JP2865423B2 - サイトカイン型の活性を有するタンパク質、およびこのタンパク質をコード化する組換えdna、形質転換細胞および微生物 - Google Patents

サイトカイン型の活性を有するタンパク質、およびこのタンパク質をコード化する組換えdna、形質転換細胞および微生物

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明はサイトカイン型の活性を有する新規タンパ
ク質、その生産のための遺伝子工学的手段、即ち、組換
えDNA、この組換えDNAを保有している発現ベクター、こ
の組換えDNAを含んでいる原核微生物および真核細胞、
およびこのタンパク質が有効主薬として存在する特に免
疫調節剤として有用な薬物に関する。
免疫系は、細胞性因子およびこの因子によって分泌さ
れるサイトカインと呼ばれる可溶性物質からなっている
ことはよく知られている。サイトカイン類は、生物体の
免疫系、または別の生物学的系の何れかに属するエミッ
ター細胞と標的細胞間の伝達をつかさどるタンパク質で
ある。一般にサイトカイン類はいわゆる多面的生物活性
を有し、即ち標的細胞に対して、増殖、分化、細胞溶
解、活性化、走化性など多面的な活性を有している。こ
れらの分子のうちの幾つかは、すでに治療上の応用が見
いだされている。例えばインターロイキン−2またはイ
ンターフェロンαは免疫療法により、ある種の腫瘍の処
置に使用され、GCSF(顆粒球コロニー刺激因子)または
GMCSF(顆粒球・単球コロニー刺激因子)のような造血
因子は、血球の増殖および分化を刺激することによっ
て、化学療法の結果、血球が減弱した血液を強化するこ
とができる。
サイトカインに関する以下の情報は具体的に知られて
いる: 1) それらは、分泌されたタンパク質に対応する。従
って、タンパク質、特にサイトカインの分泌は、培地へ
の成熟タンパク質の排出に際して、前ペプチド配列また
はシグナルペプチドと称する翻訳されたタンパク質の疎
水性アミノ末端領域の切断を含む機構により頻繁に起こ
る(ホン、ハイジネ、G.、1986年、ニュークレイック・
アシッズ・リサーチ、14巻、4683〜4690頁)。周知のサ
イトカインのペプチドの配列の大部分は、事実シグナル
ペプチドを含む。
2) 一般に、サイトカインは、他のサイトカイン(K.
マツシマ等、1988年、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンタル・メディスン、167巻、1883〜1893頁 − シミ
ズ H.等、1990年、モレキュラー・アンド・セルラー・
バイオケミストリー、10巻、561〜568頁)、またはリポ
多糖類、カルシウムイオノファ、例えば、カリマイシ
ン、ジブチリルサイクリックAMP、ジメチルスホキシ
ド、レチレイン酸、コカナバリンA、植物凝集素(PHA
−P)、およびフォルボールエステル、例えば、フォル
ボール−2−ミリステート−3−アセテート(PMA)の
ような細胞増殖および分化を活性化する化学試薬(メゲ
K.およびドランS.K.等、1990年、サイトカイン2、1
〜8頁 − C.B.トムソン等、1989年、プロシーディン
グス・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイ
ズ、86巻、1333〜1337頁)、または表面抗原CD2、CD3、
CD28、およびCD40のような表面分子に対する抗体(トム
ソンC.B.等、上記の引例およびロウセット、F.等、1991
年、、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディ
スン、177巻、703〜710頁)のうちのいずれかで誘発さ
れ得るタンパク質に該当する。
3) サイトカインの誘発は一過性であるので、サイト
カインメッセンジャーRNAは不安定である。大部分のサ
イトカインにおいて、AおよびU、特に、配列AUUA、カ
ップト等、1986年、プロシーディングス・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシイズ・ユーエスエー、83
巻、1670〜1674頁;G.ショー等、1986年、セル、46巻、6
59〜667頁およびK.ペプル等、1991年、ジャーナル・オ
ブ・エクスペリメンタル・メディスン、173巻、349〜35
5頁により証明されたコンセンサス不安定配列に富む領
域を有するである。
4) 周知のサイトカインの大部分は免疫系の細胞、特
に、末梢血の単球および補助Tリンパ球により合成され
る(ウルマンK.S.等、1989年、Ann.Rev.Imm.、8巻、42
1〜452頁、およびカルゲル−バレ−スイスにより1989年
に刊行されたC.ソルグ、研究「細胞制御因子由来のマク
ロファージ」)。それらの合成は、2)に記載された誘
発剤で誘発される。
更に、主にリンパ球および単球を含む末梢血単核細胞
からの出発し、培養し、植物凝集素、ファルボール−2
−ミリステート−3−アセチレートおよび抗−CD2モノ
クローナル抗体のような種々の誘発剤を使用して刺激
し、動物細胞において汎存相補性DNA配列から取り出
し、従ってサイトカインをコード化する相補性DNAに富
む相補性DNAライブラリーを構築することが可能である
ことは周知である(H.C.チェン等、1989年、ヨーロピア
ン・ジャーナル・オブ・イムノロジー、19巻、1045〜10
51頁、P.F.ジフェル等、1989年、モレキュラー・アンド
・セルラー・バイオロジー、9巻、1041〜1048頁)。
更に、Tリンパ球によるサイトカイン(リンホカイン
と称する)の製造は優れている、従って、フォルボール
−2−ミステリート−3−アセテート単一よりフォルボ
ール−2−ミリステート−3−アセテートおよび植物凝
集素またはフォルボール−2−ミリステート−3−アセ
テートおよび抗−CD28抗体の二元性配合を用いる刺激
で、およびフォルボール−2−ミリステート−3−アセ
テート、植物凝集素およびサイトカインメッセンジャー
RNAの転写に対して明らかに阻害効果を有する(トンプ
ソン等、上記の引例、およびマッティラ等、1990年、EM
BO・ジヤーナル、9巻、4425〜4433頁)シクロスポリン
Aの三元性配合より、フォルボール−2−ミリステート
−3−アセテートおよび植物凝集素の二元性配合を用い
ての刺激で多量のメッセンジャーRNAに対応することは
周知である(C.B.トンプソン等、1989年、プロシーディ
ングス・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイ
ズ、86巻、1333〜1337頁およびリンドスタンT.等、1989
年、サイエンス、244巻、399頁)。
種々の刺激条件下サイトカインメッセンジャーRNAの
この分化発現は、後者の配列を選択する目的でサイトカ
インのコード化配列を含む相補性DNAライブラリーのス
クリーニング(分化スクリーニングと称する)に使用さ
れ得る(ドールキン等、1980年、デベロップメンタル・
バイオロジー、76巻、449〜464頁、コクランB.M.等、19
83年、セル、33巻、939〜947頁、およびジフェルP.F.
等、1989年、モレキュラー・アンド・セルラー・バイオ
ロジカル、9巻、1041〜1048頁)。要するに、ここで刺
激状態1および刺激状態2と称する2種の細胞刺激状態
に対応する2種のメッセンジャーRNAから出発し、刺激
状態2は刺激状態1よりサイトカインのコード化メッセ
ンジャーRNAについてより富むと仮定すると、2種のメ
ッセンジャーRNAの逆転写酵素を使用して得られた転写
物であるプローブ1およびプローブ2と称する2種の放
射性プローブを構築することが可能である。それらの2
種のプローブは、そのライブラリーの相補性DNA配列を
含む細菌群でハイブリダイズされる。ハイブリデーショ
ンがプローブ1よりプローブ2の選択された群(誘発可
能なタンパク質に対応する)の場合により大きいとする
と、メッセンジャーRNAが2種の活性状態の間で多く変
化する相補性DNAを含む細菌群は、2種のプローブで異
なるシグナルを与えるであろう。
更に、SV40ウイルスのT抗原を発現するサル腎臓細胞
(グルツマン.Y.、セル、23巻、1981年、175〜182頁)
であるCOS細胞は、SV40ウイルスDNAの複製の起源、動物
細胞の遺伝子の発現の研究における選択の構成宿主およ
び発現されたタンパク質の分泌物を含むベクターの複製
を可能であることは周知である。これら細胞のタンパク
質の分泌物は、それを天然に産生する細胞により分泌さ
れることを示す(H.C.チェン等、1989年、ヨーロピアン
・ジャーナル・オブ・イムノロジー、19巻、1045〜1051
頁およびW.Y.ウエイセル等、1989年、プロシーディング
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・ユ
ーエスエー、86巻、7422〜7526頁)。
本発明の主題は、以下のアミノ酸配列(a1): (配列中、XaaはAspまたはGlyである)を含むサイトカ
イン型活性を有するタンパク質、またはタンパク質の前
駆体である、または、配列(a1)と高い相同性を有する
配列を表す。
高い相同性とは、アミノ酸が、ニードルマンおよびウ
ンシュ、1970年、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー、48巻、443〜453頁の最適配列法に従って最
大相同性に基づいて配列されるとき、アミノ酸配列の少
なくとも80%、および好ましくは少なくとも90%(アミ
ノ酸の合計数に対する同一アミノ酸の数)同じである相
同性を意味する。
全ての可能な配列を考慮、および同一アミノ酸の最大
可能な数を対合し、配列の穴数は最小であるというアル
ゴリズム的方法は、特に、ウイスコンシン大学のUWGCG
ソフトウエア(デベリックス等、1984年、ニュークレイ
ック・アッシズ・リサーチ、12巻、8711〜8722頁 −
GAPオプション)に使用されている。
112種のアミノ酸の配列(a1)のペプチド配列と非常
に関係が深い既知のペプチド配列は、K.D.ブラウン等、
1989年、ジャーナル・オブ・イムノロジー、142巻、679
〜687頁に記載されたマウスタンパク質P600の相補性DNA
から誘発される132種のアミノ酸配列のペプチド配列で
ある。ニードルマンおよびウンシュ、1970年、ジャーナ
ル・オブ・モレキュラー・バイオロジー、48巻、443〜4
53頁の方法を使用してそれらのペプチド配列の比較は、
112種のうち63種のアミノ酸が同一であり、同一性の約5
6%相同性に等しいことを示している。
本発明のタンパク質は、分泌されたタンパク質であ
り、特に、Tリンパ球によりTリンパ球とフォルボール
−2−ミリステート−3−アセテートで誘発され得、こ
の誘発は、サイトカインで予想されるように(上記参
照)シクロスポリンAの追加存在下植物凝集素で刺激す
る場合にこの増加に対して阻害作用を有する植物凝集素
または抗−CD28モノクローナル抗体により増幅される。
NC30と称する本発明のタンパク質は、サイトカイン型免
疫調節活性(細胞増殖、細胞活性、走化性、および他の
サイトカインの合成調節)を有する新規ヒトリンホカイ
ンである。それは、免疫系の少なくとも2種の主要細胞
に作用する:単球およびBリンパ球。それは、新規イン
ターロイキンである。その性質の幾つかは、インターロ
イキン−4と共通する:LPS−活性末梢血単球によるイン
ターロイキン−1βおよびインターロイキン−6の合成
の阻害、および扁桃腺Bリンパ球に対するCD23抗原の発
現の調節。それらの2種の性質は、インターロイキン−
4の性質でもある(W.ポール、1991年、ブラッド、77
巻、1959年、およびウォール、メルフィット等、1991
年、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディス
ン、174巻、119〜1220頁)。
本発明のタンパク質は、リンホカイン型の新規インタ
ーロイキンである。腫瘍、よび免疫変調による感染症お
よび炎症の処置に有効である医薬品の成分として重要で
ある。
本発明のタンパク質は、配列(a1)のすぐ上流に、1
またはそれ以上のアミノ酸、特に配列:Ser−Proを含み
得る。
このタンパク質は、好ましくはSDSの存在下ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法により決定される見掛け分子
量9.0±2または16.0±2kDaを有する形態である。特に
それが見掛け分子量16.0±2kDaを有するとき、有利には
N−グリコシド化されたものである。
このタンパク質は、SDSの存在下ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法により決定され、銀で視覚化される70%
以上、および好ましくは90%以上の純度のを有するのが
好ましい。
本発明の主題は、組換DNAが、細胞溶解産物から得ら
れ得る上記のタンパク質、または有利には上記のタンパ
ク質の前駆体をコード化することを特徴とする組換DNA
である。この前駆体は、好ましくはシグナル配列を含
む。
宿主細胞により選ばれたこのシグナル配列は、組換タ
ンパクを細胞質から放出することを可能にする機能を有
し、従って、組換タンパク質が天然タンパク質の配列に
近い構造をとることを可能にし、その精製をかなり容易
にする。このシグナル配列は、成熟タンパク質によって
遊離されたシグナルペプチダーゼによる数工程、または
このシグナル配列がシグナルペプチド、またはプレシー
クエンスと称するシグナルペプチダーゼにより除去され
る配列に加えて、1またはそれ以上のタンパク質分解作
用の後半で、除去されるプロシークエンスを称する配列
を含むときの数工程のいずれかにおいて、切断され得
る。
成熟タンパク質のコード化配列は、例えば、以下の配
列(Na1):または(Na1′): の1種である。
例えばエシェリキア・コリのような原核微生物で発現
するには、原核微生物によって分泌されるタンパク質の
天然前駆物質をコード化する配列に由来する配列(例え
ばシグナルペプチドOmPA[グレイエブら、1984年、EMBO
・ジャーナル、3巻、2437〜2442頁])、またはアルカ
リ性ホスファターゼのシグナルペプチド[ミカエリス
ら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー、1983年、15
4巻、366〜374頁]、または真核性前駆物質をコード化
する配列に由来する非内分泌性配列(例えばヒト成長ホ
ルモンの天然前駆物質の1つのシグナルペプチド)、ま
たは合成シグナルペプチド(例えばフランス特許出願第
2636643号に報告された で示される配列)の何れかであり得る。
子嚢菌類のような真核細胞、例えば酵母サッカロミセ
ス・セレビシアエ、または糸状菌クリフォネクトリア・
パラシチカで発現するには、このシグナル配列は、好ま
しくはこれらの細胞によって分泌されたタンパク質の天
然前駆物質、例えば酵母であればインベルターゼの天然
前駆物質(ヨーロッパ特許出願第0123289号)、または
フェロモンαのプレプロ配列の前駆物質(オランダ特許
出願第2484/84号)、またはクリフォネクトリア・パラ
シチカであればエンドチアペプシンのプレプロ配列の前
駆物質をコード化する配列に由来する配列: 動物細胞で発現するためには、分泌することが知られ
ている動物細胞タンパク質のシグナル配列、例えばイン
ターロイキン−2の分泌を起こすことがすでに知られて
いるヒト成長ホルモンの天然前駆物質の1つのシグナル
ペプチドをコード化する配列(フランス特許出願第2619
711号参照)か、 以下の配列(Nb1)、(Nb2)、(Nb3)および(Nb4): のそれぞれによりコード化された、 下記の4種のシグナル配列(b1)、(b2)、(b3)お
よび(b4): の1種をシグナルペプチドとして使用する。
この発明はさらに、その発現に必要な手段とともに上
記の組換えDNAを保有している発現ベクターに関する。
原核微生物、特にエシェリキア・コリで発現するに
は、組換えDNAを、特に効果的なプロモーターを含んで
いる発現ベクターへ挿入し、さらに発現される遺伝子の
リボソーム結合部位上流、および発現される遺伝子の効
果的な転写終結配列下流を挿入しなければならない。こ
のプラスミドはまた複製開始点および選択マーカーを含
んでいなければならない。これらの配列は、すべて宿主
細胞にしたがって選択されなければならない。
真核細胞で発現するためには、この発明の発現ベクタ
ーは、その発現、真核細胞でその複製、および形質転換
した細胞の選別に必要な手段とともに上記の組み換えDN
Aを保有する。好ましくはこのベクターは、例えば受容
体真核細胞の変異を相補するように選ばれ、それによっ
てそれらのゲノムか、または多重コピーベクターの何れ
かへ、組換えDNAを多数のコピーとして組込むことがで
きる細胞を選び得る選択マーカーを保有する。
酵母のような真核細胞、例えばサッカロミセス・セレ
ビシアエで発現するためには、一方は効果的なプロモー
ター、他方は転写ターミネーターと認められる配列の間
に組換えDNAを挿入することが適当である。発現カセッ
トと呼ばれるプロモーター/コード配列/ターミネータ
ー組立て物は、酵母のための単一コピーまたは多重コピ
ープラスミドベクターでクローン化するか、あるいは多
重コピーとして酵母のゲノムへ組込まれる。
子嚢菌類に属する糸状菌、例えばアスペルギルス属、
ニューロスポラ属、ポドスポラ属、トリコデルマ属、ま
たはクリフォネクトリア属のような真菌類の真核細胞で
発現するには、この発明の発現ベクターは、その発現に
必要な手段、および好適であれば選択マーカーおよび/
またはテロメア配列とともに、上記の組換えDNAを保有
する。つまり対象となるDNAとして同一のベクター上、
または別のベクター上の何れかに位置した選択マーカー
の助けを借りて、対象となるDNAを組込んだ形質転換体
を選び出すことができ、ここでこれら2つのベクターは
同時形質転換によって導入される。この発明の組換えDN
Aは、糸状菌のゲノムへ挿入するか、あるいはこのDNAを
複製し、これを分配できる配列によって染色体外の形で
保存することができる。
動物細胞、特にチャイニーズハムスター卵巣(CHO)
細胞で発現するには、組換えDNAを、好ましくはこの発
明の組換えDNAを挿入した単一の発現単位、および好適
であれば効果的なプロモーターの前に選択マーカーを含
んでいるプラスミド(例えばpBR322から誘導した)へ挿
入するか、または2つの発現単位へ挿入する。第1の発
現単位は効果的なプロモーター(例えばSV40早期プロモ
ーター)によって先行される上記の組換えDNAを含む。
開始ATGを取り巻く配列は、好ましくはコザックが報告
した共通配列[M.コザック(1978年)、セル、15巻、11
09〜1123頁]にしたがって選ぶ。イントロン配列、例え
ばマウスα−グロビンのイントロン配列を組換えDNAの
上流へ挿入でき、ポリアデニル化部位を含む配列、例え
ばSV40ポリアデニル化配列を組換え遺伝子の下流へ挿入
することができる。第2の発現単位は、選択マーカー、
例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ(以下、DHFRと略称さ
れる酵素)を暗号化しているDNA配列を含んでいる。こ
のプラスミドを動物細胞、例えばCHO dhfr-細胞(DHFR
を発現できない)へ移入する。メトトレキセート耐性に
ついて細胞系を選別する。選び出された系は組換えDNA
の多数のコピーがゲノムへ組込まれており、このDNAを
十分量発現する。
本発明は、上記で定義されたの発現ベクター、特にエ
シエリキア・コリのそれらにより形質転換された原核微
生物、およびその発現に必要な方法を用いて上記の組換
DNAを含む原核細胞に関する。このDNAは、上記の発現ベ
クターと、または本発明の組換DNAと形質転換すること
により導入され得、特にはそれを発現させ得る位置でゲ
ノム中に直接組込まれ得る。
有利な原核細胞は、動物細胞である。
組換DNAは、例えば、上記の発現ベクターと形質転換
することにより、それを担持するウイルスまたはレトロ
ウイルスの感染により、または微量注射により、それら
の細胞に導入され得る。好ましい動物細胞は、本発明の
タンパク質の高い生産力を有する系を得るかのが可能で
あるCHO細胞、特にCHOdhfr-細胞である。
他の有利な原核細胞は酵母細胞、特にサッカロマイセ
ス・セレビシアエである。
本発明は、上記での定義された動物細胞またはこの酵
母細胞を培養、ついで組換タンパク質の分離および精製
の工程を含む上記のタンパク質の製造法にもまた関す
る。
本発明は、それらの動物細胞またはこの酵母の細胞を
培養、ついで組換タンパク質の単離および精製の工程を
含む方法により得られ得る組換タンパク質にもまた関す
る。
従って、本発明の主題は、活性成分として上記のタン
パク質を含む、薬学的に許容される添加物中、免疫調節
により、特に腫瘍学においておよび感染状態および炎症
状態の処置において有効である医薬品にも関する。その
ような医薬品は、単一または他の活性剤、例えば、1ま
たはそれ以上の他のサイトカインと混合して使用され得
る。
本発明のより良い理解のために、実験結果および後半
での論議を含むセクションに分けられた以下の記述を提
供する。それらのセクションの幾つかは、本発明を実施
する目的で行われた実験、および純粋に詳細に説明する
ためだけの本発明の具体的な実施態様に関する。
このセクションに記載した集約的の技術のほとんど
は、当技術の熟練者に周知であり、サンブルク、フライ
シェおよびメニアチスによる研究(コールド・スプリン
グ・ハーバー・プレス・エディション、ニューヨークか
ら1982年に出版された「モレキュラー・クローニイン
グ:ア・ラボラトリー・マニュアル」(第2版))に詳
細に記載されている。
以下の記載のより良い理解のためにFig.1a、1b、1c、
2、3、4、5、6および7を提供する。
第1a図は、エシェリキア・コリでクローン化し、動物
細胞で発現するためのプラスミドであるプラスミドpSE1
の組立て地図である。図中、ライゲーションによって消
失した部位をカッコ内に示す。この図で使用した記号は
このプラスミドに関する説明のところ(セクション2)
で説明する。
第1b図はプラスミドpSE1の組立てに使用した合成「Hi
ndIIIへ結合する部位」〜HindIII断片の配列を示す。
第1c図はHindIII〜「BamHIへ結合する部位」合成断片
の配列を示す。
第2図はNC30 cDNAのヌクレオチド配列であり、下段
は誘発されたアミノ酸配列を示す。翻訳を開始できる2
個のMetを実線で、シグナルペプチドの切断部位と思わ
れる部分を矢印で、N−グルコシル化の強い部分を破線
で示す。
第3図および第4図は、それぞれニードルマンおよび
ブンシュの方法[1970年、ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー、48巻、443〜453頁]によるNC30 c
DNAから誘発されるアミノ酸配列(上段)、およびマウ
スタンパク質P600のcDNAから誘発したアミノ酸配列(下
段)、およびこの方法によるNC30 cDNA(上段)、およ
びP600タンパク質のcDNA(下段)の配列の最大相同配列
を示す。
第5図は、アスタリスクで示すNC30 cDNAに関するサ
イレント突然変異部位である断片Bの配列を示す。
第6図および第7図は、COS細胞の上清(Fig.6)およ
び酵母(Fig.7)から産生した精製タンパク質NC30の濃
度を関数としてB9系の光学密度および/または細胞密度
の変化を示す。
セクション1 末梢血単核細胞の培養およびPMAおよ
びPHA−Pによる刺激:相補的なDNAライブラリー作成に
使用いたメッセンジャーRNAの調製 1)末梢血単核細胞の培養および刺激 末梢血バッグ(輸血センターの3人の健常ボランティ
アーから採取)から、まずサイトアフェレシスおよびフ
ィコール密度勾配遠心分離[ゴーシャットら(1989
年)、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イミュノロジ
ー、19巻、1079頁]を行って末梢血単核細胞(PBMNC)
を豊富に含んだ概略下記の構成[リンパ球70%、単球25
%、顆粒球5%(コウルター型SプラスIVセルカウンタ
ーを使用して計数した細胞数)]からなる細胞画分を得
る。
細胞を250mlのフラスコに採取し、ついで37℃、300g
で10分間遠心分離する。上清を除き、細胞残留物をグル
コース、無機塩、アミノ酸、ビタミンからなるRPMI培地
と呼ばれる培地(RPMI1640培地、ギブコBRL社)50mlで
すすぎ、ついで前記と同一条件下で再度遠心分離する。
ついで細胞ペレットを10%ウシ胎児血清(ギブコBRL
社、製品番号:013−06290H)を補給したRPMI培地500ml
へ取り、これに培地1ml当たりペニシリン10単位および
ストレプトマイシン10μg(ペニシリン/ストレプトマ
イシン溶液、ギブコ社、製品番号:043−05140D)を添加
し、さらにL−グルタミン(ギブコBRL社、製品番号:04
3−05030D)を最終濃度2mMとなるまで添加した。
粘着細胞および非粘着細胞を分離するため、細胞浮遊
液の1部を大きな四角い4枚の培養皿(245×245×20m
m、ヌンク社、製品番号:166508)に1皿当たり約100ml
の割合で分け、これを37℃で1時間インキュベートす
る。実際、単球の大部分は培養皿へ粘着するが、リンパ
球の大部分は浮遊液に残ることが知られている。
非粘着細胞をピペットで吸い取り、表面積175cm2のフ
ァルコン型培養フラスコで、上記のように補給したRPMI
培地の存在下、さらにフォルボール−2−ミリステート
−3−アセテート(PMA)(シグマ社、製品番号:P813
9)およびフィトヘマグルチニン(PHA−P)(シグマ
社、製品番号:L8754)を添加し、5%CO2の存在下37℃
で24時間これを培養する。
上記と同様に補足し、さらにPMA 10ng/mlおよびPHA−
P 5.μg/mlを添加したRPMI培地100mlを粘着細胞へ加え
る。細胞を5%(v/v)CO2の存在で37℃で5時間インキ
ュベートする。
細胞浮遊液の残り(以下、全細胞と呼ぶ)を、大きな
四角い4枚の培養皿に分け、上記のように補給し、さら
にPMA 10ng/mlおよびPHA−P 5μg/mlを添加したRPMI培
地の存在下、5%(v/v)CO2の存在で37℃で、最初の2
枚の皿の場合は5時間、他の2枚の皿の場合は24時間イ
ンキュベートする。
インキュベーション終了の約2時間前に、シクロヘキ
シミド(シグマ社、製品番号:C6255)、10μg/ml(サイ
トカイン類のRNAの安定性を増大させる翻訳阻害剤)
[リンドステンら(1989年)、サイエンス、244巻、339
〜344頁参照]をこれらのさまざまな細胞の培養培地へ
添加し、さらに2時間、37℃でインキュベーションを続
ける。
(2)メッセンジヤーRNAの調製 a)メッセンジヤーRNAの抽出 下記の態様で細胞を回収する。
粘着細胞をPBS(リン酸緩衝化食塩水、ギブコBRL社、
製品番号:04104040)で2回洗浄し、ついでゴム製かき
取り器でかき取り、遠心分離する。これによってペレッ
トAと呼ばれる細胞ペレットを得る。
非粘着細胞については、細胞浮遊液を含有するフラス
コを振とうしたのち、細胞浮遊液を除いて遠心分離す
る。これによって細胞ペレットNAと呼ばれる細胞ペレッ
トを得る。
全細胞については、粘着画分を上記のようにPBSで2
回洗浄し、上記と同様にかき取り、ついでこれを遠心分
離する。非粘着画分を遠心分離する。得られた2種類の
細胞ペレットをついでプールする。このプールで、全細
胞を5時間インキュベートした場合は、細胞ペレットT
(5h)と呼ぶ、全細胞を24時間インキュベートした場合
は、T(24h)と呼ぶ。
細胞ペレットA、NA、T(5h)およびT(24h)を凍
結し、−80℃で保存する。
凍結した各細胞ペレットを、下記の組成[5Mグアニジ
ンチオシアナート、50mMトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン(pH7.5)および10mM EDTA]からなる細胞溶
解緩衝液にそれぞれ浮遊させる。浮遊液をウルトラ・ツ
ラックスNo.231256音波処理機(ジャンケ・アンド・ク
ンケル社)を使用して最大出力で20秒ずつ4サイクル音
波処理する。β−メルカプトエタノールを0.2M添加し
て、さらに30秒音波処理サイクルを実施する。塩化リチ
ウムを3M添加する。浮遊液上清を4℃に冷却し、この温
度で48時間静置する。ついで60分間遠心分離によってRN
Aを単離する。RNAペレットを3M塩化リチウム溶液で1回
洗浄し、再度遠心分離し、ついで下記の組成[1%SD
S、5mM EDTA、10mMトリス−HC1(pH7.5)]にタンパク
分解酵素K(ベーリンガー・マンハイム社)1mg/mlを添
加した緩衝液に取る。40℃で1時間インキュベーション
の後、RNA溶液をフェノール/クロロホルム混合物で抽
出する。水層に含まれているRNAを、最終濃度0.3Mの酢
酸アンモニウム溶液およびエタノール2.5容量の溶液で
−20℃で沈殿させる。浮遊液を15000gで30分間遠心分離
し、ペレットを保存する。
b)RNAのポリ(A)+画分の精製 ペレットを下記の組成[10mMトリス−HC1(pH7.5)お
よび1mM EDTA]の緩衝液(TE緩衝液)1mlに取り、攪拌
装置によって浮遊させる。3型オリゴ(dT)−セルロー
ス(コラボレイティブ・リサーチ社、バイオメジカロ・
プロダクト・ディビジョン)を製造会社の指示にしたが
い調製する。オリゴdT−セルロース上にRNAを付着させ
てゆるやかに振とうし、ボード上に浮遊させ、ついで65
℃で1分間加温する。
浮遊液をNaClで0.5Mに調節し、ついでゆるやかに10分
間振とうする。ついで浮遊液を1000gで1分間遠心分離
し、上清を除き、ペレットを0.5M NaClを含有するTE緩
衝液1mlで2回洗浄する。上清を除く。ビーズをTE緩衝
液1mlに浮遊させることによって、RNAのポリアデニル化
画分(メッセンジヤーRNAを含む)を溶出し、ついでこ
の浮遊液を60℃で1分間加温し、さらに傾斜板上で10分
間振とうする。ついで浮遊液を1000gで1分間遠心分離
し、溶液中に遊離メッセンジヤーRNAを含有する上清の
回収ができるようにする。上記の一連の操作(溶出か
ら)を2回反復する。このようにして得られた上清をプ
ールし、残留ビーズを遠心分離によって除去し、上清を
エタノール3容量および最終濃度0.3MのNaCl溶液で沈殿
させる。
細胞ペレットA、NA、T(5h)およびT(24h)から
4種類のRNAポリ(A)+の試料を得る。以下これらの試
料を、それぞれRNAポリ(A)+−A、RNAポリ(A)+
NA、RNAポリ(A)+−T(5h)、RNAポリ(A)+−T
(24h)という。
セクション2 末梢血単核細胞に特異的な配列を豊富
に含んでいる相補的DNAライブラリーの製造 (1)クローニングベクターpSE1の構築 採用方針として、一般に誰にでも入手できる既存のプ
ラスミドから得られる断片および現在一般に利用できる
技術によって合成される断片を使用する。採用したクロ
ーニング技術は、T.マニアティス、E.F.フリッチ、およ
びJ.サンブルックが、「モレキュラー・クローニング、
ア・ラボラトリー・マニュアル」(コールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー、1989年)で報告した方法
である。オリゴヌクレオチドはバイオサーチ・8700 DNA
・シンセサイザーを使用して合成する。
以下の説明は、第1a図を参照することによって一層明
らかに理解し得る。
プラスミドは、下記の要素を逐次ライゲーションする
ことによって構築した。
a)PvuII−PvuII断片 第1a図で++++++の記号で表したこの2525bpの断
片は、プラスミドpTZ18R(ファーマシア社)を制限酵素
PvuIIで完全消化することにより得た。この断片はファ
ージf1の複製開始点(第1a図、ORI F1で示す)、アンピ
シリン耐性を保有する遺伝子(第1図、AmpR)およびこ
のプラスミドの複製をエシェリキア・コリで可能にする
複製開始点(第1a図、ORI pBR322で示す)を含んでい
る。第1のPvuII平滑部位は、g)で説明する断片のEco
RV平滑部位とのライゲーションによって消失する(この
EcoRV平滑部位も消失する)。
b)PvuII−HpaI断片 第1a図で の記号で表した11299位(PvuII制限酵素部位)と10239
位(HpaI制限酵素部位)[デッカーおよびバン・オーモ
ント、ジーン、27巻、1984年、115〜120頁]との間にあ
るこの1060bpの5型アデノウイルスDNAの断片は、RNA V
A−IおよびVA−IIに関する情報を含んでいる。HpaI平
滑部位は、(c)で説明する断片のPvuII平滑部位との
ライゲーションによって消失する(このPvuII平滑部位
も消失する)。11218位にあるApaI部位は酵素ApaIで切
断し、ファージT4のDNAポリメラーゼでエクソヌクレア
ーゼ的に処理し、再ライゲーションにより除かれた。
c)PvuII−HindIII断片 第1a図で の記号で表したこの344bpの断片は、制限酵素PvuIIおよ
びHindIIIによる完全消化によって得られたSV40 DNAか
ら誘導された。この断片はSV40 DNAの複製開始点および
早期プロモーターを含んでいる[B.J.バイネら、プロシ
ーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシズ・オブ・ザ・USA(1983年)、80巻、7
21〜725頁参照]。
HindIII部位は、d)で説明する断片のHindIII結合部
位とのライゲーションによって消失する。
d)419bp「HindIII結合部位」−第1a図で 示されたHindIII合成断片、(第1b図にその配列を示
す)は、HTLV1ウイルスの翻訳されない5′配列[R.ワ
イスら、「モレキュラー・バイオロジー・オブ・ツモー
ル・ウイルシズ」、第2部(第2版)、1985年、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー、1057頁]と
類似の配列、およびマウスα−グロビン遺伝子の遠位イ
ントロン[Y.ニシオカら(1979年)、セル、18巻、875
〜882頁]を含んでいる。
e)HindIII〜「BamHIへ結合する部位」合成断片 第1a図で××××××の記号で表したこの断片は、フ
ァージT7のRNAポリメラーゼのプロモーター、および特
にApaIおよびBamHIクローニング部位を含むポリリンカ
ーを含み、その配列を第1c図に示す。
f)BamHI−BclI断片 第1a図で▲▲▲▲▲▲の記号で表したこの240bp断片
は、SV40ウイルスDNAの酵素BclIおよびBamHIによる完全
消化によって得られた小断片であって、SV40後期ポリア
デニル化部位[M.フィッジェラルドら(1981年)、セ
ル、24巻、251〜260頁]を含んでいる。BamHIおよびBcl
I部位は、それぞれ(e)に記載した断片の「BamHIへ結
合する部位」および(g)に記載した断片のBamHI部位
とのライゲーションによって消失する(このBamHI部位
も消失する)。
g)BamHI−EcoRV断片 第1a図で○○○○○○の記号で表したこの190bp断片
は、酵素EcoRVおよびBamHIによるその完全消化後プラス
ミドpBR322由来の小断片である。
したがってプラスミドpSE1はエシェリキア・コリでク
ローニングベクターとして使用されるのに必要な要素
(エシェリキア・コリにおける複製開始点およびプラス
ミドpTZ18Rに由来するアンピシリン耐性遺伝子)、およ
び動物細胞における発現ベクター(SV40ウイルスのプロ
モーター、ポリアデニル化部位、複製開始点)、および
配列決定するための1本鎖コピー(ファージf1の複製開
始点)を含んでいる。
2)末梢血単核細胞に特異的な配列を豊富に含んでいる
相補的DNAライブラリーの構成 使用したクローン化技術はカプトらが報告した方法で
ある[プライマー・アダプター手法、カプトら、プロシ
ーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシズ・オブ・ザ・USA(1986年)、83巻、1
670〜1674頁]。
この方法は、一方でベクターpSE1をApaIで消化し、ポ
リdc尾部を、突出した3′末端へ付加し、ついで得られ
たプラスミドをエンドヌクレアーゼBamHIで消化するこ
とからなる。ベクターに対応する断片をセファロースCL
4Bカラム(ファーマシア社)で精製する。したがってこ
の断片は一方の末端でポリdc尾部を含み、他の末端はBa
mHI型の粘着末端である。
他方、セクション1の最後に得られたRNA−ポリ
(A)+に、下記の配列 を有するプライマーを使用して逆転写を行う。即ち、cD
NAはその5′末端でBamHI粘着末端に相補的な配列GATCC
を有する。
逆転写の作用によって得られたRNA−DNAハイブリッド
をアルカリ加水分解することにより、RNAを除去するこ
とができる。ついで1本鎖cDNAを末端トランスフェラー
ゼで処理し、3′末端で、ポリ(dG)を付加できるよう
にし、セファロースCL4Bカラムで2回精製を繰り返す。
これらのcDNAをセクション1、2に記載と同様に製造
したCOS3細胞系(SV40ウイルスT抗原を発現するサル腎
臓細胞系[Y.グルツマン(1981年)、セル、23巻、175
〜182頁参照])に由来するRNA−ポリ(A)+とハイブ
リッド形成する。
ハイブリッド形成しないcDNAを単離する(末梢血単核
細胞に特異的なメッセンジヤーRNAと相補的なDNA中に豊
富に含んでいる画分)。
これらのcDNAを1本鎖の形でベクターpSE1へ挿入す
る。プライマーに相補的な第2のオリゴヌクレオチド
(アダプター)はcDNAの5′末端でBamHI部位を生じる
のに必要である。ベクター、cDNAおよびアダプターのハ
イブリッド形成ののち、組換え体分子をファージT4のリ
ガーゼの作用によってアニーリングする。ついで1本鎖
領域をファージT4のDNAポリメラーゼによって修復す
る。得られたプラスミドのプールをエシェリキア・コリ
MC1061株[カサバダンおよびS.コーエン、ジャーナル・
オブ・バクテリオロジー(1980年)、143巻、971〜980
頁]のエレクトロポレーションによる形質転換に使用す
る。
相補的DNAライブラリー作成のためのプロトコール a)相補的DNAの調製 セクション1の末尾で得られた末梢血単核細胞のRNA
−ポリ(A)+[下記の構成:RNA−ポリ(A)+−A0.5μ
g、RNA−ポリ(A)+−NA2μg、RNA−ポリ(A)+
T(5h)2μg、RNA−ポリ(A)+−T(24h)0.5μg
からなる]5μgから出発して、組成:50mMトリス−HCl
(pH8.3)、5mM MgCl2、10mM DTT、デオキシヌクレオチ
ドトリホスフェート誘導体の各々0.5mM、[α−32P]−
dCTP100μCiおよびRNasin(プロメガ社製)100単位を含
む緩衝液中下記の配列(BamHI部位を含む) からなる合成プライマーで、32P−dCTPで標識した1本
鎖の相補的DNAを調製する(得られた相補的DNAは3000dp
m/ngの比活性を有する)。逆転写酵素(ジェノフィット
社、E1022)100単位と46℃で30分間インキュベートした
のち、0.5M EDTA 4mlを添加する。第1の抽出をフェノ
ール(TE緩衝液で飽和)で実施し、ついで第2の抽出を
クロロホルムで実施する。ウシ肝臓転移RNA10μg、酢
酸アンモニウム10M溶液1/10容量、およびエタノール2.5
容量を加えて相補的DNAを沈殿させる。混合物を遠心分
離し、ペレットをTE緩衝液30μlに溶解し、ポリアクリ
ルアミドP10カラム(バイオジェルP10−200〜400メッシ
ュ、製品番号:1501050、バイオラド社)を使用する排除
クロマトグラフィーにより、塩類、フェノール、クロロ
ホルムのような小分子を除去する。
b)RNA鋳型のアルカリ加水分解 NaOHの2N溶液4.6μlを加え、68℃でインキュベーシ
ョンを30分間実施する。ついで2N酢酸4.6μlを加え、
得られた溶液をポリアクリルアミドP10カラムに通す。
c)dGのホモポリマー付加 末端トランスフェラーゼ酵素(ファーマシア、270730
01)66単位を使用して、3′末端をdG「尾部」で伸長す
る。37℃で30分間インキュベーションを、組成:30mMト
リス−HCl(pH7.6)、1mM塩化コバルト、140mMカコジル
酸、0.1mM DTT、1mM dGTPの緩衝液60μl中で行う。つ
いで0.5M EDTA 4μlを添加する。
d)セファロースCL4Bカラムによる精製 合成プライマーを除去するため、相補的DNAを30mM Na
OH/2mM EDTA溶液で平衡化した2つの連続したセファロ
ース CL4B(ファーマシア社)1mlのカラムで精製する。
最初の3つの放射性画分(それぞれ約80μl)をプー
ルし、10M酢酸アンモニウム溶液1/10容量およびエタノ
ール2.5容量で沈殿させる。相補的DNAの量は1μgであ
る。
e)ハイブリッド形成 相補的DNAのペレットをTE緩衝液25μlに浮遊し、COS
細胞系から抽出したRNA−ポリ(A)+15μgを加え、さ
らに3M NaCl溶液1/10容量およびエタノール2.5容量をこ
れに添加して、混合物を放置して−20℃で沈殿させる。
これを遠心分離し、ペレットを70%エタノールで洗浄
し、乾燥し、これを下記の組成[0.1Mトリス−HCl(pH
7.5)、0.3M NaCl、および1mM EDTA]からなる緩衝液5
μlに溶解し、得られた溶液を毛細管に加えて、熔封
し、ついて65℃で40時間インキュベートする。
毛細管の内容物をTE緩衝液100μlで希釈し、これに5
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)300μlを加え
る。得られた溶液をこのリン酸緩衝液で平衡化したヒド
ロキシアパタイトカラム(バイオラド社、製品番号:130
0520)へ60℃で通導する。リン酸緩衝液の濃度勾配(0.
1M→0.2M)を通導したヒドロキシアパタイトカラムによ
り、1本鎖物質(ハイブリッド形成しない相補的DNA)
および2本鎖物質(相補的DNAとハイブリッド形成したC
OSメッセンジヤーRNA)を分離する。1本鎖の相補的DNA
に対応する画分をプールし(溶出したcDNAの25重量%で
あって、末梢血単核細胞に特異的な配列を約4倍富化し
た画分に対応)、これに転移RNA20μgを添加し、全容
量を10M酢酸アンモニウム溶液1/10容量およびエタノー
ル2.5容量で沈殿させる。この混合物を遠心分離し、ペ
レットをTE 200μlに溶解し、残りのリン酸塩をポリア
クリルアミドP10で除去し、溶液を再度10M酢酸アンモニ
ウム溶液1/10容量およびエタノール2.5容量で沈殿させ
る。
ペレットを30mM NaOH、2mM EDTAの溶液30μlに溶解
する。残っている合成プライマーを除去するため、相補
的DNAを、30mM NaOH、2mM EDTAの溶液で平衡化した容量
1mlのセファロースCL4Bカラム(ファーマシア社)へ負
荷する。放射性を有する最初の3画分(それぞれ約30μ
l)をプールする。これらの画分に含まれているcDNAを
10M酢酸アンモニウム溶液1/10容量およびエタノール2.5
容量で沈殿させる。この方法で回収した相補的DNAの量
は20ngである。
f)クローニングベクターpSE1および相補的DNAのアダ
プター存在下対合 混合物を遠心分離し、ペレットをTE緩衝液33μlに溶
解し、クローニングベクターpSE1 5μl(125ng)、下
記の配列(ApaI部位を含む) からなるアダプター1μl(120ng)、および200mM NaC
l溶液10μlを添加し、反応混合物65℃でインキュベー
ションを5分間実施し、ついでを室温に放冷する。
g)ライゲーション クローニングベクターおよび1本鎖cDNAを、ファージ
T4のDNAリガーゼ酵素(ファーマシア社、製品番号:2708
7002)32.5単位(容量100μl)中、15℃で組成:50mMト
リス−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、1mM ATPの緩衝液中
1夜ライゲーションする。
h)cDNAの第2鎖の合成 フェノール抽出、ついでクロロホルム抽出によってタ
ンパク質を除去し、ついで10M酢酸アンモニウム溶液1/1
0容量およびエタノール2.5容量を添加する。混合物を遠
心分離し、ペレットを下記の組成[33mMトリス−酢酸
(pH7.9)、62.5mM酢酸カリウム、1mM酢酸マグネシウ
ム、1mMジチオトレイトール(DTT)]からなる緩衝液に
溶解する。ファージT4のDNAポリメラーゼ酵素(ファー
マシア社、製品番号:27−0718)30単位、および4種の
デオキシヌクレオチド三リン酸、dATP、dCTP、dGTP、お
よびdTTPの混合物、およびファージT4の32遺伝子タンパ
ク質(ファーマシア社、製品番号:270213)2単位から
なる混合物(容量30μl)を37℃で1時間インキュベー
トして相補的DNAの第2鎖を合成する。フェノールで抽
出を実施し、ポリアクリルアミドP10カラム(バイオジ
ェルP10−200−400メッシュ、製品番号:15011050−バイ
オラド社)を使用して微量のフェノールを除去する。
i)エレクトロポレーションによる形質転換 バイオラド・ジーン・パルサー装置(バイオラド社)
を使用し、製造会社の指示する条件下で2.5kVで操作す
るエレクトロポレーションにより、前記により得られた
組換えDNAでエシェリキア・コリMC1061細胞(クローン
テック社)を形質転換し、ついで菌を、下記の組成[バ
クトトリプトン10g/リットル、酵母抽出物6g/リット
ル、NaCl10g/リットル]からなる所謂LB培地(サンブル
ック、上掲)中1時間増殖し、ついでアンピシリン100
μg/mlを添加したLB培地で6時間30分増殖する。
寒天1.5%(w/v)およびアンピシリン100μg/mlを添
加したLB培地(以下、LBゲローズ培地と呼ぶ)の皿上接
種1時間後、形質転換の1/1000希釈を取り出すことによ
り、独立したクローン数を測定する。独立したクローン
数は500000である。
セクション3 差し引いた相補的DNAライブラリーの
スクリーニングおよびクローンNC30の選別 1)ナイロンフィルター上におけるcDNAライブラリーの
細菌コロニーレプリカの作成 cDNAライブラリーの組換え体細菌約40000個を、LB寒
天培地を含むペトリ皿(245×245mm)上に分配する(皿
1枚当たり約2000コロニー)。
これらの皿からそれぞれから、皿の表面にナイロン膜
(ヘイボンドN、アマーシャム社)を被せ、膜を針で突
き抜くことによって照合点を作ることにより、コロニー
をナイロン膜上へ移す。ついで膜を除き、これをLB寒天
培地を含む新しいペトリ皿の表面へ被せる。コロニーを
再増殖させるため、この膜を37℃で数時間放置する。こ
の最初の膜から、新しい膜(LB寒天培地に被せることに
よって予め加湿する)を逐次最初の膜と接触させること
により、4枚のレプリカを新しい膜上に作成する。膜上
に得られたレプリカを最後にLB寒天培地の皿に被せ、30
℃で1夜イキュベートする。
膜上のレプリカを、下記の組成[0.5M NaOHおよび1.5
M NaCl]の溶液で飽和したワットマン3MMシート上にコ
ロニー表面を上に向けて5分間被せることにより、細菌
を溶解し、DNAを固定することが可能となる。ついで膜
上のレプリカを、今度は下記の組成[1.5M NaClおよび5
Mトリス−HCl(pH8.0)]の中和溶液で飽和した第2の
ワットマン3MMシート上に5分間置く。膜上のレプリカ
を2×SSC溶液(SSC溶液の組成:0.15M NaClおよび0.015
Mクエン酸ナトリウム)ですすぎ、洗浄用脱脂綿でゆる
やかにこすることにより、細菌破片を部分的に除去す
る。
膜上のレプリカを、ついで下記の組成[10mMトリス−
HCl(pH8)、10mM EDTA、50mM NaCl、0.1%SDS]溶液
中、タンパク分解酵素K(ベーリンガー・マンハイム
社)(100μg/ml濃度)で膜1枚当たり20mlの割合で処
理する。混合物を振とうしながら37℃で30分間インキュ
ベートする。細菌破片のすべての痕跡を完全に除去する
ため、膜上のレプリカを再度2×SSCですすぐ。最後に
レプリカを濾紙上で数分間、ついで真空下+80℃で30分
間乾燥する。以上の処理によって、各皿毎に4枚ずつの
膜上レプリカが得られる(以下、これらをレプリカ1、
レプリカ2、レプリカ3およびレプリカ4という)。
2)cDNAプローブを作成するために使用するRNAの調
製: a) PMA、(PMAおよび抗−CD28)、(PMA、PHA−Pお
よびシクロスポリンA)または(PMAおよびPHA−P)を
使用して、末梢血単核細胞の培養および刺激: 非接着細胞を上記のように製造する。それらを、10%
ウシ胎児血漿(ギブコ BRL − 商品番号013−0629
H)および培地ml当たりペニシリン20単位およびストレ
イプトマイシン10μg、および最終濃度2mMのL−グル
タミン(ギブコBRL − 商品番号043−05030Dペニシリ
ン/ストレプトマイシン溶液)を補ったRMPI培地の存在
下表面積175cm2のファルコン型フラスコ中5時間培養す
る。細胞を下記の刺激条件下1)2)3)および4)の
うち1つで5時間刺激する: 1) フォルボール−2−ミリステート−3−アセテー
ト10ng/ml(PMA)(シグマ社製、商品番号P8139)の存
在下 2) PMA10ng/mlおよび抗−CCD28モノクローナル抗体
1μg/ml(レアクティフ・エ・システム社製 商品番号
ACM0280NC050)の存在下 3) PMA10ng/ml、植物凝集素(PHA−P)(シグマ社
製、商品番号L8754)およびシクロスポリンA1μg/ml
(サンド社製)の存在下 4) PMA10ng/mlおよびPHA−P5μg/mlの存在下 要するに、抗−CD28抗体の添加は、Tリンパ球でのmR
NAの安定性を増加することにより数種のサイトカイン、
特にIL−2、IFNγ、TNFαおよびGMCSFのmRNAの量を増
加するということ(リンドステン等、(1989年)、サイ
エンス、244巻、339頁)、および免疫抑制剤シクロスポ
リンAがTリンパ球でのPMAおよびPHA−Pでの活性化に
より誘発されるサイトカインのmRNAでの増加を抑制する
ということ(トンプソンC.B.問う、1989年、プロシーデ
ィグス・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイ
ズ・ユーエスエー、86巻、1333〜1337頁)は周知であ
る。
細胞は上記の刺激条件下補集され、各々細胞ペレット
1、細胞ペレット2、細胞ペレット3および細胞ペレッ
ト4と称する細胞ペレットを保存する。
b)RNA−ポリ(A)+の調製 上記の細胞ペレットから、RNAを抽出し、ポリ(A)+
画分を1〜2)a)およびb)に記載と同様に精製す
る。これによってポリ(A)+1画分、ポリ(A)+2画
分、ポリ(A)+3およびポリ(A)+4と呼ばれる4つ
のRNA−ポリ(A)+画分それぞれを得る。
3)放射能標識したcDNAプローブの調製 ポリ(A)+画分、ポリ(A)+画分、ポリ(A)+
よびポリ(A)+と呼ばれる4つのRNA−ポリ(A)+
分から、下記に説明する態様でそれぞれプローブ1、プ
ローブ2、プローブ3およびプローブ4と呼ばれる放射
能標識したcDNAプローブを合成する。
下記の組成[50mMトリス−HCl(pH7.5)および1mM ED
TA]からなる緩衝液2〜3μl中で、RNA−ポリA+1μ
gをオリゴdT12-18(ファーマシア社)200ngと65℃で2
分間インキュベートし、室温に冷却することにより、ハ
イブリッドを形成する。下記の組成[50mMトリス−HCl
(pH8.3)、5mM MgCl2、10mMジチオトレイトール]の緩
衝液(10μl)に、各50μMデオキシヌクレオチドトリ
ホスファート、dATP、dGTPおよびdTTP(ファルマシア社
製)、10μM dCTPおよび150μCi dCTP α32P(3000Ci/
ミリモル、アマーシャム社)、およびRNasin(RNA分解
酵素阻害剤、アマーシャム社)40単位を含有する反応容
量中で、放射能標識したcDNAを合成する。反応は、逆転
写酵素(ジェノフィット社)10〜20単位の存在で46℃で
30分間実施する。この合成に引き続き、最終容量20μl
までの0.3M NaOH溶液中でRNAを65℃で30分間アルカリ加
水分解する。3M酢酸の添加により混合物を中和する。容
量をTE培地で50μlに調節する。これと同量のフェノー
ルで抽出を実施し、さらにこれと同量のクロロホルム/
イソアミルアルコール混合物(それぞれの割合は24/1)
で第2の抽出を行う。cDNA鎖の合成中に挿入されなかっ
たdCTPα32PはポリアクリルアミドP10カラム(バイオジ
ェル−200−400メッシュ、バイオラド社)による排除ク
ロマトグラフィーにより除去する。
cDNAの量は60〜100ngで、1×109dpm/μgの比活性を
有する。
4)細菌コロニーのレプリカとcDNAプローブとのハイブ
リッド形成 膜上のレプリカを、下記の組成[50%ホルムアミド、
6×SSC、5×デンハート溶液、0.1%SDS、および音波
処理し、10分間、100℃で変性したのち添加したサケ精
子DNA100μg/ml]からなる緩衝液中で42℃で2時間プレ
ハイブリッド化する。膜上のレプリカは、レプリカ1の
場合はプローブ1と、レプリカ2の場合はプローブ2
と、レプリカ3の場合はプローブ3と、レプリカ4の場
合はプローブ4と、それぞれ2日間ハイブリッド形成す
る。これらのプローブを上記の緩衝液中で4ng/mlの濃度
で使用する。5×デンハート溶液[サムブルック(前
掲)参照]は下記の組成[フィコール(タイプ400、フ
ァーマシア社)1g/リットル、ポリビニルピロリドン1g/
リットル、ウシ血清アルブミン(BSA)1g/リットル]を
有する。
プレハイブリッド化およびハイブリッド形成は、膜1
枚当たり、それぞれ緩衝液25mlおよび10mlを使用して、
ハイブリッド化オーブン(ハイベイド)中で試験管内で
実施する。
ついで膜上のレプリカを、順次、下記の組成[2×SS
Cおよび0.1%SDS]の緩衝液で、20℃で15分間ずつ数
回、ついで下記の組成[0.1×SSCおよび0.1%SDS]の溶
液で55℃で2回洗浄し、ワットマン3MM濾紙上で乾燥
し、コダックXAR5フィルムでオートラジオグラムに掛け
る。
5)既知サイトカインの大多数に対応するオリゴヌクレ
オチドの混合物とのハイブリダイゼーション 既知サイトカインのメッセンジャーRNAに相補的なDNA
を含むクローンを同定するため、上記と同様に製造し
た、膜の別の一連のレプリカを、次のサイトカイン: インターロイキン−1α(フルタニY等、1985、「ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ」、13、5869−588
2)、インターロイキン−1β(アウロンP等、1984、
「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド
・ステーツ・オブ・アメリカ」、81、7907−7911)、イ
ンターロイキン−2(デグレーブW等、1983、「EMBOジ
ャーナル」、2、3249−3253)、インターロイキン−3
(ヤングY.C.等、セル、1986、47、3−10)、インター
ロイキン−4(ヨコトT等、1986、「プロシーディング
ス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシーズ」、83、5894−5898)、インターロイキン−5
(ヒラノT等、1986、「ネイチャー」、324、73−7
5)、インターロイキン−6(メイL等、1986、「プロ
シーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ
ーツ・オブ・アメリカ」、83、8957−8961)、インター
ロイキン−7(ナーメンA等、1988、「ネイチャー」、
333、571−573)、インターロイキン−8(マツシマK
等、1988、「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・
メディシン」、167、1883−1893)、インターロイキン
−9(ヤングY.C.等、1989、「ブラッド」、74、1880−
1884)、TNFα(ペニカD等、1984、「ネイチャー」、3
12、724−729)、TNFβ(グレイP等、1984、「ネイチ
ャー」、312、721−724)、G−CSF(ナガタS等、ネイ
チャー、1986、319、415−418)、M−CSF(カワサキE
等、1985、「サイエンス」、230、291−296)、GM−CSF
(ウォングG等、1985、「サイエンス」、228、810−81
5)、LIF(グラフN等、1988、「プロシーディングス・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
ーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメ
リカ」、85、2623−2627)、インターフェロンα(ゲー
デルD等、1981、「ネイチャー」、290、20−26)、イ
ンターフェロンβ1(タニグチT等、1980、「ジー
ン」、10、11−15)、インターフェロンγ(グレイP
等、1982、「ネイチャー」、295、503−508)、TGFα
(デリンクR等、1984、「セル」、38、287−297)、TG
Fβ1(デリンクR等、1985、「ネイチャー」、316、70
1−705)、bFGF(プラッツH等、1989、「プロシーディ
ングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オ
ブ・アメリカ」、86、1836−1840)、エリスロポイエチ
ン(ジャコブスK等、1985、「ネイチャー」、313、806
−810)、BCGF(シャルマS等、1987、「サイエン
ス」、235、1489−1492)、MIF(ワイザーW等、1989、
「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド
・ステーツ・オブ・アメリカ」、86、7522−7526)、MC
P−1(ヨシムラT等、「FEBSレターズ」、244、487−4
93)、オンコスタチン−M(マリクN等、1989、Mol.Ce
ll.Biol.、9、2847−2853)およびEDF(ムラタM等、1
988、「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイ
テッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、85、2434−243
8)に相補的なDNAに対応する、各々20ヌクレオチドを含
む28オリゴヌクレオチドから成る混合物−混合物Cと称
す−ハイブリダイゼーションする。
バイオサーチ8700DNAシンセサイザーを用いて製造さ
れたこれらのオリゴヌクレオチドと、下記プロトコール
に従い西洋わさびペルオキシダーゼEC1.11.17(ベーリ
ンガー・マンハイム−参照番号814−407)と結合させ
る。
ワッチャー等、1986、「ヌクレイック・アシッズ・リ
サーチ」、14、7985−7994の方法に従い、オリゴヌクレ
オチドを、合成カラムにおいてカルボニルジイミダゾー
ル(アルドリック−11、553−3)および1,6−ジアミノ
ヘキサン(アルドリック−H1.169−6)と反応させる。
塩基の脱保護およびアンモニア処理による支持体の開
裂後、リチウムイオンに変換されるアンモニウム対イオ
ンでイオン交換樹脂(キアゲン−ダイアゲン500051)上
でオリゴヌクレオチドを精製する。
M.ウルデア等、「ヌクレイック・アシッズ・リサー
チ」、1988、16、4937−4956の方法に従い、5′−アミ
ノオリゴヌクレオチドを西洋わさびペルオキシダーゼ
(ベーリンガー・マンハイム−814407)と結合させる。
オリゴヌクレオチドの混合物は、ライブラリーにおけ
るクローンの約10%とハイブリダイズする。
プローブ1よりもプローブ2による場合プローブ1よ
りもプローブ4による場合およびプローブ3よりプロー
ブ4による場合に強いオートラジオグラフィー・シグナ
ルを与える。これらの2つのクローンを以後クローンNC
30およびNC30の2と称し、選ばれた。それらのクローン
は、pSE1−NC30と称するプラスミドおよびpSE1−NC30の
2と称するプラスミド各々を含む。
セクション4:末梢血単核細胞中クローンNC−30のmRNA
の発現 非付着細胞(主にリンパ球から成る)をセクション1
−1)に記載と同様に製造し、更に非刺激対照細胞(刺
激条件0)でセクション3−2)−a)に記載と同様に
刺激する。5段階の刺激条件下それらの細胞のmRNAを実
施例1−2)−aに記載と同様に製造し、ホルムアルデ
ヒドの存在下1%アガロース・ゲル電気泳動(サムブル
ック、前出)、次いでナイロン膜(ハイボンドN+−ア
マーシャム)への移動および下記プロトコールによるハ
イブリダイゼーションにより分析された。
この膜を、「α−32P]−dCTP(アマーシャム)によ
り標識したプローブとハイブリダイズする。このプロー
ブは、サムブルック等(前出)による記載に従い、DNA
アーゼIによるNC30cDNAの部分開裂、次いで酵素DNAポ
リメラーゼI酵素によるポリマー化(ニック翻訳として
知られている技術)によりNC30 cDNAから製造されたも
のである。ハイブリダイゼーションは、50%のホルムア
ルデヒド、1モルのNaCl、5×デンハルツ溶液および0.
1%のSDSを含む水性培地中16時間42℃で行なわれる。こ
れらの膜を、室温で数回0.1%のSDSを含む2×SSC溶液
により洗浄し、次いで50℃で15分間0.1%のSDSを含む0.
1×SSC溶液により2回洗浄する。5×デンハルツ溶液
は、フィコル(400タイプ−ファーマシア)1g/l、ポリ
ビニルピロリドン1g/lおよびBSA1g/lという組成を有す
る。1×SSC溶液は、0.15モルのNaClおよび0.015モルの
くえん酸ナトリウムを含有する。
非刺激細胞および条件1)2)3)および4)の条件
下刺激した細胞において、約1.4kbのRNAに対応するオー
トラジオグラフのバンドが観察される。このRNAの発現
は、PMAの存在下増大し(刺激条件1の強さは、刺激条
件0の強さの少なくとも5倍の強度のバンド)、この増
強は、PHA−Pまたは抗−CD28の付加的存在下−増大
し、刺激条件2)および4)は、(刺激条件1)の約5
倍の強度のバンド)し、PHA−Pおよびシクロスポリン
の付加的存在下変化しない。
精製したTリンパ球群(純度95%以上)で行われた別
の実験において、PMAおよび抗−C28の共刺激後、NC30mR
NAの発現もまた観察される。
セクション5 クローンNC30のcDNA配列の配列決定および分析 1)クローンNC30のcDNAの配列決定 a)1本鎖DNAの製造 クローンNC30は、ApaIおよびBamHI部位間にcDNA(以
後、NC30cDNAと呼ぶ)をもつベクターpSE1を含む。
ベクターpSE1はファージf1の複製開始点を含み、下記
方法でバクテリオファージM13K07(ファーマシア−参照
番号27−1524)の存在下クローンNC30の培養による1本
鎖DNAの製造が可能となる。
15ml管において、クローンNC30を、0.001%のチアミ
ンおよび100μg/mlのアンピシリンを補い、バクトトリ
プトン16g/l、酵母抽出物10g/lおよびNaC15g/lという組
成を有する2×YT培地(サムブルック等(前出)に記
載)2ml中37℃で振り混ぜながら、660nmで約0.60の光学
密度になるまで培養する。
−この培養物100μlを、15ml管中10程度の感染倍率で
バクテリオファージM13K07(ファーマシア−参照番号27
−1524)により感染させる。培養物を37℃で振り混ぜ
る。
−1時間後、培地2mlを加える。次いで、培養物を約16
時間37℃で振り混ぜながらインキュベーションする。
−培養物1.5mlを、マイクロチューブ中2分間15000gの
遠心分離にかける。
−上清1mlをマイクロチューブに移し、2.5モルのNaClを
含むポリエチレングリコール(分子量6000)の20%溶液
250μlで処理する。混合物を5分間4℃でインキュベ
ーションすることにより、ファージの沈澱を容易にし、
次いで15000gで5分間遠心分離する。上清を除去し、フ
ァージのペレットを、トリス−HCl、10ミリモル、pH8お
よびEDTA、1ミリモルとう組成を有する緩衝液500μl
に再懸濁する。
−懸濁液を、トリス−HCl 100ミリモルpH8で緩和させた
フェノールにより1回、次いでクロロホルムにより2回
抽出する。
−次いで、1/10容量の3モル酢酸ナトリウム(pH4.8)
溶液および2.5容量のエタノールを加えることにより、
生成物を沈澱させる。最少限20分間−20℃で沈澱させ
る。DNAを15000gで10分間遠心分離し、ペレットをエタ
ノールの70%溶液により洗浄し、次いでトリス−HCl 10
ミリモルpH8およびEDTA1ミリモルという組成を有する緩
衝液30μlに再懸濁する。
b)配列決定 ユナイテッド・ステーツ・バイオケミカル・シークエ
ンシング・キット(参照番号70770)を用いて配列決定
反応が行なわれる。この場合、サンガー等、「プロシー
ディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ
・オブ・アメリカ」、1977、14、5463−5467の方法が用
いられる。使用されるプライマーは18ヌクレオチドのオ
リゴヌクレオチドであり、これらはNC30 cDNAの5′末
端近接領域におけるベクターpSE1、すなわちNC30 cDNA
の配列に相補的である。
2)NC30 cDNAの配列の分析 下記内容は、図2、3および4を参照することにより
さらに明確に理解されるはずである。
NC30 cDNAの配列の分析 (1)NC30 cDNAは、1282ヌクレオチドを含み、ポリA
配列により終結する。
(2)このフクレオチド数は、対応するメッセンジャー
RNAのサイズ(約1.4kb)と一致する(セクション4参
照)。
(3)1264〜1269位において、M.バーンスティール等、
1985、「セル」、41、349に記載された共通配列AATAAA
と類似した配列CATAAAは、恐らくはポリアデニル化シグ
ナルであると思われる。855〜861、872〜878、1133〜11
39および1152〜1158位において、7種のヌクレオチドの
配列は、G.シャウ等、1986、「セル」、46、659−667に
記載された共通不安定性単位AUUUAに対応する配列ATTTA
を含む:TATTTAT、TATTAA、AATTTATおよびTATTTAAである
ことが判明する。既知サイトカインの大多数の相補的DN
Aは、この共通不安定性単位に対応する配列を有する。
4)DNA配列は、15〜17位のATGから翻訳停止コドンに相
当する453〜455位のTGAまでの蛋白質の翻訳に関する読
み取り可能枠を含む。この読み取り可能枠には、15〜17
および57〜59位に翻訳を開始し得る2個のATGコドン−1
46個および132個のアミノ酸の各々の翻訳されたタンパ
ク質に対応する−が存在する。これらの中でも、57〜59
位のATGのヌクレオチド環境は、真核生物における翻訳
の開始に関して、コザックM、1978、「セル」、15、11
09−1123に記載された共通配列に最も類似した環境であ
る。
(5)シグナルペプチド検索ソフトウェア(以後、PSソ
フトウェアと呼ぶ)は、フォン・ヘイーネ、1986、「ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ」、14、483−490によ
り記載された方法および情報に従い本出願人により開発
された。このソフトウェアは、この読み取り可能枠にお
いて、シグナルペプチドに類似した疎水性領域および74
〜75(ThrとThr間)、86〜87(AlaとLeu間)、110〜111
(AlaおよびSer間)および116〜117(ProとGly間)の4
つの可能な蛋白質開裂部位を予想する。予想されたシグ
ナルペプチドは、翻訳を開始し得る2つのMetのうちの
一つとこの4つの開裂部位のうちの一つの間にある。従
って、成熟蛋白質(そのシグナルペプチドから開裂され
た翻訳蛋白質)は、126、122、114および112個のアミノ
酸を含む。
同じ予測は、ウイスコンシン大学UWGCGソフトウエア
を使用して得られた:ドブルクス等、1984年、ニューク
レイック・アシッズ・リサーチ、12巻、8711〜8721選択
頁:G.ボン、ハイジュの方法(上記参照)によりシグナ
ルペプチドの試験。
他の周知の配列との比較 成熟タンパク質の112個のアミノ酸配列のペプチド配
列に最もに密接に関連する既知のペプチド配列は、K.D.
ブラウン等、1989年、ジャーナル・オブ・イムノロジ
ー、142巻、679〜687頁に記載されたマウスタンパク質P
600のcDNAから誘発された132種のアミノ酸のタンパク質
のペプチド配列である。このタンパク質をマウスTリン
パ球(コカナバリンAを使用して活性化されたTh2細
胞)のサブクラスに発現する。
ウイスコンシン大学のUWGCGソフトウエアを使用した
ニードルマンおよびワンシュ、1970年、48巻、443〜453
頁の方法を使用してそれらのペプチド配列の比較(ドブ
ル等、1984年、ニュークレイック・アッシズ・リーサ
チ、12巻、8711〜8721頁、GAPオプション)は、112種中
63種のにアミノ酸が、同一であり、すなわち約56%が相
同であるということを示す。Fig.3に示されるように、
このアルゴリズム的法は、すべての可能な配列を考慮
し、同一アミノ酸の最大可能な数を対合し、直線配列の
穴あきが最小である配列を見付けだす。
この方法によるヌクレオチドの配列の比較は、NC30 c
DNAコード化配列とマウスタンパク質P600のcDNA間で約7
0%の相同性を示す(Fig.4参照)。
3) クローンNC30ビスのcDNAの配列決定 上記の項目1)で行われた配列、75番目の翻訳された
アミノ酸を除いて、クローンNC30の2についてのGACで
コード化されるASPおよびGGCでコード化されるGlyであ
る、クローンNC30と同じタンパク質配列をクローンNC30
の2のcDNAにつき見出すことを可能にする。
セクション6 NC30 cDNAによりコードされた蛋白質のCOS細胞におけ
る分泌の分析 COS細胞は、SV40ウイルスのT−抗原を発現するサル
腎臓細胞である(グルツマンY.、「セル」、23、1981、
175−182)。SV40ウイルスDNAの複製開始点を含むベク
ター(ベクターpSE1の場合と同様)の複製を可能にする
これらの細胞は、動物細胞における遺伝子発現研究用の
好ましい宿主を構成する。
1)COS細胞のトランスフェクションおよびNC30 cDNAに
よりコードされる蛋白質の一時的発現 直径6cmのペトリ皿(コーニング)中、0.6g/lのグル
タミンおよび3.7g/lのNaHCO3を含み、5%の割合で牛胎
児血清(ギブコ)を補ったダルベッコ修正イーグル培地
(ギブコ、参照番号041−01965)(以後、DMEMと称す)
5mlに5×105COS細胞を接種する。5%の割合で二酸化
炭素を含む雰囲気中37℃で約16時間培養後、培養培地を
吸引ろ過し、細胞を3mlのPBS(ギブコからの燐酸緩衝食
塩水)で洗浄する。次いで、1000μlの(DMEM+10%牛
胎児血清(ギブコ))、2mg/mlの濃度で平均分子量5000
00のジエチルアミノエチルデキストラン(ファーマシ
ア)110μl、100ミリモルのクロロキン(シグマ)1.1
μl、およびアルカリ性溶解技術、次いで塩化セシウム
勾配でのプラスミドDNAの精製により製造されたクロー
ンNC30のプラスミドDNA(サムブロック等、前出)6μ
gから成る混合物を加える。5%の割合で二酸化炭素を
含む雰囲気中37℃で5時間インキュベーション後、混合
物を細胞から回収する。10%のジメチルスルホキシドを
含むPBS(分光分析用、メルク)2mlを加える。室温で1
分間インキュベーション後、混合物を回収し、細胞をPB
Sで2回洗浄し、2%の割合で胎児牛血清を含むDMEM中
でインキュベーションを行う。5%の割合で二酸化炭素
を含む雰囲気下、37℃で40時間インキュベーションを続
行する。
また、プラスミドpSE1のDNAを用いて上記操作を行う
ことにより、対照COS細胞を製造した。
2)蛋白質の標識 クローンNC30のプラスミドDNAによりトランスフェク
ションされたCOS細胞および対照COS細胞を用いて、下記
操作を全て遂行する。
培養培地を吸引により除き、細胞を3mlのPBSで2回洗
浄する。3g/mlのグルコースおよび4ミリモルのグルタ
ミンを補ったメチオニン不含有MEM(イーグル最少必須
培地)(ギブコ−参照番号041−01900H)5mlを加える。
37℃で2時間インキュベーションを行う。培養培地を除
去し、200μCiのメチオニン35S(参照番号SJ1015、アマ
ーシャム)が加えられた、さらに2mlの同培地を細胞に
加える。インキュベーションを37℃で6時間行う。培養
培地を除去し、5分間遠心分離にかけることにより、細
胞屑および懸濁した細胞を排除し、上清を保持する。
3)ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるトランスフ
ェクションCOS細胞の放射性標識蛋白質の分析 トランスフェクションされたCOS細胞上清1mlおよびア
セトン9mlを−20℃で沈澱させる。懸濁液を遠心分離
し、蛋白質ペレットを回収する。それらを緩衝液(組
成:トリス0.125モル、pH6.8、SDS4%およびグリセリン
20%)中にとり、混合物を100℃10分間加熱する。20000
0cpmの放射能に相当する、生成した懸濁液のアリコート
を、U.K.レムリ、「アナリティカル・バイオケミストリ
ー」、1977、78、459に記載された技術に従いSDSの存在
下15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析す
る。ゲルを真空乾燥する。放射性標識蛋白質をオートラ
ジオグラフィーにより発色させる。
オートラジオグラフで、クローンNC30のプラスミドDN
Aによりトランスフェクションされた細胞について、対
照細胞と比較すると、4つの余分のバンド:見かけ上の
分子量9.0±2kDaに対応する高密度の鋭いバンドおよび
見かけ上の分子量16.0±2kDaに対応する低い強度の分散
したバンドの存在が観察される。従って、クローンNC30
は、分泌されたタンパク質をコード化する(以後タンパ
ク質NC30と称する)。9±2kDaバンドに対応する本発明
のタンパク質の形態の見掛け分子量は12366Daの112個の
アミノ酸の成熟タンパク質で計算された分子量より小さ
い。この差は、おそらく本発明のタンパク質のこの形態
の意外な電気泳動移動性によりもたらされる。
見掛け分子量16.0±2kDaのバンドは、本発明のタンパ
ク質のN−グリコシル化形態に対応し得る。事実、後者
は、N−グリコシル化され得るアスパラギン残基(図2
では破線による下線が付されたもので、ドナー等、「ジ
ャーナル・オブ・セル・バイオロジー」、1987、105、2
665に記載された共通配列に対応する)並びにO−グリ
コシル化され得る幾つかのセリンおよびトレオニン残基
を有する。
4)16±2および17±2kDaの見かけ上の分子量を有する
可能なN−グリコシル化の立証 上記2)と同様で行うが、ただし蛋白質N−グリコシ
ル化阻害物質である10μg/mlのツニカナイシン(シグマ
−参照番号T7765)の存在下で、蛋白質を標識する。
ポリアクリルアミドゲルにおける蛋白質の分析を3)
と同様に行う。
オートラジオグラフ上、クローンNC30のプラスミドDN
Aによりトランスフェクションされた細胞について、対
照細胞と比較すると、1つの余分のバンド:見かけ上の
分子量9±2kDaに対応する1つのバンドの存在を示す。
これらの結果は、16±2kDaの分子量に対応する、3)で
観察された組換え蛋白質の形態がN−グルコシル化され
ていることを示す。
セクション7:COS細胞中NC30タンパク質の製造 4.3×107COS細胞を、通常ローラーと称する表面積850
cm2の円筒の培養フラスコ内グルタミン0.6g/lおよびNaH
CO33.7g/lを含み、5%の割合でウシ胎仔血清を補足
し、ついで二酸化炭素で緩衝化したダルベコ修復イーグ
ル培地(以下、DMEMという(ギブコ、参照番号041−019
65))150ml中に接種した。
約0.2rpmの回転速度で37℃約16時間培養後、培養培地
を吸引し、細胞をPBS(ギブコ社製リン酸緩衝食塩水)
で洗浄する。次いで下記の混合物を加える:DMEM+10%
胎仔ウシ血清(ギブコ)35ml、2mg/mlの濃度にて平均分
子量500,000のジエチルアミノエチルデキストラン4ml
(ファルマシア)、100mMクロロキノン40μlおよびア
ルカリ融解法によった後、塩化セシウム勾配におけるプ
ラスミドDNAの精製により製造された(サムブルック
等、上掲)クローンNC30のプラスミドDNA128μg。5%
CO2を含む雰囲気下37℃5時間インキュベート後、混合
物を細胞から回収する。次いで7%ジメチルスルホキシ
ドを含むPBS緩衝液35ml(分光計純度、メルク)を4℃
で加える。室温で1分30秒間回転後、混合物を回収し、
細胞をPBSで2回洗浄する。1%ウシ胎児血清(FCS)を
含むDMEM培地(シグマ)150mlを回転びんに加え、細胞
を5%CO2存在下37℃インキュベートする(回転数0.2rp
m)。トランスフェクション後1日、培地を吸引して回
収し、細胞をPBSで2回すすぐ。血清を含まないDMEM培
地(シグマ社製)150mlを回転びん毎に加え、回転びん
を5日間5%CO2の存在下37℃で置く(回転数0.2rp
m)。
トランスフェクション後6日目に採取する。培養培地
を7000rpmで10分間遠心分離する;上清を0.2μmネルジ
ンフイルターを通して濾過する。
セクション8:COS細胞中製造されたNC30タンパク質の
精製、およびアミノ酸末端配列の決定 1) NC30タンパク質の精製 見掛け分子量9±2kDaの組換タンパク質の主要成分
を、以下の工程を使用して、セクション7で得られた上
清500mlから精製した: − 溶出液として流速2ml/分で5mM酢酸ナトリウム緩衝
液(pH4.0)中1M NaCl溶液を用いて、50mM酢酸ナトリウ
ム溶液で前以て平衡化したSファーストフロー高速カラ
ム(ファルマシア社製)(15×100mm)でのイオン交換
クロマトグラフィー − 溶出物を約1mlの容量にセンタプレップ膜(アミコ
ン社製)上で濃縮し、ついで0.1%TFAを含む溶液中直線
勾配30〜70%アセトニトリルで、30%アセトニトリルお
よび0.1%TFAを含む溶液で前もって平衡化したC4カラム
(ボーンリー社製)(100×2.1mm)で(逆相)HPLCクロ
マトグラフにかける。組換タンパク質を含む画分(SDS
存在下ポリアクリルアミドゲルで電気泳動分析により決
定された)を溜める。
2) 見掛け分子量9±2kDaのNC30タンパク質のアミノ
末端配列の決定 1)の終わりで得られたタンパク質をSDS存在下16%
ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。タンパク質
を、イムモビロン膜(ミリポア社製)で25mMトリス−ホ
ウ酸(pH9.0)、10%メタノールの組成の緩衝液中0.8mA
/cm2の強度で1時間移動させ、ついでクマシーブルーで
視覚化する。
見掛け分子量9±2kDaのバンドを切り取り、アプライ
ド・バイオシステムズ120A型フェニルチオヒダントイン
誘導体分析器を連結したアプライド・バイオシステムズ
470A型シークエンサーに入れる。
得られたアミノ末端配列は、以下の配列である(t
r0): 上記の配列は、PSソフトウェアにより予測された4番
目の切断部位に対応する(セクション5のサブセクショ
ン2、参照)。
セクション9:酵母中NC30 cDNAの発現ベクターの構
築:プラスミドpEMR673およびこのプラスミドを使用し
て酵母種の形質転換 1)プラスミドpEMR673の構築 プラスミドpEMR583(ヨーロッパ特許出願435776に記
載)を酵素HindIIIおよびBamIIIで完全に消化する。2
ミクロン複製起点およびSTB遺伝子座、LEU2d遺伝子、ア
ンピシリン耐性遺伝子、pBR322起点、PGK遺伝子ターミ
ネーター、URA3遺伝子、合成プロモーターおよびフェロ
モンアルファのプレプロ領域の出発点を含む、大型フラ
グメント(以下、フラグメントAと称する。)を精製し
た。
フェロモンアルファのプロプレ領域の終点および成熟
タンパク質をコードしているcDNAを含み、3′末端でBa
mIII制限部位により隣接されたHindIII−BamIIIフラグ
メント(以下、フラグメントBと称する)を、プラスミ
ドpSE1−NC30から出発してPCR法による増幅により得
た。このフラグメントの配列はFig.5に詳細に記載す
る。フラグメントAおよびBを結合し、プラスミドpEMR
673を得る。
a)ポリメラーゼ鎖反応(PCR)法の記述 ポリメラーゼ鎖反応(PCR)法は、当技術の熟練者に
周知の方法であり、プライマーとして2種のオリゴヌク
レオチドを使用してあらかじめ変性したDNAの2ストラ
ンドを同時に複写することを可能にする(特に、H.A.エ
リックによる研究:「PCR法:DNA増幅の原理および適
用」、1989年、マックミリアン・パブリッシャーにより
刊行およびM.A.イニス等:「PCRプロトコール」、1990
年、アカデミック プレス Inc.、サンティエゴ、カル
フォルニア、92101、アメリカ合衆国により刊行)。こ
の技術の原理を以下に要約する。
PCR法は、10〜30サイクル後、通常Taqポリメラーゼと
称されるテルムス アクアチクスのDNAポリメラーゼを
使用して、10〜30サイクル後、もとの鋳型の100,000コ
ピーを得ることを可能とする3工程の繰返しに基づく。
3工程は以下である: 鋳型の変性: 二重鎖DNAを約2分間高温(92℃〜96℃)でのインキ
ュベーションにより一重鎖DNAに変性する。
プライマーのハイブリダイゼーション これらのプライマーは、増幅される領域の末端とハイ
ブリッドする一対の合成オリゴヌクレオチドである。2
種のプライマーは反対鎖とハイブリッド形成する。プラ
イマー−鋳型複合物の形成を最適にするためにプライマ
ーを過剰に加える。
プライマーの延長 Taqポリメラーゼが5′末端から3′末端へプライマ
ー鋳型複合物を延長する工程を72℃で行う。
PCR法において、目的の生成物が3回目のサイクルで
発現し、次いで顕著に増幅される。サイクルがおこなわ
れる間に、増幅生成物は、迅速にプライマーがハイブリ
ッド形成する鋳型になる。
b)使用されたプライマーの説明 2種の合成オリゴヌクレオチドを製造する。
以下の配列: を有する、プライマー1と称する第1のオリゴヌクレオ
チドは、2つの異なる領域:領域1のコード化部分のす
ぐ前にHindIII切断部分を導入することを可能にするサ
イレント突然変異によりクルジャン等、1982年、第30
巻、933〜943頁に記載の天然配列に関して修飾されたα
フェロモンのプレプロ領域の末端を含む領域1(領域1
の11番目のヌクレオチド)、および114個のアミノ酸の
成熟タンパク質の起点に対応する(参照セクション
5)、NC30 cDNAの非コード化ストランドのコード化領
域をハイブリダイズすることを意図する領域である第2
領域を有する。
第2のオリゴヌクレオチドは、プライマー2と称し、
以下の配列を有する: 第2のオリゴヌクレオチドは、また2種の異なる領
域:領域1は、第4番目のヌクレオチドにBamHIを担持
し、領域2はNC30 cDNAの非翻訳3′領域に相当するヌ
クレオチド配列を担持する。この領域はNC30 cDNAのコ
ード化ストランドとハイブリッド形成を意図するもので
ある。
c)フェロモンおよび成熟タンパク質NC30のコード化cD
NAのプレプロ領域の末端を示すHindIII−BamHI増幅フラ
グメントの製造 プラスミドpSE1−NC30はタンパク質NC30のコード化cD
NAを担持しており、これを鋳型として使用した。
プラスミドpSE1−NC30の100ng、プライマー1の100n
g、プライマー2の100ngおよび10−倍濃縮反応混合物
(最終量:67mMトリス−HCl pH8.8、16.6mM(NH42S
O4、1mMβ−メルカプトエタノール、6.7mM EDTA、0.15
%トリトンX100、2mM MgCl2、0.2mM dNTP、ゼラチン200
ng)を管に入れ、混合物の体積をついで水を加えて50μ
lにする。
Taqポリメラーゼの0.5μlすなわち2.5ユニット(ベ
ーリンガーマンハイム商品番号1146−173)を加える。
ついで、混合物を、水溶液の蒸発を防ぐためにパラフィ
ンで覆う。
増幅は15反応サイクル以上でおこり、以下に1サイク
ルの工程を示す: 94℃1分間→変性 55℃1分間→ハイブリダイゼーション 72℃1分間→重合化 15サイクル後、酵素反応を20mMEDTAの添加により止め
る。
この方法で増幅されるDNAフラグメントは、約380bpの
所望の大きさを有し、ついで単離され、1%アガロース
ゲル上で精製され、P10ポリアクリルアミドゲル(ファ
ルマシア)のカラム上でクロマトグラフにかけて透析さ
れ、ついでHindIIIおよびBamHI粘着性末端を形成するた
めに当技術の熟練者に周知の常法(サムブルック等、上
掲)により酵素HindIIIおよびBamHIで完全に同時に加水
分解される。加水分解後、フラグメントをP10カラム上
で精製する。
得られたフラグメントBの配列はFig.5に示す。タン
パク質NC30のコード化部位において、Fig.5のアスタリ
スクにより示されるNC30 cDNAに関するサイレント突然
変異を含む。
フラグメントAおよびBを結合させて、プラスミドpE
MR673を得る。
2)プラスミドpEMR617による酵母菌株EMY761の形質転
換および形質転換された菌株によるタンパク質NC30の発
現 ヨーロッパ特許0408461記載のEMY761株(Mat alpha、
leu2、ura3、his3)は、I−1021の番号のもと1989年12
月27日CNCMに寄託された株をプラスミド回復して得ら
れ、プラスミドpEMR673中存在するLEU2d欠損選択マーカ
ーおよびURA3選択マーカーにより相補され得る突然変異
(leu2およびura3)を含む。その株を、浸透安定剤、即
ち1M濃度のソルビトール存在中酵母を原形質処理するこ
とを含む、ベックス等(ベックス等、1987年、ネイチャ
ー、第275巻、104〜109頁)により記載された形質転換
技術の変法を使用して、ロイシン原栄養性選択を有する
プラスミドpEMR673と形質転換する。
正確な形質転換プロトコールを以下に示す: a)液体YPG培地200ml(下記、第1表参照)を、静止相
にある約5×106細胞培養物で接種し、この方法で接種
された培養物を30℃で一夜攪拌する。
b)培養物が約107細胞/mlに達するとき、細胞を4000rp
mで5分間遠心分離し、残渣を1Mソルビトール溶液で洗
浄する。
c)細胞を25mMEDTAおよび50mMジチオスレイトールを含
む1Mソルビトール溶液5ml中に懸濁し、30℃で10分間イ
ンキュベートする。
d)細胞を1Mソルビトール溶液10mlで1回洗浄し、ソル
ビトール溶液20mlに懸濁する。チモラーゼ−100T(アフ
ィニティーカラム上アルソバクター・ルテウス培養上清
の部分精製により得られ、β−1,3−グルカナーゼラミ
ナリペンタヒドラーゼを含む、セイカガク コウギョウ
社製市販品)を最終濃度20μg/mlになるまで加え、懸濁
液を室温で15分間インキュベートする。
e)細胞をYGPソルビトール培地(第1表、参照)と称
するソルビトール含有の培地20mlに再懸濁し、静かに攪
拌しつつ30℃で20分間インキュベートする。
f)懸濁液を2500rpmで3分間遠心分離する。
g)細胞を以下の組成の形質転換緩衝液9ml中に再懸濁
する:ソルビトール1M、トリス−HClpH 7.5 10mMおよび
CaCl2 10mM。
h)細胞0.1mlおよびDNA溶液5μl(約5μg)を加
え、得られた懸濁液を室温で10〜15分間放置する。
i)以下の溶液1mlを加える:ポリエチレングリコールP
EG400020%、トリス−HClpH 7.5 10mMおよびCaCl2 10m
M。
j)i)で得られた懸濁液0.1mlを、前もって溶解し、
約45℃液状に保ったロイシン無含有の固体再生培地(第
1表、参照)を含む管に注ぐ。懸濁液をロイシン無含有
の固体再生培地15mlの固体化された層を含むペトリ皿に
注ぐ。
形質転換物が3日後現れ始める。1種の形質転換体は
EMY761pEMR617株と称し、この方法で選択した。
第1表 酵母菌株EMY761の形質転換のためのプロトコール中に使
用された主要培地の組成および製造 YPG液体培地 酵母抽出物10g(ディフコ社製抽出のバクトー酵母) ペプトン20g(ディフコ社製バクトーペプトン) グルコース20g 蒸留水中に成分を混合する。蒸留水で最終容量1に
する。15分間120℃で高圧滅菌する。
YPGソルビトール培地 液体YPG培地の組成を使用して、高圧滅菌後、1M濃度
にソルビトールを加える。
ロイシン無含有固体再生培地 アミノ酸を含まない酵母窒素ベース(ギフコ社製)6.7g アデニン20mg ウラシル20mg L−トリプトファン20mg L−ヒスチジン20mg L−アルギニン20mg L−メチオニン20mg L−チロシン30mg L−イソロイシン30mg L−リジン30mg L−フェニルアラニン50mg L−グルタミン酸100mg L−バリン150mg グルコース20g 寒天30g ソルビトール182g 成分を蒸留水中に混合する。蒸留水で最終容量1に
する。120℃で15分間高圧滅菌する。高圧滅菌後、L−
トレオニン200mgおよびL−アスパラギン酸100mgを加え
る。
セクション10 エーレンマイヤーフラスコ中、形質転換株によるタン
パク質NC30の発現およびSDSの存在中ポリアクリルアミ
ドゲル上で培養培地中タンパク質の検出 1)EMY761 pEMR673の培養 EMY761 pEMR673株(セクション9で得られた)のコロ
ニーをウラシルー無含有液体培地50ml中培養した。この
培地は1当たり以下のものを含む: −アミノ酸を含まない酵母窒素ベース6.7g(ディフコ社
製) −カゼイン加水分解物5.0g(ディフコ社製カザミノ酸) グルコース10g 30℃で1夜攪拌後、培養株を10分間遠心分離し、ペレ
ットを無菌水10mlに取り、再び10分間遠心分離した。タ
ンパク質NC30の発現を以下の組成の培地50ml中に細胞を
取って誘発した。
アミノ酸無含有の酵母窒素ベース素地6.7g/l(ディフ
コ社製) カゼイン加水分解物5.0g/l(ディフコ社製カザミノ
酸) グリセリン30.0g/l ガラクトース30.0g/l エタノール10ml/l 培養物を攪拌しつつ30℃24時間再インキュベートし
た。
2)発現タンパク質の解析 a)SDS存在中ポリアクリルアミドゲル サンプルの調製 組成を第2表に示すグルコースを含むウラシル−無含
有液体培地と称する培地中一夜培養された細胞の一部を
遠心分離し、非誘発サンプルを得た。エタノール、グリ
セリンおよびガラクトースを有するウラシル−無含有液
体培地(下記第2表)と称する培地中一夜培養した細胞
を遠心分離し、誘発されたサンプルを得た。上清を集め
た。デオキコラート2mg/mlを含む50%トリクロロ酢酸50
mlを上清10mlに加えた。
混合物を30分間温度4℃で放置し、ついで30分間遠心
分離した。残渣を冷アセトン(+4℃)約1mlに取り、
再び30分間遠心分離した。乾燥後、ペレットを、当技術
の熟練者に周知の1970年にラエミリにより開示されたプ
ロトコールにより、トリス−HCl pH6.8 0.125M、SDS 4
%、ブロモフェノールブルー0.002%、グリセリン 20%
およびβ−メルカブトエタノール10%を含むいわゆる充
填緩衝液20μlに取る。ペレットを15分煮沸して可溶化
し、ついでブロモフェノールブルーが青に変わるまで中
和する。
サンプルをSDS存在下ポリアクリルアミドゲル上に置
き、電気泳動にかける。
結果 ゲルの解析(クーマシーブルーで発色させる)は、見
掛け分子量9±2(主形態)および11±2kDaに相当する
2種の主要なバンド、非誘発サンプルと比較して誘発サ
ンプルの数個の付属バンドの存在を示す。観察された他
の付属バンドは、糖鎖形成の様々な程度に相当してかな
り多数であり、広がっている。
酵母によるタンパク質のN−糖鎖形成は、小胞体中単
一糖鎖形成(コア糖鎖形成)およびゴルジ装置中N−高
度糖鎖形成(外鎖糖鎖形成)を含む(R.A.ヒツマン等、
1990年、メソード・イン・エンザイモロジー、第185
巻、アカデミック・プレス、421〜440頁)。一般に、単
一N−糖鎖形成は均一なの見掛け分子量(1個のバン
ド)の糖タンパク質を産生し、外糖鎖形成は不均一な見
掛け分子量の糖タンパク質(数個の異なるバンド)を産
生する。
b)潜在的なエンドグリコシダーゼH処理でのイムノブ
ロッティング(ウエスタンブロット) サンプルの調製 グルコースを有するウラシル−無含有液体培地中で一
夜培養された細胞(第2表)を遠心分離し、非誘発サン
プルを得た。エタノール、グリセリンおよびガラクトー
スを有するウラシル不在液体培地中一夜培養された細胞
(第2表)を遠心分離し、誘発サンプルを得た。上清を
集めた。デオキシコラート2mg/mlを含む50%トリクロロ
酢酸5mlを上清10mlに加えた。
混合物を30分間温度4℃で放置し、ついで30分間遠心
分離した。ペレットを冷アセトン(+4℃)約1mlに取
り、再び30分間遠心分離した。ペレットを可溶化緩衝液
(組成:トリス−HCl pH6.8 10mM β−メルカプトエタ
ノール2%、SDS1%)20μl中に取る。ペレットを100
℃5分間加熱する。
サンプルをついで2部分に分ける: −50mMクエン酸ナトリウム緩衝液10μl pH5.5およびエ
ンドグリコシダーゼH(5mIU−ベーリンガー商品番号10
88726)10μlを第1画分10μlに加える。サンプルを
約一夜37℃で放置する。充填緩衝液20μlをついで加え
る。
−充填緩衝液10μlを、第2の10μl部に加える。試料
を10分間煮沸する。
試料をSDS存在中ポリアクリルアミドゲルに適用し、
ラエミリのプロトコールに従って電気泳動法を行う(上
記の引用、参照)。
ゲル中得られたタンパク質をついでニトロセルロース
膜に移す(H.トゥービン等、1979年、プロシーディング
ス・ナショナル・アカデミイー・オブ・サイエンス、ア
メリカ合衆国、第76巻、4350〜4354頁に記載の技術によ
る)。バイオーラッド(商品番号170〜6450)社製免疫
−ブロット検定キットに記載のプロトコールにより行わ
れる免疫検出は、下記の工程を含む: −ゼラチン3g/100mlを含むTBS(トリス緩衝化食塩水)
とともに30分間のニトロセルロース膜の飽和; −T.TBS(0.05%トゥィーン20を含むTBS)と称する緩衝
液で5分間2回膜をすすぐ; −膜をセクション13で製造された免疫血清を1時間室温
で接触させる; −キットの結合抗体と膜を接触する −T.TBS緩衝液で5分間2回、TBS緩衝液で5分間1回膜
をすすぐ −抗原−抗体複合物を、5−ブロモ−4−クロロ−3−
インドリル−ホスファート(BCIP)およびニトロブルー
・テトラゾリウム(NBT)を含む発色緩衝液と接触させ
て視覚化する; −膜を水をすすぐ。
結果 イムノブロッティングの解析は、非誘発サンプルと比
較するとエンドグルコシダーゼHで未処理の誘発サンプ
ルについて、別の数個の付属バンドの存在を示し、その
うち、2つの主要な付属バンドは見掛け分子量9±2お
よび11±2kDaに相当する。より高い分子量である他の多
数の広いバンドもまた明らかになる。すべてのこれらの
バンドは、セクション13で製造した免疫血清により認識
される。
誘発された試料において、見掛け分子量16±2kDaに対
応するバンドは、エンドグリコシダーゼH処理後消失す
ると思われ、一方、9±2kDaバンドは、同じ条件下強度
を増強する。これらの結果は、見掛け分子量16±2kDaの
タンパク質がN−グリコシル化されるということを示
す。
高分子量の広いバンドもまた消失し、見掛け分子量約
28±2および20±2kDaに対応する2種のバンドの出現
が、注目される。エンドグリコシダーゼH処理に耐性で
あるNC30タンパク質の形態は、フェロモンのプロ配列を
残す前駆物質、またはNC30タンパク質のO−グリコシル
化形態に対応し得る。
第2表 サンプル製造に使用される培地の組成および製造 −グルコースを有するウラシル−無含有液体培地 −アミノ酸−無含有酵母窒素ベース6.7g(ディフコ) −カゼイン加水分解物5.0g(ディフコ社製カザミノ酸) −グルコース10.0g 全成分を蒸留水中混合し、蒸留水で最終体積1にす
る。120℃10分間高圧滅菌する。
−エタノール、グリセリンおよびガラクトースを有する
ウラシル−無含有液体培地: 上記のウラシル−無含有液体培地の処方を使用するが
グルコースは含まない。高圧滅菌後、100%エタノール1
0ml、グリセリン30gおよびガラクトース30gを加える。
セクション11:EMY761pEMR673株を使用する発酵槽中NC
30タンパク質の製造 EMY761pEMR673の培養は以下の方法で発酵槽中行われ
る: a)じゃま板付円錐状フラスコ中での前培養相 高圧滅菌相半合成成長培地(APSGM)を含む500mlのじ
ゃま板付円錐状フラスコに、MES−2(N−モルホリ
ノ)エタンスルホン酸(シグマ社製 M8250)−緩衝液
1.28g、および濾過相半合成成長培地(FPSGM)の10mlを
補足し、20%のグリセリンを含み、λ600nmでOD=3
(コントロン分光計による)に対応する細胞数を有する
上記の株の培養懸濁液1mlで接種する。化学的組成およ
びASPSGMおよびFPSGM培地の製法を以下に詳細に記載す
る。30℃で攪拌しつつインキュベーション24時間後、λ
600nmで培養の光学密度(OD)は、約7である。
b)発酵槽における成長相 上記の培養は、先に、 APSGM培地800ml、 FPSGM培地100ml充填した2.5l発酵槽を接種するために用
いる。
培養pHを、発酵槽により固定値5.5に調節する。同様
に、酸素圧は、攪拌を調節して約4000Pa(30mmHg)を維
持する。初めに、約1VVMに等しい空気流速を1/分に
固定し、ついで必要に応じて徐々に増大する。
30℃で6〜7時間培養後、総量グルコース36gと等し
い500g/lを含むグルコース溶液72mlを9時間かけて直線
的に加える。
c)発酵槽における発現相 高圧滅菌相の半合成発現培地(APSEM)100mlおよび濾
過相半合成発現培地(FPSEM)100mlを上記の混合物に加
える。その化学組成および製造法は以下に詳細に記載す
る。ついで、他の物質を加えないで約5時間培養を続け
る。3種の炭素源(グリセリン、ガラクトース、エタノ
ール)をHPLCで監視し、以下の値に近づけるために無菌
注射により補う:グリセリン15g/l、エタノール15g/l、
ガラクトース7.5g/l。
23〜24時間後および誘発後および誘発中、λ=600nm
でのODは、約90となり、培養を中止する。
培養懸濁物は、ついで11500gで30分間遠心分離する。
酵母細胞ペレットを除去し、上清を−80℃で凍結保管す
る。
成長および発現培地の化学組成 −高圧滅菌相半合成成長培地「APSGM」 最終800mlにつき (超精製水を使用) NTA(ニトリロトリ酢酸) 1g K2SO4 1g NaCl 0.5g MgSO4・7H20 1.0g CaCl2・7H20 700mg グルタミン酸 3.7g HY−CASE SF(シェルフィールドプロダクト) 25g ロイシン 1.8g ヒスチジン 500mg メチオニン 1g I−S型微量成分(以下参照) 5ml 濃H2SO4または濃KOHでpH5.5に調整する。
20分間120℃で高圧滅菌する。
−I−S型微量成分一覧表 最終1につき (超精製水を使用) 硫酸銅 CuSO4・5H2O 780mg ホウ酸 H3BO3 5g 硫酸亜鉛 ZuSO4・7H20 3g ヨウ化カリウム KI 1g 硫酸マグネシウム MnSO4・2H20 3.5g モリブデン酸ナトリウム Na2MoO4・2H20 2g 塩化鉄(III) FeCl3・6H20 4.8g 溶液に濃塩酸100mlを加える。
1000mlにする. −濾過相半合成成長培地「FPSGM」 最終100mlにつき (超精製水を使用) KH2PO4 4g トリプトファン 350mg I−S型ビタミン(以下参照) 1ml グルコース 15g 加熱溶解し、微温まで冷却し、I−S型ビタミンを加え
て、0.2μm膜を通して濾過により無菌化する。
−I−S型ビタミン一覧表 最終100mlにつき (超精製水を使用) ビオチン 5mg 葉酸 4mg ナイアシン 6mg (ニコチン酸−塩酸ピリドキシン) 250mg 塩酸チアミン 1g パントテン酸カルシウム 5g m−イノシトール 10g 溶解後100mlにする。
0.2μm膜を通して冷却状態で無菌条件下濾過する。
+4℃の温度で保管する。
−高圧滅菌相半合成発現培地「APSEM」 最終400mlにつき (超精製水を使用) NTA 1g K2SO4 1.74g グルタミン酸 5g HY−CASE SF(シェフィールドプロダクト) 20g ロイシン 1.8g ヒスチジン 500mg メチオニン 1g トリプトファン 350mg MgSO4・2H2O 600mg I−S型微量成分(上記参照) 5ml 濃H2SO4またはKOHでpH5.5に調整する。
温度120℃で120分間高圧滅菌する。
−濾過相半合成発現培地「FPSEM」 最終100mlにおける (超精製水を使用する) KH2PO4 2g トリプトファン 350mg I−S型ビタミン(上記参照) 1ml グリセリン 15g エタノール 15g ガラクトース 7.5g 加熱溶解し、微温まで冷却し、ビタミン類を加えて、0.
2μm膜を通して濾過により滅菌する。
d)製造されたタンパク質の分析 試料をセクション10に記載と同様の方法で製造し、SD
Sの存在下ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。
バンドの分布は、誘発された試料のセクション10で観察
したゲルと同じゲル上で観察する。
セクション12:酵母中産生されるプロテインNC30の精
製およびそのアミノ末端配列およびペプチドマップの決
定 1)プロテインNC30の2種の主要成分の精製 組換酵母タンパク質の主要成分(それらのバンドは、
SDS存在下ポリアクリルアミドゲル電気永動後、見掛け
分子量9±2kDaおよび16±2kDaに対応する)を分離し、
以下の方法によりセクション11で得られた上清500mlか
ら精製する: 各工程を連続して行った: −50mMpH4.0酢酸ナトリウム液で前もって平衡化され
たQファーストフローカラム(5×5cm)(ファルマシ
ア)上でのイオン交換クロマトグラフィー。流速:1ml/
分。上清のpHは、前以て4.0に調整する。これらの反応
条件下、タンパク質はゲルに結合しない。
− 50mM酢酸ナトリウム溶液(pH4.0)で前以て平衡化
したSファーストフローカラム(ファルマシア社製)
(5×4cm)で溶出液として50mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH4.0)中1M NaCl溶液で、イオン交換クロマトグラフ
ィーにかける。流速:1ml/分。
− 溶出物をYM5膜(アミコン社製)で濃縮し、容量2ml
にし、ついで0.14M NaClを含む0.1Mリン酸緩衝液中平衡
化したACA54(IBF)ゲル濾過カラム(100×1.5cm)に適
用する:流速:0.2ml/分。組換タンパク質を含む画分(S
DS存在下ポリアクリルアミドゲル上電気泳動により決定
された)を集める。
得られた溶液をSDS存在下ポリアクリルアミドゲル上
電気泳動にかけ、硝酸銀で視覚化した。見掛け分子量9
±2kDaおよび16±2kDaに対応する純度70%以上のNC30タ
ンパク質の2種の主要成分が見られた。この溶液を、下
記の生物活性の試験に用いる。
もう1つの実験において、溶出液として直線勾配30%
〜70%アセトニトリル/0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)
を用いてC4カラム(ブラウンリー社製)上逆相HPLC工程
を精製プロトコールへ導入した。純度が90%以上である
化合物(SDS存在中ポリアクリルアミドゲル上電気泳動
および硝酸銀で視覚化における評価)を得ることが可能
である。
2)NC30タンパク質の2種の主要成分のアミノ末端配列
の決定 精製されたタンパク質をSDS存在下16%ポリアクリル
アミドゲル上電気泳動にかけた。ゲル中タンパク質を25
mMトリス−ホウ酸塩(pH9.0)、10%エタノールの組成
の緩衝液中1時間0.8mA/cm2でイモビロン膜(ミリポア
社製)へ移す。
見掛け分子量9±2kDaおよび16±2kDaに対応する2種
のバンドを切り取り、アプライドバイオシステム120A型
フェニルチオヒダントイン誘導体分析器を備えるアプラ
イドバイオシステム470A型に入れた。
それらのバンドは、同一アミノ末端配列(tr1)を有
する: 上記の配列は、所望されるアミノ−末端配列である:
セクション5に記載の114個のアミノ酸(Fig.2、参照)
の成熟タンパク質のそれである。そのコード配列をセク
ション9のベクターpEMR673中に導入する。
3)見掛け分子量9±2kDaのNC30タンパク質の形態のペ
プチドマップの決定 見掛け分子量9±2kDaのタンパク質をブタトリプシン
でゲル中消化し、下記の条件下逆相HPLCにより分離し
た。
セクション11で得た酵母上清をトリクロロ酢酸で沈澱
させ、SDSを含む緩衝液中100℃で可溶化後、沈澱物をポ
リアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。ゲル中タンパ
ク質をクマシンブルーを用いて視覚化した。見掛け分子
量9±2kDaのバンドをゲルから切り取り、J.ローゼンフ
ェルド等による論文「ゲル中一次元および二次元ゲル電
気泳動後内部配列解析のためのタンパク質の消化」に記
載された開示の方法に従ってゲル中ブタトリプシンで消
化した。
ついで、トリプシン消化ペプチドを60分間かけて0.1
%TFA溶液中1〜70%アセトニトリル勾配でベックマン
アルテックスC18カラム(0.21×25cm)上逆相HPLCクロ
マトグラフィーにより分離した。ピークを218nmで光学
密度の測定により検知する。
ピークに対応する各画分(以後第1画分および第2画
分と称する)を上記のアプライドバイオシステム470型
シークエンサーを使用して分析する。
得られたアミノ末端配列は以下のようである: −第1画分において: Val Ser Ala Gly Gln Phe Ser Ser Leu His Val 上記の配列は、翻訳されたNC30タンパク質のアミノ酸
108〜118個に対応する(Fig.参照) −第2画分において: 上記の配列は、各々翻訳されたNC30タンパク質のアミ
ノ酸33〜43種および138〜140種に対応する(Fig.2参
照)。
セクション13:エシエリキア・コリにおけるNC30タンパ
ク質の細胞質の発現および免疫血清の製造 1)エシエリキア・コリ中NC30タンパク質の細胞質の発
現 エシエリキア・コリにおける112個アミノ酸のメチオ
ニル化成熟NC30タンパク質の発現ベクター(pSE714.12
と称する)をNdeIおよびBamHI部位で開裂したベクターp
ET3aへNC30cDNAの部分を担持するDNA断片を挿入して構
築した。この発現ベクターは、以下の5′〜3′を含
む: −ローゼンベルグ等、ジーン、56巻、125〜135頁に記
載されたプラスミドpET3a中に含まれる、ファージT7のR
NAポリメラーゼプロモーターATG翻訳イニシエーターに
より続く、112個のアミノ酸の成熟タンパク質をコード
化するNC30 cDNAの部分(セクション5、参照) − ファージT7遺伝子10のターミネーター(ストゥディ
エル等、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー・1986年、189巻、113〜130頁)。
この発現カセットは、ファージT7に特異的なRNAポリ
メラーゼの存在下だけで機能する。従って、宿主エシエ
リキア・コリ株で合成されるこのRANポリメラーゼを合
成することは適切である。λPRプロモーターの制御下こ
のRNAポリメラーゼの発現カセットを、この酵素(スチ
ュディエル等、1986年、ジャーナル・オブ・モレキュラ
ー・バイオロジー、189巻、113〜130頁によりファージ
λCE6DNAへクローン化された)のためのコード化配列を
挿入することにより構築した。この発現カセットは、こ
のPRプロモーターのリプレッサーの温度感受性形態をコ
ード化するCI(CI875)の対立遺伝子を含む(P.レエプ
レトロイス等、1983年、バイオケミ、65巻、317〜324
頁)。従って、低温でDNAポリメラーゼの発現のカセッ
トを抑制し、高温で発現を抑制しない。この発現カセッ
トを、N.ケルクナー(1984年、ジーン、32環、369〜379
頁)のプラスミド由来の組込みベクターpEJL407ヘクロ
ーン化した。得られたベクターは、プラスミドpEMR648
である。このベクターを細胞のエピソーム状態で維持
し、転移がIPTG(イソプロピル−β−チオガラクトシ
ド)で誘発されるとき、ポリメラーゼ(CIリプレッサー
を含む)の発現カセットの1またはそれ以上の複写の組
込みをもたらす。この組込みを招くトランスポザーゼ
は、lacI遺伝子の制御下にあるが、それ自身を転移しな
い。従って、プラスミドが消失後、安定な組込みを得る
ことが可能である。pEMR648でエシエリキア・コリ株K12
HB101(ギフコBRL−商品番号8260SA)を形質転換、およ
びついで形質転換体に対して組込みをもたらすことによ
り、温度感受性PL−CI機構の制御下ファージ7ポリメラ
ーゼの発現の2種のカセットを含み、染色体に組み込ま
れるHB101誘導体(VG112と称する)を得た。のエシエリ
キア・コリ株VG112からプラスミドpEMR648をクリアし、
低温(30℃)でプラスミドpEMR714で形質転換する。
選択され、1991年12月20日に寄託番号I−1162下CNCM
に寄託された軽質転換体(株VG112pSE714.12と称する)
を、30℃600nmでOD 1まで濃度100μg/mlでアンピシリン
を含むLB培地で培養した。ポリメラーゼ遺伝子の発現を
41℃で2時間IPIGを用いて誘発した。クリアされ、形質
転換されないVG112(対照株)と比較して余分のバンド
に対応する変性ポリアクリルアミドゲル上総細胞抽出物
の分析は、9kDaタンパク質を証明し得た。音波処理、つ
いで遠心分離による細胞溶解は細胞抽出物を以下の2種
の画分に分離し得る:可溶性画分(上清)および不溶性
画分(ペレット)。NC30タンパク質は不溶性画分のタン
パク質で発見され、この画分のタンパク質の約50%(質
量)を示す。
2)NCタンパク質を認識する免疫血清の製造 この不溶性画分をウサギ(体重約2kgのニュージーラ
ンド雄)の免疫化に利用した。免疫化は、バイツカイテ
イス、1981年、メソーズ・イン・エンザイモロジー、73
巻、46頁に記載のプロトコールに従って15日毎に行っ
た。最初の注射において、抗原溶液の1容量をフロイン
ト完全アジュバンド(シグマ社製−商品番号4258)の1
容量で乳化する。6種のブースターをフロインド非完全
アジュバンド(シグマ社製−商品番号5506)中投与し
た。
得られた免疫血清は、SDS存在中ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動後免疫検知により、酵母およびCOS細胞に
より製造したNC3タンパク質を認識し得る。
3)ペプチド地図作製によるNC30タンパク質の特徴 1)で得られた不溶性画分をSDS存在中ポリアクリル
アミドゲル電気泳動にかける。ゲル中タンパク質をクマ
シンブルーで染色して視覚化する。見掛け分子量9±2k
Daに対応するバンドをゲルから切り取り、ゲル中ブタト
リプシンで消化し、トリプシンペプチドをセクション12
−3)の記載と同様に分離した。
ピークに対応する画分をアプライドバイオシステムズ
470A型シークエンサーを用いて分析した。
得られたアミノ末端配列は以下のとおりである: Val Ser Ala Gly Gln Phe Ser Ser Leu N Val Arg 配列中、Nは、未決定のアミノ酸を示す。
この配列は、翻訳されたNC3タンパク質(Fig.2、参
照)のアミノ酸108〜109個およびセクション12で分析さ
れた第1画分のペプチドに対応する。
セクション14:LPS−刺激末梢血単球によりIL−1βおよ
びIL−6mRNAの製造に関する阻害活性のNC30タンパク質
の証明 1)使用された方法 a)細胞製造 末梢血(輸血センターの健常な志願者から採取した)
から、赤血球の大部分を0.6%デキストラン、0.09%NaC
lを含む培地中37℃30分間沈降して除去する。細胞をつ
いでフィコル−パク(ファルマシア社製)の層の最上部
に置き、30分間400gで遠心分離する。フィコルと上清の
界面に存在する末梢血単核細胞(PBMNC)を取り出す。P
BMCを1〜5×107細胞/皿を基準として直径15cm培養皿
で10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMI培地(RPMI1640
培地−ギブコBRL)中に置く。30分間後、培地を吸引
し、皿に付着した細胞(主に単核細胞からなる)を以下
のようにインキュベートする。
b)LPSおよびNC30タンパク質と細胞のインキュベーシ
ョン 付着性のPBMNCを5%CO2を含む雰囲気下4時間37℃で
RPMI/10%FCSの20ml中、リポ多糖類LPS(シグマ社製−
商品番号L4391)の5μg/mlと精製酵母(0.1〜10ng/m
l)由来の濃度を順次高くしたNC30タンパク質、または
プラスミドpSE1 NC30でトランスフェクトし、セクショ
ン7に記載と同様に培養されたか、または同様の条件下
プラスミドpSE1でトランスフェクトした(対照)かのい
ずれかのOS細胞の上清とともインキュベートする。
c)RNA製造および分析 細胞をPBSで洗浄し、ついで緩衝液D(組成:4Mグアニ
ジウムチオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、0.5
%サルコシル、0.1Mβ−メルカプトエタノール:クロモ
クジンスキーP.およびサッキ、N.(1987年)、アナリテ
ィカル・オブ・バイオケミストリー)1ml中かき集めて
直接入れる。RNAをそれらの著者により記載された酸性p
Hでのフェノール抽出法により製造する。RNA1〜5μg
をホルムアルデヒドの存在下1%アガロースゲルに適用
する(サンブルック等、上掲)。移動後、RNAを強化セ
ルロース膜(シュライハーおよびシュエル)上に移し、
セクション4の放射標識化cDNAプローブでハイブリダイ
ズする。種々のプローブと各々RNAのハイブリダイゼー
ションの強度を、ホスホリメゲル装置でりん光分析(モ
レキュラー・ダイナミックス、800E.アークエス・アベ
ニュー、サニーバレー、カリフォルニア、94086−ユー
エスエー)により定量する。
2)−結果 4回の実験における精製NC30タンパク質で得られた結
果の平均および標準偏差を第3表に示す。リン光分析に
より測定されるメッセンジャーRNAの量をLPSのみで処理
された細胞から産生する試料で測定されたメッセンジャ
ーRNAの量に対するパーセントとして表す。
上記の表を読み取れば、LPS処理単球中IL−1βおよ
びIL−6メッセンジャーRNAの蓄積は、NC30タンパク質
のより阻害されるということが判明する。最大阻害は、
NC30タンパク質の10ng/ml濃度で観察され、50%阻害を
得た濃度(IC50)は、約1ng/mlである。
更に、生成物IL−1βおよびIL−6メッセンジャーRN
Aの阻害は、プラスミドpSE1−NC30でトランスフェクト
されたCOS細胞の上清の存在下同様に見られ、対照COS細
胞の上清の存在下では、阻害は見られない。
NC30タンパク質の存在下LPSで処理した単球の培養培
地中IL−1βおよびIL−6タンパク質の製造の阻害は、
また他の実験でも見られた。IL−6をL.A.アーデン、19
87年、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジ
ー、17巻、1411〜1416頁により記載された方法に従っ
て、B9ハイブリドーマ系の増殖に対する影響により分析
した。(試料中NC30タンパク質の存在する量は単球によ
り製造されるIL−6量のB6系による分析に影響しな
い。)IL−1βの分析をE.W.パラシジンスキー、1987
年、バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサ
ーチ・コミュニケーション、147巻、204〜211頁により
記載される方法に従ってEL4細胞で行い、これは放射標
識化IL−1βとの結合の競合を測定することにある。
セクション15:NC30タンパク質について扁桃腺B細胞に
よるCD23表面抗原の量の調節の証明 1) 使用された方法 a) 細胞製造 外科手術6才女子からヒト扁桃腺を除去した。扁桃腺
を4℃に冷却したRPMI培地中メスで切裂した。この操作
後培地に放出された細胞をガーゼを通して濾過し、均一
な細胞懸濁液を得た。2回の洗浄後、細胞を数え、10%
DMSO(メルク社製)を含むウシ胎児血清中に取る。1ml
容積中7.5×106セルを各凍結管に分配する。細胞を−80
℃24時間真空フラスコ中に置き、ついで液体窒素中に保
管する。
b)NC30タンパク質と細胞のインキュベーション 実験当日、細胞のアリコートを37℃で溶解し、ついで
10%ウシ胎児血清を含むPRMI培地50ml中ゆっくり希釈す
る。細胞を遠心分離し、DMSOを除く。細胞を計数後、4
×106セル/mlに再調整された細胞懸濁液10μlを96ウエ
ルのマイクロタイトレーションプレート(NUNC)中に分
配する。
精製NC30タンパク質を10%ウシ胎児血清を含むRPMI培
地中種々の濃度で加える。種々の濃度の100μlを微小
培養ウエル中の細胞に加える。インキュベーションを5
%CO2を含む雰囲気下37℃48時間続ける。
c)免疫蛍光法のための細胞標識化 インキュベーション後、細胞をミクロニック管(ラボ
システム社製)に移す。シグナル免疫蛍光法において、
FITC(フルオレセインイソチオシアネート)(イムノテ
ック社製)に結合した抗−CO23抗体10μlを細胞懸濁液
に加える。二重免疫蛍光法において、フィコエリトリン
を結合した抗−CD23抗体10μlおよびFITC(ビクトンデ
キンソン社製)に結合した抗−CD20抗体10μlを細胞懸
濁液に同時に加える。
インキュベーションを30分間40℃で続け、ついで細胞
を遠心分離し、ペレットを冷PBS250μlに取る。20μg/
mlを含むヨウ化プロピジウム(シグマ社製)溶液50μl
を分析での死滅細胞を区別するために加える。
d)フロー血球計算分析 試料を、480nmの蛍光励起のレーザー波長でファクス
タープラス細胞選別機(ビクトンデキンソン社製)上で
蛍光分析により分析する。単一免疫蛍光分析で、FITCお
よびヨウ化プロピジウム発光を530nmおよび630nm干渉フ
ィルター各々を使用して集める。二重免疫蛍光分析にお
いて、フィコエリトリンによる追加の蛍光を575nm干渉
フィルターを通して集める。後者の分析において、電子
補償作用系を、フィコエリトリンチャネル中FITC蛍光、
ヨウ化プロジウムチャネル中フィコエリトリンおよびフ
ィコエリトリンチャネル中ヨウ化プロジウム蛍光の混入
を避けるために使用する。結果を集計し、ライシスIIソ
フトウエア(ビクトンデキンソン社製)を使用して処理
する。
2)結果 a)NC30タンパク質による扁桃腺細胞に対するCD23抗原
の量の調節 得られた結果の平均および標準偏差を、48時間扁桃腺
細胞のインキュベーションおよび10−3〜102ng/mlのNC
30タンパク質の濃度について以下の第4表に示す。
CD23抗原(低親和性IgEレセプター)を発現する扁桃
腺細胞のパーセントは、NC30タンパク質濃度10-1ng/ml
以上で、NC30タンパク質の不在下得られたパーセントよ
り高い。このタンパク質最大の効果は、濃度10ng/mlで
見られる。
b)NC30タンパク質がCD23抗原の発現を調節する細胞の
特徴づけ CD23抗原を発現する細胞の特徴づけを、フェリコエリ
トリンに結合する抗CD23抗体およびFITCに結合する抗CD
20抗体を使用して二重免疫蛍光法により行った。後者の
抗原は、B細胞上だけに存在する受容体い対するもので
ある。フロー血球計算法はB細胞の画分だけは、NC30タ
ンパク質の作用下CD223抗原を発現することを示してい
る。
セクション16:ハイブリドーマ系B9の増殖に対するNC30
タンパク質の作用の証明 ハイブリドーマ系B9の増殖の刺激活性を、プラスミド
pSE1−NC30でトランスフェクトされたCOS細胞の培養上
清(セクション7参照)および酵母から得られた精製NC
30タンパク質(セクション12参照)で証明した。この系
を慣例的に使用し、IL−6の生物学的分析を行う(L.A.
アールデン、1987年、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ
・イムノロジー、17巻、1411〜1416頁)。
1)使用された方法 1)分析の原理 分析の原理は、T.モスマン、1983年、ジャーナル・オ
ブ・イムノロジカル・メソーズ、65巻、55〜63頁に記載
され、および以下の要約される: ミトコンドリアは、テトラゾリウム環をホルマザンに
還元し得る多数のデヒドロゲナーゼを含む。この方法で
還元されたこのタイプの塩、MTT(3−(4,5−ジメチル
チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミ
ド)は、565nmでの強い吸収で青色を与える。ここに記
載された蛍光分析は、ミトコンドリアの数、とりわけ細
胞の数を定量し得る。
b)細胞培養 使用された細胞は、L.A.アーデン、1987年、ヨーロピ
アン・ジャーナル・オブ・イムノロジー、17巻、1411〜
1416頁により記載された系B9系、マウス/マウスハイブ
リドーマ系に属する。それらは、マウスIL−6またはヒ
トIL−6の存在下増殖する非付着細胞である。
培養培地 グルタミン酸を含まないRPMI1640培地500ml 商品番号041−01870M(ギブコ社製) + ウシ胎児血清50ml (脱補足する、即ち55℃30分間加熱し、血清補足画分
を不活性にする)(シグマ社製 F4135) + 100mMピルビン酸ナトリウム12.5ml 商品番号043−01360H(ギブコ社製) + 1M HEPES pH7.3 2.5ml 商品番号043−05630D(ギブコ社製) + 200mMグルタミン10ml 商品番号043−05030D(ギブコ社製) 使用する直前に、以下のものを加える: − β−メルカプトエタノール(シグマ社製 商品番号
M−6250)、最終濃度5×10-5M; − 500pg/ml最終濃度でIL−6 c)試料の調製 一方を、COS細胞上清から得、プラスミドpSE1−NC30
でトランスフェクトし、セクション7に記載と同様に培
養するか、またはプラスミドpSE1でトランスフェクト
し、同じ条件下培養した(対照)試料、他方は、セクシ
ョン12で酵母から得、精製されたNC30タンパク質溶液か
ら得た試料の2タイプの試料を濃度50ng/mlで使用し
た。
d)検定プロトコール 検定を、96平底ウエル培養板中で行い、各試料を様々
な濃度で12ウエルの列上で検定する。
B9系細胞を培養、IL−6を含まない培養培地で2回洗
浄し、培養培地(IL−6を含まない)中再懸濁し、2時
間で37℃インキュベートする。インキュベーションは、
検定でバックグランドとして招き、IL−6を完全に除去
する。最後に、細胞を再度遠心分離にかけ、濃度2×10
5セル/mlで上記の培養培地(IL−6を含まない)中再懸
濁する。
以下を96ウエルプレート中に連続して分配する; − 各ウエル中培養培地(IL−6を含まない)50μl
(各列の第1の試料を除く) − 各列の第1のウエル中試験試料100μl(ウエルか
らウエルへ2倍希釈ファクターで) − 各ウエル中細胞懸濁50μl(10000セル/ウエル) ついで、プレートを5%CO2を含む雰囲気下37℃でイン
キュベーター中に入れる。
インキュベーション3日後、PBS中5mg/ml濃度でMTT
(シグマ社製−商品番号2128)溶液10μlを無菌条件下
各々ウエルに加える。プレートをインキュベーター中に
再び入れる。顕微鏡下、細胞の生存により青みがかった
結晶の形態で産生したホルマザンの発現を観察すること
が可能である。4時間後、細胞は死滅し、各々ウエルの
上清を、注意して除去し、結晶を10%SDSおよび0.04N H
Clを含む66%n−プロパノール溶液の100mlで溶解す
る。色を均一にするためにプレート振盪機にしばらく入
れる。565nmの波長でプレートリーダーを使用して読み
取りを行う。
上記のMTTを使用する分析の代りに、顕微鏡下細胞を
計数することもまた可能である。
2)結果 a)NC30タンパク質を含むCOS細胞上清 6系列の測定を行った:各系列のCOS上清の様々な希
釈ファクターで、3回は、N30タンパク質を含む種々のC
OS細胞で、3回は種々の対照COS細胞で行った。
得られた結果をFig.6に示し、COS上清溶液の希釈ファ
クターで換算して光学な密度での種々の変形を詳細に記
す(各点は、3回系列実験における同じ希釈ファクター
で測定された光学密度の平均である)。
NC30タンパク質を含むCOS上清溶液は、対照COS上清溶
液に比べて、B9株の増殖において4〜6倍の活性である
ということがこの図の検討により判明する。
対照COS上清溶液で見られるB9系の増殖の刺激活性
は、RIA検定(放射線免疫検定)、特にアメルシャムキ
ット−商品番号:PRA537を使用してRIA検定により定量し
得る。COS細胞によるIL−6の内在性製造のためであ
る。このRIA検定は、B9形株の増殖(NC30タンパク質を
含むCOS上清による)の刺激の過剰な活性が、COS細胞に
よるIL−6の過産生に連結しなかったことを確認し得
る。
b)酵母から得られた精製NC30タンパク質: 2鬼頭の測定を、1つは、MTTで染色後光学密度、顕
微鏡下細胞の計数による細胞密度を、各系列のNC30タン
パク質の様々な濃度で行う。
得られた結果を、ng/mlで表されたNC30タンパク質の
濃度に換算して光学密度および細胞密度について変化を
詳細に記す、Fig.7で示す。
精製NC30タンパク質は、B9系の増殖を刺激することが判
明する。ED50(得られた最大活性の0.5に等しい活性を
示す濃度)は、約100ng/mlである。
B9細胞は、マウス細胞であり、ヒト細胞に対する作用
に使用される濃度と比較べて高い濃度のNC30タンパク質
が必要であるを示すことに注目すべきである(セクショ
ン14、15および17)。
セクション17:GMCSFの存在下ヒト巨核球株MO7eの増殖へ
のNC30タンパク質の作用の証明 ヒト巨核球株MO7eに対するGMCSFの増殖活性の増加を
酵母中製造したNC30タンパク質で証明する(セクション
12)。M.F.ブリッジ等、1990年、ブリティッシュ・ジャ
ーナル・オブ・ヘマトロジー、76巻、203〜209頁に記載
のこの細胞株の成長は、サイトカインIL−3またはGMCS
Fに全く依存する。
1)使用された方法 a)目的 目的は、最大増殖の0.5を必要とする量のGMCSF存在
下、またはNCタンパク質を様々な濃度で加えたGMSCFの
同量の存在下のいずれかで培養されたMO7e細胞株の増殖
を比較することである。
b)検定の原理 細胞増殖は、培養中細胞によりトリチウム標識チミジ
ンの取込みの放射活性を測定することにより証明され
る。
細胞の増殖は、それらのDNA合成のチミジンを利用す
る。培地に導入したトリチウム標識チミジンは、培地中
「コールド」チミジンと競合し、細胞中に取り込まれ
る。
所定時間後、細胞をフィルター上に集め、洗浄し、細
胞中に取り込まれない過剰のトリチウム標識チミジンを
除去する。ついで、各フィルターをガンマカウンターを
使用して測定した。増殖活性を、取り込まれたトリチウ
ム標識チミジンのdpmの数として表す。
c)細胞培養 使用された細胞は、M.Z.ブリッジ等、(上記、参照)
により確立されたヒト巨核球株である株MO7eに属する。
それらは、ヒトIL−3、またはヒトGMCSF存在中増殖す
る非付着細胞である。得られた最大活性の半分(ED50
は、以下のとおりである: GMCSF 35pg/ml(ゲンザイム社製 RM−CSF−C) IL−3 0.7pg/ml(ゲンザイム社製 HIL3C)。
培養培地 − イコブ修飾ダルベッコ培地500ml(IMDM培地−ギブ
コ社製−商品番号04101980) − ウシ胎児血清50ml(脱補足、即ち55℃30分間加熱
し、血清補足性画分を不活化する)(シグマ 商品番号
F4135) + ゲンタマイシン10mg/ml(ギブコ溶液−商品番号04
3.05710D) 使用直前、組み換え型ヒトIL−3(ゲンザイム社製−HI
L3.C)を最終濃度4ng/mlで加える。
d)試料の製造 試験試料を、セクション12で酵母から得、精製したNC
30タンパク質の溶液の培養培地(IL−3を含まない)中
希釈して濃度500ng/mlで製造する。
e)検定プロトコール 検定を96平底ウエル培養プレート中行い、各試料を様
々な濃度で12ウエルの列において分析する。培養された
MO7e株細胞は指数増殖期になければならない。
検定のために、細胞をIL−3を含まない培養培地で2
回洗浄し、3時間37℃でインキュベートする。このイン
キュベーションは、検定のバックグランドの原因であ
る、IL−3を完全に除去する。最後に、細胞を再び遠心
分離にかけ、2×105セル/ml濃度上記の培地(IL−3を
含まない)中に再懸濁する。
以下のものを、96ウエルプレート中に続けて分配す
る: ・ 各ウエル中培養培地(IL−3含まない)50μl、ま
たは ・ 濃度200pg/mlで培養培地(IL−3を含まない)とGM
CSF溶液10μl、または ・ 種々の濃度で試験試料50μlと濃度200pg/mlでGMCS
Fの溶液10μl; ついで各ウエル中細胞懸濁液50μl(10000セル/ウエ
ル)。
ついで、プレートを5%CO2を含む雰囲気下37℃でイ
ンキュベーターに入れる。
インキュベーション3日後、IL−3を含まない培養培
地中トリチウム標識チミジン(10μCi/ml)(アメルシ
ャム社製 商品番号TRA6=1mCi/ml、10μCi/ml)の溶液
50μlを無菌条件下各ウエルに加える。プレートをイン
キュベーター中に再び入れる。4時間後、各ウエルの内
容物をウエルから吸引および蒸留水で洗浄し、フィルタ
ー上に集め、フィルターの放射活性を測定する。
2)結果 得られた主な結果を、以下の第5表に示す。GMCSFお
よびNC30タンパク質を含まない培地のdpm中で発現した
放射活性値およびGMCSF18pg/mlを含む培地の放射活性値
は、NC30タンパク質の濃度に換算して表す。
ここで示される放射活性値は、GMCFSを含まない培
地、またGMCSFだけを含む培地の11試験、およびGMSCFと
NC30タンパク質を含む培地の7試験の平均である。それ
らの平均の値を99.95%以上の有意の程度でスチューデ
ンドt検定を使用して比較した。
NC30タンパク質は、GMCSFの存在下株MO7eの増殖を顕
著に増大するということが上記の表の検討により判明す
る。
セクション18:NC30タンパク質の走化性活性の証明 1)使用された方法 a)好中球の単離 大部分の赤血球を0.6%デキストラン(ファルマシア
−商品番号.17−0320−01)および0.09%NaClを含む溶
液中37℃30分間沈降して末梢血から除去する。ついで、
細胞をフィコリーパク(ファルマシア社製)の層の最上
部に置き、400g30分間遠心分離する。末梢血単核細胞
(PBMNC)は、フィコルと上清の界面に存在するが、残
余赤血球および多核細胞(主に、好中球)は、細胞ペレ
ットに存在する。このペレットを0.8%NH4Cl、10mMヘペ
ス溶液中再懸濁し、37℃7分間インキュベートし、赤血
球を破裂させる。残余細胞(主に好中球)を遠心分離に
かけ、HBSS緩衝液で洗浄する:ヘンクス平衡食塩溶液
(Hanks Balanced Saline Solution、ギブコ BRL−商
品番号041−04025H)、以後HBSS溶液と称する。
b)単球の単離 単球の単離の原理は、A.ボユ、1983年、、17巻、426
〜436頁に記載されている。以下に要約する。方法は、
ニコデンズ(N,N′−ビス(2,3−ジヒドロキプロピル)
−5−[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アセタミ
ド]−2,4,6−トリヨードイソフタルアミド)と称する
ヨウ化勾配培地を使用して血液から単球を分離すること
を含む。単球とリンパ球の密度差を増大するために、溶
液の容量モル濃度を増大させ、リンパ球が水を排除し、
より密度が大になるようにする。単球分離の最適濃度で
ニロデンツ、塩化ナトリウムおよびトリシン/NaOHを含
む「ニコプレップ1.068」培地の使用が可能である(ニ
コムドファルマAS、ノルウェー−商品番号223510)。
使用されたプロトコールは、以下のとおりである: 赤血球の大部分を、0.6%デキストランおよび0.09%N
aClを含む溶液中37℃30分間沈降して末梢血から除去す
る。単球、リンパ球および好中球を含む血漿の上層を取
る。他の細胞から単球を分離するために、管を以下の方
法で製造する:血漿6mlを直径13〜14mmの管中ニコプレ
ップ1.068(ニコムドファルマAS、ノルウエー、商品番
号223510)の3ml層上に置く。15分間600gで遠心分離
後、清澄になった血漿を界面から3〜4mmを取り、残余
血漿およびニコプレップ溶液を細胞ペレット上約1cmま
で補集する。この方法は、リンパ球の引き出しを避け得
る。補集された単球懸濁液を,組成0.9%NaCl、0.13%E
DTAの溶液で6〜7mlの溶液し、ついで7分間600g遠心分
離する。
単球は血小板と混合している。後者を除去するため
に、懸濁液を遠心分離し、上清をついで除去し、ペレッ
トを同じ溶液で再懸濁し、それらの操作を3回繰り返
す。
細胞を0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むRPMI16
40培地(ギブコ社製)中懸濁する。
c)走化性証明のためのプロトコール 使用された試験は、W.フォーク等、1980年、ジャーナ
ル・オブ・イムノロジカル・メソーズ、33巻、239〜247
頁により記載されたものである。
ニューロプローブ社から市販される変形ボイデン箱を
走化性の測定に使用する。好中球試験のためにHBSS溶液
および単球試験のための0.5%BSAを含むRPMI培地で希釈
した試験試料を下方プレートのウエル中に入れる。ポリ
カルボネート膜(ポアサイズ:5mm−ヌクレオポア社製造
商品番号155845)を光沢のある面を下に向けて下方プ
レートの上に置く。上方プレートを膜の上に置く。細胞
(50000/50mμl緩衝液)を上方プレートのウエル中に
入れる。箱を、好中球に対する試験では1時間および単
球に対する試験では3時間湿ったインキュベーターまた
は湿った脱脂綿を含む箱中37℃でインキュベートする。
膜を取り去り、光沢のない面にある細胞を、膜を拭きと
り、ゴム製のスクラパーでそれを掻きとることにより除
去し、後者の2種の操作を1回繰り返す。移した細胞を
染色し、「ディッフ−クイック」キット(デイド社製−
商品番号130832)で固定する。顕微鏡の観察により、膜
の光沢のある面の細胞(移入した細胞)の数を数える。
ついで、問題の細胞(単球または好中球)に関する試料
の走化性値を計算する。走化性値は、対照実験において
培地または希釈緩衝液に移動した細胞数に対する試料に
移動した細胞数の比で定義する。
3)試料の製造 a)組換NC30タンパク質の試料: 濃度0.1、1、10および100ng/mlにてセクション12に
記載と同様に酵母から得、精製したNC30タンパク質。
b)対照: 濃度1μM(走化性の陽性対照として使用される慣例
的な濃度)で、一般にfMLP(シグマ社製−商品番号F350
6)と称するペプチド、ホルミル−Met−Leu−Phe 4)結果: 得られた主な結果を下記第6表に示す。単球に関する
走化性値および種々の濃度でNC30タンパク質の好中球に
関する走化性値およびfMLP対照を記載する。この値は4
種の独立した実験の平均を取ることにより計算される。
試験された濃度で、NC30タンパク質は、好中球に体す
る有意な効果を有しないが、1、10および100ng/ml濃度
で、fMLPのそれより著しく高い単球に関する走化性値を
有する。
従って、NC30タンパクは、単球の強力および特異的化
学誘引剤である。
セクション19:マウスにおけるインビボでの免疫調節 酵母から得られた精製NC30タンパク質をマウスにおけ
る全身性感染の2モデルでその免疫活性を試験した。
1)材料および方法 a)動物 C.リバー(フランス)により供給された平均体重25g
雌1マウスをこの研究で使用した。使用した群は、8ま
たは10匹マウスを含む。
b)細菌株 寄託番号CIP5734のパスツール研究所コレクションか
ら得たリステリア・モノサイトジーン株および−70℃で
保管されていた臨床的分離物であるエシエリキア・コリ
株が感染株であった。
c)試料 セクション12で酵母から得、精製したNC30タンパク質
をマウス血漿容量対1%を含む0.15M NaCl溶液中希釈し
たものを使用した。この希釈液を対照として扱う。
d)マウスの処置 数群にランダムにマウスを分配後、NC30タンパク質を
容量2および20μg/kgで感染前24時間または4時間の間
隔で腹腔内投与する。対照群は希釈液で処理する。
e)感染モデル エシエリキア・コリおよびL.モノサイトジーン株を使
用して敗血症感染の2種のモデルを使用した。それらの
モデルは、コン−テク・コン、1987年、インフェクショ
ンおよびイムニティ、1987年、55、3、668〜673頁およ
びM.ハクフレジデゥスコ等、インフェクション・アンド
・イムニティ、1989年、57、10、3014〜3021頁に記載さ
れている。
エシエリキア・コリおよびL.モノサイトジーン株を18
時間37℃で普通ブイヨン(オキソイド普通ブイヨン)で
培養した。5×106CFUに対応する培養ブイヨンの適当な
希釈液0.5mlをマウスに腹腔内投与した。各群の死亡率
を毎日、10日まで記録した。
f)統計学的処理 処理した群で観察した生存マウスの数をカイ二乗検定
により対照群のそれと比較した。確率が95%より大きい
とき、有意差があるとみなした。
2)結果 a)L.モノサイトジーン感染 NC30タンパク質2または20μg/kgで感染前24時間また
は4時間の間隔で腹腔内で処理された群マウスは、対照
群と同様に行動した。生存率についての改善は見られな
かった。
b)エシエリキア・コリ感染 下記の第7表に示す。結果を試験群におけるマウスの
生存率を示す。
知見は以下の通りである: 感染前24時間NC30タンパク質の20μg/kgで腹腔内処理
したマウスは、対照群のマウスより有意に微生物感染に
耐える。
感染前4時間腹腔内投与した予防処置は、行った3回
の実験のうち2回に有効であり、対照動物の生存率と比
較して処理動物の生存率において有意な増大を得ること
を可能にした。第1の実験において、試験された2μg/
kgの用量のみが活性であった。第2の実験において、20
μg/kgの用量のみが、エシエリキア・コリ感染に対して
マウスを防御した。
20匹のマウスの群に対して行った他の一連の実験にお
いて、以下のことが判明した:セクション12記載と同様
に酵母から得、精製されたNC30タンパク質の32μg/kg用
量は、対照動物の生存率(20匹のうち2匹)と比較して
マウスのより高い生存率を得ることを可能にする。観察
された差は、スチューデントt検定を用いて確率99%有
意である。
従って、NC30タンパク質は、インビボで免疫調節活性
もまた有する。
従って、NC30タンパク質は、インビトロ(細胞増殖、
細胞活性、走化性および他のサイトカイン合成の調整)
およびインビボでサイトカイン型免疫調節活性を有する
新規リンポカインである。免疫系の少なくとも2種のき
ー細胞:単球およびリンパ球に対して作用する。したが
って、新規のインターロイキンである。その性質の幾つ
かを、インターロイキン−4と共通する:LPS−活性ヒト
末梢血単球によるインターロイキン−1−βおよびイン
ターロイキン−6の合成の阻害、および扁桃腺Bリンパ
球に対するCD23抗原の発現の調節(W.ポール、1991年、
ブラッド、77巻、1956頁、ウォール メルフィット等、
1991年、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メデ
ィスンズ、174巻、1199〜1220頁)である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 C12N 5/00 B C12P 21/02 A61K 37/02 ABB //(C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ギュモ、ジャン―クロード フランス31400トゥールーズ、レジダー ンス・レ・バルコン・ドゥ・ペシュダ ビ、シュマン・ドゥ・ラ・サラド・ポン サン 135番 (72)発明者 カガ、ムラ フランス31520ラモンビル・サンタニュ、 リュ・ロマン・ロラン 50番 (72)発明者 ラビ―ル・ブティエ、クリスティーヌ フランス31100トゥールーズ、リュ・ド ゥ・ラマンディエ 23番 (72)発明者 ルプラトワ、パスカル フランス81470キューク・トゥールザ、 カンボン・レ・ラヴォール、アン・サン ―ピエール (番地の表示なし) (72)発明者 マガジン、マリリン フランス31320カスタネ―トローザン、 シュマン・ドゥ・ラ・クラボット 2番 (72)発明者 ミンティ、アドリアン フランス31320メルビラ、シュマン・ド ゥ・ペシュミロール (番地の表示な し) (56)参考文献 The Journal of Im munology,Vol.142,No. 2(1989)p.679−687 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12P 1/00 - 41/00 BIOSIS(DIALOG)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の配列(a1): (配列中、Xaaは、AspまたはGlyを表す)を含むことを
    特徴とする、LPS−刺激末梢血単球によるIL−1βの産
    生を阻害し得るタンパク質。
  2. 【請求項2】配列(a1)のすぐ上流に、配列:Ser Proを
    含むことを特徴とする、請求項1記載のタンパク質。
  3. 【請求項3】見掛け分子量9.0±2kDaを有することを特
    徴とする、請求項1および2のいずれか1項記載のタン
    パク質。
  4. 【請求項4】見掛け分子量16.0±2kDaを有することを特
    徴とする、請求項1および2のいずれか1項記載のタン
    パク質。
  5. 【請求項5】N−グリコシル化されることを特徴とす
    る、請求項1および2のいずれか1項記載のタンパク
    質。
  6. 【請求項6】SDS存在下中ポリアクリルアミドゲル電気
    泳動および銀での発色により測定された純度が、70%よ
    り高いことを特徴とする、請求項1および2のいずれか
    1項記載のタンパク質。
  7. 【請求項7】SDS存在下ポリアクリルアミドゲル電気泳
    動および銀での発色により測定された純度が、90%より
    高いことを特徴とする、請求項1および2のいずれか1
    項記載のタンパク質。
  8. 【請求項8】請求項1および2のいずれか1項に記載の
    タンパク質またはその前駆体をコードする組換DNAであ
    って、上記前駆体がシグナル配列を含み、上記シグナル
    配列が、以下の配列: から選ばれるシグナル配列であることを特徴とする、組
    換DNA。
  9. 【請求項9】成熟タンパク質をコードする配列が以下の
    配列(Na1): を含むことを特徴とする、請求項8記載の組換DNA。
  10. 【請求項10】成熟タンパク質をコードする配列が以下
    の配列(Na1′): を含むことを特徴とする、請求項8記載の組換DNA。
  11. 【請求項11】シグナルペプチドをコードするヌクレオ
    チド配列が、以下の配列(Nb1)、(Nb2)、(Nb3)お
    よび(Nb4): から選ばれることを特徴とする、請求項8〜10記載の組
    換DNA。
  12. 【請求項12】発現に必要な手段を有する請求項8〜11
    のいずれか1項に記載の組換DNAを含むことを特徴とす
    る発現ベクター。
  13. 【請求項13】発現に必要な手段を有する請求項8〜11
    のいずれか1項に記載の組換DNAを含むことを特徴とす
    る真核細胞。
  14. 【請求項14】動物細胞であることを特徴とする、請求
    項13記載の真核細胞。
  15. 【請求項15】請求項12に記載の発現ベクターを含むこ
    とを特徴とする、請求項14記載の動物細胞。
  16. 【請求項16】CHO細胞であることを特徴とする、請求
    項15記載の動物細胞。
  17. 【請求項17】COS細胞であることを特徴とする、請求
    項15記載の動物細胞。
  18. 【請求項18】酵母細胞であることを特徴とする、請求
    項13記載の真核細胞。
  19. 【請求項19】請求項12に記載の発現ベクターにより形
    質転換されることを特徴とする、原核細胞。
  20. 【請求項20】エシエリキア・コリ種に属することを特
    徴とする、請求項19記載の原核細胞。
  21. 【請求項21】請求項14〜17のいずれか1項に記載の動
    物細胞の培養、ついで組換タンパク質の分離および精製
    の工程を含むことを特徴とする、請求項1〜7記載のい
    ずれか1項に記載のタンパク質を製造する方法。
  22. 【請求項22】請求項18に記載の酵母細胞を培養、つい
    で組換タンパク質の分離および精製の工程を含むことを
    特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタン
    パク質を製造する方法。
  23. 【請求項23】請求項1〜7のいずれか1項に記載のタ
    ンパク質を含むことを特徴とする、LPS−刺激末梢血単
    球によるIL−1βの産生を阻害するための医薬組成物。
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