JP2921263B2 - リール制御装置 - Google Patents

リール制御装置

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JP2921263B2
JP2921263B2 JP4145295A JP14529592A JP2921263B2 JP 2921263 B2 JP2921263 B2 JP 2921263B2 JP 4145295 A JP4145295 A JP 4145295A JP 14529592 A JP14529592 A JP 14529592A JP 2921263 B2 JP2921263 B2 JP 2921263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビデオテープレコーダな
どのテープ走行系に用いられるリール制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より磁気記録再生装置、例えばビデ
オテープレコーダ(以下VTRと記す)のリール制御に
は、テープが巻かれている第2のリールと第2のリール
に巻かれているテープを引き出し巻き取るための第1の
リールを2つのモータ、つまり第1のリールを駆動する
第1のモータと第2のリールを駆動する第2のモータで
適切にコントロールすることによって行う方法がある。
この場合、通常第1のモータは、テープの速度の制御を
行い、第2のモータはテープの張力を制御する。以下、
図面を参照しながら従来のリール制御装置の一例につい
て説明する。
【0003】図6は従来のリール制御装置の構成を示し
ており、テープ走行系は簡略化した図で示している。第
2のリール11に巻かれたテープ1は回転ポスト51、
傾斜ポスト52を介しシリンダ55の円周上に斜めに巻
き付けられ、さらに傾斜ポスト53、回転ポスト54を
介し第1のリール2に巻取られていく。
【0004】速度指令手段5はテープ速度指令に応じて
第1のモータ3の回転速度指令を出力する。一方、速度
検出手段4により検出された第1のモータ3の回転速度
は、第1の比較手段6において、速度指令手段5の回転
速度指令値と比較される。第3の駆動回路20は第1の
比較手段6の比較結果に応じて第1のモータ3の発生ト
ルクを制御する。その結果、第1のモータ3の回転速度
が速度指令手段5の回転速度指令値に一致するように第
1のモータ3の発生トルクが増減し、第1のリール2が
巻き取るテープ1の速度がコントロールされる。
【0005】また、張力指令手段14はテープ1の走行
経路において希望のテープ張力(以下単に張力と呼ぶ)
に制御したい所定の位置(以下A点と呼ぶ)における張
力指令を出力する。一方、張力検出手段13により検出
されたA点の張力は、第2の比較手段15において、張
力指令手段14の張力指令値と比較される。第4の駆動
回路21は、第2の比較手段15の比較結果に応じて第
2のモータ12の発生トルクを制御する。その結果、A
点の張力が張力指令手段14の張力指令値に一致するよ
うに第2のモータ12の発生トルクが増減し、A点の張
力が希望の張力になるようにコントロールされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
編集の効率化や操作性の向上のためサーチ速度の高速
化、テープ速度指令に対する速応性など、サーチにおけ
る操作性の改善の要望が強くなってきている。
【0007】従来のリール制御装置におけるテープ速度
制御では、上述したように速度検出手段4を用いたフィ
ードバック制御によって行われている。第1のモータ3
の回転速度指令値に対する系の応答は、一次遅れ要素あ
るいは二次遅れ要素の応答となる。その結果、回転速度
指令値に対して時間遅れが発生する。また、二次遅れ
素の場合にはテープ速度のオーバーシュートも発生する
場合があり、VTRのシステムを考えた場合、高速サー
チから静止画像になるように操作すると、一度逆再生を
介して画面が静止することになり、操作感が悪化すると
いう場合(第1の問題点)があった。
【0008】また、従来のリール制御装置におけるテー
プ張力制御では、同じように張力検出手段13を用いた
フィードバック制御系によって行われている。そのため
テープ速度指令に対する速応性を確保するために第1の
リール2の回転を急峻に変化させた場合、第1のリール
2の加減速よって生じる張力変動にテープ張力制御の応
答が追いつかず、テープ1がたるんだり大きな張力がか
かったりする場合があった。その結果、テープダメージ
の発生や、また、最適なテープ・ヘッドの接触を保つこ
とができずテープ1に記録された信号を再生することが
不可能となる場合(第2の問題点)があった。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、急峻なテープ
速度指令変化に対してもほとんど時間遅れなく応答し、
張力変化も良好に抑制できる操作性の良いリール制御装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の問題点を解決
するために本発明のリール制御装置は、第1のリールを
回転駆動するモータと、前記モータの回転速度を検出す
る速度検出手段と、テープ速度指令に応じて前記モータ
の回転速度を指令する速度指令手段と、前記速度指令手
段と前記速度検出手段の出力を比較する比較手段と、前
記速度指令手段の出力を微分処理する微分手段と、前記
モータの回転軸の回りに換算した前記モータに結合され
る慣性体の慣性モーメントを求める慣性モーメント演算
手段と、前記慣性モーメント演算手段と前記微分手段の
出力から前記第1のリールが前記速度指令手段の出力の
変化と等価な回転加速度を得るために必要なトルクを
める加速トルク演算手段と、前記加速トルク演算手段と
前記比較手段の出力を所定の利得で加算した値に応じて
前記モータの発生トルクを制御する駆動回路とを備えた
ものである。
【0011】また、上記第2の問題点を解決するために
本発明のリール制御装置は、第2のリールを回転駆動
るモータと、テープ走行経路の所定位置における前記テ
ープの張力を検出する張力検出手段と、前記テープ走行
経路の所定位置における前記テープの張力を指令する張
力指令手段と、前記張力指令手段と前記張力検出手段の
出力を比較する比較手段と、前記第2のリールの加速度
を指令する加速指令手段と、前記モータの回転軸の回り
に換算した前記モータに結合される慣性体の慣性モーメ
ントを求める慣性モーメント演算手段と、前記慣性モー
メント演算手段と前記加速指令手段の出力から前記第2
のリールが前記加速指令手段の出力と等価な回転加速度
を得るために必要なトルクを求める加速トルク演算手段
と、前記加速トルク演算手段と前記比較手段の出力を所
定の利得で加算した値に応じて前記モータの発生トルク
を制御する駆動回路とを備えたものである。
【0012】
【作用】本発明は上記した構成により、モータ(第1の
モータ)が速度指令手段の回転速度指令値の変化と等価
な加減速を得るために必要な加速トルクを算出し、フィ
ードフォワード的にモータ(第1のモータ)を駆動す
る。その結果、回転速度指令に対して時間遅れなく動作
し、また、加減速時に必要なトルクをフィードバック系
で発生する必要がないため、テープ速度のオーバーシュ
ートも抑えることができる。
【0013】また、急なモータ(第1のモータ)の速度
変化に対する張力変化を抑制するため、第1のリールの
加減速に応じて第2のリールを加減速するための加速ト
ルクを算出し、フィードフォワード的にモータ(第2の
モータ)を駆動するため、急峻なテープ速度の加減速時
においても張力を安定に保つことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例のリール制御装置に
ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一
実施例のリール制御装置の構成図である。図1におい
て、従来のリール制御装置の説明に用いた図6の構成要
素と同じものは同じ番号を付けてある。
【0015】まず、テープ速度制御について説明を行
う。図1において、5は速度指令手段、8は微分手段、
9は第1の加速トルク演算手段、10は第1の慣性モー
メント演算手段である。
【0016】以上のように構成された本実施例の動作に
ついて説明すると、まず、テープ静止状態からテープ速
度VTになるように操作したとする。速度指令手段5
は、それに応じて、例えば(図2a)に示すような第1
のリール2の回転速度指令Wを出力する。テープ速度V
Tになる第1のリール2の回転速度はW1とする。微分手
段8は速度指令手段5の出力を微分処理し、第1のモー
タ3の回転加速度指令a1を出力する。第1の慣性モー
メント演算手段10は、第1のモータ3の回転軸の回り
に換算した第1のモータ3に結合される慣性体の慣性モ
ーメントJ1を求める。
【0017】そこで、第1の加速トルク演算手段9は、
微分手段8と第1の慣性モーメント演算手段10の出力
から、第1のモータ3が加速度a1で回転変化するため
に必要な加速トルクJ1・a1を求め、第1の駆動回路7
に出力する。第1の駆動回路7は、第1の加速トルク演
算手段9と第1の比較手段6の出力を適当な利得で加算
し、その値に応じて第1のモータ3の発生トルクをコン
トロールする。このように第1の加速トルク演算手段9
の出力する加速トルクの値によって、速度指令手段5の
出力変化に対し時間遅れなく第1のモータ3を加減速さ
せることができる。
【0018】実際には、演算誤差やトルクリップルなど
のパラメータ誤差により回転速度指令に対する誤差が生
じるため、これらの誤差は第1の比較手段6が出力する
フィードバック系のトルク指令によって補償される。
【0019】その結果、図2(a)の回転速度指令Wに
対し、従来と本実施例のリール制御装置の第1のモータ
2の回転速度の応答は例えば、図2(b)、図2(c)
のようになり、本実施例の装置では、急峻な回転速度指
令の変化に対してほとんど時間遅れなく応答させること
ができる。
【0020】ここで、第1の慣性モーメント演算手段1
0について説明を行う。図3にテープ走行系の簡易モデ
ルを示す。図3において、テープ1は回転ポスト56を
通り、固定ポスト57を通り、第1のリール2に巻取ら
れていく。A点は第2のリール11により一定張力F1
に張力制御されているとする。B点は、回転ポスト56
を介しているだけであるため、ほぼ張力F1である。固
定ポスト57はテープガイドの摩擦係数と巻付け角によ
って決まる張力倍率K1を持つので、C点の張力はK1F
1となる。
【0021】ここで、第1のリール2を加速度aで加速
したいとする。この時、第1のモータ3が回転駆動させ
る必要がある慣性体は、第1のリール2と第1のリール
2を駆動しているモータ3の回転子と回転ポスト56で
ある。第1のリール2、第1のモータ3の回転子、回転
ポスト56の慣性モーメントをそれぞれJR1、JM1、J
P1とする。
【0022】第1のリール2と第1のモータ3の回転子
を回転加速度aで加速するためには、(JR1+JM1)a
の第1のモータ3のトルクが必要である。また、第1の
リール2の巻径、回転ポスト56の半径をそれぞれr
1、r3とすると、回転ポスト56は(r1/r3)aの回
転加速度が必要であるため、JP・(r1/r3)aのト
ルクが回転ポスト56に必要である。そこで、B点の張
力Fbは、(数1)で表される張力が必要となり、さら
にC点の張力Fcは、(数2)で表される張力が必要で
ある。
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】ここで、K1は回転ポスト56から第1の
リール2の間の張力倍率である。回転ポスト56を加速
するのに必要な第1のモータ3のトルクTPは、(数
3)で求められる。
【0026】
【数3】
【0027】結局、第1のリール2を回転加速度aで加
速するために必要な第1のモータ3のトルクTは、(数
4)で得られる。
【0028】
【数4】
【0029】つまり、第1のモータ3の回転軸の回りに
換算した第1のモータ3に結合される慣性体の慣性モー
メントJ1は、(数5)で得られる。
【0030】
【数5】
【0031】ここで、第1のモータ3の回転子の慣性モ
ーメントJM1、回転ポスト56の慣性モーメントJP1お
よび径r3、回転ポスト56から第1のリール2の間の
張力倍率K1はあらかじめ計測しておくことにより既知
の固定値である。ただし、張力倍率K1はテープ走行方
向によって値が変化することに注意する必要がある。
【0032】第1のリール2のテープ巻径r1および慣
性モーメントJR1はテープ走行によって変化するため、
その時点の値を検出することにより、第1のモータ3の
回転軸の回りに換算した第1のモータ3に結合される慣
性体の慣性モーメントJ1を求めることができる。第1
の慣性モーメント演算手段10はこの値J1を演算し出
力する。この第1の慣性モーメント演算手段10の出力
J1を用いて微分手段8の出力a1に応じた加速トルクJ
1・a1を求めることができる。
【0033】上記は図3の簡易的なテープ走行系を想定
して説明した。一般的な場合の第1の慣性モーメント演
算手段10の構成例について図4に示す。図4におい
て、22は第1のリール2の慣性モーメントJR1を検出
する第1のリール慣性モーメント検出手段、23は第1
のモータ3の回転子の慣性モーメントJM1を記憶する第
1の回転子慣性モーメント記憶手段である。24は図1
のA点から第1のリール2に至る間に配置されるn個
(nは1以上の整数)の回転ポストの慣性モーメントJ
P1i(iは1からnの整数)を記憶する第1のポスト慣
性モーメント記憶手段である。
【0034】テープ走行経路には、実際には傾斜ポス
ト、固定ヘッド、回転シリンダなどが存在するが、これ
らは前述した固定ポストと同様に扱うことができる。2
5は第1の加算手段であり、第1の積和回路26と第1
の加算回路27で構成される。慣性モーメントJP1iを
持つ回転ポストに対し、その半径をr3i(iは1からn
の整数)、その回転ポストから第1のリール2までの張
力倍率をK1i(iは1からnの整数)、第1のリール2
の巻径をr1とすると、第1の積和回路26は第1のポ
スト慣性モーメント記憶手段24のn個の出力から、回
転ポストの慣性モーメントを第1のモータ3の回転軸の
回りの慣性モーメントに換算した値Jk1を求めるため、
(数6)で表される積和演算を行う。
【0035】
【数6】
【0036】第1の加算回路27は第1の積和回路26
と第1のリール慣性モーメント検出手段22と第1の回
転子慣性モーメント記憶手段23の出力を加算する。こ
のように第1の慣性モーメント演算手段10を構成する
ことができる。
【0037】次に、本実施例の張力制御について説明を
行う。図1において、17は加速指令手段、18は第2
の加速トルク演算手段、19は第2の慣性モーメント演
算手段である。
【0038】応答性の良いリールサーチを実現するため
には、上述したテープ速度制御以外に急峻な第1のリー
ル2の加減速に対しても張力変動を抑え、テープ1のダ
メージなく、安定したテープ1とヘッドの接触を保ちな
がらテープ1を移送する必要がある。
【0039】本実施例は、第1のリール2の加減速に応
じて第2のリール11の加減速指令a2を出力する加速
指令手段17を備える。第2の慣性モーメント演算手段
19は、第2のモータ12の回転軸の回りに換算した第
2のモータ12に結合される慣性体の慣性モーメントJ
2を求める。そこで、第2の加速トルク演算手段18
は、加速指令手段17と第2の慣性モーメント演算手段
19の出力から、第2のモータ12が加速度a2で回転
変化するために必要な加速トルクJ2・a2を求め、第2
の駆動回路16に出力する。第2の駆動回路16は、第
2の加速トルク演算手段18と第2の比較手段15の出
力を適当な利得で加算し、その値に応じて第2のモータ
12の発生トルクをコントロールする。
【0040】このように第2の加速トルク演算手段18
の出力する加速トルク値によって、フィードフォワード
的に第2のモータ12を駆動することにより、第1のリ
ール2の加減速に時間遅れなく第2のリール11を加減
速させることができ、張力変化を抑えることができる。
実際には、演算誤差やトルクリップルなどのパラメータ
誤差によりテープ1において希望の一定張力値に保ちた
いA点の張力は張力指令に対し誤差が生じるが、この誤
差は第2の比較手段15が出力するフィードバック系の
トルク指令によって補償される。
【0041】図5に第2の慣性モーメント演算手段19
の構成を示す。第2の慣性モーメント演算手段19は第
1の慣性モーメント演算手段10とほとんど同様に構成
することができる。
【0042】図5において、28は第2のリール11の
慣性モーメントJR2を検出する第2のリール慣性モーメ
ント検出手段である。29はあらかじめ計測した第2の
モータ12の回転子の慣性モーメントJM2を記憶する第
2の回転子慣性モーメント記憶手段である。第2のポス
ト慣性モーメント記憶手段30は図1のA点から第2の
リール11に至る間に配置されるm個(mは1以上の整
数)の回転ポストの慣性モーメントJP2i(iは1から
mの整数)を記憶する。
【0043】31は第2の加算手段であり、第2の積和
回路32と第2の加算回路33で構成される。慣性モー
メントJP2iを持つ回転ポストに対し、その半径をr4i
(iは1からmの整数)、その回転ポストから第2のリ
ール11までの張力倍率をK2i(iは1からmの整
数)、第2のリール11の巻径をr2とすると、第2の
積和回路32は第2のポスト慣性モーメント記憶手段3
0のm個の出力から第2のモータ12の回転軸回りに換
算した第2のモータ12に結合された慣性体の慣性モー
メントJk2を求めるため、(数7)で表す積和演算を行
う。
【0044】
【数7】
【0045】第2の加算回路33は第2の積和回路32
と第2のリール慣性モーメント検出手段28と第2の回
転子慣性モーメント記憶手段29の出力を加算する。こ
のように第2の慣性モーメント演算手段19は構成され
る。
【0046】加速指令手段17の構成例について述べ
る。加速指令手段17は、第1のリール2の加減速に応
じて、A点において張力変化が生じないような第2のリ
ール11の回転加速度指令を出力する。第1のリール2
が回転加速度b1で加速を行うとき、第2のリール11
は回転加速度(r1/r2)b1で加速を行えば、第1の
リール2と第2のリール11がそれぞれ移送しているテ
ープ速度変化は等しくなり、A点での張力変化は発生し
ない。
【0047】そこで、加速指令手段17の第1の構成例
は上記したテープ速度制御の微分手段8の出力a1より
(r1/r2)a1を演算し、第2の加速トルク演算手段
18に出力する。このような構成をとると、テープ速度
指令の変化にともなう速度指令手段5の回転速度指令値
の変化に応じて第1および第2のリール2、11はそれ
ぞれ加減速されるため、張力変化を抑制することができ
る。
【0048】また、加速指令手段17の第2の構成例
は、第1のモータ3に対するトルク指令T1から加速指
令手段17の出力を決める方法である。テープ1の定速
走行時に第1のリール2にかかるテープ1の張力をf、
第1の慣性モーメント演算手段10の出力値をJ1とす
ると、第1のリール2の加速度は(T1−f・r1)/J
1である。したがって、加速指令手段17の出力a2とし
て、(数8)を出力する。
【0049】
【数8】
【0050】このような構成をとると、第1のリール2
のトルク指令の増減に応じて第2のリール11が加減速
を行い張力変動を抑制することができる。
【0051】このように従来のリール制御装置の張力制
御のフィードバック系の応答を上げるのにも上限がある
ため、本実施例では第1のリール2の動きに応じてフィ
ードフォワード的に第2のリール11を時間遅れなく駆
動する。その結果、第1のリール2の急な速度変化に対
しても安定した張力制御が行われるため、テープ速度指
令に対して速応性のあるテープ速度制御の実現を可能に
することができる。
【0052】最後に、第1および第2の慣性モーメント
演算手段10、19や加速指令手段17で必要となる第
1および第2のリール2、11のテープ巻径および慣性
モーメントの検出について説明する。これらの値はテー
プ走行に従い刻々と変化するため、その時点での値を検
出する必要がある。
【0053】第1のリール2のテープ巻径r1と第2の
リール11のテープ巻径r2は、例えば両リール2、1
1を駆動するモータの回転速度に比例した周波数のパル
スを発生するパルス発生回路を設け、そのパルスを用い
て求めることができる。
【0054】まず、第1のリール2と第2のリール11
はテープ1で結合されている。そのため、一定期間に発
生する両リール2、11のパルス発生回路の出力パルス
数(それぞれN1、N2とする)から、第1のリール2に
対する第2のリール11のテープ巻径の比は、(数9)
で得られる。
【0055】
【数9】
【0056】また、テープ巻面積和Sは、(数10)で
テープ走行によらず一定である。
【0057】
【数10】
【0058】テープローディング直後に、一定期間キャ
プスタンを用いてテープ1を移送し、この時キャプスタ
ン、第1のリール2、第2のリール11の回転速度ω
c、ω1、ω2を検出することにより、既知の値であるキ
ャプスタン径rcを用いて、第1および第2のリール
2、11のテープ巻径r1、r2は、(数11)(数1
2)で得られる。
【0059】
【数11】
【0060】
【数12】
【0061】この値を(数10)に代入することによ
り、テープ巻面積和和Sを求めることができる。このよ
うにあらかじめテープ巻面積Sを求めておくことによ
り、(数9)、(数10)から、刻々と変化する第1お
よび第2のリール2、11のテープ巻径r1、r2は、
(数13)(数14)で得られる。
【0062】
【数13】
【0063】
【数14】
【0064】また、リールの慣性モーメントJRは、リ
ールのハブに巻かれたテープ1の慣性モーメントJT、
リールハブの慣性モーメントJHの和で表されるので、
リールのテープ巻径をrとすると、(数5)となる。
【0065】
【数15】
【0066】r0はリールハブの半径、Hはテープ幅、
ρはテープ1の単位体積あたりの密度を表しており、こ
れらの値とリールハブの慣性モーメントJHをあらかじ
め求めておくと刻々と変化するリールの慣性モーメント
JRをリールのテープ巻径から演算により求めることが
できる。
【0067】なお、本実施例は第1および第2の慣性モ
ーメント演算手段10、19において、リール、モータ
の回転子、回転ポストの慣性モーメントを用いた構成を
示したが、速度制御の応答時間、張力制御の応答時間に
対して回転速度指令の変化が十分緩やかである場合に
は、リールの慣性モーメントのみ、あるいは、リールと
モータの回転子の慣性モーメントのみを用いて構成する
こともできる。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明は、回転速度指令値
の変化に応じたモータ(第1のモータ)の加減速のトル
ク指令値を求め、フィードフォワード的にモータ(第1
のモータ)を駆動するため、回転速度指令の変化に対し
て時間遅れなく第1のリールの回転を変化させることが
可能であり、急な回転速度指令の変化に対してもほぼ忠
実に回転を制御することができる。
【0069】また、同時に第1のリールの加速減速に応
じて、第2のリールが時間遅れなく追随して動作するよ
うに構成するため、急峻なテープ速度の変化に対しても
良好に張力を保つことができる。
【0070】その結果、テープの信頼性やテープヘッド
の安定な接触状態を確保しながら、テープ速度指令に対
し応答性がよいリール制御装置が構成できるため、非常
に操作性の優れたリールサーチが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のリール制御装置の構成図
【図2】回転速度指令の特性、従来及び本実施例のテー
プ速度応答特性を示す
【図3】テープ走行系の簡易モデルの構成図
【図4】本発明の一実施例の第1の慣性モーメント演算
手段の構成図
【図5】本発明の一実施例の第2の慣性モーメント演算
手段の構成図
【図6】従来例のリール制御装置の構成図
【符号の説明】
1 テープ 2 第1のリール 3 第1のモータ 4 速度検出手段 5 速度指令手段 6 第1の比較手段 7 第1の駆動回路 8 微分手段 9 第1の加速トルク演算手段 10 第1の慣性モーメント演算手段 11 第2のリール 12 第2のモータ 13 張力検出手段 14 張力指令手段 15 第2の比較手段 16 第2の駆動回路 17 加速指令手段 18 第2の加速トルク演算手段 19 第2の慣性モーメント演算手段 22 第1のリール慣性モーメント検出手段 23 第1の回転子慣性モーメント記憶手段 24 第1のポスト慣性モーメント記憶手段 25 第1の加算手段 26 第1の積和回路 27 第1の加算回路 28 第2のリール慣性モーメント検出手段 29 第2の回転子慣性モーメント記憶手段 30 第2のポスト慣性モーメント記憶手段 31 第2の加算手段 32 第2の積和回路 33 第2の加算回路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のリールによって第2のリールに巻
    かれたテープを引き出し前記第1のリールに前記テープ
    を巻取るリール制御装置であって、前記第1のリールを
    回転駆動するモータと、前記モータの回転速度を検出す
    る速度検出手段と、テープ速度指令に応じて前記モータ
    の回転速度を指令する速度指令手段と、前記速度指令手
    段と前記速度検出手段の出力を比較する比較手段と、前
    記速度指令手段の出力を微分処理する微分手段と、前記
    モータの回転軸の回りに換算した前記モータに結合され
    る慣性体の慣性モーメントを求める慣性モーメント演算
    手段と、前記慣性モーメント演算手段と前記微分手段の
    出力から前記第1のリールが前記速度指令手段の出力の
    変化と等価な回転加速度を得るために必要なトルクを求
    める加速トルク演算手段と、前記加速トルク演算手段と
    前記比較手段の出力を所定の利得で加算した値に応じて
    前記モータの発生トルクを制御する駆動回路とを備えた
    ことを特徴とするリール制御装置。
  2. 【請求項2】 加速トルク演算手段は、第1のリールの
    慣性モーメントを検出するリール慣性モーメント検出手
    段と、前記モータの回転子の慣性モーメントを記憶する
    回転子慣性モーメント記憶手段と、テープ走行経路にお
    いて所定の位置から前記第1のリールに至る間に配置さ
    れるn個(nは1以上の整数)の回転ポストの慣性モー
    メントを記憶するポスト慣性モーメント記憶手段と、前
    記リール慣性モーメント検出手段の出力と前記回転子慣
    性モーメント記憶手段の出力と前記ポスト慣性モーメン
    ト記憶手段のn個の出力を所定の利得で加算する加算手
    段とで構成されることを特徴とする請求項1記載のリー
    ル制御装置。
  3. 【請求項3】 加算手段は、ポスト慣性モーメント記憶
    手段のn個のそれぞれの出力について回転ポストの径と
    第1のリールの巻径の比の2乗と前記回転ポストから前
    記第1のリール間の張力倍率を掛け合わせた値を係数と
    して積和演算する積和回路と、前記リール慣性モーメン
    ト検出手段と前記回転子慣性モーメント記憶手段と前記
    積和回路の出力を加算する加算回路とで構成されること
    を特徴とする請求項2記載のリール制御装置。
  4. 【請求項4】 第1のリールによって第2のリールに巻
    かれたテープを引き出し前記第1のリールに前記テープ
    を巻取るリール制御装置であって、前記第2のリールを
    回転駆動するモータと、テープ走行経路の所定位置にお
    ける前記テープの張力を検出する張力検出手段と、前記
    テープ走行経路の所定位置における前記テープの張力を
    指令する張力指令手段と、前記張力指令手段と前記張力
    検出手段の出力を比較する比較手段と、前記第2のリー
    ルの加速度を指令する加速指令手段と、前記モータの回
    転軸の回りに換算した前記モータに結合される慣性体の
    慣性モーメントを求める慣性モーメント演算手段と、前
    記慣性モーメント演算手段と前記加速指令手段の出力か
    ら前記第2のリールが前記加速指令手段の出力と等価な
    回転加速度を得るために必要なトルクを求める加速トル
    ク演算手段と、前記加速トルク演算手段と前記比較手段
    の出力を所定の利得で加算した値に応じて前記モータの
    発生トルクを制御する駆動回路とを備えたことを特徴と
    するリール制御装置。
  5. 【請求項5】 加速トルク演算手段は、第2のリールの
    慣性モーメントを検出するリール慣性モーメント検出手
    段と、モータの回転子の慣性モーメントを記憶する回転
    子慣性モーメント記憶手段と、テープ走行経路の所定位
    置から前記第2のリールに至る間に配置されるm個(m
    は1以上の整数)の回転ポストの慣性モーメントを記憶
    するポスト慣性モーメント記憶手段と、前記リール慣性
    モーメント検出手段の出力と前記回転子慣性モーメント
    記憶手段の出力と前記ポスト慣性モーメント記憶手段の
    m個の出力を所定の利得で加算する加算手段とで構成さ
    れることを特徴とする請求項4記載のリール制御装置。
  6. 【請求項6】 加算手段は、ポスト慣性モーメント記憶
    手段のm個のそれぞれの出力について回転ポストの径と
    第2のリールの巻径の比の2乗と前記回転ポストから第
    2のリール間の張力倍率を掛け合わせた値を係数として
    積和演算する積和回路と、前記リール慣性モーメント検
    出手段と前記回転子慣性モーメント記憶手段と前記積和
    回路の出力を加算する加算回路とで構成されることを特
    徴とする請求項5記載のリール制御装置。
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