JP2858026B2 - 海老の味噌漬け方法および味噌漬けされている海老の包装体 - Google Patents

海老の味噌漬け方法および味噌漬けされている海老の包装体

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JP2858026B2 JP2076447A JP7644790A JP2858026B2 JP 2858026 B2 JP2858026 B2 JP 2858026B2 JP 2076447 A JP2076447 A JP 2076447A JP 7644790 A JP7644790 A JP 7644790A JP 2858026 B2 JP2858026 B2 JP 2858026B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、調理に付すことなくして直ちに喫食可能
で、しかも、日持ちのする海老の味噌漬け方法および該
噌漬け方法を利用した味噌漬けされている海老の包装体
に関するものである。
[従来の技術] 味噌で漬け込まれた食品は、 1) 味噌が具備している甘,酸,辛,苦,旨味等の味
がバランスして付加されるため、風味の良好な食品とな
る、 2) 味噌に含まれている酵素によって、蛋白質や脂質
が分解され、糖,アミノ酸,脂肪酸等が生成するため、
食品の組織が柔らかくなり、消化,吸収の良好な食品と
なる、 3) 味噌の浸透圧が高く、食品中の水分を脱水させて
食品中の水分活性を低下させるため、保存性を高める、 4) 味噌に多量に含有されているコロイド粒子の作用
によって、食品に由来する悪臭が味噌に吸着されるた
め、食品の風味を更に良好にする、 等の作用が奏される。
[発明が解決しようとする課題] 味噌漬け食品は前記したような諸々の効果を奏するの
であるにも拘らず、海老の味噌漬けは一般には行なわれ
ていない。
このことの理由は、例えば、殻を剥いだ海老を味噌漬
けする場合には、海老の組織が軟弱であるため、脱水が
著しく、食感が低下してしまうこと、海老の味が淡白で
あるため、味噌漬けによって本来の風味が失われてしま
うこと等の欠点があり、また、殻付きの海老を味噌漬け
する場合には、海老の形状が複雑なため、喫食に際し
て、味噌の除去が困難であること、また、足や髭等が脱
落してしまうことが多く、見栄えが損なわれること等の
欠点を有するためである。
これに対して、本発明の海老の味噌漬け方法および味
噌漬けされている海老の包装体は、海老本来の風味が損
なわれることがなく、しかも、体裁の良好な見栄えのあ
る海老の味噌漬けを得る方法と、味噌漬けされている海
老の包装体とを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本第1の発明の海老の味噌漬け方法は、トレーの上部
に吸水性シートを載置する工程と、殻を付けたままで茹
でた殻付きの海老を前記シート上に配置した後、その上
部に、不織布で被覆されている味噌を載置する工程とに
よって、トレー内に海老と味噌とがセットされている内
装体を得ることからなる前段工程と、前記前段工程で得
られた内装体を、パウチ内に装填し、冷蔵状態で熟成さ
せる後段工程とからなるものである。
本第1の発明の海老の味噌漬け方法は、前記トレーの
上部に載置されている吸水性シートとして、平面状に敷
かれている粉末状の高吸水性樹脂が、該粉末状の高吸水
性樹脂の上,下に配置されているシートによってサンド
イッチ状に挟持されてなるシート状物を利用するもので
あって、該シート状物からなる吸水性シートにおいて
は、粉末状の高吸水性樹脂の少なくとも上方に配置され
ているシートが、不織布または紙で形成されている。
本第2の発明の海老の味噌漬け方法は、本第1の発明
の海老の味噌漬け方法において、平面状に敷かれている
粉末状の高吸水性樹脂中に、抗菌作用を奏する金属イオ
ンをイオン交換して保持している150m2/g以上の比表面
積および14以下のSiO2/Al2O3モル比を有するゼオライト
系固体粒子が混合されている。
本第3の発明の海老の味噌漬け方法は、前記本第1の
発明の海老の味噌漬け方法において、平面状に敷かれて
いる粉末状の高吸水性樹脂中に混合されているゼオライ
ト系固体粒子として、A型ゼオライト,X型ゼオライト,Y
型ゼオライト,またはモルデナイトを利用する。
本第4の発明の海老の味噌漬け方法は、本第2の発明
または第3の発明の海老の味噌漬け方法において、平面
状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂中に混合されて
いるゼオライト系固体粒子として、該ゼオライト系固体
粒子における抗菌作用を有する金属イオンが、銀,銅,
および亜鉛のなかの1種以上の金属イオンからなるもの
を利用する。
本第5の発明の海老の味噌漬け方法は、本第2の発
明、第3の発明、または第4の発明の海老の味噌漬け方
法において、平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹
脂中に混合されているゼオライト系固体粒子の量が、吸
水性シートの吸水容量の0.01重量%以上とされている。
本第6の発明の海老の味噌漬け方法は、本第1〜第5
のうちのいずれかの発明の海老の味噌漬け方法におい
て、平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂が、該
粉末状の高吸水性樹脂の上,下に配置されているシート
によってサンドイッチ状に挟持されてなる吸水性シート
として、粉末状の高吸水性樹脂の上,下に配置されてい
るシート同士が、加熱,加圧によって結合しているシー
ト状物を利用する。
本第7の発明の海老の味噌漬け方法は、本第1〜第6
の発明のうちのいずれかの海老の味噌漬け方法におい
て、デンプン・アクリル酸塩のグラフト重合体,カルボ
キシメチルセルロースの架橋体,ビニルアルコール・ア
クリル酸塩共重合体,ポリアクリルニトリル加水分解
物,架橋ポリアクリル酸塩,変性ポリビニルアルコー
ル,アクリル酸塩重合体,アクリル酸塩・アクリルアミ
ド共重合体,およびイソブチレン・無水マレイン酸共重
合体のなかの1種以上からなる粉末状の樹脂を、吸水性
シート中の高吸水性樹脂として利用するものである。
さらに、本第8の発明の海老の味噌漬け方法は、本第
1〜第7の発明のうちのいずれかの海老の味噌漬け方法
において、平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂
の量を、0.1〜200g/m2の範囲内にするものである。
本第9の発明の味噌漬けされている海老の包装体は、
トレーと、トレーの上部に載置されている吸水性シート
と、該シート上に載置されている殻を付けたままで茹で
た殻付きの海老と、前記殻付きの海老の上部に不織布で
被覆された状態で載置されている味噌とからなる内装体
が、別製のパウチ内に装填されているものであって、前
記トレーの上部に載置されている吸水性シートが、平面
状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂を、該粉末状の
高吸水性樹脂の上,下に配置されているシートによっ
て、サンドイッチ状に挟持させてなるシート状物によっ
て形成されており、かつ、粉末状の高吸水性樹脂の少な
くとも上方に配置されているシートが、不織布または紙
で形成されている。
また、本第10の発明の味噌漬けされている海老の包装
体は、本第9の発明の味噌漬けされている海老の包装体
において、平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂
中に、抗菌作用を奏する金属イオンをイオン交換して保
持している150m2/g以上の比表面積および14以下のSiO2/
Al2O3モル比を有するゼオライト系固体粒子が混合され
ている。
前記構成からなる本各発明において、味噌漬けにされ
る海老は、殻付きのままで茹でた海老であり、食用海老
であればいかなる種類の海老でも利用できる。
また、不織布で被覆,包装された状態で適用される味
噌は、通常の米味噌,麦味噌,豆味噌等であり、種以上
の合わせ味噌であっても、さらには、麹や酒粕がブレン
ドされている味噌でも良い。
味噌の代わりに、麹や酒粕を利用した場合には、海老
の味噌漬けの代わりに麹や酒粕漬けにされた海老が得ら
れる。
さらに、殻付きのまま茹でた海老の上に載置される味
噌を被覆するための不織布は、通常、8〜100g/m2
度、好適には10〜300g/m2程度の目付のものが利用さ
れ、例えば、樹脂接着式不織布,ニードルパンチ式不織
布,ステッチボンド式不織布,サーマルボンド式不織
布,スパンレース式不織布,湿式抄造による不織布,メ
ルトブロー式不織布,スパンボンド式不織布等のいかな
るものでも利用し得る。
トレイとトレイ上に載置される海老との間に介装され
る吸水性シートは、平面状に敷かれている粉末状の高吸
水性樹脂と、該粉末状の高吸水性樹脂の上,下に配置さ
れているシートとによって形成されているもので、平面
状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂が該粉末状の高
吸水性樹脂の上,下に配置されているシートによってサ
ンドイッチ状に挟持された状態とされている。
なお、粉末状の高吸水性樹脂の上,下に配置され、該
高吸水性樹脂粉末をサンドイッチ状に挟持しているシー
トのうち、粉末状の高吸水性樹脂の少なくとも上方に配
置されているシートは、不織布または紙で形成されてい
ることが必要であり、該シートは二枚重ねの状態で利用
されても良いことは勿論である。
この場合の不織布には、味噌を被覆,包装する不織布
で説明した不織布と同様の不織布が利用され得る。
平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂の下方に
位置するシートは、粉末状の高吸水性樹脂の上方に位置
するシートと同様に、不織布または紙であっても、ある
いは、ポリオレフィン,ポリエステル,ポリアミド等に
よる合成樹脂フィルムであっても良い。
さらに、平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂
を介して位置している前記上,下のシート同士、すなわ
ち、平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂を上,
下からサンドイッチ状に挟持しているシート同士は、適
当な手段によって互いに結合されるが、加熱,加圧によ
る手段を利用するのが簡便である。
前記吸水性シート中に利用される粉末状の高吸水性樹
脂は、例えば、デンプン・アクリル酸塩のグラフト重合
体,カルボキシメチルセルロースの架橋体,ビニルアル
コール・アクリル酸塩共重合体,ポリアクリルニトリル
の加水分解物,架橋ポリアクリル酸塩,変性ポリビニル
アルコール,アクリル酸塩重合体,アクリル酸塩・アク
リルアミド共重合体,または、イソブチレン・無水マレ
イン酸共重合体等からなる粒径0.1〜数千μ程度のもの
であって、2種以上の混合物であっても良い。
平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹脂は、0.1
〜200g/m2程度、好ましくは、1〜100g/m2程度の割合で
使用されていれば良い。
前記粉末状の高吸水性樹脂に所望により混合されるゼ
オライト系固体粒子は、抗菌作用を奏する金属イオンを
イオン交換して保持しているもので、150m2/g以上の比
表面積および14以下のSiO2/Al2O3モル比を有する粒子
(以下抗菌ゼオライトという)であって、例えば、特開
昭58−7361号公報に記載されているような粒子径0.1〜
数百μ程度のものが使用される。
なお、ゼオライトは、一般に、三次元的に発達した骨
格構造を有するアルミノシリケートであって、Al2O3
基準にして、式 x(M2/nO)・Al2O3・y SiO2・zH2O (式中、M‥‥イオン交換可能な金属イオンで、通常
は、1価または2価の金属イオン、 n‥‥Mで表示される金属の原子価と同一の数
字、 x‥‥金属酸化物の係数、 y‥‥シリカの係数、 z‥‥結晶水の数、 をそれぞれ示す) で表示されるもので、抗菌ゼオライトは、前記アルミノ
シリケートよりなる天然または合成ゼオライトのイオン
交換可能な部分に、抗菌作用を奏する1種以上の金属イ
オンを保持させたものである。
抗菌ゼオライトにおける抗菌作用を奏する金属イオン
の好適な具体例は、銀,銅,亜鉛,錫,鉛,ビスマス,
カドミウム,クロム,水銀等であって、特に銀,銅,亜
鉛のうちの1種以上の金属イオンを保持させたものが好
適である。
また、ゼオライトは、その組成比,細孔径および比表
面積等が異なる多くの種類が存在するが、本発明で所望
に応じて使用される抗菌ゼオライトは、固体粒子の比表
面積が150m2/g(無水ゼオライト基準)以上で、ゼオラ
イト構成成分のSiO2/Al2O3モル比が14以下、好ましくは
11以下のものである。
トレー内に海老と味噌とがセットされている内装体を
装填するためのパウチには、例えば、ポリオレフィン,
ポリエステル,ポリアミド等による熱可塑性樹脂フィル
ム、あるいは、該熱可塑性樹脂フィルムに対して紙やAl
箔等を積層させた包装材等によって形成されているパウ
チが利用される。
トレー内に海老と味噌とがセットされている内装体を
パウチ内に装填した後の熟成は、0〜10℃程度の冷蔵下
で行なうもので、12時間以上の熟成時間を採ることによ
って、十分な「なれ」の状態にすることが好ましい。
[発明の作用] 本発明の海老の味噌漬け方法および味噌漬けされてい
る海老包装体においては、茹でた殻付きの海老が味噌漬
けされるものであるから、味噌漬けにされる海老の組織
が締まっており、しかも、味噌漬けにされる海老と味噌
との間に不織布が介装されているため、味噌の中のエキ
ス分のみ不織布を通して海老に供給される。
このため、海老の周囲に直接味噌が付着するようなこ
とがなく、味噌による過剰の脱水が生ずることがないた
め、味噌によって淡泊な海老の味わいが損なわれるとい
うようなことがない。
また、海老の周囲に直接味噌が付着するようなことが
ないため、喫食に際して海老の周囲の味噌を取り除くと
いうような手数が必要でない。
さらに、トレイと海老との間には、平面状に敷かれて
いる粉末状の高吸水性樹脂が、該粉末状の高吸水性樹脂
の上,下に配置されているシートによってサンドイッチ
状に挟持されてなるシート状物からなる吸水性シートが
介装されているため、味噌から浸出したエキス分および
海老から浸出したドリップは、前記吸水性シートにおけ
る粉末状の高吸水性樹脂の上方に位置している不織布ま
たは紙を通過した後、吸水性シート中の粉末状の高吸水
性樹脂に強固に保持されるため、逆戻りするようなこと
がない。
このため、トレーの底部に味噌のエキス分が貯留する
ようなことがなく、均一に味付けされている海老の味噌
漬けができる。
なお、前記味噌から浸出したエキス分および海老から
浸出したドリップの逆戻りの防止作用は、前記吸水性シ
ート中の粉末状の高吸水性樹脂の吸水性能が、吸水材と
して従来使用されている紙,不織布,スポンジ等の材料
に比較して遥かに高く、また、保水能力が極めて大きい
ことによって、確実に奏されるものである。
さらに、所望に応じて粉末状の高吸水性樹脂に混合し
て添加される抗菌ゼオライトは、吸水性シートに雑菌が
繁殖するのを防止する作用を奏する。
[実施例] 以下、本発明の海老の味噌漬け方法および味噌漬けさ
れている海老の包装体の具体的な構成について、実施例
に基づいて説明する。
実施例1 坪量25g/m2,幅240mmの紙(メーテル社製:MSP25)の上
面に、高吸水性の樹脂粉末(住友精化(株):アクアキ
ープ10SHP)20g/m2と、バインダー用樹脂(東レ
(株):ケミットR272S)10g/m2とを、それぞれ均一に
散布し、さらにその上面に、坪量25g/m2,幅240mmの紙
(メーテル社製:MSP25)を載置し、全体を加熱エンボス
ロールで一体化してシートを得た。
次いで、前記得られたシートを240mm×240mmに裁断し
た後、これを間欠的に送り出して、幅270mmの不織布
((株)クラレ:NA240JP2096)の中央部分上に載置し、
前記シートの下にはみ出ている不織布を上方に折り込ん
だ。
さらに、その上部から、幅240mmの不織布((株)ク
ラレ:NA240JP2096)を載置した後、得られた積み重ね体
のサイド部をギアロールで係合させると共にエンド部を
シールバーによってヒートシールし、さらに、全体を加
熱エンボスロールに通して、挟着一体化させ、エンド部
において、240mm×250mmにカッティングすることによっ
て、吸水性シート、すなわち、平面状に敷かれている粉
末状の高吸水性樹脂が、該粉末状の高吸水性樹脂の上,
下にそれぞれ配置されている紙と不織布とによって、サ
ンドイッチ状に挟持されてなるシート状物からなる吸水
性シートを得た。
前記得られた吸水性シートを、発泡ポリスチレン製の
トレー(幅:260mm,長さ:260mm,高さ:40mm)の内周面に
敷き、その上に、殻を付けたままで茹でた殻付きの車海
老10尾を配置した。
さらに、車海老の上方に、260mm×540mmの不織布
((株)クラレ:NA240JP2096)を載置し、その上に、50
0gの味噌(西京味噌/麹:1/1)を、トレーの内周面形状
と合致させて充填した後、不織布で味噌を包み込むよう
にして味噌の下の不織布を上方に巻き上げ、トレー内に
海老と味噌とがセットされている内装体を得た。
得られた内装体を、ナイロン/未延伸ポリプロピレン
の複合フィルムによるパウチ(300mm×300mm)内にセッ
トし、口部をヒートシールによって封緘し、さらに、5
℃の冷蔵室内にて12時間の熟成を行なうことによって、
味噌漬けされている海老の包装体を得た。
実施例2 坪量25g/m2の紙(メーテル社製:MSP25)の上面に、高
吸水性樹脂粉末(住友精化(株):アクアキープ10SH
P)20g/m2と、抗菌ゼオライト系(カネボウ(株):バ
クテキラーBM501A)1g/m2と、バインダー用樹脂(東レ
(株):ケミットR272S)10g/m2とを、それぞれ均一に
散布し、さらにその上面に、坪量25g/m2の紙(メーテル
社製:MSP25)を載置し、全体を加熱エンボスロールで一
体化してシートを得た。
以下、得られたシートを利用して、実施例1の対応工
程と同一工程を施すことによって、味噌漬けされている
海老の包装体を得た。
比較例1 発泡ポリスチレン製のトレー(幅:260mm,長さ:260mm,
高さ:40mm)の内周面に、殻を付けたままで茹でた殻付
きの車海老10尾を配置し、その上面に、500gの味噌(西
京味噌/麹:1/1)を、トレーの内周面の形状と合致させ
て充填した。
これを、ナイロン/未延伸ポリプロピレンの複合フィ
ルムによるパウチ(300mm×300mm)内にセットし、口部
をヒートシールによって封緘し、さらに、5℃の冷蔵室
内にて12時間の熟成を行なうことによって、比較のため
の味噌漬けされている海老の包装体を得た。
比較例2 発泡ポリスチレン製のトレー(幅:260mm,長さ:260mm,
高さ:40mm)の内周面に、殻を付けたままで茹でた殻付
の車海老10尾を配置し、全体をナイロン/未延伸ポリプ
ロピレンの複合フィルムによるパウチ(300mm×300mm)
内にセットし、口部をヒートシールによって封緘し、さ
らに、5℃の冷蔵室内にて12時間放置することによっ
て、比較のための茹で海老の包装体を得た。
実 験 1 前記実施例1〜2および比較例1〜2で得られた包装
体内から車海老を取り出した。
また、比較例1のものだけは、水で洗浄した。
各それぞれの冷蔵後の車海老の形状を比較した。
また、喫食時の食感を官能検査した。
結果を第1表に示す。
実 験 2 前記実施例1〜2および比較例1〜2で得られた各包
装体をさらに10℃の室内に7日間放置し、包装体内の車
海老1g当たりに発生している一般の生菌数の平均値を測
定した。
結果を第2表に示す。
[発明の効果] 本発明の海老の味噌漬け方法および海老の味噌漬け包
装体においては、味噌漬けされている海老の姿が良好で
あり、また、味噌漬け食品本来の風味に加えて海老本来
の風味も維持されており、品質の良好な海老の味噌漬け
が得られる。
また、茹で海老が味噌漬けされているものであるか
ら、喫食に際しては改めて調理する必要がなく、さら
に、車海老やブラックタイガー程度の大きさの海老の場
合には、殻付きのままで食せるため、取り扱いが簡単で
ある等の効果を奏する。
また、冷蔵庫内の保存では、1週間〜10日間程度の風
味期間があり、保存性においても優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中込 隆 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23B 4/00 - 4/32 A23L 1/325 - 1/337 B65D 85/50 B65D 81/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレーの上部に吸水性シートを載置する工
    程と、該シート上に、殻を付けたままで茹でた殻付きの
    海老を配置し、さらにその上部に、不織布で被覆されて
    いる味噌を載置する工程とによって、トレー内に海老と
    味噌とがセットされている内装体を得た後、前記工程で
    得られた内装体を、パウチ内に装填し、冷蔵状態で熟成
    させる海老の味噌漬け方法において、前記トレーの上部
    に載置される吸水性シートとして、平面状に敷かれてい
    る粉末状の高吸水性樹脂が、該粉末状の高吸水性樹脂の
    上,下に配置されているシートによってサンドイッチ状
    に挟持されてなり、かつ、粉末状の高吸水性樹脂の少な
    くとも上方に配置されているシートが、不織布または紙
    で形成されている吸水性シートを使用することを特徴と
    する海老の味噌漬け方法。
  2. 【請求項2】平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹
    脂が、該粉末状の高吸水性樹脂中に、抗菌作用を奏する
    金属イオンをイオン交換して保持している150m2/g以上
    の比表面積および14以下のSiO2/Al2O3モル比を有するゼ
    オライト系固体粒子を含有している特許請求の範囲第1
    項記載の海老の味噌漬け方法。
  3. 【請求項3】ゼオライト系固体粒子が、A型ゼオライ
    ト,X型ゼオライト,Y型ゼオライト,またはモルデナイト
    からなる特許請求の範囲第2項記載の海老の味噌漬け方
    法。
  4. 【請求項4】ゼオライト系固体粒子における抗菌作用を
    有する金属イオンが、銀,銅,および亜鉛のなかの1種
    以上の金属イオンである特許請求の範囲第2項または第
    3項記載の海老の味噌漬け方法。
  5. 【請求項5】ゼオライト系固体粒子の量が、吸水性シー
    トの吸水容量の0.01重量%以上である特許請求の範囲第
    2項,第3項,または第4項記載の海老の味噌漬け方
    法。
  6. 【請求項6】吸水性シートにおける粉末状の高吸水性樹
    脂の上,下に配置されているシート同士が、加熱,加圧
    によって結合している特許請求の範囲第1項〜第5項の
    うちのいずれか1項記載の海老の味噌漬け方法。
  7. 【請求項7】粉末状の高吸水性樹脂が、デンプン・アク
    リル酸塩のグラフト重合体,カルボキシメチルセルロー
    スの架橋体,ビニルアルコール・アクリル酸塩共重合
    体,ポリアクリルニトリル加水分解物,架橋ポリアクリ
    ル酸塩,変性ポリビニルアルコール,アクリル酸塩重合
    体,アクリル酸塩・アクリルアミド共重合体,およびイ
    ソブチレン・無水マレイン酸共重合体のなかの1種以上
    である特許請求の範囲第1項〜第6項のうちのいずれか
    1項記載の海老の味噌漬け方法。
  8. 【請求項8】平面状に敷かれている粉末状の高吸水性樹
    脂の量が、0.1〜200g/m2である特許請求の範囲第1項〜
    第7項のうちのいずれか1項記載の海老の味噌漬け方
    法。
  9. 【請求項9】トレーと、該トレーの上部に載置されてい
    る吸水性シートと、該シート上に載置されている殻を付
    けたままで茹でた殻付きの海老と、前記殻付きの海老の
    上部に不織布で被覆された状態で載置されている味噌と
    からなる内装体が、パウチ内に充填されてなる味噌漬け
    されている海老の包装体において、前記トレーの上部に
    載置されている吸水性シートが、平面状に敷かれている
    粉末状の高吸水性樹脂を、該粉末状の高吸水性樹脂の
    上,下に配置されているシートによって、サンドイッチ
    状に挟持させてなるシート状物によって形成されてお
    り、かつ、粉末状の高吸水性樹脂の少なくとも上方に配
    置されているシートが、不織布または紙で形成されてい
    ることを特徴とする味噌漬けされている海老の包装体。
  10. 【請求項10】平面状に敷かれている粉末状の高吸水性
    樹脂が、該粉末状の高吸水性樹脂中に、抗菌作用を奏す
    る金属イオンをイオン交換して保持している150m2/g以
    上の比表面積および14以下のSiO2/Al2O3モル比を有する
    ゼオライト系固体粒子を含有している特許請求の範囲第
    9項記載の味噌漬けされている海老の包装体。
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