JP3305102B2 - フェノール類のオルソアルキル化触媒、その前駆体、及びそのような触媒を用いるオルソアルキル化フェノール類の製造方法。 - Google Patents

フェノール類のオルソアルキル化触媒、その前駆体、及びそのような触媒を用いるオルソアルキル化フェノール類の製造方法。

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JP3305102B2 JP06531194A JP6531194A JP3305102B2 JP 3305102 B2 JP3305102 B2 JP 3305102B2 JP 06531194 A JP06531194 A JP 06531194A JP 6531194 A JP6531194 A JP 6531194A JP 3305102 B2 JP3305102 B2 JP 3305102B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール類のオルソ
アルキル化触媒、その前駆体、及びそのような触媒を用
いるフェノール類からのオルソアルキル化フェノール類
の製造方法に関し、詳しくは、少なくとも一つのオルソ
水素を有するフェノール類をアルキルアルコールにてオ
ルトアルキル化することによってオルソアルキル化フェ
ノール類を製造する方法、好ましくは、少なくとも一つ
のオルソ水素を有するフェノール類をメチルアルコール
にてオルトメチル化することによってオルソメチル化フ
ェノール類を製造する方法に関する。
【0002】芳香環上、ヒドロキシル基のオルソ位にメ
チル置換基を有するフェノール類として、例えば、ポリ
フェニレンオキサイド樹脂の製造のための原料である2,
6−キシレノールや、ビタミンEの合成原料である2,3,
6−トリメチルフェノールのほか、医農薬、樹脂、各種
添加剤、工業薬品等の原料や中間体として、o−クレゾ
ール、2,5−キシレノール、2,4−キシレノール、2,3,
5−トリメチルフェノール、メチルハイドロキノン等が
工業的に用いられている。
【0003】
【従来の技術】従来、アルキル化触媒の存在下に、アル
キルアルコールによって、少なくとも一つのオルソ水素
を有するフェノール類をオルソアルキル化する方法は、
既に知られている。通常、かかる方法においては、触媒
として、酸化マグネシウム単独からなる触媒、又は酸化
マグムシウムと助触媒であるマンガン塩を基剤とする触
媒の存在下に、フェノール類に気相中でアルコール類を
反応させている。酸化マグネシウム単独からなる触媒
は、特公昭42−6894号公報に記載されており、こ
の触媒は、塩基性炭酸マグネシウムを圧縮成形した後、
仮焼することによって調製される。酸化マグムシウムと
硫酸マンガンからなる触媒は、例えば、特公昭46−2
1371号公報に記載されているように、酸化マグムシ
ウムに硫酸マンガンを含浸させ、乾燥させた後、成形
し、仮焼することによって調製される。また、特公昭5
2−28784号公報や特公昭54−1288号公報に
は、酸化マグムシウムと粘結剤であるシリカ粉末又はセ
ルロ−ス重合体とを乾式混合した後、成形し、仮焼し
て、触媒を調製することが記載されている。更に、特公
昭43−12337号公報には、酸化マグムシウムを水
和処理した後、成形し、仮焼してなる触媒が記載されて
いる。
【0004】これらの従来の技術によれば、酸化マグム
シウムは、炭酸マグムシウム又は水酸化マグムシウムの
熱分解によっても誘導できることが示されている。ま
た、助触媒であるマンガン塩としては、特開昭48−9
9129号公報に記載されているように、水酸化マンガ
ン、炭酸マンガン、シュウ酸マンガン、硫酸マンガン等
の熱分解性マンガン塩が推奨されている。換言すれば、
従来の触媒の調製においては、助触媒であるマンガン塩
としては、通常、触媒前駆体を高温で仮焼処理したとき
に熱分解を受けやすいマンガン塩が用いられている。
【0005】近年に至って、フェノール類をオルソアル
キル化するための触媒は、一層の改良が図られており、
触媒性能が一層向上している。例えば、特開昭60−3
4923号公報や特開昭60−155145号公報等に
記載されているように、塩基性炭酸マグネシウム又は炭
酸マグネシウムと水とからなる混合物に硫酸マンガン水
溶液を加え、次いで、水酸化アンモニウムを加えて、水
酸化物を共沈させ、これを分離、乾燥させることによっ
て、触媒前駆体を調製し、引き続き、酸化マグネシウム
を生成させるのに十分な高温下で触媒前駆体を仮焼し
て、賦活化する方法が提案されている。このようにして
調製された酸化マグネシウム触媒は、均質であって、目
的とする生成物に対して良好な収率及び選択率を与える
とされている。
【0006】更に、特開昭60−172352号公報に
は、粉末状の炭酸マンガンと共に、炭酸マグネシウム、
塩基性炭酸マグネシウム又は水酸化マグネシウムとを乾
式混合して、触媒前駆体を調製し、次いで、これを仮焼
して、オルソアルキル化触媒を得ることが記載されてい
る。この文献には、上記触媒前駆体の結合剤として、ポ
リフェニレンエ−テル樹脂(PPO樹脂)を用いること
も記載されている。この方法によれば、懸濁混合や沈殿
のような湿式技術を要せずして、簡単に触媒を調製する
ことができる。しかし、上記特開昭60−172352
号公報に記載されている触媒は、フェノール及びo−ク
レゾールのオルソメチル化によって、2,6−キシレノー
ルを製造するための触媒として有用であることは記載さ
れているものの、m−クレゾールやハイドロキノン等の
オルソメチル化については、何ら記載がない。
【0007】他方、m−クレゾールのオルソメチル化に
ついては、例えば、特公昭45−29293号公報に記
載されているように、酸化セリウム又は酸化セリウムを
主体とする希土類元素の混合物と酸化マグネシウムとか
らなる触媒を用る反応によつて、m−クレゾールの反応
率76%、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール及
び2,3,6−トリメチルフエノールがそれぞれ20%、2
5%及び22%の収率で得られているが、ヒドロキシル
基の2つのオルソ位置でのジメチル置換体、即ち、2,6
−キシレノールの収率は低い。
【0008】また、ハイドロキノンのオルソメチル化に
ついては、フランス特許第2670778号に記載され
ているように、酸化マグネシウムを触媒として用いて、
反応温度440℃において、ハイドロキノン転化率62
%、メチルハイドロキノン及びジメチルハイドロキノン
がそれぞれ40%及び19%の収率で得られているが、
目的とするモノメチル置換体の選択性が十分ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
より知られている酸化マグネシウムを含むフェノール類
のオルソアルキル化触媒は、フェノールを原料として、
2,6−キシレノールを製造するために工業的に使用され
ており、ある程度まで、その目的を達成している。しか
しながら、そのような従来の酸化マグムシウムからなる
触媒は、本質的に劣化を伴うものであり、工業的観点か
らは、更なる触媒性能の向上が望まれている。
【0010】更に、従来の酸化マグネシウムを含むフェ
ノール類のオルソアルキル化触媒は、アルキル置換基を
有する置換フエノール類、例えば、m−クレゾール等の
オルソメチル化においては、一層厳しい反応条件が要求
されるため、触媒劣化の度合いが大きく、それに伴っ
て、メタノールの熱分解が加速される結果となる。前述
した特開昭60−172352号公報に記載されている
触媒を含め、従来より種々の改良触媒が提案されている
ものの、このような過酷な反応条件下においては、十分
に性能を発揮するとは必ずしもいえない。更に、このよ
うな過酷な条件下で触媒を継続使用すると、触媒の機械
的強度が次第に低下し、時には、触媒が粉化し、崩壊す
る現象が見られる。
【0011】以上のように、従来より知られているフェ
ノール類のオルソアルキル化触媒が工業的な使用におい
て、未だ性能が十分でないことに鑑み、本発明者らは、
高い選択率にてフェノール類をオルソアルキル化するこ
とができ、しかも、寿命の長い触媒を得るべく、鋭意研
究を行なった結果、シュウ酸マンガン及びフェノール樹
脂微粒子と共に、塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグ
ネシウムとから選ばれる少なくとも1種のマグネシウム
化合物とからなる乾燥混合物を触媒前駆体となし、これ
を仮焼することによって、フェノール類のオルソアルキ
ル化の選択率が高く、しかも、寿命の長い触媒を得るこ
とができることを見出して、本発明に至ったものであ
る。
【0012】従って、本発明は、フェノール類のオルソ
アルキル化反応において、高い選択性を確保しつつ、触
媒活性を長時間にわたって維持することができる所謂長
寿命触媒、そのための前駆体、及びそのような触媒を用
いるオルソアルキル化フェノール類、好ましくは、オル
ソメチル化フェノール類の製造方法を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a) シ
ュウ酸マンガン、(b) フェノール樹脂微粒子、及び(c)
塩基性炭酸マグネシウム及び酸化マグネシウムから選ば
れる少なくとも1種のマグネシウム化合物との乾燥混合
物からなることを特徴する仮焼によってフェノール類の
オルソアルキル化触媒に転化し得る触媒前駆体が提供さ
れる。
【0014】また、本発明によれば、(a) シュウ酸マン
ガン、(b) フェノール樹脂微粒子、及び(c) 塩基性炭酸
マグネシウムと水酸化マグネシウムとから選ばれる少な
くとも1種のマグネシウム化合物との乾燥混合物からな
る触媒前駆体を仮焼してなるフェノール類のオルソアル
キル化触媒が提供される。
【0015】更に、本発明によれば、アルキル化触媒の
存在下でアルキルアルコール類とフェノール類とを気相
反応させて、オルソアルキル化フェノール類を製造する
方法において、アルキル化触媒が(a) シュウ酸マンガ
ン、(b) フェノール樹脂微粒子、及び(c) 塩基性炭酸マ
グネシウムと水酸化マグネシウムとから選ばれる少なく
とも1種のマグネシウム化合物との乾燥混合物を仮焼し
て得られた触媒であることを特徴とするオルソアルキル
化フェノール類の製造方法が提供される。
【0016】特に、本発明によれば、好ましくは、フェ
ノール類のオルソメチル化活性触媒に転化し得る触媒前
駆体、フェノール類のオルソメチル化活性触媒及びオル
ソメチル化フェノール類の製造方法が提供される。
【0017】本発明によれば、塩基性炭酸マグネシウム
と水酸化マグネシウムとから選ばれる少なくとも1種の
マグネシウム化合物(以下、単に、基剤マグネシウム化
合物ということがある。)の粉末、シュウ酸マンガン粉
末及びフェノール樹脂微粒子との乾式混合物からなる触
媒前駆体を仮焼することによって、触媒の賦活化が可能
であり、しかも、このようにして得られる触媒は、気相
下のフェノール類のオルソアルキル化において高選択性
と長寿命とを有する。更に、本発明によるこのような触
媒の調製方法によれば、従来のような複雑な湿式法によ
らないため、簡単に且つ再現性よく、触媒を調製するこ
とができる。
【0018】本発明によるフェノール類のオルソアルキ
ル化活性触媒に転化し得る前駆体は、シュウ酸マンガン
及びフェノール樹脂微粒子と共に、塩基性炭酸マグネシ
ウムと水酸化マグネシウムとから選ばれる少なくとも1
種のマグネシウム化合物が基剤である。塩基性炭酸マグ
ネシウムは、一般式 xMgCO3・Mg(OH)2 ・yH2O (式中、x及びyはそれぞれ独立に約3〜5の数を示
す。)で表わされる物質であり、通常、3MgCO3
2Mg(OH)2 ・3H2Oとして表記されている場合が
多い。
【0019】本発明において、塩基性炭酸マグネシウム
は、通常、工業的に得られる微粉末が好適であり、市販
されている軽質、重質いずれの製品も用いることができ
るが、触媒寿命の観点からは、嵩比重の小さい軽質炭酸
マグネシウムを用いるのが好ましい。
【0020】塩基性炭酸マグネシウム及び水酸化マグネ
シウムは、それぞれ単独で、又は混合物として用いるこ
とができるが、触媒活性がより高く、また、触媒寿命も
より長い塩基性炭酸マグネシウムを単独にて用いるのが
有利である。
【0021】本発明においては、マンガン源として、シ
ュウ酸マンガンが用いられ、均質混合性の点からは、微
粉状の粉体の使用が好ましい。このようなシュウ酸マン
ガンは、触媒前駆体の調製において、マグネシウム化合
物に対して、少なくとも0.1重量%が用いられ、好まし
くは、0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0022】本発明によれば、触媒前駆体の調製におい
て、結合剤としてフェノール樹脂微粒子が用いられる。
特に、均質分散性及び流動性がよい球状の微粒子が好適
である。このようなフェノール樹脂微粒子としては、重
量平均分子量3000以上であり、分子内に反応性のメ
チロール基を有する熱溶融性自己硬化性であり、平均微
粒子径が0.1〜100μmの範囲にあるフェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂が特に好ましく用いられる。フェノ
ール樹脂微粒子の粒子径が100μmよりも大きいとき
は、分散性と流動性が悪く、好ましくない。上記した好
ましい物性を有するフェノール樹脂微粒子として、鐘紡
株式会社製の「ベルパール」(登録商標)を例示するこ
とができる。
【0023】本発明によれば、触媒前駆体の調製におい
て、上記フェノール樹脂微粒子は、基剤マグネシウム化
合物に対して、0.1〜20重量%の範囲、好ましくは、
5〜15重量%の範囲で用いられる。
【0024】更に、本発明においては、基剤マグネシウ
ム化合物、シュウ酸マンガン及びフェノール樹脂微粒子
の乾燥混合物からなる触媒前駆体の調製において、乾燥
混合物の成形助剤として、上記フェノール樹脂微粒子に
加えて、グラファイトやステアリン酸マグネシウム等の
ような従来より知られている通常の成形助剤も用いるこ
とができる。このような成形助剤は、必要に応じて、通
常、前記基剤としてのマグネシウム化合物に対して、0.
1〜5重量%の範囲で用いられる。
【0025】次に、本発明による触媒前駆体の調製につ
いて具体的に説明する。所定量のシュウ酸マンガン粉
末、フェノール樹脂微粒子及び基剤マグネシウム化合物
粉末と共に、必要に応じて、上記成形助剤をブレンダー
や、その他適宜の機械的混合機等によって混合して、均
質に分散させる。即ち、乾式混合を行なう。次いで、こ
のようにして得られた均質な混合物をタブレット、ペレ
ット、シリンダー等の所望の形状に圧縮成形する。この
成形機の具体例としては、例えば、打錠成型機等を挙げ
ることができる。
【0026】次いで、このようにして得られる触媒前駆
体を仮焼処理して、触媒活性を付与する、即ち、賦活化
して、活性触媒を得る。この賦活化のためには、前記成
形した触媒前駆体を少なくとも300℃の温度、好まし
くは、350〜500℃の温度範囲で加熱すればよく、
特に、本発明においては、分子状酸素の不存下に上記温
度に触媒前駆体を加熱するのが好ましい。このような条
件下で触媒前駆体の賦活化を達成するには、通常、24
時間以内の加熱処理で十分である。
【0027】本発明においては、上記加熱処理時、上述
したように、雰囲気には分子状酸素が共存しないことが
好ましく、通常、不活性気体中、例えば、窒素気流下で
触媒前駆体を仮焼するのがよい。また、フェノール類の
オルソアルキル化反応において用いる原料、即ち、フェ
ノール類、アルキルアルコール類、又はその混合物の蒸
気相を流通させてもよい。触媒前駆体の仮焼による賦活
に際して、雰囲気に分子状酸素が存在するときは、燃焼
反応が併発し、十分な触媒性能を得ることができず、得
られる触媒が触媒活性において低下すると共に、その機
械的強度も低下し、触媒寿命が短くなる場合があるから
である。
【0028】本発明において、触媒前駆体の仮焼による
賦活化の操作は、触媒前駆体を反応器に充填するに先立
って行なってもよいし、また、触媒前駆体を反応器に充
填した後、反応器内で行なってもよい。一般には、前述
したように成形した触媒前駆体を反応器に充填した後、
賦活化処理を行なうのが工業的に有利である。例えば、
触媒前駆体を反応器に充填し、これを触媒前駆体の賦活
化のために必要な所望の温度に予熱した窒素又は供給原
料混合物の蒸気と接触させることによって、触媒前駆体
を加熱処理し、賦活化することができる。
【0029】このようにして、触媒前駆体を仮焼するこ
とによって、結合剤の熱分解、シュウ酸マンガンの脱炭
酸、基剤マグネシウム化合物の脱水(と脱炭酸)等が起
こって、触媒前駆体が賦活化されると共に、かくして形
成される触媒中に細孔が形成されるので、より一層大き
い触媒表面積を得ることができる。一般に、触媒は、2
5m2 /g以上の表面積を有することが好ましく、特
に、25〜500m2 /gの範囲が好適であるが、本発
明に従って、上記条件下に仮焼することによって、通
常、上記表面積を容易に得ることができる。
【0030】次に、上述したようにして得られる触媒を
用いるフェノール類のオルソアルキル化によるオルソア
ルキル化フェノール類の製造について述べる。本発明に
よる上記触媒は、フェノール類のオルソアルキル化にお
いて、芳香環上のアルキル置換の達成とその反応の継続
に有効に作用する。
【0031】本発明によるフェノール類のオルソアルキ
ル化によるオルソアルキル化フェノール類の製造方法
は、上述したようにして得られる触媒の存在下に、アル
キルアルコール類とフェノール類とを気相反応させて、
オルソアルキル化フェノール類を製造するものである。
【0032】特に、本発明においては、用いるフェノー
ル類は、一般式(I)
【0033】
【化2】
【0034】(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭
素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換
フェニル基又はヒドロキシル基を示す。)
【0035】上記一般式において、好ましくは、Rは、
それぞれ独立に水素原子、メチル基又はヒドロキシル基
であり、上記アルキル置換フェニル基におけるアルキル
基は、通常、炭素数1〜12であり、好ましくは、メチ
ル基である。
【0036】従って、このようなフェノール類の好まし
い具体例として、例えば、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシ
レノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、
ハイドロキノン、レゾルシン等を挙げることができる。
本発明においては、これらフェノール類は、単独で、又
は必要に応じて2種以上の混合物として用いられる。
【0037】また、本発明によるアルキルアルコール類
を用いるオルソアルキル化フェノール類の製造方法にお
いて、用いるアルキルアルコール類は、炭素数1〜16
のアルキルアルコール類であり、好ましくは、炭素数1
〜12のアルキルアルコール類であり、最も好ましく
は、炭素数1〜6のアルキルアルコール類であり、分岐
鎖状又は直鎖状又は脂環式の飽和アルコールである。そ
の代表例として、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシ
ルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコー
ル、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルア
ルコール、セチルアルコール、シクロヘキシルアルコー
ル、シクロヘキシルメチルアルコール等を挙げることが
できる。これらのなかでは、特に、メタノ−ルが最も好
ましく用いられる。即ち、本発明の方法は、特に、オル
ソメチル化フェノール類の製造に好適である。
【0038】これらのアルコール類は、通常、反応にお
いて過剰に供給されるので、反応後に回収され、再使用
される。その際に、副生物として、そのアルコール類に
対応するエーテル体が回収されるが、これもアルキル化
剤として有効に用いることができる。
【0039】本発明によるフェノール類のオルソアルキ
ル化によるオルソアルキル化フェノール類の製造方法を
より具体的に説明する。フェノ−ル類とアルキルアルコ
ール類とからなる原料混合物を予熱器で気化し、これを
反応器内へ導入する。反応器内には、前述したような賦
活化された触媒が充填されており、その系内温度は、3
50〜600℃、好ましくは、430〜550℃の範囲
の温度に加熱制御されている。
【0040】本発明において、反応温度は、主として、
モノ−o−アルキル置換フェノール類を製造する目的の
場合には、比較的低い方が好ましく、また、主として、
2,6−ジアルキル置換フェノール類を製造する目的の場
合には、高い温度が好ましい。しかしながら、反応温度
を550℃以上の高温にするときは、用いるアルコール
類の熱分解が加速され、アルコール類の不必要な損失を
招くので、好ましくない。
【0041】所望のオルソアルキル化生成物の収率を最
大にするためには、アルキル化すべきフェノール類上の
オルソ位置1つ当たりに、少なくとも1モル以上、好ま
しくは、1〜3モルのアルキルアルコール類を用いる。
例えば、1分子当たりの2つのオルソ水素を有するm−
クレゾールをメチル化して、2,3,6−トリメチルフェノ
ールを製造する場合には、m−クレゾール1モル当たり
に、2〜6モルのメチルアルコールを用いることが好ま
しい。アルキル化すべきフェノール類上のオルソ位置1
つ当たりのアルキルアルコール類の量が3モルを越える
ときは、目的とするモノ又はジアルキル置換フェノール
類の収率が高くなるが、同時に、目的とない高次アルキ
ル化副生物も増加するので、好ましくない。
【0042】本発明の方法を用いる工業的なオルソアル
キル化フェノール類の製造においては、アルキルアルコ
ール類/フェノール類のモル比は、回収して再使用すべ
き未反応の原料の量を最小にすると共に、目的とするオ
ルソアルキル化最終生成物(即ち、フェノール類の芳香
環上の1つのオルソ位置(2位置)又は2つのオルソ位
置(2及び6位置)にアルキル置換基を有するモノ又は
ジアルキルフェノール類)に対する選択率を最大にする
ように設定される。
【0043】更に、本発明においては、フェノ−ル類と
アルキルアルコール類とからなる原料混合物を予熱器で
気化し、これを反応器内へ導入する際に、同時に、水を
上記原料混合物と共に予熱器を通して、反応器に導入す
ることが好ましい。ここに、水の量は、フェノール類1
モル当たりに、通常、0.5モル以上であり、好ましく
は、1〜4モルの範囲である。このように、触媒を充填
した反応器に原料混合物と共に水を導入することによっ
て、触媒の活性をより長く維持できる利点があり、特
に、工業的に有利である。
【0044】本発明において、気相反応の接触時間は、
原料のフェノール類を基準とした液空間速度(LHS
V)で表わせば、通常、0.01〜10hr-1の範囲であ
る。ここに、液空間速度とは、一般的に、気相反応にお
いて常用されているように、触媒単位当たり、1時間に
供給される原料のフェノール類の液体容積として定義さ
れる。この液空間速度は、工業的には、反応条件に応じ
て適宜に変更され、生産速度と触媒寿命との関係から、
最適化される。
【0045】主として、モノ−o−アルキルフェノール
類の製造を目的とする場合には、短い接触時間(即ち、
大きい液空間速度)を採用することが好ましく、また、
主として、2,6−ジアルキルフェノール類の製造を目的
にする場合には、比較的長い接触時間(即ち、小さい液
空間速度)を採用することが適切である。接触時間が長
すぎるときは、単位触媒当たりの所要の目的物の生産量
が少なくなり、工業的に不利であるほか、同時に、目的
物が一層の高次アルキル化を受けるので好ましくない。
【0046】本発明において、反応は、通常、大気圧下
化で行なわれるが、大気圧以上でも、或いは減圧下にて
も、所望の圧力を採用することができる。また、反応器
から出た反応蒸気は、冷却凝縮され、油水分離を行なっ
た後、晶析や蒸留等の通常の単位操作によって、各々の
成分に分離、精製される。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、塩基性炭酸マグネシウ
ムと水酸化マグネシウムとから選ばれる少なくとも1種
の基剤マグネシウム化合物の粉末とフェノール樹脂微粒
子とシュウ酸マンガン粉末とを乾式混合して、触媒前駆
体を得、これを仮焼し、賦活化することによって、フェ
ノール類のオルソアルキル化の気相反応において、高い
活性と高い選択性を有するのみならず、寿命の長い活性
触媒を得ることができる。
【0048】しかも、本発明によれば、上述したよう
に、粉末状の基剤マグネシウム化合物とフェノール樹脂
微粉末とシュウ酸マンガンとを乾式混合し、得られた触
媒前駆体を得、これを仮焼すれば、直ちに活性触媒を得
ることができるから、従来の湿式法によるような煩雑な
調製技術を要することなく、再現性よく、均質な組成を
有する高活性高選択性高寿命触媒を容易に得ることがで
きる。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下でフェノール樹脂微粒子として用いる鐘紡
(株)製の「ベルパール」S−870の代表的な物性値
は次のとおりである(商品カタログによる)。
【0050】特徴:高分子量樹脂、熱溶融・自硬化性 比重:1.24、嵩密度:0.5g/cc 粒度:100タイラーメッシュ(Tyler mesh) 99<2
00タイラーメッシュ98< (パス量:重量%) 平均粒径:15−20μm 180℃ゲル化時間:測定不能 溶剤溶解量 メタノール煮沸 :70重量% トルエン(室温×1日): 5>重量% TGA(空気中)減量開始温度:340℃ (窒素中)減量開始温度:390℃ 体積固有抵抗値:1014Ω・cm
【0051】このようなフェノール樹脂微粒子を製造す
る方法は、例えば、特開昭52−141893号公報、
特開昭61−51019号公報、特開昭57−1770
11号公報、特開昭53−42077号公報等に記載さ
れている。
【0052】以下において用いる略号は、次の意味を有
する。 C:m−クレゾール H:ハイドロキノン 35X:3,5−キシレノール 25X:2,5−キシレノール 236T:2,3,6−トリメチルフエノール 2346T:2,3,4,6−テトラメチルフエノール 235T:2,3,5−トリメチルフエノール 2356T:2,3,5,6−テトラメチルフエノール MH:メチルハイドロキノン DMH:ジメチルハイドロキノン TMH:トリメチルハイドロキノン
【0053】実施例1 (触媒前駆体の調製)軽質塩基性炭酸マグネシウム12
0.0g、フェノール樹脂微粒子(鐘紡(株)製「ベルパ
ール」(登録商標)S−870)13.3g及びシュウ酸
マンガン二水和物(Mn(COO)2 ・2H2 O)4.2
gを容量1リットルのビーカーに仕込み、十分に混合攪
拌し、乾燥して、均質な乾燥混合物を得た。
【0054】この乾燥混合物を再粉砕し、32メッシュ
の篩いを通した。次いで、この混合物の粉末を打錠成形
機にて予備圧縮成形し、この後、再粉砕して、32メッ
シュの篩にかけた後、プレス成形機を用いて、直径5.1
mm、長さ3.7mmの円柱状ペレットに成形した。得られた
成形物は、嵩密度1.58g/cm3 を有し、また、木屋式
強度計にて測定した圧壊強度は12.3kgであった。
【0055】実施例2 (触媒前駆体の仮焼による触媒の調製と、その触媒を用
いるフェノール類のオルソメチル化)下記の実験反応装
置を使用して、実施例1で調製した触媒前駆体の存在下
にm−クレゾールをオルソメチル化して、2,3,6−トリ
メチルフェノールを製造し、触媒性能を評価した。上記
触媒前駆体の仮焼は、反応器に充填し、窒素ガスを流通
させながら、供給原料混合物の存在下で行なった。
【0056】反応装置は、原料混合物の予熱器、気化層
をもつ反応管、及び反応生成物を凝縮捕集する受器から
構成されている。反応管は直径1/2インチ、長さ40
cmのSUS304ステンレス鋼管からなり、鉛直方向に
延びるように設置されている。反応管上部6cmは、セラ
ミックボール細粒が充填されていて、原料の気化層とし
て機能する。その下部17cmは、触媒前駆体25mlが
充填されていて、触媒層として機能する。反応管の外
周、気化層部と触媒層には、電気炉がそれぞれ独立して
設置されていて、それぞれ独立して所望の温度に制御さ
れている。
【0057】反応の実施に当たっては、原料混合物は、
その貯槽から計量ポンプを通って予熱器に送り、そこで
外部の電気炉によって各原料成分を気化させるに充分な
温度に加熱した。予熱器で発生した蒸気は、連結管を通
して反応管に導き、先ず、前記気化層で所望の温度(反
応温度より少し低いめの温度)に加熱し、次いで、触媒
層に送って、そこで所定の温度にて反応を連続的に行な
った。触媒層には、上中下部それぞれに3本の熱電対が
挿入されており、各部の温度差が±1℃以内になるよう
に制御されている。そして、反応生成物の蒸気は、反応
器の底部から出て、ステンレス製導管を通り、水冷冷却
管を備えた受器に液化し、回収した。尚、非凝縮性の物
質は、排ガス計量器に送って、計量した。
【0058】反応管に触媒前駆体25m1を装填し、窒
素ガスを流速6000m1/時の速度で触媒層に流通さ
せながら、370℃まで昇温した。この温度に15分間
保った後、メタノールとm−クレゾールと水(重量比4
4/37/19(モル比4/1/3))とからなる混合
物を導入した。上記混合物の供給速度は30.2m1/時
であり、これを液空間速度に換算すれば、1.2hr-1
あり、このとき、m−クレゾール基準の液空間速度(L
HSV)は、0.45hr-1である。このm−クレゾール
基準のLHSVは工業上便利な指標であるので、以下の
実施例では、この指標を用いることとする。
【0059】反応は大気圧下で行なった。反応温度は、
目的生成物である油層中の2,3,6−トリメチルフェノー
ルの濃度が65±1%に維持されるように調整した。2,
3,6−トリメチルフェノール及び副生成物は、得られた
反応生成物を静置し、水層を分離した後、油層の一部を
分取し、これをガスクロマトグラフィーを用いて分析し
た。この分析は、定期的(2時間ごと)に行なって、2,
3,6−トリメチルフェノールの濃度管理を行なった。即
ち、2,3,6−トリメチルフェノールの濃度が上記の濃度
以下になった場合には、反応温度を1〜2℃上昇させる
操作を適宜に行なった。
【0060】このように、触媒の劣化に応じて、反応温
度を上昇させながら、500℃に達するまで、反応を継
続して、この500℃に達するまでの反応時間を触媒寿
命の尺度とした。また、生成物の組成は、全反応時間に
わたる重量%表示による平均値で示した。
【0061】また、触媒前駆体を仮焼して賦活した触媒
は、当初、触媒活性が最も高いので、反応温度を低く設
定することができる。そこで、目的生成物である2,3,6
−トリメチルフェノールを油層中に濃度65±1%にて
得ることができる反応当初の反応温度を反応初期温度と
して、以下に示す。反応結果を表1に示す。また、図1
には反応の経時変化を示す。
【0062】比較例1 塩基製炭酸マグネシウム120.0g、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂(ゼネラル・エレクトリック社製ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)13.3g及び
炭酸マンガン(MnCO3 )2.7gを実施例1と同様に
処理して、円柱状ペレットに成形した。このようにして
得た触媒前駆体を実施例2と同様にして仮焼し、賦活し
た。反応結果を表1に示す。また、図1には反応の経時
変化を示す。
【0063】
【表1】
【0064】上記の結果に示したように、本発明による
触媒を用いることによって、目的とする生成物を高選択
率にて得ることができると共に、触媒寿命も格段に改善
された。
【0065】比較例2 実施例2において、触媒前駆体を仮焼する条件を変更し
て、得られた触媒の性能を調べた。即ち、触媒前駆体を
充填した触媒層に空気を流通させながら、7時間かけて
450℃まで、触媒層の温度を上げ、次いで、その温度
で1時間保持して、触媒前駆体を仮焼した。この後、実
施例2と同じ方法によって、触媒性能を評価した。結果
を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】上記の結果から明らかなように、触媒前駆
体を分子状酸素の存在下で仮焼処理した場合、初期反応
温度が高くなると共に、触媒寿命も短くなる。また、触
媒前駆体に結合剤として用いられているフェノール樹脂
微粒子の燃焼反応も併発して、得られた触媒に一部粉化
がみられた。
【0068】実施例3 塩基性炭酸マグネシウム120.0g、フェノール樹脂微
粒子(鐘紡(株)製ベルパールS−870)13.3g、
シュウ酸マンガン4.2g及びグラファイト粉末3.0gを
用いて、実施例1と同様にして、触媒前駆体を調製し
た。得られた触媒前駆体を反応器に充填し、実施例2と
同じ方法にて賦活化し、触媒性能を評価した。結果を表
3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】上記の結果から明らかなように、成形助剤
として、グラファイトを触媒前駆体の調製時に添加して
も、寿命の長い高性能のオルソメチル化触媒を得ること
ができる。
【0071】実施例4 実施例1と同じ触媒を用いて、実施例2において、原料
混合物中のm−クレゾールをm−クレゾールと2,5−キ
シレノールの混合物(重量比75/25)に代えた以外
は、実施例2と同様にして、触媒性能を評価した。結果
を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】実施例5 実施例1において、軽質塩基性炭酸マグネシウムを重質
塩基性炭酸マグネシウムに代えた以外は、実施例2と同
様にして触媒前駆体を調製し、実施例2と同じ方法にて
賦活化して、触媒の性能を評価した。結果を表5に示
す。
【0074】
【表5】
【0075】実施例6 実施例2と同じ触媒を用いて、実施例2において、原料
m−クレゾールをハイドロキノンに代えた以外は、実施
例2と同様にして、触媒性能を評価した。尚、ハイドロ
キノンは融点169℃、沸点287℃/730mmHg
と融点、沸点共に高く、反応器に液状物として供給する
ことが困難であるので、ハイドロキノンをエチレングリ
コールジメチルエーテル溶媒に40%溶解し、予熱層に
供給した。
【0076】反応条件は次の通りである。 メタノール/ハイドロキノン/水モル比=4/1/1 ハイドロキノンのLHSV=0.3hr-1 結果を表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】実施例7 実施例2において、m−クレゾールのLHSVを0.45
hr-1から0.6hr-1に代えた以外は、実施例2と同様
にして、触媒性能を評価した。結果を表7に示す。
【0079】
【表7】
【0080】実施例8 実施例2において、メタノール/m−クレゾール/水モ
ル比を4/1/1に代えた以外は、実施例2と同様にし
て、触媒性能を評価した。結果を表8に示す。
【0081】
【表8】
【0082】実施例9 実施例1において、触媒前駆体の調製時の成形圧力を小
さくして、圧壊強度4kgの触媒前駆体を調製した。この
触媒前駆体を実施例2と同じ方法にて賦活化し、その触
媒性能を評価した。結果を表9に示す。
【0083】
【表9】
【0084】比較例3 軽質塩基性炭酸マグネシウム120.0g、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂(ゼネラル・エレクトリック社製ポリ
(2,4−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル))13.
0g及びシュウ酸マンガン二水和物4.2gを用いて、実
施例1と同様にして、触媒前駆体を調製し、これを実施
例2と同じ方法にて賦活して、触媒性能を評価した。結
果を表10に示す。
【0085】
【表10】
【0086】実施例10 実施例9で調製した触媒前駆体を実施例2と同様にして
賦活し、実施例2において、原料中のm−クレゾールを
3,5−キシレノールに代えた以外は、実施例2と同様に
して、触媒性能を評価した。反応条件は次の通りであ
る。
【0087】メタノール/3,5−キシレノール/水のモ
ル比=1/1/0.5 3,5−キシレノールのLHSV=0.55hr-1 得られた結果を表11に示す。
【0088】
【表11】
【0089】実施例11 水酸化マグネシウム120.0g、シュウ酸マンガン4.3
g及びフエノール樹脂微粒子(ベルパールS−870)
21.4gを用いて、実施例1と同様にして、触媒前駆体
を調製した。次いで、この触媒前駆体を実施例2と同様
にして仮焼し、賦活し、実施例2と同様にして、その触
媒性能を評価した。結果を表12に示す。
【0090】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による触媒と比較例としての触媒を
それぞれ用いて、m−クレゾールをオルソメチル化し
て、2,3,6−トリメチルフェノールを製造した場合にお
いて、触媒の寿命の尺度としての反応時間と反応温度と
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 藤尚 和歌山市小雑賀二丁目5番115号 本州 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−216842(JP,A) 特表 昭59−501784(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C07C 37/16 C07C 39/06

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) シュウ酸マンガン、 (b) フェノール樹脂微粒子、及び (c) 塩基性炭酸マグネシウム及び酸化マグネシウムから
    選ばれる少なくとも1種のマグネシウム化合物との乾燥
    混合物からなることを特徴する仮焼によってフェノール
    類のオルソアルキル化触媒に転化し得る触媒前駆体。
  2. 【請求項2】マグネシウム化合物を基準にして、シュウ
    酸マンガン0.1〜10重量%を含有する請求項1記載の
    触媒前駆体。
  3. 【請求項3】フェノール樹脂微粒子がフェノールとホル
    ムアルデヒドとの縮合反応により得られる粒径0.1〜1
    00μmの微粒子である請求項1記載の触媒前駆体。
  4. 【請求項4】マグネシウム化合物を基準にして、フェノ
    ール樹脂微粒子0.1〜20重量%を含有する請求項1記
    載の触媒前駆体。
  5. 【請求項5】触媒前駆体が成形物である請求項1記載の
    触媒前駆体。
  6. 【請求項6】(a) シュウ酸マンガン、 (b) フェノール樹脂微粒子、及び (c) 塩基性炭酸マグネシウム及び酸化マグネシウムから
    選ばれる少なくとも1種のマグネシウム化合物との乾燥
    混合物からなる触媒前駆体を仮焼してなるフェノール類
    のオルソアルキル化触媒。
  7. 【請求項7】フェノール樹脂微粒子がフェノールとホル
    ムアルデヒドとの縮合反応で得られる粒径0.1〜100
    μmの微粒子である請求項6記載のフェノール類のオル
    ソアルキル化触媒。
  8. 【請求項8】触媒前駆体を分子状酸素の不存下に300
    〜500℃の範囲の温度で仮焼してなる請求項6記載の
    フェノール類のオルソアルキル化触媒。
  9. 【請求項9】フェノール類のオルソアルキル化触媒の存
    在下にアルキルアルコール類とフェノール類とを気相反
    応させて、オルソアルキル化フェノール類を製造する方
    法において、上記オルソアルキル化触媒が(a) シュウ酸
    マンガン、(b) フェノール樹脂微粒子、及び(c) 塩基性
    炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムから選ばれる
    少なくとも1種のマグネシウム化合物との乾燥混合物を
    仮焼して得られる触媒であることを特徴とするオルソア
    ルキル化フェノール類の製造方法。
  10. 【請求項10】フェノール類が一般式(I) 【化1】 (式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12
    のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基又
    はヒドロキシル基を示す。)で表わされる請求項9記載
    のオルソアルキル化フェノール類の製造方法。
  11. 【請求項11】アルキルアルコール類が炭素数1〜16
    のアルキル基を有する請求項9記載のオルソアルキル化
    フェノール類の製造方法。
  12. 【請求項12】アルキルアルコール類が分岐鎖状又は直
    鎖状の飽和アルコール類である請求項9記載のオルソア
    ルキル化フェノール類の製造方法。
  13. 【請求項13】オルソアルキル化触媒がマンガン0.1〜
    10重量%を含有する請求項9記載のオルソアルキル化
    フェノール類の製造方法。
  14. 【請求項14】オルソアルキル化触媒が触媒表面積25
    〜500m2 /gを有する請求項9記載のオルソアルキ
    ル化フェノール類の製造方法。
  15. 【請求項15】オルソアルキル化触媒の存在下にアルキ
    ルアルコール類とフェノール類とを350〜550℃の
    温度で気相反応させる請求項9記載のオルソアルキル化
    フェノール類の製造方法。
  16. 【請求項16】オルソアルキル化触媒の存在下にメチル
    アルコールとフェノール類とを350〜550℃の温度
    で気相反応させる請求項9記載のオルソメチル化フェノ
    ール類の製造方法。
  17. 【請求項17】フェノール類がm−クレゾール、2,5−
    キシレノール、2,3−キシレノール又はこれらのうちの
    2種以上からなる混合物である請求項16記載のオルソ
    メチル化フェノール類の製造方法。
  18. 【請求項18】フェノール類が3,5−キシレノールであ
    る請求項16記載のオルソメチル化フェノール類の製造
    方法。
  19. 【請求項19】フェノール類がハイドロキノンである請
    求項16記載のオルソメチル化フェノール類の製造方
    法。
  20. 【請求項20】フェノール類がフェノール、o−クレゾ
    ール又はこれらの混合物である請求項16記載のオルソ
    メチル化フェノール類の製造方法。
  21. 【請求項21】フェノール類1モル当たりにメタノール
    2〜6モルを用いる請求項16乃至20いずれかに記載
    のオルソメチル化フェノール類の製造方法。
  22. 【請求項22】フェノール類1モル当たりに水0.5〜6
    モルを用いる請求項16乃至21いずれかに記載のオル
    ソメチル化フェノール類の製造方法。
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