酸化錫や
酸化インジウム錫などから成る透明導電膜38をスッパ
タリング法により形成する。次に、同図(f)に示すよ
うに、透明導電膜38を第二の金属層37上の両端部と
一側面から周辺部にかけて残るようにエッチング除去す
るとともに、第二の金属層37、および第二の半導体層
36のゲート電極32上の中央部分をエッチング除去す
る。また、窒化シリコン膜などから成るパシベーション
層39を形成する。最後に、同図(g)に示すように、
パシベーション層39のゲート電極取り出し部41部分
をエッチング除去して、薄膜トランジスタ40部分とゲ
ート電極取り出し部分41とが形成されてアクティブマ
トリックス基板が完成する。
【0005】上述のように、ゲート電極取り出し部41
の上面に酸化錫や酸化インジウム錫などから成る透明導
電層38を露出させて、駆動回路をTAB接続したりマ
イクロ・バンプ・ボンディングできるようにしたもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】ところが、上述した
従来のアクティブマトリックス基板の製造方法では、図
3の(a)(c)(d)(f)(g)の各工程でフォト
マスクを用いる加工が必要となり、合計五枚ものフォト
マスクが必要であるが、フォトマスクを多く使うため
に、フォトプロセスに時間がかかり量産性が悪いととも
に製造歩留りが低下するという問題があった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明に係るアクティ
ブマトリックス基板およびその製造方法は、このような
従来技術の問題点に鑑みて成されたのものであり、その
特徴とするところは、基板上に走査信号配線とゲート電
極となる第一の導電層、ゲート絶縁膜となる絶縁層、チ
ャネルとなる第一の半導体層、オーミックコンタクト層
となる第二の半導体層、ソース・ドレイン電極と画像信
号配線となる第二の導電層、および画素電極となる第二
の透明導電層を形成して成るアクティブマトリックス基
板において、前記第一の導電層を透明導電層と金属層の
二層構造にすると共に、前記走査信号配線の取り出し部
における前記透明導電が露出している点にあり、また
(a)基板上に走査信号配線とゲート電極となる第一の
透明導電層と金属層とから成る第一の導電層を形成して
所定部分をエッチング除去し、(b)前記第一の導電層
上にゲート絶縁膜となる絶縁層、チャネルとなる第一の
半導体層、オーミックコンタクト層となる第二の半導体
層、ソース・ドレイン電極と画像信号配線となる第二の
導電層を順次積層し、(c)前記第二の導電層、第二の
半導体層、および第一の半導体層を前記ゲート電極上と
その周辺部が残るようにエッチング除去し、(d)次い
で、画素電極となる第二の透明導電層を形成し、(e)
この第二の透明導電層を前記第二の導電層、第二の半導
体層、および第一の半導体層の上面から一方の周辺部に
かけて残るようにエッチング除去するとともに、この第
二の透明導電層、前記第二の導電層、第二の半導体層の
前記ゲート電極の中央部分をエッチング除去し、(f)
次いで、パシベーション層を形成して前記走査信号配線
の取り出し部における前記絶縁膜と第一の導電層の金属
層をエッチング除去する工程を含んで成る点にある。
【0008】また、第三の発明に係るアクティブマトリ
ックス基板では、基板上に走査信号配線とゲート電極と
なる第一の導電層、ゲート絶縁膜となる絶縁層、チャネ
ルとなる第一の半導体層、オーミックコンタクト層とな
る第二の半導体層、ソース・ドレイン電極と画像信号配
線となる第二の導電層、および画素電極となる第二の透
明導電層を形成して成るアクティブマトリックス基板に
おいて、前記第一の導電層を第一の金属層、第二の金属
層、透明導電層、および第三の金属層の四層構造とした
ことを特徴とする。
【0009】
【作用】上記のように構成することにより、上述の
(a)(c)(e)(f)の工程でのみフォトマスクが
必要なことから、フォトマスクは四枚で済み、量産性が
向上するとともに製造歩留りが向上する。また、ゲート
電極および走査信号配線の取り出し部に、駆動回路との
接続を容易にするための透明導電層を簡単な工程で露出
させることができる。また、第三の発明に係るアクティ
ブマトリックス基板では、走査信号配線となる第一の導
電層の第一の金属層に低抵抗な材料を用いることがで
き、走査信号配線やゲート電極の幅を小さくでき、画素
部分の開口率を大きくして高精細化が可能になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係るアクティブマトリックス
基板およびその製造方法の一実施例を図1に示す工程図
に基づき詳細に説明する。図1において、1はアクティ
ブマトリックス基板のスイッチング用トランジスタとな
る部分、2は画素電極となる部分、3は付加容量となる
部分、4はゲート電極に接続される走査信号配線の取り
出し部(端子部)となる部分である。
【0011】まず、同図(a)に示すように、ガラスな
どから成る絶縁基板11上に、走査信号配線とゲート電
極となる第一の導電層12を形成して所定部分をエッチ
ング除去する。この第一の導電層12は、酸化錫や酸化
インジウム錫などから成る第一の透明導電層12aとタ
ンタル等から成る金属層12bで構成される。第一の透
明導電膜12aは、スパッタリング法などで厚み100
0Å程度に形成される。金属層12bは、スパッタリン
グ法や真空蒸着法などで厚み2000〜6000Å程度
に形成される。第一の透明導電層12aをエッチングす
る場合は、亜鉛を触媒とした塩硝酸系エッチング液や塩
化第二鉄と塩酸の混合液などでエッチングされ、タンタ
ルから成る金属層12bをエッチングする場合は、弗硝
酸などでエッチングされる。なお、この第一の透明導電
層12aと金属層12bのエッチングは同一のフォトマ
スクを用いればよい。このように、第一の導電層12を
形成した後に、後述する各配線と短絡することなどがな
いようにタンタルなどから成る金属層12bの表面部分
を陽極酸化して保護膜12cを形成しておく。
【0012】次に、同図(b)に示すように、第一の導
電層12上に、ゲート絶縁膜となる絶縁層13、チャネ
ルとなる第一の半導体層14、オーミックコンタクト層
となる第二の半導体層15、ソース・ドレイン電極と画
像信号配線となる第二の導電層16を順次積層する。前
記絶縁層13は、窒化シリコン膜あるいは酸化タンタル
膜と窒化シリコン膜との二層膜などで構成される。この
絶縁層13は、プラズマCVD法やスパッタリング法な
どで厚み2000Å程度に形成される。前記第一の半導
体層14は、プラズマCVD法などでキャリアガスとシ
ランガス(SiH4 )を用いて形成した第一のアモルフ
ァスシリコン層14aと、キャリアガスとシランガス
(SiH4 )にメタンガス(CH4 )やアンモニアガス
(NH3 )を混入させたり、シランガスに代えてジシラ
ンガス(Si2 6 )を用いて形成した第二のアモルフ
ァスシリコン層14bなどで構成される。この第二のア
モルファスシリコン層14bは、後述するオーミックコ
ンタクト層との間でエッチングの選択性を持たせて、エ
ッチングのストッパー層としての機能を持たせるために
形成する。前記第二の半導体層15は、例えばリン
(P)などを高濃度に含有する非晶質アモルファスシリ
コン層などで構成され、プラズマCVD法などで厚み1
000Å程度に形成される。なお、このリンなどを高濃
度に含有するアモルファスシリコン層に代えてリンなど
を高濃度に含有する微結晶状のシリコン層で形成しても
よい。微結晶シリコン層は、アモルファスシリコン層よ
りもエッチングレートが大きいことから、上述の第一の
アモルファスシリコン層14bとの間でエッチングの選
択性をより持たせることができる。なお、前記第一の半
導体層14および第二の半導体層15は、それぞれプラ
ズマCVD装置で形成できることから、同一装置を用い
てインラインで形成することができる。前記第二の導電
層16は、タンタル、クロム、またはチタン(Ti)な
どで形成され、スパッタリング法や真空蒸着法などで厚
み1000〜5000Å程度に形成される。
【0013】次に、同図(c)に示すように、上述の第
二の導電層16、第二の半導体層15、および第一の半
導体層14をゲート電極12上とその周辺部が残るよう
にエッチング除去する。
【0014】次に、同図(d)に示すように、画素電極
となる第二の透明導電層17を形成する。この第二の透
明導電層17は、酸化錫や酸化インジウム錫などから成
り、スパッタリング法などで厚み1000Å程度に形成
される。
【0015】次に、同図(e)に示すように、第二の透
明導電層17を第二の導電層16、第二の半導体層1
5、および第一の半導体層14の上面から付加容量12
部分にかけて残るようにエッチング除去するとともに、
この第二の透明導電層17、第二の導電層16、第二の
半導体層15のゲート電極12の中央部分をエッチング
除去する。このエッチング工程で用いられるフォトマス
クは同一のものでよい。
【0016】最後に、同図(f)に示すように、パシベ
ーション層18を形成して所定部分をエッチング除去し
てアクティブマトリックス基板が完成する。このパシベ
ーション膜18は、例えば窒化シリコン膜などで構成さ
れ、プラズマCVD法などで厚み3000Å程度に形成
されて、弗酸などのエッチング液でエッチングされる。
このときに走査信号配線の取り出し部4の二層の窒化シ
リコン膜18、13とタンタル等から成る金属層12b
も同じフォトマスクを用いてエッチングされる。したが
って、走査信号配線の取り出し部4には、金属酸化物な
どから成る透明導電層12aが露出し、外部の駆動回路
とTAB接続する場合や駆動用集積回路素子をマイクロ
・バンプ・ボンディング法で接続する場合に接触抵抗を
増大させることなく接続することができる。
【0017】図2は、第三の発明に係るアクティブマト
リックス基板の要部を示す図である。このアクティブマ
トリックス基板では、走査信号配線やゲート電極になる
第一の導電層12を第一の金属層21、第二の金属層2
2、透明導電層23、および第三の金属層24で形成し
ている。この場合、第一の金属層21としてはアルミニ
ウムが、第二の金属層22と第三の金属層24としては
タンタルが好適に用いられる。なお、透明導電層23に
は、第一の発明と同様に酸化錫や酸化インジウム錫が用
いられる。このように、走査信号配線やゲート電極に低
抵抗のアルミニウムなどを使用すると電極幅を小さくで
き、画素部分の開口率を大きくでき、高精細化が可能に
なる。すなわち、タンタルの抵抗は12.5×10-6Ω
・cmであるのに対して、アルミニウムの抵抗は2.6
×10-6Ω・cmであるから、走査信号配線やゲート電
極としては、タンタルよりもアルミニウムを用いること
が望ましい。ところが、アルミニウムは透明導電層と直
接接触して設けると表面に酸化被膜が形成されて接触抵
抗が大きくなるので、透明導電層と直接接触して設ける
ことはできない。一方、タンタルを走査信号配線やゲー
ト電極に用いると、走査信号の遅延などを誘発すること
から線幅を大きくしなければならないという問題があ
る。ところが、この第三の発明のように、第一の導電層
12を第一の金属層21、第二の金属層22、透明導電
層23、および第三の金属層24で形成すると、上述の
ような問題が解消される。なお、この第三の発明に係る
アクティブマトリックス基板も第二の発明に係るアクテ
ィブマトリックス基板の製造方法と同様に形成できる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、第一および第二の発明に
係るアクティブマトリックス基板およびその製造方法に
よれば、走査信号配線とゲート電極となる導電層を透明
導電層と金属層の二層構造にしたことから、フォトマス
クは四枚で済み、量産性が向上するとともに製造歩留り
が向上する。また、ゲート電極および走査信号配線の取
り出し部に、駆動回路との接続を容易にするための透明
導電層を簡単な工程で露出させることができる。また、
第三の発明に係るアクティブマトリックス基板によれ
ば、走査信号配線となる第一の導電層の第一の金属層に
低抵抗な材料を用いることができ、走査信号配線やゲー
ト電極の幅を小さくでき、画素部分の開口率を大きくし
て高精細化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一および第二の発明に係るアクティブマトリ
ックス基板の製造工程を示す図である。
【図2】第三の発明に係るアクティブマトリックス基板
の要部を示す図である。
【図3】従来のアクティブマトリックス基板の製造工程
を示す図である。
【符号の説明】
11・・・基板、12・・・第一の導電層、12a・・
・第一の透明導電層、12b・・・金属層、13・・・
絶縁層、14・・・第一の半導体層、15・・・第二の
半導体層、16・・・第二の導電層、17・・・第二の
透明導電層、21・・・第一の金属層、22・・・第二
の金属層、24・・・第三の金属層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−30272(JP,A) 特開 昭63−218926(JP,A) 特開 平2−90682(JP,A) 特開 平3−190279(JP,A) 特開 昭63−9977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1345 G02F 1/1343 G02F 1/136 500

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に走査信号配線とゲート電極とな
    る第一の導電層、ゲート絶縁膜となる絶縁層、チャネル
    となる第一の半導体層、オーミックコンタクト層となる
    第二の半導体層、ソース・ドレイン電極と画像信号配線
    となる第二の導電層、および画素電極となる第二の透明
    導電層を形成して成るアクティブマトリックス基板にお
    いて、前記第一の導電層を透明導電層と金属層の二層構
    にすると共に、前記走査信号配線の取り出し部におけ
    る前記透明導電層が露出していることを特徴とするアク
    ティブマトリックス基板。
  2. 【請求項2】 (a)基板上に走査信号配線とゲート電
    極となる第一の透明導電層と金属層とから成る第一の導
    電層を形成して所定部分をエッチング除去し、(b)前
    記第一の導電層上にゲート絶縁膜となる絶縁層、チャネ
    ルとなる第一の半導体層、オーミックコンタクト層とな
    る第二の半導体層、ソース・ドレイン電極と画像信号配
    線となる第二の導電層を順次積層し、(c)前記第二の
    導電層、第二の半導体層、および第一の半導体層を前記
    ゲート電極上とその周辺部が残るようにエッチング除去
    し、(d)次いで、画素電極となる第二の透明導電層を
    形成し、(e)この第二の透明導電層を前記第二の導電
    層、第二の半導体層、および第一の半導体層の上面から
    一方の周辺部にかけて残るようにエッチング除去すると
    ともに、この第二の透明導電層、前記第二の導電層、第
    二の半導体層の前記ゲート電極の中央部分をエッチング
    除去し、(f)次いで、パシベーション層を形成して
    記走査信号配線の取り出し部における前記絶縁膜と第1
    の導電層の金属層をエッチング除去する工程を含んで成
    るアクティブマトリックス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に走査信号配線とゲート電極とな
    る第一の導電層、ゲート絶縁膜となる絶縁層、チャネル
    となる第一の半導体層、オーミックコンタクト層となる
    第二の半導体層、ソース・ドレイン電極と画像信号配線
    となる第二の導電層、および画素電極となる第二の透明
    導電層を形成して成るアクティブマトリックス基板にお
    いて、前記第一の導電層を第一の金属層、第二の金属
    層、透明導電層、および第三の金属層の四層構造とした
    ことを特徴とするアクティブマトリックス基板。
  4. 【請求項4】 前記第一の金属層がアルミニウムで形成
    されるとともに、第二の金属層と第三の金属層がタンタ
    ルで形成されることを特徴とする請求項3に記載のアク
    ティブマトリックス基板。
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