JP2864909B2 - テープ送り装置 - Google Patents

テープ送り装置

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JP2864909B2
JP2864909B2 JP4313063A JP31306392A JP2864909B2 JP 2864909 B2 JP2864909 B2 JP 2864909B2 JP 4313063 A JP4313063 A JP 4313063A JP 31306392 A JP31306392 A JP 31306392A JP 2864909 B2 JP2864909 B2 JP 2864909B2
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昭 ▲吉▼川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャプスタンを用いて
1つのリールから他のリールへと磁気テープ等の長尺も
のの移送を制御するテープ送り装置に関わり、特にテー
プダメージを与えずに応答速度の速いテープ送り制御を
行うテープ送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、テープ送り装置の普及は著しく、
様々な人々が様々な使い方をするようになっている。そ
の中でテープ送り装置は、基本性能としてより高速に動
作し使いやすいもの、記録媒体である磁気テープ等にダ
メージを与えないものが要求されている。
【0003】従来、この種のテープ送り装置は特開平4
−181539号公報に示すような構成のものが提案さ
れてきた。以下、その構成について図10および図11
を参照しながら説明する。
【0004】図10はこの従来のテープ送り装置の構成
図を示すブロック図である。図10において、テープ2
は供給側リール3Aおよび巻取側リール3Bに巻かれて
おり、更に前記2つのリールの間で所定の角度だけシリ
ンダ1に巻き付けられるとともにピンチローラ30によ
りキャプスタン31に圧着されている。キャプスタンモ
ータ35はキャプスタン駆動回路36によって駆動され
キャプスタン31に回転トルクを与える。キャプスタン
制御回路372はシステムコントローラ100からの指
令aに従いキャプスタン回転速度検出器32が出力する
パルス(FG)を用いてキャプスタン駆動回路36にキ
ャプスタントルク値cを出力するとともに回転方向情報
1、減速情報b2、および過渡状態情報b3を出力し過
渡トルク設定回路21A,21Bおよび巻径比例トルク
算出回路9A,9Bに送る。また、供給側、および巻取
側のリールモータ4A,4Bはそれぞれ供給側、および
巻取側のリール駆動回路5A,5Bによって駆動されリ
ール3A,3Bに回転トルクを与える。供給側および巻
取側の回転速度検出回路6A,6Bはそれぞれのリール
の回転速度に比例したパルス(FG)を出力しそれぞれ
のテープ巻径検出回路7A,7Bに送る。供給側および
巻取側のテープ巻径検出回路7A,7Bはそれぞれ供給
側、および巻取側の回転速度検出回路6A,6Bが出力
するパルス(FG)からそれぞれのリール3A,3Bの
テープ巻径を検出する。供給側および巻取側の巻径比例
トルク算出回路9A,9Bはキャプスタン制御回路37
2が出力する回転方向情報b1に応じてそれぞれのテー
プ巻径検出回路7A,7Bの出力するテープ巻径情報に
比例したトルク値を算出し加算回路20A,20Bに出
力する。供給側および巻取側の過渡トルク値設定回路2
1A,21Bはキャプスタン制御回路372が出力する
減速情報b2、および過渡状態情報b2によりそれぞれ供
給側および巻取側のテープ巻径情報に応じた過渡トルク
値をそれぞれ加算回路20A,20Bに出力する。加算
回路20A,20Bは巻径比例トルク値と過渡トルク値
を加算したトルク指令fA,fBをそれぞれリール駆動回
路5A,5Bに出力する。
【0005】ここで、キャプスタン制御回路372が出
力する過渡状態情報b3はキャプスタン回転速度検出器
32が出力するFGの周波数が目標の周波数に対して一
定の範囲に入らない状態を過渡状態として出力する。
【0006】また、過渡トルク値設定回路21A,21
Bで設定される過渡トルクは次の(数1)に基づいて設
定される。
【0007】
【数1】
【0008】ただし、Q:リールの過渡トルク、R:リ
ールのテープ巻径、J:リールの慣性モーメント、α:
テープの加速度(所定値)である。
【0009】以上のように構成されたテープ送り装置に
ついて、以下その動作を図11のタイミングチャートを
用いて説明する。
【0010】図11はシステムコントローラ100から
の指令aとテープ速度とキャプスタン制御回路372が
出力する回転方向情報b1と減速情報b2と過渡状態情報
3とキャプスタントルク値cと両リールのトルク値
A,fBおよびテープテンション値TS,TTを示すタイ
ミングチャートである。
【0011】システムコントローラ100からの指令a
が停止からCUEに変化した場合、キャプスタン制御回
路372はキャプスタン駆動回路36にフル加速のトル
ク指令cを出力しキャプスタン31を高速に立ち上げる
とともに、過渡トルク設定回路21A,21Bに過渡状
態に突入したことを過渡状態情報b2を用いて伝える。
過渡トルク設定回路21A,21Bはその時のテープ巻
径情報に応じて加速の過渡トルク値を加算回路20A,
20Bに出力する。加算回路20A,20Bでは巻径比
例トルク算出回路9A,9BがCUE走行のテンション
設定で算出した巻径比例トルク値と過渡トルク値を加算
したトルク指令fA,fBをリール駆動回路5A,5Bに
送る。
【0012】キャプスタン31の回転速度が上昇し目標
の速度に対して一定の範囲に到達するとキャプスタン制
御回路372は過渡状態が終わったと判断し、定常状態
になったことを過渡状態情報b2を用いて過渡トルク設
定回路21A,21Bに送る。それにより、過渡トルク
設定回路21A,21Bの出力はゼロとなり、リール駆
動回路5A,5Bには巻径比例トルク値の指令のみが与
えられCUEの定常走行状態になる。
【0013】CUEの定常走行状態においてREVの指
令が入力されるとキャプスタン制御回路372はフル減
速指令を出力しキャプスタン31を減速させるととも
に、過渡トルク設定回路21A,21Bに減速の過渡状
態に突入したことを減速情報b 2と過渡状態情報b3を用
いて伝える。過渡トルク設定回路21A,21Bがその
時のテープ巻径情報に応じて求めた減速の過渡トルク値
は加算回路20A,20Bに入力されCUE走行のテン
ション設定で算出された巻径比例トルク値と加算されて
トルク指令fA,fBとしてリール駆動回路5A,5Bに
送られる。
【0014】そして、テープ速度が減速し走行方向がR
EV方向となるとキャプスタン31はフル加速状態とな
り、減速状態が終わったことを減速情報b2を用いて過
渡トルク設定回路21A,21Bに伝える。過渡トルク
設定回路21A,21Bがその時のテープ巻径情報に応
じて求めた加速の過渡トルク値は加算回路20A,20
Bに入力され、REV走行のテンション設定で算出され
た巻径比例トルク値と加算されてトルク指令fA,fB
してリール駆動回路5A,5Bに送られる。
【0015】キャプスタン31の回転速度が上昇し目標
の速度に対して一定の範囲に到達するとキャプスタン制
御回路372は過渡状態が終わったと判断し、それを過
渡状態情報b2を用いて過渡トルク設定回路21A,2
1Bに伝える。それにより、過渡トルク設定回路21
A,21Bの出力はゼロとなり、リール駆動回路5A,
5Bには巻径比例トルクの指令のみが与えられREVの
定常走行状態となる。
【0016】次に、REVの定常走行状態においてCU
Eの指令が入力された場合も同様であり、過渡状態では
過渡トルク値と巻径比例トルク値を加算したものが、そ
して定常走行状態では巻径比例トルク値のみがリール駆
動回路5A,5Bに与えられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、システムコントローラからの指令により
過渡状態となり、テープの送り速度および送り方向が変
化して、キャプスタンの回転速度が目標速度に近づい
て、キャプスタントルク値がフル加速状態でなくなっ
て、テープの加速度が変化した時にもリールの過渡トル
ク値は常に一定であるため、テープテンション値が乱れ
る。また、キャプスタン速度が目標速度に対して一定範
囲に入ると過渡トルク値が急にゼロになるため、ここで
もテープテンションが乱れるという問題点を有してい
た。
【0018】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、第1の目的として、過渡状態においてキャプスタン
のトルク値が変化した場合にもテープテンションが乱れ
ない安定したテープ走行を実現し、モードの移行を極め
て安定かつ高速に行うことができるテープ送り装置を提
供する。
【0019】さらに、第2の目的として、過渡状態にお
いてキャプスタンの回転速度が極めて高くモータの損失
トルクが大きい場合にもテープテンションが乱れない安
定したテープ走行を実現し、モードの移行を極めて安定
かつ高速に行うことができるテープ送り装置を提供す
る。
【0020】また、第3の目的として、過渡状態におい
てキャプスタン速度が目標速度に対して一定範囲に入っ
た場合にもテープテンションが乱れない安定したテープ
走行を実現し、モードの移行を極めて安定かつ高速に行
うことができるテープ送り装置を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】これらの目的を達成する
ために本発明のテープ送り装置は以下の様に構成されて
いる。
【0022】第1の構成として、第1の目的を達成する
ために、テープ媒体が巻かれている供給リールおよび巻
取リールと、前記テープ媒体を送るキャプスタンと、前
記各リールをそれぞれ駆動するリール駆動手段と、前記
キャプスタンを駆動するキャプスタン駆動手段と、前記
各リールに巻付けられた前記テープ媒体のテープ巻径情
報をそれぞれ検出するテープ巻径検出手段と、少なくと
も前記キャプスタンの回転速度情報を検出する回転速度
検出手段と、前記回転速度情報を用いてキャプスタント
ルク情報を作成して前記キャプスタン駆動手段に送り、
前記キャプスタンの回転速度を制御するキャプスタン制
御手段と、前記各リールのテープ巻径情報に応じたそれ
ぞれのリールの過渡トルク算出係数を設定する係数設定
手段と、前記キャプスタントルク情報と前記各リールの
テープ巻径情報と前記過渡トルク算出係数からそれぞれ
のリールの過渡トルク情報を算出する過渡トルク算出手
段と、前記各リールのテープ巻径情報に比例した巻径比
例トルク情報をそれぞれ算出する巻径比例トルク算出手
段と、前記キャプスタンの回転速度情報に応じて前記過
渡トルク情報と前記巻径比例トルク情報を切り換えて前
記それぞれのリール駆動手段に送る切換手段とを備えて
いる。
【0023】さらに、第2の構成として、第2の目的を
達成するために、テープ媒体が巻かれている供給リール
および巻取リールと、前記テープ媒体を送るキャプスタ
ンと、前記各リールをそれぞれ駆動するリール駆動手段
と、前記キャプスタンを駆動するキャプスタン駆動手段
と、前記各リールに巻付けられた前記テープ媒体のテー
プ巻径情報をそれぞれ検出するテープ巻径検出手段と、
少なくとも前記キャプスタンの回転速度情報を検出する
回転速度検出手段と、前記回転速度情報を用いてキャプ
スタントルク情報を作成して前記キャプスタン駆動手段
に送り、前記キャプスタンの回転速度を制御するキャプ
スタン制御手段と、少なくとも前記回転速度情報から前
記キャプスタン駆動手段の損失情報を算出する損失算出
手段と、前記各リールのテープ巻径情報に応じたそれぞ
れのリールの過渡トルク算出係数を設定する係数設定手
段と、前記キャプスタントルク情報と前記各リールのテ
ープ巻径情報と前記過渡トルク算出係数と少なくとも前
記損失情報からそれぞれのリールの過渡トルク情報を算
出する過渡トルク算出手段と、前記各リールのテープ巻
径情報に比例した巻径比例トルク情報をそれぞれ算出す
る巻径比例トルク算出手段と、前記キャプスタンの回転
速度情報に応じて前記過渡トルク情報と前記巻径比例ト
ルク情報を切り換えて前記それぞれのリール駆動手段に
送る切換手段とを備えている。
【0024】また、第3の構成として、第3の目的を達
成するために、テープ媒体が巻かれている供給リールお
よび巻取リールと、前記テープ媒体を送るキャプスタン
と、前記各リールをそれぞれ駆動するリール駆動手段
と、前記キャプスタンを駆動するキャプスタン駆動手段
と、前記各リールに巻付けられた前記テープ媒体のテー
プ巻径情報をそれぞれ検出するテープ巻径検出手段と、
少なくとも前記キャプスタンの回転速度情報を検出する
回転速度検出手段と、前記回転速度情報を用いてキャプ
スタントルク情報を作成して前記キャプスタン駆動手段
に送り、前記キャプスタンの回転速度を制御するキャプ
スタン制御手段と、少なくとも前記回転速度情報から前
記キャプスタン駆動手段の損失情報を算出する損失算出
手段と、前記各リールのテープ巻径情報に応じたそれぞ
れのリールの過渡トルク算出係数を設定する係数設定手
段と、前記キャプスタントルク情報と前記各リールのテ
ープ巻径情報と前記過渡トルク算出係数と少なくとも前
記損失情報からそれぞれのリールの過渡トルク情報を算
出する過渡トルク算出手段と、前記各リールのテープ巻
径情報に比例した巻径比例トルク情報をそれぞれ算出す
る巻径比例トルク算出手段と、前記それぞれの過渡トル
ク情報と巻径比例トルク情報の大小関係に応じてそれら
を切り換えて前記それぞれのリール駆動手段に送る切換
手段とを備えている。
【0025】
【作用】本発明は上記した第1の構成により、モード移
行の過渡状態において、過渡トルク値算出手段がキャプ
スタントルク情報とそれぞれのリールのテープ巻径情報
と過渡トルク算出係数からそれぞれのリールの過渡トル
ク情報を算出することでテープ速度が目標速度に近づい
てキャプスタントルク値が変化した場合でもテープテン
ションを常に一定に保つことが可能となり、安定したテ
ープ走行を実現しながらより高速なモード移行が実現で
きるものである。
【0026】さらに、本発明は上記した第2の構成によ
り、モード移行の過渡状態において、過渡トルク値算出
手段がキャプスタントルク情報とそれぞれのリールのテ
ープ巻径情報と過渡トルク算出係数と少なくともキャプ
スタン駆動手段の損失情報からそれぞれのリールの過渡
トルク情報を算出することでテープ速度が極めて高くモ
ータの損失トルクが大きくなった場合にもテープテンシ
ョンを常に一定に保つことが可能となり、安定したテー
プ走行を実現しながらより高速なモード移行が実現でき
るものである。
【0027】また、本発明は上記した第3の構成によ
り、モード移行時にそれぞれの切換手段が過渡トルク情
報と巻径比例トルク情報の大小関係に応じてそれらを切
り換えてそれぞれのリール駆動手段に送ることでキャプ
スタン速度が目標速度に対して一定範囲に入った場合に
もリールトルクがスムースに変化してテープテンション
を常に安定させることが可能となり、安定したテープ走
行を実現しながらより高速なモード移行が実現できるも
のである。
【0028】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の第1の実施例におけるテー
プ送り装置の構成を示すブロック図である。同図におい
て、図10の従来例と同じ構成要素についてはその説明
を省略する。図1において、キャプスタン制御回路37
0はシステムコントローラ100からの指令aに従いキ
ャプスタン回転速度検出器32が出力するパルス(F
G)を用いてキャプスタン駆動回路36にキャプスタン
トルク値cを出力するとともに回転方向情報b1、およ
び過渡状態情報b3を出力し過渡トルク算出回路13
A,13B、巻径比例トルク算出回路9A,9B、およ
び切換回路10A,10Bに送る。供給側および巻取側
の巻径比例トルク算出回路9A,9Bはキャプスタン制
御回路370が出力する回転方向情報b1に応じてそれ
ぞれのテープ巻径検出回路7A,7Bの出力するテープ
巻径情報に比例した巻径比例トルク値を切換回路10
A,10Bに出力する。供給側および巻取側の過渡トル
ク係数設定回路12A,12Bは各リールのテープ巻径
情報に応じて過渡トルク係数を設定する。供給側および
巻取側の過渡トルク算出回路13A,13Bはキャプス
タン制御回路370が出力するキャプスタントルク値c
とそれぞれのリールの過渡トルク係数とテープ巻径情報
から回転方向情報b1に応じ後述する関係式に基づいて
それぞれのリールの過渡トルク値を算出する。切換回路
10A,10Bはキャプスタン制御回路370が出力す
る過渡状態情報b3に応じてそれぞれ巻径比例トルク値
および過渡トルク値を切り換えてそれぞれトルク指令f
A,fBとしてリール駆動回路5A,5Bに出力する。
【0029】次に、過渡トルク係数設定回路12A,2
Bで行われる過渡トルク係数の設定および過渡トルク算
出回路13A,13Bで行われる過渡トルク値の算出に
ついて図8,図9のグラフを用いて説明する。
【0030】リールのテープ巻径、キャプスタンの軸
径、リールおよびキャプスタンの慣性モーメント、テー
プテンション、モータの発生トルク、リールおよびキャ
プスタンの角速度と角加速度を以下のように定義する。 RS :供給リール3Aのテープ巻径 RT :巻取リール3Bのテープ巻径 RC :キャプスタン31の軸径 JS :供給リール3Aの慣性モーメント JT :巻取リール3Bの慣性モーメント JC :キャプスタン31の慣性モーメント TS :供給リール3Aのテープテンション TCS:キャプスタン31の供給リール3A寄りのテープ
テンション TCT:キャプスタン31の巻取リール3B寄りのテープ
テンション TT :巻取リール3Bのテープテンション QS :供給側リールモータ4Aの発生トルク QT :巻取側リールモータ4Bの発生トルク QC :キャプスタンモータ35の発生トルク ωS :供給リール3Aの角速度 ωT :巻取リール3Bの角速度 ωC :キャプスタン31の角速度 αS :供給リール3Aの角加速度 αT :巻取リール3Bの角加速度 αC :キャプスタン31の角加速度 ただし、QS,QT,ωS,ωT,αS,αTはそれぞれ巻取
方向が+、QC,ωC,α CはCUE方向が+とする。
【0031】供給側リール、巻取側リール、およびキャ
プスタンの運動方程式はそれぞれ以下の式(数2),
(数3),(数4)で示される。
【0032】
【数2】
【0033】
【数3】
【0034】
【数4】
【0035】さらに、走行中のテープ速度(VT)は以
下の式(数5)で示される。
【0036】
【数5】
【0037】この両辺を微分すると、
【0038】
【数6】
【0039】となる。(数2),(数3),(数4),
(数6)より供給側リールモータおよび巻取側リールモ
ータの発生トルクQS,QTは以下の式(数7),(数
8)で示される。
【0040】
【数7】
【0041】
【数8】
【0042】過渡トルク値算出回路13A,13Bで行
われる計算はこの(数7)および(数8)の内容であ
り、テープテンション(TS,TCS,TCT,TT)はテー
プの走行方向に応じて所定値が設定される。
【0043】ここで、(数7)および(数8)に含まれ
る係数
【0044】
【数9】
【0045】
【数10】
【0046】をそれぞれ実際のテープ(120分ものの
VHS用ビデオテープ)と走行系についてそれぞれのテ
ープ巻径に対して計算すると、それぞれ図8のA、およ
びBの点線で示すようなグラフとなる。ここで過渡トル
ク値の算出が簡単になるようにこのグラフを同図中の実
線で示すように近似する。この近似を行った場合のテー
プテンションを示したのが図9のAおよびBの実線であ
り、目標値(100%)に対して±20%以内におさま
っていることがわかる。つまり、過渡トルク係数設定回
路12A,12Bで行われている係数の設定はそれぞれ
のリールのテープ巻径情報に対する(数9)および(数
10)の値の設定であり、図8の実線で示される。
【0047】以上のように構成された本実施例のテープ
送り装置について、以下その動作について図2のタイミ
ングチャートを用いて説明する。
【0048】図2はシステムコントローラ100からの
指令aとテープ速度とキャプスタン制御回路370が出
力する回転方向情報b1と過渡状態情報b3とキャプスタ
ントルク値cと両リールのトルク指令fA,fBおよびテ
ープテンション値TS,TTを示すタイミングチャートで
ある。
【0049】システムコントローラ100からの指令a
が停止からCUEに変化した場合、キャプスタン制御回
路370はキャプスタン駆動回路36にフル加速のトル
ク指令cを出力しキャプスタン31を高速に立ち上げる
とともに、過渡状態に突入したことを切換回路10A,
10Bに過渡状態情報b3を用いて伝える。切換回路1
0A,10Bにはそれぞれの過渡トルク算出回路13
A,13Bがその時のテープ巻径情報と過渡トルク係数
とキャプスタントルク値cから(数7)および(数8)
に従ってその時の回転方向情報b1に応じたCUE走行
のテンション設定で算出した過渡トルク値とその時のテ
ープ巻径情報に応じて算出されたCUE走行の巻径比例
トルク値がそれぞれ入力されており、前記過渡状態情報
3にしたがって過渡トルク値をトルク指令fA,fB
してリール駆動回路5A,5Bに送る。
【0050】キャプスタン31の回転速度が上昇し目標
の速度に対して一定の範囲に到達するとキャプスタン制
御回路370は過渡状態が終わり定常状態になったこと
を過渡状態情報b3を用いて切換回路10A,10Bに
送る。それにより切換回路10A,10Bはそれぞれ巻
径比例トルクをトルク指令fA,fBとしてリール駆動回
路5A,5Bに送る。このようにしてテープはCUEの
定常走行状態となる。
【0051】次に、CUEの定常走行状態においてRE
Vの指令aが入力されるとキャプスタン制御回路370
はフル減速指令を出力しキャプスタン31を減速させる
とともに、再び過渡状態に突入したことを過渡状態情報
3を用いて切換回路10A,10Bに送る。切換回路
10A,10Bは前記過渡状態情報b3にしたがって過
渡トルク算出回路13A,13Bがその時のテープ巻径
情報と過渡トルク係数とキャプスタントルク値cから
(数7)および(数8)に従ってその時の回転方向情報
1に応じたCUE走行のテンション設定で算出した過
渡トルク値をトルク指令fA,fBとしてリール駆動回路
5A,5Bに送る。
【0052】そして、テープ速度が減速し走行方向がR
EV方向となるとキャプスタン31はフル加速状態とな
り、過渡トルク算出回路13A,13Bがその時のテー
プ巻径情報と過渡トルク係数とキャプスタントルク値c
から(数7)および(数8)に従ってその時の回転方向
情報b1に応じたREV走行のテンション設定で算出し
た過渡トルク値がトルク指令fA,fBとしてリール駆動
回路5A,5Bに送られる。
【0053】キャプスタン31の回転速度が上昇し目標
の速度に対して一定の範囲に到達するとキャプスタン制
御回路370は過渡状態が終わり定常状態になったと判
断しそれを過渡状態情報b3を用いて切換回路10A,
10Bに送る。それにより切換回路10A,10Bはそ
れぞれその時のテープ巻径情報に応じて算出されたRE
V走行の巻径比例トルク値をトルク指令fA,fBとして
リール駆動回路5A,5Bに送る。このようにしてテー
プはREVの定常走行状態となる。
【0054】さらに、REVの定常走行状態においてC
UEの指令が入力された場合も同様であり、テープの走
行方向が変化しキャプスタンの回転速度が目標速度に対
して一定の範囲に到達するまでは過渡状態として過渡ト
ルク値が、そしてキャプスタンの回転速度が目標速度に
対して一定の範囲に到達すると定常走行状態として巻径
比例トルク値がトルク指令fA,fBとしてリール駆動回
路5A,5Bに与えられる。
【0055】以上のように本実施例によれば、システム
コントローラ100からの指令aに従いキャプスタン回
転速度検出器32が出力するパルス(FG)を用いてキ
ャプスタン駆動回路36にキャプスタントルク値cを出
力するとともに回転方向情報b1、および過渡状態情報
3を出力するキャプスタン制御回路370と、キャプ
スタン制御回路370が出力する回転方向情報b1に応
じてそれぞれのテープ巻径検出回路7A,7Bの出力す
るテープ巻径情報に比例したトルク値を算出する供給側
および巻取側の巻径比例トルク算出回路9A,9Bと、
各リールのテープ巻径情報に応じて過渡トルク係数を設
定する供給側および巻取側の過渡トルク係数設定回路1
2A,12Bと、キャプスタン制御回路370が出力す
るキャプスタントルク値cとそれぞれのリールの過渡ト
ルク係数とテープ巻径情報から回転方向情報b1に応じ
たテンション設定でそれぞれのリールの過渡トルク値を
算出する供給側および巻取側の過渡トルク算出回路13
A,13Bと、過渡状態情報に応じてそれぞれの過渡ト
ルク値と巻径比例トルク値を切り換えてリール駆動回路
5A,5Bに出力する切換回路10A,10Bを設ける
ことにより、システムコントローラ100からの指令a
の変化に対してテープ速度が目標速度に近づいてキャプ
スタンの発生トルクが変化した場合にもテープテンショ
ンを安定に保ったままでテープ速度およびテープ送り方
向の変換が可能となる。また、極めて短時間に目標の状
態に到達することができ、ユーザの意志に対して思い通
りに動く使い易いテープ送り装置が実現できる。
【0056】そして、本実施例ではテープ速度が目標速
度に対して一定範囲に入るまでのテープテンションはキ
ャプスタントルク値gに関係なく安定させることができ
ることからその一定範囲を狭くし定常走行への移動時の
テープテンション変動を小さくすることができる。
【0057】また、過渡トルク係数設定回路12A,1
2Bの係数の設定を供給側テープ巻径情報に対してステ
ップ状に行うことにより、極めて容易な演算で優れた性
能を実現することができる。
【0058】さらに、上記第1の実施例において図1に
示した点線で囲んだブロック41はマイクロコンピュー
タやディジタルシグナルプロセッサの中でソフトウェア
で実現することが可能であり、回路の小型、軽量化、省
スペースを達成することができる。
【0059】(実施例2)図3は本発明の第2の実施例
におけるテープ送り装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0060】同図において図1と同じ構成要素について
はその説明を省略する。図3において、損失トルク算出
回路38はキャプスタン回転速度検出器32が出力する
回転速度情報を用いて図7のグラフの実線にしたがって
キャプスタンモータ35の損失トルク値gを算出する。
供給側および巻取側の過渡トルク算出回路14A,14
Bはキャプスタン制御回路370が出力するキャプスタ
ントルク値cと前記損失トルク値gとそれぞれのリール
の過渡トルク係数とテープ巻径情報から後述する関係式
に基づいて回転方向情報b1に応じたテンション設定で
各リールの過渡トルク値を算出する。
【0061】図7のグラフはキャプスタンモータ35の
損失トルク値を示すグラフで、横軸はキャプスタンモー
タ35の回転数である。図7において点線が実際の損失
トルク値であるが、損失トルク算出回路38ではそれを
実線で示した一次関数に近似して損失トルク値gを求め
ている。
【0062】次に、過渡トルク算出回路14A,14B
で行われる過渡トルク値の算出について説明する。
【0063】キャプスタンモータ35の損失トルク値g
を以下のように定義する。 g=fCC):キャプスタンモータの損失トルク ただし、キャプスタンモータの損失トルクはREV方向
が+とする。
【0064】第1の実施例と同様に供給側リール、巻取
側リール、およびキャプスタンの運動方程式はそれぞれ
以下の式(数11),(数12),(数13)で示され
る。
【0065】
【数11】
【0066】
【数12】
【0067】
【数13】
【0068】(数11),(数12),(数13),
(数6)より供給側リールモータおよび巻取側リールモ
ータの発生トルクQS,QTは以下の式(数14),(数
15)で示される。
【0069】
【数14】
【0070】
【数15】
【0071】過渡トルク値算出回路14A,14Bで行
われる計算はこの(数14)および(数15)の内容で
ある。ここで(数14)および(数15)の係数は第1
の実施例と同じく(数9)および(数10)であり各過
渡トルク係数設定回路12A,12Bは第1の実施例と
同じものである。
【0072】ここで、キャプスタン35の損失トルクは
常にその回転方向とは逆方向のトルクとなる。
【0073】以上のように構成された本実施例のテープ
送り装置について、以下その動作について図4のタイミ
ングチャートを用いて説明する。
【0074】図4はシステムコントローラ100からの
指令aとテープ速度とキャプスタン制御回路370が出
力する回転方向情報b1と過渡状態情報b3とキャプスタ
ントルク値cとキャプスタンの損失トルク値gと両リー
ルのトルク値fA,fBおよびテープテンション値TS
Tを示すタイミングチャートである。
【0075】システムコントローラ100からの指令a
が停止からCUEに変化した場合、基本的な動作は第1
の実施例と同じでありキャプスタン31の回転速度が目
標の速度に対して一定の範囲に到達するまではキャプス
タントルク値cと前記損失トルク値gとそれぞれのリー
ルの過渡トルク係数とテープ巻径情報から(数14)お
よび(数15)に従ってその時の回転方向情報b1に応
じたCUE走行のテンション設定で算出した過渡トルク
値が切換回路10A,10Bによってトルク指令fA
Bとしてリール駆動回路5A,5Bに送られ、キャプ
スタン31の回転速度が目標の速度に対して一定の範囲
に達するとその時のテープ巻径情報に応じて算出された
CUE走行の巻径比例トルク値が切換回路10A,10
Bによってトルク指令fA,fBとしてリール駆動回路5
A,5Bに送られテープはCUEの定常走行状態とな
る。
【0076】CUEの定常走行状態においてREVの指
令aが入力されるた場合も同様に、CUE方向に走行し
ている間とREV方向に方向変換してキャプスタン31
の回転速度が目標の速度に対して一定範囲に到達するま
ではキャプスタントルク値cと前記損失トルク値gとそ
れぞれのリールの過渡トルク係数とテープ巻径情報から
(数14)および(数15)に従ってその時の回転方向
情報b1に応じたCUE走行およびREV走行のテンシ
ョン設定で算出した過渡トルク値が切換回路10A,1
0Bによってトルク指令fA,fBとしてリール駆動回路
5A,5Bに送られ、キャプスタン31の回転速度が目
標の速度に対して一定の範囲に達するとその時のテープ
巻径情報に応じて算出されたREV走行の巻径比例トル
ク値が切換回路10A,10Bによってトルク指令
A,fBとしてリール駆動回路5A,5Bに送られテー
プはCUEの定常走行状態となる。
【0077】次に、REVの定常走行状態においてCU
Eの指令が入力された場合も同様である。
【0078】以上のように本実施例によれば、システム
コントローラ100からの指令aに従いキャプスタン回
転速度検出器32が出力するパルス(FG)を用いてキ
ャプスタン駆動回路36にキャプスタントルク値cを出
力するとともに回転方向情報b1、および過渡状態情報
3を出力するキャプスタン制御回路370と、キャプ
スタン制御回路370が出力する回転方向情報b1に応
じてそれぞれのテープ巻径検出回路7A,7Bの出力す
るテープ巻径情報に比例したトルク値を算出する供給側
および巻取側の巻径比例トルク算出回路9A,9Bと、
キャプスタンモータ35の損失トルク値gを算出する損
失トルク算出回路38と、各リールのテープ巻径情報に
応じて過渡トルク係数を設定する供給側および巻取側の
過渡トルク係数設定回路12A,12Bと、キャプスタ
ン制御回路370が出力するキャプスタントルク値cと
損失トルク算出回路38が出力する損失トルク値gとそ
れぞれのリールの過渡トルク係数とテープ巻径情報から
(数14)および(数15)に従って回転方向情報b1
に応じたテンション設定でそれぞれのリールの過渡トル
ク値を算出する供給側および巻取側の過渡トルク算出回
路14A,14Bと、過渡状態情報に応じてそれぞれの
過渡トルク値と巻径比例トルク値を切り換えてリール駆
動回路5A,5Bに出力する切換回路10A,10Bを
設けることにより、システムコントローラ100からの
指令aの変化に対してそれがキャプスタンモータ35が
極めて高速に回転するモードであってもテープテンショ
ンを安定に保ったままでテープ速度およびテープ送り方
向の変換が可能となる。また、極めて短時間に目標の状
態に到達することができ、ユーザの意志に対して思い通
りに動く使い易いテープ送り装置が実現できる。
【0079】そして、本実施例ではテープ速度が目標速
度に対して一定範囲に入るまでのテープテンションはキ
ャプスタントルク値gに関係なく安定させることができ
ることからその一定範囲を狭くし定常走行への移動時の
テープテンション変動を小さくすることができる。
【0080】また、過渡トルク係数設定回路12A,1
2Bの係数の設定を供給側テープ巻径情報に対してステ
ップ状に行うことにより、極めて容易な演算で優れた性
能を実現することができる。
【0081】さらに、上記第2の実施例において図1に
示した点線で囲んだブロック42はマイクロコンピュー
タやディジタルシグナルプロセッサの中でソフトウェア
で実現することが可能であり回路の小型、軽量化、省ス
ペースを達成することができる。
【0082】なお、本実施例において供給側および巻取
側の過渡トルク算出回路14A,14Bは損失トルク値
としてキャプスタンモータ35のもののみを考慮してい
るが、リールモータ4A,4Bの損失トルク値をも考慮
する方法などが考えられ上記実施例に限定されるもので
ない。
【0083】(実施例3)図5は本発明の第3の実施例
におけるテープ送り装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0084】同図において図3と同じ構成要素について
はその説明を省略する。図5において、キャプスタン制
御回路371はシステムコントローラ100からの指令
aに従いキャプスタン回転速度検出器32が出力するパ
ルス(FG)を用いてキャプスタン駆動回路36にキャ
プスタントルク値cを出力するとともに回転方向情報b
1、およびトルク方向情報b4を出力し過渡トルク算出回
路14A,14B、巻径比例トルク算出回路9A,9
B、および切換回路11A,11Bに送る。各切換回路
11A,11Bはキャプスタン制御回路371が出力す
るトルク方向情報b4に応じてそれぞれ巻径比例トルク
値および過渡トルク値をその大小関係によって切り換え
てトルク指令fA,fBとして各リール駆動回路5A,5
Bに出力する。
【0085】ここで、切換回路11A,11Bの動作は
ヒステリシスを持っており、過渡トルク値から巻径比例
トルク値への切換は同じレベルになったときに行われる
が、巻径比例トルク値から過渡トルク値への切換はその
大小関係が逆転して所定のレベル差がつくまでは行われ
ず巻径比例トルク値が出力されたままとなる。
【0086】以上のように構成された本実施例のテープ
送り装置について、以下その動作について図4のタイミ
ングチャートを用いて説明する。
【0087】図6はシステムコントローラ100からの
指令aとテープ速度とキャプスタン制御回路371が出
力する回転方向情報b1とトルク方向情報b4とキャプス
タントルク値cとキャプスタン損失トルク値gと両リー
ルのトルク値fA,fBおよびテープテンション値TS
Tを示すタイミングチャートである。
【0088】システムコントローラ100からの指令a
が停止からCUEに変化した場合、基本的な動作は第1
および第2の実施例と同じでありキャプスタン制御回路
371はキャプスタン駆動回路36にフル加速のトルク
指令cを出力しキャプスタン31を高速に立ち上げると
ともに切換回路11A,11Bにトルク方向情報b4
送る。そして過渡トルク算出回路14A,14Bがその
時のキャプスタントルク値cと前記損失トルク値gとそ
れぞれのリールの過渡トルク係数とテープ巻径情報から
(数14)および(数15)に従ってその時の回転方向
情報b1に応じたCUE走行のテンション設定で算出し
た各リールの過渡トルク値と、その時のテープ巻径情報
に応じて算出されたCUE走行の巻径比例トルク値がそ
れぞれの切換回路11A,11Bに入力される。供給側
切換回路11Aは巻取方向のトルクを+とした場合に前
記過渡トルク値と巻径比例トルク値を比較しトルク方向
情報b4が正転方向であることから低い方のトルク値を
トルク指令fAとして供給側リール駆動回路5Aに送
る。また、巻取側切換回路11Bは巻取方向のトルクを
+とした場合に前記過渡トルク値と巻径比例トルク値を
比較しトルク方向情報b 4が正転方向であることから高
い方のトルク値をトルク指令fBとして巻取側リール駆
動回路5Bに送る。そのために起動時にはどちらのリー
ル駆動回路5A,5Bにも過渡トルク値が入力される。
【0089】キャプスタン31の回転速度が上昇し目標
の速度に近づくと前記過渡トルク値と巻径比例トルク値
が同じ値となり前記切換回路11A,11Bは出力を巻
径比例トルク値に切り換える。各切換回路11A,11
Bは前述の通りヒステリシスを持っており過渡トルク値
と巻径比例トルク値の大小関係が逆転してもその差が所
定のレベルに達しない限り巻径比例トルク値を出力し続
ける。このようにしてテープはCUEの定常走行状態と
なる。
【0090】CUEの定常走行状態においてREVの指
令aが入力された場合、基本的な動作は第1および第2
の実施例と同じでありキャプスタン制御回路371はフ
ル減速指令を出力しキャプスタン31を減速させるとと
もに、切換回路11A,11Bにトルク方向情報b4
送る。そして過渡トルク算出回路14A,14Bがその
時のキャプスタントルク値cと前記損失トルク値gとそ
れぞれのリールの過渡トルク係数とテープ巻径情報から
(数14)および(数15)に従ってその時の回転方向
情報b1に応じたCUE走行のテンション設定で算出し
た各リールの過渡トルク値と、その時のテープ巻径情報
に応じて算出されたCUE走行の巻径比例トルク値がそ
れぞれの切換回路11A,11Bに入力される。供給側
切換回路11Aは巻取方向のトルクを+とした場合に前
記過渡トルク値と巻径比例トルク値を比較しトルク方向
情報b4が反転方向であることから高い方のトルク値を
トルク指令fAとして供給側リール駆動回路5Aに送
る。また、巻取側切換回路11Bは巻取方向のトルクを
+とした場合に前記過渡トルク値と巻径比例トルク値を
比較しトルク方向情報b4が反転方向であることから低
い方のトルク値をトルク指令fBとして巻取側リール駆
動回路5Bに送る。そのためにシステムコントローラ1
00からの指令aが変化した直後にはどちらのリール駆
動回路5A,5Bにも過渡トルク値が入力される。
【0091】そして、テープ速度が減速し走行方向がR
EV方向となるとキャプスタン31はフル加速状態とな
り、過渡トルク算出回路14A,14Bがその時のキャ
プスタントルク値cと前記損失トルク値gとそれぞれの
リールの過渡トルク係数とテープ巻径情報から(数1
4)および(数15)に従ってその時の回転方向情報b
1に応じたREV走行のテンション設定で算出した各リ
ールの過渡トルク値と、その時のテープ巻径情報に応じ
て算出されたREV走行の巻径比例トルク値がそれぞれ
の切換回路11A,11Bに入力される。供給側切換回
路11Aは巻取方向のトルクを+とした場合に前記過渡
トルク値と巻径比例トルク値を比較しトルク方向情報b
4が反転方向であることから高い方のトルク値をトルク
指令fAとして供給側リール駆動回路5Aに送る。ま
た、巻取側切換回路11Bは巻取方向のトルクを+とし
た場合に前記過渡トルク値と巻径比例トルク値を比較し
トルク方向情報b4が反転方向であることから低い方の
トルク値をトルク指令fBとして巻取側リール駆動回路
5Bに送る。そして反転直後はどちらのリール駆動回路
5A,5Bにも過渡トルク値が入力される。
【0092】キャプスタン31の回転速度が上昇し目標
の速度に近づくと前記過渡トルク値と巻径比例トルク値
が同じ値となり前記切換回路11A,11Bは巻径比例
トルク値を出力する。各切換回路11A,11Bは前述
の通りヒステリシスを持っており過渡トルク値と巻径比
例トルク値の大小関係が逆転してもその差が所定のレベ
ルに達しない限り巻径比例トルク値を出力し続ける。こ
のようにしてテープはREVの定常走行状態となる。
【0093】次に、REVの定常走行状態においてCU
Eの指令が入力された場合も同様である。
【0094】以上のように本実施例によれば、システム
コントローラ100からの指令aに従いキャプスタン回
転速度検出器32が出力するパルス(FG)を用いてキ
ャプスタン駆動回路36にキャプスタントルク値cを出
力するとともに回転方向情報b1、およびトルク方向情
報b4を出力するキャプスタン制御回路371と、キャ
プスタン制御回路371が出力する回転方向情報b1
応じてそれぞれのテープ巻径検出回路7A,7Bの出力
するテープ巻径情報に比例したトルク値を算出する供給
側および巻取側の巻径比例トルク算出回路9A,9B
と、キャプスタンモータ35の損失トルク値gを算出す
る損失トルク算出回路38と、各リールのテープ巻径情
報に応じて過渡トルク係数を設定する供給側および巻取
側の過渡トルク係数設定回路12A,12Bと、キャプ
スタン制御回路371が出力するキャプスタントルク値
cと損失トルク算出回路38が出力する損失トルク値g
とそれぞれのリールの過渡トルク係数とテープ巻径情報
から(数14)および(数15)に従って回転方向情報
1に応じたテンション設定でそれぞれのリールの過渡
トルク値を算出する供給側および巻取側の過渡トルク算
出回路14A,14Bと、キャプスタン制御回路371
が出力するトルク方向情報b4を用いてそれぞれ巻径比
例トルク値および過渡トルク値をその大小関係に応じて
切り換えて各リール駆動回路5A,5Bに出力する切換
回路11A,11Bを設けることにより、システムコン
トローラ100からの指令aの変化に対してそれぞれの
リールトルク値がスムースに変化するためテープテンシ
ョンを極めて安定に保ったままでテープ速度およびテー
プ送り方向の変換が可能となる。また、極めて短時間に
目標の状態に到達することができ、ユーザの意志に対し
て思い通りに動く使い易いテープ送り装置が実現でき
る。
【0095】また、過渡トルク係数設定回路12A,1
2Bの係数の設定を供給側テープ巻径情報に対してステ
ップ状に行うことにより、極めて容易な演算で優れた性
能を実現することができる。
【0096】さらに、上記第1の実施例において図1に
示した点線で囲んだブロック43はマイクロコンピュー
タやディジタルシグナルプロセッサの中でソフトウェア
で実現することが可能であり回路の小型、軽量化、省ス
ペースを達成することができる。
【0097】なお、本実施例において供給側および巻取
側の切換回路11A,11Bは巻径比例トルク値と過渡
トルク値の切換にヒステリシスを持たせているが、過渡
トルク値を算出する場合のテンション設定をコントロー
ルすることにより全くヒステリシスを持たせなくても安
定したトルク出力を得る方法も考えられ上記実施例に限
定されるものでない。
【0098】また、本実施例において各過渡トルク算出
回路14A,14Bは過渡トルク値の算出にキャプスタ
ントルク値cと損失トルク値gと各リールの過渡トルク
係数とテープ巻径情報を用いているが、第1の実施例に
示した損失トルク値gを用いない過渡トルク算出回路1
3A,13Bを用いる方法も考えられ上記実施例に限定
されるものでない。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明は、モード移行の過
渡状態においてキャプスタントルクが変化した場合にも
テープテンションをほぼ一定に保つことが可能となり、
安定したテープ走行を実現しながら高速なモード移行を
行うことができる。これによりユーザの意志に対して思
い通りに動く使い易いテープ送り装置を提供でき、その
効果は大きい。
【0100】また、テープ速度が極めて高速となるモー
ド移行の過渡状態においてキャプスタンモータおよびリ
ールモータの損失トルクが大きくなった場合でも常にテ
ープテンションを一定に保つことが可能となり、安定し
たテープ走行を実現しながら高速なモード移行を行うこ
とができる。これによりユーザの意志に対して思い通り
に動く使い易いテープ送り装置を提供でき、その効果は
大きい。
【0101】さらに、モード移行の過渡状態においてテ
ープ速度が目標値に近づいたときにもリールトルク値が
スムーズに定常状態の設定に移行するため常にテープテ
ンションを安定に保つことが可能となり安定したテープ
走行を実現しながら高速なモード移行を行うことができ
る。これによりユーザの意志に対して思い通りに動く使
い易いテープ送り装置を提供でき、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるテープ送り装置
の構成を示すブロック図
【図2】同第1の実施例の各部の信号の変化を示すタイ
ミングチャート
【図3】本発明の第2の実施例におけるテープ送り装置
の構成を示すブロック図
【図4】同第2の実施例の各部の信号の変化を示すタイ
ミングチャート
【図5】本発明の第3の実施例におけるテープ送り装置
の構成を示すブロック図
【図6】同第3の実施例の各部の信号の変化を示すタイ
ミングチャート
【図7】本発明の実施例におけるキャプスタンモータの
損失トルク値を示す特性図
【図8】本発明の実施例における過渡トルクを出力した
場合のテープ巻径に対する過渡トルク係数の値を示す特
性図
【図9】本発明の実施例における過渡トルクを出力した
場合のテープ巻径に対するテープテンションの値を示す
特性図
【図10】従来のテープ送り装置の構成を示すブロック
【図11】同従来例の各部の信号の変化を示すタイミン
グチャート
【符号の説明】
1 シリンダ 2 テープ 3A,3B リール 4A,4B リールモータ 5A,5B リール駆動回路 6A,6B 回転速度検出回路 7A,7B テープ巻径検出回路 9A,9B 巻径比例トルク算出回路 10A,10B,11A,11B 切換回路 12A,12B 過渡トルク係数設定回路 13A,13B,14A,14B 過渡トルク算出回路 30 ピンチローラ 31 キャプスタン 32 キャプスタン回転速度検出器 35 キャプスタンモータ 36 キャプスタン駆動回路 38 損失トルク算出回路 100 システムコントローラ 370,371,372 キャプスタン制御回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ媒体が巻かれている供給リールお
    よび巻取リールと、 前記テープ媒体を移送するキャプスタンと、 前記各リールをそれぞれ駆動するリール駆動手段と、 前記キャプスタンを駆動するキャプスタン駆動手段と、 前記各リールに巻付けられた前記テープ媒体のテープ巻
    径情報をそれぞれ検出するテープ巻径検出手段と、 少なくとも前記キャプスタンの回転速度情報を検出する
    回転速度検出手段と、 前記回転速度情報を用いてキャプスタントルク情報を作
    成して前記キャプスタン駆動手段に送り、前記キャプス
    タンの回転速度を制御するキャプスタン制御手段と、 前記各リールのテープ巻径情報に応じたそれぞれのリー
    ルの過渡トルク算出係数を設定する係数設定手段と、 前記キャプスタントルク情報と前記各リールのテープ巻
    径情報と前記過渡トルク算出係数からそれぞれのリール
    の過渡トルク情報を算出する過渡トルク算出手段と、 前記各リールのテープ巻径情報に比例した巻径比例トル
    ク情報をそれぞれ算出する巻径比例トルク算出手段と、 前記キャプスタンの回転速度情報に応じて前記過渡トル
    ク情報と前記巻径比例トルク情報を切り換えて前記それ
    ぞれのリール駆動手段に送る切換手段とを備えたテープ
    送り装置。
  2. 【請求項2】 テープ媒体が巻かれている供給リールお
    よび巻取リールと、 前記テープ媒体を移送するキャプスタンと、 前記各リールをそれぞれ駆動するリール駆動手段と、 前記キャプスタンを駆動するキャプスタン駆動手段と、 前記各リールに巻付けられた前記テープ媒体のテープ巻
    径情報をそれぞれ検出するテープ巻径検出手段と、 少なくとも前記キャプスタンの回転速度情報を検出する
    回転速度検出手段と、 前記回転速度情報を用いてキャプスタントルク情報を作
    成して前記キャプスタン駆動手段に送り、前記キャプス
    タンの回転速度を制御するキャプスタン制御手段と、 少なくとも前記回転速度情報から前記キャプスタン駆動
    手段の損失情報を算出する損失算出手段と、 前記各リールのテープ巻径情報に応じたそれぞれのリー
    ルの過渡トルク算出係数を設定する係数設定手段と、 前記キャプスタントルク情報と前記各リールのテープ巻
    径情報と前記過渡トルク算出係数と少なくとも前記損失
    情報からそれぞれのリールの過渡トルク情報を算出する
    過渡トルク算出手段と、 前記各リールのテープ巻径情報に比例した巻径比例トル
    ク情報をそれぞれ算出する巻径比例トルク算出手段と、 前記キャプスタンの回転速度情報に応じて前記過渡トル
    ク情報と前記巻径比例トルク情報を切り換えて前記それ
    ぞれのリール駆動手段に送る切換手段とを備えたテープ
    送り装置。
  3. 【請求項3】 テープ媒体が巻かれている供給リールお
    よび巻取リールと、 前記テープ媒体を移送するキャプスタンと、 前記各リールをそれぞれ駆動するリール駆動手段と、 前記キャプスタンを駆動するキャプスタン駆動手段と、 前記各リールに巻付けられた前記テープ媒体のテープ巻
    径情報をそれぞれ検出するテープ巻径検出手段と、 少なくとも前記キャプスタンの回転速度情報を検出する
    回転速度検出手段と、 前記回転速度情報を用いてキャプスタントルク情報を作
    成して前記キャプスタン駆動手段に送り、前記キャプス
    タンの回転速度を制御するキャプスタン制御手段と、 少なくとも前記回転速度情報から前記キャプスタン駆動
    手段の損失情報を算出する損失算出手段と、 前記各リールのテープ巻径情報に応じたそれぞれのリー
    ルの過渡トルク算出係数を設定する係数設定手段と、 前記キャプスタントルク情報と前記各リールのテープ巻
    径情報と前記過渡トルク算出係数と少なくとも前記損失
    情報からそれぞれのリールの過渡トルク情報を算出する
    過渡トルク算出手段と、 前記各リールのテープ巻径情報に比例した巻径比例トル
    ク情報をそれぞれ算出する巻径比例トルク算出手段と、 前記それぞれの過渡トルク情報と巻径比例トルク情報の
    大小関係に応じてそれらを切り換えて前記それぞれのリ
    ール駆動手段に送る切換手段とを備えたテープ送り装
    置。
  4. 【請求項4】 係数設定手段は、目標値に近似させた値
    を過渡トルク算出係数として設定する請求項1,2また
    は3記載のテープ送り装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも一つの損失算出手段は損失情
    報を回転速度情報の1次関数として損失情報を算出する
    請求項2記載のテープ送り装置。
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