JP2865165B2 - フエノール類のアルキルエーテルの製造方法及び該方法で使用される触媒 - Google Patents

フエノール類のアルキルエーテルの製造方法及び該方法で使用される触媒

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JP2865165B2
JP2865165B2 JP8354649A JP35464996A JP2865165B2 JP 2865165 B2 JP2865165 B2 JP 2865165B2 JP 8354649 A JP8354649 A JP 8354649A JP 35464996 A JP35464996 A JP 35464996A JP 2865165 B2 JP2865165 B2 JP 2865165B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール類のア
ルキルエーテルを製造する方法に関する。フェノール類
のアルキルエーテルは、医薬、農薬および香料の原料と
して、また抗酸化剤等として、有用な化合物である。
【0002】
【従来技術】従来、フェノール類のアルキルエーテル化
法としては、例えば、フェノール類にジメチル硫酸を強
アルカリ性下で反応せしめる方法やフェノール類にハロ
ゲン化メチルを水酸化アルカリ水溶液の存在下で反応せ
しめる方法などが知られている。しかし、何れの方法も
有毒物質を取り扱う安全衛生上の問題や原料が高価であ
ること、副生する多量の無機物(硫酸ナトリウム、塩化
ナトリウムなど)含有廃水の処理に多大なコストを有す
るなどの欠点を有している。
【0003】これらの欠点を解決すべく、安価で取扱い
易いアルコール類をエーテル化剤として用いるフェノー
ル類のアルキルエーテル化が種々検討されている。
【0004】例えば、気相反応の例として、特開昭52
−36634号公報にはリン酸ホウ素触媒またはアルミ
ニウム、ホウ素およびリンからなる触媒を用いる方法
が、特公昭56−25213号公報および化学技術研究
所報告、84巻、5号、P286、1989にはカオリ
ン触媒を用いる方法が、ドイツ特許DD267034号
にはゼオライト系触媒を用いる方法が、それぞれ記載さ
れている。
【0005】これらの触媒を使用する方法では、アルキ
ルエーテル化の選択率がかなり高められるが、副生成物
である核メチル化生成物の生成量をゼロにまで減少させ
ることはできない。核メチル化生成物は原料フェノール
類と沸点が近いことが多く(例えば、原料フェノールの
沸点が182℃であるのに対してその核メチル化生成物
たるo−クレゾールの沸点は191℃であり、また原料
p−クレゾールの沸点が202℃であるのに対してその
核メチル化生成物たる2,4−キシレノールの沸点は2
12℃である)、その分離には多段の精留塔が必要にな
り、設備的にもコスト的にも割高となる。従って、若し
アルキルエーテルの選択率を100%に上昇させること
が出来たならば、余分な蒸留精製が不必要になるため、
アルキルエーテルの工業的製造に大きなメリットがもた
らされる。
【0006】また前記公知の触媒は、いずれも、触媒上
の炭素状物質の沈着などによる経時的活性劣化が著しい
ため、工業的実施に耐えうるものではなかった。さらに
は、それら公知の方法では、エーテル化剤として用いる
アルコール同士の分子間脱水によるジアルキルエーテル
化反応がかなり起こるため、アルコールの回収率が低
い。このような方法は、工業的プロセスとしては、明ら
かに不利である。
【0007】以上のように、フェノール類及びアルコー
ル類からフェノール類のアルキルエーテルを製造するた
めの従来方法は工業的に満足できるものではなかったの
で、長期にわたって安定した触媒活性を有する触媒を用
いて、より高い選択率で、フェノール類のアルキルエー
テルを製造し得る方法の出現が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、フェノール類とアルコール類とからフェノール類の
アルキルエーテルを製造する方法の改良として、従来よ
りも高い選択率および収率を発現することができ、ジア
ルキルエーテルの副生が少なく、未反応アルコールの回
収率が高く、長期に渡り安定的に該アルキルエーテルを
製造することが可能な方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、フェノール類をアルコ
ール類を用いてアルキルエーテル化する際に触媒として
アルカリ金属元素を含有して成る酸化物を用いることに
より、従来になく極めて高い選択率でアルキルエーテル
が生成することを見いだした。
【0010】斯くして、本発明によれば、フェノール類
とアルコール類とを触媒の存在下で反応させることによ
ってフェノール類のアルキルエーテルを製造するに際
し、触媒として、下記一般式(1): (1) (式中、Mはアルカリ金属元素を表し、Xはケイ素およ
び/またはジルコニウムを表し、ZはY、La、Ce、
Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、Al、G
a、In、Tl、Ge、Sn、Pb、P、SbおよびB
iからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Oは
酸素を表し、そしてa、b、cおよびdは各元素の数で
あって、aが1のときbは1〜500でcは0〜1であ
り、dはa,bおよびcの値および各種構成元素の結合
状態により定まる数値である。)で表され る酸化物を使
用することを特徴とするフェノール類のアルキルエーテ
ルの製造法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の方法における一方の原料
であるフェノール類は、特に限定されないが、例えば下
記一般式(2):
【0012】
【化2】
【0013】(式中、Rは水素原子、炭素数1から4の
アルキル基、炭素数1から4のアルコキシル基、ヒドロ
キシル基、フェニル基、ニトロ基、ベンジル基またはハ
ロゲン原子を表す。)で表されるフェノール誘導体また
はキシレール類が挙げられる。それらの具体例として
は、フェノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o
−クレゾール、4−エチルフェノール、4−iso−プ
ロピルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、
4−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、4
−フェニルフェノール、4−ニトロフェノール、4−ベ
ンジルフェノール、4−クロロフェノール等のような1
価のフェノール類;2,4−キシレノール等のようなキ
シレノール類;カテコール、レゾルシノール、ハイドロ
キノン等のような2価のフェノール類などが挙げられ
る。なかでも、1価のフェノール類またはキシレノール
類が好ましく、特には、フェノール、p−クレゾール、
m−クレゾール、o−クレゾールが好ましい。
【0014】本発明の方法における他の原料であるアル
コール類としては、特に限定されないが、一価の脂肪族
アルコールが反応性の点で好ましく、その例としてメタ
ノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール等が挙げられる。
【0015】本発明の方法に用いる触媒は、下記一般式
(1): M (1) (式中、Mはアルカリ金属元素を表し、Xはケイ素およ
び/またはジルコニウムを表し、ZはY、La、Ce、
Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、Al、G
a、In、Tl、Ge、Sn、Pb、P、SbおよびB
からなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Oは
酸素を表し、そしてa、b、cおよびdは各元素の数で
あって、aが1のときbは1〜500でcは0〜1であ
り、dはa、bおよびcの値および各種構成元素の結合
状態により定まる数値である。)で表される酸化物であ
る。
【0016】これらの触媒を使用することにより、極め
て高選択率でフェノール類のアルキルエーテル化が進行
し、副生成物である核メチル化生成物は殆ど生成しな
い。また反応に使用されたアルコール類は、選択的にフ
ェノール類のアルキルエーテル化に消費され、自身の分
子間脱水によるジアルキルエーテル化は殆ど起こらな
い。さらに、これらの触媒は、公知の触媒と比較して、
触媒上の炭素状物質の沈着が極めて少なく、長時間連続
で反応に使用しても触媒活性が殆ど低下しない。これら
の触媒は、また、仮に苛酷な反応条件の下で長時間連続
使用した末にコーキング発生のために活性の低下を来し
たとしても、空気を通してコークを燃焼させることによ
って、活性を回復する。
【0017】アルカリ金属を含まないケイ素のみから成
る酸化物触媒、すなわちシリカ単独から成る触媒は非常
に弱い固体酸であるため活性が殆どない(後述する比較
例1参照:該比較例1のデータは特公昭56−2521
3号公報の参考例1、表3に記載されているデータと一
致する。)。フェノール類の選択的アルキルエーテル化
には、中程度の強度の固体酸が有効といわれており、カ
オリンが触媒として最適であると報告されている(化学
技術研究所報告、84巻、5号、p286、198
9)。しかし、このような触媒を使用しての反応では、
中程度の強度の酸点による核メチル化やアルコールのジ
アルキルエーテル化による回収ロス及びコーキングによ
る活性低下は避けられない。これに対し、シリカにアル
カリ金属を含有させて成る本発明の触媒は、シリカ単独
から成る触媒に比べさらに酸強度が弱められているにも
かかわらず、従来公知の触媒に比べ極めて高い選択率で
アルキルエーテルを与える。本発明の触媒がこのような
メリットをもたらす理由は、その非常に弱い固体酸性の
故に、アルコール自身のジアルキルエーテル化やコーキ
ングが殆ど起こらないためであろうと推察される。
【0018】本発明の触媒の調製法は、特に限定される
ものではなく、従来公知のあらゆる方法を採用すること
ができる。
【0019】本発明の特に好ましい触媒であるアルカリ
金属元素とケイ素とを含有して成る酸化物を例にとっ
て、本発明の触媒の調製法を説明すれば、次のとおりで
ある。アルカリ金属元素の原料としては、酸化物、水酸
化物、ハロゲン化物、塩類(硝酸塩、炭酸塩、カルボン
酸塩、リン酸塩、硫酸塩等)および金属などが用いられ
る。ケイ素の原料としては、酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ
酸塩類(アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属ケイ
酸塩等)、有機ケイ酸エステルなどが用いられる。任意
成分たるZの原料としては、酸化物、水酸化物、ハロゲ
ン化物、塩類(炭酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、リン酸
塩、硫酸塩等)および金属などが用いられる。触媒の調
製法としては、アルカリ金属元素源とケイ素源を水中
に溶解もしくは懸濁させ、撹拌下加熱濃縮し、乾燥後成
型し、焼成を経て触媒とする方法、アルカリ金属元素
源の水溶液中に酸化ケイ素成型体を浸した後、加熱乾固
し、乾燥、焼成を経て触媒とする方法、各種ケイ酸塩
あるいはケイ素含有酸化物に、アルカリ金属元素源の水
溶液を加え混合した後、乾燥、成型、焼成を経て触媒と
する方法、等がある。なお、任意成分Zを触媒に含有さ
せるには、Z成分を含んだアルカリ金属元素源および/
またはケイ素源を用いるとか、触媒調製途中でZ成分原
料を加えるとか、の方法を採ることができる。
【0020】また本発明の触媒は、公知の担体(例え
ば、アルミナ、シリコンカーバイド等)に担持または混
合して用いることもできる。
【0021】本発明の触媒を調製する際の焼成温度は、
用いる触媒原料の種類にもよるが、300〜1000℃
の広い範囲を採ることができ、400〜800℃の範囲
が好ましい。
【0022】本発明は、気相法または液相法のいずれで
も実施可能である。液相法で行なう場合、回分式および
流通式いずれの方式も使用できる。気相法で行なう場
合、固定床流通型および流動床型のいずれの型の反応器
も使用できる。
【0023】原料のフェノール類及びアルコール類は、
フェノール類とアルコール類とのモル比が1:1〜2
0、好ましくは1:1〜10であるような割合で、使用
される。
【0024】本発明において反応を気相で行なう場合、
フェノール類およびアルコール類が気相状態を維持し得
る反応温度および反応圧力が採用される。反応圧力は通
常、常圧または減圧であるが、加圧も可能である。反応
温度は、フェノール類の種類、アルコール類の種類およ
び他の反応条件によっても異なるが、250〜500
℃、好ましくは300〜450℃である。反応温度が2
50℃より低いと原料フェノール類の転化率が大幅に低
下し、500℃より高いと目的アルキルエーテルの選択
率が著しく低下する。フェノール類とアルコール類との
混合ガスは、希釈することなしに、あるいは、窒素、ヘ
リウム、アルゴン、炭化水素等のような、目的反応に不
活性な、物質で希釈して、常圧または減圧下に、触媒層
に供給される。原料フェノール類とアルコール類との混
合ガスの空間速度(GHSV)は、原料の種類および他
の反応条件によっても異なるが、1〜1000h-1、好
ましくは10〜500h-1の範囲である。
【0025】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何等限定されるものでは
ない。
【0026】なお、実施例中の転化率、選択率、および
単流収率は、次の定義に従う。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】実施例1 [触媒調製]炭酸セシウム2.71gを水40gに溶解
させた溶液中に、球状シリカゲル(5−10メッシュ)
30gを2時間浸漬した。その後、湯浴上で加熱乾固
し、空気中120℃で20時間乾燥後、空気中500℃
で2時間焼成することによって、酸素を除く原子比でC
1Si30なる組成の触媒を調製した。
【0031】[反応]この触媒20mlを、内径20m
mのステンレス製反応管に充填した後、該反応管を38
0℃の溶融塩浴に浸漬した。フェノールとメタノールと
の混合液(モル比1:3)および窒素を、該反応管内で
50容量%のフェノール−メタノール混合ガス及び50
容量%の窒素から成る原料ガス混合物が形成され且つフ
ェノール−メタノール混合ガスの空間速度が100h-1
となるような条件下で、該反応器内に供給し、常圧で反
応を行った。供給開始1時間後における反応生成物を、
ガスクロマトグラフにより分析した結果、フェノールの
転化率は82.3モル%であり、アニソールへの選択率
は100モル%(単流収率82.3モル%)であった。
またジメチルエーテルの生成は見られず、未反応メタノ
ールはほぼ定量的に回収された。
【0032】実施例2 [触媒調製]硝酸セシウム9.73gを水50gに溶解
させ、90℃で加熱、撹拌しながら、酸化ケイ素30g
を加え、加熱濃縮後、空気中120℃で20時間乾燥し
た。得られた固体を9〜16メッシュに破砕し、空気中
700℃で2時間焼成することによって、酸素を除く原
子比でCs1Si10なる組成の触媒を調製した。
【0033】[反応]この触媒を用いて実施例1と同様
にして反応を行った。供給開始1時間後において、フェ
ノールの転化率は77.2モル%、アニソールへの選択
率は100モル%そして単流収率は77.2モル%であ
った。
【0034】実施例3〜6 [触媒調製]実施例2において硝酸セシウム9.73g
を、硝酸リチウム3.45g(実施例3)、硝酸ナトリ
ウム4.25g(実施例4)、硝酸カリウム5.06g
(実施例5)および硝酸ルビジウム7.38g(実施例
6)に変更した他は実施例2と同様の手順に従うことに
よって、表1に記載の触媒(酸素を除く原子比で表記)
を調製した。
【0035】[反応]これらの触媒を用いて実施例1と
同様にして反応を行った。供給開始1時間後におけるフ
ェノールの転化率、アニソールへの選択率および単流収
率は表1に示すとおりであった。
【0036】
【表1】
【0037】実施例7 フェノールの代りにp−クレゾールを使用した他は実施
例1と同様にして反応を行った。供給開始1時間後にお
ける反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した結
果、p−クレゾールの転化率は82.2モル%、p−メ
トキシトルエンの選択率は99.5モル%(単流収率8
1.8モル%)、2,4−キシレノールへの選択率は
0.2モル%そして2,4−ジメチルアニソールへの選
択率は0.3モル%であった。
【0038】実施例8 フェノールの代りにp−クレゾールを使用し、反応温度
を350℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行
った。供給開始1時間後における反応生成物をガスクロ
マトグラフにより分析した結果、p−クレゾールの転化
率は64.7モル%、p−メトキシトルエンの選択率は
99.9モル%(単流収率64.6モル%)そして2,
4−キシレノールへの選択率は0.1モル%であった。
【0039】実施例9 フェノールの代りにp−クレゾールを使用し、p−クレ
ゾールとメタノールとのモル比を1:2に変更した他は
実施例1と同様にして反応を行った。供給開始1時間後
における反応生成物をガスクロマトグラフにより分析し
た結果、p−クレゾールの転化率は69.6モル%、p
−メトキシトルエンへの選択率は99.9モル%(単流
収率69.5モル%)そして2,4−キシレノールへの
選択率は0.1モル%であった。
【0040】実施例10 [触媒調製]炭酸セシウム135.5gを水2300g
に溶解させた溶液を、酸化ケイ素1000gに加え、直
径6mm長さ6mmのペレット状に押し出し成型し、空
気中120℃で20時間乾燥した。得られたペレット触
媒を空気中500℃で2時間焼成することによって、酸
素を除く原子比でCs1Si20なる組成の触媒を調製し
た。
【0041】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は71.4
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.8モ
ル%(単流収率71.3モル%)そして2,4−キシレ
ノールへの選択率は0.2モル%であった。
【0042】実施例11 フェノールの代りにp−クレゾールを使用し、メタノー
ルの代りにエタノールを使用し、反応温度を400℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は42.3
モル%そして1−エトキシ−4−メチルベンゼンへの選
択率は100モル%(単流収率42.3モル%)であっ
た。
【0043】実施例12 フェノールの代りにp−クレゾールを使用し、メタノー
ルの代りにn−ブタノールを使用し、反応温度を400
℃に変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供
給開始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラ
フにより分析した結果、p−クレゾールの転化率は2
5.7モル%そして1−ブトキシ−4−メチルベンゼン
への選択率は100モル%(単流収率25.7モル%)
であった。 実施例13 フェノールの代りにo−クレゾールを使用した他は実施
例1と同様にして反応を行った。供給開始1時間後にお
ける反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した結
果、o−クレゾールの転化率は68.8モル%そして1
−メトキシ−2−メチルベンゼンへの選択率は100モ
ル%(単流収率68.8モル%)であった。
【0044】実施例14 フェノールの代りにm−クレゾールを使用した他は実施
例1と同様にして反応を行った。供給開始1時間後にお
ける反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した結
果、m−クレゾールの転化率は81.9モル%そして1
−メトキシ−3−メチルベンゼンへの選択率は100モ
ル%(単流収率81.9モル%)であった。
【0045】実施例15 フェノールの代りに4−メトキシフェノールを使用した
他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開始1時
間後における反応生成物をガスクロマトグラフにより分
析した結果、4−メトキシフェノールの転化率は53.
5モル%そして1,4−ジメトキシベンゼンへの選択率
は100モル%(単流収率53.5モル%)であった。
【0046】実施例16 フェノールの代りに4−ベンジルフェノールを使用し、
反応温度を350℃に変えた他は実施例1と同様にして
反応を行った。供給開始1時間後における反応生成物を
ガスクロマトグラフにより分析した結果、4−ベンジル
フェノールの転化率は80.0モル%そして4−ベンジ
ル−1−メトキシベンゼンへの選択率は100モル%
(単流収率80.0モル%)であった。
【0047】実施例17 実施例1の触媒を用いて、フェノールの代りに2,4−
キシレノールを使用し、反応温度を350℃に変えた他
は実施例1と同様にして反応を行った。供給開始1時間
後の反応生成物を、ガスクロマトグラフにより分析した
結果、2,4−キシレノールの転化率は42.1モル%
そして2,4−ジメチルアニソールへの選択率は100
モル%(単流収率42.1モル%)であった。
【0048】実施例18 [触媒調製]水酸化セシウム0.37gを水40gに溶
解させた溶液中に、球状シリカゲル(5−10メッシ
ュ)30gを2時間浸漬した。その後、湯浴上で加熱乾
固し、空気中120℃で20時間乾燥後、空気中500
℃で2時間焼成することによって、酸素を除く原子比で
Cs1Si200なる組成の触媒を調製した。
【0049】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を400℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は31.9
モル%そしてp−メトキシトルエンへの選択率は100
モル%(単流収率31.9モル%)であった。
【0050】実施例19 [触媒調製]実施例1において炭酸セシウム2.71g
を、水酸化ナトリウム0.33gおよび水酸化カリウム
0.47gに変更した他は同様にして、酸素を除く原子
比でNa0.50.5Si30なる組成の触媒を調製した。
【0051】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を400℃に
した他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開始
1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフによ
り分析した結果、p−クレゾールの転化率は34.8モ
ル%そしてp−メトキシトルエンへの選択率は100モ
ル%(単流収率34.8モル%)であった。
【0052】実施例20 [触媒調製]炭酸セシウム1.32gを水50gに溶解
させ、90℃で加熱、撹拌しながら、酸化ジルコニウム
30gを加え、加熱濃縮後、空気中120℃で20時間
乾燥した。得られた固体を9〜16メッシュに破砕し、
空気中500℃で2時間焼成することによって、酸素を
除く原子比でCs1Zr30なる組成の触媒を調製した。
【0053】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用した他は実施例1と同様に
して反応を行った。供給開始1時間後における反応生成
物をガスクロマトグラフにより分析した結果、p−クレ
ゾールの転化率は22.8モル%そしてp−メトキシト
ルエンへの選択率は100モル%(単流収率22.8モ
ル%)であった。
【0054】実施例21 [触媒調製]硝酸セシウム9.73gおよび硝酸ジルコ
ニル(2水和物)2.67gを水100gに溶かした溶
液中に、酸化ケイ素30gを加え、湯浴上で加熱混合し
ながら濃縮乾固した。次いで、空気中120℃で20時
間乾燥し、9−16メッシュに破砕後、空気中700℃
で2時間焼成することによって、酸素を除く原子比でC
1Si10Zr0.2なる組成の触媒を調製した。
【0055】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物を、ガスクロマトグラフ
により分析した結果、p−クレゾールの転化率は67.
3モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.9
モル%(単流収率67.2モル%)そして2,4−キシ
レノールへの選択率は0.1モル%であった。
【0056】実施例22 [触媒調製]炭酸セシウム1.81gおよび85%オル
ソリン酸0.13gを水40gに溶解させた溶液中に、
球状シリカゲル(5−10メッシュ)20gを2時間浸
漬した。その後、湯浴上で加熱乾固し、空気中120℃
で20時間乾燥後、空気中500℃で2時間焼成するこ
とによって、酸素を除く原子比でCs1Si300.1なる
組成の触媒を調製した。
【0057】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は66.5
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.9モ
ル%(単流収率66.4モル%)そして2,4−キシレ
ノールへの選択率は0.1モル%であった。
【0058】実施例23 [触媒調製]硝酸アルミニウム9水塩8.32gを水6
0gに溶かした溶液中に、球状シリカゲル(5−10メ
ッシュ)40gを2時間浸漬した。その後、湯浴上で加
熱乾固し、空気中120℃で20時間乾燥し、空気中5
00℃で2時間焼成した。さらに炭酸セシウム4.39
gを水30gに溶かした溶液中に、この焼成品20gを
2時間浸漬後、湯浴上で加熱乾固した。次いで空気中1
20℃で20時間乾燥し、空気中500℃で2時間焼成
することによって、酸素を除く原子比でCs1Si12
0.4なる組成の触媒を調製した。
【0059】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後の反応生成物を、ガスクロマトグラフにより
分析した結果、p−クレゾールの転化率は73.4モル
%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.8モル%
(単流収率73.3モル%)そして2,4−キシレノー
ルへの選択率は0.2モル%であった。
【0060】実施例24 [触媒調製]硝酸セシウム19.5g及びホウ酸1.2
3gを水100gに溶解させた溶液中に、酸化ケイ素3
0.0gを加え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固し
た。次いで、空気中120℃で20時間乾燥し、9−1
6メッシュに破砕後、空気中700℃で2時間焼成する
ことによって、酸素を除く原子比でCs1Si50.2
る組成の触媒を調製した。
【0061】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は67.8
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.8モ
ル%(単流収率67.7モル%)そして2,4−キシレ
ノールへの選択率は0.2モル%であった。
【0062】実施例25 [触媒調製]硝酸セシウム7.8gおよびリン酸第2ア
ンモニウム4.2gを水40gに溶かした溶液中に、酸
化ジルコニウム24.7gを加え、湯浴上で加熱混合し
ながら濃縮乾固した。次いで、空気中120℃で20時
間乾燥し、9−16メッシュに破砕後空気中500℃で
2時間焼成することによって、酸素を除く原子比でCs
1Zr50.8なる組成の触媒を調製した。
【0063】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用した他は実施例1と同様に
して反応を行った。供給開始1時間後における反応生成
物をガスクロマトグラフにより分析した結果、p−クレ
ゾールの転化率は31.8モル%そしてp−メトキシト
ルエンへの選択率は100モル%(単流収率31.8モ
ル%)であった。
【0064】実施例26 [触媒調製]リン酸水素2ナトリウム(12水和物)1
7.9gを水100gに溶かした溶液中に、酸化ケイ素
30gを加え、湯浴上で加熱混合しながら濃縮乾固し
た。次いで、空気中120℃で20時間乾燥し、9−1
6メッシュに破砕後、空気中400℃で2時間焼成する
ことによって、酸素を除く原子比でNa1Si50.5
る組成の触媒を調製した。
【0065】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用した他は実施例1と同様に
して反応を行った。供給開始1時間後における反応生成
物を、ガスクロマトグラフにより分析した結果、p−ク
レゾールの転化率は27.4モル%そしてp−メトキシ
トルエンへの選択率は100モル%(単流収率27.4
モル%)であった。
【0066】実施例27 [触媒調製]炭酸セシウム2.26gおよび硝酸イット
リウム6水塩0.53gを水40gに溶解させた溶液中
に、酸化ケイ素25gを加え、湯浴上で加熱混合しなが
ら濃縮乾固した。次いで、空気中120℃で20時間乾
燥し、9−16メッシュに破砕後、空気中500℃で2
時間焼成することによって、酸素を除く原子比でCs1
Si300.1なる組成の触媒を調製した。
【0067】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は28.4
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.6モ
ル%(単流収率28.3モル%)そして2,4−キシレ
ノールへの選択率は0.4モル%であった。
【0068】実施例28 [触媒調製]塩化セシウム2.34gおよび硝酸ランタ
ン6水塩1.80gを水50gに溶解させた溶液中に、
球状シリカゲル(5−10メッシュ)25gを2時間浸
漬した。その後、湯浴上で加熱乾固し、空気中120℃
で20時間乾燥後、空気中500℃で2時間焼成するこ
とによって、酸素を除く原子比でCs1Si30La0.3
る組成の触媒を調製した。
【0069】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物を、ガスクロマトグラフ
により分析した結果、p−クレゾールの転化率は35.
3モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.7
モル%(単流収率35.2モル%)そして2,4−キシ
レノールへの選択率は0.3モル%であった。
【0070】実施例29 [触媒調製]炭酸セシウム2.71gおよびメタタング
ステン酸アンモニウム水溶液(WOとして50wt
%)1.55gを水60gに溶解させた溶液中に、球状
シリカゲル(5−10メッシュ)30gを2時間浸漬し
た。その後、湯浴上で加熱乾固し、空気中120℃で2
0時間乾燥後、空気中500℃で2時間焼成することに
よって、酸素を除く原子比でCs1Si300.2なる組成
の触媒を調製した。
【0071】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は57.6
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.6モ
ル%(単流収率57.4モル%)そして2,4−キシレ
ノールへの選択率は0.4モル%であった。
【0072】実施例30 [触媒調製]炭酸セシウム12.1gを水25gに溶解
させた液中に、シリカアルミナ(直径5mm×長さ5m
mのペレット;Si/Al比=5.5、SiO2=8
1.6wt%、Al23=12.6wt%)20gを2
時間浸漬した。その後、湯浴上で加熱乾固し、空気中1
20℃で20時間乾燥後、空気中500℃で2時間焼成
して、酸素を除く原子比でCs1Si3.67Al0.67なる
組成の触媒を調製した。
【0073】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は76.6
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は99.7モ
ル%(単流収率76.4モル%)、2,4−キシレノー
ルへの選択率は0.1モル%そして2,4−ジメチルア
ニソールへの選択率は0.2モル%であった。
【0074】実施例31 [触媒調製]炭酸セシウム5.42gを水40gに溶解
させ、90℃で加熱、撹拌しながら、市販カオリン(和
光純薬)40gを加え、加熱濃縮後、空気中120℃で
20時間乾燥した。得られた固体を9〜16メッシュに
破砕し、空気中500℃で2時間焼成することによっ
て、カオリンの重量に対してCs2Oとして11.7w
t%のセシウム酸化物がカオリン上に担持された触媒を
調製した。
【0075】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は9.9モ
ル%、p−メトキシトルエンへの選択率は87.3モル
%(単流収率8.64モル%)、2,4−キシレノール
への選択率は6.9モル%そしてフェノールへの選択率
は5.8モル%であった。
【0076】実施例32 [触媒調製]炭酸セシウム9.80gを水40gに溶解
させ、90℃で加熱、撹拌しながら、五酸化ニオブ80
gを加え、加熱濃縮後、空気中120℃で20時間乾燥
した。得られた固体を9〜16メッシュに破砕し、空気
中500℃で2時間焼成して酸素を除く原子比でCs1
Nb10なる組成の触媒を調製した。
【0077】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後の反応生成物を、ガスクロマトグラフにより
分析した結果、p−クレゾールの転化率は7.3モル
%、p−メトキシトルエンへの選択率は95.5モル%
(単流収率6.97モル%)、2,4−キシレノールへ
の選択率は2.2モル%そしてフェノールへの選択率は
2.3モル%であった。
【0078】実施例33 [触媒調製]炭酸セシウム5.34gを水40gに溶解
させ、90℃で加熱、撹拌しながら、市販リン酸アルミ
ニウム(太平化学製:商品名タイポリーL2)80gを
加え、加熱濃縮後、空気中120℃で20時間乾燥し
た。得られた固体を9〜16メッシュに破砕し、空気中
500℃で2時間焼成することによって、酸素を除く原
子比でCs1Al2020なる組成の触媒を調製した。
【0079】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は1.4モ
ル%、p−メトキシトルエンへの選択率は94.9モル
%(単流収率1.33モル%)そして2,4−キシレノ
ールへの選択率は5.1モル%であった。
【0080】実施例34 [触媒調製]ほう酸20gと85%オルソリン酸37.
3gとを室温でよく撹拌することによって形成されたス
ラリーに、炭酸セシウム2.64gを水5gに溶解させ
た溶液を加え、90℃で加熱、撹拌しながら加熱濃縮
後、空気中120℃で20時間乾燥した。得られた固体
を9〜16メッシュに破砕し、空気中500℃で2時間
焼成することによって、酸素を除く原子比でCs120
20なる組成の触媒を調製した。
【0081】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにp−クレゾールを使用し、反応温度を350℃に
変えた他は実施例1と同様にして反応を行った。供給開
始1時間後における反応生成物をガスクロマトグラフに
より分析した結果、p−クレゾールの転化率は15.5
モル%、p−メトキシトルエンへの選択率は96.7モ
ル%(単流収率15.0モル%)そして2,4−キシレ
ノールへの選択率は3.3モル%であった。
【0082】実施例35 [触媒調製]硝酸セシウム19.5gおよびリン酸水素
2アンモニウム10.5gを水80gに溶かした溶液中
に、酸化ケイ素30gを加え、湯浴上で加熱混合しなが
ら濃縮乾固した。次いで、空気中120℃で20時間乾
燥し、9−16メッシュに破砕後、空気中500℃で2
時間焼成することによって、酸素を除く原子比でCs1
Si50.8なる組成の触媒を調製した。
【0083】[反応]この触媒を用いて、フェノールの
代りにカテコールを使用し、カテコールとメタノールと
のモル比を1:6に変えた他は実施例1と同様にして反
応を行った。供給開始1時間後における反応生成物をガ
スクロマトグラフにより分析した結果、カテコールの転
化率は64.7モル%そして2−メトキシフェノールへ
の選択率は100モル%(単流収率64.7モル%)で
あった。
【0084】実施例36 実施例1の触媒を用いて、フェノールの代りにレゾルシ
ノールを使用し、レゾルシノールとメタノールとのモル
比を1:6に変えた他は実施例1と同様にして反応を行
った。供給開始1時間後における反応生成物をガスクロ
マトグラフにより分析した結果、レゾルシノールの転化
率は100モル%、3−メトキシフェノールへの選択率
は45.7モル%(単流収率45.7モル%)そして
1,3−ジメトキシベンゼンへの選択率は54.3%
(単粒収率54.3モル%)であった。
【0085】実施例37 フェノールの代りにハイドロキノンを使用し、ハイドロ
キノンとメタノールとのモル比を1:8に変更し、反応
温度を350℃に変えた他は実施例1と同様にして反応
を行った。供給開始1時間後における反応生成物をガス
クロマトグラフにより分析した結果、ハイドロキノンの
転化率は100モル%、4−メトキシフェノールへの選
択率は71.9モル%(単流収率71.9モル%)そし
て1,4−ジメトキシベンゼンへの選択率は28.1%
(単粒収率28.1モル%)であった。
【0086】実施例38 容量100mlの回転式オートクレーブに、実施例1の
触媒2g、p−クレゾール10gおよびメタノール1
4.8g(p−クレゾールとメタノールとのモル比は
5)を装入し、系内を不活性ガス(窒素)で置換した
後、反応温度300℃、回転数280rpmで5時間加
熱撹拌を行った。冷却後、反応生成物を取り出し、ガス
クロマトグラフにより分析した結果,p−クレゾールの
転化率は11.7モル%そしてp−メトキシトルエンへ
の選択率は100モル%(単流収率11.7モル%)で
あった。
【0087】実施例39 実施例1の触媒20mlをステンレス製反応管に充填し
た後、該反応管を380℃の溶融塩浴に浸した。次い
で、該反応管内を真空ポンプで減圧し、フェノールとメ
タノールとの混合液(モル比1:3)を、該反応管内で
形成される混合ガスの空間速度が100h-1となり且つ
混合ガスの出口圧が380mmHgとなるような条件下
で、定量ポンプにより、該反応管内に供給した。反応ガ
スをコンデンサーにて冷却捕集し、得られた凝縮液をガ
スクロマトグラフにより分析した。反応を100時間連
続して行った後、原料供給を停止し、窒素を導入して解
圧し、次いで24時間空気を流通して、触媒上に析出し
た炭素状物質を燃焼することによって、触媒を再生し
た。その後、再び前述の反応条件に戻し、100時間連
続反応を行った。最初に原料の供給を開始してから1時
間後、20時間後および100時間後、並びに、触媒を
再生してから1時間後、20時間後および100時間後
におけるフェノールの転化率、アニソールへの選択率お
よび単流収率は表2に示すとおりであった。
【0088】
【表2】
【0089】実施例40 実施例1の触媒20mlをステンレス製反応管に充填し
た後、該反応管を350℃の溶融塩浴に浸した。次い
で、p−クレゾールとメタノールとの混合液(モル比
1:3)を、該反応管内で形成される混合ガスの空間速
度が100h-1となるような条件下で、定量ポンプによ
り、該反応管内に供給し、常圧で反応を行なった。反応
ガスをコンデンサーにて冷却捕集し、得られた凝縮液を
ガスクロマトグラフにより分析した。反応を100時間
連続して行った後、原料供給を停止し、次いで24時間
空気を流通して、触媒上に析出した炭素状物質を燃焼す
ることによって、触媒を再生した。その後、再び前述の
反応条件に戻し、100時間連続反応を行った。最初に
原料の供給を開始してから1時間後、20時間後および
100時間後、並びに、触媒を再生してから1時間後、
20時間後および100時間後におけるp−クレゾール
の転化率、p−メトキシトルエンへの選択率および単流
収率は表3に示すとおりであった。
【0090】
【表3】
【0091】比較例1 球状シリカゲル(500℃で2時間焼成した品)を触媒
として用いたこと及びフェノールの代りにp−クレゾー
ルを使用したことの他は実施例1と同様にして反応を行
った。原料の供給を開始してから1時間後における反応
生成物をガスクロマトグラフにより分析した結果、p−
クレゾールの転化率はわずか2モル%で、目的とする生
成物は検出されなかった。
【0092】
【発明の効果】上記した実施例及び比較例から明らかな
ように、本発明に従えば、フェノール類とアルコール類
とからフェノール類のアルキルエーテルが従来になく極
めて高い選択率および収率で得られ、原料アルコールか
らのジアルキルエーテルの副生が殆どないので未反応ア
ルコールの回収率が高く、そして触媒が長期に渡って安
定した活性を示す、というメリットがもたらされる。従
って、本発明の方法はフェノール類のアルキルエーテル
を工業的に製造する方法として優れたものである、とい
うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平4−367736(JP,A) 特開 平4−341345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 43/205 C07C 41/09 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルコール類とを触媒の
    存在下で反応させることによってフェノール類のアルキ
    ルエーテルを製造する方法であって、前記触媒が、下記
    一般式(1): (1) (式中、Mはアルカリ金属元素を表し、Xはケイ素およ
    び/またはジルコニウムを表し、ZはY、La、Ce、
    Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、AI、G
    a、In、Tl、Ge、Sn、Pb、P、SbおよびB
    iからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Oは
    酸素を表し、そしてa、b、cおよびdは各元素の数で
    あって、aが1のときbは1〜500でcは0〜1であ
    り、dはa,bおよびcの値および各種構成元素の結合
    状態により定まる数値である。)で表され る酸化物であ
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 フェノール類が、下記一般式(2): 【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基、
    炭素数1から4のアルコキシル基、ヒドロキシル基、フ
    ェニル基、ニトロ基、ベンジル基またはハロゲン原子を
    表す。)で表されるフェノール誘導体またはキシレノー
    ル類である請求項に記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルコール類が、一価の脂肪族アルコー
    ルである請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 フェノール類とアルコール類との反応に
    よってフェノール類のアルキルエーテルを製造する方法
    において使用される触媒であって、それが、下記一般式
    (1): (1) (式中、Mはアルカリ金属元素を表し、Xはケイ素およ
    び/またはジルコニウムを表し、ZはY、La、Ce、
    Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、 Al、G
    a、In、Tl、Ge、Sn、Pb、P、SbおよびB
    iからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Oは
    酸素を表し、そしてa、b、cおよびdは各元素の数で
    あって、aが1のときbは1〜500でcは0〜1であ
    り、dはa,bおよびcの値および各種構成元素の結合
    状態により定まる数値である。)で表され る酸化物であ
    ることを特徴とする触媒。
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