JP2864472B2 - 自動車用ドアトリム及びその製造方法 - Google Patents

自動車用ドアトリム及びその製造方法

Info

Publication number
JP2864472B2
JP2864472B2 JP3277091A JP27709191A JP2864472B2 JP 2864472 B2 JP2864472 B2 JP 2864472B2 JP 3277091 A JP3277091 A JP 3277091A JP 27709191 A JP27709191 A JP 27709191A JP 2864472 B2 JP2864472 B2 JP 2864472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
core material
door trim
mold
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3277091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0585169A (ja
Inventor
和男 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shigeru Kogyo KK
Original Assignee
Shigeru Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shigeru Kogyo KK filed Critical Shigeru Kogyo KK
Priority to JP3277091A priority Critical patent/JP2864472B2/ja
Publication of JPH0585169A publication Critical patent/JPH0585169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2864472B2 publication Critical patent/JP2864472B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ドアトリム及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用ドアトリムは、図6に
示すように、硬質ウレタンフォームからなる芯材2を備
えている。この芯材2は、その断面形状が、上方から下
方にかけて波状に湾曲した形状になっており、これによ
り、芯材2の表面側(右面側)に、滑らかな凹曲面部2a
と凸曲面部2bとが形成されている。そして、この芯材
2の表面は、裏面にクッション材3がラミネートされた
表皮4によって被覆されており、この表皮4が自動車
(図示せず。)の室内に露出するようになっている。この
表皮4には、通常、成形加工に適した塩化ビニールシー
ト(以下、「PVCシート」という。)が使用されてい
る。
【0003】なお、このように構成された自動車用ドア
トリム1(以下、単に「ドアトリム」と言う場合があ
る。)は、公知の成形手段(例えば、一体発泡成形等)に
よって成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の自動車用ド
アトリム1においては、表皮4としてPVCシートを使
用しているため、表皮4の表面にへこみや出っ張りが発
生し、滑らかな曲面を形成することができないという欠
点があった。
【0005】すなわち、PVCシートは熱収縮率が大き
いため、成形時の熱によって大きく収縮する。この場
合、表皮4全体が芯材2に均一に固着されていれば問題
はないが、図7に示すように、硬質ウレタンフォームか
らなる芯材2には、その表面にボイド等の気泡2cが発
生している。したがって、この気泡2c上に位置する表
皮4は芯材2に固着されていない。このため、芯材2の
凸曲面部2bに発生した気泡2c上に位置する表皮4が
熱収縮すると、図7(a)に示すように、収縮前には円弧
状(2点鎖線で示す。)であったものが弦状に変形する。
これにより、表皮4が気泡2c内に落ち込み表皮4の表
面にへこみが発生する。一方、芯材2の凹曲面部2aに
発生した気泡2c上に位置する表皮4が熱収縮すると、
図7(b)に示すように、収縮前には円弧状(2点鎖線で
示す。)であったものが弦状に変形する。これにより、
表皮4が上方に盛り上がり表皮4の表面に出っ張りが発
生する。本発明は以上のような従来の技術的課題を背景
になされたものであり、ドアトリムの表皮表面にへこみ
や出っ張りが発生しないようにして、芯材の表面に沿っ
た滑らかな曲面を形成することができる自動車用ドアト
リム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、硬質ウレタンフォームからなる芯材と、
この芯材を被覆する表皮とを備えた自動車用ドアトリム
において、前記表皮として、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーシートを用いたことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明は、上記目的を達成するため
に、前記自動車用ドアトリムを製造するに際し、前記ド
アトリムの裏面形状に対応した型面を有する真空成形用
下型と、前記ドアトリムの表面形状に対応した型面を有
する真空成形用上型とを用意し、前記下型に、予め所定
形状に発泡成形され、表面に接着剤が塗布された芯材
を、その裏面側が前記下型の型面に嵌合された状態で載
置する第一工程と、前記下型に載置された芯材の表面側
に、加熱軟化した表皮を、張った状態で固定する第二工
程と、前記上型と前記下型とを、芯材と表皮とを挟んだ
状態で嵌合させる第三工程と、芯材側から表皮側に向け
て真空吸引して、表皮の表面を前記上型の型面に密着さ
せる第四工程と、からなることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、表皮として、オレフィン系熱
可塑性エラストマーシートを使用している。このオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーシートは、図5に示すよう
に、PVCシートに比して熱収縮率が格段に小さい。し
たがって、成形後に、芯材の凹凸曲面部の気泡上に位置
する表皮が弦状に変形することがない。よって、ドアト
リムの表皮の表面にへこみや出っ張りが発生するのを防
止することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2を参
照して説明する。なお、本発明にかかる自動車用ドアト
リムの全体形状は、従来のものと同一であるので、その
説明を省略する。
【0010】図1(a)(b)において符号20a,20b
及び20cは、図6に示すドアトリム1の凹曲面部2
a,凸曲面部2b及び気泡2cにそれぞれ対応する部分
を示すものである。これらの図から明らかなように、本
発明にかかる自動車用ドアトリム10は、芯材20とク
ッション材30と表皮40とから構成されている。
【0011】ここで、表皮40としては、熱収縮率の極
めて低いオレフィン系熱可塑性エラストマーシートが使
用されている。なお、このシートの肉厚は0.3mm〜
0.8mm程度が好ましい。
【0012】なお、クッション材30としては、特に限
定されないが、軽量化の目的から比重の小さいポリプロ
ピレンフォームを用いるのが好ましい。
【0013】上記構成の自動車用ドアトリム10の製造
方法としては、雄引き真空成形法または雌引き真空成形
法によって製造する方法等を採用することができるが、
後述する理由により、雌引き真空成形法によって製造す
る方法が好ましい。
【0014】上記構成の自動車用ドアトリム10におい
ては、表皮40として、熱収縮率の極めて小さいオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーシートを使用しているの
で、従来のように、成形後に表皮4が大きく熱収縮する
ことはない。したがって、芯材20の凹凸曲面部20
a,20bに発生した気泡20c上に位置する表皮40
が、熱収縮によって弦状に変形することはない。このた
め、ドアトリム10の表皮40の表面にへこみや出っ張
りが発生することはなく、芯材20の表面に沿った滑ら
かな曲面を形成することができる(図1参照)。
【0015】次に、上述した雌引き真空成形法による自
動車用ドアトリムの製造方法を図2を参照して説明す
る。まず、図2(a)に示すように、ドアトリム10の裏
面形状(芯材20の裏面形状)に対応した型面50aを有
する真空成形用下型50と、ドアトリム10の表面形状
に対応した型面60aを有する真空成形用上型60とを
用意する。そして、以下の第一から第五の各製造工程を
経ることによって本発明にかかる自動車用ドアトリム1
0が製造される。
【0016】第一工程 図2(a)に示すように、下型50に、予め所定形状に発
泡成形され、表面に接着剤Sが塗布された芯材20(硬
質ウレタンフォーム;密度0.3,肉厚約4mm)を、
その裏面側が下型50の型面50aに嵌合された状態で
載置する。
【0017】第二工程 次に、図2(b)に示すように、下型50に載置された芯
材20の表面側に、裏面にクッション材30(ポリプロ
ピレンフォーム;密度0.034,肉厚約3mm)がラ
ミネートされ、かつ図示しない加熱装置によって加熱軟
化した表皮40(オレフィン系熱可塑性エラストマーシ
ート;密度0.9,肉厚約0.5mm)を、張った状態
でクランプ41にて固定する。
【0018】第三工程 次に、図2(b)及び図2(c)に示すように、上型60を
下方に移動させ、芯材20と表皮40とを挟んだ状態で
下型50の型面50aと上型60の型面60aとを嵌合
させる。このとき、芯材20の表面に表皮40の裏面が
接着剤Sを介して密着する。
【0019】第四工程 次に、図2(d)に示すように、芯材20側から表皮40
側に向けて真空吸引して、表皮40の表面を上型60の
型面60aに密着させる。
【0020】第五工程 その後、冷却して離型することにより、図1に示すよう
な自動車用ドアトリム10が得られる。
【0021】上記自動車用ドアトリム10の製造方法に
おいては、上型60と下型50とを、芯材20と表皮4
0とを挟み込んだ状態で嵌合させた後、芯材20側から
表皮40側に向けて真空吸引しており、その吸引力によ
って表皮40の表面を上型60の型面60aに密着させ
ている。したがって、表皮40の表面は上型60の型面
60aに対応した形状になり、気泡20c上に位置する
か否かに拘わらず滑らかな表面となる。
【0022】これに対し、雄引き真空成形法による自動
車用ドアトリムの製造方法においては、図3に示すよう
に、下型50′に載置された芯材20の表面側に、上記
同様にして加熱軟化した表皮40をクランプ41にて固
定した後、表皮40側から芯材20側に向けて真空吸引
して、表皮40の裏面を芯材20の表面に接着剤Sを介
して密着させる共に、芯材20の裏面を下型50′の型
面50′aに密着させている。
【0023】したがって、雄引き真空成形の場合は、成
形時において、表皮40側から芯材20側に向けて約1
Kg/cm2(大気圧)の圧力が加わることになる。この
ため、図4に示すように、芯材20の表面に発生した気
泡20c上に位置する表皮40は、上記圧力によって芯
材20側に押され気泡20c内に落ち込む。この結果、
ドアトリム10の表皮40の表面にへこみが発生するお
それがある。よって、上述したように雌引き真空成形法
による自動車用ドアトリムの製造方法が好ましいという
結論となる。
【0024】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更可
能である。例えば、本実施例では、表皮40として、オ
レフィン系熱可塑性エラストマーシートを使用した自動
車用ドアトリムの製造方法として、雄引き真空成形法及
び雌引き真空成形法を例に採ったが、その他の公知成形
手段(例えば、一体発泡成形等)を採用することも可能で
ある。しかし、上述したように雌引き真空成形法による
のが好ましい。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているた
め、自動車用ドアトリムの表皮表面にへこみや出っ張り
が発生するのを防止することができ、芯材の表面に沿っ
た滑らかな曲面を形成することができるという効果等が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる自動車用ドアトリムの要部断面
図であり、(a)は凸曲面部の断面図であり、(b)は凹曲
面部の断面図である。
【図2】本発明にかかる自動車用ドアトリムの製造方法
を示すものであり、(a)は真空成形用下型に、表面に接
着剤が塗布された芯材を載置した状態を示す断面図であ
り、(b)は芯材の表面側に、加熱軟化した表皮を、張っ
た状態でクランプ止めした状態を示す断面図であり、
(c)は真空成形用上型と真空成形用下型とを、芯材と表
皮とを挟んだ状態で嵌合させた状態を示す断面図であ
り、(d)は芯材側から表皮側に向けて真空吸引して、表
皮の表面を真空成形用上型の型面に密着させた状態を示
す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す図である。
【図5】PVCシート及びオレフィン系熱可塑性エラス
トマーシートの熱収縮特性を示す図である。
【図6】従来の自動車用ドアトリムの縦断面図である。
【図7】従来の自動車用ドアトリムの要部断面図であ
り、(a)は凸曲面部の断面図であり、(b)は凹曲面部の
断面図である。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム 20 芯材 40 表皮(オレフィン系熱可塑性エラストマーシート) 50 真空成形用下型 50a 型面 60 真空成形用上型 60a 型面 S 接着剤

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質ウレタンフォームからなる芯材と、
    この芯材を被覆する表皮とを備えた自動車用ドアトリム
    において、前記表皮として、オレフィン系熱可塑性エラ
    ストマーシートを用いたことを特徴とする自動車用ドア
    トリム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用ドアトリムを製
    造するに際し、 前記ドアトリムの裏面形状に対応した型面を有する真空
    成形用下型と、前記ドアトリムの表面形状に対応した型
    面を有する真空成形用上型とを用意し、 (イ)前記下型に、予め所定形状に発泡成形され、表面に
    接着剤が塗布された芯材を、その裏面側が前記下型の型
    面に嵌合された状態で載置する第一工程と、 (ロ)前記下型に載置された芯材の表面側に、加熱軟化し
    た表皮を、張った状態で固定する第二工程と、 (ハ)前記上型と前記下型とを、芯材と表皮とを挟んだ状
    態で嵌合させる第三工程と、 (ニ)芯材側から表皮側に向けて真空吸引して、表皮の表
    面を前記上型の型面に密着させる第四工程と、 からなることを特徴とする自動車用ドアトリムの製造方
    法。
JP3277091A 1991-09-27 1991-09-27 自動車用ドアトリム及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2864472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3277091A JP2864472B2 (ja) 1991-09-27 1991-09-27 自動車用ドアトリム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3277091A JP2864472B2 (ja) 1991-09-27 1991-09-27 自動車用ドアトリム及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0585169A JPH0585169A (ja) 1993-04-06
JP2864472B2 true JP2864472B2 (ja) 1999-03-03

Family

ID=17578653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3277091A Expired - Fee Related JP2864472B2 (ja) 1991-09-27 1991-09-27 自動車用ドアトリム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2864472B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5541875B2 (ja) * 2009-03-27 2014-07-09 三惠工業株式会社 椅子用クッションの成形方法及び椅子
WO2019064327A1 (ja) * 2017-09-26 2019-04-04 河西工業株式会社 自動車用内装部品

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61222842A (ja) * 1985-03-28 1986-10-03 Shigeru Kogyo Kk 自動車内装部品の製造方法
JP2561540B2 (ja) * 1989-08-31 1996-12-11 新東工業株式会社 薄膜貼り込み装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0585169A (ja) 1993-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2864472B2 (ja) 自動車用ドアトリム及びその製造方法
US20070028386A1 (en) Seat cushion with integral cover attachment
JP3085825B2 (ja) 真空成形法
JP4819987B2 (ja) 積層樹脂成形品およびその製造方法
JP2969045B2 (ja) 自動車用内装部品およびその製造方法
US3023700A (en) Method of making electrotype plates
JP2005125735A (ja) 内装品の真空成形方法及び真空成形機
JP4440426B2 (ja) 成形品及びその製造方法
US6932927B2 (en) Method for producing a plastic composite element
JPH05169524A (ja) 真空成形方法
JPH06246858A (ja) 内装材及びその製造方法
JP4820050B2 (ja) 積層樹脂材
JP2869879B2 (ja) 絞り成形用複合シート
JPH0667577B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JP3243275B2 (ja) 内装貼合せ部品の接着構造
JP2525973B2 (ja) 表皮材の真空貼着方法
JPH079483A (ja) 射出成形同時絵付け用シート及びそれを用いた絵付け方法
JPS61235111A (ja) 積層成形体の製造方法
JPH09254174A (ja) 発泡性基材の成形方法
JP3098959B2 (ja) 椅子成形方法及びクッション
JPH11286050A (ja) 基材・シート材一体成形方法
JP3058320B2 (ja) 自動車用内装部品及びその製造方法
JPH05261819A (ja) 表皮と基材を有する内装部材の製造方法
JPH0688267B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JPS62259820A (ja) 内装部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees