JP2859493B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶性ポリエステルの
製造方法に関し、更に詳しくは、溶融成形により優れた
耐熱性、機械特性、耐溶剤性を有する成形品を与える非
晶性ポリエステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルはその構成成分の組合せあ
るいは組成により非晶性ポリマー、非晶性ポリマーまた
は液晶性ポリマーと種々の特性のものが得られる。
【0003】これらのうち、非晶性ポリマーは、寸法安
定性、透明性、機械特性、耐熱性に優れており、いわゆ
る非晶性エンプラとして種々検討されている。特に酸成
分としてテレフタル酸とイソフタル酸を用い、ジオール
成分として2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(以下、ビスフェノールAという)を用いたポリ
マーは比較的バランスのとれた物性を有しておりこれを
生かして開発が進められているが、耐熱性が不十分であ
り、また通常の非晶性ポリマーと同様、耐溶剤性が不十
分であり、各種有機溶剤に溶解乃至膨潤しやすく、その
用途が制限されている。
【0004】一方、USP4,115,362の実施例
8には2,6―ナフタレンジカルボン酸、2,2―ビス
(4―ヒドロキシフェニル)プロパン及びネオペンチレ
ングリコールからなるポリエステルについて記載されて
いる。このポリエステルの重合方法は、溶融重合過程に
おいてポリマーを固化乃至結晶化せしめた後、引き続き
これを固相重合せしめることによって目的とするポリエ
ステルを製造している。かかる方法においては、これは
280℃以下程度の比較的低い温度で重合を行っている
ためポリマーの溶融粘度が高いため、十分な靭性を発現
しうる高重合度ポリマーを得ることが困難である。
【0005】また、この固相重合を併用する方法は、製
造プロセスが複雑となり、かつ生産性が悪く、コスト高
であるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、耐熱性、耐溶剤性に優れた非晶性ポリエステルを固
相重合を併用することなく溶融重合法により、工業的に
安価に製造する方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)2,6
―ナフタレンジカルボン酸のエステル形成性誘導体、
(B)2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン及び/またはそのエステル形成性誘導体及び(C)ネ
オペンチレングリコール及び/またはそのエステル形成
性誘導体を、成分(C)と成分(B)のモル比(C)/
(B)が5/95〜50/50、成分(B)と成分
(C)の合計量が成分(A)に対して95〜120モル
%の範囲とし、これらを触媒の存在下、重合温度320
〜400℃で加熱溶融重縮合せしめることを特徴とする
固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒
(重量比60/40)中、35℃)0.3〜1.5の非
晶性ポリエステルの製造方法である。
【0008】本発明のポリエステルは、(A)2,6―
ナフタレンジカルボン酸のエステル形成性誘導体、
(B)2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン及び/またはその形成性誘導体及び(C)ネオペンチ
レングリコール及び/またはそのエステル形成性誘導体
の3成分を用いて製造を行うが、(A)/{(B)+
(C)}の割合(モル比)は実質的に(A)と(B)、
(A)と(C)がそれぞれ1つの構造単位を構成するこ
とから理論上1.0であるが、実際上0.95〜1.2
0の範囲内にあればよい。特に0.98〜1.10の範
囲が好ましい。
【0009】(C)/(B)の割合(モル比)は5/9
5〜50/50の範囲内にあることが必要であり、7/
93〜40/60の範囲内が好ましく、特に10/90
〜30/70の範囲が好ましい。(C)の割合をこの範
囲より増すと目的とする耐熱性の向上が認められず、ま
た耐溶剤性も低下する。この範囲より増やすと重合中に
ポリマーの結晶性が高くなり重合中に結晶化するなど重
合性が低下する。さらに成形性も低下する。
【0010】本発明において、2,6―ナフタレンジカ
ルボン酸のエステル形成性誘導体を成分(A)とする。
ここでエステル形成性誘導体としては、2,6―ナフタ
レンジカルボン酸のアルキルエステル、アリールエステ
ル、酸クロライドを例示できる。成分(A)としては
2,6―ナフタレンジカルボン酸ジアリールエステルが
好ましく、2,6―ナフタレンジカルボン酸ジフェニル
が特に好ましい。
【0011】かかる2,6―ナフタレンジカルボン酸の
誘導体を用いることによって、2,6―ナフタレンジカ
ルボン酸の重合性が向上され、比較的容易に高重合度の
エステルを得ることが可能になる。
【0012】次に本発明ではビスフェノールA及び/ま
たはそのエステル形成性誘導体を成分(B)、ネオペン
チレングリコール及び/またはそのエステル形成性誘導
体を成分(C)とする。
【0013】この場合のエステル形成性誘導体としては
低級脂肪族カルボン酸エステルが挙げられ、特に酢酸エ
ステルを好ましく例示できる。本発明においては成分
(B)としてビスフェノールA、成分(C)としてネオ
ペンチレングリコールをそれぞれ好ましく用いることが
できる。
【0014】本発明では上述の各成分を触媒の存在下に
加熱溶融重縮合せしめる。ここで用いる触媒としてはポ
リエステルの製造時に用いられる従来公知のものが使用
できるが、例えば、三酸化アンチモン等のアンチモン化
合物、酢酸第1錫等の錫化合物、チタンテトラブトキシ
ド等のチタン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウ
ム化合物等を挙げることができる。また該触媒の使用量
は特に制限はないが、上記成分(A)に対して0.1モ
ル%以下程度の量とすることが好ましい。
【0015】加熱重縮合する際の重合温度は320〜4
00℃とすることが必要である。ここで重合温度とは重
合後期あるいはその終了時における温度を意味する。重
合温度が320℃より低いとポリマーの溶融粘度が高く
なるため、高重合度のポリマーを得ることができず、ま
た400℃より高いとポリマーの劣化等が生じ易く好ま
しくない。本発明においては、加熱重縮合温度を従来に
比べ高温度にすることにより、反応を低粘度の状態で行
うことが可能となり、高重合度のポリマーを得ることが
可能となる。
【0016】本発明の製造方法では重合反応の初期は比
較的低温とし、これを徐々に昇温して最終的に上記重合
温度とすることが好ましい。この際の初期重合反応の反
応温度は、好ましくは150〜280℃、より好ましく
は180〜250℃である。この重合反応は常圧下、ま
たは減圧下で実施されるが、初期重合反応時は常圧下と
し、徐々に減圧とすることが好ましい。また常圧時に
は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下とすること
が好ましい。重縮合反応時間は特に制限はないが大略1
〜10時間程度である。
【0017】更に本発明により得られるポリエステルは
比較的溶融粘度が高いため、高重合度とするためにエク
ストルーダー型の反応装置で重合することも好ましく実
施できる。
【0018】上述の製造方法により得られる本発明のポ
リエステルはフェノール/テトラクロルエタン混合溶媒
(重量比60/40)中、35℃にて測定した固有粘度
が、0.3〜1.5である。固有粘度が0.3より低い
と得られるポリマーの耐熱性、靭性が不十分であり、
1.5より高いと溶融成形時の流動性が低下するため好
ましくない。還元粘度としては、0.8〜1.0が好ま
しい。
【0019】上述の製造法により得られる本発明のポリ
エステルは、非晶性ポリマーであり、これを例えば射出
成形時の溶融成形法により透明な成形品を得ることがで
きる。また本発明のポリマーが非晶性であることは例え
ばDSCによりその融点が観測されないことなどから確
認することができる。
【0020】本発明のポリエステルはその製造時、必要
に応じて酸化安定剤、着色防止剤などの各種安定剤、着
色剤、顔料、滑剤等の各種添加剤を添加しても差し支え
ない。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、特定のジカ
ルボン酸のエステル形成性誘導体を用い、特定の温度で
加熱溶融重縮合せしめることにより耐熱性、耐溶剤性の
良好な非晶性ポリエステルが、安価な溶融重合プロセス
により製造することができる。
【0022】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳述するが、実
施例中「部」は「重量部」を意味する。固有粘度は、フ
ェノール/テトラクロルエタン混合溶媒(重量比60/
40)中、濃度1.2g/dl、温度35℃にて測定し
た。ポリマーの熱特性は荷重たわみ温度測定器を用い2
℃/分の昇温速度にて測定した。
【0023】
【実施例1〜3】2,6―ナフタレンジカルボン酸ジフ
ェニル368部、ビスフェノールA及びネオペンチレン
グリコールの所定量、三酸化アンチモン0.087部を
攪拌装置及び窒素導入口を備えた真空留出系を有する反
応容器に入れ、常圧下窒素気流中240℃で30分間反
応度、1.5時間かけて340℃まで昇温した。次いで
同温度にて徐々に減圧とし、30分後に約1mmHgとし
た。
【0024】この間フェノールが発生留去した。同条件
下にて約90分間重合を行ないポリマーを得た。得られ
たポリマーは淡黄色透明であった。
【0025】次にこのポリマーを射出成形機(日本製
鋼、N40A型)を用いてシリンダー温度360℃、金
型温度100℃、成形サイクル約80秒の条件下で射出
成形した。得られた成形品の物性を表1に示す。
【0026】表1には比較例1として非晶性ポリエステ
ル樹脂(ユニチカ(株)製、UポリマーU―100)に
ついても併記したが、本発明のポリエステルは荷重たわ
み温度が高く耐熱性が良好で、かつ耐溶剤性が極めて優
れていることがわかる。
【0027】また比較例2としてUSP4,115,3
62の実施例8に記載されている2,6―ナフタレンジ
カルボン酸、ビスフェノールA、ネオペンチレングリコ
ールからなり固相重合により重合度を上げたポリマーに
ついても併記したが、本発明の製造方法によるポリエス
テルは耐熱性が極めて優れていることがわかる。
【0028】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/195 C08G 63/78 - 63/87 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)2,6―ナフタレンジカルボン酸
    のエステル形成性誘導体、(B)2,2―ビス(4―ヒ
    ドロキシフェニル)プロパン及び/またはそのエステル
    形成性誘導体及び(C)ネオペンチレングリコール及び
    /またはそのエステル形成性誘導体を、成分(C)と成
    分(B)のモル比(C)/(B)が5/95〜50/5
    0、成分(B)と成分(C)の合計量が成分(A)に対
    して95〜120モル%の範囲とし、これらを触媒の存
    在下、重合温度320〜400℃で加熱溶融重縮合せし
    めることを特徴とする、固有粘度(フェノール/テトラ
    クロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、35
    ℃)0.3〜1.5の非晶性ポリエステルの製造方法。
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