JP2859129B2 - 熱硬化性樹脂の成形方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂の成形方法

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JP2859129B2
JP2859129B2 JP7742094A JP7742094A JP2859129B2 JP 2859129 B2 JP2859129 B2 JP 2859129B2 JP 7742094 A JP7742094 A JP 7742094A JP 7742094 A JP7742094 A JP 7742094A JP 2859129 B2 JP2859129 B2 JP 2859129B2
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保 峰松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型を用いて熱硬化性
樹脂の製品を成形する成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より金型を用いて熱硬化性樹脂を成
形する成形方法では、金型内の温度分布を実質的に均一
にして成形がおこなわれている。例えば特開平5−24
2942号公報には、金型を複数の区分に分けてそれぞ
れの区分を別個の加熱手段で加熱するようにし、金型の
中央から両端に向かって次第に各区分の温度が高くなる
ように制御条件を設定するようにした成形方法が記載さ
れており、このように各区分に温度差をつけることで実
質的に金型内の温度を均一にしたものである。
【0003】図には複数個のキャビティ1を有する金
型2で成形をおこなう場合において、上記公報に記載さ
れているように金型内の温度を均一にして成形をおこな
う成形方法の工程の概略図が示してある。金型2は八個
の電源ケースなどの製品が一度の成形できるものであっ
て、八個のキャビティ1がランナー4で接続されて形成
されている。この金型2では熱硬化性樹脂が充填される
充填口5から近い内キャビティ1aに接続されるランナ
ー4aの口径が充填口5から遠い外キャビティ1bに接
続されるランナー4bの口径よりも小さく形成されてお
り、そのため内キャビティ1aに充填される熱硬化性樹
脂の圧力損失が大きくなって、内キャビティ1aへの熱
硬化性樹脂の充填が1.5秒遅れるようになっている。
【0004】上記金型2に充填口5から溶融状態の熱硬
化性樹脂3を充填すると、図(a)に示すようにまず
外キャビティ1aから熱硬化性樹脂3が充填されはじ
め、次いで内キャビティ1aに熱硬化性樹脂3が充填さ
れていく。その後充填が進み、図(b)のように内キ
ャビティ1aへの充填が完了した時には、すでに外キャ
ビティ1bでは熱硬化性樹脂の硬化が始まっており、図
(c)に示すように外キャビティ1bに充填された熱
硬化性樹脂が先に硬化を完了して成形体6となる。その
後さらに硬化が進んで図(d)に示すように内キャビ
ティ1aの熱硬化性樹脂3の硬化が完了して成形体6と
なると金型2を開いて成形体6が脱型される。
【0005】上記工程によってメラミンフェノール樹脂
を、射出圧1700kgf/mm 2 、金型温度170℃
の条件で成形した場合、図4のグラフで示すように外キ
ャビティ1bに充填された熱硬化性樹脂は充填から3
0.5秒後から硬化しはじめ、34秒後に硬化が完了す
ることになる(図4のアの硬化度曲線)。また内キャビ
ティ1aに充填された熱硬化性樹脂3は、外キャビティ
1bに比べて1.5秒充填が遅れるために、充填から3
2秒後から硬化しはじめ、35.5秒後に硬化が完了す
ることになる(図4のイの硬化度曲線)。つまり上記工
程を上記条件でおこなった場合、成形時間が35.5秒
かかっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記工程では、
外キャビティ1bの熱硬化性樹脂3が内キャビティ1a
の熱硬化性樹脂3よりも先に充填されてしまうために、
外キャビティ1bの熱硬化性樹脂3は硬化した後でも内
キャビティ1aの熱硬化性樹脂3が硬化するまで加熱さ
れることになり、成形時間を短くしようとして金型温度
を173℃に均一に上昇させて成形すると、外キャビテ
ィ1bがオーバーヒート状態となって外キャビティ1b
で成形される成形体6が図(e)のように焼け状態と
なってしまうので、成形時間を短くすることができず、
成形サイクルを短縮することができないという問題があ
った。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、成形時間を短くして成形サイクルを短縮すること
ができる熱硬化性樹脂の成形方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱硬化性樹
脂の成形方法は、複数個のキャビティ1を有する熱硬化
性樹脂成形用金型2を用い、金型に溶融した熱硬化性樹
脂を射出してキャビティに熱硬化性樹脂を充填し、熱硬
化性樹脂に熱を加えて硬化させることにより熱硬化性樹
脂3の成形をおこなう成形方法において、各キャビティ
1間に温度差をつけて所定時間後の熱硬化性樹脂3の硬
化を均一にするように制御することを特徴とするもので
ある
【0009】本発明にあって、金型2内において熱硬化
性樹脂3の充填が遅れる部分の温度を高温に設定して制
御することができる。また本発明にあって、金型2内に
おいて熱硬化性樹脂3が厚肉となる部分の温度を高温に
設定して制御することができる。
【0010】
【作用】各キャビティ1間に温度差をつけて所定時間後
の熱硬化性樹脂3の硬化を均一にするように制御したの
で、各キャビティ1間に温度差をつけることによって、
各キャビティ1間で熱硬化性樹脂3の硬化時間が遅れる
部分における熱硬化性樹脂3の硬化時間を早めることが
できる。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。図1
には電源ケースなどの製品が一度に八個成形できる本実
施例の金型2が示してある。図1(a)に示すように金
型2は固定側と可動側に分かれて構成されている。固定
側は平板状の固定側取り付け板23と、固定側取り付け
板23の一方の表面に設けられているロケートリング2
5と、固定側取り付け板23の他方の表面に設けた枠状
の固定側間隔台26と、固定側間隔台26の先端に配設
される固定側型板27と、固定側取り付け板23と固定
側型板27の間に配設された固定側エジェクタプレート
31と、固定側型板27に設けた凹部28に収められた
固定側焼入れ板29及び固定側型部30と、ロケートリ
ング25の裏面側において固定側取り付け板23に形成
される凹所32に先端部が収納され、固定側エジェクタ
プレート31、固定側型板27、固定側焼入れ板29、
固定側型部30を貫通して取り付けられるスプルブッシ
ュ33とから構成されている。
【0012】ロケートリング25にはノズルの先端が接
触するノズル接触面24が凹設してあり、またスプルブ
ッシュ33にはノズル接触面24と連通するテーパー状
の通孔(スプル)34が形成してあると共にスプルブッ
シュ33の先端の通孔34の開口を充填口5として形成
してあり、さらに固定側型部30の表面には充填口5と
連通するランナー4と、ランナー4と連通するキャビテ
ィ1が凹設してある。尚、37はスプル加熱用ヒーター
である。
【0013】金型2の可動側は可動側取り付け板39
と、可動側取り付け板39の一方の表面に設けた枠状の
可動側間隔台40と、可動側間隔台40の先端に配設さ
れる可動側型板41と、可動側取り付け板39と可動側
型板41の間に配設された可動側エジェクタプレート4
2と、可動側型板41に設けた凹部43に収められた可
動側焼入れ板44及び可動側型部45と、可動側エジェ
クタプレート42から突設され成形体をキャビティ1か
ら脱型するためのノックアウトピン46とから構成され
ている。
【0014】可動側型部45の表面にはランナー4と、
ランナー4と連通するキャビティ1が凹設してあり、各
キャビティ1には上記ノックアウトピン46の先端を臨
ませてある。図1(b)に示すように上記固定側型部3
0及び可動側型部45に凹設したキャビティ1のうち、
充填口5に近い位置にあるキャビティ1を内キャビティ
1aとして、また充填口5に遠い位置にあるキャビティ
1を外キャビティ1bとして形成してある。そして内キ
ャビティ1aに連通するランナー4aの口径を外キャビ
ティ1bに連通するランナー4bの口径よりも小さく形
成してあって、内キャビティ1aの方が外キャビティ1
bよりも熱硬化性樹脂3の充填時間が1.5秒遅れるよ
うになっている。
【0015】また固定側型部30及び可動側型部45に
は、加熱ヒーター用穴38が四本ずつ形成してあって、
内側の二本の加熱ヒーター用穴38には高温加熱ヒータ
ー47と高温加熱ヒーター熱電対(図示省略)が、外側
の二本の加熱ヒーター用穴38には加熱ヒーター48と
加熱ヒーター熱電対(図示省略)がそれぞれ配置されて
いる。そして図3に示すように金型2の中央部付近は上
記高温加熱ヒーター47で加熱される高温域Aとして高
温加熱ヒーター47に沿って形成され、この高温域Aに
属する内キャビティ1aは高温で加熱されるようにな
り、また金型2の両端付近は高温加熱ヒーター47で加
熱される高温域Aよりも低温の低温域Bとして加熱ヒー
ター48に沿って形成され、この低温域Bに属する外キ
ャビティ1bは内キャビティ1aよりも低い温度で加熱
される。
【0016】各加熱ヒーター47、48には配線49が
接続してあって、図1(c)に示すようにこの配線49
は固定側型部30或いは可動側型部45の側面の加熱ヒ
ーター用穴38の開口から導出されて金型温度制御装置
50に接続されている。図2に示すように金型温度制御
装置50は、高温制御部50aと低温制御部50bとか
ら構成されており、高温制御部50aは配線49によっ
て高温加熱ヒーター47と高温加熱ヒーター熱電対に接
続され、また低温制御部50bは配線49によって加熱
ヒーター48と加熱ヒーター熱電対に接続されている。
高温制御部50aは、高温加熱ヒーター熱電対から高温
域Aの温度を温度検知信号として取り入れ、その温度が
所定の温度よりも低ければ加熱信号を高温加熱ヒーター
に送って高温域Aの加熱をおこなうようにするものであ
る。また低温制御部50bは、加熱ヒーター熱電対から
低温域Bの温度を温度検知信号として取り入れ、その温
度が所定の温度よりも低ければ加熱信号を加熱ヒーター
に送って低温域Bの加熱をおこなうようにするものであ
る。
【0017】このように形成される金型2は、熱硬化性
樹脂を射出するノズルを金型2のロケートリング25の
ノズル接触面24に当接して射出成形機にセットされ
る。そしてノズルから金型2に溶融した熱硬化性樹脂3
を射出し、スプルブッシュ33の通孔34、充填口5、
ランナー2を通してキャビティ1に熱硬化性樹脂3を充
填し、熱硬化性樹脂3に熱を加えて硬化した後、金型2
を開いて成形体を取り出すことにより熱硬化性樹脂3の
成形体6を成形することができる。
【0018】上記熱硬化性樹脂3を加熱する工程におい
て、図3に示すように熱硬化性樹脂3の充填時間が遅い
内キャビティ1aに充填される熱硬化性樹脂3は、内キ
ャビティ1aが高温域Aに属しているために高温で加熱
され、また熱硬化性樹脂3の充填時間が早い外キャビテ
ィ1bに充填される熱硬化性樹脂3は、外キャビティ1
bが低温域Bに属しているために内キャビティ1aに充
填される熱硬化性樹脂3よりも低温で加熱される。そし
てこのように内キャビティ1aに充填された熱硬化性樹
脂3を外キャビティ1bに充填された熱硬化性樹脂3よ
りも高温で加熱することにより、内キャビティ1aの熱
硬化性樹脂3を早く硬化させることができ、内キャビテ
ィ1aに充填された熱硬化性樹脂3と外キャビティ1b
に充填された熱硬化性樹脂3の硬化を同時に終了させる
ことができる。
【0019】高温域Aの温度を173℃、低温域Bの温
度を170℃として上記金型2でメラミンフェノール樹
脂を成形した場合(射出圧は1700kgf/
2 )、図4のグラフに示すように、外キャビティ1b
の熱硬化性樹脂3の硬化度(図4のアの硬化度曲線)と
内キャビティの熱硬化性樹脂3の硬化度(図4のウの硬
化度曲線)が熱硬化性樹脂3の充填開始から34秒後に
同時に100%に達して熱硬化性樹脂3は硬化を終了し
ていることがわかる。つまり既述の従来例では金型2を
均一に加熱してあるので、内キャビティ1aの熱硬化性
樹脂3は充填時間の遅れ分(1.5秒)だけ硬化が遅れ
てしまうが、本実施例では内キャビティ1aを高温で加
熱するので、内キャビティ1aに充填された熱硬化性樹
脂3と外キャビティ1bに充填された熱硬化性樹脂3の
硬化を同時に終了させることができる。よって本実施例
では、従来例のように外キャビティ1bで成形される成
形体6が焼け状態とはならず、適度な硬化度を有する成
形体6を成形することができる
【0020】図にはさらに他の実施例が示してある。
この金型2は異形状の電気配線用ハウジングなどの製品
を一個ずつ成形することができるものである。この金型
2の固定側型部30と可動側型部45には幅広キャビテ
ィ1cと幅狭キャビティ1dがそれぞれ並設してある。
幅広キャビティ1cと幅狭キャビティ1dは長手寸法が
同じで幅寸法が異なるものであり、両キャビティ1c、
1dはその長手端部の中央部よりもずれた位置において
ランナー4を介して接続されており、そのランナー4の
中央部にスプルブッシュ33の先端の通孔34の開口を
充填口5として開口させてある。
【0021】上記固定側型部30には加熱ヒーター用穴
38が三本形成してあって、充填口5より最も遠い加熱
ヒーター用穴38(図において一番右端)には幅広キ
ャビティ1cを亘る部分において高温加熱ヒーター47
と高温加熱ヒーター熱電対(図示省略)が、その他の加
熱ヒーター用穴38には加熱ヒーター48と加熱ヒータ
ー熱電対(図示省略)がそれぞれ配置されている。また
可動側型部45には加熱ヒーター用穴38が五本形成し
てあって、充填口5より最も遠い加熱ヒーター用穴38
(図において一番右端)には幅広キャビティ1cを亘
る部分において高温加熱ヒーター47と高温加熱ヒータ
ー熱電対(図示省略)が、その他の加熱ヒーター用穴3
8には加熱ヒーター48と加熱ヒーター熱電対(図示省
略)がそれぞれ配置されている。そして充填口5より最
も遠い幅広キャビティ1cが凹設された金型2の一部は
上記高温加熱ヒーター47で加熱される高温域Aとして
形成され、この高温域Aに属する幅広キャビティ1cの
一方の端部が高温で加熱されるようになり、また金型2
のその他の部分は加熱ヒーター48で加熱される高温域
Aよりも低温の低温域Bとして形成され、この低温域B
に属する幅広キャビティ1cの他の部分と幅狭キャビテ
ィ1dは上記高温域Aに属する幅広キャビティ1cの一
部よりも低い温度で加熱される。
【0022】このように形成される金型2は、熱硬化性
樹脂3を射出するノズルを金型2のロケートリング25
のノズル接触面24に当接して射出成形機にセットされ
る。そしてノズルから金型2に溶融した熱硬化性樹脂3
を射出し、熱硬化性樹脂3をスプルブッシュ33の通孔
34、充填口5、ランナー4に通して幅広キャビティ1
cと幅狭キャビティ1dに充填し、熱硬化性樹脂3に熱
を加えて硬化した後、金型2を開いて成形体を取り出す
ことにより熱硬化性樹脂3の成形体を成形することがで
きる。
【0023】上記熱硬化性樹脂3を加熱する工程におい
て、充填口5より最も遠い幅広キャビティ1cの一部に
は熱硬化性樹脂3が遅く充填されるが、幅広キャビティ
1cのこの部分は高温域Aに属しているためにこの部分
に充填される熱硬化性樹脂3は高温で加熱される。また
充填口5に近い幅広キャビティ1cの他の部分や幅狭キ
ャビティ1dには熱硬化性樹脂3が早く充填されるが、
幅広キャビティ1cのこの他の部分や幅狭キャビティ1
dは低温域Bに属しているためにこの部分に充填される
熱硬化性樹脂3は低温で加熱される。そしてこのように
最も遅く充填された熱硬化性樹脂3を早く充填された熱
硬化性樹脂3よりも高温で加熱することにより、最も遅
く充填された熱硬化性樹脂3を早く硬化させることがで
き、幅広キャビティ1cに最も遅く充填された熱硬化性
樹脂3と幅広キャビティ1cの他の部分や幅狭キャビテ
ィ1dに早く充填された熱硬化性樹脂3の硬化を同時に
終了させることができる。
【0024】高温域Aの温度を175℃、低温域Bの温
度を170℃として上記金型2でフェノール樹脂を成形
した場合(射出圧は170kgf/mm 2 )、成形時間
が43秒かかるが、従来のように金型2全体を170℃
で加熱する場合では成形時間が45秒かかり、本実施例
の方が従来に比べて成形時間を2秒短くすることができ
る。
【0025】図にはさらに他の実施例が示してある。
この金型2は電気配線用ハウジングなどの製品を一個成
形することができるものである。この金型2の固定側型
部30の表面にはキャビティ1が凹設してあって、スプ
ルブッシュ33の先端の通孔34の開口を充填口5とし
てキャビティ1の中央部よりもずれた位置に開口させて
ある。また可動側型部45に凹設したキャビティ1には
凹段部60が形成してある。
【0026】上記固定側型部30には、加熱ヒーター用
穴38が三本形成してあって、凹段部60に沿って形成
される加熱ヒーター用穴38(図において右から二番
目)には高温加熱ヒーター47と高温加熱ヒーター熱電
対(図示省略)が、その他の加熱ヒーター用穴38には
加熱ヒーター48と加熱ヒーター熱電対(図示省略)が
それぞれ配置されている。また可動側型部45には加熱
ヒーター用穴38が五本形成してあって、凹段部60に
沿って形成される加熱ヒーター用穴38(図において
右から二番目)には高温加熱ヒーター47と高温加熱ヒ
ーター熱電対(図示省略)が、その他の加熱ヒーター用
穴38には加熱ヒーター48と加熱ヒーター熱電対(図
示省略)がそれぞれ配置されている。そして金型2の上
記高温加熱ヒーター47で加熱される部分が高温域Aと
して形成され、この高温域Aに属するキャビティ1の凹
段部60が高温で加熱されるようになり、また金型2の
その他の部分は加熱ヒーター48で加熱される高温域A
よりも低温の低温域Bとして形成され、この低温域Bに
属するキャビティ1の他の部分は上記高温域Aに属する
凹段部60よりも低い温度で加熱される。
【0027】このように形成される金型2は、熱硬化性
樹脂を射出するノズルを金型2のロケートリング25の
ノズル接触面24に当接して射出成形機にセットされ
る。そしてノズルから金型2に溶融した熱硬化性樹脂3
を射出し、スプルブッシュ33の通孔34、充填口5を
通してキャビティ1に熱硬化性樹脂3を充填し、熱硬化
性樹脂3に熱を加えて硬化した後、金型2を開いて成形
体を取り出すことにより熱硬化性樹脂3の成形体を成形
することができる。
【0028】上記熱硬化性樹脂3を加熱する工程におい
て、キャビティ1の凹段部60には熱硬化性樹脂3が厚
肉に充填されるが、凹段部60は高温域Aに属している
ために熱硬化性樹脂3の厚肉の部分は高温で加熱され
る。また凹段部60以外のキャビティ1には熱硬化性樹
脂3が凹段部60よりも薄く充填されるが、キャビティ
1の凹段部60以外の部分は低温域Bに属しているため
にこの他の部分に充填される熱硬化性樹脂3は低温で加
熱される。そしてこのように熱硬化性樹脂3の厚肉の部
分を薄肉の部分よりも高温で加熱することにより、熱硬
化性樹脂3の厚肉の部分の中心部に未硬化の部分が形成
されないように厚肉の部分の熱硬化性樹脂3を早く硬化
させることができ、キャビティ1に充填された熱硬化性
樹脂3の厚肉の部分と薄肉の部分の硬化を同時に終了さ
せることができる。
【0029】高温域Aの温度を175℃、低温域Bの温
度を170℃として上記金型2でフェノール樹脂を成形
した場合(射出圧は170kgf/mm 2 )、成形時間
が34秒かかるが、従来のように金型2全体を170℃
で加熱する場合では成形時間が35秒かかり、本実施例
の方が従来に比べて成形時間を1秒短くすることができ
る。
【0030】
【発明の効果】上記のように本発明は、複数個のキャビ
ティを有する熱硬化性樹脂成形用金型を用い、金型に溶
融した熱硬化性樹脂を射出してキャビティに熱硬化性樹
脂を充填し、熱硬化性樹脂に熱を加えて硬化させること
により熱硬化性樹脂の成形をおこなう成形方法におい
、各キャビティ間に温度差をつけて所定時間後の熱硬
化性樹脂の硬化を均一にするように制御したので、各キ
ャビティ間に温度差をつけることによって、各キャビテ
ィ間で熱硬化性樹脂の硬化時間が遅れる部分における熱
硬化性樹脂の硬化時間を早めることができ、成形時間を
短くして成形サイクルを短縮することができるものであ
る。
【0031】さらに金型内において熱硬化性樹脂の充填
が遅れる部分の温度を高温に設定して制御したので、熱
硬化性樹脂の硬化時間が遅れる部分における熱硬化性樹
脂の硬化時間を早めることができるものである。加えて
金型内において熱硬化性樹脂が厚肉となる部分の温度を
高温に設定して制御したので、熱硬化性樹脂が厚肉とな
る部分における熱硬化性樹脂の硬化時間を早めることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金型を示す(a)は断面
図、(b)はパーティング面の概略図、(c)は斜視図
である。
【図2】同上の金型の温度の制御を示す制御図である。
【図3】同上の金型に熱硬化性樹脂を充填した状態を示
すパーティング面の概略図である。
【図4】同上の熱硬化性樹脂の硬化度を示すグラフであ
【図5】(a)は同上の金型の他の実施例を示す断面
図、(b)はパーティング面の概略図、(c)は一部の
概略図である。
【図6】(a)は同上の金型の他の実施例を示す断面
図、(b)はパーティング面の概略図、(c)は一部の
概略図である。
【図7】従来例の成形工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 2 金型 3 熱硬化性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住田 安弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 服部 和生 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−152712(JP,A) 特開 平2−179719(JP,A) 特開 平3−219936(JP,A) 実開 平1−27213(JP,U) 実開 平1−125540(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 33/00 - 33/08 B29C 35/00 - 35/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のキャビティを有する熱硬化性樹
    脂成形用金型を用い、金型に溶融した熱硬化性樹脂を射
    出してキャビティに熱硬化性樹脂を充填し、熱硬化性樹
    脂に熱を加えて硬化させることにより熱硬化性樹脂の成
    形をおこなう成形方法において、各キャビティ間に温度
    差をつけて所定時間後の熱硬化性樹脂の硬化を均一にす
    るように制御することを特徴とする熱硬化性樹脂の成形
    方法
  2. 【請求項2】 金型内において熱硬化性樹脂の充填が遅
    れる部分の温度を高温に設定して制御することを特徴と
    する請求項に記載の熱硬化性樹脂の成形方法。
  3. 【請求項3】 金型内において熱硬化性樹脂が厚肉とな
    る部分の温度を高温に設定して制御することを特徴とす
    る請求項に記載の熱硬化性樹脂の成形方法。
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