JP2860058B2 - 安定化電源回路 - Google Patents

安定化電源回路

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JP2860058B2 JP19033694A JP19033694A JP2860058B2 JP 2860058 B2 JP2860058 B2 JP 2860058B2 JP 19033694 A JP19033694 A JP 19033694A JP 19033694 A JP19033694 A JP 19033694A JP 2860058 B2 JP2860058 B2 JP 2860058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電流制限機能を有する
安定化電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図3には、第1従来例に係る安定化電源
回路の構成が示されている。この従来例は、トランジス
タQ1 及びQ2 並びに定電流源1〜3から構成される第
1のエラーアンプを備えている。トランジスタQ3 のコ
レクタから出力される出力電圧Vo は、抵抗R1 及びR
2 から構成されるブリーダにより分圧され第1のエラー
アンプのトランジスタQ2 のベースに帰還される。トラ
ンジスタQ2 と差動関係にあるトランジスタQ1 のベー
スにはリファレンス電圧Vref が印加されているため、
トランジスタQ2 のコレクタにはVref に対するVo ・
R2 /(R1 +R2 )の誤差に相当する電圧が現れる。
この従来例では、この電圧をトランジスタQ3 のベース
に印加して、安定化した出力電圧Vo を得ている。
【0003】この従来例は、トランジスタQ3 のコレク
タ電流(出力電流)Io が過電流となった場合に図4に
示されるような垂下特性にて電流制限を施す機能を有し
ている。出力電流Io の過電流状態は、安定化出力電圧
Vo により駆動される回路の側で地絡事故が発生した場
合に生じる。例えば、あるICを安定化電源回路にて駆
動する場合に、このICが搭載されているプリント基板
上の電源配線にグラウンドとの短絡箇所があると、出力
電圧Vo が低下し出力電流Io が増大する。このような
状態が発生すると顕著な場合トランジスタQ3 が破壊す
る。図3に設けられている回路のうち、トランジスタQ
4 、抵抗R3 、コンデンサC及びトランジスタQ5 から
構成されるループは、このような事態から安定化電源回
路、特に出力トランジスタQ3 を保護するための回路で
ある。
【0004】まず、トランジスタQ3 及びQ4 は電流ミ
ラー回路を構成しており、トランジスタQ4 のコレクタ
には出力電流Io ×ミラー比Xの電流が流れる。抵抗R
3 はトランジスタQ4 のコレクタ電流を電圧に変換す
る。抵抗R3 による電圧降下分はトランジスタQ5 のベ
ースに印加される。トランジスタQ5 は、トランジスタ
Q1 及び定電流源1〜3と共に、第2のエラーアンプを
構成している。トランジスタQ5 のコレクタにはVref
に対するIo ・X・R3 の誤差に相当する電圧が現れ
る。この電圧はトランジスタQ3 のベースに印加され
る。
【0005】第2のエラーアンプが動作するのは、出力
電流Io が過電流となったときである。すなわち、出力
電流Io が制限値より小さい間(正常である間)はトラ
ンジスタQ5 のベース電圧はトランジスタQ2 のベース
電圧より低いから、トランジスタQ2 がオン、トランジ
スタQ5 がオフ状態であり、第1のエラーアンプが動作
する。出力電流Io が増大していき制限値に至ると、ト
ランジスタQ5 のベース電圧がトランジスタQ2 のベー
ス電圧より高くなり、トランジスタQ2 がオフ、トラン
ジスタQ5 がオンする。これにより第2のエラーアンプ
が動作する。第2のエラーアンプが動作している状態で
は、出力電圧Vo にかかわらず出力電流Io が一定値に
維持されるようトランジスタQ3 が駆動されるから、図
4に示されるような垂下特性による電流制限が実現され
る。
【0006】図5には、第2従来例に係る安定化電源回
路の構成が示されている。この従来例は、第1従来例の
回路に、トランジスタQ6 及びQ7 から構成される電流
ミラー回路並びに抵抗R4 を付加した構成である。出力
電流Io が制限値より小さな間は第1従来例と同様の第
1のエラーアンプが動作する。出力電流Io が増大して
いき制限値に至ると、第1従来例と同様、トランジスタ
Q4 のコレクタ電流が抵抗R3 により電圧に変換され、
抵抗R3 による電圧降下分がトランジスタQ5のベース
に印加される。従って、第1従来例と同様、第2のエラ
ーアンプが動作する。
【0007】但し、この従来例では、トランジスタQ4
のコレクタ電流は、出力電流Io やトランジスタQ3 及
びQ4 から構成される電流ミラー回路のミラー比Xのみ
では決まらない。すなわち、抵抗R4 に流れる電流(出
力電圧Vo に対応する)によっても制限を受ける。従っ
て、この従来例における制限値Ilimit は次の値とな
る。この式の右辺第1項は、トランジスタQ3 及びQ4
から構成される電流ミラー回路に関連する項であり、出
力電圧Vo が0となる時点の出力電流Io 、すなわちシ
ョート時電流Ishort を表している。第2項は、トラン
ジスタQ6 及びQ7 から構成される電流ミラー回路に関
連する項である。従って、電流制限特性は図6に示され
るような「フ」の字特性となる。但し、VBEはトランジ
スタQ6 のベースエミッタ間電圧である。
【0008】
【数1】Ilimit =Vref /R3 ・X+(Vo −VBE)
/R4 ・X
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来例には、
いずれも、コンデンサCが大容量であり、IC化した場
合にこれを外付けせざるを得ず部品点数が多くなる、と
いう問題がある。
【0010】まず、第1従来例において、数MHzまで
延びているゲイン周波数特性を数十〜数百Hzまで落と
し安定化電源回路の出力から高周波成分を除去するため
には、トランジスタQ3 のコレクタとグラウンドの間に
数十μFのコンデンサを設けると共に、出力トランジス
タQ4 から抵抗R3 を経てトランジスタQ5 に至る帰還
ループに位相補償用のローパスフィルタを設けなければ
ならない。トランジスタQ3 とトランジスタQ4 から構
成される電流ミラー回路のミラー比Xを1000とした
場合、抵抗R3 と共にローパスフィルタを構成するコン
デンサCは数万pF程度の大きな静電容量となるから、
IC内で構成するのは困難である。
【0011】特に、第2従来例においては、トランジス
タQ5 がオフしている時点でもトランジスタQ3 からト
ランジスタQ6 、Q7 、抵抗R3 を経てトランジスタQ
5 に至る経路で正帰還が加わっているから、この意味で
も位相補償は必須である。抵抗R3 に流れる電流がμA
オーダーであるとすると抵抗R3 の値はkΩオーダーと
なり、コンデンサCはやはり数万pF程度の大きな静電
容量となるから、IC内で構成するのは困難である。
【0012】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、電流制限用の帰還
ループに位相補償用のローパスフィルタを設ける際、こ
のローパスフィルタを能動素子を用いて構成することに
より、大きな静電容量を有する位相補償用コンデンサを
使用する必要をなくし、小形化、IC化に適した安定化
電源回路を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、電流制限用の帰還ループが、検出
した出力電流を電圧に変換するための抵抗と出力電流の
高周波成分を除去するコンデンサの間に、少なくとも出
力トランジスタの出力電流が過剰となった場合にオンし
オン抵抗を挿入する能動素子を備えることを特徴とす
る。
【0014】本発明は、さらに、上記能動素子がFET
であることを特徴とする。本発明は、上記能動素子と共
に電流ミラー回路を構成し検出した出力電流に応じた値
の電流を上記能動素子に供給するFETを備えることを
特徴とする。本発明は、上記抵抗に流れる電流を出力電
圧に応じて制限する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明においては、検出した出力電流を電圧に
変換するための抵抗と出力電流の高周波成分を除去する
コンデンサの間に、オン抵抗を有する能動素子が挿入さ
れる。これにより、抵抗、コンデンサ及び能動素子から
構成されるローパスフィルタが、電流制限用の帰還ルー
プに挿入される。このローパスフィルタのカットオフ周
波数は、抵抗、コンデンサ及び能動素子のオン抵抗の値
により決定される。従って、抵抗及びコンデンサのみに
よってカットオフ周波数を決めていた構成に比べ、能動
素子のオン抵抗相当分、コンデンサの静電容量を小さく
できるため、少なくとも従来と同程度の電流制限性能及
び周波数特性を維持しながら、小形化、IC化に適した
安定化電源回路を実現することが可能になる。
【0016】特に、上記能動素子としてFETを使用し
た場合、そのオン抵抗は非常に大きくなるため、コンデ
ンサの静電容量を非常に小さくでき、またカットオフ周
波数を設計するに当たって電流電圧変換用の抵抗の値を
無視できる。さらに、このFETに対し検出した出力電
流に応じた値の電流を供給するFETを、電流ミラー回
路を構成するよう設けることにより、ローパスフィルタ
を構成するFETのスレッショルド電圧のばらつきを吸
収できる。
【0017】そして、本発明の電流制限特性は、垂下特
性にも「フ」の字特性にもすることができる。「フ」の
字特性にする場合、電流電圧変換用の抵抗に流れる電流
を出力電圧に応じて制限するようにすればよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図3〜図6に示される従来例と
同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0019】図1には本発明の第1実施例に係る安定化
電源回路の構成が、図2には第2実施例に係る安定化電
源回路の構成が、それぞれ示されている。第1実施例の
電流制限特性は垂下特性であり、第2実施例の電流制限
特性は「フ」の字特性である。これらの実施例は、第1
又は第2従来例にトランジスタQ8 及びQ9 を付加した
構成である。トランジスタQ8 及びQ9 は電流ミラー回
路を構成している。トランジスタQ5 としては、新たに
付加したトランジスタQ8 及びQ9 と同様、FETが用
いられている。
【0020】この実施例におけるトランジスタQ9 は抵
抗として使用されている。すなわち、トラジスタQ8 に
大きなドレイン電流が流れるとトランジスタQ9 にはミ
ラー比倍のドレイン電流が流れる。この状態、すなわち
トランジスタQ9 がオンしている状態では、トランジス
タQ9 のオン抵抗が、電流制限用の帰還ループ上の位相
補償用ローパスフィルタに挿入されることになる。ここ
に、トランジスタQ9としてFETを用いているため、
そのオン抵抗を数十MΩオーダーとすることができる。
この抵抗値は電流電圧変換用の抵抗R3 の値(数kΩオ
ーダー)に比べ十分大きいから、本実施例における位相
補償用ローパスフィルタのカットオフ周波数は、専ら、
トランジスタQ9 のオン抵抗とコンデンサCの静電容量
にて決定される。抵抗R3 に比べトランジスタQ9 のオ
ン抵抗は10000倍程度大きいから、抵抗R3 を単に
大きくした場合のようにトランジスタQ5 のベース電圧
の変化を招くことなく、コンデンサCの静電容量を従来
例の1/10000程度、すなわち数pF〜数十pFま
で小さくすることができる。この結果、コンデンサCを
安定化電源回路IC内に構成でき、外付け部品の点数が
減ってコストダウンを実現できる。
【0021】さらに、トランジスタQ8 及びQ9 により
電流ミラー回路を構成しているため、次の式が成り立
ち、トランジスタQ9 のスレシュホールド電圧のばらつ
きによるオン抵抗のばらつきを吸収できる。
【0022】
【数2】L9 /W9 =Ron/{(2・L8 /W8 )・K
P ・ID }1/2 但し、L9 ,W9 :トランジスタQ9 の実効ゲート長及
び幅 L8 ,W8 :トランジスタQ8 の実効ゲート長及び幅 Ron:トランジスタQ9 のオン抵抗 KP :トランジスタQ8 及びQ9 のトランスコンダクタ
ンス ID :トランジスタQ8 のドレイン電流 なお、トランジスタQ5 をFETとしているのは、バイ
ポーラとするとオフセットが著しくなるためである。ま
た、各バイポーラトランジスタの極性は、設計的にPN
P又はNPNとすることができ、各バイポーラトランジ
スタをFETに置き換えることもできる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検出した出力電流を電圧に変換するための抵抗と出力電
流の高周波成分を除去するコンデンサの間に、オン抵抗
を有する能動素子を挿入し、抵抗、コンデンサ及び能動
素子から構成されるローパスフィルタを電流制限用の帰
還ループに挿入するようにしたため、従来と同様の電流
制限特性及び周波数特性を少なくとも維持しながらコン
デンサの静電容量を小さくでき、小形化、IC化に適し
た安定化電源回路を実現できる。
【0024】特に、上記能動素子としてFETを使用し
た場合、そのオン抵抗は非常に大きくなるため、コンデ
ンサの静電容量を非常に小さくでき、またカットオフ周
波数を設計するに当たって電流電圧変換用の抵抗の値を
無視できる。さらに、このFETに対し検出した出力電
流に応じた値の電流を供給するFETを、電流ミラー回
路を構成するよう設けることにより、ローパスフィルタ
を構成するFETのスレショルド電圧のばらつきを吸収
できる。そして、本発明の電流制限特性は、垂下特性に
も「フ」の字特性にもすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る安定化電源回路の構
成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る安定化電源回路の構
成を示す回路図である。
【図3】第1従来例に係る安定化電源回路の構成を示す
回路図である。
【図4】第1従来例の電流制限特性を示す図である。
【図5】第2従来例に係る安定化電源回路の構成を示す
回路図である。
【図6】第1従来例の電流制限特性を示す図である。
【符号の説明】
Vcc 電源電圧 Vref リファレンス電圧 Vo 出力電圧 Io 出力電流 1〜3 定電流源 Q1 〜Q9 トランジスタ R1 〜R4 抵抗 C コンデンサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定化された出力電圧を外部に出力する
    ための出力トランジスタと、出力トランジスタの出力電
    圧を検出し、所定のリファレンス電圧を基準として出力
    電圧の誤差を検出し、検出した誤差が抑制されるよう出
    力トランジスタを駆動する電圧安定化手段と、上記出力
    電流を検出し、上記リファレンス電圧を基準として出力
    電流の過剰分を検出し、少なくとも検出した過剰分が打
    ち消されるよう出力トランジスタを駆動する電流制限手
    段と、を備え、 電流制限手段が、 検出した出力電流を電圧に変換する抵抗と、 抵抗に並列接続され出力電流の高周波成分を除去するコ
    ンデンサと、 少なくとも出力トランジスタの出力電流が過剰となった
    場合にオンし抵抗とコンデンサの間にそのオン抵抗を挿
    入する能動素子と、 を備えることを特徴とする安定化電源回路。
  2. 【請求項2】 安定化電源回路の出力電流を検出し、所
    定のリファレンス電圧を基準として出力電流の過剰分を
    検出し、少なくとも検出した過剰分が打ち消されるよう
    出力電流を制御する電流制限回路において、 検出した出力電流を電圧に変換する抵抗と、 抵抗に並列接続され出力電流の高周波成分を除去するコ
    ンデンサと、 少なくとも出力電流が過剰となった場合にオンし抵抗と
    コンデンサの間にそのオン抵抗を挿入する能動素子と、 を備えることを特徴とする電流制限回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の回路において、 上記能動素子がFETであることを特徴とする回路。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の回路において、 上記能動素子と共に電流ミラー回路を構成し検出した出
    力電流に応じた値の電流を上記能動素子に供給するFE
    Tを備えることを特徴とする回路。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の回路において、 上記抵抗に流れる電流を出力電圧に応じて制限する手段
    を備えることを特徴とする回路。
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JP2012083850A (ja) * 2010-10-07 2012-04-26 On Semiconductor Trading Ltd 定電圧電源回路

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