JP2865412B2 - 水の分子集団の細分化に使用する水溶性ミネラル含有液とその製造方法 - Google Patents

水の分子集団の細分化に使用する水溶性ミネラル含有液とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、水の分子集団を細分して良質化する方法
およびこの細分化に使用する水溶性ミネラル含有液とそ
の製造方法に関するものである。
〔従来技術および解決すべき課題〕
近時、工業生産力が強大になるにつれ消費生活も飛躍
的に豊かになってきている反面、生活の場での飲料水、
つまり水道水がまずくなっている。
この水道水は、雨水や水源河川水などの原料水を人体
に害のないように浄水処理して供給されているのである
が、原料水自体の汚染や水源河川の汚濁、貯水池の富栄
養化などのため、原料水には各種の薬品を注入して浄化
処理している。しかしながら、一般需要者からは「カビ
臭い」「薬臭い」「まずくて飲めない」などの不評がで
ることが多く、そしてこのような「まずい水(水道
水)」中には過マンガン酸カリウムなどの有機物質の含
有量や浄水処理時に使用した消毒用塩素の残留量が多い
などの事実も確認されている。また、水に含まれるミネ
ラル成分(金属イオン)量を分析して「うまさ」を評価
する試みも行われているが、この方法ではミネラル成分
量が同じでも「水の味」が変わることがあり普遍的な評
価方法とは言えなかった。
ところで、水道水など水の分子構造式は、一般にはH2
Oで表わされているが、実際には単分子で存在すること
はなく、分子間に働く水素結合力によって最低5個以上
の分子集団(クラスター)によって形成され、しかもこ
の集団は固定しているのではなく、1ピコ秒(10
-12秒)という極めて短い時間で大きな集団を作った
り、壊れたりして絶えず変化している動的集団であるこ
とが判明している。また、ミネラル成分などをほとんど
含有しないため飲料水としては不適とされている蒸留水
や超純水などでは酸素分子の不対電子に水素分子がしっ
かりと結びついた大きな分子集団の集まりによって構成
されていることも判り、さらには、「うまい水」という
のは単に有機物質や残留塩素の量が少ないだけではな
く、分子集団が小さく、ミネラル成分もほどよく溶け込
んだ水であることなどが核磁気共鳴(NMR)分光法によ
って解明されている。
〔課題の解決手段〕
そこで、この発明では、水分子間に働く水素結合力で
複数の分子集団によって構成される水に対し、水溶性ミ
ネラル含有液を所定量添加することによりこれらの分子
集団を細分化して水の良質化を図ろうとするものであ
る。
この水の分子集団の細分化に使用する水溶性ミネラル
含有液は、澱粉および/もしくは穀類と種子と卵殻とを
粉砕混合した後加水して醗酵熟成しさらに濾過して得ら
れた醗酵熟成液であって、5〜9重量%のミネラル成分
を含有する水溶液が好適に使用される。
なお、この水溶性ミネラル含有液は、澱粉および/も
しくは穀類と種子と卵殻を所定の割合で粉砕混合し、つ
いで加水撹拌するとともに加熱して粘稠な混合液を形成
し、この混合液に麹を加えて醗酵熟成することにより種
子のミネラル成分を混合液中に溶解移行させ、さらに得
られた醗酵熟成液を濾過することにより製造するのが好
適であるが、混合液を醗酵させる際には、撹拌しながら
この混合液中に空気を導入するとともに光照射を行な
い、さらに熟成時に醗酵混合液を流動させながら電解処
理を行えば、醗酵ないしは熟成を能率的にしかも効率よ
く達成することができる。
〔作 用〕
この発明では、水に水溶性ミネラル含有液が添加され
ると、ミネラル分子(金属イオン)のまわりに水分子の
単集団が集まるだけでなく、水分子の大集団ないしは小
集団における水分子同士の水素結合が分断されて分子集
団自体が細分化されものである。
〔実施例〕
次に、本発明に係る水の分子集団の細分化に使用する
水溶性ミネラル含有液の製造方法について説明する。
まず、本発明に係る水の分子集団の細分化に使用され
る水溶性ミネラル含有液は第1図に示すように以下の手
順により製造される。
すなわち、原料として米粉、そば粉、麦粉、コーンス
ターチなどの穀類および/または芋澱粉などの澱粉と、
例えば、胡桃、杏、白桃、黄桃、アプリコット、梅、李
などの種子と卵殻を重量比で2.5:3.0:0.5の割合で用意
し、これらを細かく粉砕して混合する。
つぎに、この粉砕混合された原料を醗酵タンク10に投
入して、粉砕混合原料1に対して水3を加え、周知の撹
拌手段12で適度に撹拌しながら80℃程度に加熱し、澱粉
類をα化した後保温して粘稠な混合液とする。
そして、この混合液を保温ヒータ14で35℃前後に保持
して所定量の麹菌などを加えて複合醗酵させる。この
際、混合液を撹拌しながらポンプ装置などの送気手段を
使用して液中に泡状空気16を送給するとともに特殊光18
を照射して醗酵の促進を行うのが好ましい。
このようにして複合醗酵させた混合液を、次段では、
例えば、2ケ月程度の期間熟成することにより粉砕種子
中のミネラル成分を混合液中に溶解移行させる。なお、
この醗酵混合液の熟成に際しては、撹拌手段12で醗酵混
合液を撹拌するとともにポンプ装置20でゆっくり流動さ
せながら電解処理を行うのが好ましい。また、本実施例
では、醗酵混合液を流動させながら電解処理して熟成さ
せるが、例えば、赤外線発生素子から発生する遠赤外線
を反射鏡などを介して醗酵混合液に照射する赤外線酸化
(熟成)法や電界中で流動させる法などを使用して熟成
させても良いことは勿論である。
そして、醗酵混合液が充分熟成したら、この醗酵熟成
液を加熱殺菌するとともに濾過手段22で濾過して水溶性
ミネラル含有液を抽出する。
なお、このようにして得られた水溶性ミネラル含有液
は、5.6重量%のミネラル成分(灰分)を含有し、PHは
約5.2であった。また前記ミネラルイオンとしては水溶
性ミネラル含有液100g中にカルシュウム2100mg、マグネ
シウム68mg、ナトリウム130mg、カリウム6mg、鉄0.5m
g、および燐のほか銅、亜鉛、マンガン、硫黄、珪素な
どの微量ミネラル元素が認められた。
実験例 所定量の水道水(サンプル水A)と、この水道水500
に対し前述の水溶性ミネラル含有液を1の割合で加えた
実験水(処理水B)とを20℃で核磁気共鳴器(NMR)に
かけて、酸素の原子核(17O)の動向をスペクトルとし
て捕らえた(第2図参照)。
このNMRのスペクトルによると、共鳴信号の線幅は処
理水Bが60Hzに対してサンプル水Aが110Hzであり、約4
5.5%狭くなっている。
NMRのスペクトル信号の線幅が狭くなるというのは、
見ているものの分子運動が早くなっていることに相当
し、これは、第3a図に示す通常水のクラスターモデルに
対し、第3b図のように水分子の大集団ないしは小集団に
おける水分子同士の水素結合が分断され、分断された単
集団がミネラル分子(金属イオン)を包みこみ、分子集
団自体が細かくなっていることを示すものであり、従っ
て、処理水Bは水の分子集団が細分化されたことにな
る。
また、サンプル水Aと処理水Bとを飲み比べて官能試
験を行ったところ、略全員が処理水Bのほうが「うま
い」と感じた。このように水の分子集団が細分化された
処理水Bをうまいと感じる理由としては、人間が味を感
じる舌の味雷(味細胞)に対して大きい水分子集団より
も小さい水分子集団になるほどすっぽり嵌まりこみ、ま
ろやかに感じるからと思われる。
また、この処理水は水溶性ミネラル含有液を添加する
ことにより、塩素などいやな臭いのもととなる成分など
が以下のようなイオン反応によって中和除去され、こと
に遊離残留塩素は第4図に示すように水道水の半分以下
になることが確認され、さらには、水溶性ミネラルの含
有量も増加し風味も向上した。
*塩素イオンCl-、塩素ガスCl2 2- Na+ +Cl-→NaCl(塩化ナトリウム) K+ +Cl-→KCl (塩化カリウム) Ca+++Cl2 2-→CaCl2(塩化カルシウム) Mg2++Cl2 2-→MgCl2(塩化マグネシウム) *硫酸イオンSO4 Na+ ×2+SO4 2-→Na2SO4(硫酸ナトリウム) K+ ×2+SO4 2-→K2SO4 (硫酸カリウムム) Ca2+ +SO4 2-→CaSO4 (硫酸カルシウム) Mg2+ +SO4 2-→MgSO4 (硫酸マグネシウム) *亜硝酸イオンNO2、硝酸イオンNO3 Na+ +NO2→NaNO2(亜硝酸ナトリウム) K+ +NO3→KNO3 (硝酸カリウム) Na+ +NO3→NaNO3(硝酸ナトリウム) Ca2++NO2×2→Ca(NO2(硝酸カルシウム) *リン酸イオンPO4 Na+ ×2+H++PO4→Na2HPO4 (リン酸水素ナトリウム) K+ ×2+H++PO4→K2HPO4 (リン酸水素カリウム) Ca2++H++PO4→CaHPO4 (リン酸水素カルシウム) Mg2++H++PO4→MgHPO4 (リン酸水素マグネシウム) 以上、本発明によれば、被処理水に水溶性ミネラル含
有液を微量添加するだけで、そのミネラル分子(金属イ
オン)のまわりに水分子の単集団が集まり、水分子の分
子集団自体を細分化できるので、水の良質化を極めて簡
単に達成することができる。また、水溶性ミネラル含有
液を添加した水は、体への吸収性が良好でミネラル不足
と言われている現在では極めて有用であり、従って、水
の改質に止まらず、この水溶性ミネラル含有液を添加し
た水は食品加工の他、水を使用するあらゆる産業分野に
おいて対象となる製品の品質を向上させることが可能と
なるものである。
さらに、水溶性ミネラル含有液自体も天然材料のみの
組合せなので簡単に製造できる等種々の利点を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る水の分子集団の細分化に使用さ
れる水溶性ミネラル含有液の製造工程を示す説明図、第
2図は水道水(サンプル水A)と実験水(処理水B)と
を核磁気共鳴器によって酸素の原子核(17O)の動向を
スペクトルとして捕らえた説明図、第3a図は第2図のサ
ンプル水のような通常水のクラスターモデルを表す模式
図、第3b図は第2図の処理水のクラスターモデルを表す
模式図、第4図は水道水とこの水道水に本発明に係る水
溶性ミネラル含有液を添加した時の残留塩素の変化を示
す図表である。 10……醗酵タンク、12……撹拌手段、 14……保温ヒータ、16……泡状空気、 18……照射光、20……ポンプ装置、 22……濾過手段、
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 2/00 - 2/84 C02F 1/68 520

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】澱粉および/もしくは穀類と種子と卵殻と
    を粉砕混合した後加水して醗酵熟成しさらに濾過して得
    られた醗酵熟成液であって、5〜9重量%のミネラル成
    分を含有することを特徴とする水の分子集団の細分化に
    使用する水溶性ミネラル含有液。
  2. 【請求項2】澱粉および/もしくは穀類と種子と卵殻を
    所定の割合で粉砕混合し、ついで加水撹拌するとともに
    加熱して粘稠な混合液を形成し、この混合液に麹を加え
    て醗酵熟成することにより種子のミネラル成分を混合液
    中に溶解移行させ、さらに得られた醗酵熟成液を濾過す
    ることを特徴とする水溶性ミネラル混合液の製造方法。
  3. 【請求項3】混合液を醗酵させる際、撹拌しながらこの
    混合液中に空気を導入するとともに光照射を行い、さら
    に熟成時に醗酵混合液を流動させて電解処理を行うこと
    を特徴とする請求項2に記載の水溶性ミネラル含有液の
    製造方法。
JP2290869A 1990-10-30 1990-10-30 水の分子集団の細分化に使用する水溶性ミネラル含有液とその製造方法 Expired - Lifetime JP2865412B2 (ja)

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