JP2908980B2 - 熱硬化性樹脂の成形方法及び成形装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂の成形方法及び成形装置

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JP2908980B2 JP7741894A JP7741894A JP2908980B2 JP 2908980 B2 JP2908980 B2 JP 2908980B2 JP 7741894 A JP7741894 A JP 7741894A JP 7741894 A JP7741894 A JP 7741894A JP 2908980 B2 JP2908980 B2 JP 2908980B2
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保 峰松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型を用いる熱硬化性
樹脂の成形方法および成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂を金型のキャビティ内に充
填し、熱を加えて硬化させ、その後金型を開いてキャビ
ティから成形体を脱型する成形方法において、成形体に
ふくれや割れなどの欠陥が生じないようにするために、
或いは成形サイクル時間が長くなり過ぎて成形効率が低
下しないようにするために熱硬化性樹脂の充填から脱型
までの時間、すなわち脱型時間を合理的に設定すること
がおこなわれている。例えば特開昭57−69027号
公報に記載されている成形装置には、金型のキャビティ
内に熱硬化性樹脂の発熱温度を検出する温度センサと熱
硬化性樹脂の発泡圧力を検出する圧力センサとが備えて
あり、この温度センサと圧力センサの検出値が予め設定
した発熱温度、発泡圧力にまで減少した時に金型の型開
きをおこなってキャビティから成形体を脱型するように
したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例で
は、温度センサと圧力センサにより熱硬化性樹脂の発熱
温度と発泡圧力を検出するようにしてあるので、発熱温
度と発泡圧力からでは熱硬化性樹脂の硬化状態(硬化挙
動)を正確に把握することが困難であり、成形体が十分
に硬化していないのに型開きがおこなわれ、成形体にふ
くれや割れなどの欠陥が生じたり、成形体が十分に硬化
しているのに型開きがおこなわれず、成形サイクル時間
が長くなり過ぎて成形効率が低下したりするという問題
があった。また上記従来例では温度センサがキャビティ
内に大きく突出して設けてあるので、キャビティ内に充
填された熱硬化性樹脂は温度センサが大きく差し込まれ
た状態で硬化することになり、成形体に温度センサの跡
が残ってしまうという問題があった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、請求項1、2の発明では成形体にふくれや割れな
どの欠陥が生じたり、成形体の成形効率が低下したりす
ることがない熱硬化性樹脂の成形方法を提供することを
目的とするものである。また請求項2の発明では、成形
体にセンサの跡が残らないようにすることができる熱硬
化性樹脂の成形方法を提供することを目的とするもので
ある。また請求項3乃至6の発明では成形体にふくれや
割れなどの欠陥が生じたり、成形体の成形効率が低下し
たりすることがない熱硬化性樹脂の成形装置を提供する
ことを目的とするものである。また請求項4の発明で
は、成形体にセンサの跡が残らないようにすることがで
きる熱硬化性樹脂の成形装置を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1に係る熱
硬化性樹脂の成形方法は、複数のキャビティ1を備えた
熱硬化性樹脂成形用金型6を用いて成形をおこなう熱硬
化性樹脂の成形方法において、他のキャビティ1よりも
熱硬化性樹脂3の充填が最も遅くなるように形成された
キャビティ1a内に充填された熱硬化性樹脂3aの硬化
度を検出し、この硬化度が所定の値に達した後、金型6
を開くように制御することを特徴とするものである。
【0006】本発明の請求項2にあって、他のキャビテ
ィ1よりも熱硬化性樹脂3の充填が最も遅くなるように
形成されたキャビティ1aを所望の成形体を成形するこ
とを目的としないダミーキャビティ5として用いること
ができる。本発明の請求項3に係る熱硬化性樹脂の成形
装置は、複数のキャビティ1を備えた熱硬化性樹脂成形
用金型6を用いて成形をおこなう熱硬化性樹脂の成形装
置において、他のキャビティ1よりも熱硬化性樹脂3の
充填が最も遅くなるように形成されたキャビティ1a内
に充填された熱硬化性樹脂3aの硬化度を検出する硬化
度センサー7と、この硬化度センサー7による検出結果
に応じて金型6を開くように制御する制御装置8とを具
備して成ることを特徴とするものである。
【0007】本発明の請求項4にあって、他のキャビテ
ィ1よりも熱硬化性樹脂3の充填が最も遅くなるように
形成されたキャビティ1aを所望の成形体を成形するこ
とを目的としないダミーキャビティ5として形成するこ
とができる。また本発明の請求項5にあって、ランナー
2に熱硬化性樹脂3が注入される充填口9に対してダミ
ーキャビティ5と対称位置にバランスキャビティ10を
形成することができる。
【0008】さらに本発明の請求項6にあって、ダミー
キャビティ5を、製品の成形体が成形されるキャビティ
1と同等の圧力損失を有し、且つ厚みを一定に形成する
ことができる。
【0009】
【作用】他のキャビティ1よりも熱硬化性樹脂3の充填
が最も遅くなるように形成されたキャビティ1a内に充
填された熱硬化性樹脂3aの硬化度を検出し、この硬化
度が所定の値に達した後、金型6を開くように制御した
ので、熱硬化性樹脂3aの硬化度を直接検出することに
よって熱硬化性樹脂3aの硬化状態(硬化挙動)を正確
に検出することができ、また最も充填が遅い熱硬化性樹
脂3aの硬化度が所定の値に達した後、キャビティ1内
の成形体を脱型することによって、それより前に充填さ
れた熱硬化性樹脂3で成形された成形体は硬化度が必要
且つ十分なものに形成することができる。
【0010】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。図1
には射出成形機11と制御装置8から構成されている本
実施例の成形装置が示してある。射出成形機11は架台
13の上面に射出機構部14と型締め機構部18が対向
して配置してあるいわゆる横型の成形機であって、従来
からあるプランジャ式やスクリュー式などの何れのタイ
プのものでも用いることができる。射出機構部14はギ
アや油圧シリンダなどが収納される射出機構収納部19
と、この射出機構収納部19に型締め部18の方向に突
出して延設され射出プランジャ(スクリュー式であれば
スクリュー)が収納されているシリンダー15と、シリ
ンダー15の先端に設けられたノズル16と、シリンダ
ー15の上面に配設されるホッパー17などから形成さ
れている。
【0011】型締め機構部18は金型6を開閉したり保
持したりする機構が収納される型締め機構収納部20
と、略中央部にテーパー状のノズル挿入口21が形成さ
れた型置板22とから構成されており、型締め機構収納
部20と型置板22の間に金型6が配置されている。金
型6には硬化度センサー7が設けてあって、この硬化度
センサー7は硬化度センサー用配線47で制御装置8と
接続されている。制御装置8は硬化度測定器48と、パ
ーソナルコンピュターなどの処理装置49とから構成さ
れており、処理装置49から導出される出力用配線50
がアンプ59を介して射出成形機11の型開きをおこな
う駆動部に接続されている。
【0012】本実施例の金型6は電気製品のケースが一
度に八個成形できるものであり、図2に示すように金型
6は固定側と可動側に分かれて構成されている。固定側
は平板状の固定側取り付け板23と、固定側取り付け板
23の一方の表面に設けられているロケートリング25
と、固定側取り付け板23の他方の表面に設けた枠状の
固定側間隔台26と、固定側間隔台26の先端に配設さ
れる固定側型板27と、固定側取り付け板23と固定側
型板27の間に配設された固定側エジェクタプレート3
1と、固定側型板27に設けた凹部28に収められた固
定側焼入れ板29及び固定側型部30と、ロケートリン
グ25の裏面側において固定側取り付け板23に形成さ
れる凹所32に先端部が収納され、固定側エジェクタプ
レート31、固定側型板27、固定側焼入れ板29、固
定側型部30を貫通して取り付けられるスプルブッシュ
33とから構成されている。
【0013】ロケートリング25にはノズル16の先端
が接触するノズル接触面24が凹設してあり、またスプ
ルブッシュ33にはノズル接触面24と連通するテーパ
ー状の通孔(スプル)34が形成してあると共にスプル
ブッシュ33の通孔34の先端の開口を充填口9として
形成してあり、さらに固定側型部30の表面には充填口
9と連通するランナー2と、ランナー2と連通するキャ
ビティ1が凹設してある。尚、37はスプル加熱用ヒー
ター、38は加熱ヒーターが挿着される加熱ヒーター用
孔である。
【0014】金型6の可動側は平板状の可動側取り付け
板39と、可動側取り付け板39の一方の表面に設けた
枠状の可動側間隔台40と、可動側間隔台40の先端に
配設される可動側型板41と、可動側取り付け板39と
可動側型板41の間に配設された可動側エジェクタプレ
ート42と、可動側型板41に設けた凹部43に収めら
れた可動側焼入れ板44及び可動側型部45と、可動側
エジェクタプレート42に突設され成形体をキャビティ
1から脱型するためのノックアウトピン46とから構成
されている。
【0015】可動側型部45の表面にはランナー2と、
ランナー2と連通するキャビティ1が凹設してあり、各
キャビティ1には上記ノックアウトピン46の先端を臨
ませてある。上記固定側型部30に凹設したキャビティ
1のうち任意の一つは、熱硬化性樹脂3の充填が最も遅
くなるキャビティ1aに形成されている。本実施例では
図3に示すように充填口9に一番近い位置にキャビティ
1aを形成してある。通常熱硬化性樹脂3の充填時間は
ランナー2の形状、金型の温度及び射出圧などによって
決まるが、本実施例ではキャビティ1aに連通するラン
ナー2の径を小さく形成してあって、このことにより他
のキャビティ1よりも熱硬化性樹脂3の圧力損失が大き
くなって充填時間が約2秒間遅れるようになっている。
そしてこのキャビティ1aには硬化度センサー7が設け
てある。
【0016】硬化度センサー7には熱硬化性樹脂3に直
接接触する形式のイオン粘度センサーや熱硬化性樹脂3
に非接触である超音波センサーなどを用いることができ
る。イオン粘度センサーは熱硬化性樹脂3の表面に接し
て電流を流し、その電流量の変化によって熱硬化性樹脂
3の硬化状態(硬化挙動)を検知することができるもの
である。また超音波センサーは熱硬化性樹脂3に超音波
を発射し、その反射波の変化によって熱硬化性樹脂3の
硬化状態(硬化挙動)を検知することができるものであ
る。
【0017】図4にはイオン粘度センサーの硬化度セン
サー7の取り付け構造が示してある。固定側型部30に
はその側面に開口する配線用孔51が形成してあり、配
線用孔51の先端にはキャビティ1aの平坦な内面に開
口するセンサー用孔52が連設してある。配線用孔51
の内周には中空円筒状のスペーサー53が配設してあ
り、固定側型部30のパーティング面と反対側の面には
スペーサー53を固定するスペーサー押さえ板54がボ
ルト60によって取り付けられている。そして硬化度セ
ンサー用配線47をスペーサー53の真ん中を貫通させ
て配線用孔51内に配設し、硬化度センサー用配線47
の先端に設けた硬化度センサー7の先端をキャビティ1
aの内面に臨ませてセンサー用孔52に取り付ける。硬
化度センサー7の先端はキャビティ1aの内面とほぼ面
一であって、キャビティ1a内に大きく突出しているも
のではなく、よって熱硬化性樹脂3と硬化度センサー7
は表面のみで接するようになり、熱硬化性樹脂3が硬化
して成形された製品の成形体に硬化度センサー7の跡が
残らないようにすることができる。
【0018】硬化度センサー用配線47と接続される硬
化度センサー7の一端には段部55が形成してあって、
この段部55の一端が配線用孔51の先端に当たると共
に段部55の他端がスペーサー53の先端に当たって硬
化度センサー7の位置決めがおこなえるようになってお
り、このことで硬化度センサー7の先端がキャビティ1
の内部に突出し過ぎないようになっていると共に射出圧
が硬化度センサー7にかかってもスペーサー53で硬化
度センサー7を支えてセンサー用孔52から抜け落ちな
いようになっている。射出圧が大きい場合にはスペーサ
ー押さえ板54の外面に固定側間隔台26を当接したり
サポートピラー等を設けたりしてスペーサー53をスペ
ーサー押さえ板54で支持することができるようになっ
ている。また硬化度センサー7と金型6とを絶縁するた
めに、硬化度センサー7の外周には絶縁材料で形成され
る外周部56が設けてある。尚、57はランナー2の先
端に形成されるゲート、58はキャビティ1に開口する
ゲート孔である。
【0019】上記のように形成される成形装置では、型
締め機構部18によって金型6の型締めをおこなうと共
に、射出機構部14のノズル16を金型6のロケートリ
ング25のノズル接触面24に当接してセッティングし
た後、ノズル16から金型6に溶融した熱硬化性樹脂3
を射出し、スプルブッシュ33の通孔34、充填口9、
ランナー2を通してキャビティ1に熱硬化性樹脂3を充
填し、熱硬化性樹脂3に熱を加えて硬化した後、金型6
を開いて成形体を脱型ようにして熱硬化性樹脂3の成形
体を成形することができる。そして熱硬化性樹脂3の充
填が最も遅いキャビティ1aに充填される熱硬化性樹脂
3aの硬化完了ポイントを硬化度センサー7で検知し、
この検知した信号を制御装置8に伝え、制御装置8で金
型6の型開きを制御するようにしてある。
【0020】図5は上記成形装置で成形した時の熱硬化
性樹脂3aの硬化度の変化を示す硬化度曲線(実線で示
す)と硬化度曲線の一次微分曲線(破線で示す)であ
り、図6には熱硬化性樹脂3aのキャビティ1aへの充
填状態を示してある。尚、この硬化度曲線を検出した時
の成形条件は、射出圧1700kgf/mm 2 、成形温
度170℃、充填時間36秒であり、熱硬化性樹脂3と
してはメラミンフェノール樹脂を用いた。図5に矢印ア
で示す期間は金型6が開いている型開き状態であり、ま
た図5に矢印イで示す期間は金型6を締めている型締め
状態である。まず金型6を締めて矢印イの期間になった
直後には、キャビティ1a内に熱硬化性樹脂3aが全く
充填されていないので、硬化度センサー7に電流が流れ
ず硬化度曲線は無限大(極大)を示す。次に熱硬化性樹
脂3をキャビティ1に充填しはじめると、熱硬化性樹脂
3aがキャビティ1aに充填されはじめてからしばらく
の間(図5に矢印ウで示す期間)では熱硬化性樹脂3a
が流動状態であって、図6(a)に示すように硬化度セ
ンサー7の表面と熱硬化性樹脂3aの接触面積が徐々に
大きくなっていく途中であり、そのために硬化度センサ
ー7に流れる電流が徐々に多くなり、この結果硬化度曲
線は徐々に降下していく。このあと熱硬化性樹脂3aの
充填が進んでいくと図6(b)で示すように硬化度セン
サー7の表面全体に熱硬化性樹脂3aが密着するように
なり、硬化度センサー7の表面と熱硬化性樹脂3aの接
触面積が最大となって硬化度曲線は最小硬化度ポイント
(図5にAで示す)を示すことになる。さらに熱硬化性
樹脂3aをキャビティ1aに充填していき、図6(c)
に示すようにキャビティ1aに熱硬化性樹脂3aが完全
に充填された状態となると、金型6の熱で熱硬化性樹脂
3を硬化させていく。このように熱硬化性樹脂3aを硬
化させていくと、熱硬化性樹脂3a内に含有されるイオ
ン成分が徐々に減少していき、硬化度センサー7に電流
が徐々に流れにくくなっていく。よって最小硬化度ポイ
ントAからこの成形完了までは硬化度曲線は上昇をして
いく。
【0021】この一連の硬化度の変化は逐次硬化度セン
サー7から硬化度測定器48に伝えられ処理装置49で
解析される。そして処理装置49で硬化度曲線の一次微
分曲線を求め、この一次微分曲線から硬化度曲線の変曲
点を求めて硬化完了ポイント(図5にBで示す)とと
し、この時点で熱硬化性樹脂3aが硬化したものとす
る。この後制御装置8から出力用配線50を介して金型
6の型開きをおこなうように型締め機構部18に命令を
出し、型締め機構部18の駆動によって金型6を開いて
キャビティ1から製品の成形体を脱型する。
【0022】このように本実施例の成形装置では、キャ
ビティ1aの熱硬化性樹脂3aの硬化度を直接検出する
ことによって熱硬化性樹脂3aの硬化状態を正確に検出
することができ、熱硬化性樹脂3の硬化が過ぎたり不十
分になったりすることがなくなる。また熱硬化性樹脂3
の充填が最も遅いキャビティ1a内に充填された熱硬化
性樹脂3aの硬化度を硬化度センサー7で検出し、制御
装置8で硬化度曲線から変曲点を求めてその点を硬化完
了ポイントBととし、その時点で金型6を開きはじめて
キャビティ1内の成形体を脱型するようにしたので、そ
れより前に充填された熱硬化性樹脂3で成形された成形
体は硬化度が必要且つ十分なものにすることができる。
【0023】図7には他の実施例が示してある。この実
施例では固定側型部30に成形体の成形を目的としない
ダミーキャビティ5が形成してある。ダミーキャビティ
5は成形体を成形するキャビティ1とは異なって内面に
凹凸がなく、その厚み(図8(b)に矢印で示す)がキ
ャビティ1の厚みの半分以下で一定に形成され、しかも
キャビティ1における熱硬化性樹脂3の圧力損失と同等
の圧力損失を有するようになっている。またキャビティ
1よりも熱硬化性樹脂3の充填が4秒遅くなるように充
填口9から一番遠い位置にダミーキャビティ5がランナ
ー2と接続されて形成されている。そしてこのダミーキ
ャビティ5に硬化度センサー7が取り付けてある。
【0024】図8にはイオン粘度センサーの硬化度セン
サー7の取り付け構造が示してある。固定側型部30に
はその側面に開口する配線用孔51が形成してあり、配
線用孔51の先端にはダミーキャビティ5の平坦な底面
に開口するセンサー用孔52が連設してある。配線用孔
51の内周には中空円筒状のスペーサー53が配設して
あり、固定側型部30のパーティング面と反対側の面に
はスペーサー53を固定するスペーサー押さえ板54が
ボルト60によって取り付けられている。そして硬化度
センサー用配線47をスペーサー53の真ん中を貫通さ
せて配線用孔51内に配設し、硬化度センサー用配線4
7の先端に設けた硬化度センサー7の先端をダミーキャ
ビティ5の底面に臨ませてセンサー用孔52に取り付け
る。
【0025】このように本実施例では、成形体を成形し
ないダミーキャビティ5を金型6に形成し、このダミー
キャビティ5において熱硬化性樹脂3aの硬化度を硬化
度センサー7によって検出するようにしたので、キャビ
ティ1に凹凸面があって硬化度センサー7が設置するこ
とができない場合であっても、ダミーキャビティ5にお
いて熱硬化性樹脂3aの硬化度を検出することができ
る。またダミーキャビティ5の厚みはキャビティ1の厚
みの半分以下であるので、ダミーキャビティ5に充填さ
れる成形体とならない熱硬化性樹脂3aの量を少なくす
ることができ、成形体の成形を安価にすることができる
と共に、金型6に深いダミーキャビティ5を作成するこ
ともなくなって、金型6の作成も安価におこなえるもの
である。さらにダミーキャビティ5では成形体の成形を
おこなわないので、他のキャビティ1で成形される成形
体にセンサーの跡が残らないようにすることができる。
【0026】図9にはさらに他の実施例示してある。こ
の実施例ではランナー2へ熱硬化性樹脂3を充填する充
填口9に対してダミーキャビティ5と対称位置にバラン
スキャビティ10を設けて金型6を形成してある。そし
て充填口9よりも上側にあるキャビティ1とダミーキャ
ビティ5に充填される熱硬化性樹脂3の総重量と、充填
口9よりも下側にあるキャビティ1とバランスキャビテ
ィ10に充填される熱硬化性樹脂3の総重量とが同じに
なるように、キャビティ1とダミーキャビティ5とバラ
ンスキャビティ10の容量が決められている。
【0027】図7に示す実施例では充填口9よりも上側
にダミーキャビティ5のみを設けて金型6を形成したの
で、熱硬化性樹脂の充填時におけるバランスが崩れ、充
填口9よりも上側にあるキャビティ1と下側にあるキャ
ビティ1とに充填される熱硬化性樹脂3の充填時間に約
4秒の差が生じることになるが、本実施例のようにバラ
ンスキャビティ10を設けることで、上側にあるキャビ
ティ1と下側にあるキャビティ1とに充填される熱硬化
性樹脂3の重量が同じになり、よって金型6内に熱硬化
性樹脂3を乱れなくバランス良く充填することができ
る。
【0028】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1の発明
は、他のキャビティよりも熱硬化性樹脂の充填が最も遅
くなるように形成されたキャビティ内に充填された熱硬
化性樹脂の硬化度を検出し、この硬化度が所定の値に達
した後、金型を開くように制御したので、熱硬化性樹脂
の硬化度を直接検出することによって熱硬化性樹脂の硬
化状態(硬化挙動)を正確に検出することができ、また
最も充填が遅い熱硬化性樹脂の硬化度が所定の値に達し
た後、金型を開くように制御することによって、それよ
り前に充填された熱硬化性樹脂で成形された成形体は硬
化度が必要且つ十分なものに形成することができ、熱硬
化性樹脂の硬化不足で成形体にふくれや割れなどの欠陥
が生じたりすることがなく、また金型を開くタイミング
が遅くなって成形体の成形効率が低下したりすることが
なくなるものである。
【0029】また本発明の請求項2の発明は、他のキャ
ビティよりも熱硬化性樹脂の充填が最も遅くなるように
形成されたキャビティを所望の成形体を成形することを
目的としないダミーキャビティとして用いたので、製品
の成形体を成形する熱硬化性樹脂の硬化度を直接検出す
ることがなくなって、成形体にセンサの跡が残らないよ
うにすることができるものである。上記のように本発明
の請求項3の発明は、他のキャビティよりも熱硬化性樹
脂の充填が最も遅くなるように形成されたキャビティ内
に充填された熱硬化性樹脂の硬化度を検出する硬化度セ
ンサーと、この硬化度センサーによる検出結果に応じて
金型を開くように制御する制御装置とを具備したので、
熱硬化性樹脂の硬化度を直接硬化度センサーで検出する
ことによって熱硬化性樹脂の硬化状態(硬化挙動)を正
確に検出することができ、また最も充填が遅い熱硬化性
樹脂の硬化度が所定の値に達した後、制御装置で金型の
開閉を制御してキャビティ内の成形体を脱型することに
よって、それより前に充填された熱硬化性樹脂で成形さ
れた成形体は硬化度が必要且つ十分なものに形成するこ
とができ、熱硬化性樹脂の硬化不足で成形体にふくれや
割れなどの欠陥が生じたりすることがなく、また金型を
開くタイミングが遅くなって成形体の成形効率が低下し
たりすることがなくなるものである。
【0030】また他のキャビティよりも熱硬化性樹脂の
充填が最も遅くなるように形成されたキャビティを所望
の成形体を成形することを目的としないダミーキャビテ
ィとして形成したので、製品の成形体を成形する熱硬化
性樹脂には直接硬化度センサーが接しなくなって、成形
体にセンサの跡が残らないようにすることができるもの
である。またダミーキャビティでは製品が成形されない
ので、ダミーキャビティの内面を平坦面にすることがで
き、硬化度センサーが取り付け易くなるものである。
【0031】さらに本発明の請求項5の発明は、ランナ
ーに熱硬化性樹脂が注入される充填口に対してダミーキ
ャビティと対称位置にバランスキャビティを形成したの
で、充填口の一方側に形成されるキャビティとダミーキ
ャビティに充填される熱硬化性樹脂の総重量と、充填口
の他方側に形成されるキャビティとバランスキャビティ
に充填される熱硬化性樹脂の総重量とを同じ重量にする
ことができ、キャビティに熱硬化性樹脂を乱れなくバラ
ンス良く充填することができるものである。
【0032】また本発明の請求項6の発明は、ダミーキ
ャビティを、製品の成形体が成形されるキャビティと同
等の圧力損失を有し、且つ厚みを一定に形成したので、
キャビティに充填するのと同条件でダミーキャビティに
熱硬化性樹脂を充填することができ、よってキャビティ
で熱硬化性樹脂の硬化度を検出するかわりにダミーキャ
ビティにて熱硬化性樹脂の硬化度を検出することができ
るようになり、製品の成形体を成形するキャビティで熱
硬化性樹脂の硬化度を検出する必要がなくなり、ダミー
キャビティで熱硬化性樹脂の硬化度を成形体にセンサの
跡が残らないようにすることができるものである。また
金型に大きい厚みのダミーキャビティを作成する必要も
なくなって、金型の形成も安価におこなうことができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す成形装置の概略図であ
る。
【図2】同上の金型を示す断面図である。
【図3】(a)は同上の金型を示す斜視図、(b)は概
略図である。
【図4】(a)は同上の金型を示す平面図、(b)は断
面図である。
【図5】同上の硬化度センサーによる硬化度の変化を示
すグラフである。
【図6】(a)、(b)、(c)は同上のキャビティへ
の熱硬化性樹脂の充填状態を示す概略図である。
【図7】(a)は他の実施例の金型を示す斜視図、
(b)は概略図、(c)は一部の概略図である。
【図8】(a)は同上の金型を示す平面図、(b)は断
面図である。
【図9】(a)は他の実施例の金型を示す斜視図、
(b)は概略図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 1a キャビティ 3 熱硬化性樹脂 3a 熱硬化性樹脂 5 ダミーキャビティ 6 金型 7 硬化度センサー 8 制御装置 9 充填口 10 バランスキャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住田 安弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 服部 和生 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−276413(JP,A) 特開 平6−91701(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G29C 45/00 - 45/84 G29C 33/00 - 33/76

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のキャビティを備えた熱硬化性樹脂
    成形用金型を用いて成形をおこなう熱硬化性樹脂の成形
    方法において、他のキャビティよりも熱硬化性樹脂の充
    填が最も遅くなるように形成されたキャビティ内に充填
    された熱硬化性樹脂の硬化度を検出し、この硬化度が所
    定の値に達した後、金型を開くように制御することを特
    徴とする熱硬化性樹脂の成形方法。
  2. 【請求項2】 他のキャビティよりも熱硬化性樹脂の充
    填が最も遅くなるように形成されたキャビティを所望の
    成形体を成形することを目的としないダミーキャビティ
    として用いることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化
    性樹脂の成形方法。
  3. 【請求項3】 複数のキャビティを備えた熱硬化性樹脂
    成形用金型を用いて成形をおこなう熱硬化性樹脂の成形
    装置において、他のキャビティよりも熱硬化性樹脂の充
    填が最も遅くなるように形成されたキャビティ内に充填
    された熱硬化性樹脂の硬化度を検出する硬化度センサー
    と、この硬化度センサーによる検出結果に応じて金型を
    開くように制御する制御装置とを具備して成ることを特
    徴とする熱硬化性樹脂の成形装置。
  4. 【請求項4】 他のキャビティよりも熱硬化性樹脂の充
    填が最も遅くなるように形成されたキャビティを所望の
    成形体を成形することを目的としないダミーキャビティ
    として形成して成ることを特徴とする請求項3に記載の
    熱硬化性樹脂の成形装置。
  5. 【請求項5】 ランナーに熱硬化性樹脂が注入される充
    填口に対してダミーキャビティと対称位置にバランスキ
    ャビティを形成して成ることを特徴とする請求項に記
    載の熱硬化性樹脂の成形装置。
  6. 【請求項6】 ダミーキャビティを、製品の成形体が成
    形されるキャビティと同等の圧力損失を有し、且つ厚み
    を一定に形成して成ることを特徴とする請求項4又は
    に記載の熱硬化性樹脂の成形装置。
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