JP3580669B2 - 射出成形機とその射出成形方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は樹脂の金型キャビティへの充填速度制御、それに続く保圧工程でのコア圧縮制御や位置制御の全部或いはその一部をサーボモータにて適正に制御する精密成形用射出成形機及びその射出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品の精密化に伴って射出成形機や射出成形方法も休む事なく進化を遂げている。最近ではデータ処理、映像や音楽を始め各種の分野でデジタル技術が普遍化し、その当然の帰結として例えばCDやMD或いはDVDというようなデジタル基板が実用化されてきた。特にDVD基板においては金型に刻設された超微細な凹凸を正確に成形品に転写することが要求されるようになり、従来のような油圧制御によるコア圧縮射出成形機では後述する理由により到底役に立たず、新たにコア型を使用し、サーボモータを多用する射出成形機が開発されようとしている。このような射出成形機にあっては次のような事が基板精度を左右する事になる。
【0003】
例えば光ディスク基板の成形を例に取ると、成形品のソリ、異物の付着、ボイド、ガスヤケ、成形サイクルなどが極めて重要なファクタとなるが、とりわけ最大の課題が▲1▼超微細ピッチ、▲2▼深さのピット転写性、▲3▼50nm以下という複屈折の実現であり、(光弾性係数×主応力差「=剪断応力+熱応力」)を緩和することで複屈折を抑制する事が出来る。
【0004】
さて、基板成形において、微細凹凸の転写性を妨げる要因として、▲1▼マイクロボイド、▲2▼マイクロフローマークが挙げられる。
微細凹凸に沿って樹脂が流れると、微細凹凸の壁の前後において樹脂流に空気の巻き込み現象が生じ、微細空気溜まりを形成する。この微細空気溜まりが転写性低下の原因となるもので、その対策としては高速充填による樹脂の固化を極力抑えて充填を完了する事である。また、射出圧縮のタイミングも重要なファクタとなる。しかしながら前記において高速充填が必要であるとしても射出工程から圧縮工程に移る時に急激に切り替えると水撃現象が発生し、射出成形機にダメージを与えたり、金型に型開方向の衝撃的な力が加わってバリ発生の原因となり、適切な成形が困難となるので、前記切替のタイミングも非常に重要なファクタとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように考えてくると、計量樹脂の金型キャビティへの射出速度の制御、ゲートカットのタイミングやコア圧縮の圧縮速度やコア圧縮の圧力制御、成形品の厚みを一定にするためのコア型の位置制御などを適切に行わねばならず、油圧駆動によるコア圧縮成形方法を採用していた従来装置の能力では到底達成出来なかった。この点は図7で本発明と従来例とを比較しつつ説明する。
本発明の解決課題はいかに前記各制御を適切且つ迅速に行うかにあり、そのための新たなコア圧縮成形用射出成形機及びその射出成形方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
『請求項1』は前記課題を達成する射出成形機(A)の一例で「精密成形のコア圧縮射出成形方法に用いられる射出成形機(A)であって、固定金型 (1b) と、移動金型 (1a) が装着された移動ダイプレート (18) と、金型キャビティ (2) の一部を形成するコア型 (5) と、移動ダイプレート (18) に取り付けられたコア型開閉トグル機構 (T2) と、移動ダイプレート (18) を移動させる金型開閉トグル機構 (T1) と、金型(1)に樹脂を射出する射出機構部(a)と、金型開閉トグル機構 (T1) を作動させて移動ダイプレート (18) を移動させる金型制御サーボモータ (31) と、コア型開閉トグル機構 (T2) を作動させてコア型(5)の制御を行うコア型制御サーボモータ(40)とで構成された」事を特徴とする。
【0007】
CD、MD、DVDなどの精密射出成形機成形、とりわけDVD基板の射出成形は、前述のように金型に刻設された超微細な凹凸を正確に成形品に転写することが要求される。ここではコア型(5)の制御にサーボモータ(40)を使用しているので、フィードバック制御或いはフィードフォワード制御又はその両方を協働させる事が出来、射出成形においてコア型(5)が関与する工程(例えば、▲1▼射出工程、▲2▼保圧工程の前部段階である充填樹脂(3)をコア圧縮する工程、▲3▼保圧工程の後部段階である位置制御などの各工程)の全部を通して、或いは各工程のいずれか、又は各工程の一部において、コア型(5)の制御が極めて正確に行えるようになり、基板成形における微細凹凸の転写性を格段に向上させる事が出来た。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。なお、添付図面中、図1、2は上下別の状態が記載されている。さて、本発明の射出成形機(A)は図1に示すように射出機構部(a)と金型機構部(b)とに大別される。
射出機構部(a)は、スクリュ(4)を前進・後退させるための駆動機構部(10)、スクリュ(4)を回転させる回転用サーボモータ(11)、スクリュ(4)を前進・後退させる射出用サーボモータ(12)、原料樹脂混練及び射出用のスクリュ(4)、スクリュ(4)が進退・回転可能収納されている射出シリンダ(13)、射出シリンダ(13)に巻設されたヒータ(14)、スクリュ(4)と駆動機構部(10)との間に配設され、スクリュ(4)に掛かる圧力を検出している射出用ロードセル(15)、原料供給ホッパ(16)並びに各サーボモータ(11)(12)に装着されているパルス発生装置(11a)(12a)とで構成されている。
【0011】
次に金型機構部(b)に付いて説明する。金型(1)は移動・固定金型(1a)(1b)で構成されており、固定ダイプレート(17)に固定金型(1a)が装着され、移動ダイプレート(18)に移動金型(1b)が装着されている。移動ダイプレート(18)にはコア型開閉トグル機構(T2)が取り付けられており、コア型開閉トグル機構(T2)のハウジング(50)と、タイバー(19)の一端が固定されているテイルストック(20)との間に金型開閉トグル機構(T1)が配設されている。
【0012】
移動金型(1a)にはガイド孔(29)が形成されており、該ガイド孔(29)にコア型(5)がスライド自在に配設されており、コア型(5)と固定金型(1a)との間に金型キャビティ(2)が形成される。コア型(5)の金型キャビティ(2)側の面(5a)には例えばCDやDVD用の微細な凹凸が形成してあり、側微細凹凸刻設面(5a)は超鏡面加工のような極めて高い平滑度(例えばRmax0.01μm、平面度=0.1μm)が要求され、平行度は例えば0.005mm以下、コア型(5)とガイド孔(29)との同軸度は例えば0.005mmなど極めて高い精度が要求される。
更に、コア型(5)の中心にはゲートカットピン(30)がスライド自在に配設されている。
【0013】
次に金型開閉トグル機構(T1)に付いて説明する。テイルストック(20)には金型制御サーボモータ(31)が取り付けられており、その回転駆動軸に取り付けられた駆動プーリ(32)と、テイルストック(20)にベアリングを介して回転自在に配設された従動プーリ(34)とが伝達ベルト(33)を介して接続されている。前記金型制御サーボモータ(31)にはパルス発生装置(31a)が装着されている。
従動プーリ(34)には雄ネジ棒(30a)が進退自在に螺装されており、前記雄ネジ棒(30a)の突出端が金型開閉クロスヘッド(35)に取り付けられている。金型開閉トグルは長短各アーム(36)をリンク機構に接続したもので、その一端はテイルストック(20)に回動自在に接続され、他端はハウジング(50)に回動自在に接続され、更にもう一つの端部は金型開閉クロスヘッド(35)に取り付けられている。このリンク機構は公知の技術であるからこれ以上の詳細は省く。
【0014】
次にコア型開閉トグル機構(T2)に付いて説明する。コア型開閉トグル機構(T2)の前端部分を構成するハウジング(49)は移動ダイプレート(18)に接続されており、更にコア型開閉トグルを介して後端部分を構成するハウジング(50)に接続されている。ハウジング(50)にはコア型制御サーボモータ(40)が取着されており、その回転駆動軸に装着された駆動プーリ(41)と、ハウジング(50)にベアリングを介して回動自在に保持された従動プーリ(43)とが伝達ベルト(42)にて接続されている。従動プーリ(43)は作動ナット(45)に取り付けられており、この作動ナット(45)にはコア作動用ネジ棒(44)が進退自在に螺装されている。このコア作動用ネジ棒(44)にはゲートカットピン(30)に連なる中間ピン(30b)がスライド自在に挿通されており、その先端は加圧プレート(59)に接続されており、後端は雄ネジ部(30a)の先端に離接するようになっている。なお、コア型制御サーボモータ(40)にはパルス発生装置(40a)が配設されている。
【0015】
前記で使用されるコア型開閉トグルは、金型開閉トグルと同様長短各種アーム(47)をリンク機構に接続したもので、その構造自体は公知の構造であるが、その回転接続部(H)において、回転中心となる回転ピン(48)とアーム(47)の間にベアリング(46)が介装され、アーム(47)のガタがなく円滑に作動するようにしている点で従来例と相違する。ベアリング(46)の種類は問わないが、荷重がかかるためコロ軸受け或いはニードル軸受けなど大荷重を担持する事ができる種類のものが選定される。
簡単に構造を述べれば、長短各種アーム(47)の一端はハウジング(49)に接続し、その他端はハウジング(50)に接続し、更にもう一つの端部はコア作動ネジ棒(44)の先端に設けられたコア作動クロスヘッド(55)に取り付けられている。
【0016】
移動ダイプレート(18)の中にはコア型(5)を加圧する加圧ブロック(57)がスライド自在に配設されており、圧力センサ(54)を介してハウジング(49)に接している。加圧ブロック(57)、圧力センサ(54)及びハウジング(49)を貫通してスライド自在にピン押圧棒(30c)が配設されており、その先端はゲートカットピン(30)に当接し、その他端に配設されたシリンダ(60)を介して加圧プレート(59)に接している。
前記シリンダ(60)はピン押圧棒(30c)にスライド自在に挿通された突き出しピン(61)が接続されている。
【0017】
(8)は制御装置で、本射出成形機(A)全体の制御を司るものであり、その中の1つの機能として、射出用ロードセル(15)、圧力センサ(54)、サーボモータ(11)(12)(31)及び(40)に装着されたパルス発生装置(11a)(12a)(31a)及び(40a)からの信号を得てサーボモータ(11)(12)(31)及び(40)の制御を行うようになっている。駆動系の制御は全てサーボモータ(11)(12)(31)及び(40)によって行われるのであるから、プログラムすることにより複合動作など任意の条件が作り出せる。
(7)は制御装置(8)に接続した表示部で、射出成形工程の全部或いはその一部をデジタル或いはアナログ表示するようになっている。図7は射出工程と保圧工程における制御状態をグラフで表した例であり、例えばこのようなグラフが表示される。これにより工程管理が一目瞭然となり非常に管理しやすくなる。
【0018】
図7について説明すると、該グラフは縦軸に圧力を取り、横軸に時間を取ったものである。実線で示した曲線は本発明の制御例を示し、上側の実線はコア型(5)の設定圧力であり、下側の実線はコア型(5)の実際の反力を示す。
破線で示した曲線は従来例を示し、上側の破線は油圧駆動によるコア型の設定圧力であり、下側の破線は油圧回路に設置した油圧センサ(図示せず)の出力である。
【0019】
コア圧縮成形方法は、一般的に型締完了後、コア型(5)を後退させて金型キャビティ(2)の容積を拡大し、その中に計量樹脂(3a)を射出充填し、コア型(5)を前進させて圧縮成形するという方法を採用している。
従来方法では、コア圧縮に油圧駆動を使用していたため圧力制御しか出来なかった。しかも計量樹脂(3a)の射出充填は拡張された金型キャビティ(2)内に低圧で行われ、圧力制御でコア型(5)を前進させて圧縮成形していたため金型キャビティ(2)内に樹脂(3)が充満するまで時間が掛かっており、その間に充填樹脂(3)の表面の樹脂膜が成長して精密な転写が阻害されていた。加えて油圧制御の場合、圧油の温度変化や粘性その他各種変化は勿論、樹脂圧の検出が圧油を介してのものであるという間接的検出である事や、コア型の動摩擦と静摩擦との差など各種の要因により、実際の金型内の樹脂圧力は動的に変化して波形を示し設定圧力に一致せず、成形品(26)の内部応力高くなって複屈折率を大きくしてしまうという問題もあった。
【0020】
これに対して本発明では、圧力センサ(54)によって充填樹脂(3)の樹脂圧を直接検出し、この検出データを元にして、保圧工程の前部段階であるコア型(5)による圧縮圧力制御、或いは後部段階である位置制御をフィードバック制御或いはフィードフォワード制御又はこれらを協働させてリアルタイムで追従させる事が出来るし、射出工程(px→P1)の範囲であれば、圧力センサ(54)による直接検出にて追従して射出速度を高速から低速までどのようにでも制御できる。
【0021】
次に、本発明の作用について説明する。原料樹脂(3c)が原料供給ホッパ(16)に投入され、回転用サーボモータ(11)を作動させてスクリュ(4)を回転させると原料樹脂(3c)は次第に射出シリンダ(13)方向に送られて行く、射出シリンダ(13)はその外周に巻着されているヒータ(14)によって加熱されているので、射出シリンダ(13)に入った原料樹脂(3c)は次第に溶融し且つスクリュ(4)の回転作用によって混練されて行く。
【0022】
スクリュ(4)の回転と共に溶融混練樹脂(3b)は射出シリンダ(13)の先端方向に送られ、先端部分で貯溜される。この反作用としてスクリュ(4)は次第に後退し、ついには予め設定されている後退停止位置に至る。この時点で樹脂計量が完了した事になる。
続いて、回転用サーボモータ(11)を停止させると共に射出用サーボモータ(12)を作動させてスクリュ(4)を前方に突き出し、射出シリンダ(13)の先端部分に溜まっていた計量溶融混練樹脂(3a)を金型キャビティ(2)に射出する。
この間のスクリュ(4)の回転速度は、パルス発生装置(11a)からの出力信号を制御装置(8)に取り込み、設定値と比較し、設定値をトレースするように回転用サーボモータ(11)をフィードバック制御する。
【0023】
また、スクリュ(4)の射出速度は、射出用ロードセル(15)の出力信号を制御装置(8)に取り込み、設定値と比較し、設定値をトレースするように射出用サーボモータ(12)をフィードバック制御する。射出用サーボモータ(12)の回転速度はパルス発生装置(12a)によって検出される事になる。
なお、射出速度は金型キャビティ(2)内の充填樹脂(3)の樹脂圧により制御される方が直接的で好ましいので、点(px)において充填樹脂(3)がコア型(5)に接触して圧力センサ(54)から樹脂圧に関するデータが出力され始めると、射出用ロードセル(15)による射出速度制御を圧力センサ(54)による射出速度制御に切り替えてもよい。この点を図7で解説すると、(0→P1)の領域は、射出工程であるから速度制御が行われ、その内の(0→px)は射出用ロードセル(15)による射出速度制御が行われ、(px→P1)は圧力センサ(54)による射出速度制御が行われる。勿論、(0→P1)全体を通じて射出用ロードセル(15)による射出速度制御を行ってもよい事は言うまでもない。
なお、計量樹脂(3a)の射出は、射出用サーボーモータ(12)によって行われるので、設定値に極めて近い高速射出が可能となり、薄い樹脂膜が充填樹脂(3)の表面に生じる前に射出を完了する事が出来、転写性を著しく高める事が出来る。
【0024】
その後、ゲートカットが行われるのであるが、そのタイミングは圧力センサ(54)が所定の値を示したときゲートカットピン(30)が作動してゲートカットを行う。従って、毎回同じ樹脂圧の時にゲートカットが行われるので、金型キャビティ(2)内には安定して同量の樹脂(3)が毎回充填される事になる。
【0025】
次に保圧工程に移るが、その前部段階である圧力制御領域では圧力センサ(54)によって金型キャビティ(2)内の樹脂圧を直接検出して制御していくのであるから、設定値にほぼ近い圧縮圧力を充填樹脂(3)に与える事が出来、内部応力をより小さくする事が出来る。
保圧工程の後部段階である位置制御に移ると、充填樹脂(3)はほぼ硬化しており、その厚みが一定になるようにコア型(5)の位置を正確に制御しなければならない。前述のように金型キャビティ(2)には毎回一定量の樹脂(3)が充填されるので、圧力センサ(54)の検出値が一定であれば、その厚さも一定となる。従って、位置制御段階で圧力センサ(54)の検出値が設定値になるように制御すれば、自ずからコア型(5)の位置も常に一定位置となり、成形品(26)の厚さも一定となる。
【0026】
上記工程を金型(1)の動きとして説明する。図6▲1▼に示すようにまず、型締めが行われる。即ち、金型制御サーボモータ(31)を作動させ、駆動プーリ(32)及び伝達ベルト(33)介してその回転力を従動プーリ(34)に伝達し、従動プーリ(34)を回転させると従動プーリ(34)に螺装されている雄ネジ棒(30a)が図2中下段の状態から上段に示すように右方向に進み、クロスヘッド(35)を推し進めて金型開閉トグルを伸長させる。この時この伸長に合わせてコア開閉トグル機構(T2)、移動ダイプレート(18)及びこれに装着されている移動金型(1a)が固定金型(1b)側に移動し、固定金型(1b)に移動金型(1a)が所定圧力で押圧される。この時、コア開閉トグル機構(T2)は作動しておらず、コア型(5)は後退限に位置している。
【0027】
次に、射出直前状態を示す図6▲2▼になる。ここではコア型(5)は前進限まで移動する。即ち、コア開閉サーボモータ(40)を作動させると駆動プーリ(41)及び伝達ベルト(42)を介してその回転力を従動プーリ(43)に伝達し、従動プーリ(43)を回転させると従動プーリ(43)に螺装されているコア作動用ネジ棒(44)が図中右側に前進し、コア作動用ネジ棒(44)が取り付けられていコア作動クロスヘッド(55)を推し進めてコア型開閉トグルを伸長させる。この時この伸長に合わせてコア開閉トグルのアーム(47)の一端が枢着されているハウジング(49)を固定金型(1b)側に押し出し、圧力センサ(54)及び加圧ブロック(57)を介してコア型(5)が固定金型(1b)側に移動する。コア型(5)の加圧圧力は圧力センサ(54)によって検出され、そのデータは制御装置(8)に入力(30)、加圧圧力が設定値となるようにコア型制御サーボモータ(40)が制御される。コア型制御サーボモータ(40)の回転速度はパルス発生装置(40a)によって検出される。
【0028】
次に図6▲3▼に移る。この状態で前述のよう射出サーボモータ(12)を作動させてスクリュ機構部(10)を作動させ、スクリュ(4)を金型(1)側に移動させ、シリンダ(13)の先端の計量混練溶融樹脂(3a)を、金型キャビティ(2)内に射出する。その射出速度は制御装置(8)により最適にコントロールされる。樹脂(3a)が金型キャビティ(2)内に射出・充填されると、コア型(5)に接触してこれを押圧し、その充填圧でコア型(5)が押し戻され、その部分に溶融混練樹脂(3)が余分に充填されるようになる。この時コア開閉サーボモータ(40)を作動させて樹脂圧が所定のあたいとなるようにコア型(5)が押し戻される速度を制御してもよい。
以上の工程(0→P1)は、射出用ロードセル(15)によって、或いは(0→px)を射出用ロードセル(15)で制御し、(px→P1)を圧力センサ(54)によって制御する。また、この射出工程は射出サーボモータ(12)にて設定値に追従するように行われるので、充填樹脂(3)に薄い樹脂膜が発生する前に充填が完了する。
【0029】
次に、図6▲4▼に示すようにゲートカットが行われるのであるが、圧力センサ(54)が所定値を示したとき、直ちにゲートカットが行われ、金型キャビティ(2)への樹脂(3a)の供給が即時に停止させられる。
即ち、金型(1)の型締が行われている状態で金型制御サーボモータ(31)を更に作動させると雄ネジ棒(30a)が更に前方に進もうとする。雄ネジ棒(30a)の先端が接続されている金型開閉クロスヘッド(35)に接続されているアーム(36)は雄ネジ棒(30a)に対して直角方向を向いているので、金型開閉クロスヘッド(35)のわずかな前進については殆ど影響を受けず型締力の増減は殆どない。一方、雄ネジ棒(30a)の先端は、中間ピン(30b)及びピン押圧棒(30c)を介してゲートカットピン(30)に接続しているので、雄ネジ棒(30a)の前進によりゲートカットピン(30)も前進して固定金型(1b)のゲート(2a)をその先端にて閉塞する。これにより金型キャビティ(2)はコア型(5)が後退した分だけ余分に樹脂(3)が充填された状態で完全に外界からシャットアウトされる。
【0030】
次に、図6▲5▼に移る。前述のようにゲートカットが終わるとこの状態で再度コア開閉サーボモータ(40)を作動させてコア型(5)を前進限まで前進させ、極めて強い圧力で充填樹脂(3)を押圧し、コア型(5)の微細凹凸を充填樹脂(3)が硬化しつつある充填樹脂(3)に転写する。この間圧力センサ(54)にて樹脂圧を直接検出しながら圧縮するので、再現性高く毎回均一なコア圧縮を行うことが出来る。
続いて、更に、この状態において圧力センサ(54)にて樹脂圧を直接検出しながら樹脂圧が所定の値になるようにコア型(5)を保持し、充填樹脂(3)が硬化させる。これにより、成形品(26)は再現性高く毎回均一な肉厚のものになる。
充填樹脂(3)の硬化が終了すると図6▲6▼に示すように、コア型制御サーボモータ(40)を逆作動させてコア型(5)を固定金型(1b)側から離間させる。
次に、図6▲7▼に移り、金型制御サーボモータ(31)を逆作動させて移動金型(1a)を固定金型(1b)側から離間させる。この時成形品(26)は移動金型(1a)の金型キャビティ(2)内に嵌まり込んだまま移動金型(1a)と共に移動する。
【0031】
最後に図6▲8▼に移り、型開きが終わった処でエジェクト用のシリンダ(60)を作動させ、突き出しピン(61)を突出させてゲートカットピン(30)を金型キャビティ(2)から突き出し、成形品(26)を離型させてから回収する。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、コア型の制御にサーボモータを使用しているので、射出成形においてコア型が関与する工程の全部を通して、或いは各工程のいずれか、又は各工程の一部において、コア型の制御が極めて正確に行えるようになり、基板成形における微細凹凸の転写性を格段に向上させる事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる射出成形機の主要部分の概略構造を示す断面図
【図2】図1の金型機構部の図面で、上半分が型締め時の拡大断面図であり、下半分が型開き時の拡大断面図である。
【図3】図2の金型機構部において、金型に樹脂を充填しつつある状態の拡大断面図
【図4】図2の金型機構部において、コア型による型締め時の拡大断面図
【図5】図2の金型機構部におけるコア型開閉トグル機構の詳細拡大断面図
【図6】▲1▼〜▲8▼…本発明の射出全工程における金型の作動状態を示す断面図
【図7】本発明における設定圧変化及び圧力センサの出力と、従来例の設定圧及び油圧センサの出力の比較グラフ
【符号の説明】
(A)…射出成形機 (a)…射出機構部 (b)…金型機構部
(1)…金型
(2)…金型キャビティ
(3)…樹脂 (3a)…計量樹脂 (3b)…混練樹脂
(4)…スクリュ
(5)…コア型
(8)…制御装置
(11)(12)(31)(40)…サーボモータ
(30)…ゲートカットピン
(54)…圧力センサ
Claims (1)
- 精密成形のコア圧縮射出成形方法に用いられる射出成形機であって、固定金型と、移動金型が装着された移動ダイプレートと、金型キャビティの一部を形成するコア型と、移動ダイプレートに取り付けられたコア型開閉トグル機構と、移動ダイプレートを移動させる金型開閉トグル機構と、金型に樹脂を射出する射出機構部と、金型開閉トグル機構を作動させて移動ダイプレートを移動させる金型制御サーボモータと、コア型開閉トグル機構を作動させてコア型の制御を行うコア型制御サーボモータとで構成された事を特徴とする射出成形機。
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