JP2864872B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2864872B2 JP4139563A JP13956392A JP2864872B2 JP 2864872 B2 JP2864872 B2 JP 2864872B2 JP 4139563 A JP4139563 A JP 4139563A JP 13956392 A JP13956392 A JP 13956392A JP 2864872 B2 JP2864872 B2 JP 2864872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被調理物を加熱調理す
る高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波加熱装置は図9と図10に
示すように、本体枠体1内に被加熱物2を加熱する加熱
室3と、前記加熱室3へ電磁波を供給するマグネトロン
4と高周波発振回路5からなる高周波発振装置と、前記
高周波発振装置を冷却する送風機6と、前記高周波発振
装置と送風機6を制御する制御装置7を備え、本体裏面
8と底面9に、通気口10と排気口11を設けた構成か
らなっていた。
【0003】そして、前記送風機6は、通気口10から
空気を吸入して、マグネトロン4や高周波発振回路5や
制御装置7を冷却し、排気口11から排出していた。そ
して、マグネトロン4を冷却した空気の一部は、加熱室
3へ送風され加熱室の温度分布を均一にするように循環
するようにしていた。ここで、12は設置場所の壁であ
り、図中の矢印は風の流れを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、送風機6の運転騒音が裏面8や底面9に設
けた通気口10と排気口11から外部に放射され、壁1
2で反射されて台所内に大きな騒音を発生することが課
題となっていた。しかし、騒音を低減するためには、低
回転の送風機で高周波発振装置の部品を冷却しなければ
ならず、相反する課題を両立する必要があり、非常に難
しい課題となっていた。そして、このような送風機に
は、通常隅取りモーターが使用されることが多く、図1
1に示すトルク特性から分かるように、50Hzと60
HzでA点とB点のように回転数が大きく異なるため、
両方の周波数で両方の性能を満足することは困難であっ
た。すなわち、50HzのA点で冷却性能と騒音性能を
満足しても、60HzのB点では、冷却性能は満足でき
るが、回転数が50Hz時より増加するために騒音レベ
ルも大きく増加することになる。よって、どちらかの電
源周波数で騒音性能が実現できないという課題があっ
た。
【0005】本発明は上記課題を解決するもので、電源
周波数の50Hz運転時と60Hz運転時に関係ない高
周波発振装置の冷却性能が得られるとともに、どちらの
電源周波数でも冷却時の騒音性能が同一になるように
ることを第1の目的としている。また、高周波発振装置
停止後は、運転時よりも低い回転数で送風機を回転させ
ることによって、低騒音で部品の冷却をさらに促進する
ことを第2の目的としている。さらに、機器外部の騒音
を受音しながら、外部騒音よりも低い送風機の騒音に回
転数を制御することによって送風機騒音を外部騒音にマ
スキングさせて聞こえないようにすることを第3の目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1と第2
の目的を達成するため、本体枠体内に、被加熱物を加熱
する加熱室と、前記加熱室へ高周波電磁波を供給する高
周波発振装置と、前記高周波発振装置を冷却する送風機
と、前記高周波発振装置と送風機を制御する制御装置を
備え、前記送風機は、前記高周波発振装置を冷却する負
荷において電源周波数の50Hzと60Hz運転時に回
転数が一致するトルク特性を有する隈取りモーターを用
い、前記高周波発振装置の運転時には、前記制御装置に
よる前記隅取りモーターの波数制御を行わず、前記高周
波発振装置の停止後は、前記制御装置により前記隈取り
モーターを波数制御することによって、商用電源周波数
の50Hzと60Hz運転時に同一回転数とするととも
に、前記高周波発振装置の運転時の回転数より低い回転
数で制御する構成とした
【0007】
【作用】本発明は上記構成によって、電源周波数の50
Hz運転時と60Hz運転時に関係なく高周波発振装置
の冷却性能が得られるとともに、どちらの電源周波数で
も冷却時の騒音性能が同一になるようにすることができ
るとともに、高周波発振装置の停止後は、制御装置によ
り隈取りモーターを波数制御することによって、商用電
源周波数の50Hzと60Hz運転時に同一回転数とす
るとともに、高周波発振装置の運転時の回転数より低い
回転数で制御する構成とすることで、高周波加熱装置運
転時に冷却性能と低騒音を両立するとともに、商用周波
数50Hzと60Hzでその性能が変化しない構成とす
ることができる。また、機器外部の騒音と比較して、送
風機の騒音が外部騒音より低い回転数に制御することに
よって、送風機騒音が外部騒音にマスキングされて聞こ
えない状態にして部品の冷却を促進することができる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図1から図8を参照し
て説明する。
【0009】図1において、13は被加熱物14を加熱
する加熱室、15は前記加熱室13へ高周波電磁波を供
給するマグネトロン、16は高周波発振回路、17は前
記マグネトロン15と前記高周波発振回路16を冷却す
る送風機、18は前記マグネトロン15と高周波発振回
路16と送風機17を制御する制御装置、19は通気口
20と排気口21を有する本体枠体である。ここで、送
風機17は通気口20から空気を吸引し、高周波発振装
置であるマグネトロン15と高周波発振回路16に送風
してこれらを冷却し、排気口21から排出するものであ
る。マグネトロン15を通過した一部の空気は、加熱室
13内に送風される。ここで、22は設置場所の壁であ
り、図中の矢印が風の流れを示す。
【0010】上記構成において、送風機15には2極の
隈取りモーター23を使用し、電源周波数の50Hzと
60Hzのどちらにおいても、モーターのローター部2
4の厚みを薄くして、C点(2300rpm)付近で回
転するような図2に示すトルク特性に設計した。また、
制御装置18は、高周波発振回路16が停止後には、送
風機モーター23の回転数を、運転時よりも低回転にし
て回転する制御を行う構成とした。制御方式は、電圧波
形を制御してモーターへの入力パワーを制御する回転数
制御であり、本文では図3と図4に示すような電圧波形
の波数制御方式について説明する。
【0011】すなわち、図2のトルク特性からわかるよ
うにモーターへの入力が100Vの時は、トルク特性が
50Hzと60Hzで等しくなるようにC点で回転する
ように設定しているので、50Hzと60Hzで等しい
回転数となる。しかし、高周波発振装置停止後に低回転
にするために、波数をカットして入力パワーを低下させ
ると、図2に示す90V時のトルク特性のように、50
HzではB点、60HzではA点のようにトルクが等し
くなくなり回転数が異なるようになる。それを防止する
ために、図3と図4に示す電圧波形のように50Hzと
60Hzでカットする波数を変えて制御することにし
て、低回転時においても50Hzと60Hzで同じ回転
数になるようにした。よって、送風機の騒音も、50H
zと60Hzで同じレベルとなり、どちらの電源で使用
しても同じ騒音で使用できることになる。すなわち、5
0Hzと60Hzのどちらかで、従来に比べ低い騒音レ
ベルとする事ができるのである。よって、高周波発振装
置を冷却する負荷において電源周波数の50Hzと60
Hz運転時に回転数が一致するトルク特性を有する隈取
りモーターを送風機に用いることで、前記高周波発振装
置の運転時には、制御装置による前記隅取りモーターの
波数制御を行わずに、商用電源周波数の50Hzと60
Hz運転時に同一回転数とすることができ、高周波加熱
装置運転時に冷却性能と低騒音性能を両立することがで
き、かつ商用周波数50Hzと60Hzでその性能が変
化しない構成とすることができる。
【0012】また、高周波発振回路停止後も送風機17
を運転することで、図5に示す温度特性のように、高周
波発振回路16やマグネトロン15の冷却を更に促進
し、部品の冷却性能に余裕を持たせ、短時間休止の断続
使用においても十分に冷却できる効果がある。図中の破
線は送風機を運転しない場合の温度特性を示し、断続使
用時には徐々に温度が上昇していくことが分かる。そし
て、高周波発振回路停止後の送風機回転数は運転時より
も低い回転数で運転するため、より静かになり実使用上
の不快感をなくす効果がある。また、回転数を低くする
騒音レベルの変化により、高周波発振回路の動作状態が
騒音レベルで判断できる効果がある。すなわち、騒音レ
ベルが連続的に同じレベルであると、高周波発振が停止
していないように思われるため、故障と錯覚され、電磁
波が漏れることを恐れてドア25を開けて調理物が取り
出せない問題があるが、本発明では、騒音レベルの変化
から動作状態が確認できるため、その問題がない。
【0013】よって、高周波発振装置の停止後は、制御
装置により隈取りモーターを波数制御することによっ
て、商用電源周波数の50Hzと60Hz運転時に同一
回転数とするとともに、高周波発振装置の運転時の回転
数より低い回転数で制御する構成とすることで、高周波
加熱装置運転時に冷却性能と低騒音を両立するととも
に、商用周波数50Hzと60Hzでその性能が変化し
ない構成とすることができる。 また、高周波発振装置の
運転時は、波数制御を行わないので異常騒音の発生がな
く低騒音とすることができるとともに、高周波発振装置
の運転後は、運転時より低い回転数で波数制御をおこな
うので異常騒音が発生してもそのレベルは低くなり聴感
上問題が無いレベルであり低騒音とすることができるの
である。
【0014】次に、第2の発明について、図6から図8
を用いて説明する。本体枠体19の一部に、機器外部騒
音を受音する受音装置26を備え、高周波発振回路16
停止後の送風機17の回転数を、機器外部騒音よりも低
騒音となるような回転数で運転する制御を設けた構成と
した。すなわち、図7に示すように高周波発振回路停止
後に機器外部騒音NL1を測定し、送風機の回転数を低
減する。そして、回転数低減後の騒音NL2を測定し、
NL1とNL2を比較してNL2がNL1と変わらない
レベルになれば、回転数の低減を停止して一定時間冷却
後に送風機を停止する。また、NL2がNL1より低く
なる場合は、更に回転数を低減するように制御を行い、
上記判定制御を繰り返す。
【0015】このような構成により、機器外部の騒音は
図8に示すように、バックグラウンド騒音と比較して送
風機の騒音のほうが低いことになり、BからC区間の騒
音レベルとなる。よって、外部騒音にマスキングされ
て、運転騒音は聞こえない状態することができ、送風機
の運転を使用者にわからせないようにして部品の冷却を
促進することができる効果がある。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高周波加熱
装置は、高周波発振装置を冷却する負荷において電源周
波数の50Hzと60Hz運転時に回転数が一致するトルク
特性を有する隈取りモーターを送風機に用いているの
で、高周波発振装置の運転時には、制御装置による前記
隅取りモーターの波数制御を行わないでも、商用電源周
波数の50Hzと60Hz運転時には同一回転数とすること
ができ、高周波加熱装置うんてん時に冷却性能と低騒音
性能を両立と商用周波数50Hzと60Hzでその性能が変
化しない構成とすることができる。また、高周波発信装
置の停止後は、制御装置により隈取りモーターを波数制
御することによって、商用電源周波数の50Hzと60Hz
運転時に同一回転数とするとともに、前記高周波発振装
置の運転時の回転数より低い回転数で制御する構成とす
ることで、高周波加熱装置運転時に冷却性能と低騒音を
両立するとともに、商用周波数50Hzと60Hzでその性
能が変化しない構成とすることができる。すなわち、高
周波発振装置運転時と運転後の両方で、電源周波数の5
0Hzと60Hzに関係なく冷却性能と低騒音性能を同一に
することができる。
【0017】そして、高周波発振装置停止後は、運転時
よりも低い回転数で送風機を回転させることによって、
運転騒音をより静かにした状態で、部品の冷却をさらに
促進することができるとともに、高周波発振装置の運転
状態を判定することができ、安心してドアの開閉を行う
ことができる。
【0018】また、機器外部の騒音と比較して送風機の
騒音が低い回転数に制御することによって、送風機騒音
が外部騒音にマスキングされて聞こえない状態にして部
品の冷却を促進することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における高周波加熱装置の平
面断面図
【図2】同装置の送風機モーターのトルク特性図
【図3】同装置の送風機モーターの制御電圧波形図
【図4】同装置の送風機モーターの制御電圧波形図
【図5】同装置の部品温度特性図
【図6】本発明の一実施例における高周波加熱装置の側
面断面図
【図7】同装置の制御フローチャート図
【図8】同装置の騒音特性図
【図9】従来の高周波加熱装置の側面断面図
【図10】同装置の平面断面図
【図11】同装置の送風機モーターのトルク特性図
【符号の説明】
13 加熱室 14 被加熱物 15 マグネトロン(高周波発振装置) 17 送風機 18 制御装置 19 本体枠体 26 受音装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−78477(JP,A) 特開 昭62−100989(JP,A) 実開 昭64−23899(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 6/64 F24C 7/02 541 H05B 6/68 310

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体枠体内に被加熱物を加熱する加熱室
    と、前加熱室へ高周波電磁波を供給する高周波発振装
    置と、前高周波発振装置を冷却する送風機と、前記高
    周波発振装置と送風機を制御する制御装置を備え、前記
    送風機は、前記高周波発振装置を冷却する負荷において
    電源周波数の50Hzと60Hz運転時に回転数が一致
    するトルク特性を有する隈取りモーターを用い、前記高
    周波発振装置の運転時には、前記制御装置による前記隅
    取りモーターの波数制御を行わず、前記高周波発振装置
    の停止後は、前記制御装置により前記隈取りモーターを
    波数制御することによって、商用電源周波数の50Hz
    と60Hz運転時に同一回転数とするとともに、前記高
    周波発振装置の運転時の回転数より低い回転数で制御
    る構成とした高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】機器外部騒音を受音する受音装置を備え、
    高周波発振装置停止後の送風機の回転数を、機器外部騒
    音よりも低騒音となるような回転数で運転する制御構成
    の請求項1記載の高周波加熱装置。
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JPS62100989A (ja) * 1985-10-29 1987-05-11 松下電器産業株式会社 複合加熱調理器
JPS6378477A (ja) * 1986-09-19 1988-04-08 松下電器産業株式会社 高周波加熱装置
JPH0616474Y2 (ja) * 1987-07-31 1994-04-27 三洋電機株式会社 電子レンジ

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