JP2858174B2 - 車両用衝突防止装置 - Google Patents

車両用衝突防止装置

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JP2858174B2
JP2858174B2 JP3136570A JP13657091A JP2858174B2 JP 2858174 B2 JP2858174 B2 JP 2858174B2 JP 3136570 A JP3136570 A JP 3136570A JP 13657091 A JP13657091 A JP 13657091A JP 2858174 B2 JP2858174 B2 JP 2858174B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/34Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
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    • B60T8/3615Electromagnetic valves specially adapted for anti-lock brake and traction control systems
    • B60T8/363Electromagnetic valves specially adapted for anti-lock brake and traction control systems in hydraulic systems
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  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対照障害物との衝突の
可能性を判断するための車両および前記障害物間の動作
パラメータを検出する検出器を備え、該検出器の検出値
に基づいてブレーキを作動せしめる車両用衝突防止装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる衝突防止装置は、たとえば
特公昭61−4700号公報等により知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものでは、対照障害物たとえば前方車両との衝突の可能
性が生じたときに自動的に各ブレーキを作動せしめるよ
うにしているが、路面の摩擦係数を考慮していないた
め、雪路、凍結路等の摩擦係数の低い路面ではフル制動
をかけても所望の減速度が得られない。また車両の運転
者は自動的なブレーキがかかることを前もって感知し得
ないので衝突を回避すべく自動的な急制動がかかると運
転者に違和感に与える。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、フル制動の前段階でポンピング制動を実行し
てポンピング制動中の車輪の挙動から路面の摩擦係数を
判定し、路面の摩擦係数に対応した制動を可能として適
切な減速を可能とするとともに運転者に違和感を与える
ことを極力回避するようにした車両用衝突防止装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明装置は、各車輪の速度を検出する車輪速度検
出器の検出値に基づいて走行路面の摩擦係数を判定する
とともに該摩擦係数が設定値以下であると判定したとき
には判定信号を出力する路面摩擦係数判定回路と、対照
障害物との衝突の可能性が高いとして設定される第1基
準値と前記検出器の検出値との比較結果により各ブレー
キを連続作動せしめるための第1制動制御信号を出力す
る第1比較器と、前記衝突の可能性が第1基準値よりも
低い側に設定される第2基準値と前記検出器の検出値と
の比較結果により各ブレーキをポンピング作動せしめる
ための第2制動制御信号を出力する第2比較器と、第2
比較器から第2制動制御信号が出力されている状態で前
記路面摩擦係数判定回路からの判定信号出力に応じて各
ブレーキの作動制御状態を変更するための変更信号を出
力する変更信号出力回路とを備える。
【0006】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。
【0007】図1ないし図5は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は車両の制動用流体圧系統図、図2
は電動式流体圧出力手段の縦断側面図、図3はフェイル
セーフ用電磁切換弁の縦断面図、図4は電子制御ユニッ
トの概略構成を示すブロック図、図5はオートブレーキ
制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0008】先ず図1において、乗用車両の前車軸1F
における両側の左前車輪WFLおよび右前車輪WFRには左
前輪用ディスクブレーキBFLおよび右前輪用ディスクブ
レーキBFRが装着され、後車軸1R における両側の左後
輪WRLおよび右後輪WRRには左後輪用ディスクブレーキ
RLおよび右後輪用ディスクブレーキBRRが装着され
る。而して該車両の制動装置は、左流体圧系統LL 、右
流体圧系統LR および一括流体圧系統LT を備えるもの
であり、左流体圧系統LL は、左前輪用電動式流体圧出
力手段AFLおよびタンデム型マスタシリンダMの第1出
力ポート2が左前輪用ディスクブレーキBFLに切換可能
に接続されて構成され、右流体圧系統LR は、右前輪用
電動式流体圧出力手段AFRおよびタンデム型マスタシリ
ンダMの第2出力ポート3が右前輪用ディスクブレーキ
FRに切換可能に接続されて構成され、一括流体圧系統
T は、後輪用電動式流体圧出力手段AR が左、右後輪
用ディスクブレーキBRL,BRRに接続されて構成され
る。
【0009】図2において、左前輪用電動式流体圧出力
手段AFLは、先端側を閉塞端として有底筒状に形成され
たシリンダ体4と、該シリンダ体4の後端に同軸に連結
されるガイド筒5と、ガイド筒5に同軸に連結される支
持筒6と、該支持筒6に同軸に連結される連結筒7と、
エンコーダ8を有して前記連結筒7に同軸に連設される
モータ9FLと、前記シリンダ体4の閉塞端との間に圧力
室10を形成してシリンダ体4内に摺動自在に嵌合され
るピストン11と、軸線まわりの回転を阻止されてガイ
ド筒5内に配置されるとともにピストン11の後端に同
軸に連結される筒状のナット部材12と、ボールねじ1
3を介して前記ナット部材12に結合されるとともにモ
ータ9FLの出力軸9aにオルダムジョイント14を介し
て連結される回転軸15とを備える。
【0010】ガイド筒5の内面およびナット部材12の
外面には軸線方向に延びる複数条の溝16,17が相互
に対応して設けられており、相互に対応する溝16,1
7にボール18がそれぞれ嵌合されることにより、ナッ
ト部材12すなわちピストン11の軸線まわりの回転作
動が阻止される。また回転軸15は、一対のボールベア
リング19,20を介して支持筒6に回転自在に支承さ
れるものであり、半径方向外方に張出して回転軸15に
設けられる鍔21、ならびに回転軸15に嵌着される止
め輪22が、両ボールベアリング19,20における各
内輪の軸方向外端にそれぞれ係合することにより、回転
軸15の軸線方向移動が阻止される。
【0011】またシリンダ体4の上部には、圧力室10
への作動流体の補給ならびに圧力室10からの作動流体
の戻りを可能としてリザーバ23が設けられる。さらに
シリンダ体4には、圧力室10に通じる出力ポート24
FLが設けられ、該出力ポート24FLが左流体圧系統LL
に接続される。しかもシリンダ体4の閉塞端には、圧力
室10の流体圧、すなわち出力ポート24FLが左前輪用
ディスクブレーキBFLに連通している状態では左前輪用
ディスクブレーキBFLの制動圧を検出するための左前輪
用圧力センサSFLが取付けられる。
【0012】このような左前輪用電動式流体圧出力手段
FLでは、モータ9FLの正逆回転作動に応じてボールね
じ13によりピストン11が軸方向に往復作動せしめら
れ、それに応じた流体圧が圧力室10で発生することに
なる。
【0013】右前輪用電動式流体圧出力手段AFRおよび
後輪用電動式流体圧出力手段AR は、基本的には上記左
前輪用電動式流体圧出力手段AFLと同一の構成を有する
ものであり、詳細な説明を省略するが、右前輪用電動式
流体圧出力手段AFRではモータ9FRの回転作動量に応じ
た流体圧が出力ポート24FRから出力されるとともにそ
の流体圧が右前輪用圧力センサSFRで検出され、後輪用
電動式流体圧出力手段AR ではモータ9R の回転作動量
に応じた流体圧が出力ポート24R から出力されるとと
もにその流体圧が後輪用圧力センサSR で検出される。
【0014】再び図1において、タンデム型マスタシリ
ンダMは、ブレーキペダル26の踏込み操作量に応じた
流体圧を第1および第2出力ポート2,3から出力する
従来周知のものであり、このタンデム型マスタシリンダ
Mには、ブレーキペダル26のペダルストロークを検出
するストロークセンサSS と、ブレーキペダル26の踏
力に対応する第1出力ポート2からの出力流体圧を検出
する圧力センサSM とが付設される。
【0015】左流体圧系統LL にはフェイルセーフ用電
磁切換弁27L が介設されており、この電磁切換弁27
L は、ソレノイド36L の励磁時に左前輪用電動式流体
圧出力手段AFLの出力ポート24FLを左前輪用ディスク
ブレーキBFLに連通させるとともにマスタシリンダMの
第1出力ポート2をアキュムレータACに連通させる状
態と、ソレノイド36L の消磁時に左前輪用電動式流体
圧出力手段AFLの出力ポート24FLおよび左前輪用ディ
スクブレーキBFL間を遮断するとともにマスタシリンダ
Mの第1出力ポート2を左前輪用ディスクブレーキBFL
に連通させる状態とを切換可能である。
【0016】図3において、フェイルセーフ用電磁切換
弁27L は、左前輪用電動式流体圧出力手段AFLの出力
ポート24FLに通じる第1入力ポート28、マスタシリ
ンダMの第1出力ポート2に通じる第2入力ポート2
9、左前輪用ディスクブレーキBFLに通じる第1出力ポ
ート30、ならびにアキュムレータACに通じる第2出
力ポート31を有するハウジング32と、同軸に連動、
連結されてハウジング32内に摺動自在に連結される円
盤状の第1および第2弁体33,34と、両弁体33,
34を軸方向一方側に付勢するばね力を発揮すべく第2
弁体34およびハウジング32間に介設される戻しばね
35と、励磁時に戻しばね35のばね力に抗して両弁体
33,34を軸方向他方側に吸引する電磁力を発揮すべ
くハウジング32に収納されるソレノイド36L とを備
える。
【0017】第1および第2弁体33,34は連結軸3
7により同軸に連結される。また第1弁体33の外面に
は、ソレノイド36L の励磁時には図3の実線で示すよ
うに第1出力ポート30に連通するがソレノイド36L
の消磁時には図3の破線で示すように第1出力ポート3
0とは遮断される環状溝38が第1入力ポート28に常
時連通するようにして設けられる。さらに第1および第
2弁体33,34間の間隔は、ソレノイド36L の励磁
時には図3の実線で示すように第2入力ポート29およ
び第1出力ポート30間を第1弁体33で遮断するとと
もに第2入力ポート29および第2出力ポート31間を
連通し、ソレノイド36L の消磁時には図3の破線で示
すように第1入力ポート29および第2出力ポート31
間を第2弁体34で遮断するとともに第2入力ポート2
9および第1出力ポート30間を連通させるべく設定さ
れる。
【0018】このフェイルセーフ用電磁切換弁27L
ソレノイド36L は、車両に搭載されるエンジンの始動
に応じて励磁されるものであり、通常時にはソレノイド
36 L が励磁状態にあって左前輪用電動式流体圧出力手
段AFLの出力流体圧を左前輪用ディスクブレーキBFL
伝達可能であり、マスタシリンダMの出力圧はアキュム
レータACで吸収されることになる。またソレノイド3
L を消磁すると、電磁切換弁27L は、マスタシリン
ダMの出力流体圧を左前輪用ディスクブレーキBFLに伝
達可能となる。したがって左前輪用電動式流体圧出力手
段AFLの故障時には、フェイルセーフ用電磁切換弁27
L のソレノイド36L を消磁することにより、マスタシ
リンダMの出力圧を左前輪用ディスクブレーキBFLに作
用させて制動力を確保することが可能である。
【0019】右流体圧系統LR には上記フェイルセーフ
用電磁切換弁27L と基本的に同一の構成を有するフェ
イルセーフ用電磁切換弁27R が介設されており、この
電磁切換弁27R は、ソレノイド36R の励磁時に右前
輪用電動式流体圧出力手段A FRの出力ポート24FRを右
前輪用ディスクブレーキBFRに連通させるとともにマス
タシリンダMの第2出力ポート3を前記電磁切換弁27
FLと共通なアキュムレータACに連通させる状態と、ソ
レノイド36R の消磁時に右前輪用電動式流体圧出力手
段AFRの出力ポート24FRおよび右前輪用ディスクブレ
ーキBFR間を遮断するとともにマスタシリンダMの第2
出力ポート3を右前輪用ディスクブレーキBFRに連通さ
せる状態とを切換可能である。
【0020】一括流体圧系統LT には遮断弁40が介設
される。この遮断弁40は、ソレノイド41,42の消
磁時に後輪用電動式流体圧出力手段AR の出力ポート2
R から出力される流体圧を左、右後輪用ディスクブレ
ーキBRL,BRRに伝達し得る中立位置と、ソレノイド4
2を消磁状態としたままソレノイド41を励磁したとき
に前記出力ポート24R の出力流体圧を左後輪用ディス
クブレーキBRLには伝達可能であるが右後輪用ディスク
ブレーキBRRへの伝達を遮断する位置(図1の上位置)
と、ソレノイド41を消磁状態としたままソレノイド4
2を励磁したときに前記出力ポート24R の出力流体圧
を右後輪用ディスクブレーキBRRには伝達可能であるが
左後輪用ディスクブレーキBRLへの伝達を遮断する位置
(図1の下位置)とを切換可能な3ポート3位置電磁切
換制御弁である。
【0021】図4において、左流体圧系統LL における
フェイルセーフ用電磁切換弁27L のソレノイド3
L 、右流体圧系統LR におけるフェイルセーフ用電磁
切換弁27R のソレノイド36R 、一括流体圧系統LT
における遮断弁40のソレノイド41,42、各電動式
流体圧出力手段AFL,AFR,AR のモータ9FL,9FR
R 、ならびに第1、第2および第3警報器44,4
5,46は、電子制御ユニット47によって制御される
ものであり、該電子制御ユニット47は、主演算処理部
48と、3つの副演算処理部49FL,49FR,49R
を備える。
【0022】主演算処理部48は、車体速度検出回路5
1と、アンチロック制御回路52と、路面摩擦係数判定
回路53と、オートブレーキ制御回路54と、ハイセレ
クト回路55と、故障診断回路56と、ブレーキ配分制
御回路57と、3つの補正回路58FL,58FR,58R
とを備える。
【0023】車体速度検出回路51は、左前輪WFL,右
前輪WFR,左後輪WRL,右後輪WRRにそれぞれ装着され
ている車輪速度検出器43FL,43FR,43RL,43RR
の検出値に基づいて車体速度VV を検出するものであ
る。
【0024】アンチロック制御回路52は、前記各車輪
速度検出器43FL,43FR,43RL,43RRの検出値、
ならびに車体速度検出回路51で得られた車体速度VV
に基づいて、制動時に左前輪WFL、右前輪WFR、ならび
に両後輪WRL,WRRがロックしそうになったかどうかを
検出し、左前輪用ディスクブレーキBFL、右前輪用ディ
スクブレーキBFR、ならびに両後輪用ディスクブレーキ
RL,BRRの制動圧をそれぞれ制御するための信号を出
力すべく構成される。
【0025】路面摩擦係数判定回路53は、車両が走行
している路面の摩擦係数μが予め定めた路面摩擦係数μ
0 たとえば0.4以下となったと判断したときにハイレ
ベルの信号を出力すべく構成されるものであり、車輪速
度検出器43FL,43FR,43RL,43RRの検出値、な
らびに車体速度検出回路51で得られた車体速度VV
路面摩擦係数判定回路53に入力される。而して、該路
面摩擦係数判定回路53では、車体速度VV に所定のス
リップ率を加味して得られた基準車輪速度と、車輪速度
検出器43FL,43FR,43RL,43RRの検出値とが比
較され、各車輪速度検出器43FL,43FR,43RL,4
RRの検出値の少なくとも1つが前記基準車輪速度以下
となったときに、摩擦係数μが予め定めた路面摩擦係数
μ0 以下となったものと判断して路面摩擦係数判定回路
53からハイレベルの信号が出力される。
【0026】オートブレーキ制御回路54は、車体速度
検出回路51で得られた車体速度V V と、対照障害物た
とえば前方を走行している他の車両との間の動作パラメ
ータとしての距離を検出するレーザーレーダ等の距離検
出器50で得られた距離Lとに基づいて、各ディスクブ
レーキBFL,BFR,BRL,BRRを自動的に作動せしめる
べきか否かを判断し、その判断結果に応じて、自動的
な制動作動の開始を運転者に前もって報知するための信
号、後方の車両に自動的なブレーキ作動の開始を報知
するとともに各ディスクブレーキBFL,BFR,BRL,B
RRをポンピング作動せしめるための信号、ならびに各
ディスクブレーキBFL,BFR,BRL,B RRをフル作動せ
しめるための信号を段階的に出力するとともに、各ディ
スクブレーキBFL,BFR,BRL,BRRのポンピング作動
時に路面摩擦係数判定回路53からハイレベルの判定信
号が入力されたときには、各ディスクブレーキBFL,B
FR,BRL,BRRをフル作動せしめるように出力信号を切
換えるべく構成される。
【0027】このオートブレーキ制御回路54は、図5
で示すように構成されるものであり、第1、第2および
第3基準距離演算器61,62,63と、第1、第2お
よび第3比較器64,65,66と、ORゲート67,
68,69,70と、ANDゲート71,72,73,
74と、ポンピング信号出力器75と、第1、第2、第
3、第4および第5レベル設定器76,77,78,7
9,80とを備えている。
【0028】第1、第2および第3基準距離演算器6
1,62,63は、車体速度検出回路51で得られた車
体速度VV と、距離検出器50で得られた距離Lとに基
づいて基本的には次の第(1)式に基づいて基準距離L
R をそれぞれ演算する。
【0029】 LR =VV ・(TD +TX )+(VV 2 −VB 2 )/(2α)・・・(1) ここで、TD はオートブレーキ制御回路54からの信号
出力に応じて、各アクチュエータ、すなわち電動式流体
圧出力手段AFL,AFR,AR ならびに第1および第2警
報器44,45が作動を開始するまでの時間として設定
されるものであり、TX はオートブレーキ制御回路54
内で信号入力から信号出力までに要する時間として設定
されるものであり、αは車両の設定減速度であり、VB
は距離検出器50で距離Lを検出している障害物たとえ
ば前方車両の走行速度であって次の第(2)式で演算さ
れる値である。
【0030】VB =VV +dL/dt・・・(2) 而して、{(VV 2 −VB 2 )/(2α)}は、車両と
対照障害物である前方車両との制動距離の差を示すもの
である。また(VV ・TD )は、オートブレーキ制御回
路54からの信号出力に応じて電動式流体圧出力手段A
FL,AFR,AR ならびに第1および第2警報器44,4
5が作動を開始するまでに車両が走行する距離であり、
(VV ・TX )はオートブレーキ制御回路54内で衝突
回避のための作動をすべきかどうかを判断する間に車両
が走行する距離である。
【0031】ところで、前記設定減速度αは、各基準距
離演算器61〜63でそれぞれ異なって設定されるもの
であり、第1基準距離演算器61では設定減速度α1
応じた第1基準距離LR1が得られ、第2基準距離演算器
62では設定減速度α2 に応じた第2基準距離LR2が得
られ、第3基準距離演算器63では設定減速度α3 に応
じた第3基準距離LR3が得られる。しかも各設定減速度
α1 ,α2 ,α3 は、α1 >α2 >α3 となるように設
定されるものであり、LR1<LR2<LR3である。
【0032】第1比較器64の非反転入力端子には第1
基準距離演算器61で演算された第1基準距離LR1が入
力され、反転入力端子には距離検出器50で得られた距
離Lが入力される。また第2比較器65の非反転入力端
子には第2基準距離演算器62で演算された第2基準距
離LR2が入力され、反転入力端子には距離検出器50で
得られた距離Lが入力される。さらに第3比較器66の
非反転入力端子には第3基準距離演算器63で演算され
た第3基準距離LR3が入力され、反転入力端子には距離
検出器50で得られた距離Lが入力される。したがって
距離検出器50で得られる距離Lが小さくなっていく過
程では、先ず第3比較器66がハイレベルである第3制
動制御信号を出力し、次に第2比較器65がハイレベル
である第2制動制御信号を出力し、最後に第1比較器6
4がハイレベルである第1制動制御信号を出力する。
【0033】ORゲート67には、第1比較器64の出
力信号と、変更信号出力回路としてのANDゲート71
の出力信号とが並列に入力される。したがってORゲー
ト67は、距離Lが第1基準距離演算器61で演算され
た第1基準距離LR1未満となったとき、ならびにAND
ゲート71の出力がハイレベルとなったときの少なくと
も一方で、ハイレベルの信号を出力することになる。し
かもANDゲート71には、第2比較器65の出力信号
と路面摩擦係数判定回路53の出力信号とが並列に入力
されるものであり、ANDゲート71は、距離Lが第2
基準距離演算器62で演算された第2基準距離LR2未満
となるとともに走行路面の摩擦係数μが予め定めた路面
摩擦係数μ0 以下となったときにハイレベルの変更信号
を出力するものである。
【0034】ポンピング信号出力器75は、第2比較器
65の出力信号がハイレベル、すなわち距離Lが第2基
準距離演算器62で演算された第2基準距離LR2未満と
なるのに応じて断続するハイレベルの信号を出力するも
のであり、このポンピング信号出力器75の出力信号と
ORゲート67の出力信号とがORゲート68に入力さ
れる。したがってORゲート68は、距離Lが第1基準
距離LR1未満であるか、距離Lが第2基準距離LR2未満
であって走行路面の摩擦係数μが予め定めた路面摩擦係
数μ0 以下であるかの少なくとも一方が成立したときに
は連続したハイレベルのフル制動指令信号を出力する
が、それらの条件がいずれも成立しない状態で距離Lが
第2基準距離LR2未満であるときには断続するハイレベ
ルのポンピング制動指令信号を出力することになる。こ
のORゲート68に連なる出力端子81は、図4で示す
ハイセレクト回路55に入力される。
【0035】ORゲート69には、第1および第2レベ
ル設定器76,77の出力信号が並列に接続されてお
り、第1レベル設定器76は、ORゲート67の信号が
ハイレベルとなったときに予め設定したレベルの警報指
令信号を出力する。また第2レベル設定器77は、AN
Dゲート72からハイレベルの信号が入力されるのに応
じて第1レベル設定器76よりも低いレベルの警報指令
信号を出力するものであり、ANDゲート72には、O
Rゲート67の出力信号が反転して入力されるとともに
第2比較器65の出力信号が入力される。したがってA
NDゲート72は、出力端子81からポンピング制動指
令信号が出力されるときにハイレベルの信号を出力し、
それに応じて第2レベル設定器77は警報信号を出力す
る。
【0036】ORゲート69が接続される出力端子82
は、第1警報器44に接続される。而して第1警報器4
4は、後方の車両に向けて警報作動するランプ等の警報
器であり、出力端子81からポンピング制動指令信号が
出力されるときには第1警報器44が低レベルの警報作
動を実行し、出力端子81からフル制動指令信号が出力
されるときには高レベルの警報作動を実行することにな
る。
【0037】ORゲート70には、第3、第4および第
5レベル設定器78,79,80の出力信号が並列して
入力される。第3レベル設定器78は、ORゲート67
の信号がハイレベルとなったときに予め設定したレベル
の警報指令信号を出力する。また第4レベル設定器79
は、ANDゲート73からハイレベルの信号が入力され
るのに応じて第3レベル設定器78よりも低いレベルの
警報指令信号を出力するものであり、ANDゲート73
には、ORゲート67の出力信号が反転して入力される
とともに第2比較器65の出力信号が入力される。した
がってANDゲート73は、出力端子81からポンピン
グ制動指令信号が出力されるときにハイレベルの信号を
出力する。さらに第5レベル設定器80は、ANDゲー
ト74からハイレベルの信号が入力されるのに応じて第
4レベル設定器79よりも低いレベルの警報指令信号を
出力するものであり、ANDゲート74には、ORゲー
ト67の出力信号および第2比較器65の出力信号が反
転して入力されるとともに第3比較器66の出力信号が
入力される。したがってANDゲート74は、出力端子
81の出力信号がローレベルであるとともに出力端子8
2の出力信号がローレベルであり、しかも第3比較器6
6の出力信号がハイレベルであるときにハイレベルの信
号を出力する。
【0038】ORゲート70が接続される出力端子83
は第2警報器45に接続される。この第2警報器45
は、運転者に向けて警報作動するブザー等の警報器であ
る。而して、距離Lが第1および第2基準距離LR1,L
R2以上であって第3基準距離L R3未満となったときに第
2警報器45が低レベルの警報作動を実行し、距離Lが
第1基準距離LR1以上であって第2基準距離LR2未満の
状態で出力端子81からポンピング制動指令信号が出力
されるときには第2警報器45が中間レベルの警報作動
を実行し、距離Lが第1基準距離LR1未満の状態あるい
は距離Lが第2基準距離LR2未満であるが路面摩擦係数
μが設定された路面摩擦係数μ0 以下となった状態で出
力端子81からフル制動指令信号が出力されるときには
第2警報器45が高レベルの警報作動を実行することに
なる。
【0039】再び図4において、ハイセレクト回路55
には、マスタシリンダMに付設されているストロークセ
ンサSS および圧力センサSM と、オートブレーキ制御
回路54の出力端子81(図5参照)とが並列に接続さ
れる。而してハイセレクト回路55は、ストロークセン
サSS 、圧力センサSM およびオートブレーキ制御回路
54の出力のうち最高レベルにあるものを選択してブレ
ーキ配分制御回路57に入力する。したがってハイセレ
クト回路55は、車両の運転者が制動操作を行なってい
ない状態ではオートブレーキ制御回路54からの制動指
令信号をブレーキ配分制御回路57に入力し、車両の運
転者が制動操作を行なうと、ストロークセンサSS ある
いは圧力センサSM からの信号をブレーキ配分制御回路
57に入力することになる。このため車両の運転者によ
る制動操作時に、マスタシリンダMに連なる流体圧系統
で流体圧失陥が生じていてもストロークセンサSS によ
り制動操作を確実に検出してハイセレクト回路55から
ブレーキ配分制御回路57に制動操作量に対応した信号
を確実に入力することができる。
【0040】故障診断回路56には、左流体圧系統LL
の流体圧を検出する左前輪用圧力センサSFLの検出値、
右流体圧系統LR の流体圧を検出する右前輪用圧力セン
サS FRの検出値、一括流体圧系統LT の流体圧を検出す
る後輪用圧力センサSR の検出値、マスタシリンダMに
付設されているストロークセンサSS および圧力センサ
M の各検出値、ならびに各副演算処理部49FL,49
FR,49R からのフェイル信号が入力されており、前記
ストロークセンサSS および圧力センサSM からの信号
により制動操作が行なわれたと判断したときに各圧力セ
ンサSFL,SFR,SR の検出値によりブレーキ圧が得ら
れているかどうかを判定して故障を判断するか、各副演
算処理部49FL,49FR,49R からフェイル信号が入
力されるかどうかにより故障を判断し、故障と判断した
ときには第3警報器46を作動せしめる。しかも左流体
圧系統LL における左前輪用電動式流体圧出力手段AFL
が故障であると判断されたときには故障診断回路56に
よりフェイルセーフ用電磁切換弁27L のソレノイド3
L が消磁され、右流体圧系統LR における右前輪用電
動式流体圧出力手段AFRが故障であると判断されたとき
には故障診断回路56によりフェイルセーフ用電磁切換
弁27R のソレノイド36R が消磁される。これによ
り、左流体圧系統LL ではマスタシリンダMの第1出力
ポート2および左前輪用ディスクブレーキBFL間が連通
され、右流体圧系統LR ではマスタシリンダMの第2出
力ポート3および右前輪用ディスクブレーキBFR間が連
通されることになる。したがって両前輪用電動式流体圧
出力手段AFL,AFRが故障しても運転者の操作に応じて
流体圧を出力するマスタシリンダMにより流体圧を確保
することができる。
【0041】さらに故障診断回路56は、左前輪用圧力
センサSFLおよび右前輪用圧力センサSFRの検出値の差
の積分値が予め定めた値を超えるのに応じて、遮断弁4
0における両ソレノイド41,42の消磁・励磁を切換
える信号を出力すべく構成されるものであり、左前輪用
圧力センサSFLの検出値が大であるときにはソレノイド
41を消磁状態としたままソレノイド42を励磁し、右
前輪用圧力センサSFRの検出値が大であるときにはソレ
ノイド42を消磁状態としたままソレノイド41を励磁
する。これにより、遮断弁40は、左流体圧系統LL
流体圧が右流体圧系統LR の流体圧よりも大きくなった
ときには一括流体圧系統LT における右後輪用ディスク
ブレーキBRRへの後輪用電動式流体圧出力手段AR から
の流体圧伝達を保ちながら左後輪用ディスクブレーキB
RLへの後輪用電動式流体圧出力手段AR からの流体圧伝
達を遮断し、右流体圧系統LR の流体圧が左流体圧系統
L の流体圧よりも大きくなったときには一括流体圧系
統LT における左後輪用ディスクブレーキBRLへの後輪
用電動式流体圧出力手段AR からの流体圧伝達を保ちな
がら右後輪用ディスクブレーキBRRへの後輪用電動式流
体圧出力手段AR からの流体圧伝達を遮断することにな
る。
【0042】ブレーキ配分制御回路57には、ハイセレ
クト回路55からの信号が入力されるとともに、故障診
断回路56から両フェイルセーフ用電磁切換弁27L
27 R のソレノイド36L ,36R に与える信号が入力
される。而してブレーキ配分制御回路57は、運転者の
制動操作量に応じたレベルの制動作動を実行するための
信号あるいは非制動操作時において前車との衝突回避を
図るべく自動制動を実行すべくオートブレーキ制御回路
54から出力される制動指令信号が入力されるのに応じ
て、左、右前輪用電動式流体圧出力手段AFL,AFRの正
常時あるいは故障時とで切換えて左前輪用ディスクブレ
ーキBFL、右前輪用ディスクブレーキB FR、ならびに両
後輪用ディスクブレーキBRL,BRRに与えるべく予め配
分された制動圧に対応した信号を出力するものである。
【0043】ブレーキ配分制御回路57からの出力は各
補正回路58FL,58FR,58R に与えられる。また各
補正回路58FL,58FR,58R には、アンチロック制
御回路52からのアンチロック制御信号もそれぞれ入力
されており、ブレーキ配分制御回路57で配分された制
動圧をアンチロック制御回路52からの信号で補正した
制動圧に対応する信号が各補正回路58FL,58FR,5
R からそれぞれ出力される。
【0044】副演算処理部49FL,49FR,49R は、
自己診断回路84FL,84FR,84 R と、駆動制御回路
85FL,85FR,85R とをそれぞれ備えるものであ
り、自己診断回路84FL,84FR,84R には対応する
圧力センサSFL,SFR,SR および対応する補正回路5
FL,58FR,58R から信号がそれぞれ入力され、駆
動制御回路85FL,85FR,85R には対応する圧力セ
ンサSFL,SFR,SR および対応する補正回路58FL
58FR,58R から信号がそれぞれ入力されている。
【0045】而して自己診断回路84FL,84FR,84
R は、補正回路58FL,58FR,58R から制動圧を示
す信号が入力されているにもかかわらず、対応する圧力
センサSFL,SFR,SR からの信号が所定値に達してい
ないものであるときに各電動式流体圧出力手段AFL,A
FR,AR が故障であるとしてフェイル信号を故障診断回
路56に入力するものである。
【0046】また駆動制御回路85FL,85FR,85R
は、対応する圧力センサSFL,SFR,SR の検出値が補
正回路58FL,58FR,58R から入力される信号に対
応した値を示すように、各電動式流体圧出力手段AFL
FR,AR のモータ9FL,9 FR,9R をPID制御する
ための信号を出力するものである。
【0047】次にこの実施例の作用について説明する
と、走行車両の前方にある車両等の障害物との距離Lが
距離検出器50で検出されるとともに電子制御ユニット
47における主演算処理部48のオートブレーキ制御回
路54に入力される。而してオートブレーキ制御回路5
4では、前記距離Lと、車体速度検出回路51で得られ
た車体速度VV とに基づいて第1、第2および第3基準
距離LR1,LR2,LR3が演算されており、それらの基準
距離LR1,LR2,LR3と前記距離Lとの比較結果によ
り、第1および第2警報器44,45およびハイセレク
ト回路55に信号が出力される。すなわち第1基準距離
R1<第2基準距離LR2<第3基準LR3となるように演
算されており、距離Lが第3基準距離LR3未満となった
ときには前車との衝突を回避するための制動操作を運転
者に促すとともに自動制動が実行されることを前もって
運転者に報知して自動制動が実行されたときに運転者に
違和感を持たせないようにするために第2警報器45に
低レベルの警報作動を実行させるための信号がオートブ
レーキ制御回路54から出力される。また距離Lが第2
基準距離LR2未満となったときには、第2警報器45に
中間レベルの警報作動を実行させるための信号、ならび
に後方の車両に自動的なブレーキ作動の開始を報知して
後方車両との衝突を回避するために第1警報器44に低
レベルの警報作動を実行させるための信号がオートブレ
ーキ制御回路54から出力されるとともに、各ディスク
ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRをポンピング作動せし
めるための信号がオートブレーキ制御回路54からハイ
セレクト回路55に与えられる。さらに距離Lが第3基
準距離LR3未満となったときには、第1および第2警報
器44,45に高レベルの警報作動を実行せしめるため
の信号がオートブレーキ制御回路54から出力されると
ともに各ディスクブレーキBFL,BFR,BRL,BRRをフ
ル作動せしめるための信号がオートブレーキ制御回路5
4からハイセレクト回路55に与えられる。
【0048】このようにして、前車との衝突回避のため
の自動制動が実行される際には、運転車への警報および
後方車両への警報が前方車両との間の間隔に応じて順次
実行されることになり、自動制動の実行の前に運転者に
危険を報知して制動操作を促しながら自動制動が実行さ
れたときに運転者に違和感を生じさせることを防止する
とともに、後方車両に減速を促すことにより自動制動時
に後方車両が衝突することを防止することができる。ま
た自動制動実行時には、最初からフル制動を行なうので
はなく、先ずポンピング制動すなわち緩制動を実行した
後にフル制動を実行するようにしているので、運転者に
与える違和感がより少なくなる。
【0049】ところで、上記各基準距離LR1,LR2,L
R3を得るための第(1)式で示した演算式には、オート
ブレーキ制御回路54からの信号出力に応じて、電動式
流体圧出力手段AFL,AFR,AR ならびに第1および第
2警報器44,45が作動を開始するまでの時間T
D と、オートブレーキ制御回路54内で信号入力から信
号出力までに要する時間TX を勘案した遅延項{VV
(TD +TX )}が含まれるものであり、衝突回避を図
るための基準値となる各基準距離LR1,LR2,LR3に制
御回路自体に起因した遅延時間を含ませることにより、
より精密な衝突防止用自動制動制御が可能となる。
【0050】またポンピング制動実行時に、走行路面の
摩擦係数μが設定値μ0 以下となったときには、基準距
離を算出したときの設定減速度を発揮できない可能性が
あるので、ポンピング制動からフル制動に切換えられる
ことになり、走行路面の条件に応じた制動が可能とな
る。なお、ポンピング制動からフル制動への切換時に車
輪WFL,WFR,WRL,WRRの少なくとも1つがロックし
そうになったときには、各電動式流体圧出力手段AFL
FR,AR のうちロックしそうになった車輪に対応する
ものの出力流体圧が、アンチロック制御回路52の出力
信号に応じて制御されることになり、車輪ロックが生じ
ることはない。
【0051】上記衝突回避のための自動制動制御以外
に、ブレーキペダル26を運転者が踏込み操作する制動
操作時には、ブレーキ配分制御回路57で設定されてい
る制動圧に従って各電動式流体圧出力手段AFL,AFR
R の作動が制御され、それに応じて各ディスクブレー
キBFL,BFR,BRL,BRRで制動力が得られる。
【0052】しかも衝突回避のための自動制動時および
運転者による制動操作時にかかわらず、左流体圧系統L
L の流体圧と、右流体圧系統LRの流体圧とが異なった
ときには、故障診断回路56によりソレノイド41,4
2の励磁・消磁を制御することにより、一括流体圧系統
T の左、右ブレーキBRL,BRRへの後輪用電動式流体
圧出力手段AR からの流体圧伝達・遮断が切換えられ
る。すなわち左流体圧系統LL の流体圧が右流体圧系統
R の流体圧よりも大であるときには、故障診断回路5
6によりソレノイド41が消磁されるとともにソレノイ
ド42が励磁され、これにより遮断弁40は右後輪用デ
ィスクブレーキBRRへの後輪用電動式流体圧出力手段A
R からの流体圧伝達を保ちながら左後輪用ディスクブレ
ーキBRLへの後輪用電動式流体圧出力手段AR からの流
体圧伝達を遮断する。また右流体圧系統LR の流体圧が
左流体圧系統LL の流体圧よりも大であるときには、故
障診断回路56によりソレノイド42が消磁されるとと
もにソレノイド41が励磁され、これにより遮断弁40
は左後輪用ディスクブレーキBRLへの後輪用電動式流体
圧出力手段AR からの流体圧伝達を保ちながら右後輪用
ディスクブレーキBRRへの後輪用電動式流体圧出力手段
Rからの流体圧伝達を遮断することになる。このよう
にして、左、右流体圧系統LL ,LR 間で流体圧に差が
生じても、一括流体圧系統LT の左、右ブレーキBRL
RRのうち前記左、右流体圧系統LL ,LR の高圧側と
同じ側のブレーキへの流体圧の伝達が遮断されることに
より、車両全体としての左右の制動力のアンバランスを
解消し、運転者の操舵操作によらずとも車両にヨー運動
が生じるのを防止することができる。
【0053】しかも故障診断回路56は、左前輪用圧力
センサSFLおよび右前輪用圧力センサSFRの検出値の差
の積分値に基づいて両ソレノイド41,42の消磁・励
磁を切換える信号を出力すべく構成されており、時間経
過を勘案した制御を行なうので、アンチロックブレーキ
制御やトラクション制御時に左流体圧系統LL と右流体
圧系統LR とで制動力が異なる状態となっても駆動信号
は発生せず、ソレノイド41,42の励磁・消磁が頻繁
に切換えられて制御のハンチングが生じるのを防止する
ことができる。
【0054】図6は、故障診断回路の要部変形例を示す
ものであり、故障診断回路56′において、両ソレノイ
ド41,42の励磁・消磁を切換制御する部分は、左前
輪用圧力センサSFLおよび右前輪用圧力センサSFRの検
出圧力PL ,PR の差を演算する演算回路87L ,87
R と、前記検出圧力PL ,PR の差が基準端子89L
89R から入力される基準値を超えるのに応じて信号を
出力する比較器88L ,88R と、それらの比較器88
L ,88R からの信号出力が設定時間を超えて持続する
のに応じてソレノイド41,42を励磁するための信号
を出力するタイマ90L ,90R とを備える。
【0055】このようにしても時間経過を勘案すること
により、ソレノイド41,42の励磁・消磁が頻繁に切
換えられて制御のハンチングが生じるのを防止すること
ができる。
【0056】上記実施例におけるオートブレーキ制御回
路54を予め設定されたプログラムに従う制御手順を実
行するコンピュータとしてもよく、図7は、その制御手
順を示すフローチャートである。
【0057】図7において、第1ステップS1では車体
速度VV が読込まれ、第2ステップS2では距離検出器
50で得られる距離Lが読込まれ、第3ステップS3で
は、前方車両の走行速度VB が演算される。さらに第4
ステップS4では、第1、第2および第3基準距離
R1,LR2,LR3がそれぞれ演算される。
【0058】第5ステップS5では、距離Lが第1基準
距離LR1を超える(L>LR1)かどうかが判定され、L
≦LR1であったときには、第6ステップS6でらフル制
動を実行するための信号が出力される。またL>LR1
あったときには第7ステップS7に進み、この第7ステ
ップS7で距離Lが第2基準距離LR2を超える(L>L
R2)かどうかが判定される。而して、L≦LR2であった
ときには第8ステップS8に、またL>LR2であったと
きには第10ステップS10に進む。
【0059】第8ステップS8では、第1警報器44が
警報作動せしめられるとともにポンピング信号出力器7
5からポンピング制動を実行すための断続的なハイレベ
ル信号が出力される。また第9ステップS9で、走行路
面の摩擦係数μが予め定めた路面摩擦係数μ0 たとえば
0.4を超えるかどうかが判定され、μ≦μ0 であると
判断されたときには第6ステップS6に進んでフル制動
のための信号が出力される。
【0060】第10ステップS10では、距離Lが第3
基準距離LR3を超える(L>LR3)かどうかが判定さ
れ、L≦LR1であったときには、第11ステップS11
で第2警報器45を警報作動せしめるための信号が出力
される。
【0061】このようにして、距離Lと値が最も小さい
第1基準距離LR1との比較、距離Lと値が第1基準距離
R1よりも大である第2基準距離LR2との比較、ならび
に距離Lと値が最も大きい第3基準距離LR3との比較を
この順に実行することにより、前車との衝突の可能性の
判断をその可能性が大である側から判断して不要な演算
処理を省き、演算処理の効率を向上することができる。
【0062】上記実施例では、検出器50として前車等
の障害物との距離を検出するレーザーレーダを用いた
が、前車からブレーキ作動等の情報を受信して両者間の
動作パラメータを検出するようにしてもよい。
【0063】また変更信号出力回路としてのANDゲー
ト71から出力されるハイレベルの変更信号により各ブ
レーキBFL,BFR,BRL,BRRを連続作動せしめるよう
にしたが、ポンピング制動時に路面摩擦係数μが設定値
μ0 以下となったときに、第1および第2基準距離演算
器61,62での基準距離LR1,LR2を長くなるように
変化させて、低摩擦係数の路面に応じた制動力が得られ
るように制動制御信号の出力条件を変更するようにして
もよい。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明に従う装置は、各車
輪の速度を検出する車輪速度検出器の検出値に基づいて
走行路面の摩擦係数を判定するとともに該摩擦係数が設
定値以下であると判定したときには判定信号を出力する
路面摩擦係数判定回路と、対照障害物との衝突の可能性
が高いとして設定される第1基準値と前記検出器の検出
値との比較結果により各ブレーキを連続作動せしめるた
めの第1制動制御信号を出力する第1比較器と、前記衝
突の可能性が第1基準値よりも低い側に設定される第2
基準値と前記検出器の検出値との比較結果により各ブレ
ーキをポンピング作動せしめるための第2制動制御信号
を出力する第2比較器と、第2比較器から第2制動制御
信号が出力されている状態で前記路面摩擦係数判定回路
からの判定信号出力に応じて各ブレーキの作動制御状態
を変更するための変更信号を出力する変更信号出力回路
とを備えるので、フル制動の前段階でポンピング制動を
実行してポンピング制動中の車輪の挙動から路面の摩擦
係数を判定し、路面の摩擦係数に対応した制動を可能と
して適切な減速を可能とするとともに運転者に違和感を
与えることを極力回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車両の制動用流体圧系統図
である。
【図2】電動式流体圧出力手段の縦断側面図である。
【図3】フェイルセーフ用電磁切換弁の縦断面図であ
る。
【図4】電子制御ユニットの概略構成を示すブロック図
である。
【図5】オートブレーキ制御回路の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図6】故障判断回路の要部変形例を示すブロック図で
ある。
【図7】オートブレーキ制御回路をコンピュータとした
ときの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
43FL,43FR,43RL,43RR・・・車輪速度検出器 50・・・検出器 53・・・路面摩擦係数判定回路 64・・・第1比較器 65・・・第2比較器 71・・・変更信号出力回路としてのANDゲート BFL,BFR,BRL,BRR・・・ブレーキ WFL,WFR,WRL,WRR・・・車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−31422(JP,A) 特開 昭61−256240(JP,A) 特公 昭61−4700(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 7/12 B60T 8/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対照障害物との衝突の可能性を判断する
    ための車両および前記障害物間の動作パラメータを検出
    する検出器(50)を備え、該検出器(50)の検出値
    に基づいてブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)を作動
    せしめる車両用衝突防止装置において、各車輪(WFL
    FR,WRL,WRR)の速度を検出する車輪速度検出器
    (43FL,43FR,43RL,43RR)の検出値に基づい
    て走行路面の摩擦係数を判定するとともに該摩擦係数が
    設定値以下であると判定したときには判定信号を出力す
    る路面摩擦係数判定回路(53)と、対照障害物との衝
    突の可能性が高いとして設定される第1基準値と前記検
    出器(50)の検出値との比較結果により各ブレーキ
    (BFL,BFR,BRL,BRR)を連続作動せしめるための
    第1制動制御信号を出力する第1比較器(64)と、前
    記衝突の可能性が第1基準値よりも低い側に設定される
    第2基準値と前記検出器(50)の検出値との比較結果
    により各ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)をポンピ
    ング作動せしめるための第2制動制御信号を出力する第
    2比較器(65)と、第2比較器(65)から第2制動
    制御信号が出力されている状態で前記路面摩擦係数判定
    回路(53)からの判定信号出力に応じて各ブレーキ
    (BFL,BFR,BRL,BRR)の作動制御状態を変更する
    ための変更信号を出力する変更信号出力回路(71)と
    を備えることを特徴とする車両用衝突防止装置。
  2. 【請求項2】 路面摩擦係数判定回路(53)は、各車
    輪(WFL,WFR,W RL,WRR)の速度の少なくとも1つ
    がそれらの速度に基づいて推定される車体速度に所定の
    スリップ率を加味して得られる基準車輪速度以下となっ
    たときに走行路面の摩擦係数が設定値以下となったと判
    定すべく構成されることを特徴とする請求項1記載の車
    両用衝突防止装置。
  3. 【請求項3】 前記変更信号出力回路(71)から出力
    される変更信号は、各ブレーキ(BFL,BFR,BRL,B
    RR)を連続作動せしめる信号であることを特徴とする請
    求項1記載の車両用衝突防止装置。
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