JP2857728B2 - メガネフレームの蝶番摺動面のコーティング方法 - Google Patents
メガネフレームの蝶番摺動面のコーティング方法Info
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- JP2857728B2 JP2857728B2 JP19601692A JP19601692A JP2857728B2 JP 2857728 B2 JP2857728 B2 JP 2857728B2 JP 19601692 A JP19601692 A JP 19601692A JP 19601692 A JP19601692 A JP 19601692A JP 2857728 B2 JP2857728 B2 JP 2857728B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメガネフレームの蝶番摺
動面をコーティングする方法に関するものである。
動面をコーティングする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メガネフレームはレンズを止着するフロ
ントフレームの両サイドにツルを開閉自在に連結して構
成している。ツルば蝶番に連結されて開閉することが出
来るが、小さな蝶番であるとともにツルの開閉回数は多
く、しかも単なる開閉機能だけでなく、ツルを片持ち状
態で支持することになり、その曲げモーメントが蝶番に
作用して摺動面を摩耗し、その結果、蝶番はガタ付いて
しまう。このような現象は、全ての蝶番において発生す
る問題点であるが、近年特に多用されているチタン材か
ら成る蝶番は上記摩耗が著しく、短時間で蝶番及びツル
にガタ付きが発生する。
ントフレームの両サイドにツルを開閉自在に連結して構
成している。ツルば蝶番に連結されて開閉することが出
来るが、小さな蝶番であるとともにツルの開閉回数は多
く、しかも単なる開閉機能だけでなく、ツルを片持ち状
態で支持することになり、その曲げモーメントが蝶番に
作用して摺動面を摩耗し、その結果、蝶番はガタ付いて
しまう。このような現象は、全ての蝶番において発生す
る問題点であるが、近年特に多用されているチタン材か
ら成る蝶番は上記摩耗が著しく、短時間で蝶番及びツル
にガタ付きが発生する。
【0003】そこで、チタン製蝶番はその摺動面に座金
を介在し、チタン同士の接触を避けている。図4はチタ
ン製蝶番の断面拡大図を示しており、雄型蝶片(イ)と
雌型蝶片(ロ)がビス(ハ)にて連結されて屈曲可能な
状態にあり、そして上記両蝶片(イ)、(ロ)の間には
座金(ニ)、(ニ)が介在している。勿論、座金(ニ)
はチタン以外の材質であって、上記雄型蝶片(イ)と雌
型蝶片(ロ)が屈曲してもチタン同士の摩擦接触は避け
られてその耐久性は向上することになるが、上記座金
(ニ)の製作並びに取着作業が面倒である。
を介在し、チタン同士の接触を避けている。図4はチタ
ン製蝶番の断面拡大図を示しており、雄型蝶片(イ)と
雌型蝶片(ロ)がビス(ハ)にて連結されて屈曲可能な
状態にあり、そして上記両蝶片(イ)、(ロ)の間には
座金(ニ)、(ニ)が介在している。勿論、座金(ニ)
はチタン以外の材質であって、上記雄型蝶片(イ)と雌
型蝶片(ロ)が屈曲してもチタン同士の摩擦接触は避け
られてその耐久性は向上することになるが、上記座金
(ニ)の製作並びに取着作業が面倒である。
【0004】座金(ニ)はプレス加工にて比較的簡単に
製作可能であるが、非常に小さい座金(ニ)の嵌入片
(ホ)を雄型蝶片(イ)のビス孔へ嵌着する作業は容易
でなく、さらに両面に座金(ニ)、(ニ)を止着した雄
型蝶片(イ)を雌型蝶片(ロ)へ嵌入することも、寸法
公差が厳しいために容易な作業ではない。したがって、
雌型蝶片(ロ)の一部を切欠いて雄型蝶片(イ)が嵌入
し易い形状としているが、色々と余分な作業工数を要
し、コスト的には非常に高価な蝶番となってしまう。
製作可能であるが、非常に小さい座金(ニ)の嵌入片
(ホ)を雄型蝶片(イ)のビス孔へ嵌着する作業は容易
でなく、さらに両面に座金(ニ)、(ニ)を止着した雄
型蝶片(イ)を雌型蝶片(ロ)へ嵌入することも、寸法
公差が厳しいために容易な作業ではない。したがって、
雌型蝶片(ロ)の一部を切欠いて雄型蝶片(イ)が嵌入
し易い形状としているが、色々と余分な作業工数を要
し、コスト的には非常に高価な蝶番となってしまう。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】このようにメガネフ
レームの蝶番、特にチタン製蝶番には上記のごとき問題
がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点
であって、耐久性の高い蝶番を得るために、摩擦摺動面
をコーティングする方法を提供する。
レームの蝶番、特にチタン製蝶番には上記のごとき問題
がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点
であって、耐久性の高い蝶番を得るために、摩擦摺動面
をコーティングする方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のメガネフレーム
蝶番は雄型蝶片と雌型蝶片の摺動面にコーティング層を
形成し、耐摩性の向上を図ったものである。このコーテ
ィング層は直流電気を10−1秒〜10−3秒の周波数
で放電し、その結果、電極材が蝶片との接触部にて10
−5秒〜10−6秒といった極く短時間に8,000℃
〜25,000℃まで加熱され、イオン化された状態で
蝶片の摺動面に冶金的に転移し合金化・堆積されると同
時に、摺動面下に拡散、浸透して形成される。上記電極
材としてMoや洋白を使用すれば、コーティング層はM
oや洋白となり、耐摩性、潤滑性の優れた摺動面とな
る。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
蝶番は雄型蝶片と雌型蝶片の摺動面にコーティング層を
形成し、耐摩性の向上を図ったものである。このコーテ
ィング層は直流電気を10−1秒〜10−3秒の周波数
で放電し、その結果、電極材が蝶片との接触部にて10
−5秒〜10−6秒といった極く短時間に8,000℃
〜25,000℃まで加熱され、イオン化された状態で
蝶片の摺動面に冶金的に転移し合金化・堆積されると同
時に、摺動面下に拡散、浸透して形成される。上記電極
材としてMoや洋白を使用すれば、コーティング層はM
oや洋白となり、耐摩性、潤滑性の優れた摺動面とな
る。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
【0007】
【実施例】図1は一般的な金属製メガネフレームを表わ
したもので、メガネフレームはレンズを止着するフロン
トフレーム1の両サイドにヨロイ2、2をロウ付けし、
ヨロイ2には蝶番3を介してツル4が屈曲自在に連結し
ている。該蝶番3にもその形状は色々あるが、基本的に
は雄型蝶片と雌型蝶片とがビスを軸として屈曲自在に構
成し、各々の蝶片はヨロイ2とツル4にロウ付けされ
る。
したもので、メガネフレームはレンズを止着するフロン
トフレーム1の両サイドにヨロイ2、2をロウ付けし、
ヨロイ2には蝶番3を介してツル4が屈曲自在に連結し
ている。該蝶番3にもその形状は色々あるが、基本的に
は雄型蝶片と雌型蝶片とがビスを軸として屈曲自在に構
成し、各々の蝶片はヨロイ2とツル4にロウ付けされ
る。
【0008】図2は上記蝶番3の拡大図であり、雄型蝶
片5と雌型蝶片6はビス7にて連結され、その断面は図
3に示すごとく、基本形状は従来蝶番と同一である。し
かし、本発明の雄型蝶片5には座金を止着しておらず、
該雄型蝶片5の両摺動面8、8にコーティング層9を形
成している。コーティング層9はMo又は洋白等の材質
から成る電極材を使用し、摺動面8との接触部では10
−5秒〜10−6秒の極く短時間に8,000℃〜2
5,000℃に加熱され、イオン化された状態で摺動面
8に冶金的に転移し合金化・堆積され、該摺動面8下に
拡散、浸透する。
片5と雌型蝶片6はビス7にて連結され、その断面は図
3に示すごとく、基本形状は従来蝶番と同一である。し
かし、本発明の雄型蝶片5には座金を止着しておらず、
該雄型蝶片5の両摺動面8、8にコーティング層9を形
成している。コーティング層9はMo又は洋白等の材質
から成る電極材を使用し、摺動面8との接触部では10
−5秒〜10−6秒の極く短時間に8,000℃〜2
5,000℃に加熱され、イオン化された状態で摺動面
8に冶金的に転移し合金化・堆積され、該摺動面8下に
拡散、浸透する。
【0009】上記発熱は短時間にして極部的であるた
め、上記摺動面8への熱入力は小さく、熱歪は発生しな
い。そして、形成されるコーティング層9の厚さは約
2.5μm〜100μmとなる。ここで、上記コーティ
ング層9は、使用される電極材が僅かづつ消耗して摺動
面8へ転移されて形成される。したがって、上記電極材
は蝶番の材質を考慮し、該蝶番材質との間で潤滑性が良
く、摩耗の少ない電極材が選ばれる。前記Moや洋白
は、一般的ではあるが限定されるものではない。
め、上記摺動面8への熱入力は小さく、熱歪は発生しな
い。そして、形成されるコーティング層9の厚さは約
2.5μm〜100μmとなる。ここで、上記コーティ
ング層9は、使用される電極材が僅かづつ消耗して摺動
面8へ転移されて形成される。したがって、上記電極材
は蝶番の材質を考慮し、該蝶番材質との間で潤滑性が良
く、摩耗の少ない電極材が選ばれる。前記Moや洋白
は、一般的ではあるが限定されるものではない。
【0010】又図3では雄型蝶片5にコーティング層
9、9を形成した場合を示しているが、あくまで両蝶片
5、6の摺動面であればよく、そのため雌型蝶片6の摺
動面にコーティングしてもかまわない。以上述べたよう
に、本発明のメガネフレーム蝶番摺動面のコーティング
方法は、雄型蝶片又は雌型蝶片の摺動面に、時には両摺
動面にコーティング層を形成するもので、次のような効
果を得ることが出来る。
9、9を形成した場合を示しているが、あくまで両蝶片
5、6の摺動面であればよく、そのため雌型蝶片6の摺
動面にコーティングしてもかまわない。以上述べたよう
に、本発明のメガネフレーム蝶番摺動面のコーティング
方法は、雄型蝶片又は雌型蝶片の摺動面に、時には両摺
動面にコーティング層を形成するもので、次のような効
果を得ることが出来る。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法にてコーティング層を蝶番
の摺動面に形成することで、該摺動面は摩耗せず、長期
間にわたってガタ付くことがない。又該コーティング層
は耐摩性のみならず、潤滑性が良く、ツルの開閉操作が
スムーズに行ない得る。それに、該コーティング処理は
簡単で、特別な技能を必要とせず、又電極材の消耗は少
なくてランニングコストも安い。そして、本発明のコー
ティング方法は短時間で極部的であるため、摺動面への
熱入力は小さく、熱歪の発生もない。
の摺動面に形成することで、該摺動面は摩耗せず、長期
間にわたってガタ付くことがない。又該コーティング層
は耐摩性のみならず、潤滑性が良く、ツルの開閉操作が
スムーズに行ない得る。それに、該コーティング処理は
簡単で、特別な技能を必要とせず、又電極材の消耗は少
なくてランニングコストも安い。そして、本発明のコー
ティング方法は短時間で極部的であるため、摺動面への
熱入力は小さく、熱歪の発生もない。
【図1】一般的な金属製メガネフレーム。
【図2】ツルを屈曲自在に連結する蝶番。
【図3】本発明の蝶番の断面を示す実施例。
【図4】従来蝶番の断面。
1 フロントフレーム 2 ヨロイ 3 蝶番 4 ツル 5 雄型蝶片 6 雌型蝶片 7 ビス 8 摺動面 9 コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02C 5/00 - 5/22
Claims (1)
- 【請求項1】 ツルを屈曲自在に連結するメガネフレー
ムの蝶番であって、雄型蝶片と雌型蝶片が互いに摩擦摺
動する摺動面にコーティング層を形成するコーティング
方法において、該コーティング層は直流電気を10−1
秒〜10−3秒の周波数で放電し、所定の電極材を摺動
面に接触して10−5秒〜10−6秒の極く短時間だけ
8,000℃〜25,000℃に加熱し、イオン化され
た状態で上記摺動面に冶金的に転移し、合金化すること
を特徴とするメガネフレームの蝶番摺動面のコーティン
グ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19601692A JP2857728B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | メガネフレームの蝶番摺動面のコーティング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19601692A JP2857728B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | メガネフレームの蝶番摺動面のコーティング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618820A JPH0618820A (ja) | 1994-01-28 |
JP2857728B2 true JP2857728B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=16350831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19601692A Expired - Fee Related JP2857728B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | メガネフレームの蝶番摺動面のコーティング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2857728B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101403987B1 (ko) * | 2012-07-09 | 2014-06-10 | 주식회사 디자인아이웍스 | 안경 힌지 조립체 및 이를 채용한 안경프레임 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5490247U (ja) * | 1977-12-07 | 1979-06-26 | ||
JPS5490246U (ja) * | 1977-12-07 | 1979-06-26 | ||
JPS5933886B2 (ja) * | 1978-06-13 | 1984-08-18 | 株式会社ニコン | 眼鏡フレ−ム用蝶番 |
JPS5517150A (en) * | 1978-07-25 | 1980-02-06 | Nippon Kogaku Kk <Nikon> | Hinge of spectacle frame |
-
1992
- 1992-06-30 JP JP19601692A patent/JP2857728B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0618820A (ja) | 1994-01-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |