JP2859980B2 - 獣毛繊維布帛の加工方法 - Google Patents
獣毛繊維布帛の加工方法Info
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- JP2859980B2 JP2859980B2 JP17442991A JP17442991A JP2859980B2 JP 2859980 B2 JP2859980 B2 JP 2859980B2 JP 17442991 A JP17442991 A JP 17442991A JP 17442991 A JP17442991 A JP 17442991A JP 2859980 B2 JP2859980 B2 JP 2859980B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,獣毛繊維布帛の片面に
親水性,他面に撥水性を付与する加工方法に関するもの
である。
親水性,他面に撥水性を付与する加工方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在,スポーツ衣料分野において,種々
の機能性が要求されている。1枚の布帛で片面が親水
性,他面が撥水性という相反する機能を併せもった布帛
もその1つである。
の機能性が要求されている。1枚の布帛で片面が親水
性,他面が撥水性という相反する機能を併せもった布帛
もその1つである。
【0003】親水性素材の場合は,撥水機能を布帛の片
面に付与することにより,その目的が達せられる。しか
し,疎水性素材の場合は,親水化処理,撥水化処理の2
段階の工程が必要となり,それぞれの加工剤処理の結
果,風合に影響を与えることが多い。
面に付与することにより,その目的が達せられる。しか
し,疎水性素材の場合は,親水化処理,撥水化処理の2
段階の工程が必要となり,それぞれの加工剤処理の結
果,風合に影響を与えることが多い。
【0004】獣毛繊維布帛は,本来疎水性を有している
ため,親水化処理が必要である。一般にはクロリネーシ
ヨンによって親水化が図られるが,染色布には適用でき
ない。加工剤による親水化もあるが,耐久性に乏しい。
ため,親水化処理が必要である。一般にはクロリネーシ
ヨンによって親水化が図られるが,染色布には適用でき
ない。加工剤による親水化もあるが,耐久性に乏しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,獣毛繊維布帛に何ら悪影
響を与えることなく,各々の面にそれぞれ親水性と撥水
性を付与することを目的とするものである。
現状に鑑みて行われたもので,獣毛繊維布帛に何ら悪影
響を与えることなく,各々の面にそれぞれ親水性と撥水
性を付与することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,獣毛繊維布帛に予め低温プラズマ処理を
施して親水性を付与した後,布帛の片側の表面層に撥水
処理を行うことを特徴とする獣毛繊維布帛の加工方法を
要旨とするものである。
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,獣毛繊維布帛に予め低温プラズマ処理を
施して親水性を付与した後,布帛の片側の表面層に撥水
処理を行うことを特徴とする獣毛繊維布帛の加工方法を
要旨とするものである。
【0007】以下,本発明を詳細に説明する。本発明で
は,まず第1工程として,獣毛繊維布帛に予め低温プラ
ズマ処理を施す。本発明でいう獣毛繊維とは,羊,らく
だ,山羊,うさぎ等の動物から得られる天然ケラチン質
繊維を意味し,また,獣毛繊維布帛とは,獣毛繊維単独
で,または獣毛繊維と多種繊維とを混合使用して得られ
る織物,編物,不織布等を意味している。ここで混合使
用される多種繊維としては,ポリエステル,アクリル,
ナイロン,アラミド,ポリクラール,塩化ビニル等の合
成繊維や絹,綿,麻,レーヨン等の天然繊維を挙げるこ
とができる。
は,まず第1工程として,獣毛繊維布帛に予め低温プラ
ズマ処理を施す。本発明でいう獣毛繊維とは,羊,らく
だ,山羊,うさぎ等の動物から得られる天然ケラチン質
繊維を意味し,また,獣毛繊維布帛とは,獣毛繊維単独
で,または獣毛繊維と多種繊維とを混合使用して得られ
る織物,編物,不織布等を意味している。ここで混合使
用される多種繊維としては,ポリエステル,アクリル,
ナイロン,アラミド,ポリクラール,塩化ビニル等の合
成繊維や絹,綿,麻,レーヨン等の天然繊維を挙げるこ
とができる。
【0008】上述のごとく,本発明では,獣毛繊維布帛
は,まず低温プラズマ処理されるが,このとき使用され
る低温プラズマ処理装置は,低圧が維持できる真空容器
中に放電用の一対の電極を設け,特定のガスを所定流量
で導入でき,付設した真空ポンプで容器内を排気し,一
定圧に保つことができる構造と性能を有する装置であ
る。この装置内の電極に電圧を印加すれば,グロー放電
を起こし,導入したガスが低温プラズマ状態となる。最
も一般的には13.56MHzの高周波電力を印加する。電
極間に形成された低温プラズマ雰囲気中に処理すべき布
帛を所望の速度で通過させることにより,低温プラズマ
処理を行うことができる。
は,まず低温プラズマ処理されるが,このとき使用され
る低温プラズマ処理装置は,低圧が維持できる真空容器
中に放電用の一対の電極を設け,特定のガスを所定流量
で導入でき,付設した真空ポンプで容器内を排気し,一
定圧に保つことができる構造と性能を有する装置であ
る。この装置内の電極に電圧を印加すれば,グロー放電
を起こし,導入したガスが低温プラズマ状態となる。最
も一般的には13.56MHzの高周波電力を印加する。電
極間に形成された低温プラズマ雰囲気中に処理すべき布
帛を所望の速度で通過させることにより,低温プラズマ
処理を行うことができる。
【0009】具体的には,処理すべき布帛を真空容器内
に収容し,真空ポンプにより排気,減圧して,内圧を0.
01〜10Torrに調整する。次いで,所定のガスを導入
して0.1〜5Torrに調整する。このとき用いるガスとし
ては,酸素,窒素,アルゴン,ヘリウム,アンモニア,
空気等,各種のガスを使用することができる。ここで電
極に高周波電力を印加すると,導入されたガスが低温プ
ラズマ状態となる。高周波電力は0.1〜5W/cm2(電
極単位面積)程度が適当である。この低温プラズマ雰囲
気中に布帛を通過させることにより,低温プラズマ処理
を行うことができる。処理時間は,通常数秒〜300
秒,好ましくは30〜180秒である。
に収容し,真空ポンプにより排気,減圧して,内圧を0.
01〜10Torrに調整する。次いで,所定のガスを導入
して0.1〜5Torrに調整する。このとき用いるガスとし
ては,酸素,窒素,アルゴン,ヘリウム,アンモニア,
空気等,各種のガスを使用することができる。ここで電
極に高周波電力を印加すると,導入されたガスが低温プ
ラズマ状態となる。高周波電力は0.1〜5W/cm2(電
極単位面積)程度が適当である。この低温プラズマ雰囲
気中に布帛を通過させることにより,低温プラズマ処理
を行うことができる。処理時間は,通常数秒〜300
秒,好ましくは30〜180秒である。
【0010】次に,本発明では,第2工程として低温プ
ラズマ処理された獣毛繊維布帛の表面に撥水処理を行
う。使用する撥水剤としては,フツ素系撥水剤,シリコ
ン系撥水剤,パラフイン系撥水剤,エチレン尿素系撥水
剤等のほとんどの撥水剤が使用できるが,製品の用途と
してスポーツ用主体となる場合には,洗濯耐久性の面で
フツ素系撥水剤,シリコン系撥水剤が好ましい。
ラズマ処理された獣毛繊維布帛の表面に撥水処理を行
う。使用する撥水剤としては,フツ素系撥水剤,シリコ
ン系撥水剤,パラフイン系撥水剤,エチレン尿素系撥水
剤等のほとんどの撥水剤が使用できるが,製品の用途と
してスポーツ用主体となる場合には,洗濯耐久性の面で
フツ素系撥水剤,シリコン系撥水剤が好ましい。
【0011】撥水加工の方法としては,ロータリー式ス
クリーン捺染機,フラツト式スクリーン捺染機,ローラ
ー式捺染機,泡加工機等を使用して加工を行うことが可
能であるが,作業性の点でロータリー式スクリーン捺染
機が最も好ましい。布帛の片面の表面層にのみ撥水処理
を行うためには,被加工布帛の厚さや密度に応じて捺染
糊の糊度を適宜の粘度に調整するようにすればよい。
クリーン捺染機,フラツト式スクリーン捺染機,ローラ
ー式捺染機,泡加工機等を使用して加工を行うことが可
能であるが,作業性の点でロータリー式スクリーン捺染
機が最も好ましい。布帛の片面の表面層にのみ撥水処理
を行うためには,被加工布帛の厚さや密度に応じて捺染
糊の糊度を適宜の粘度に調整するようにすればよい。
【0012】撥水剤印捺後,乾燥し,続いて,150〜
170℃にて1〜3分間の熱処理を行った後にソーピン
グにより糊落としを行う。本発明は,以上の構成よりな
るものである。
170℃にて1〜3分間の熱処理を行った後にソーピン
グにより糊落としを行う。本発明は,以上の構成よりな
るものである。
【0013】
【作 用】獣毛繊維布帛に酸素ガス系の低温プラズマ処
理を施すと,繊維表面形態(スケールの状態)は変化す
ることなく,酸素を含む極性基が形成されることによ
り,疎水性の繊維表面が親水化されて濡れ性が向上す
る。このような状態で布帛の片面に撥水処理を施すと,
その面が撥水性を示し,他面は親水性のままの状態で温
存され,かくして片面が撥水性,他面が親水性の獣毛繊
維布帛となる。
理を施すと,繊維表面形態(スケールの状態)は変化す
ることなく,酸素を含む極性基が形成されることによ
り,疎水性の繊維表面が親水化されて濡れ性が向上す
る。このような状態で布帛の片面に撥水処理を施すと,
その面が撥水性を示し,他面は親水性のままの状態で温
存され,かくして片面が撥水性,他面が親水性の獣毛繊
維布帛となる。
【0014】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能評価は,下記
の方法で行った。 (1)撥水度 JIS L−1096 スプレー法 (2)吸水性 JIS L−1096 滴下法
に説明するが,実施例における布帛の性能評価は,下記
の方法で行った。 (1)撥水度 JIS L−1096 スプレー法 (2)吸水性 JIS L−1096 滴下法
【0015】実施例1 羊毛100% 2/48使いのサキソニーの生地を用意
し,これに下記低温プラズマ処理条件1にて低温プラズ
マ処理を行った。 <低温プラズマ処理条件1> ガ ス 種 : 酸 素 ガス流量 : 0.2リツトル/分 真 空 度 : 1.0Torr 高周波出力 : 0.5W/cm2 処理時間 : 1 分
し,これに下記低温プラズマ処理条件1にて低温プラズ
マ処理を行った。 <低温プラズマ処理条件1> ガ ス 種 : 酸 素 ガス流量 : 0.2リツトル/分 真 空 度 : 1.0Torr 高周波出力 : 0.5W/cm2 処理時間 : 1 分
【0016】次に,下記処方1に示す撥水剤を含む捺染
糊を,フラツトスクリーン捺染機により,裏通りせずに
布帛の厚さの半分まで浸透するようにスキージ圧および
メツシユを調整して印捺を行った。
糊を,フラツトスクリーン捺染機により,裏通りせずに
布帛の厚さの半分まで浸透するようにスキージ圧および
メツシユを調整して印捺を行った。
【0017】印捺後,乾燥し,続いて,160℃で2分
間熱処理を行い,ソーピングにより糊を落として,本発
明の加工布を得た。
間熱処理を行い,ソーピングにより糊を落として,本発
明の加工布を得た。
【0018】本発明との比較のため,本実施例における
低温プラズマ処理を省略する他は,本実施例と全く同一
の方法により比較用の加工布(比較例)を得た。これら
加工布の撥水性能と吸水性能を測定し,その結果を併せ
て表1に示した。
低温プラズマ処理を省略する他は,本実施例と全く同一
の方法により比較用の加工布(比較例)を得た。これら
加工布の撥水性能と吸水性能を測定し,その結果を併せ
て表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】表1より明らかなごとく,本発明方
法で得られた布帛は,比較例の布帛に比べて高い撥水性
と吸水性がそれぞれの面に付与されていることがわか
る。本発明の加工布は,風合い上も問題なかった。
法で得られた布帛は,比較例の布帛に比べて高い撥水性
と吸水性がそれぞれの面に付与されていることがわか
る。本発明の加工布は,風合い上も問題なかった。
【0021】
【発明の効果】本発明は,獣毛繊維布帛に予め低温プラ
ズマ処理を施して親水性を付与させた後,布帛の片側の
表面層に撥水処理を行う構成を有し,かかる構成の本発
明方法によれば,獣毛の風合いを損ねることなく,獣毛
繊維布帛に親水性能と撥水性能をそれぞれ片面ずつに付
与することができる。
ズマ処理を施して親水性を付与させた後,布帛の片側の
表面層に撥水処理を行う構成を有し,かかる構成の本発
明方法によれば,獣毛の風合いを損ねることなく,獣毛
繊維布帛に親水性能と撥水性能をそれぞれ片面ずつに付
与することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 獣毛繊維布帛に予め低温プラズマ処理を
施して親水性を付与した後,布帛の片側の表面層に撥水
処理を行うことを特徴とする獣毛繊維布帛の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17442991A JP2859980B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | 獣毛繊維布帛の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17442991A JP2859980B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | 獣毛繊維布帛の加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04370269A JPH04370269A (ja) | 1992-12-22 |
JP2859980B2 true JP2859980B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=15978386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17442991A Expired - Fee Related JP2859980B2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-06-18 | 獣毛繊維布帛の加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2859980B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10105234A1 (de) * | 2001-02-02 | 2002-08-29 | Schoeller Textil Ag Sevelen | Textile Fläche |
CN103468835B (zh) * | 2013-09-16 | 2015-05-27 | 四川大学 | 用低温等离子体聚合沉积制备的防水皮革及其方法 |
CN111494668B (zh) * | 2020-04-30 | 2021-11-12 | 深圳奥拦科技有限责任公司 | 灭菌方法 |
-
1991
- 1991-06-18 JP JP17442991A patent/JP2859980B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04370269A (ja) | 1992-12-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |