JP2858019B2 - 突板を利用した化粧材の製造方法 - Google Patents

突板を利用した化粧材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主として、各種の建材や家具等の表面仕上
げに使用される化粧材の製造方法に関するものであり、
突板を利用した化粧材で、突板の導管溝,木材繊維構
造,春材部・秋材部の光沢差や凹凸差等の木理が表面に
忠実に現出されている深みのある化粧材を得る方法を提
供するものである。
[従来の技術] 厚さ0.2〜1mm程度に剥取った木の薄板からなる突板
は、主として建材や家具等における化粧張りシートとし
て利用される。
前記突板に対して、その表面堅牢性や高品質特性等を
付与するための方法として、 1) 突板の表面に着色透明塗装を施す、 2) 突板の表面に絵柄層を付与した後に、着色透明塗
装を施す、 3) 突板の表面に無色または着色の透明樹脂フィルム
を熱圧成形によって貼着する、 等の加工方法が知られている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前記1)項および2)項の方法の塗装によ
って得られる突板は、深みのある外観が得られず、ま
た、3)項の化粧用の熱可塑性樹脂フィルムを貼着した
ものは、化粧用フィルムの表面に当板の表面状態が転写
されてしまい、突板の木理が化粧用フィルムの表面に現
出され得ないという欠点を有しており、いずれも、天然
木による自然観が十分に表現され得ないという欠点を有
している。
これに対して、本発明は、深みのある外観が得られ、
しかも、その表現には突板の木理が忠実に現出されてお
り、天然木による自然観が十分に発揮されている化粧材
が得られる方法を提供する。
[課題を解決するための手段] 本第1の発明の突板を利用した化粧材の製造方法は、
突板あるいは裏張り材が積層されている突板からなる突
板基材の表面、すなわち、突板基材における突板の表面
に、透明な熱可塑性樹脂シートと当板とを順次載置し、
熱盤間で加熱,加圧することによって、前記突板基材の
表面に熱可塑性樹脂シートを貼着する方法であり、熱盤
間で前記突板基材と熱可塑性樹脂シートと当板とを加
熱,加圧する第1工程と、加圧状態のままで常温にまで
冷却する第2工程と、前記当板を除去した状態で、常圧
の下で加熱する第3工程と、さらに、冷却する第4工程
とによって、目的製品である突板を利用した化粧材を得
るものである。
そして、前記本第1の発明の化粧材の製造方法におい
ては、前記第1工程の熱盤間での加熱を、下記(1)式
を満足する温度T1で加熱,加圧するものであり、また、
第3工程での常圧の下での加熱を、下記(2)式を満足
する温度T2で行なうものである。
前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟化温度<
T1≦熱可塑性樹脂シートの溶融温度 ……(1) 前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg
/cm2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シート
のビカット軟化温度 ……(2) また、本第2の発明の突板を利用した化粧材の製造方
法は、突板あるいは裏張り材が積層されている突板から
なる突板基材の表面、すなわち、突板基材における突板
の表面に、透明な熱可塑性樹脂シートと当板とを順次載
置し、熱盤間で加熱,加圧することによって、前記突板
基材の表面に熱可塑性樹脂シートを貼着する方法であ
り、熱盤間で前記突板基材と熱可塑性樹脂シートと当板
とを加熱,加圧する第1工程と、加圧状態のまま冷却に
付す第2工程と、常圧に戻すと共に当板を除去して放冷
し、常温に戻す第3工程とによって、目的製品である突
板を利用した化粧材を得るものである。
そして、前記本第2の発明の化粧材の製造方法におい
ては、前記第1工程の熱盤間での加熱を、下記(1)式
を満足する温度T1で加熱,加圧するものであり、また、
第2工程では、熱盤の温度が下記(2)式を満足する温
度T2になった時点で、加圧状態を解除して常圧に戻す操
作を行うものである。
前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟化温度<
T1≦前記透明な熱可塑性樹脂シートの溶融温度 ……(1) 前記透明は熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg
/cm2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シート
のビカット軟化温度 ……(2) 前記構成からなる本各発明方法において、透明な熱可
塑性樹脂シートとの貼り合わせに利用される突板基材に
は、突板あるいは裏張り材が積層されている突板、すな
わち、厚さ0.2〜1mm程度に剥取った木の薄板からなる突
板をそのまま、または、前記突板に対して絵柄印刷層や
透明着色層を設けた突板、さらには、前記突板に不織布
や織布を裏張りしたもの、裏面に、熱硬化型樹脂含浸紙
等による化粧材用基材を積層したもの、突板基材の表面
に積層される透明な熱可塑性樹脂シートに対する接着性
を高める等の目的で、突板の表面を樹脂処理したもの等
が利用される。
なお、突板用の木材としては、杉,檜,欅,松,樫,
桐,チーク,タモ等の通常の木材の中から木理由の意匠
の高いものを選定して使用するのが好ましい。
突板の裏面に、熱硬化型樹脂、例えば、ジアリルフタ
レート樹脂,ベンゾグアナミン樹脂,フェノール樹脂,
メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹
脂,ウレタン樹脂等による熱硬化型樹脂の含浸紙からな
る化粧材用基材が積層される場合には、本発明方法によ
って得られる化粧材の剛性が特に良好になる。
また、前記樹脂含浸紙からなる化粧材用基材が突板の
裏面に適用される場合には、該化粧材用基材と突板との
間には、特別接着剤を使用する必要はない。
さらに、前記突板の裏面に積層される化粧材用基材と
しては、前述の熱硬化型樹脂含浸紙のほかに、例えば、
木,合板,パーティクルボード等の木質系基材、石膏ボ
ード,石膏スラグボード等の石膏系基材、パルプセメン
ト板,石綿スレート板,石綿セメント板,木片セメント
板等の繊維セメント板、GRCおよびコンクリート、鉄,A
l,銅等による金属箔あるいはシート、さらには、これら
の2種以上を複合させた複合体等が利用し得る。
なお、前述の樹脂含浸紙以外の化粧材用基材が利用さ
れる場合には、化粧材用基材と突板とは、例えば、酢酸
ビニル系、エチレン・酢酸ビニル系、ウレタン系、エポ
キシ系、尿素系、アックリル系、ゴム系等による接着剤
で貼着される。
突板基材の表面に接当される透明な熱可塑性樹脂シー
トは、無色、あるいは、グラビア,オフセット,凸版,
シルクスクリーン等による表面刷り印刷や裏面刷り印刷
による絵柄印刷層や透明着色面印刷層が形成されている
シートのいずれであっても良く、厚さ30〜1000μ程度の
熱可塑性樹脂シート、例えば、ポリ塩化ビニル,エチレ
ン・ビニルアルコール共重合体,エチレン・酢酸ビニル
共重合体,ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニリデン,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネ
ート,ポリアミド,ポリスチレン,ポリビニルアルコー
ル等によるシートが利用される。
また、表面物性の向上を得る等のために、他の熱化可
塑性樹脂にシートをダブリングした複合シートや、樹脂
コート層を設けた複合シート等も利用され、特に、着色
化、印刷層の形成、保護層の形成等が容易であり、ま
た、曲げ加工適性が得られるという点から、厚さ50〜30
0μ程度のポリ塩化ビニルシートが好適である。
なお、前記突板基材の表現に接当される透明な熱可塑
性樹脂シートとして、突板の木理とマッチする絵柄印刷
層が、表面刷り印刷や裏面刷り印刷によって形成されて
いる樹脂シートを利用した場合には、突板による天然の
木目意匠と、前述の樹脂シートにおける印刷層の意匠と
が相乗する結果、例えば、安価な木材による突板の場合
には、高級感を与え得るし、また、高級な木材による突
板の場合には、より高級感が付与されるというメリット
を有する。
また、突板基材と該突板基材の表面に接当される透明
な熱可塑性樹脂シートとの間には、必要に応じて、両者
の間の接着強度を高めるために接着剤が適用され、例え
ば、 1) エチレン・酢酸ビニル共重合体,ポリ酢酸ビニ
ル,塩化ビニリデン共重合体,ポリビニルアセタール,
ポリビニルブチラール等によるホットメルトタイプの接
着剤を、例えば、押し出しコート法等によって適用し、
必要に応じて、接着剤の表面にアンカーコートを施す、 2) ビニル系,エチレン・酢酸ビニル系,ウレタン
系,エポキシ系,尿素系,アクリル系,ゴム系等による
接着剤を、例えば、ロールコート,スプレーコート,ハ
ケ塗り等によって塗工する。
3) アクリル系,ビニル系,ゴム系、オレフィン系等
による感熱性接着剤を、例えば、グラビアコート,ロー
ルコート,キスコート等による塗工手段で塗工する、 等によって、接着剤を適用するのが好適である。
本各発明方法において、前記熱圧成形に使用される当
板には、通常の熱圧成形による化粧材の製造の際に当板
として使用される鏡面板がそのまま利用され得る。
また、突板あるいは裏張り材が積層されている突板か
らなる突板基材と透明な熱可塑性樹脂シートと当板とを
熱盤間で加熱,加圧する際の熱圧条件は、熱盤間に組み
込まれる突板基材の種類や透明な熱可塑性樹脂シートの
種類等に応じて決定されるものであり、ポリ塩化ビニル
樹脂シートを利用する場合には、 ポリ塩化ビニル樹脂シートのビカット軟化温度<T1
ポリ塩化ビニル樹脂シートの溶融温度 の範囲内の温度T1での加熱、通常は、120〜150℃での加
熱と、10〜60kg/cm2程度の加圧とが利用される。
本第1の発明の化粧材の製造方法においては、突板基
材と透明な熱可塑性樹脂シートと当板とを熱盤間で加
熱,加圧した後、加圧状態のままで常温にまで冷却し、
当板を除去した後、さらに、常圧の下で加熱し、冷却に
付すものであり、熱圧成形後に、常圧の下での再加熱工
程を付加することによって、得られる化粧材の表面に突
板の木理が忠実に再現される。
この熱圧成形後に施される常圧の下での再加熱工程で
は、例えば、熱風または赤外線等による加熱手段が利用
され、基材の表面に積層されている透明な熱可塑性樹脂
シートが、 該熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg/cm2の熱
変形温度≦T2≦前記熱可塑性樹脂シートのビカット軟化
温度 における温度T2になるまで加熱される。
なお、前記熱圧成形後に施される常圧の下での再加熱
工程における加熱温度が、熱可塑性樹脂シートのJIS K
7202の18.5kg/cm2の熱変形温度未満の場合には、熱可塑
性樹脂シート中の分子運動が不十分なため、突板表面の
木理に対応する残留応力が開放されないままとなり、得
られる化粧材の表面に木理を良好に現出させ得なくな
る。
また、前記加熱温度が、熱可塑性樹脂シートのビカッ
ト軟化温度を超える場合には、熱可塑性樹脂シート中の
残留応力が開放された上で、熱可塑性樹脂シート中の分
子が、再び、平滑表面をとるような再配列を起こすため
に、得られる化粧材の表面に木理を良好に現出させ得な
くなる。
さらに、本第2の発明の化粧材の製造方法において
は、基材と透明な熱可塑性樹脂シートと当板とを熱盤間
で加熱,加圧した後、加圧状態のまま冷却工程に移し、
前記熱盤の温度がT2、すなわち、 前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg
/cm2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シート
のビカット軟化温度 となった時点の冷却工程の途中で、常圧に戻すと共に当
板を除去し、以後放冷するものであり、通常の熱圧成形
における冷却工程をその途中で中断し、除圧および放冷
することによって、突板の木理を得られる化粧材の表面
に忠実に再現させ得る。
この熱圧成形における冷却工程の途中工程での除圧,
放冷の開始は、基材の表面に対して適用された透明な熱
可塑性樹脂シートの温度がT2、すなわち、 前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg
/cm2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シート
のビカット軟化温度 にあるときに行なわれる。
なお、前記熱圧成形における冷却工程の途中で施され
る除圧,放冷の開始時の温度が、熱可塑性樹脂シートの
JIS K 7202の18.5kg/cm2の熱変形温度未満の場合には、
熱可塑性樹脂シート中の分子運動が固定されてしまい、
除圧,冷却しても、これ以上の分子運動が生じないた
め、得られる化粧材の表面に木理を良好に現出させ得な
くなる。
また、前記加熱温度が、熱可塑性樹脂シートのビカッ
ト軟化温度を超える場合には、熱可塑性樹脂シート中に
木理に対応した残留応力の分布ができないうちに冷却さ
れてしまい、均一に冷却,収縮されるため、得られる化
粧材の表面に良好な木理を現出させ得なくなる。
[発明の作用] 本第1の発明および第2の発明方法からなる化粧材の
製造方法において、得られる化粧材の表面に、突板の導
管溝,木材繊維構造,春材部・秋材部の光沢差や凹凸差
等に応じた木理の凹凸が忠実に再現され得る機構は明ら
かではないが、以下の通りに推測される。
すなわち、前記本第1の発明方法においては、透明な
熱可塑性樹脂シートを、突板と当板との間に挟んだ状態
で、前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟化温度
を超える温度で、しかも、前記透明な熱可塑性樹脂シー
トの溶融温度以下の温度に加熱,加圧した後、これを加
圧状態のままで冷却すると、合成樹脂シートにおける分
子の移動が束縛された状態で固定するため、冷却時に、
前記熱可塑性樹脂シートの内部に、該内部を収縮させよ
うとする残留応力が残る。
前記状態となっているところに、当板を除去した無加
圧状態で、前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202
の18.5kg/cm2の熱変形温度以上で、かつ、前記透明な熱
可塑性樹脂シートのビカット軟化温度以下の温度に再加
熱すると、前述の残留応力が開放されて収縮する。
このときに、前記透明な熱可塑性樹脂シート内の残留
応力分布が、突板の木理に応じて異なってくるため、木
理に対応する収縮量の差に応じて熱可塑性合成樹脂シー
トの厚さが変り、突板の木理の対応する凹凸が該熱可塑
性樹脂シートの表面に忠実に再現されるものであると推
定される。
また、本第2の発明の化粧材の製造方法においては、
透明な熱可塑性樹脂シートを、突板と当板との間に挟ん
だ状態で、前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟
化温度を超える温度で、しかも、前記透明な熱可塑性樹
脂シートの溶融温度以下の温度に加熱した後、加圧状態
のままで冷却を開始し、前記透明な熱可塑性樹脂シート
が、該シートのビカット軟化温度以下で、しかも、JIS
K 7202の18.5kg/cm2の熱変形温度以上の温度範囲内にあ
るときに圧力を開放すると、圧力の開放時点において、
熱可塑性樹脂シート中にはすでに突板の木理に対応する
応力分布が存在した状態となっており、以降の冷却によ
る収縮がこの分布に対応して発生し、かかる結果、突板
の木理の対応する凹凸が該熱可塑性樹脂シートの表面に
忠実に再現されるものであると推定される。
なお、第2図にて符号2で表示される突板を利用し
て、すなわち、符号m,m,‥‥‥で表示される木理の凹状
部を具備する突板2を利用して、本第1の発明を実施し
た場合に、温度T1で加熱,加圧した後、加圧状態のまま
で常温にまで冷却したときの突板2と透明な合成樹脂シ
ート4との関係、および、本第2の発明を実施した場合
に、温度T2となった時点で常圧に戻す際の除圧の開始時
点における突板2と透明な合成樹脂シート4との関係
は、第3図にて符号3で示される積層状態を呈するもの
であって、突板2の木理m,m,‥‥‥に、熱可塑性樹脂シ
ート4が侵入している状態となっている。
前記構成による積層状態が、その後の工程によって、
第1図にて符号1で表示される構造の化粧材1となるも
のであって、熱可塑性樹脂シート4の表面に、前記突板
2の木理m,m,‥‥‥に対応する木理M,M,‥‥‥が忠実に
再現されている化粧材が得られる。
以上の事実によって、前述の本各発明の化粧材の製造
方法の途中工程におけるメカニズムが推定される。
[実 施 例] 以下、本発明の突板を利用した化粧材の製造方法の具
体的な構成を実施例に基づいて説明する。
実施例1 坪量145g/m2の未晒クラフト紙にジアリルフタレート
樹脂を含浸させた樹脂含浸紙の上に、0.2mmのタモ突板
と、100μの塩化ビニル樹脂の透明シートと、2mmの光沢
鏡面板とを、順次載置し、5mmのクッションゴムを具備
するホットプレス内に挿入し、熱盤間にて、135℃,40kg
/cm2の加熱,加圧条件による8分間の熱圧を施した。
次いで、前記加圧状態を維持したまま、常温にまで冷
却してから、プレス内から積層体を取り出し、さらに、
鏡面板を除去した後、樹脂含浸紙と、タモ突板と、塩化
ビニル樹脂の透明シートとの積層体を、60℃の熱風炉内
で100時間の加熱処理に付し、続いて、冷却することに
よって、本発明方法の目的製品である突板を利用した化
粧材を得た。
得られた化粧材は、その表面に突板の木理が現出され
ており、深みのある外観を有する意匠特性において優れ
た作用を奏するものであった。
実施例2 坪量145g/m2の未晒クラフト紙にジアリルフタレート
樹脂を含浸させた樹脂含浸紙の上に、0.2mmのタモ突板
と、100μの塩化ビニル樹脂の透明シートと、2mmの光沢
鏡面板とを、順次載置し、5mmのクッションゴムを具備
するホットプレス内に挿入し、熱盤間にて、135℃,40kg
/cm2の加熱,加圧条件による8分間の熱圧を施した。
次いで、前記加圧状態を維持したまま、冷却を開始
し、熱盤の温度が80℃になった時点で、プレス内から積
層体を取り出し、室温まで徐冷し、さらに、鏡面板を除
去することによって本発明方法の目的製品である突板を
利用した化粧材を得た。
得られた化粧材は、その表面に突板の木理が現出され
ており、深みのある外観を有する意匠特性において優れ
た作用を奏するものであった。
[発明の効果] 本第1の発明は、突板あるいは裏張り材が積層されて
いる突板からなる突板基材の表面に、透明な熱可塑性樹
脂シートと当板とを順次載置し、熱盤間にて、下記
(1)式を満足する温度T1で加熱,加圧した後、加圧状
態のままで常温にまで冷却し、次いで、前記当板を除去
し、常圧の下で、下記(2)式を満足する温度T2で加熱
し、常温に冷却することによって化粧材を得るものであ
る。
また、本第2の発明は、突板または裏張り材が積層さ
れている突板からなる突板基材の表面に、透明な熱可塑
性樹脂シートと当板とを順次載置し、熱盤間にて、下記
(1)を満足する温度T1で加熱,加圧した後、加圧状態
のまま冷却に付し、前記熱盤の温度が下記(2)式を満
足する温度T2となった時点で、常圧に戻すと共に当板を
除去し、以後放冷により常温に冷却することによって化
粧材を得るものである。
前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟化温度<
T1≦前記透明な熱可塑性樹脂シートの溶融温度 ……(1) 前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg
/cm2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シート
のビカット軟化温度 ……(2) しかして、前記本第1〜第2の発明方法によって、そ
の表面に突板の木理が忠実に再現されているところの深
みのある意匠特性の高い化粧材が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本各発明方法によって得られる化粧材を模型
的に示す切断端面図、第2図は、本各発明方法で利用す
る突板を模型的に示す切断端面図、第3図は、本各発明
方法の化粧材の製造方法の途中工程での突板と熱可塑性
樹脂シートとの積層状態を模型的に示す断面図である。 1……化粧材、2……突板、 4……透明な熱可塑性樹脂シート、 m,m,……突板2における木理、 M,M,……突板2の木理m,m,‥に対応して、透明な熱可塑
性樹脂シー4の表面に現出されている木理。
フロントページの続き (72)発明者 椎野 大 京都府城陽市寺田大谷135番地の1 富 士高分子株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B27D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突板あるいは裏張り材が積層されている突
    板からなる突板基材の表面に、透明な熱可塑性樹脂シー
    トと当板とを順次載置し、熱盤間にて、下記(1)式を
    満足する温度T1で加熱,加圧した後、加圧状態のままで
    常温にまで冷却し、次いで、前記当板を除去し、常圧の
    下で、下記(2)式を満足する温度T2で加熱し、常温に
    冷却することを特徴とする突板を利用した化粧材の製造
    方法。 前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟化温度<T1
    ≦前記透明な熱可塑性樹脂シートの溶融温度……(1) 前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg/c
    m2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シートの
    ビカット軟化温度 ……(2)
  2. 【請求項2】突板または裏張り材が積層されている突板
    からなる突板基材の表面に、透明な熱可塑性樹脂シート
    と当板とを順次載置し、熱盤間にて、下記(1)式を満
    足する温度T1で加熱,加圧した後、加圧状態のまま冷却
    に付し、前記熱盤の温度が下記(2)式を満足する温度
    T2となった時点で、常圧に戻すと共に当板を除去し、放
    冷によって常温に冷却することを特徴とする突板を利用
    した化粧材の製造方法。 前記透明な熱可塑性樹脂シートのビカット軟化温度<T1
    ≦前記透明な熱可塑性樹脂シートの溶融温度……(1) 前記透明な熱可塑性樹脂シートのJIS K 7202の18.5kg/c
    m2の熱変形温度≦T2≦前記透明な熱可塑性樹脂シートの
    ビカット軟化温度 ……(2)
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