JP3648834B2 - 乾燥食品用包材および乾燥食品の包装法 - Google Patents

乾燥食品用包材および乾燥食品の包装法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は乾燥食品用包材および乾燥食品の包装法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は乾燥状態にある各種の食品を酸化による品質の劣化から長期間に亙って防止するために有用な新規な包材および該包材を使用して乾燥食品の酸化による品質の劣化を長期間に亙って防止出来る乾燥食品の包装方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、食品の保存中における酸化による品質の劣化を防止するための種々の方策およびその方策のために使用さるべき種々の包材、包装方法、添加物が提案されており、それらの提案のあるものは既に実用に供されている。
【0004】
例えば、酸素吸収活性のある物品を食品と接触状態または隣接状態で同一の包装系内に共存せしめる方法およびそのために使用する酸素吸収活性のある物品に関する提案である。
【0005】
また、食品とは別途に酸素吸収活性のある物品を、いわゆる「別添品」として食品の包装中に挿入することにより食品の酸化を防止する方法乃至該「別添品」自体に関しても、多数の提案がなされている。
【0006】
さらに、酸素吸収活性のある物品を、独立した「別添品」としてではなく、食品の包材として使用する試みもある。
【0007】
例えば特開平5−116213号明細書には、「種々の製品の保存に際して腐敗、酸化劣化、サビの発生などを防止するために」「鉄粉と電解質からなる酸素吸収剤」を含む「樹脂組成物をシート加工した後」「一軸方向に」「延伸された酸素吸収シート」に関する発明を開示している。なお、この記載には、乾燥食品に特有の酸化防止に関する問題の解決手段あるいは金属鉄粉末を賦活する潮解性物質の作用、機能に関する示唆は含まれていない。
【0008】
この酸素吸収活性のある物品を包材自体として使用する着想は、「別添品」を使用する場合に発生するイ)包装工程に追加して、新たに別添のための工程の増加がある、ロ)別添のためのコスト、エネルギーの増加は不可避である、ハ)包装内に「別添品」が適正に挿入してあるか否かのチエック工程が必要となり、そのための多大な設備投資を要する、ニ)「別添品」を食品と誤認することによる事故、ホ)「別添品」の原料、包材に由来する資源の新たな消費の増加などの問題を、或る程度まで回避または軽減可能であるものと評価出来る。
【0009】
然しながら、現在、市販の酸素吸収活性のある包材は、相当量の水分を含有する食品の包材として使用した場合には食品の酸化による劣化を効果的に防止できるとしても、乾燥食品の包材として使用する場合、酸化による劣化防止効果を期待する程度には確認し得ないと云う問題が存在する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑み、酸化による劣化から保護し、長期間、保蔵可能な乾燥食品用包材を取得すること、および該包材を効果的に使用して乾燥食品を包装する方法を見出すことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題の解決に関し鋭意研究を重ねた結果、以下の(1)〜(6)の技術的知見を得た。
【0012】
(1)現在、市販の酸素吸収活性のある包材は、酸素吸収剤を練合して成るプラスチック層を有するシート材料を加工、成形した構造物であるが、乾燥状態下では、それ自体の酸素吸収活性は微弱である。
【0013】
(2)その酸素吸収活性は、水蒸気または液体の水と接触することにより、初めて、活発に発現する。
【0014】
(3)シート材料中の酸素吸収剤と水蒸気または液体の水と接触せしめるには、シートの表面に水蒸気または液体の水を直接に噴霧してもよいが、周辺雰囲気(保存すべき乾燥食品と接し周辺を取り巻く空気あるいはまたは乾燥食品の内部に含まれる空気)中に存在する水蒸気を選択的に吸着、濃縮して取得する水分を酸素吸収剤と接触せしめるとよい。
【0015】
(4)周辺雰囲気より水蒸気を選択的に吸着、濃縮して水分を取得するには、シート材料中の酸素吸収剤の近接部位に潮解性物質を共存せしめる方法が実際的である。
【0016】
(5)従来、市販の酸素吸収活性のある包材は、比較的高水準の水分を含有する食品の包材として使用した場合に、効果的に食品の酸化による劣化を防止可能であるとしても、乾燥食品の包材として使用する場合には、効果的な酸化劣化防止効果を確認出来ないとする認識は、酸素吸収活性のある包材の特性と被包装食品の水分含量との関係の解明を看過したものであろう。
【0017】
(6)酸素吸収活性のある包材の使用に当たっては、包装の全ての部分について酸素吸収活性のある材料で構成された包材を使用する必要は無く、包装すべき乾燥食品の状態および予定される保蔵期間を勘案し、酸素吸収活性のある材料を部分的に使用して構成された包材を使用してもよい。
【0018】
本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。すなわち、請求項1に記載の第1発明は、
酸素吸収剤としての金属鉄粉末および飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分活性以下である潮解性物質を含有することを特徴とする乾燥食品用包材
である。
【0020】
請求項に記載の第発明は、
第1発明において、潮解性物質が塩化カルシウムであることを特徴とする乾燥食品用包材
である。
【0021】
請求項に記載の第発明は、
第1発明において、酸素吸収剤としての金属鉄粉末および潮解性物質が接触して共存することを特徴とする乾燥食品用包材
である。
【0022】
請求項に記載の第発明は、
少なくとも一部分の構成に、酸素吸収剤としての金属鉄粉末および飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分活性以下である潮解性物質を含有する包材を使用して、乾燥食品を包装することを特徴とする乾燥食品の包装法
である。
【0024】
請求項に記載の第発明は、
請求項において、潮解性物質が塩化カルシウムであることを特徴とする乾燥食品の包装法
である。
【0025】
請求項に記載の第発明は、
請求項において、酸素吸収剤および潮解性物質が接触して共存することを特徴とする乾燥食品の包装法
である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本願の第1発明ないし第発明において、使用する酸素吸収剤および潮解性物質を含有するシート材料は、例えば酸素吸収剤および潮解性物質を含有するプラスチック層若しくは不織布層の上層および/または下層に各種の機能を有するプラスチック材料、金属箔、不織布、紙などのフイルム状物、シート状物を重層し、相互の剥離が発生しないように一体化して成る複合シート材料などである。
尚、本発明で使用できる酸素吸収剤としては、金属鉄粉末、アルミニウム金属粉末、重亜硫酸ナトリウム、ビタミンC、ビタミンE、補酵素Q類等が挙げられる。これらの中で金属鉄粉末が最も実用的であるが、勿論、上記他の酸素吸収剤を金属鉄粉末に代えてまたは併用して用いることが可能なことはいうまでもない。
【0027】
複合シート内では、酸素吸収剤と潮解性物質とは、近接する位置に存在する必要があるので、好ましくは予め潮解性物質を酸素吸収剤にコーテイングした後、同一のプラスチック・フイルム中に均一に分散せしめるとよい。
【0028】
また、単に酸素吸収剤と潮解性物質をブレンドしてプラスチック・フイルム中に分散させてもよい。
【0029】
酸素吸収剤と共存せしめる物質は、潮解性物質、すなわち、周囲の雰囲気、近接する物品から水蒸気を吸収して自らは吸収した水に溶解する物質である。この際、吸収した水は酸素吸収剤に接触して酸素吸収機能の賦活に利用されることが必要で、単に水蒸気を吸収するだけの乾燥剤、例えばゼオライト(Zeolite) などは共存せしめる物質として適当でない。
【0030】
複合シート内に共存する酸素吸収剤に対する潮解性物質の存在重量比は、2%以上100%以下が適当である。
【0031】
この範囲を越えて、多量の潮解性物質が存在するときは、吸着、濃縮された水分量が過剰となり、期待とは逆に、酸素吸収剤の酸素吸収能および酸素吸収速度を低下せしめる。
【0032】
この範囲に達しない少量の潮解性物質が存在するときは、吸着、濃縮された水分量は酸素吸収剤を賦活するに足る水分量は得られず、酸素吸収剤の酸素吸収能は充分に発揮されない。
【0033】
酸素吸収剤は、特に説明を加えるまでもなく、周辺の環境あるいは近接する物品から、脱酸素する機能を有する。
【0034】
なお、この酸素吸収剤の粒子は、微細な球形である場合、微細な多孔性球形である場合、微細な楕円球形である場合、微細な薄片状である場合、微細な不定型である場合など種々の形態を採り得る。
【0035】
潮解性物質は酸素吸収剤に水分を供給し、酸素吸収剤の酸素吸収能、脱酸素能を賦活し、促進する機能を有する。
【0036】
潮解性物質が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウムまたは塩化亜鉛である場合には、これらの物質が電解質である故、さらに酸素吸収剤の酸素吸収能、脱酸素能を促進する機能を有する。
【0037】
潮解性物質としては、その飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分以下の物質を選択すべきである。
【0038】
なお、水分活性は食品、その他の物品中の自由水の量を反映する尺度として採用されている数値であって、以下の様に定義される。
【0039】
w =P/P0 =RH/100
但し、aw は水分活性、Pは食品その他の物品を密閉容器中に放置し水分平衡に達した後の容器中の水蒸気圧、P0 は純水の水蒸気圧、RHは食品、その他の物品を密閉容器中に放置し水分平衡に達した後の容器中の相対湿度である。
【0040】
特に適当な潮解性物質として、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウムまたは塩化亜鉛が挙げられる。但し、これらの潮解性物質に限定されるものではなく、包装すべき乾燥食品の水分活性によっては、例えば塩化ナトリウム(食塩)なども使用できる。
【0041】
酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムは包材としての機能を十分に具えているとは云い得ないので、これらの層の上層および/または下層に各種の機能を有するフイルム状物、シート状物を重層し、包材としての特性を補完する。
【0042】
表1に酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムを有するシート材料を構成する各フイルム状物、シート状物の具備すべき必要な機能および重層位置関係を示す。表1中、上下の表示は、酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムを中央部に位置せしめて構成したシート材料を包材に成形した場合、包装内容物である乾燥食品と接触する内側となる側を下層、成形した包材の外側となる側を上層と表示する。なお、同表「位置」欄中、「上、下」とあるのは上層、下層の何れか一方、または上層および下層の両方に当該層(フイルム状物、シート状物)が存在することを意味する。また、同一のフイルム状物、シート状物に複数の機能を持たせることも可能である。
【0043】
【表1】
Figure 0003648834
【0044】
これら、個別のフイルム状物、シート状物の材質は、製造された複合シート材料が食品の包材として加工、成型されることを考慮して、食品包装用として適当な成分、材質の素材が選択される。また、酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムと他のフイルム状物、シート状物との重層一体化方法およびその際に使用する接着剤、可塑剤などの補助材料についても同様な配慮が必要である。その材質は表1に記載する機能を充足し、食品の包材として適当と認められる材質の素材の範囲内である限り、格別の制限なく広く各種の素材が使用される。
【0045】
フイルム状物、シート状物の製造方法については、以下に示す例に限定されるものではなく、実質的に例示するような層構造が形成されていればよい。例えば多層の共押出し設備による異種樹脂の同時押し出し成形なども、もちろん使用できる。
【0046】
図1は、酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムを有するシート材料の構成の一例の断面を例示する摸式図である。図1中、1は酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルム、2は前記のフィルムの下側(包材に成形した場合、包装の内側となる)に貼り合わされた他のフィルム、例えば該シート材料にヒート・シール性を付与するポリエチレン・フィルム、3は前記のフィルムの上側(包材に成形した場合、包装の外側となる)に貼り合わされた他のフィルム、例えば該シート材料全体に酸素バリアーを付与するアルミニウム箔ならびにアルミニウム箔を物理的衝撃から保護するための紙、ポリエステル・フィルムまたはポリプロピレン・フィルムを示す。
【0047】
本発明においては、少なくとも構成の一部分に、酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムを有するシート材料を含む包材を使用して乾燥食品を包装する。
【0048】
また、少なくとも構成の一部分に、酸素吸収剤および潮解性物質のうち、その飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分活性以下の潮解性物質を含有するフィルムを有するシート材料を含む包材を使用して乾燥食品を包装する。
【0049】
この際、包材を構成する材料の全てが、酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムを有するシート材料あるいは酸素吸収剤および飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分活性以下の潮解性物質共存含有層フィルムを有するシート材料である必要は無く、例えば包材の底面部分または側面部分のみをこれらのシート材料で構成してもよい。
【0050】
包材のどの部分をどの程度、これらのシート材料で構成するかは、包装すべき乾燥食品の水分含量、性質などを勘案して決定する。
【0051】
また、乾燥食品の包装に適合する包材形態、構造は、包装すべき乾燥食品の性質、予想される保蔵条件およびその期間を勘案して、適宜、選択される。
【0052】
例えば、片面が該シート材料で他面が透明なフィルム材料で構成された「四方貼合わせ袋」、蓋部のみが該シート材料で構成されたカップ型容器、本体部分に該シート材料を使用し蓋部は透明の酸素遮断能を有する熱シール性シートで構成されたカップ型容器、本体部分に該シート材料を使用したチューブ型容器、プラスチック・ボトルまたはガラス製瓶のキャップ、プラスチック・ボトルの開口部またはガラス製瓶の開口部をシ−ルするパラコート蓋、貼合わせパウチ型容器、底面に非通気性のシートを本体部分に該シート材料を使用したスタンデイング・パウチ型容器、本体部分に該シート材料を使用したトレー型容器等、種々の容器の形態を採用し得る。
【0053】
図2は酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルムを有するシート材料より成る底面部分(4)および透明な酸素バリヤー性を有するプラスチック材料、例えばポリエステル、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンの3層より成る蓋部分(5)より構成され、顆粒状の乾燥食品被包装物、例えばミックス・ナッツを包含する包装体を例示する図である。
【0054】
本発明の方法において、包装の対象となる食品は乾燥状態にある食品である。この場合の乾燥状態は、狭義に理解すべきではなく、通常の乾燥食品に加えて半乾燥食品をも対象とする。それらの乾燥食品、半乾燥食品を例示すれば次の通りである。
【0055】
(1)魚介類加工品:干貝柱、畳鰯、鯣、鯣加工品、魚田麩、魚肉振掛け
(2)珍味食品類:ビーフ・ジャーキー、ミックス・ナッツ、焼海苔
(3)ナッツ食品類:ピーナッツ、アーモンド、アーモンド・フレーク、カシュー・ナッツ、ガルバンソー
(4)スナック食品類:ポテト・チップス、シュー・ストリング、ポップ・コーン
(5)シリアル食品類:コーン・フレークス、ミューズレー
(6)嗜好品類:粉末インスタント・コーヒー、粉末インスタント・テイー、コーヒー豆、紅茶(葉)、緑茶(葉)、烏竜茶(葉)
(7)乾麺・パスタ類:乾饂飩、乾素麺、マカロニ、スパゲッティー、インスタント・ラーメン、ビーフン、春雨、乾パン、粉末インスタント・ポタージュ・スープ、クルトン
(8)穀類・穀粉類:搗精白米、「寒梅粉」、「ホットケーキ・プレミックス」、小麦胚芽
(9)乾燥野菜類:干椎茸、乾燥ゼンマイ、凍結乾燥葱、切干し大根、乾海苔、乾若布、乾鹿尾菜、当り胡麻粉末
(10)菓子類:「バウム・クーヘン」、「カステラ」、「銅鑼焼き」、「ビスケット」、「クラッカ−」、「クッキー」、「花林糖」、「おこし」、「落雁」、「素甘」、「練切り」、「羊羮」、「最中」、「五家宝」、「諸越」
【0056】
(11)米菓類:「柿の種」、「草加煎餅」、「瓦煎餅」、「おかき」、「油揚げおかき」
(12)乳製品類:パルメザン・チーズ粉末、脱脂粉乳、調整粉乳
(13)調味料類:魚節粉末とグルタミン酸モノナトリウムなどからなる顆粒調味料、削り魚節、焼干し、煮干し、昆布粉末、粉末胡椒、粒胡椒
【0057】
以下、実施例により本発明の方法について説明する。なお、これらの実施例は本発明の思想を限定するものではない。実施例の記載中、特記の無い限り、「部」は重量部を、「%」は重量/重量%を示す。
【0058】
【実施例】
(実施例1)==顆粒調味料の包装および保存試験==
(1−1)−−金属鉄粉末・潮解性物質共存含有層フィルムの製造−−
相対湿度30%以下の乾燥条件下、線状低密度ポリエチレン・ビーズ25部に粒径5μの球状の純軟鋼鉄50部および粒径20μの塩化カルシウム無水物粉末20部を添加した。なお、塩化カルシウムの飽和水溶液の水分活性は0.3である。この樹脂混合物をタンブラー・ミキサ−で予混合後、バンバリー混練機により120℃で8分間混練して、フィルム用混合物を取得した。
【0059】
このフィルム用混合物を60mmφ押出機によりTダイ成形し、260℃の加工温度で厚さ30μのフィルムに加工した。
(1−2)−−包材シートへの加工−−
この金属鉄粉末・潮解性物質共存含有層フィルムの上面および下面に厚さ15μのポリエチレン・フィルムをラミネート貼りで貼り合わせた。さらに上面のポリエチレン・フィルムの上に厚さ7μのアルミニウム箔および厚さ12μのポリエステル・フィルムをラミネート貼りで貼り合わせた。
【0060】
(1ー3)−−包材への加工、成形−−
1−2で取得した貼り合わせした包材シートを包材シートの上面が容器の外側となる様に、製袋機により、連続的にスタンデング・パウチに加工、成形した。スタンデング・パウチの空容量は150mLであった。
【0061】
(1−4)−−スタンデング・パウチへの顆粒状調味料の充填、包装−−
パウチの成形工程に連続して、1−3で成形したスタンデング・パウチの内部に自動計量装置を経由した魚節粉末、ヌクレオチド・ナトリウム塩およびグルタミン酸ナトリウム塩を主成分とする水分活性0.35の顆粒状調味料を充填し、開口部を加溶着により封鎖した。パウチ1個当たりの充填量は100g/個とした。
【0062】
(1−5)−−対照包装品の試作−−
塩化カルシウムの代わりに食塩を用いた他は1−1、1−2におけると全く同一の条件で包材シートを試作した。なお、食塩の飽和水溶液の水分活性は0.75である。次いで、1−3、1−4と同様の工程を経過して、対照包装品を試作した。
【0063】
(1−6)−−試験包装品および対照包装品の保存−−
1−4および1−5で製作した試験包装品と対照包装品の各20個を無作為に選択してダンボール箱に収容し、四月以降1年間、遮光下、室内に保存した。この期間、温度あるいは湿度の制御、管理は特に行っていない。
【0064】
(1−7)−−保存試験による試験包装品および対照包装品の評価−−
ダンボール箱に収容した試験包装品及び対照包装品より各2個を、包装直後、1週間後、3月後、6月後および12月後に、それぞれ無作為に取出した。パウチを開封し、内容物より10gを分取し、耐熱ガラス製のポット中に入れ、1500mLの80℃に保ってある熱水に溶解して、試験包装品の調味液ならびに対照包装品の調味液を取得した。
【0065】
これらの調味液を室温(20℃)まで放冷し、直ちに7名のパネラ−による官能試験に付した。この試験は、試験包装品の調味液および対照包装品の調味液について、何れが試験品あるいは対照品であるかを明示することなく、両者を比較しその間の差異の有無ならびに呈味の好ましさおよび香味の好ましさについて、最高点を5点とする5点法による採点評価を問う試験方法によって実施した。
【0066】
表2に試験包装品の調味液および対照包装品の調味液について、各保存期間経過後における官能試験の評定結果を示す。表2の中、官能試験の結果の数値は、各パネラ−の付与した評点より最大の評点および最小の評点、各一個を控除した5個の評点の平均値を四捨五入した数値である。
【0067】
【表2】
Figure 0003648834
【0068】
表2に示す通り、官能試験の評定結果では、試験包装品の呈味の好ましさは保存12か月を経過しても、全く変化が認められず、香味の好ましさは保存12か月後に、初めて僅少の変化を見たに留った。対照包装品の呈味の好ましさは6か月以降変化し、12か月後には明瞭な劣化を認めた。香味の好ましさは保存3か月後以降変化し、12か月後には明瞭な魚腥臭を認めた。
【0069】
(実施例2)==「ミックス・ナッツ」の包装および保存試験==
(2−1)−−包材シート材の調製−−
実施例1、1−1と同様の方法により製造した金属鉄粉末・潮解性物質共存含有層フィルムおよびその他のフィルムより、1−2の方法に準じて包材シート材を製造した。
【0070】
(2−2)−−包材への加工、成形−−
2−1の方法で取得した包材シート材を片状に切断した。片状に切断した該シートの周囲三方の上に熱溶着により、透明なポリエステル12μ、エチレンビニルアルコール25μ、ポリエチレン30μの3層よりなるフィルムを貼合わせ幅1.5cmを保って連続的に貼合わせた。加工、成形した袋の内法は18.5×32.5cmであった。
【0071】
(2−3)−−貼合わせ袋へ「ミックス・ナッツ」充填、包装−−
湿度制御環境下、貼合わせ袋および「ミックス・ナッツ」を連続式自動計量包装装置の各々のホッパー部に供給し、連続的に貼合わせ袋内に「ミックス・ナッツ」を充填し、開口部を溶着により封鎖した。貼合わせ袋1個当たりの充填量は300g/個であった。
【0072】
なお、「ミックス・ナッツ」の各ナッツの混合比は、バター・ピーナッツ30%、ジャイアント・コーン20%、アーモンド・スライス10%、ガルバンソー20%およびカシュー・ナッツ20%とした。
【0073】
(2−4)−−対照包装品の試作−−
塩化カルシウムの代わりに食塩を用いた他は実施例1の1−1、1−2におけると全く同一の条件で試作した包材シ−トにより、2−2、2−3と同様の工程を経過して、対照包装品を試作した。
【0074】
(2−5)−−試験包装品および対照包装品の保存−−
2−3及び2−4で製作した試験包装品と対照包装品の各10個を無作為に選択してダンボール箱に収容し、四月以降1年間、遮光下、室内に保存した。この期間、温度あるいは湿度の制御、管理は特に行っていない。
【0075】
(2−6)−−保存試験による試験包装品および対照包装品の評価−−
ダンボール箱に収容した試験包装品及び対照包装品より各1個を、包装直後、1週間後、3月後、6月後および12月後にそれぞれ無作為に取り出した。開封し、官能評価試験に付した。評価項目は「ミックス・ナッツ」を構成する各ナッツの一粒を取り、口に含んで咀嚼したときの呈味および香味並びに食感および全体の総合的評価の4項目とした。採点は1−7に準ずる。
【0076】
表3に各保存期間経過後における試験包装品または対照包装品の各保存期間経過後における官能試験の評定結果(呈味および香味)を示す。表3中、官能試験の結果の数値は、各パネラ−の付与した評点より最大の評点および最小の評点、各一個を控除した5個の評点の平均値を四捨五入した数値である。
【0077】
【表3】
Figure 0003648834
【0078】
表3に示す通り、官能試験の評定結果では、試験包装品の呈味の好ましさは保存12か月を経過しても、ほとんど変化が認められず、香味の好ましさは保存12か月後に、初めて僅かな変化を見たに留った。対照包装品の呈味の好ましさは早くも1週間後には変化し、12か月後には明瞭な劣化を認めた。香味の好ましさも1週間後に変化が認められ、6か月後、12か月後には呈味、香味ともに劣化が明瞭となった。
【0079】
【発明の効果】
本願発明の乾燥食品用包材は、乾燥食品についても、比較的高い含水量の食品の場合と同様に、長期間に亙り内容物の酸化による品質劣化を有効に防止可能であると云う効果を有する。
【0080】
また、本願発明の乾燥食品用包材は、均一、且つ、有効に酸素吸収活性が活性化されていると云う効果を有する。
【0081】
したがって、本願発明の乾燥食品用包材を使用する乾燥食品の包装方法により、包装した乾燥食品を、酸化による品質の劣化から長期間に亙って、安全に保護可能であると云う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥食品用包材の一つの実施形態における構成例を説明する部分断面図である。
【図2】本発明に係る乾燥食品の包装方法により包装された顆粒状の乾燥食品包装体の一態様を例示する説明図である。
【符号の説明】
1は酸素吸収剤・潮解性物質共存含有層フィルム、2は1のフィルムの下側(包材に成形した場合、包装の内側)に貼り合わされた他のフィルム、3は1のフィルムの上側(包材に成形した場合、包装の外側)に貼り合わされた他のフィルム、4は酸素吸収剤・吸湿潮解性物質共存含有層フィルムを含む包材シートより成る包装の底面部分、5は透明なプラスチック材料より成る包装の蓋部分、6は顆粒状の被包装物。

Claims (6)

  1. 酸素吸収剤としての金属鉄粉末および飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分活性以下である潮解性物質を含有することを特徴とする乾燥食品用包材。
  2. 請求項1において、潮解性物質が塩化カルシウムであることを特徴とする乾燥食品用包材。
  3. 請求項1において、酸素吸収剤および潮解性物質が接触して共存することを特徴とする乾燥食品用包材。
  4. 少なくとも一部分の構成に、酸素吸収剤としての金属鉄粉末および飽和水溶液の水分活性が包装すべき乾燥食品の水分活性以下である潮解性物質を含有する包材を使用して、乾燥食品を包装することを特徴とする乾燥食品の包装法。
  5. 請求項において、潮解性物質が塩化カルシウムであることを特徴とする乾燥食品の包装法。
  6. 請求項において、酸素吸収剤および潮解性物質が接触して共存することを特徴とする乾燥食品の包装法。
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