JP2861724B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
積層セラミック電子部品の製造方法Info
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Description
のような積層セラミック電子部品の製造方法に関し、特
に、マザーの積層体から個々の積層セラミック電子部品
単位の積層体チップを得る工程が改良された積層セラミ
ック電子部品の製造方法に関する。
は、量産性を高めるために、通常マザーの積層体を用意
し、該マザーの積層体を個々の積層セラミック電子部品
単位に切断してから焼成する方法が用いられている。
とると、まず、マトリクス状に多数の内部電極が形成さ
れた複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、マザ
ーの積層体を得る。しかる後、マザーの積層体を切断
し、マザーの積層体を個々の積層コンデンサ単位の積層
体チップに切断する。このような積層体チップの一例を
図1に示す。積層体チップ1では、複数枚のセラミック
グリーンシートを積層してなる積層体2内に、内部電極
3〜5がセラミック層を介して隔てられて厚み方向に重
なり合うように配置されている。
ミック部分は、セラミック粉末の他に合成樹脂バインダ
ー及び溶剤を含む。従って、上記のようにマザーの積層
体を切断した後においても、隣合う積層体チップ同士が
付着しがちである。
の一方主面7a側から確実に他方主面7b側まで至らず
に、例えば他方主面7b側において隣接する積層体チッ
プ2同士がつながったままの状態となっていることもあ
る。
が付着したり、つながっている場合には、そのまま焼成
すると得られた焼結体においても、隣合う個々の積層コ
ンデンサ単位の焼結体チップ同士が合着されてしまう。
そこで、従来、切断後であって、焼成に供する前に、容
器内に切断された複数の積層体チップを入れ、上下方向
あるいは横方向の振動を与えることにより、複数の積層
体チップを分離した後に焼成を行っていた。
ように振動を与えて個々の積層体チップ間を分離する場
合、振動の与え方が弱い場合には、積層体チップ同士が
付着している部分が残り、確実に分離することができな
かった。他方、分離を確実にするために、強い振動ある
いは長時間に渡り振動を与えた場合には、個々の積層体
チップ同士の付着は防止されるものの、図1に示した積
層体チップ1を例にとると、内部電極3〜5と、セラミ
ック層との間の幅で、いわゆる層間剥がれが生じるとい
う問題があった。
部品の製造方法では、焼成に先立つ個々の積層体チップ
同士の分離に際し、分離のための振動付与条件を最適な
ものに設定しなければならず、かつ最適な条件に設定し
たとしても、上記のような付着を完全に防止したり、あ
るいは層間剥がれの発生を確実に防止することは非常に
困難であった。
体チップ同士の合着が生じていない複数の個々の積層体
チップをマザーの積層体から確実に得ることを可能とす
る工程を備えた、積層セラミック電子部品の製造方法を
提供することにある。
電子部品の製造方法は、多数の内部電極が並設して埋設
された未焼成のマザーの積層体を用意する工程と、前記
マザーの積層体を個々のセラミック電子部品単位の積層
体チップに切断する工程と、切断された複数の積層体チ
ップに振動を与えて複数の積層体チップ間を分離する工
程と、前記積層体チップを焼成する工程とを備える積層
セラミック電子部品の製造方法において、前記切断後で
あって前記振動を与えて分離するに先立ち、複数の積層
体チップを70〜200℃の温度で15〜240分間乾
燥する工程をさらに備えることを特徴とする、積層セラ
ミック電子部品の製造方法である。
を分離するための振動を与える前に、積層体チップを7
0〜200℃の温度で15〜240分間乾燥する工程が
備えられている。この乾燥により、積層体生チップ表面
の剛性及び内部電極とセラミック層との密着性が高めら
れる。従って、切断された積層体チップにより強い振動
あるいはより長時間の振動を与えて分離した場合であっ
ても、層間剥がれが生じ難い。よって、より強い振動を
与えて分離することにより、複数の積層体チップ同士の
合着を確実に防止することができる。
積層体チップを振動を与えて分離するに先立ち、積層体
チップを上記特定条件下で乾燥することにより、積層体
チップ表面の硬度及び内部電極とセラミック層との密着
強度が高められる。よって、分離に際しての振動をより
強く与えた場合であっても、層間剥がれの生じた不良品
が生じ難いため、確実に積層体チップを分離することが
できる。よって、外観不良の少ない積層セラミック電子
部品を従来法に比べて確実に提供することが可能とな
る。
により、本発明を明らかにする。以下においては、積層
セラミック電子部品として積層コンデンサを製造する場
合の実施例につき説明する。
ダー及び有機溶剤を混練してなるセラミックスラリーを
調製し、該セラミックスラリーを用いてセラミックグリ
ーンシートを作製した。次に、複数枚のセラミックグリ
ーンシートを、間に多数のマトリクス状の内部電極を介
在するように積層し、未焼成のマザーの積層体を用意し
た。このマザーの積層体の形成は、積層法に限らない。
積層体を、個々の積層コンデンサ単位の積層体チップに
切断した。上記マザーの積層体を用意する工程及び切断
工程は、従来の積層セラミック電子部品の製造方法に従
って行った。
チップを電気オーブン中において150℃の温度で24
0分間保持し、乾燥を行った。この乾燥前後の積層体チ
ップにおける内部電極とセラミック層との間の密着力を
測定した。測定は、個々の積層体チップの両主面に引っ
張り治具を固着し、両主面が遠ざかる方向に引っ張り力
を加え、層間剥がれ、すなわち内部電極とセラミック層
との間の剥がれが生じるに至った力を測定し、密着力
(単位はkg)とした。なお、乾燥前後の積層体生チッ
プ各10個につき、上記密着力を評価した。結果を下記
の表1に示す。
経ることにより、密着力は、平均値及び最小値のいづれ
においても2倍以上高められることがわかる。次に、上
記のようにして乾燥された複数の積層体チップを、プラ
スチック容器内に入れ、上下方向の振幅が約10cmと
なるように該プラスチック容器を振動させた。この振動
を与える前、200回与えた後及び2000回与えた後
の積層体チップの外観を観察した。
層体チップについても、上記と同様に振動を与え、外観
不良の発生状況を観察した。結果を下記の表2に示す。
なお、下記の外観不良については、表2から明らかなよ
うに、層間剥がれ、すなわち内部電極とセラミック層と
の間の層剥がれと、くっつき不良すなわち複数の積層体
チップ同士の合着について観察した。
経た積層体チップでは、上記振動回数を増加させるにつ
れ、外観不良を完全に無くすことができた。これに対
し、乾燥工程を経ていない積層体チップの場合には、振
動回数を増加させることにより、積層体チップ同士の合
着を低減し得るものの、層間剥がれが著しく増加するこ
とがわかる。
40分の条件で積層体チップを乾燥すれば、内部電極と
セラミック層の密着性が高められて層間剥がれが生じ難
いこと、並びに、より強く振動を付加しても層間剥がれ
が生じることなく積層体チップ同士の付着現象を確実に
防止し得ることがわかる。
部電極とセラミック層との密着力を確実に高め得る範囲
を調べた。結果を、図3及び図4に示す。図3は、乾燥
時間を240分に固定し、複数個の積層体チップについ
て、乾燥温度を変化させた場合の上記密着力の変化を示
す図である。なお、図3においては、平均値(n=10
個)及び最小値についての変化を示した。図3から明ら
かなように、乾燥温度が長くなるにつれ密着力が高まる
が、200℃を超えると密着力が逆に低下することがわ
かる。これは、200℃を超えると、セラミックが急激
に乾燥されるために、密着力が低下するものと考えられ
る。また、乾燥温度が70℃未満の場合には、密着力は
乾燥しない場合に比べて高められるものの、240分間
乾燥しても密着力改善効果があまり大きくないことがわ
かる。
燥時間を変化させた場合の密着力の変化を示す図であ
る。なお、図4においても、平均値(n=10個)及び
最小値についての変化を示した。図4から明らかなよう
に、乾燥温度150℃の場合、乾燥時間を延長するにつ
れ、密着力が高まることがわかる。もっとも、この乾燥
時間については、240分程度で密着力を高める効果が
ほぼ飽和することがわかる。また、乾燥時間が15分未
満では、密着力がさほど高められないこともわかる。
ように、70〜200℃の温度で15〜240分間乾燥
することが必要である。なお、上記説明では、積層体チ
ップを上記特定の条件で乾燥した後、振動を与えて分離
する工程までを説明したが、その後の工程、すなわち積
層体チップの焼成及び外部電極の付与等については、従
来より周知の製造方法をそのまま適用することができ
る。
チップでは、上記乾燥工程を経ることにより、振動強度
もしくは振動回数を増加させ、積層体チップ同士を確実
に分離することができ、しかも層間剥がれも生じ難い。
よって、層間剥がれ等の外観不良のない積層コンデンサ
を効率良く量産することができる。
視図。
力との関係を示す図。
力との関係を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 多数の内部電極が並設して埋設された未
焼成のマザーの積層体を用意する工程と、 前記マザーの積層体を個々のセラミック電子部品単位の
積層体チップに切断する工程と、 切断された複数の積層体チップに振動を与えて複数の積
層体チップ間を分離する工程と、 前記積層体チップを焼成する工程とを備える積層セラミ
ック電子部品の製造方法において、 前記切断後であって前記振動を与えて分離するに先立
ち、複数の積層体チップを70〜200℃の温度で15
〜240分間乾燥する工程をさらに備えることを特徴と
する、積層セラミック電子部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5099704A JP2861724B2 (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5099704A JP2861724B2 (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06310365A JPH06310365A (ja) | 1994-11-04 |
JP2861724B2 true JP2861724B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=14254454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5099704A Expired - Lifetime JP2861724B2 (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2861724B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4513932B2 (ja) * | 1999-08-20 | 2010-07-28 | Tdk株式会社 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
WO2024029188A1 (ja) * | 2022-08-05 | 2024-02-08 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミック電子部品 |
-
1993
- 1993-04-26 JP JP5099704A patent/JP2861724B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06310365A (ja) | 1994-11-04 |
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