JP3575782B2 - 射出成形機とその射出成形方法 - Google Patents

射出成形機とその射出成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は金型キャビティの充填樹脂による金型の反力を検出し、この出力データに基づいて樹脂の金型キャビティへの充填速度制御、それに続く保圧工程での金型圧縮制御や位置制御の全部或いはその一部を適正に制御する超精密成形用射出成形機及びその射出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品の精密化に伴って射出成形機や射出成形方法も休む事なく進化を遂げている。最近ではデータ処理、映像や音楽を始め各種の分野でデジタル技術が普遍化し、その当然の帰結として例えばCDやMD或いはDVDというようなデジタル基板が実用化されてきた。特にDVD基板においては金型に刻設された超微細な凹凸を正確に成形品に転写することが要求されるようになり、従来のような油圧制御の射出成形機では到底役に立たず、新たにサーボモータを多用する射出成形機が開発されようとしている。このような射出成形機にあっては次のような事が基板精度を左右する事になる。
【0003】
例えば光ディスク基板の成形を例に取ると、成形品のソリ、異物の付着、ボイド、ガスヤケ、成形サイクルなどが極めて重要なファクタとなるが、とりわけ最大の課題が▲1▼超微細ピッチ、▲2▼深さのピット転写性、▲3▼50nm以下という複屈折の実現であり、(光弾性係数×主応力差「=剪断応力+熱応力」)を緩和することで複屈折を抑制する事が出来る。
【0004】
さて、基板成形において、微細凹凸の転写性を妨げる要因として、▲1▼マイクロボイド、▲2▼マイクロフローマークが挙げられる。
微細凹凸に沿って樹脂が流れると、微細凹凸の壁の前後において樹脂流に空気の巻き込み現象が生じ、微細空気溜まりを形成する。この微細空気溜まりが転写性低下の原因となるもので、その対策としては高速充填による樹脂の固化を極力抑えて充填を完了する事である。また、射出圧縮のタイミングも重要なファクタとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように考えてくると、計量樹脂の金型キャビティへの射出速度の制御、ゲートカットのタイミングや金型圧縮の圧縮速度や金型圧縮の圧力制御、成形品の厚みを一定にするための金型の位置制御などを適切に行わねばならず、油圧駆動による金型圧縮成形方法を採用していた従来装置の能力では到底達成出来なかった。この点は図5で本発明と従来例とを比較しつつ説明する。
本発明の解決課題はいかに前記各制御を適切且つ迅速に行うかにあり、そのための新たな金型圧縮成形用射出成形機及びその射出成形方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
『請求項1』は前記課題を達成する射出成形機(A)の一例で「精密成形の金型圧縮射出成形方法に用いられる射出成形機(A)であって、固定金型(1b)と、移動金型 (1a) と、金型(1)に樹脂(3a)を射出する射出機構部(a)と、移動金型 (1a) が装着された移動ダイプレート (18) と、移動ダイプレート (18) の背方に配設されたハウジング (50) と、ハウジング (50) に接続された金型開閉トグル機構 (T) と、移動ダイプレート (18) とハウジング (50) との間の中央部に配設され、金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)による金型(1)の反力を移動ダイプレート (18) を介して検出し、その出力データに基づいて樹脂(3)を金型キャビティ(2)に充填する射出工程、或いはそれに続く保圧工程の少なくともいずれか一方、又は前記工程の全体又はその一部の制御を行わせる圧力センサ(54)とで構成された」事を特徴とする。
【0007】
金型キャビティ(2)に計量樹脂(3a)が充填される射出工程において、圧力センサ(54)から充填樹脂(3)に関する出力が得られるのは、充填樹脂(3)が金型(1)に接触し始めてからである。この点を図5の点(px)で示す。従って、圧力センサ(54)から充填樹脂(3)に関する出力が得られるのは、充填樹脂(3)が金型(1)に接触し始める点(px)から充填樹脂(3)の硬化が完了する保圧工程の終了迄である。この点を図5の点(P3)で示す。
これらの期間中では、充填樹脂(3)に関するデータ(即ち、充填樹脂(3)から直接受ける反力)が圧力センサ(54)から直接得られるので、各工程がリアルタイムで正確に制御される事になる。
なお、前記制御は、▲1▼充填樹脂(3)が金型(1)に接触し始めてからゲートカット迄の射出工程の一部、▲2▼充填樹脂(3)のゲート(2a)を閉塞するゲートカットのタイミング、▲3▼保圧工程の前部段階である充填樹脂(3)を金型圧縮する工程、▲4▼保圧工程の後部段階である位置制御などの各工程全部を通して、或いは各工程のいずれか、又は各工程の一部において適用される。
【0008】
『請求項2』は請求項1の射出成形機に[表示部(7)]を追加した例で「精密成形の金型圧縮射出成形方法に用いられる射出成形機(A)であって、固定金型(1b)と、移動金型 (1a) と、金型(1)に樹脂(3a)を射出する射出機構部(a)と、移動金型 (1a) が装着された移動ダイプレート (18) と、移動ダイプレート (18) の背方に配設されたハウジング (50) と、ハウジング (50) に接続された金型開閉トグル機構 (T) と、移動ダイプレート (18) とハウジング (50) との間の中央部に配設され、金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)による金型(1)の反力を移動ダイプレート (18) を介して検出し、その出力データに基づいて樹脂(3)を金型キャビティ(2)に充填する射出工程、或いはそれに続く保圧工程の少なくともいずれか一方、又は前記工程の全体又はその一部の制御を行わせる圧力センサ(54)と、前記制御工程の全部或いはその一部をデジタル或いはアナログ表示する表示部(7)とで構成されている」事を特徴とする。これによれば、前述の作用に加えて圧力センサ(54)による制御工程の全部或いはその一部がデジタル或いはアナログ表示によって表示部(7)に表示されるので、工程管理が一目瞭然となり非常に管理しやすくなる。
【0009】
『請求項3』は前記射出成形機(A)を使用した射出成形方法の一例で「固定金型(1b)と、移動金型 (1a) と、移動金型 (1a) が装着された移動ダイプレート (18) と、移動ダイプレート (18) の背方に配設されたハウジング (50) と、ハウジング (50) に接続された金型開閉トグル機構 (T) と、移動ダイプレート (18) とハウジング (50) との間の中央部に配設され、金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)による金型(1)の反力を移動ダイプレート (18) を介して検出する圧力センサ(54)とが設置されている精密成形用射出成形機(A)の金型圧縮射出成形方法であって、前記圧力センサ(54)からの出力データに基づいて、金型(1)による充填樹脂(3)の圧力制御、或いは金型(1)の位置制御による充填樹脂(3)の厚み制御の少なくともいずれかを行う」事を特徴とする。これによれば、保圧工程の内、重要ファクタである前記制御を充填樹脂(3)から直接得られるその反力によって行う事になるので、リアルタイムで且つ正確な制御が可能となる。なお、金型(1)の圧力制御と、金型(1)の位置制御による充填樹脂(3)の厚み制御はいずれか一方だけでもよいし、両方とも行ってもよい。
【0010】
『請求項4』は射出成形方法の他の例で「固定金型(1b)と、移動金型 (1a) と、移動金型 (1a) が装着された移動ダイプレート (18) と、移動ダイプレート (18) の背方に配設されたハウジング (50) と、ハウジング (50) に接続された金型開閉トグル機構 (T) と、移動ダイプレート (18) とハウジング (50) との間の中央部に配設され、金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)による金型(1)の反力を移動ダイプレート (18) を介して検出する圧力センサ(54)と、金型のゲート(2a)を開閉するゲートカットピン(30)とが設置されている精密成形用射出成形機(A)の金型圧縮射出成形方法であって、前記圧力センサ(54)からの出力データに基づいてゲートカットピン(30)の作動タイミングを制御する」事を特徴とする。これによれば、射出成形工程の内、重要ファクタの一つであるゲートカットのタイミング制御を、充填樹脂(3)から直接得られるその反力によって行う事になるので、リアルタイムで且つ正確な制御が可能となる。
【0011】
『請求項5』は射出成形方法の更に他の例で「固定金型(1b)と、移動金型 (1a) と、移動金型 (1a) が装着された移動ダイプレート (18) と、移動ダイプレート (18) の背方に配設されたハウジング (50) と、ハウジング (50) に接続された金型開閉トグル機構 (T) と、移動ダイプレート (18) とハウジング (50) との間の中央部に配設され、金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)による金型(1)の反力を移動ダイプレート (18) を介して検出する圧力センサ(54)と、金型(1)内に樹脂(3a)を射出する射出機構部(a)とが設置されている精密成形用射出成形機(A)の金型圧縮射出成形方法であって、前記圧力センサ(54)からの出力データに基づいて、射出機構部(a)からの金型(1)内への樹脂射出速度制御を行う」事を特徴とする。これによれば、射出成形工程の内、重要ファクタの一つである射出工程、特に射出速度制御を、充填樹脂(3)から直接得られるその反力によって行う事になるので、リアルタイムで且つ正確な制御が可能となる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。本発明の射出成形機(A)は図1に示すように射出機構部(a)と金型機構部(b)とに大別される。
射出機構部(a)は、スクリュ(4)を前進・後退させるための駆動機構部(10)、スクリュ(4)を回転させる回転用サーボモータ(11)、スクリュ(4)を前進・後退させる射出用サーボモータ(12)、原料樹脂混練及び射出用のスクリュ(4)、スクリュ(4)が進退・回転可能収納されている射出シリンダ(13)、射出シリンダ(13)に巻設されたヒータ(14)、スクリュ(4)と駆動機構部(10)との間に配設され、スクリュ(4)に掛かる圧力を検出している射出用ロードセル(15)、原料供給ホッパ(16)並びに各サーボモータ(11)(12)に装着されているパルス発生装置(11a)(12a)とで構成されている。
【0013】
次に金型機構部(b)に付いて説明する。金型(1)は移動・固定金型(1a)(1b)で構成されており、固定ダイプレート(17)に固定金型(1b)が装着され、移動ダイプレート(18)に移動金型(1a)が装着されている。固定金型(1b)のパーティング面には金型キャビティ(2)の一部を構成する凸部(5b)が形成されており、前記凸部(5b)に対応して金型キャビティ(2)の一部を構成する凹部(5a)が移動金型(1a)のパーティング面に形成されており、型閉時に凹部(5a)に凸部(5b)が嵌まり込むようになっている。
【0014】
更に、移動金型(1a)に凹設された凹部(5a)の固定金型(1b)との対向面(5)には例えばCDやDVD用の微細な凹凸が形成してある。この微細凹凸刻設面(5)は超鏡面加工のような極めて高い平滑度(例えば、max0.01μm、)平面度=0.1μmが要求され、平行度は例えば0.005mm以下、など極めて高い精度が要求される。
更に、移動金型(1a)の中心にはゲートカットピン(30)がスライド自在に配設されている。
【0015】
移動ダイプレート(18)はタイバー(19)にスライド往復自在に取り付けられており、タイバー(19)の端部にテイルストック(20)が装着されている。
移動ダイプレート(18)の背面には中には圧力センサ(54)が配設されており、更にその背部に圧力センサ(54)が取着されているハウジング(50)が設置されている。
【0016】
次に金型開閉トグル機構(T)に付いて説明する。テイルストック(20)には金型制御サーボモータ(31)が取り付けられており、その回転駆動軸に取り付けられた駆動プーリ(32)と、テイルストック(20)にベアリングを介して回転自在に配設された従動プーリ(34)とを伝達ベルト(33)にて接続している。前記金型制御サーボモータ(31)にはパルス発生装置(31a)が装着されている。
従動プーリ(34)には雄ネジ棒(44)が進退自在に螺装されており、前記雄ネジ棒(44)の突出端が金型開閉クロスヘッド(35)に取り付けられている。金型開閉トグルは長短各アーム(36)をリンク機構に接続したもので、その一端はテイルストック(20)に回動自在に接続され、他端はハウジング(50)に回動自在に接続され、更にもう一つの端部は金型開閉クロスヘッド(35)に取り付けられている。このリンク機構は公知の技術であるからこれ以上の詳細は省く。
【0017】
次にハウジング(50)に設けられたゲートカット/エジェクト機構部(c)に付いて説明する。ハウジング(50)にはゲートカット/エジェクト用のサーボモータ(40)が取着されており、その回転駆動軸に装着された駆動プーリ(41)と、ハウジング(50)にベアリングを介して回動自在に保持された従動プーリ(43)とが伝達ベルト(42)にて接続されている。従動プーリ(43)は作動ナット(45)に取り付けられており、この作動ナット(45)にはゲートカットピン(30)の後半部分に螺設された作動用ネジ部(30a)が進退自在に螺装されている。サーボモータ(40)にはパルス発生装置(40a)が配設されている。
【0018】
(8)は制御装置で、本射出成形機(A)全体の制御を司るものであり、その中の1つの機能として、射出用ロードセル(15)、圧力センサ(54)、サーボモータ(11)(12)(31)及び(40)に装着されたパルス発生装置(11a)(12a)(31a)(40a)及びヒータ(14)からの信号を得てサーボモータ(11)(12)(31)及び(40)の制御を行うようになっている。駆動系の制御は全てサーボモータ(11)(12)(31)及び(40)によって行われるのであるから、プログラムすることにより複合動作など任意の条件が作り出せる。
(7)は制御装置(8)に接続した表示部で、射出成形工程の全部或いはその一部をデジタル或いはアナログ表示するようになっている。図5は射出工程と保圧工程における制御状態をグラフで表した例であり、例えばこのようなグラフが表示される。これにより工程管理が一目瞭然となり非常に管理しやすくなる。
【0019】
図5について説明すると、該グラフは縦軸に圧力を取り、横軸に時間を取ったものである。実線で示した曲線は本発明の制御例を示し、上側の実線は移動金型(1a)の設定圧力であり、下側の実線は圧力センサ(54)で検出した移動金型(1a)の実際の反力を示す。
破線で示した曲線は従来例を示し、上側の破線は油圧駆動による移動金型(1a’)の設定圧力であり、下側の破線は油圧回路に設置した油圧センサ(図示せず)の出力である。
【0020】
従来例では、金型圧縮に油圧駆動を使用し、その圧縮圧力を油圧回路に設置した油圧センサで検出し、設定圧力に一致するように油圧制御していた。処が、油圧制御の場合、圧油の温度変化や粘性その他各種変化は勿論、樹脂圧の検出が圧油を介してのものであるという間接的検出である事や、移動金型(1a’)の動摩擦と静摩擦との差など各種の要因により、実際の金型(1’)内の樹脂圧力は動的に変化して波形を示し設定圧力に一致しない。即ち、上側の破線のように射出工程開始(0)から型開(R3)までその金型圧縮圧は設定されており、この設定圧力に合わせて移動金型(1a’)の圧縮圧が変化するように油圧制御されるべきであるが、実際はそうはなっていない。即ち、金型駆動用油圧回路に設置された油圧センサからの出力は、射出が始まり、金型キャビティ内に樹脂が充填され始め、しばらく経って移動金型(1a’)に樹脂が接触し始めてから出力が開始する。この点を(S)で示す。その後樹脂の充填と共に急速に油圧センサが示す出力は急速に立ち上がり、ピーク(S1)を迎えた後前述の理由により樹脂圧の出力波形は波を打つ。換言すれば、金型キャビティ(2’)内の樹脂圧は動的に変化する事になり、設定圧とは一致しなくなる。また油圧駆動による射出速度も限界があり、図5の(0→R1)ようにかなり遅い速度で射出される事になる。従って、充填樹脂(3)の表面に薄い樹脂膜が発生してしまい、転写性を損なう。
点(R1)で射出工程が終了し、保圧工程の前段階である金型圧縮工程(R1→R2)に移行するが、この段階では波を打つので充填樹脂(3’)の各部に加わる圧力が一定せず、成形品(26’)の内部応力高くなって複屈折率を大きくしてしまう。
【0021】
これに対して本発明では、圧力センサ(54)によって充填樹脂(3)の樹脂圧を直接検出しているので、保圧工程の前部段階である移動金型(1a)による圧縮圧力制御、或いは後部段階である移動金型(1a)による位置制御をリアルタイムで追従させる事が出来るし、射出工程(px→P1)の範囲であれば、圧力センサ(54)による直接検出に追従して射出速度を制御できる。点(px)は圧力センサ(54)の出力開始点から立ち上げた垂線(H1)と射出設定速度曲線(0→P1)との交点である。
【0022】
次に、本発明の作用について説明する。原料樹脂(3c)が原料供給ホッパ(16)に投入され、回転用サーボモータ(11)を作動させてスクリュ(4)を回転させると原料樹脂(3c)は次第に射出シリンダ(13)方向に送られて行く、射出シリンダ(13)はその外周に巻着されているヒータ(14)によって加熱されているので、射出シリンダ(13)に入った原料樹脂(3c)は次第に溶融し且つスクリュ(4)の回転作用によって混練されて行く。
【0023】
スクリュ(4)の回転と共に溶融混練樹脂(3b)は射出シリンダ(13)の先端方向に送られ、先端部分で貯溜される。この反作用としてスクリュ(4)は次第に後退し、ついには予め設定されている後退停止位置に至る。この時点で樹脂計量が完了した事になる。
続いて、回転用サーボモータ(11)を停止させると共に射出用サーボモータ(12)を作動させてスクリュ(4)を前方に突き出し、射出シリンダ(13)の先端部分に溜まっていた計量溶融混練樹脂(3a)を金型キャビティ(2)に射出する。
この間のスクリュ(4)の回転速度は、パルス発生装置(11a)からの出力信号を制御装置(8)に取り込み、設定値と比較し、設定値をトレースするように回転用サーボモータ(11)をフィードバック制御或いはフィードフォワード制御又はその両方を協働させて制御する。
【0024】
また、スクリュ(4)の射出速度は、射出用ロードセル(15)の出力信号を制御装置(8)に取り込み、設定値と比較し、設定値をトレースするように射出用サーボモータ(12)をフィードバック制御或いはフィードフォワード制御又はその両方を協働させて制御する。射出用サーボモータ(12)の回転速度はパルス発生装置(12a)によって検出される事になる。
なお、射出速度は金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)の樹脂圧により制御される方が直接的で好ましいので、点(px)において充填樹脂(3)が移動金型(1a)に接触して圧力センサ(54)から樹脂圧に関するデータが出力され始めると、射出用ロードセル(15)による射出速度制御を圧力センサ(54)による射出速度制御に切り替えてもよい。この点を図5で解説すると、(0→P1)の領域は、射出工程であるから速度制御が行われ、その内の(0→px)は射出用ロードセル(15)による射出速度制御が行われ、(px→P1)は圧力センサ(54)による射出速度制御が行われる。勿論、(0→P1)全体を通じて射出用ロードセル(15)による射出速度制御を行ってもよい事は言うまでもない。
なお、計量樹脂(3a)の射出は、射出用サーボーモータ(12)によって行われるので、設定値に極めて近い高速射出が可能となり、薄い樹脂膜が充填樹脂(3)の表面に生じる前に射出を完了する事が出来、転写性を著しく高める事が出来る。
【0025】
その後、ゲートカットが行われるのであるが、そのタイミング(P1)は圧力センサ(54)が所定の値を示したときゲートカットピン(30)が作動してゲートカットを行う。従って、毎回同じ樹脂圧の時にゲートカットが行われるので、金型キャビティ(2)内には安定して同量の樹脂(3)が毎回充填される事になる。
【0026】
次に保圧工程[(P1)→(P3)]に移るが、その前部段階である圧力制御領域では圧力センサ(54)によって金型キャビティ(2)内の樹脂圧を直接検出して制御していくのであるから、設定値にほぼ近い圧縮圧力を充填樹脂(3)に与える事が出来、内部応力をより小さくする事が出来る。
保圧工程の後部段階である位置制御[(P2)→(P3)]に移ると、充填樹脂(3)はほぼ硬化しており、その厚みが一定になるように移動金型(1a)の位置を正確に制御しなければならない。前述のように金型キャビティ(2)には毎回一定量の樹脂(3)が充填されるので、圧力センサ(54)の検出値が一定であれば、その厚さも一定となる。従って、位置制御段階で圧力センサ(54)の検出値が設定値になるように制御すれば、自ずから移動金型(1a)の位置も常に一定位置となり、成形品(26)の厚さも一定となる。
【0027】
上記工程を金型(1)の動きとして説明する。図4▲1▼に示すようにまず、型閉が行われる。即ち、金型制御サーボモータ(31)を作動させ、駆動プーリ(32)及び伝達ベルト(33)介してその回転力を従動プーリ(34)に伝達し、従動プーリ(34)を回転させると従動プーリ(34)に螺装されている雄ネジ棒(44)が図2から図3に示すように右方向に進み、クロスヘッド(35)を推し進めて金型開閉トグルを伸長させる。この時この伸長に合わせて移動ダイプレート(18)及びこれに装着されている移動金型(1a)が固定金型(1b)側に移動し、固定金型(1b)の凸部(5b)に移動金型(1a)の凹部(5a)が嵌まり込む。ただしこの時点ではトグルは完全に伸長しておらずパーティング面間には若干の隙間(t)が設けられる。従って、金型キャビティ(2)も型締時より広い状態となる。
【0028】
次に、射出サーボモータ(12)を作動させてスクリュ機構部(10)を作動させ、スクリュ(4)を金型(1)側に移動させ、シリンダ(13)の先端の計量混練溶融樹脂(3a)を、金型キャビティ(2)内に射出する(図4▲2▼参照)。その射出速度は制御装置(8)により最適にコントロールされる。溶融計量樹脂(3a)が金型キャビティ(2)内に射出・充填されると、移動金型(1a)に接触してこれを押圧し、その充填圧が圧力センサ(54)にて検出される。この時前述のように金型キャビティ(2)は若干広く設定されているので、その分だけ溶融混練樹脂(3)が余分に充填されるようになる。
以上の工程(0→P1)は、射出用ロードセル(15)によって、或いは(0→px)を射出用ロードセル(15)で制御し、(px→P1)を圧力センサ(54)によって制御する。また、この射出工程は射出サーボモータ(12)にて設定値に追従するように行われるので、充填樹脂(3)に薄い樹脂膜が発生する前に充填が完了する。
【0029】
次に、ゲートカットが行われるのであるが、圧力センサ(54)が所定値(P1)を示したとき、直ちにゲートカットが行われ、金型キャビティ(2)への樹脂(3a)の供給が即時に停止させられる。(図6▲3▼参照)
即ち、金型(1)の型閉が行われている状態でサーボモータ(40)を作動させて従動プーリ(43)を回転させるとゲートカットピン(30)が前進し、固定金型(1b)のゲート(2a)をその先端にて閉塞する。これにより金型キャビティ(2)は移動金型(1a)が前進しなかった分だけ余分に樹脂(3)が充填された状態で完全に外界からシャットアウトされる。
【0030】
次に、金型制御サーボモータ(31)を再度作動させて雄ネジ棒(44)を更に前進させ、クロスヘッド(35)を推し進めて金型開閉トグルを更に伸長させて移動ダイプレート(18)が固定金型(1b)に所定の圧力で押圧されるようにする。これにより、極めて強い圧力で充填樹脂(3)が圧縮され、凹部(5a)の微細凹凸面(5)の微細凹凸が硬化しつつある充填樹脂(3)の表面に正確に転写される事になる。(図6▲4▼参照)この間圧力センサ(54)にて樹脂圧を直接検出しながら圧縮するので、再現性高く毎回均一な金型圧縮を行うことが出来る。
続いて、更に、この状態において圧力センサ(54)にて樹脂圧を直接検出しながら樹脂圧が所定の値になるように移動金型(1a)を保持し、充填樹脂(3)を硬化させる。これにより、成形品(26)は再現性高く毎回均一な肉厚のものになる。
【0031】
充填樹脂(3)の硬化が終了すると図6▲5▼に示すように、金型制御サーボモータ(31)を逆作動させて移動金型(1a)を固定金型(1b)側から離間させる。この時成形品(26)は移動金型(1a)の金型キャビティ(2)内に嵌まり込んだまま移動金型(1a)と共に移動する。
【0032】
最後に図6▲6▼に移り、型開きが終わった処でサーボモータ(40)を作動させてゲートカットピン(30)を金型キャビティ(2)から突き出し、成形品(26)を離型させてから回収する。
【0033】
【発明の効果】
本発明にあっては、金型キャビティ内の充填樹脂による金型の反力を検出し、その出力データに基づいて樹脂を金型キャビティに充填する射出工程或いはそれに続く保圧工程の少なくともいずれか一方、又は前記工程の全体又はその一部の制御を行わせる圧力センサを設置しているので、充填樹脂に関するデータが圧力センサから直接得られる事になり、各工程がリアルタイムで正確に制御される事になる。
また、射出成形機に表示部を設置しておけば、圧力センサによる制御工程の全部或いはその一部がデジタル或いはアナログ表示によって表示部に表示されるので、工程管理が一目瞭然となり非常に管理しやすくなる。
また、圧力センサからの出力データに基づいてゲートカットピンの作動タイミングを制御することで前記タイミング制御がリアルタイムで且つ正確になる。
圧力センサからの出力データに基づいて射出機構部からの金型内への樹脂射出速度制御を行う事で、やはり前記制御をリアルタイムで且つ正確に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる射出成形機の主要部分の概略構造を示す断面図
【図2】図1の金型機構部の図面で、樹脂充填時の拡大断面図
【図3】図1の金型機構部の図面で、金型圧縮時の拡大断面図
【図4】▲1▼〜▲6▼…本発明の射出全工程における金型の作動状態を示す断面図
【図5】本発明における設定圧変化及び圧力センサの出力と、従来例の設定圧及び油圧センサの出力の比較グラフ
【図6】従来例における樹脂充填時の拡大断面図
【図7】従来例における樹脂圧縮時の拡大断面図
【符号の説明】
(A)…射出成形機 (a)…射出機構部 (b)…金型機構部
(1)…金型
(2)…金型キャビティ
(3)…樹脂 (3a)…計量樹脂 (3b)…混練樹脂
(4)…スクリュ
(5)…微細凹凸面
(8)…制御装置
(11)(12)(31)(40)…サーボモータ
(30)…ゲートカットピン
(54)…圧力センサ

Claims (5)

  1. 精密成形の金型圧縮射出成形方法に用いられる射出成形機であって、固定金型と、移動金型と、金型に樹脂を射出する射出機構部と、移動金型が装着された移動ダイプレートと、移動ダイプレートの背方に配設されたハウジングと、ハウジングに接続された金型開閉トグル機構と、移動ダイプレートとハウジングとの間の中央部に配設され、金型キャビティ内の充填樹脂による金型の反力を移動ダイプレートを介して検出し、その出力データに基づいて樹脂を金型キャビティに充填する射出工程、或いはそれに続く保圧工程の少なくともいずれか一方、又は前記工程の全体又はその一部の制御を行わせる圧力センサとで構成された事を特徴とする射出成形機。
  2. 精密成形の金型圧縮射出成形方法に用いられる射出成形機であって、固定金型と、移動金型と、金型に樹脂を射出する射出機構部と、移動金型が装着された移動ダイプレートと、移動ダイプレートの背方に配設されたハウジングと、ハウジングに接続された金型開閉トグル機構と、移動ダイプレートとハウジングとの間の中央部に配設され、金型キャビティ内の充填樹脂による金型の反力を移動ダイプレートを介して検出し、その出力データに基づいて樹脂を金型キャビティに充填する射出工程、或いはそれに続く保圧工程の少なくともいずれか一方、又は前記工程の全体又はその一部の制御を行わせる圧力センサと、前記制御工程の全部或いはその一部をデジタル或いはアナログ表示する表示部とで構成されている事を特徴とする射出成形機。
  3. 固定金型と、移動金型と、移動金型が装着された移動ダイプレートと、移動ダイプレートの背方に配設されたハウジングと、ハウジングに接続された金型開閉トグル機構と、移動ダイプレートとハウジングとの間の中央部に配設され、金型キャビティ内の充填樹脂による金型の反力を移動ダイプレートを介して検出する圧力センサとが設置されている精密成形用射出成形機の金型圧縮射出成形方法であって、前記圧力センサからの出力データに基づいて、金型による充填樹脂の圧力制御、或いは金型の位置制御による充填樹脂の厚み制御の少なくともいずれかを行う事を特徴とする射出成形方法。
  4. 固定金型と、移動金型と、移動金型が装着された移動ダイプレートと、移動ダイプレートの背方に配設されたハウジングと、ハウジングに接続された金型開閉トグル機構と、移動ダイプレートとハウジングとの間の中央部に配設され、金型キャビティ内の充填樹脂による金型の反力を移動ダイプレートを介して検出する圧力センサと、金型のゲートを開閉するゲートカットピンとが設置されている精密成形用射出成形機の金型圧縮射出成形方法であって、前記圧力センサからの出力データに基づいてゲートカットピンの作動タイミングを制御する事を特徴とする射出成形方法。
  5. 固定金型と、移動金型と、移動金型が装着された移動ダイプレートと、移動ダイプレートの背方に配設されたハウジングと、ハウジングに接続された金型開閉トグル機構と、移動ダイプレートとハウジングとの間の中央部に配設され、金型キャビティ内の充填樹脂による金型の反力を移動ダイプレートを介して検出する圧力センサと、金型内に樹脂を射出する射出機構部とが設置されている精密成形用射出成形機の金型圧縮射出成形方法であって、前記圧力センサからの出力データに基づいて、射出機構部からの金型内への樹脂射出速度制御を行う事を特徴とする射出成形方法。
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